JP2709931B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

静電潜像現像用トナー

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JP2709931B2
JP2709931B2 JP63009051A JP905188A JP2709931B2 JP 2709931 B2 JP2709931 B2 JP 2709931B2 JP 63009051 A JP63009051 A JP 63009051A JP 905188 A JP905188 A JP 905188A JP 2709931 B2 JP2709931 B2 JP 2709931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に
おいて形成される静電潜像を現像するためのトナーに関
するものである。
〔発明の背景〕 従来電子写真法としては、米国特許2,297,691号、同
2,357,809号等に記載されている如く、感光体表面上に
静電潜像を形成し、該静電潜像を着色微粉末からなる乾
式現像剤によってトナー像とし、次に、紙等の転写シー
トに前記トナー像を転写せしめた後、加熱や加圧等によ
り永久定着せしめて複写画像を形成する。
最近、複写機は高速化や小型化が志向されており、こ
の要請に応える定着工程として、熱効率が良く、コンパ
クトな機構を有し高速化が可能な加熱ローラ定着方式が
好ましく用いられている。
しかしながら加熱ローラ定着方式においては、加熱ロ
ーラ面とトナー像面が接触するために、トナーが加熱ロ
ーラ表面に転写し次に送られてくる紙に転写して画像を
汚すという所謂「オフセット現象」が発生する。
このようなオフセット現象特にホットオフセットを防
止するために特公昭51−23354号においてはスチレン系
の架橋樹脂をトナーの結着樹脂として用いることが提案
されているが単にスチレン系の架橋樹脂として用いるの
みでは定着温度が上昇し、通常の定着条件では未定着と
なり、未定着部分での低温オフセットによる汚れを生ず
る。
上記したホットオフセット及び低温オフセット(定着
性不全)に対処し特公昭59−11902号には、三次元網目
構造を有するポリエステル樹脂をトナーの結着樹脂とし
て用いることが提案されている。
また植物系天然ワックス、モンタン系エステルワック
スがトナーの現像性、定着性に関る物性を整えるに有用
であることが知られている。
しかしながら、本発明者等が詳細に検討を行なったと
ころこのようなポリエステル樹脂を用いたトナーにおい
ては、前記オフセット現象を防止し定着性を向上せしめ
るという点ではいくらかは満足できるものの、高温高湿
下での画像特性や加熱ローラ定着器の耐久性に支障を来
すことが多いことが判明した。
更に前記した2種のワックスには遊離アルコール、脂
肪酸がかなり含まれているため熱安定性が悪く分解し易
い。例えば混練時及び粉砕、分級後の放置時での酸化、
コロナ放電で生ずるオゾンによる分解によって末端官能
基密度が増大する。しかもバインダ樹脂として多価単量
体成分よりえられる非線状ポリエステルを用いた場合、
前記傾向が著しい。
即ち高温高湿の環境において多数回の複写を行なって
いるとかぶりの増加、トナー飛散、べた黒画像の白地部
分が交じるべた黒支障の発生等、画像の恒常性が失われ
る。また、加熱ローラ定着器の加熱ローラ表面上に次第
にトナーが付着蓄積し定着ローラの短命を招き、また加
熱ローラ上に蓄積されたトナーは転写紙の裏面に転移し
て裏面汚れを呼ぶ。
〔発明の目的〕
本発明は前記した問題に対処するものであり、本発明
の目的は定着性、耐オフセット性が良好で加熱ローラ定
着に適した静電潜像現像用トナーを提供することにあ
る。
本発明の他の目的は高温高湿の環境において多数回の
使用を行なってもかぶり、トナーの飛散、べた黒の不均
一性を発生せず、耐久性に優れ、鮮明な画像特性を与え
る静電潜像現像用トナーを提供することにある。
更に本発明の他の目的は加熱ローラ汚れや、裏面汚れ
を発生せず加熱ローラの寿命を著しく向上せしめること
のできる静電潜像現像用トナーを提供することにある。
〔課題を達成するための手段〕
前記本発明の目的は、3価以上の多価単量体を含む単
量体成分よりえられる非線状ポリエステルと、植物系天
然ワックス及び/またはモンタン系エステルワックス並
びにフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とす
る静電潜像現像用トナーによって達成される。
尚本発明の態様として、前記フェノール系酸化防止剤
としてヒンダードフェノール系化合物を適用すれば好結
果をうることができる。
〔本発明の作用効果〕
本発明のトナーの結着樹脂に用いられるポリエステル
樹脂は3価以上の単量体を含有することによりポリエス
テル樹脂に三次元構造を与え鎔融時の離型性を向上せし
めて耐オフセット性を良好とする。また、ポリエステル
樹脂は低温度においても鎔融しやすく低温での紙への鎔
融浸透性が良好で低温オフセットを防止することができ
る。
しかしながら上記した3価以上の単量体を使用して三
次元構造を付与せしめたポリエステル樹脂においては立
体障害のため反応機会に恵まれず3価以上の単量体から
の未反応の−COOH基、もしくは−OH基が多量に残在する
ことになる。更に本発明に係るワックスに於ても−COOH
基,−OH基の含有量が多い。
このような−COOH基もしくは−OH基の残存量の多いポ
リエステル樹脂を結着樹脂としたトナーは加熱鎔融、混
練等トナー製造工程中の酸化、あるいは複写機内におい
て帯電器や転写器から発生してくるオゾンによるトナー
表面部分の酸化等により、トナー中、あるいはトナー表
面上の−COOH基もしくは−OH基の濃度がさらに増加、進
行する。従ってこのようなトナーを用いて多数回の複写
を行えばトナー表面への空気中の水分の吸着が次第に増
大してくる。水分の吸着が過度になってきた場合、特に
高温高湿の条件下においてはトナー表面の電荷がリーク
しやすくなってトナーの帯電量が低下することによるか
ぶりの増加、トナー粒子とキャリア粒子の静電気的付着
力の低下によるトナー飛散、帯電量分布の拡大(低帯電
量トナー粒子の増加)や、水分の吸着によるトナー粒子
の流動性の低下により現像性が低下しべた黒画像に白地
の非現像領域が発生してべた黒の均一性が損われてく
る。
このような要因により、結局現像剤の耐久性が失なわ
れる。
また、加熱ローラ定着工程においては、トナー表面に
おける酸化の進行に伴なう−COOH基や−OH基の増大によ
りトナー粒子の加熱ローラ表面への接着性が増大しトナ
ーの一部が加熱ローラ表面へ付着して蓄積しやすくなっ
てくる。複写回数の増加に伴ないこの現象が過大になっ
てくると加熱ローラの上ローラに蓄積されたトナーが下
ローラへ転移して下ローラを汚染し定着時においてこの
下ローラに付着蓄積しているトナーが転写紙の表面へ転
移して裏面汚れを誘う。
従って本発明のトナーは前記した問題を発生する主要
因と考えられる酸化の進行を防止するという点に着目し
て検討した結果本発明に係るポリエステル樹脂を結着樹
脂とするトナーにフェノール系酸化防止剤を含有せしめ
ることで問題を解消できることを見い出したものであ
る。
すなわち本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤
は製造工程における混練工程において比較的酸化されや
すいポリエステル樹脂の酸化の進行を防止すると共に複
写機内において発生してくるオゾンによるトナー表面の
酸化の進行を防止することができる。
このようなトナーを用いた場合、酸化の進行が防止さ
れることからトナー表面への過度の水分の吸着が防止さ
れ、トナーの帯電量の低下やトナー表面の抵抗の低下が
防止され長期間の使用によるかぶりの増大やトナー飛散
を防止することができる。さらに帯電量分布を狭くでき
かつ、トナーの流動性を低下せしめることがないため、
現像性も安定で良好であり、均一なべた黒の画像を提供
することができる。従って耐久性も向上する。
また、トナー表面における−COOH基もしくは−OH基の
増加が防止され、その効果は加熱ローラへの接着性の増
大阻止、加熱ローラへのトナー付着蓄積の防止、下ロー
ラの汚れ回避、裏面汚れの防止と波及してゆく。
以上の効果の他に、本発明においては摩擦帯電性の良
好な酸化防止剤を選択することにより従来のトナーより
も摩擦帯電性の安定したトナーを提供できるという効果
も有する。
次に本発明に係る酸化防止剤としてフェノール系化合
物の具体例を挙げるが例示に限定されるものではない。
尚融点または凝固点を(℃)を括弧内に併記した。
:例示化合物: 1.モノ−t−ブチル−p−クレゾール (>49゜,sp) 2.モノ−t−ブチル−m−クレゾール (21゜,sp) 3.ブチルヒドロキシアニソール (57〜67゜) 4.2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール (69.9゜) 5.2,6−ジ−t−ブチルフェノール (37゜) 6.2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール (>43
゜) 7.2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール (131゜) 8.4−ハイドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチル (140
〜141゜) 9.オクタデシル−3−(4−ハイドロキシ−3′,5′−
ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(49〜52゜) 10.ジステアリル(4−ハイドロキシ−3−メチル−5
−t−ブチル)ベンジルマロネート (56〜59.5゜) 11.6−(4−ハイドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニ
リノ)2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン(91
〜96゜) 12.2,6−ジフェニル−4−オクタデカノキシフェノール
(62〜63゜) 13.4−t−ブチルカテコール (>50゜) 14.2,5−t−ブチルハイドロキノン (202゜) 15.2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン (>172゜) 16.プロピルガレード (146〜148゜) 17.4,4′−メチレンビス(2,6−t−ブチルフェノー
ル) (>154゜) 18.4,4′イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチル
フェノール) (155〜156゜) 19.4,4′ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール) (208〜212゜) 20.2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール) (130〜133゜) 21.2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル
フェノール) (>119゜) 22.2,2′−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノ
ール) (〜160゜) 23.2,2′−ジハイドロキシ−3,3′−ジ−(α−メチル
シクロヘキシル)−5,5′−ジメチルジフェニルメタン
(〜130゜) 24.2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキ
シルフェノール) (≧180゜) 25.2,6−ビス(2′−ハイドロキシ−3′−t−ブチル
−5′−メチルベンジル)4−メチルフェノール (171
〜172゜) 26.N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ハイドロキシハイドロシンナメート)(156〜161
゜) 27.ヘキサメチレングリコールビス[β−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネー
ト] (49〜54゜) 28.トリエチレングリコールビス[β−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート] (76〜79゜) 29.トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌ
レート (126〜131゜) 30.1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ハイドロキシ
−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート (143
゜) 31.トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシフ
ェノール)イソシアヌレート (221゜) 32.1,1,3′−トリス(2−メチル−4−ハイドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン (185〜188゜) 33.テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(110〜125゜) 特にトナーの耐ブロッキング性、流動性を良好に保つ
上で融点が20℃以上であることが好ましく、またトナー
の定着性を保つために融点が230℃以下であることが好
ましい。
またトナーに対する含有量は0.01〜10重量%、特に0.
1〜5重量%であることが好ましく、0.01重量%未満に
おいては酸化防止剤効果が小さく、また10重量%をこえ
るとトナーのオフセット性が悪くなり定着ローラを汚染
して定着ローラの耐久性を損うことがある。
本発明において用いられる結着樹脂としてはポリエス
テル樹脂であることが好ましく2価以上の多価アルコー
ル単量体と2価以上の多価カルボン酸単量体との縮重合
によって得られる。3価以上の単量体を用いて非線状化
した非線状化ポリエステル樹脂であることが、耐オフセ
ット性の点で好ましい。
ジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブ
テンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添
加ビスフェノールA等のビスフェノール類、ポリオキシ
プロピレン(2.2)−2,2−(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチ
レン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエ
チレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(6.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのエーテル化
ビスフェノール類、その他の2価のアルコール単量体を
挙げることができる。
またジカルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸、琥
珀酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メサコニン酸、グルタコン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、及びその酸無水物もしくはエステル類等の
誘導体を挙げることができる。
非線状化のためには、以上のような二価の単量体成分
の他に、三価以上の多価単量体成分を用いればよい。斯
かる多価単量体である三価以上のポリオール単量体の例
としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテ
トロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリ
ヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができ
る。
また三価以上のポリカルボン酸単量体の例としては、
例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼ
ントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボ
ン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン
酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキ
シル−2−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパ
ン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、ピロメリ
ット酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、シクロ
ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラ
カルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの酸無水
物、若しくは低級アルキルエステル、その他を挙げるこ
とができる。
以上のような三価以上の多価単量体による成分は、重
合体における構造単位としてのアルコール成分または酸
成分の各々における0.1〜80モル%好ましくは5〜50モ
ル%の割合で含有されるのが望ましい。過小の場合、耐
久性が劣り、過大の場合、定着性が悪くなる。
上記した単量体成分のうち、ベンゼントリカルボン酸
を用いることが定着性、耐オフセット性、摩擦帯電性等
の効果が優れている点で好ましい。またジオール成分と
してエーテル化フェノール類を用いることが耐オフセッ
ト性、摩擦帯電性現像剤の耐久性に優れている点で好ま
しい。
本発明のポリエステル樹脂の軟化点は100〜150℃であ
ることが好ましく100℃未満だと耐オフセット性が悪く1
50℃以上だと定着性が不良となる。
また、本発明のポリエステル樹脂のガラス転移点は55
〜70℃であることが好ましく55℃未満だと耐ブロッキン
グ性が悪くなり70℃をこえると定着性が不良となる。
また、本発明のポリエステル樹脂の酸価は50以下であ
ることが好ましく50をこえるとかぶり、トナー飛散、定
着ローラ汚れが激しくなることがある。
本発明のポリエステル樹脂は、ポリカルボン酸成分と
ポリオール成分とを不活性ガス雰囲気にて100〜250℃の
温度範囲で縮重合反応することにより製造することがで
き、反応促進のためにジブチル錫オキサイド、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化錫等の触媒を使用してもよい。
次に本発明に係る植物系天然ワックス及びモンタン系
エステルワックスの具体例を挙げる。
前記ワックスはトナーに対し、0.5〜25wt%、好まし
くは1〜10wt%添加される。
本発明のトナーには、他の樹脂、例えば線状ポリエス
テル、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ、スチレン
−アクリル系共重合体等の樹脂を含有してもよいが、そ
の割合は樹脂の30重量%以下の範囲とされることが好ま
しい。
本発明においては、トナー粒子中に例えば着色剤、荷
電制御剤、定着性向上剤、磁性体粒子、その他の特性改
良剤等のトナー成分が分散含有されてもよい。
本発明のトナーに用いる着色剤としては、公知のもの
がすべて使用でき、例えば、カーボンブラック、ベンジ
ジンイェロー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシ
アニンブルーなどがある。
また本発明のトナーに用いる磁性体粒子としては、磁
場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、鉄、コバ
ルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末もしくはマグネ
タイト、マグヘマタイト、フェライトなどの化合物があ
る。酸化鉄系磁性体を着色剤として用いる時には、トナ
ー中に10〜80重量%含有させるのが良い。
また本発明のトナーに用いられる荷電制御剤として
は、金属錯体系染料、ニグロシン系染料等を挙げること
ができる。
本発明のトナーに含有される定着性向上剤としては、
例えばポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル
および部分鹸化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アル
コール、多価アルコールエステル、シリコンワニス、脂
肪族フロロカーボンなどを用いることができる。このよ
うな定着性向上剤を用いることにより離型性が向上し熱
ローラ定着器での紙づまりの発生を防止できる。
本発明のトナーの好適な製造方法の一例を挙げると、
まず、結着樹脂の材料樹脂若しくはこれに必要に応じて
着色剤等のトナー成分を添加したものを例えばエクスト
ルーダにより鎔融混練し、冷却後ジェットミル等により
微粉砕し、これを分級して、望ましい粒径のトナーを得
る。
さらに本発明のトナーは鉄粉、フェライト粉及び樹脂
にて前記粒子を表面処理した粒子などをキャリア粒子と
混合して用いられ摩擦帯電安定化のために好ましい。特
に、樹脂で表面処理した粒子をキャリア粒子として用い
ると現像剤の耐久性、環境変化に対する摩擦帯電安定化
に有効である。
本発明のトナーには、流動性を一層向上せしめ現像
性、転写性を向上する無機微粒子を混合して用いること
が好ましい。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmである
ことが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好まし
い。
また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであるこ
とが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの
0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0
重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例とし
ては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸
バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、珪砂、クレ
ー、雲母、珪灰石、珪藻土、酸化クロム、酸化セリウ
ム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭化珪素、窒化珪素などを挙げることがで
きる。特にシリカの微粉末が好ましい。シリカの微粉末
の具体例としては、種々の市販品があるが、特に微粒子
の表面に疎水性基を有するものが好ましく、例えば「ア
エロジルR−972」、「アエロジルR−974」、「アエロ
ジルR−805」、「アエロジルR−812」(以上、アエロ
ジル社製)、「タラノックス500」(タルコ社製)など
を好ましく用いることができる。
本発明のトナーを定着する方法としては、熱ローラ定
着方式が好ましく、定着ローラの上ローラが弗素系樹脂
を被覆したものであり、かつ下ローラがシリコンゴムも
しくはシリコンゴム上に弗素系樹脂を被覆した比較的軟
質なものであることが定着性、耐オフセット性、紙づま
りの防止、ローラの耐久性の点で好ましい。
〔合成例及び実施例〕
次に本発明樹脂の代表的なものについての合成例及び
本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの例
に限定されるものではない。
:合成例: (1) バインダA ・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4′−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン 443g ・ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 176g ・テレフタル酸 120g ・オルソチタン酸ジイソプロピル(エステル化触媒) 0.8g 以上の物質を、温度計、ステンレススチール製撹拌
機、ガラス製窒素ガス導入管、および流下式コンデンサ
を備えた容量1の丸底フラスコ内に入れ、このフラス
コをマントルヒータにセットし、窒素ガス導入管より窒
素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気に保った状
態で温度230℃に昇温させ、撹拌下において反応を行っ
た。反応により生成する水が流出しなくなった時点で酸
価を測定すると1.5であった。
さらに、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物139
gを加えて約8時間にわたって反応させ、酸価が17にな
った時点で反応を終了させた。
得られた樹脂は淡黄色の固体であり、この樹脂の軟化
点を「フローテスタCFT−500」(島津製作所製)により
測定したところ、125℃であった。
(2) バインダB ・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4′−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン 482g ・ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4′−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 126g ・1.6−ヘキサンジオール 24g ・フマル酸 174g ・オルソチタン酸ジイソプロピル(エステル化触媒) 0.8g 以上の物質を、バインダAの製造と同様にして反応さ
せ、さらに、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物7
7gを加えて約8時間にわたって反応させ、酸価が22にな
った時点で反応を終了させた。
得られた樹脂は淡黄色の固体であり、この樹脂の軟化
点を「フローテスタCFT−500」(島津製作所製)により
測定したところ、125℃であった。
実施例1〜4及び比較例(1),(2) (トナーの製造) 下記表−1に掲げた組合せに拠り、前記合成例のバイ
ンダ樹脂100重量部と、カーボンブラック「モーガル
L」(キャボット社製)10重量部とポリプロピレン(ビ
スコール660P:三洋化成工業社製)3重量部と本発明に
係るフェノール系酸化防止剤1重量部及びワックス3重
量部とを混合した後、二本ローラにより100〜130℃で充
分に鎔融混練し、その後冷却し、ハンマミルにより粗粉
砕し、さらにジェットミルにより微粉砕し、次いで分級
して、粒径が3〜30μmの範囲内にあり平均粒径が10.0
μmである試料トナーを得た。尚比較トナーにはフェノ
ール系酸化防止剤の添加はない。
(現像剤の調製) 試料トナーの各々4重量部とキャリア(球形フェライ
ト粒子「F−150」日本鉄粉社製)96重量部とを混合す
ることにより現像剤を調製した。
実施例1〜4で得られた現像剤をそれぞれ「現像剤
1」〜「現像剤4」とし、比較例(1)及び(2)で得
られた現像剤を「比較現像剤(1)及び(2)」とす
る。
〈実写テスト〉 30℃80%RHの環境条件下において、セレン感光体、磁
気ブラシ現像器、表層がテフロン(デュポン社製ポリテ
トラフルオロエチレン)により形成された定着上ローラ
および表層がシリコンゴム「KE−1300RTV」(信越化学
工業社製)により形成された、バックアップ下ローラよ
りなる熱ローラ定着器とクリーニング器とを備えてなる
電子写真複写機「U−Bix−5000」(コニカ(株)製)
により前記現像剤を用いて温度33℃、相対湿度80%に於
て10万回にわたり連続して複写画像を形成する実写テス
トを行ない下記の項目についてそれぞれを評価した。結
果を後記の表−2に示す。
〈特性測定〉 (1) かぶり 「サクラデンシトメータ」(コニカ(株)社製)を用
いて、原稿濃度が0.0の白地部分の複写画像に対する相
対濃度を測定して判定した。なお白地反射濃度を0.0と
した。評価は、相対濃度が0.01未満の場合を「○」と
し、0.01以上で0.03未満の場合を「△」とし、0.03以上
の場合を「×」とした。
(2) ベタ黒均一性 網点解析装置「さくらエリアアダック−100」コニカ
(株)を用いて、原画の黒地部分に対応する複写画像部
分に於る白地面積率を測定して判定した。白地面積率が
5%未満の場合を「○」、5%以上10%未満の場合を
「△」、10%以上の場合を「×」とした。
(3) トナー飛散 複写機内および複写画像を目視により観察し、磁性ト
ナー飛散がほとんど認められず良好である場合を「○」
とし、トナー飛散が若干認められるが実用レベルにある
場合を「△」とし、トナー飛散が多く認められ実用的に
は問題のある場合を「×」とした。
(4) 裏面汚れ 定着後のコピィペーパの裏面を目視にて観察し、汚れ
が著しいものを「×」、若干認められるものを「△」、
全く認められないものを「○」とした。
(5) 定着ローラ汚れ 定着器を構成する熱ローラを目視により観察して判定
した。評価は、熱ローラ汚れが多く発生していて実用的
には問題のある場合を「×」、熱ローラ汚れが若干認め
られるが実用レベルである場合を「△」、熱ローラ汚れ
がほとんど認められない場合を「○」とした。
なお、本発明における融点は、通常の融点測定装置に
より測定される。
また本発明における軟化点(Tsp)は、フローテスタ
「CFT−500」(島津製作所製)を用い、測定条件を、荷
重20Kg/cm2、ノズルの直径1mm、ノズルの長さ1mm、予備
加熱40℃で10分間、昇温速度6℃/minとし、サンプル量
1cm3(真性比重×1cm3で表される重量)を測定記録した
ときに得られる、フローテスタのプランジャ降下量−温
度曲線(軟化流動曲線)におけるS字曲線の高さをhと
したとき、h/2のときの温度である。
本発明における酸価とは、試料1g中に含まれる酸を中
和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数で表
したものをいう。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−254154(JP,A) 特開 昭57−124740(JP,A) 特開 昭60−252365(JP,A) 特開 昭62−85259(JP,A) 特開 昭58−127940(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3価以上の多価単量体を含む単量体成分よ
    りえられる非線状ポリエステルと、植物系天然ワックス
    及び/またはモンタン系エステルワックス並びにフェノ
    ール系酸化防止剤を含有することを特徴とする静電潜像
    現像用トナー。
  2. 【請求項2】前記フェノール系酸化防止剤がヒンダード
    フェノール系化合物であることを特徴とする請求項
    (1)に記載の静電潜像現像用トナー。
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