JP2709667B2 - オキサミドの製造方法及び装置 - Google Patents

オキサミドの製造方法及び装置

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JP2709667B2
JP2709667B2 JP3360895A JP36089591A JP2709667B2 JP 2709667 B2 JP2709667 B2 JP 2709667B2 JP 3360895 A JP3360895 A JP 3360895A JP 36089591 A JP36089591 A JP 36089591A JP 2709667 B2 JP2709667 B2 JP 2709667B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオキサミド(遅効性肥
料)の製造方法及び装置に係り、詳しくは反応溶媒とし
てのメタノール、エタノール、ブタノール等の脂肪族低
級アルコールに修酸ジメチル、修酸ジエチル、修酸ジブ
チル等の修酸ジアルキルエステル液を溶解させた混合液
にアンモニアガスを接触させてオキサミドを生成物とし
て得るときに生成物である該不溶解結晶オキサミドのア
ンモニアガス供給部への生成及び付着による該部の閉塞
を防いで、しかもアンモニアガスと混合液との接触効率
を良くしてオキサミドを連続して、かつ、効率よく製造
できるようにしたオキサミドの製造方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からオキサミドは反応容器中で反応
溶媒としてのメタノール(CHOH)、エタノール、
ブタノール等の脂肪族低級アルコール(以下、単にアル
コールということもある)に修酸ジメチル、修酸ジエチ
ル、修酸ジブチル等の修酸ジアルキルエステル(以下、
単に修酸ジアルキルということもある)液を溶解させた
液にアンモニアガス(NH)を接触させてオキサミン
酸メチルエステル等のオキサミン酸アルキルエステルの
生成を経由してメタノール等のアルコールとオキサミド
を生成させ、オキサミドを製品として回収するようにし
て製造されている。この反応式の一例は次式で表され
る。
【0003】
【式1】
【0004】そして、その製造方法は図3又は図4に示
すような方法で行われている。図3の製造装置におい
て、1は内部にメタノール(以下、MeOHと称するこ
ともある)が貯められている反応容器、2は容器1の底
部に多数配設されたアンモニアガス供給ノズル、3は先
端に攪拌羽根4を有した攪拌機、5は容器1の上部側壁
に取付けた修酸ジメチル供給管であり、このような反応
容器1が複数個(この例では2個)配置して設けられて
いる。このような装置において、一方の容器1中で過剰
メタノールを攪拌機3で攪拌しつつ供給管5から修酸ジ
メチル(以下、DMOと称することもある)を供給する
と共に液中に多数のノズル2からアンモニアガスを泡状
にして分散供給する。そうすると、反応容器1では上記
反応式に示した如くの反応が行われてオキサミド(以
下、OXと称することもある)とメタノールが生成され
る。このような反応は攪拌されている液中にアンモニア
ガスを供給するので液とアンモニアガスとの接触が効率
良く行われる。生成されたオキサミドとメタノールは反
応容器1の底部排出管6から取り出されて図示していな
い乾燥工程へ送られ、ここでメタノールが分離されオキ
サミドが製品として取り出される。
【0005】しかして、この製造方法では溶解反応中に
オキサミド等の生成物の不溶解結晶がアンモニアガス供
給ノズル2の孔の部分に生成し孔を閉塞する。そこで、
閉塞を生じたらこの容器1での反応を中止し、他方の容
器1に切り換えて同様な反応を行わせる。この間に前記
閉塞した容器1のノズル2に生成した該不溶解結晶が自
然に液中に溶解してノズル孔が開かれる。そして、今作
動中の他方の容器1のノズル2が同様に閉塞されたらこ
の一方側の作動に切り換える。このように、交互に切替
え運転を行うことにより、オキサミドを連続して製造で
きるようにしている。
【0006】一方、このような図3に示す製造方法での
ノズル2のアンモニアガス分散装置の閉塞トラブル発生
によるメンテナンスの必要に鑑み、図4に示すように多
段気液自由界面反応による方法も行われている。図4に
おいて、反応容器10、11、12が複数個、多段で接
続され、各容器には先端に羽根13を有した攪拌機1
4、容器の液の自由界面に臨ませてアンモニアガス供給
管15が設けられ、1段目の容器10には修酸ジメチル
供給管16が取付けられている。1段目の容器10と2
段目容器11との間、および2段目容器11と3段目の
容器12との間はそれぞれ連絡管17、18で接続さ
れ、多段反応によりアンモニアガスとの反応が良くされ
て最終段の容器12の下部排出管19から生成されたオ
キサミドとメタノールが取り出され、以下図3の方法と
同様な工程を経てオキサミドが製造される。このよう
に、図4の方法では、多段反応方式として必要な自由界
面を確保して反応を行わせるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記したよう
な方法において、図3に示す方法では、気液の接触効率
はよいものの、分散ノズル2での閉塞トラブルに対して
メンテナンスが必要となり、また、他方の反応容器1で
反応を行わせていてもう一方の休止中の反応容器1で生
成した結晶が溶解するにしてもどうしても完全にノズル
2から分離することがなくアンモニアガスの供給が不安
定となる。そして、反応容器1が複数個必要であるた
め、装置全体が大きくなるという問題がある。一方、図
4に示す方法では、反応に必要な自由界面を確保するた
めに反応容器を多く接続して多段気液自由界面反応を行
わせる必要があるため、同様に装置が大きくなるという
問題がある。
【0008】本発明はこのような従来のオキサミドの製
造方法及び装置の持つ欠点を解消させて、不溶解結晶オ
キサミドのアンモニアガス供給部への生成及び付着によ
る該部の閉塞を防いで、しかもアンモニアガスと混合液
との接触効率を良くしてオキサミドを連続して、かつ、
効率よく製造できるようにしたオキサミドの製造方法及
び装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、 (1)反応容器中で反応溶媒としての脂肪族低級アルコ
ールに修酸ジアルキルエステル液を溶解させた混合液に
アンモニアガスを供給してオキサミドを生成させるよう
にしたオキサミドの製造方法において、該反応容器内の
混合液中で回転軸線と交差する方向に突出させて設けた
多数のノズルを有する回転筒体を該回転軸線回りに回転
させて該混合液を攪拌しつつ該ノズルから該アンモニア
ガスを混合液中へ微細な気泡として噴出供給させ、該反
応容器内で生成される不溶解性オキサミドとアルコール
のスラリーを該反応容器から該反応容器の底部に連通さ
せた別の下部容器に流下させて取り出すと共に、該反応
容器からその内部の液を抜き出し該下部容器の底部に供
給して該反応容器と該下部容器との間で該液を循環させ
て所要粒径の結晶粒のオキサミドを生成させ、該生成さ
れたオキサミドとアルコールのスラリーを該下部容器の
底部から取り出すことによりオキサミドを製造するよう
にしたものである。また、
【0010】(2)反応容器中で反応溶媒としての脂肪
族低級アルコールに修酸ジアルキルエステル液を溶解さ
せた混合液にアンモニアガスを供給してオキサミドを生
成させるようにしたオキサミドの製造装置において、該
製造装置を、該反応容器内に回転軸線と交差する方向に
突出させて設けた多数のアンモニアガス噴出用のノズル
を有する回転筒体を該混合液中に没して該回転軸線回り
に回転可能に設け、該反応容器の底部に該反応容器と連
通させて該反応容器内で生成される不溶解性オキサミド
とアルコールのスラリーを流下させて取り出す下部容器
を取り付け、該反応容器の底部と該下部容器の底部の間
に該反応容器の液を取り出して該反応容器と該下部容器
との間で該液を循環させる液循環用配管を連結すると共
に、該下部容器の底部には所要粒径に生成されたオキサ
ミドとアルコールのスラリーを取り出すスラリー排出管
を接続した構成にしたものである。
【0011】
【作用】上述のような構成とすると、突起ノズルを有し
た回転ドラムがメタノール等のアルコール液中で回転し
ていることにより、該アルコール液が攪拌されてアルコ
ールに修酸ジメチル等の修酸ジアルキル液が完全溶解さ
れ、かつ、その混合液中にアンモニアガスが、突起ノズ
ルの作用で強制剪断によって気泡が生成されることによ
り微細な気泡にされて分散供給されることによって、修
酸ジアルキル液とアンモニアガスとの気液接触反応が極
めて効率よく行われて反応が極めて効率よく行われると
共に、混合液中での回転筒体の回転作用により突起ノズ
ルが常時、液により洗浄されていることにより、反応生
成物であるオキサミド等の結晶が洗い流される。また、
突起ノズルより噴出される気泡は遠心力噴散されるてい
るため、該反応生成物の気泡内への逆流反応が起こるこ
とはない。従って、ノズル内やノズル孔部での該反応生
成物の付着・析出が起こることがなく、オキサミドの製
造が反応生成物結晶の付着除去作業等のメンテナンスを
必要とすることなく、連続的に効率よく行われる。
【0012】しかして、液中に回転自在に設けた回転ド
ラムに該ドラムの回転軸と直交する方向に突起ノズルを
設けて、このノズルから気体を微細な気泡として液中に
分散させることにより気液接触させて酸化や脱塵を行う
ことは、例えば特公昭52−22953号公報や特公昭
60−32797号公報等で知られているが、本発明の
ように、この気液接触原理を、オキサイドの製法及び装
置においてアンモニアガスを反応溶媒であるアルコール
と修酸ジアルキル液との混合液中へのアンモニアガスの
供給方法として適用することにより、上記の如く、従来
技術のように攪拌機3、14等の攪拌装置を別個に設置
する必要もなく液の攪拌作用を効果的に行わせることが
できると共に、反応生成物であるオキサミド等の結晶の
付着・析出が起こることがないという優れた作用が奏さ
れる。そして、反応容器で生成された不溶解性オキサミ
ドとメタノール等のアルコールのスラリーは該反応容器
と連通した下部容器内に流下して取り出される。このと
き、液循環用配管によって反応容器の底部から下部容器
の底部へと該反応容器内の液が流されて循環されており
下部容器内では液が容器の底から上方へ流されているた
め、オキサミド結晶粒の内で粒径の大きいものはその位
置に留まり、粒径の小さいもの(例えば粒径0.1mm 未
満) はその上昇流に乗せられて上方の反応容器30へ返
されて、またその後、下降する。このような上昇下降を
繰り返すうちにメタノール等のアルコール内での結晶生
成が促進され徐々に粒径の大きい結晶粒(例えば粒径0.
1mm)として成長する。このようにしてスラリー中のオキ
サミドの濃度が調整されて高められる。 そして、このス
ラリーは下部容器から該容器の底部のスラリー排出管に
排出され、次工程で乾燥、造粒されるなどしてアルコー
ルが気化分離され製品としてのオキサイドが得られる。
【0013】
【実施例】次に、図面に示した実施例により本発明を詳
細に説明する。図1は本発明が適用される溶解反応式オ
キサミドリアクターの実施例を示す概略断面図及びフロ
ーシート、図2は同リアクターの回転ドラムの実施例を
示すもので、図2(a)は回転ドラムの部分拡大断面
図、図2(b)は図2(a)のB矢視断面図である。図
1において、30は溶解反応を行う反応容器であり、そ
の内部には運転初期に過剰メタノール(MeOH)が貯
められている。反応容器30の内部の底部の該過剰メタ
ノールの液中には回転筒体としての回転ドラム31が設
けられており、回転ドラム31はその回転軸線31aの
回りでモータMによって所定の回転速度で回転される。
なお、モータMは可変速モータを用いることにより、所
望の回転速度を回転ドラム31へ与えることができる。
そして、回転ドラム31の外周の円筒表面にはその回転
軸線31aと交差して、本実施例では直交して多数の突
起ノズル32が突出されて取付けられている。回転ドラ
ム31と突起ノズル32は内部で連通されており、回転
ドラム31内に供給されたアンモニアガスが突起ノズル
32から液中へ気泡として供給される。
【0014】回転ドラム31の上方の液中には冷却用の
コイル33が設けられている。そして、反応容器30の
頂部にはミスト除去器34が設けられ、その出口には排
ガス排出口30bが設けられている。排ガス排出口30
bには循環用ブロワ36を介装した循環ガス管35が接
続され、この一方は前記回転ドラム31の内部に連通さ
せて接続されている。循環ガス管35にはアンモニアガ
ス供給管38が連結されている。反応容器30の最下部
にはスラリー抜き出し口30aが開口されて設けられて
おり、さらにこれに連通させて容量の小さい下部容器4
0が反応容器30に取付けられている。反応容器30の
側壁寄りの底部と下部容器40との間にはポンプ41を
介装した液循環用配管42が連結されており、下部容器
40の下部から反応容器30内の液を循環供給して下部
容器40内で上昇する液の流れを形成させることによ
り、反応容器30から流下して下部容器40内に取り入
れられるオキサミドと中間生成物のオキサミン酸メチル
及びメタノールからなるスラリーがこの上昇流に乗って
反応容器30の底部と下部容器40の底部との間で上下
往復運動を繰り返すように構成されている。
【0015】下部容器40の最下部には絞り弁44が介
装され生成されたオキサミドとメタノールからなるスラ
リーを取り出すための排出管43が取付けられ、排出管
43の下端は転動乾燥造粒器50に連結されている。転
動乾燥造粒器50は回転ドラム51の内部に回転中心を
ドラム断面視でドラム51の回転中心と偏心した位置に
有し該ドラム51と逆方向に回転する複数の攪拌羽根5
3が取付けられると共に、ドラム51の周囲に加熱用ジ
ャケット54が設けられて構成される。該加熱用ジャケ
ット54にはスチームSTが供給されてドラム51内の
スラリーが間接加熱されつつ、該ドラム51と攪拌羽根
53との作用により造粒、乾燥される。転動乾燥造粒器
50には蒸発されたメタノール蒸気である排ガスの排出
管55が接続されており、その下流には順次、該排ガス
に同伴されて転動乾燥造粒器50から排出されるオキサ
ミド微粉を捕集するバッグフィルタ等の捕集器56と吸
引ブロワ77aが取付けられている。捕集器56の下部
と転動乾燥造粒器50のスラリー供給側とは捕集器56
で捕獲されたオキサミド微粉を転動乾燥造粒器50に返
すための輸送管58で連結されている。転動乾燥造粒器
50の反スラリー供給側には乾燥造粒されたオキサミド
を製品として取り出す排出管57が設けられている。
【0016】前記捕集器56でオキサミドの微粉を除去
されたメタノール蒸気は吸引ブロワ77aにより管77
によりメタノール回収・供給部70へ送られる。メタノ
ール回収・供給部70は管77から送給されたメタノー
ル蒸気を冷却して液化するための凝縮器71と、凝縮器
71で液化されたメタノールの一部をメタノール回収器
80へ送るための管72、ポンプ73が介装されて凝縮
器71で液化された残りのメタノールを取り出すための
管74、この管74から分岐され吸着脱水器79を有
し、この下流点で修酸ジメチル(DMO)供給管37が
接続されて末端を反応容器30に連結されたメタノール
供給管76および一部のメタノール液をメタノール回収
器80へ供給する管75から構成されている。また、ポ
ンプ73の吐出側の配管74からはポンプ41、73の
回転摺動部や反応容器30の回転ドラム31の軸貫通部
等へ液漏れ封止用のシール液を供給する管路78と、下
部容器40の最下部に清浄メタノールを供給する管路4
5が分岐されて設けられている。
【0017】このように構成されたオキサミドリアクタ
ーの作動を説明する。修酸ジメチル(温度約60℃)が
管37からメタノール供給管76内に供給され、メタノ
ール回収・供給部70から送られて来るメタノールに該
修酸ジメチルが予め溶解された状態で反応容器30に供
給され、さらに反応容器30へ供給されて運転開始に先
立って内部に貯められている反応溶媒としての過剰メタ
ノールに溶解される。そして反応容器30内の過剰メタ
ノールに浸漬されて回転している回転ドラム31の突起
ノズル32からアンモニアガスが微細な気泡となって該
メタノール溶媒中に分散されて気液接触が効率よく行わ
れると共に回転ドラム31の回転により液が攪拌されて
該修酸ジメチルが該過剰メタノール溶媒へ完全溶解され
ることにより該修酸ジメチルはアンモニアガスと効率よ
く反応する。
【0018】ここで、回転ドラム31の周囲に回転軸線
31aと直交する方向に突出させて設けた突起ノズル3
2を該回転軸線31a回りに回転させることによって、
強制剪断により気泡が生成される原理を図2(b)に基
づいて説明すると、液中で回転ドラム31を回転させた
ときに、回転ドラム31の円筒表面に接している液は円
筒表面と殆ど等しい周速度で回転するが、円筒表面から
遠ざかるにつれて速度は急速に小さくなるので、ガスの
出口である突起ノズル32の先端部においては先端の開
口部と液との間には大きな速度差ΔVが生じている。そ
の結果、まず開口部付近に静圧の低下を生じるので、そ
の圧力が液圧以下になれば突起ノズル32内のガスは吸
い出されることになり、液中に自噴することになる。そ
して、突起ノズル32の先端開口から出て行くガスは液
との速度差のために強制的に剪断作用を受けて分散し、
開口部の大きさとは殆ど無関係に均一微細な気泡とな
る。また、この強制剪断作用による直接分散作用は自噴
能力を越える大量のガスを強制通気するときにも強力に
作用するので、単に円筒面に多数の小孔をあけた方式に
比べて数10倍のガス分散能力を有する。
【0019】前記、修酸ジメチルとアンモニアガスとの
反応によりオキサミン酸メチルの生成を経てオキサミド
とメタノールが生成される。また、本実施例では反応容
器30内は加圧されて圧力が4〜5kg/cm程度に
設定されており、前記の反応が早く行われるようになさ
れている。なお、反応容器30内の該反応溶媒はコイル
33により所定温度に保持される。アンモニアガスは供
給管38から反応当量分が循環ガス管35に供給される
ことにより回転ドラム31内へ供給される。そして、反
応容器30内では循環ガス管35のブロワ36の吸引作
用で窒素ガス、炭酸ガス、アンモニアガス等のガスがミ
ストを伴って上昇し、ミスト除去器34を通過してミス
トが除去され、残りのガスは循環ガス管35を通り前記
したように供給管38から新規のアンモニアガスの供給
を受けて回転ドラム31へ返される。
【0020】しかして、このようなオキサミドの製造中
において、次に説明するように不溶解性であるオキサミ
ド等の結晶は該回転ドラム31の突起ノズル32に生成
又は付着することなく連続してアンモニアガスの供給を
行うことができる。即ち、運転中は、図2(a)に示す
ように、突起ノズル32は回転ドラム31の回転作用に
より外部液中で常時、液により洗浄されているため反応
生成物であるオキサミド等の結晶が洗い流されており、
また、突起ノズル32より噴出される気泡は遠心力噴散
されるているため、反応生成物の気泡内への逆流反応が
起こることはない。従って、突起ノズル32内部やノズ
ル孔部での該反応生成物の付着・析出が起こらない。こ
のように本実施例ではオキサミドの製造を1段の反応装
置でもメンテナンスフリーにて長時間連続して行うこと
ができる。
【0021】そして、反応容器30で生成された不溶解
性オキサミドとメタノールはその下部開口30aから下
部容器40内に流下する。このとき、ポンプ41によっ
て反応容器30の底部から下部容器40の底部へと液が
流されて循環されており下部容器40内では液が容器の
底から上方へ流されているため、オキサミド結晶粒の内
で粒径の大きいものはその位置に留まり、粒径の小さい
もの(例えば粒径0.1mm未満)はその上昇流に乗せ
られて上方の反応容器30へ返されて、またその後、下
降する。このような上昇下降を繰り返すうちにメタノー
ル内での結晶生成が促進され徐々に粒径の大きい結晶粒
(例えば粒径0.1mm)として成長する。
【0022】そしてこの場合、下部容器40の最低部に
は管45から清浄メタノールが供給されて反応容器30
から流下するオキサミド結晶粒とメタノールからなるス
ラリーはこの清浄メタノールによって未反応生成物等の
不純物が洗浄される。このようにして、下部容器40で
はオキサミドとメタノールが例えば1:2の割合にされ
たスラリーが得られる。即ち、下部容器40ではオキサ
ミドは所定の濃度にスラリー化される。このように、本
実施例では、反応容器30内で生成される不溶解オキサ
ミドとメタノールのスラリーを該反応容器30の底部か
ら下部の下部容器40に取り出すと共に、反応容器30
からその内部の液を抜き出し、該下部容器40の底部に
供給して反応容器30と下部容器40との間で液を循環
させることにより、スラリー中のオキサミドの濃度を調
整して高めるようにすることができる。そして、このス
ラリーは下部容器40の底部からスラリー排出管43に
流入して絞り弁44によって所望の流量で取り出され、
次の乾燥・造粒工程である転動乾燥造粒器50へ送られ
る。
【0023】転動乾燥造粒器50に投入されたオキサミ
ド結晶粒のスラリーは回転ドラム51の周囲のジャケッ
ト54内に供給される蒸気STにより間接加熱を受け、
回転ドラム51と攪拌羽根53の作用により乾燥されて
メタノールが気化されると共に転動造粒されて粒子の塊
径を整えられて排出管57から製品として取り出され
る。転動乾燥造粒器50からは蒸発されたメタノール蒸
気が吸引ブロワ77aにより排ガス排出管55から取り
出され、さらにそれに同伴された微粒のオキサミド粉が
捕集器56で捕捉されて管58から転動乾燥造粒器50
へ返されて再び造粒作用に供される。なお、オキサミド
は粒径が小さすぎると施肥のとき風に飛ばされるため、
所望の大きさにしておく必要があるものである。
【0024】捕集器56でオキサミド微粒子を除去され
たメタノール蒸気は管77からメタノール回収・供給部
70へ送られ、その凝縮器71に投入されて清浄メタノ
ールとして液化され、一部は管72からメタノール回収
部80へ送られて回収され、他はポンプ73で管74へ
送られてその一部はメタノール回収部80ヘ管75を通
って回収されると共に、残りは管76に供給される。
【0025】管76に供給されたメタノールは吸着脱水
器79に投入されてその含有水分を除去されて排出さ
れ、その後、管37から供給される修酸ジメチルの供給
を受け修酸ジメチルはメタノールに溶解される。これに
より、管76から修酸ジメチルがメタノールに溶解され
た状態で反応容器30内へ供給され、前記のように溶解
反応が効率よく行われる。以上のように、本実施例にお
いては、転動乾燥造粒器50で気化されるメタノール蒸
気の一部を凝縮して原料である修酸ジメチル溶解用メタ
ノールとして再使用することにより、メタノールが捨て
られることなく循環使用されて有効に用いられ製造コス
トを下げることができる。
【0026】なお、ポンプ73を出た後に、清浄メタノ
ールの一部は管45から前記下部容器40の最底部に送
られてスラリー中の未反応中間生成物等の不純物の除
去、即ち、スラリーの洗浄等に使用される。また、一部
のメタノールは管78からポンプ41、73の回転摺動
部や反応容器30の回転ドラム31の軸貫通部等へ液漏
れ封止用のシール液として供給される。以上の実施例で
は、反応溶媒として脂肪族低級アルコールがメタノール
である場合を示したが、このアルコールとしては、エタ
ノール、ブタノール、イソプロパノール等であってもよ
い。そして、修酸ジアルキルエステル液が修酸ジメチル
液である場合を示したが、修酸ジエチル、修酸ジブチル
等であってもよい。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、メタノール等のアルコール溶媒中に原料とな
る修酸ジメチル等の修酸ジアルキル液を完全溶解させて
該混合液中にアンモニアガスを微細な気泡として分散供
給できるため気液接触を効率良く行わせて反応を効率よ
く行わせることができると共に、アンモニアガス供給部
が不溶解性のオキサミド結晶粒の成長、付着によって詰
まることを効果的に防止することができる。従って、反
応容器を多連又は併設する等、反応容器を多く設置する
必要がなく製造装置を小型化できる共に、製造装置を連
続して運転することができオキサミドを連続して効率よ
く製造することができる。
【0028】そして、該反応容器内で生成される不溶解
性オキサミドとメタノール等のアルコールのスラリーを
該反応容器から該反応容器の底部に連通させた別の下部
容器に流下させて取り出すと共に、反応容器からその
内部の液を抜き出し該下部容器の底部に供給して反応
容器と下部容器との間で液を循環させて所要粒径の
結晶粒のオキサミドを生成させ、該生成されたオキサミ
ドとアルコールのスラリーを該下部容器の底部から取り
出すので、スラリー中のオキサミドの濃度を調整して高
めることができ効率良くオキサミドを製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶解反応式オキサミドリアクターの一
実施例を示す概略断面図及びフローシートである。
【図2】(a)は本発明の溶解反応式オキサミドリアク
ターの回転ドラムの一実施例を示す部分拡大断面図、
(b)は(a)のB矢視断面図である。
【図3】従来のオキサミドの製造方法を示す図である。
【図4】従来の別のオキサミドの製造方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
30 反応容器 31 回転ドラム 32 突起ノズル 40 下部容器 41 循環ポンプ 42 循環配管 50 転動乾燥造粒器 70 メタノール回収・供給部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器中で反応溶媒としての脂肪族低
    級アルコールに修酸ジアルキルエステル液を溶解させた
    混合液にアンモニアガスを供給してオキサミドを生成さ
    せるようにしたオキサミドの製造方法において、該反応
    容器内の混合液中で回転軸線と交差する方向に突出させ
    て設けた多数のノズルを有する回転筒体を該回転軸線回
    りに回転させて該混合液を攪拌しつつ該ノズルから該ア
    ンモニアガスを混合液中へ微細な気泡として噴出供給さ
    、該反応容器内で生成される不溶解性オキサミドとア
    ルコールのスラリーを該反応容器から該反応容器の底部
    に連通させた別の下部容器に流下させて取り出すと共
    に、該反応容器からその内部の液を抜き出し該下部容器
    の底部に供給して該反応容器と該下部容器との間で該液
    を循環させて所要粒径の結晶粒のオキサミドを生成さ
    せ、該生成されたオキサミドとアルコールのスラリーを
    該下部容器の底部から取り出すことによりオキサミドを
    製造するようにしたことを特徴とするオキサミドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 反応容器中で反応溶媒としての脂肪族低
    級アルコールに修酸ジアルキルエステル液を溶解させた
    混合液にアンモニアガスを供給してオキサミドを生成さ
    せるようにしたオキサミドの製造装置において、該反応
    容器内に回転軸線と交差する方向に突出させて設けた多
    数のアンモニアガス噴出用のノズルを有する回転筒体を
    該混合液中に没して該回転軸線回りに回転可能に設け
    該反応容器の底部に該反応容器と連通させて該反応容器
    内で生成される不溶解性オキサミドとアルコールのスラ
    リーを流下させて取り出す下部容器を取り付け、該反応
    容器の底部と該下部容器の底部の間に該反応容器の液を
    取り出して該反応容器と該下部容器との間で該液を循環
    させる液循環用配管を連結すると共に、該下部容器の底
    部には所要粒径に生成されたオキサミドとアルコールの
    スラリーを取り出すスラリー排出管を接続したことを特
    徴とするオキサミドの製造装置。
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