JP2709792B2 - 水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化処理法 - Google Patents

水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化処理法

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素を吸蔵する金属材
の表面に、原料ガスと金属材との化合物層を気相成長に
より形成し、その表面又は表面層を高活性化すると共
に、被毒性を有する気体,液体,蒸気等に対し非活性化
して安定化する処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水素吸蔵金属材が安定的に水素の
吸蔵、放出を行うようにするには、高温、高圧、高真空
等で初期の水素活性化処理を必要とし、例えばMg−N
i合金の場合は、350℃で真空脱気し、2〜5MPa
で10回以上の水素の吸蔵,放出を繰り返す。La−N
i−(Al)合金の場合は、80〜100℃で真空排気
し、1〜3MPaで10回以上の水素の吸蔵,放出を繰
り返す必要がある。また、一度活性化処理された水素吸
蔵金属材であっても、再度大気中などに曝されると、水
素吸蔵能が失われ、また着火,発火の危険性を伴うた
め、取り扱いには十分な配慮を必要としていた。また、
本来1MPa未満で使用する場合においても、初期の水
素活性化処理時に1MPa以上の高圧を必要とするた
め、高圧ガス取締法に準拠した過剰な設備投資を必要と
されてきた。
【0003】以上のように、水素吸蔵金属材を使用する
に当って、初期の水素活性化処理の作業性,不安定性,
取り扱いの危険性,コスト高などが実用上問題となって
いた。上記の問題点を解決するために、特開平5−21
3601号公報に薬液による表面処理によって水素吸蔵
金属材の高活性化又は安定化処理法が提案されている。
【0004】しかし、薬液によって処理する方法には、
次のような問題点がある。薬液を使用するため大量の水
素吸蔵金属材を処理する場合、処理される金属材に対し
必要以上に大きなスペースを必要とする。例えば、上記
公報の処理法では、LaNi4.7 Al0.3 を処理するた
めには、LaNi4.7 Al0.3 10gに対しK3 AlF
6 をベースとした溶液400ml必要としており、仮に
100kgのLaNi4.7 Al0.3 を一度に処理するた
めには、4000Lもの溶液を必要とするし、またそれ
を十分に攪拌するための設備、処理後の廃液処理の問
題、洗浄等の手間、安定化処理するためには表面処理し
たものを一度乾燥させ、水素による活性化処理をした
後、再度薬液によって処理しなくてはならない手間等を
考慮すると、効率的な生産を望むことは難しく、問題を
十分に解決する迄には至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
上記問題点を解決するために、水素吸蔵金属材表面の水
素に対する活性化、及び水素分子以外の表面被毒を有す
る物質に対する非活性化に関し研究を重ねた結果、水素
吸蔵金属材表面に積極的に金属フッ化物を主成分とする
膜を形成せしめることにより、良好な結果を得ることを
確認した。
【0006】本発明は、この点に着目してなされたもの
であり、水素吸蔵金属材の表面に、気相成長によりその
金属材のフッ素化合物を主成分とする膜を形成し、水素
分子に対し高活性な表面、及び水素分子以外の表面被毒
を有する物質に対し非活性な表面の水素吸蔵金属材を得
ることのできる処理法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化処理法
の1つは、反応容器内に水素吸蔵金属材を充填し、所要
の温度まで加熱した後、その反応容器内にフッ素を主成
分とした原料ガスを導入し、水素吸蔵金属材の表面に金
属フッ化物を主成分とする膜を気相成長により形成し
て、少くとも表面又は表面層を、水素分子に対し高活性
化すると共に、水素分子以外の表面被毒を有する物質に
対し非活性化することを特徴とするものである。
【0008】本発明の水素吸蔵金属材の初期活性化方法
は、上記のように処理した水素吸蔵金属材を充填する反
応容器内を水素ガスで置換し、その後水素ガスを導入
し、水素吸蔵金属材に水素を吸蔵させることにより、水
素吸蔵金属材の初期活性化を図るものである。
【0009】本発明の水素吸蔵金属材の高活性化及び安
定化処理法の他の1つは、前記のように処理した水素吸
蔵金属材を充填する反応容器内に、その水素吸蔵金属材
の特性に合った所定の温度,圧力条件にて水素を導入
し、水素吸蔵金属材を微粉化処理を行った後、反応容器
内に再度フッ素を主成分とした原料ガスを導入し、微粉
化された水素吸蔵金属材の表面又は表面層に金属フッ化
物を主成分とする膜を形成して水素分子に対し高活性化
すると共に、水素分子以外の表面被毒を有する物質に対
し非活性化することを特徴とするものである。
【0010】上記各方法における水素吸蔵金属材は、粉
末などの素材、又は中間製品、若しくは完成品のいずれ
でも良い。
【0011】
【作用】上記のように本発明は、水素吸蔵金属材の表面
に、フッ素を主成分とした原料ガスによる気相成長によ
りフッ化膜を形成するので、水素分子に対し高活性とな
り、高温,高圧,高真空を必要としていた水素吸蔵金属
材の初期活性化を低温、低圧、真空排気無しで可能とな
り、また、表面に形成されたフッ化膜は安定した化合物
層であるから、大気中における発火,着火の危険性が無
く、水素分子以外の表面被毒を有する物質に対しては非
活性である為、取り扱い上の危険性が解決されると共に
これまで危険を回避する為に必要とされてきた設備,生
産,輸送における保全費用を大幅に削減できる。また、
本発明は、気相中における化合物反応を利用している
為、大がかりな設備や複雑な工程を必要とせず、大量生
産規模にも対応可能な水素吸蔵金属材の高活性化及び安
定化処理を同時に行うことができる。
【0012】
【実施例】本発明の基本的構成と具体的な実施例につい
て説明する。先ず基本的構成について説明する。
【0013】本発明は、基本的には水素吸蔵金属材の表
面に、気相成長によりフッ化膜を形成せしめるものであ
り、水素吸蔵金属材としては通常水素吸蔵合金として従
来から知られているものが広い範囲でいずれも使用さ
れ、その代表的なものとして、La32.1%−Ni6
7.9%合金,Mg45.3%−Ni54.7%合金が
示される。気相成長により水素吸蔵金属材の表面にフッ
化膜を形成する際のフッ素化温度は、フッ素ガス、或い
はフッ化水素ガスを用いる場合は、共に常温から300
℃、好ましくは100〜250℃である。フッ素化の時
間は、1〜10時間である。合金材表面のフッ素反応が
進み過ぎると、本来の水素吸蔵金属材が持っている諸特
性が損なわれる。フッ素化は常圧で行うのを基本とする
が、必要に応じて減圧下或いは加圧下で行うこともで
き、この際の圧力としてはゲージ圧力で2気圧以下程度
で良い。フッ素化の雰囲気は、酸素の存在しない状態で
行うのが良く、従って、フッ素ガス或いはフッ化水素ガ
スを単独で、或いは適宜な不活性ガス、例えばN2 ,A
r,He等で希釈した原料ガスを使用するのが良い。
【0014】上記水素吸蔵金属材をフッ化処理する処理
装置の一例を図1の模式図で説明すると、1は水素吸蔵
金属材を充填した反応容器、2は反応容器1を加熱する
電気炉、3は反応容器1のガス導入ライン4に連なるガ
ス供給システムで、切替バルブ、流量制御装置等を内蔵
している。5はガス供給システム3の上流の不活性ガス
貯蔵用ボンベ、6は別系統の原料ガス貯蔵用ボンベ、7
は反応容器1の真空排気装置である。
【0015】この処理装置により水素吸蔵金属材をフッ
素化する場合は、不活性ガス貯蔵用ボンベ5のN2 ,A
r,He等のいずれかの不活性ガスを、ガス供給システ
ム3によりガス導入ライン4を通して反応容器1内に毎
分10L程度導入し、常温で十分にパーヂして水分を除
去する。次に電気炉2により反応容器1全体を150〜
300℃程度に加熱し、吸着水分の除去を行う。次いで
原料ガス貯蔵用ボンベ6のフッ素ガス或いはフッ化水素
ガスをガス供給システム3によりガス導入ライン4を通
して反応容器1内に導入し、該反応容器1内の水素吸蔵
金属材のフッ素化処理を行う。所定の時間フッ化処理を
行った後、再度反応容器1内に不活性ガスを導入し、反
応容器1内に残存しているフッ素ガス或いはフッ化水素
ガスをパーヂする。パージ終了後もそのまま不活性ガス
をフローしながら水素吸蔵金属材表面に形成されたフッ
化膜の熱処理を行う。その後、表面フッ化処理済みの水
素吸蔵金属材を微粉化すべく反応容器1内に水素ガスの
導入を行い、水素吸蔵による金属材の微粉化を行う。こ
のようにして微粉化された水素吸蔵金属材の表面を再度
前記と同様の方法で連続的にフッ化処理することによ
り、水素分子以外の表面被毒を有する物質に曝すことな
く、有効且つ表面積の大きい水素吸蔵金属材が作成され
る。
【0016】こうして形成されたフッ化膜を表面に持つ
水素吸蔵金属材は、水素分子に対し高活性であり、また
水素分子以外の表面被毒を有する物質に対し非活性であ
るという特性を示す。
【0017】次に本発明の具体的な実施例について説明
する。 <実施例1> 反応容器に充填した粒径500μm以下
の水素吸蔵合金LaNi4.7 Al0.3 100gを高純度
2 ガスを反応容器内に導入して300℃,3時間ベー
キング後、反応容器内に100%F2 ガスを導入し、1
50℃,3時間フッ素化せしめ、然る後反応容器内にN
2 ガスを導入し、300℃、3時間熱処理した。処理
後、試料表面をエネルギー分散型X線分析装置にて分析
を行った処、試料表面にフッ素が存在していることを確
認した。解析チャートを図2に示す。
【0018】また実施例1にて処理された試料の水素吸
蔵金属材としての特性について以下に記す。 (評価1) 前記実施例1によって処理された試料及び
比較例として未処理の試料についての初期活性化を同じ
条件にて測定した。図3は横軸に水素を吸蔵するまでに
要した時間、縦軸は合金中に吸蔵された水素の濃度を示
しており、反応条件は、合金の温度80℃一定、真空排
気0.01Torrになるまで行い、水素導入圧2.5
MPaで行った(以下条件1とする)。その結果、前記
実施例1によって処理された試料は、水素導入後直ちに
反応し、水素導入後2分位で水素濃度0から0.9程度
まで達した。それに対し未処理試料は、水素導入後約4
0分位から反応を開始し、約60分後ようやく水素濃度
0から0.9位まで達した。このように実施例1によっ
て処理された試料は、未処理試料に対し初期の水素化反
応が速く、水素に対し高活性化するようになる。
【0019】(評価2) 前記実施例1によって処理さ
れた試料及び未処理試料を用い、評価1に対しより反応
しにくい条件にて試験を実施した。その時の反応条件
は、合金の温度60℃一定、真空排気無しの水素ブロ
ー、水素導入圧1MPaで行った(以下条件2とす
る)。その結果、図4に示されるように前記実施例1に
よって処理された試料は、水素導入後速やかに反応を開
始し、水素導入後約15分位で水素濃度0から0.9程
度まで達した。それに対し未処理試料は、水素導入後6
0分経過しても反応は確認されなかった。このように実
施例1によって処理された試料は、未処理試料では反応
しないような反応条件においても第1回目から速やかに
水素と反応し、しかもこれまで水素の高圧導入及び真空
排気を必要としていた初期の活性化において、低圧(1
MPa以下)しかも真空排気を必要としないで、初期の
活性化が可能となる。
【0020】<実施例2> 実施例1にて処理した後、
反応容器内を水素ガスにて置換し、反応温度60℃、水
素導入圧1MPaにて水素ガスの吸蔵、放出による合金
の微粉化処理を3回実施し、その後、再度実施例1の処
理をした。処理後、合金の粒径を測定した処、30μm
以下に微粉化されていた。
【0021】(評価3) 実施例2にて処理した試料
を、前記条件2にて活性化反応させた時の第1〜3回目
の反応結果を図5に示す。この図5で判るように第1回
目水素導入後速やかに反応を開始し、水素導入後約15
分位で第2,3回目の水素濃度に達した。また、第2,
3回目は水素導入後直ちに反応を開始し、未処理試料で
は反応しなかった条件においても、2回の反応で十分に
活性化され、未処理試料を数10回以上の活性化処理を
施した試料と同等の特性を持つようになった。
【0022】(評価4) 実施例2にて処理した試料
を、292時間外気に放置し、その後前記条件2にて初
期の活性化反応を行った処、図6に示すような結果を得
た。この図6で判るように実施例2にて処理した試料
は、外気に曝されていたにもかかわらず前記評価3と同
じ反応特性を示した。また、実施例2にて処理した試料
を、292時間水中に浸し、その後水中より取り出し大
気中にて自然乾燥させた試料を、前記条件2にて初期の
活性化反応を行った処、図7に示すような結果を得た。
この図7で判るように292時間の外気放置の結果と同
様に評価3と同じ反応特性を示した。よって、外気中や
水中内に放置して合金の活性は失われないことが確認さ
れた。
【0023】(評価5) 実施例2にて処理した試料
が、評価4以外の表面被毒を有する物質に対し非活性化
しているかについて未処理の試料と比較試験した結果を
図8に示す。図8は、横軸に水素の吸蔵、放出によるサ
イクル数、縦軸に水素吸蔵量変化の割合を示している。
比較試験は、先ず前記2種類の試料を、温度80℃,真
空排気0.01Torrになるまで排気し、次に7Nの
高純度水素ガスを使い、導入圧力2.5MPaの条件で
活性化処理を3回行った。活性化処理後、926ppm
のCOを含んだ水素ガスを温度60℃,導入圧力1MP
aで10分間吸蔵させ、その後温度60℃で反応容器内
の圧力が0.12MPaになるまで水素の自然放出を行
い、サイクル数による合金特性の変化を見た。その結
果、未処理の試料の水素吸蔵量は、10サイクル目で0
サイクル目の初期吸蔵量に対し15%前後まで減少し、
反応速度も極端に低下した。それに対し実施例2にて処
理した試料の吸蔵量は、サイクル数が増加しても減少は
全く見られず、安定して0サイクル目に対し100%の
吸蔵量を維持し、反応速度の低下も特に見られず、初期
の性能を維持し続けた。よって、水素吸蔵金属材を実施
例2にて処理することにより、水素分子以外の表面被毒
を有する物質に対し非活性化することが確認された。
【0024】<実施例3> 反応容器に充填した粒径5
00μm以下の水素吸蔵合金Mg2Ni100gを、高
純度N2 ガスを反応容器内に導入して300℃,3時間
ベーキング後、反応容器内に100%HFガスを導入
し、200℃,3時間でフッ素化せしめ、然る後反応容
器内にN2 ガスを導入し、300℃,3時間熱処理し
た。熱処理後、試料表面をエネルギー分散型X線分析装
置にて分析を行った処、試料表面にフッ素が存在してい
ることを確認した。
【0025】(評価6) 実施例3にて処理された試料
及び未処理の試料についての初期活性化を測定した。反
応条件は、合金温度350℃一定,真空排気0.01T
orrになるまで行い、水素導入圧2.5MPaで行っ
た。その結果、実施例3にて処理された試料は、図9に
示すように水素導入後直ちに反応を開始し、未処理試料
の4倍以上の反応速度で水素を吸蔵するようになった。
【0026】
【発明の効果】以上の通り本発明の水素吸蔵金属材の高
活性化及び安定化処理法は、フッ素を主成分とした原料
ガスによる気相成長により水素吸蔵金属材の表面にフッ
化膜を形成するのであるから、水素分子に対し高活性と
なり、高温,高圧,高真空を必要としていた水素吸蔵金
属材の初期活性化を低温,低圧,真空排気無しで可能と
なり、また表面に形成されたフッ化膜は安定した化合物
であるから、大気中における発火、着火の危険性が無
く、水素分子以外の表面被毒を有する物質に対しては非
活性である為、取り扱い上の危険性が解決されると共
に、これまで危険を回避する為に必要とされてきた設
備,生産,輸送における保全費用を大幅に削減できる。
また、本発明の水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化処
理法は、気相中における化合物反応を利用している為、
大がかりな設備や複雑な工程を必要とせず、大量生産規
模にも対応可能な水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化
処理を同時に行うことができる。さらに、本発明の水素
吸蔵金属材の活性化及び安定化処理法により処理された
水素吸蔵金属材は、水素分子以外の物質に対し非活性で
あり、低圧においても容易に水素と反応する特性を有す
るものとなり、これを使用すれば水素濃度の低いガス中
から安定的に水素のみを回収することができ、またヒー
トポンプや自動車燃料用、水素運搬用等の水素貯蔵タン
クに使用した際にも長期間にわたって安定した性能を維
持することが可能となり、さらにニッケル−水素2次電
池用電極として使用した際にも電解液に対する耐食性,
長寿命等に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化
処理法を実施する為の処理装置の一例の模式図である。
【図2】本発明の実施例1により処理された水素吸蔵金
属材の試料表面をエネルギー分散型X線分析装置にて分
析した解析チャートを示す図である。
【図3】本発明の実施例1により処理された試料と未処
理試料の初期活性化反応における水素吸蔵に要する時間
と水素濃度との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例1により処理された試料と未処
理試料の反応しにくい条件での初期活性化反応における
水素吸蔵に要する時間と水素濃度との関係を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施例2にて処理した試料の反応しに
くい条件での活性化反応における水素吸蔵に要する時間
と水素濃度との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例2にて処理した試料を外気に2
92時放置後、反応しにくい条件での活性化反応におけ
る水素吸蔵に要する時間と水素濃度との関係を示す図で
ある。
【図7】本発明の実施例2にて処理した試料を水中に2
92時間浸した後、反応しにくい条件での活性化反応に
おける水素吸蔵に要する時間と水素濃度との関係を示す
図である。
【図8】本発明の実施例2にて処理した試料と未処理試
料の表面被毒を有する物質に対し非活性化しているかに
ついての比較試験の結果を示す図である。
【図9】本発明の実施例3にて処理した試料と未処理試
料の初期活性化反応における水素導入圧力と反応速度と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 電気炉 3 ガス供給システム 4 ガス導入ライン 5 不活性ガス貯蔵ボンベ 6 原料ガス貯蔵ボンベ 7 真空排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 8/08 C23C 8/08 16/30 16/30 (72)発明者 青野 文昭 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式 会社 ベンカン内 (72)発明者 伊藤 学 東京都大田区山王2丁目5番13号 株式 会社 ベンカン内 (72)発明者 前野 又五郎 大阪府堺市海山町7丁目227番地 橋本 化成株式会社三宝工場内 (72)発明者 平山 良司 大阪府堺市海山町7丁目227番地 橋本 化成株式会社三宝工場内 (56)参考文献 特開 平5−213601(JP,A) 特開 昭64−24001(JP,A) 特開 平5−33115(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に水素吸蔵金属材を充填し、
    所要の温度まで加熱した後、その反応容器内にフッ素を
    主成分とした原料ガスを導入し、水素吸蔵金属材の表面
    に金属フッ化物を主成分とする膜を気相成長により形成
    して、少くとも表面又は表面層を、水素分子に対し高活
    性化すると共に、水素分子以外の表面被毒を有する物質
    に対し非活性化することを特徴とする水素吸蔵金属材の
    高活性化及び安定化処理法。
  2. 【請求項2】 請求項1で処理した水素吸蔵金属材を充
    填する反応容器内を水素ガスで置換し、その後水素ガス
    を導入し、水素吸蔵金属材に水素を吸蔵させることを特
    徴とする水素吸蔵金属材の初期活性化処理法。
  3. 【請求項3】 請求項1で処理した水素吸蔵金属材を充
    填する反応容器内に、その水素吸蔵金属材の特性に合っ
    た所定の温度、圧力条件にて水素を導入し、水素吸蔵金
    属材を微粉化処理を行った後、反応容器内に再度フッ素
    を主成分とした原料ガスを導入し、微粉化された水素吸
    蔵金属材の表面又は表面層に金属フッ化物を主成分とす
    る膜を形成して水素分子に対し高活性化すると共に、水
    素分子以外の表面被毒を有する物質に対し非活性化する
    ことを特徴とする水素吸蔵金属材の高活性化及び安定化
    処理法。
  4. 【請求項4】 水素吸蔵金属材が、粉末などの素材、又
    は中間製品、若しくは完成品のいずれかである請求項1
    〜3のいずれかに記載の処理法。
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