JP2710502B2 - 感光材料乾燥装置 - Google Patents

感光材料乾燥装置

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JP2710502B2 JP3260861A JP26086191A JP2710502B2 JP 2710502 B2 JP2710502 B2 JP 2710502B2 JP 3260861 A JP3260861 A JP 3260861A JP 26086191 A JP26086191 A JP 26086191A JP 2710502 B2 JP2710502 B2 JP 2710502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動現像機に
用いられ、輻射熱で感光材料の乾燥を行う感光材料乾燥
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動現像機によれば、写真フィルム(以
下フィルムと称する)や印画紙等の感光材料は、ローラ
で搬送されながら、現像、定着及び水洗の各処理が行わ
れ、その後、乾燥部に送られて乾燥が行われる。
【0003】フィルム自現機を例にとると、乾燥部に
は、感光材料乾燥装置が設けられ、この感光材料乾燥装
置としては、赤外線ヒータを用いたものが知られてい
る。
【0004】ここで、フィルムの乾燥過程には、フィル
ムの表面に付着している水分が蒸発潜熱として蒸発して
フィルムの表面温度が一定に保たれる恒率乾燥域と、フ
ィルムの表面の水分がなくなることにより表面温度の上
昇が起こる減率乾燥域とが存在する。恒率乾燥域におい
て、赤外線ヒータによる輻射熱乾燥を行えば、熱量が大
きいため乾燥能力が高められ、乾燥速度が短縮されるの
であるが、減率乾燥域においても輻射熱乾燥を続行する
と、フィルムの表面温度が過度に上昇して、例えば、3
50℃にも達してしまい、光沢が増し、カールの原因と
なり、また、溶ける恐れもあり、更に、カールに伴う変
形によって円滑な搬送が図れない。この現象は、赤外線
ヒータを加熱源とした場合には、一層顕著となる。
【0005】そこで、赤外線ヒータと共に温風供給部を
設け、フィルムの含水率等に基づいてフィルムが恒率乾
燥域にあるか、減率乾燥域にあるかを判別し、フィルム
が恒率乾燥域から減率乾燥域に移行した場合には、赤外
線ヒータの輻射熱乾燥から温風乾燥へ切り換え、その温
風乾燥によって温度上昇を抑制して乾燥を行う感光材料
乾燥装置が、特開平3−54560号等で提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
感光材料乾燥装置にあっては、赤外線ヒータと温風供給
部との両者を備えて、赤外線ヒータによる放射熱乾燥か
ら温風乾燥への切り換えを行う必要があることに加え、
感光材料の種類等によって赤外線ヒータの温度を設定し
なおす必要がある。この温度設定にあたっては、容易か
つ短時間にそれを行い得る手段が求められる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、赤外線ヒータ
の温度設定を簡単に行うことができ、かつ赤外線ヒータ
による輻射熱乾燥のみでも感光材料の表面温度の過度の
上昇を抑えることができる感光材料乾燥装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、搬送される感光材料に対向して配置され
熱エネルギを放射して感光材料を乾燥する加熱源と、該
加熱源の感光材料と反対側に配置され該加熱源から放射
される熱エネルギを前記感光材料に向けて反射させる反
射部材とを具備してなる感光材料乾燥装置において、前
記感光材料に対する少なくともその表面温度に応じて前
記反射部材の反射面を遮蔽することにより反射される熱
量を可変自在とする熱量可変手段、を備えたことを特徴
とする感光材料乾燥装置を提案するものである。なお、
前記熱量可変手段を、反射面に沿って移動可能に配置さ
れたカーテンとし、このカーテンの移動量によって反射
される熱量を可変させても良い。また、前記反射部材の
反射面を、加熱源を中心として略弧状に形成しても良
い。
【0009】
【作用】上記構成によれば、感光材料の表面温度、感光
材料の含水率、感光材料の濃度、乾燥部内の温湿度、環
境温湿度、感光材料の種類等のうちの少なくとも感光材
料の表面温度が、感光材料に対する加熱規制判断条件
が、例えば、感光材料が受ける熱エネルギが現行のまま
で放置されると感光材料の表面温度が過度に上昇してし
まうのでこれを抑制する必要があるような条件にある場
合には、反射部材の反射面を遮蔽することにより反射さ
れる熱エネルギ量が減少可変され、これにより感光材料
が受ける熱エネルギ量は減る。
【0010】その結果、輻射熱乾燥のみでも、感光材料
の表面温度の過度の上昇が抑制され、光沢むらが防止さ
れて良好な光沢が得られ、従って、良好な画像が得られ
る。また、感光材料の光沢の増しやカールも防止され、
感光材料が溶けてしまうようなこともなく、更に、安定
した搬送が可能である。
【0011】
【実施例】本発明に係る感光材料乾燥装置の一実施例を
図1乃至図3に基づき詳細に説明する。
【0012】図2には、本実施例に係る感光材料乾燥装
置を備えた自動現像機10が示されている。
【0013】自動現像機10は、基本的には、処理部1
2、スクイズ部14及び乾燥部16より構成され、それ
らは、ハウジング18内に収容されている。
【0014】処理部12は、ハウジング18内の上部に
位置され、現像槽20、定着槽22及び水洗槽24で構
成されている。感光材料を構成するシート状のXレイフ
ィルム(以下フィルム26と称する)は、図2にその搬
送路27を一点鎖線で示すように、ハウジング18の右
側壁上部に開口形成されたフィルム挿入口28からハウ
ジング18内に入り、各槽上部に配置された搬送ローラ
30及び、各槽内に入れられて搬送ラック32に支持さ
れたローラ群34で搬送されながら、現像槽20、定着
槽22及び水洗槽24の各槽内に、この順で送り込ま
れ、それぞれ、現像、定着及び水洗の各処理が行われ
る。
【0015】なお、現像槽20、定着槽22及び水洗槽
24の各槽内には、現像液、定着液及び水洗水の処理液
が、それぞれ循環供給され、各処理液上においては、フ
ィルム26を槽内外に出入りさせる開口を形成してある
浮蓋21がそれぞれ配置されている。この浮蓋21によ
れば、各処理液と空気との不必要な接触が回避されるよ
うになっている。
【0016】スクイズ部14は、水洗槽24の左隣に配
置され、そこでは、水洗後のフィルム26が搬送ローラ
36で反転降下されて搬送されながら、この搬送過程
で、フィルム26の表面に付着している水分がその搬送
ローラ36でスクイズされる。
【0017】乾燥部16は、スクイズ部14の下方に配
置され、そして、加熱源として遠赤外線ヒータ40が設
けられている。遠赤外線ヒータ40は、フィルム26を
挟んでその両側面に対向して上下に2対設けられ、各遠
赤外線ヒータ40は、搬送ローラ38で下向きに搬送さ
れるフィルム26の搬送方向と直交する方向に沿って長
手方向にあり、長手方向の寸法をフィルム26の幅方向
の寸法と略同一寸法とされてフィルム26と対面配置さ
れている。
【0018】また、遠赤外線ヒータ40は、図1に示す
ように、円形断面のセラミック管46内に、熱源として
ニクロム線48が巻回状態に収められて構成され、ニク
ロム線48の両端に電圧を印加することにより、熱エネ
ルギが遠赤外線として放射されるようになっている。
【0019】遠赤外線ヒータ40のフィルム26と反対
側には、反射部材を構成する反射板44が配置されてい
る。反射板44は、セラミック管46側に曲率中心を有
する円弧又は湾曲に形成され、これにより、遠赤外線ヒ
ータ40から放射される遠赤外線のうち反射板44に向
けて放射されたものがフィルム26に向けて反射され
て、遠赤外線ヒータ40から放射される遠赤外線が効率
よくフィルム26に到達できるようになっている。
【0020】反射板44と遠赤外線ヒータ40との間に
は、熱量可変手段を構成するシャッター装置60が設け
られている。シャッター装置60は、シャッターカーテ
ン62を備え、このシャッターカーテン62は、その一
端部が、遠赤外線ヒータ40と平行に配設された巻取り
シャフト64に巻き取られ、巻き取りシャフト64を駆
動モータ66によって回転駆動することにより、引き出
し巻き戻し自在となっている。ここで、シャッターカー
テン62は、例えば、黒色に着色した金属性薄板、石
綿、ガラス繊維、ポリアミド樹脂等の遠赤外線を反射さ
せないかあるいは反射させ難い難反射性かつ耐熱性を有
する素材で形成され、シャッターカーテン62の他端部
が、反射板44の反射面50に沿って移動し、反射板4
4と遠赤外線ヒータ40との間に出入自在となって、シ
ャッタカーテン62の引き出し量に応じて反射面50が
遮蔽されるようになっている。これにより、反射板44
によりフィルム26に向けて反射される熱量は可変自在
となる。すなわち、シャッタカーテン62の引き出し量
が増してシャッタカーテン62により遮蔽される反射面
50の遮蔽面積が大きくなる程、反射率が低くなって反
射板44により反射される熱量が減少する。なお、反射
板44の長手方向の両端部には、ガイド溝68が形成さ
れ、反射板44の反射面50に沿ってシャッターカーテ
ン62が移動する際、シャッターカーテン62の両端縁
が、そのガイド溝68に沿って案内されるようになって
いる。
【0021】シャッター装置60は、後述するように、
フィルム26に対する加熱規制判断条件に応じてシャッ
タカーテン62を引き出し、また巻き戻すようになって
いる。
【0022】なお、乾燥部16には、遠赤外線ヒータ4
0の下方に温風供給部42が設けられ、温風供給部42
はフィルム26を挟んでその両側面に対向して、上下に
2対配置され、吹出口52からフィルム26に向かって
温風が吹き出されるようになっているが、後述するよう
に、この温風供給42は必ずしも必要なものではない。
【0023】乾燥の後、フィルム26は、ガイドローラ
54によって斜め上方に反転上昇され、ハウジング18
の左壁中央部に開口形成されたフィルム受け箱56に受
け止められる。
【0024】次に、本実施例の作用を説明する。まず、
フィルム26は、フィルム挿入口28からハウジング1
8内に入り、処理部12で現像、定着及び水洗の各処理
が行われ、そして、スクイズ部14でスクイズが行われ
る。
【0025】スクイズされたフィルム26は、乾燥部1
6に送られ、まず、遠赤外線ヒータ40によって加熱さ
れる。この際、フィルム26は、遠赤外線ヒータ40か
ら直接的にフィルム26に向けて放射される熱エネルギ
を受けるとともに、遠赤外線ヒータ40から反射板44
を介して間接的にフィルム26に向けて反射される熱エ
ネルギを受け、これに基づき輻射熱乾燥が行われる。
【0026】このフィルム26が遠赤外線ヒータ40に
よって加熱される際、加熱規制判断条件に応じてシャッ
ター装置60が作動される。このシャッター装置60の
作動によって反射率、すなわち反射板44により反射さ
れる熱量が可変され、それに伴いフィルム26が受ける
熱量は可変される。
【0027】ここで、加熱規制判断条件は、現行の反射
率でフィルム26を加熱し続ける(すなわちフィルム2
6が受ける熱量が現行のままである)とフィルム26の
表面温度が過度に上昇してしまうのでこれを抑制するた
めに現行の反射率を低くする必要があるか、または、現
行の反射率でフィルム26を加熱し続けてもフィルム2
6の表面温度が過度の上昇に至らず、従って現行の反射
率を維持するのがよいか、あるいは、現行の反射率でフ
ィルム26を加熱し続けてもフィルム26の表面温度が
過度の上昇に至までには十分余裕があり、従って、フィ
ルム26の表面温度の一層の上昇を促して乾燥時間の短
縮化を図るために現行の反射率を高めるのがよいか、を
判断できる条件であるとともに、反射率を低く、または
高くする場合に、今後いかなる程度の反射率に可変すれ
ば(例えば、シャッターカーテン62を全閉するが、あ
るいは50%閉じるか等)、フィルム26の表面温度の
過度の上昇を抑制できる一方で、フィルム26が受ける
熱量の過度の減少を防止して乾燥時間の短縮化も有効に
達成できるかを判断できる条件である。この加熱規制判
断条件としては、フィルム26の表面温度、フィルム2
6の含水率(フィルム26の表面に付着している水分の
量を示す)、フィルム26の濃度(黒化度)、乾燥部1
6内の温度、環境温湿度(ハウジング18外の温湿
度)、フィルム26の種類等の種々のものがある。
【0028】このような各種のファクターからなる加熱
規制判断条件に対し、シャッターカーテン62をどの程
度開閉するかは、予め実験的に求め、最適条件をプログ
ラム化しておき、公知の制御手段を介してモータ66を
駆動制御することにより行われる。
【0029】このように、フィルム26の表面温度や含
水率等の加熱規制判断条件に応じてシャッター装置60
が作動され、反射率の可変により反射板44から反射さ
れる熱量が可変されてフィルム26が受ける熱量が適度
に調整されると、フィルム26の表面温度の過度の上昇
が抑制されるとともに、フィルム26が受ける熱量の過
度の減少が防止されて乾燥時間の短縮化が有効に達成さ
れる。
【0030】フィルム26の表面温度の過度の上昇の抑
制によれば、光沢むらが防止されて良好な光沢が得ら
れ、従って、良好な画像が得られる。また、フィルム2
6のカールも防止され、フィルム26が溶けてしまうよ
うなこともなく、従って、フィルム26は、カール等に
よる悪影響を受けず搬送され、安定した搬送が得られ
る。
【0031】また、反射板44による反射率を可変して
も、遠赤外線ヒータ40から放射される遠赤外線の波長
は変化しないので、フィルム26が受ける熱量の調整は
容易である。この熱量の調整も、上述した制御手段を介
して簡単に行うことができる。
【0032】遠赤外線ヒータ40による放射熱乾燥の終
了後、フィルム26は、温風供給部42に送られ、温風
乾燥により極めて緩やかな乾燥が行われる。
【0033】以上、実施例について本発明を説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の変更が可能である。例えば、上記実施例では、X
レイフィルムの自動現像機10で使用される乾燥装置に
ついて説明したが、公知の感光材料の乾燥装置としても
適用できる。
【0034】また、加熱源は、遠赤外線ヒータ40に限
らず赤外線ヒータやその他公知の熱源でもよく、この加
熱源の設置は、水洗処理工程以降の任意の場所に設定で
きる。更にまた、本発明による加熱源の温度制御を適宜
に行えば、温風乾燥は、必ずしも必要とせず、所望の乾
燥を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る感光
材料乾燥装置によれば、極めて容易かつ短時間で温度設
定により、輻射熱乾燥のみで、感光材料の表面温度の過
度の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感光材料乾燥装置の一実施例を示
す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る感光材料乾燥装置を備
えた自動現像装置の概略縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る感光材料乾燥装置の縦
断面図である。
【符号の説明】
26 フィルム(感光材料) 40 遠赤外線ヒータ(加熱源) 44 反射板(反射部材) 60 シャッター装置(熱量可変手段)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送される感光材料に対向して配置され
    熱エネルギを放射して感光材料を乾燥する加熱源と、該
    加熱源の感光材料と反対側に配置され該加熱源から放射
    される熱エネルギを前記感光材料に向けて反射させる反
    射部材とを具備してなる感光材料乾燥装置において、前
    記感光材料に対する少なくともその表面温度に応じて前
    記反射部材の反射面を遮蔽することにより反射される熱
    量を可変自在とする熱量可変手段、を備えたことを特徴
    とする感光材料乾燥装置。
  2. 【請求項2】 前記熱量可変手段を、前記反射面に沿っ
    て移動可能に配置されたカーテンとし、このカーテンの
    移動量によって反射される熱量を可変することを特徴と
    する請求項1に記載の感光材料乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記反射部材の反射面を、前記加熱源を
    中心として略弧状に形成したことを特徴とする請求項1
    または2に記載の感光材料乾燥装置。
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JPH05100401A JPH05100401A (ja) 1993-04-23
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