JP2010155742A - 五フッ化ヨウ素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の五フッ化ヨウ素の製造方法の問題点を可及的に回避して、フッ素とヨウ素との反応を穏やかに進行させて、より安全に、より生産性よく五フッ化ヨウ素を製造できる方法を提供する。
【解決手段】ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口13からエジェクター4内に供給し、該五フッ化ヨウ素溶液が該エジェクター4を通過する際に、該エジェクターの吸引口14よりフッ素を含む気体を該エジェクター内に吸引し、該五フッ化ヨウ素溶液とフッ素を含む気体の混合物を、該エジェクターの出口15からヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中に噴出させて、該液相中においてヨウ素とフッ素を反応させることを特徴とする五フッ化ヨウ素の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、五フッ化ヨウ素の製造方法に関する。
五フッ化ヨウ素は、反応性に富むフッ素化剤として使用されており、更に、含フッ素化合物の中間体製造の原料としても有用な化合物である。
五フッ化ヨウ素の製造方法としては、例えば、五フッ化ヨウ素中に溶解させたヨウ素とフッ素との向流接触法(特許文献1参照)、溶融ヨウ素またはスラリー状ヨウ素中へのフッ素のバブリング法(特許文献2および3参照)等のヨウ素とフッ素を反応させる方法が知られている。
これらの方法では、フッ素は液相中に供給されるが、その際に希釈ガスとして使用している窒素や未反応フッ素等によってヨウ素の昇華が促進され、反応器の出口配管においてヨウ素が固化・付着し、最終的には、配管が閉塞する危険性がある。また、それを回避するため温度を上げて運転することは困難である。
五フッ化ヨウ素の生成熱は920kJ/molと大きく、配管に固化・付着したヨウ素がフッ素と反応することによって局所的に温度が上昇する危険性もあり、安全性の面からみて必ずしも工業的に有用な方法とはいえない。
更に、フッ素とヨウ素は非常に反応性が高いため、溶融ヨウ素、スラリー状ヨウ素のような高濃度のヨウ素にフッ素を接触させると、これらが爆発的に反応する恐れがあり、その結果、フッ素供給配管側へヨウ素が逆流する危険性もある。ヨウ素がフッ素供給配管側へ逆流するとフッ素供給配管内でフッ素とヨウ素とが反応し、そこで、温度が局所的に、また、急激に上昇し、配管、装置類を損傷する危険性がある。
特に、反応器において反応熱の除去に一般的に使用される、間接的熱交換器(外側ジャケット等)を用いた顕熱による反応熱除去では、有効に除熱可能な熱量が反応熱と比較して余りにも少ないため、反応温度の制御が困難であり、スケールアップした場合、反応の暴走、さらには爆発の危険がある。
その他の方法として、溶融ヨウ素の上にフッ素ガスを通じてこれらを反応させて五フッ化ヨウ素とヨウ素とを含む蒸気混合物を生成させ、既に生成している液状の五フッ化ヨウ素存在下で該蒸気混合物と新たなフッ素ガスとを反応させて更に五フッ化ヨウ素を生成させる方法がある(特許文献4参照)。
この方法ではヨウ素を液体状態に維持するために反応熱を利用できるという利点があるが、フッ素ガスは反応性に富むため、反応による激しい発熱による暴走反応や爆発の危険
を回避するに足る高度な反応制御技術が要求される。また、昇華性のあるヨウ素による配管閉塞の危険が伴うため、必ずしも工業的に十分に満足しうる方法とは言えない。
その他の製造方法として、ヨウ素を含む五フッ化ヨウ素を液相として存在させ、その液相に隣接する気相にフッ素を供給して更に五フッ化ヨウ素を生成させる方法が知られている(特許文献5)
この方法ではフッ素供給配管へのヨウ素の逆流を防止できる利点があるが、フッ素供給速度が速すぎると気液界面で十分に接触できずに、未接触のフッ素ガスが系外に逃げるため、必ずしも工業的に十分に満足し得る方法とは言えない。
米国特許第3,367,745号公報 特開昭54−65196号公報 英国特許第1326130号公報 特開昭58−145602号公報 特開2008−100881号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来の五フッ化ヨウ素の製造方法の問題点を可及的に回避して、フッ素とヨウ素との反応を穏やかに進行させて、より安全に、より生産性よく五フッ化ヨウ素を製造できる方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ヨウ素を含む五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中にフッ素を供給して五フッ化ヨウ素を製造する方法において、エジェクターを用いてヨウ素を含む五フッ化ヨウ素溶液を該液相中に供給し、その際にエジェクターの吸引口からフッ素ガスを吸引して、五フッ化ヨウ素溶液と共に液相中に供給する方法を採用する場合には、五フッ化ヨウ素溶液中にフッ素ガスが分散されて微細な気泡として液相中に供給され、これにより気液界面の面積が増加して、液相中に含まれるヨウ素とフッ素の反応性が向上し、五フッ化ヨウ素溶液中のヨウ素濃度を低く設定でき、更に、常温付近の比較的低温度で十分に反応を進行させることが可能となることを見出した。また、この様なエジェクターを用いて五フッ化ヨウ素溶液と共にフッ素ガスを供給する方法において、反応器中にヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を液相として存在させ、これをエジェクターを介して、五フッ化ヨウ素溶液中に循環させ、循環する五フッ化水素溶液と共にエジェクターの吸引口からフッ素ガスを吸引して反応器の液相中に注入する方法を採用する場合には、穏和な条件下において反応を進行させることに加えて、コンパクトな反応装置を用いて五フッ化ヨウ素を製造することが可能となり、上記した目的を達成できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の五フッ化ヨウ素の製造方法を提供するものである。
1.ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口からエジェクター内に供給し、
該五フッ化ヨウ素溶液が該エジェクターを通過する際に、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を該エジェクター内に吸引し、
該五フッ化ヨウ素溶液とフッ素を含む気体の混合物を、該エジェクターの出口からヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中に噴出させて、
該液相中においてヨウ素とフッ素を反応させることを特徴とする
五フッ化ヨウ素の製造方法。
2. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中でヨウ素とフッ素を反応させて五フッ化ヨウ素を製造する方法において、
反応器中に収容したヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口から該エジェクターに供給し、該エジェクター出口から反応器内の五フッ素溶液中に噴出させることによって五フッ化ヨウ素溶液を循環させ、五フッ化ヨウ素溶液が該エジェクターを通過する際に、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を吸引して、五フッ化ヨウ素溶液と共に反応器の五フッ化ヨウ素溶液中にフッ素を供給することを特徴とする五フッ化ヨウ素の製造方法。
3. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を収容した反応器の気相部にフッ素を含む気体を存在させ、該気相部のフッ素を含む気体をエジェクター吸引口から吸引して五フッ化ヨウ素溶液中に供給する上記項1又は2に記載の方法。
4. フッ素を反応器の気相部に連続的に供給することを特徴とする上記項1〜3のいずれかに記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
5. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に連続的または間欠的に供給し、反応器から液相の一部分を連続的または間欠的に取り出すことを特徴とする上記項2〜4のいずれかに記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
6. 下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とする五フッ化ヨウ素の製造方法:
(1)混合槽において、五フッ化ヨウ素と固体ヨウ素を混合して、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を調製する工程、
(2)前記(1)工程で得られたヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に供給する工程、
(3)反応器の気相部にフッ素を含む気体を供給する工程、
(4)反応器中に収容した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口から該エジェクターに供給し、該エジェクター出口から反応器内の五フッ素溶液中に噴出させ、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を吸引して該五フッ化ヨウ素溶液と共に反応器の五フッ化ヨウ素溶液中にフッ素を供給する工程、
(5)反応器から液相を取り出す工程、および
(6)取り出した液相から五フッ化ヨウ素を得る工程。
7. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液中に、更に、フッ化水素が含まれることを特徴とする上記項1〜6のいずれかに記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
8. フッ化水素を気相に供給して、五フッ化ヨウ素溶液中にフッ化水素を溶解させる上記項7に記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
本発明の五フッ化ヨウ素の製造方法では、ヨウ素を液体の五フッ化ヨウ素に溶解した状態でフッ素と反応させる。五フッ化ヨウ素中におけるヨウ素の濃度は特に限定的ではなく、飽和溶解度以下のヨウ素を溶解した溶液状態であればよい。例えば、液相全体の質量基準で、ヨウ素濃度が0.6質量%以上であって、その液相温度での飽和溶解度以下のヨウ素、例えば、45℃では1.0質量%以下のヨウ素を含む五フッ化ヨウ素溶液を用いることができる。
本発明では、ヨウ素を含む五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中にフッ素を供給する方法として、エジェクターを使用して、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を該エジェクターの入口からに該エジェクターに供給し、該五フッ化ヨウ素溶液が該エジェクターを通過する際に、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を該エジェクター内に吸引して、該五フッ化ヨウ素溶液とフッ素を含む気体の混合物を、該エジェクターの出口からヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中に噴出させる方法を採用することが必要である。
この方法によれば、五フッ化ヨウ素溶液はエジェクター内へ入口から供給され、フッ素を含む気体はエジェクター内へ吸引口から吸引され、これらの液体と気体からなる混合物がエジェクター出口からヨウ素を含む五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中へ排出される。吸引口が位置する管の内部は一部細くなっており、エジェクター内に五フッ化ヨウ素溶液を流すと、エジェクター内の細くなった部分で流速が増すため、ベンチュリ効果によって圧力が低下する。この減圧になった液相流にフッ素を含む気体が流れ込み、結果として吸引口が減圧となる。これによって、エジェクターの吸引口よりフッ素ガスが吸引され、吸引されたフッ素ガスは、エジェクターを通過する五フッ化ヨウ素溶液中に混入されて微細気泡化され、五フッ化ヨウ素溶液と共に、五フッ化ヨウ素溶液中に供給され、五フッ化ヨウ素溶液中に含まれるヨウ素と反応して、五フッ化ヨウ素が形成される。このようにエジェクターを用いてフッ素ガスを供給することにより、フッ素ガスを微細な気泡として、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液に供給することができ、気液界面積の増大により反応性が大幅に向上する。その結果、五フッ化ヨウ素溶液中のヨウ素濃度を低く設定でき、更に、常温付近の比較的低温度で反応させることが可能となる。また、常温で反応させることができるので、七フッ化ヨウ素の副生が生じないという利点もある。更に、液相中にフッ素ガスを直接供給するのではなく、エジェクターを用いて気相中のフッ素ガスを供給することによって、従来の五フッ化ヨウ素の製造方法では生じる可能性があった、フッ素供給配管へのヨウ素の逆流、およびそれに付随する問題点も避けることができる。
本発明では、使用するエジェクターの種類については特に限定的ではなく、五フッ化ヨウ素溶液を供給できる入口と該溶液を排出できる出口とを有する管を含み、該管には、フッ素を含む気体を吸引できる吸引口が備えられていればよい。エジェクターは、例えば、十字形状になっていてもよい。この場合、エジェクターの十字の水平線にあたる管が吸引口となり、垂直線にあたる管の上方に入口、下方に出口が位置し、垂直線にあたる管の内部は、吸引口が取り付けられた位置で他の部分より細くなっていてもよい。
本発明では、特に、上記したエジェクターの吸引口からフッ素を含む気体を吸引して五フッ化ヨウ素溶液と共に液相中に供給する方法において、反応器中に収容したヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を抜き出して、エジェクター入口から該エジェクターに供給し、該エジェクター出口から反応器内の五フッ化ヨウ素溶液中に噴出させることによって、五フッ化ヨウ素溶液を循環させる方法を採用することが好ましい。この方法では、上記したエジェクターを用いることによる効果が奏されることに加えて、従来法に比べて非常にコンパクトな反応器サイズで所定の生産量を確保することができるので、漏洩すると危険な物質を安全に取り扱うことができる。更に、反応器内の五フッ化ヨウ素溶液の全体にフッ素ガスの気泡を分散させることができ、エジェクターによる撹拌効果で反応液中のヨウ素濃度は均一になる。よって、反応器に撹拌機は不要であり、撹拌機の軸オイルシール漏れによる内部汚染を回避できる。
反応器については、この反応に通常用いられている装置を使用できる。例えば、一般的に用いられる槽型の反応器、凝縮器付き反応器等を使用することができる。本発明で用いる反応器にはエジェクター装置を設置することが必要である。
フッ素ガスは、ヨウ素溶液を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を収容した反応器の気相部に存在させることが好ましい。この場合には、エジェクターの吸引口が反応器の気相部に位置し、エジェクター出口が五フッ化ヨウ素溶液中に位置するように、エジェクターを反応器中に設置すればよい。反応器内の五フッ化ヨウ素溶液中に供給されたフッ素ガスの内で、未反応のフッ素ガスは、反応器内の気相中に戻り、再度、エジェクターにより吸引されて五フッ化ヨウ素溶液中に供給され、液中のヨウ素と反応して五フッ化ヨウ素が形成される。このため、反応器から気体を排出する配管へ未反応のフッ素ガスが流出するのが抑制され、未反応フッ素ガスに同伴する五フッ化ヨウ素のロスを減らすことができる。
気相部に供給するフッ素ガスは、反応に対して不活性なガスによって希釈した状態で供給することが好ましい。反応に対して不活性なガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、四フッ化炭素、六フッ化イオウ、パーフロロエタン等を例示できる。希釈倍率は、特に限定されるものではないが、例えば、気相に供給するガスの全量を基準として、フッ素ガスが10〜95体積%となるように希釈すればよい。この範囲よりフッ素ガス濃度が低い場合には、反応器出口配管への五フッ化ヨウ素やヨウ素の流出やフッ素転化率の低下による生産性の低下の可能性がある。また、この範囲よりフッ素ガス濃度が高い場合には、ヨウ素、五フッ化ヨウ素などのフッ素供給配管への逆流の可能性がある。供給する気体に含まれるフッ素の濃度は20〜90体積%程度が好ましく、30〜90体積%程度がより好ましく、50〜90体積%程度が更に好ましい。
また、フッ素ガスを不活性なガスによって希釈して供給することに代えて、フッ素ガスと不活性ガスを別々に反応器に供給して、反応器の気相部においてフッ素が希釈されるようにしてもよい。この場合も、供給するフッ素と不活性ガスの総量に対して、フッ素の割合が上記範囲となるように供給することが好ましい。
フッ素とヨウ素とを反応させる条件は、特に限定されるものではなく、通常、この反応で用いられている条件を採用できる。具体的には、温度条件としては、液相中に分散するヨウ素が液体として存在できる温度、例えば10℃〜50℃程度とすればよい。この温度範囲より低い温度では、五フッ化ヨウ素が凝固する可能性があり、この温度範囲より高い温度では、ヨウ素の昇華促進による配管詰まりの可能性があるので、いずれも好ましくない。反応温度は、20℃〜40℃程度とすることが好ましく、20℃〜30℃程度とすることがより好ましい。本発明方法では、エジェクターを用いてフッ素ガスを微細気泡として供給するために反応性が向上し、室温に近い反応温度においても高い反応収率とすることができる。
反応圧力についても特に限定されるものではなく、反応器内において、五フッ化ヨウ素が液相として存在できる圧力であればよい。例えば0〜0.1MPa(ゲージ圧)程度の圧力で実施でき、通常、大気圧下で実施することができる。
エジェクターを介して循環させる五フッ化ヨウ素溶液の循環速度については特に限定はなく、エジェクターの構造に応じて、反応に必要な量のフッ素ガスを吸引して液中に供給できる条件であればよい。例えば、毎分、反応器中の液量の50〜100倍程度の量の五フッ化ヨウ素溶液を循環する程度の循環速度とすればよい。
尚、本発明の五フッ化ヨウ素の製造方法では、気相に供給されたフッ素の転化率は、操作条件によって変わり得る。本発明の製造方法は、操作条件(例えば反応圧力、反応温度、供給フッ素量、必要に応じて実施する撹拌の程度、後述するように共存するフッ化水素の量等)を適当に選択することによって、フッ素の転化率が一般的には75%以上となるように、好ましくは85%以上となるように、より好ましくは90%以上となるように、特に好ましくは95%以上、例えば98%またはそれ以上となるように操作条件を決めることが適切である。
エジェクターを用いてヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を循環させる方法では、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に供給した後、該溶液を更に添加しなくてもよいが、反応によって減少するヨウ素を供給するために、ヨウ素を含む五フッ化ヨウ素を連続的または間欠的に反応器に供給することが好ましい。また、気相部については、反応器にフッ素ガスを供給した後には、フッ素を供給しなくてもよいが、反応によって減少するフッ素を反応器の気相部に連続的または間欠的に供給することが好ましい。
具体的には、フッ素の供給とヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素の供給の双方についてバッチ式で間欠的に行う方法、フッ素を連続的に供給し、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液をバッチ式で間欠的に供給する方法(いわゆるセミバッチ式)、フッ素の供給とヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液の供給の双方を連続的に行う方法などを採用できる。
ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液については、反応器とは異なる混合槽において五フッ化ヨウ素と固体ヨウ素とを混合して、予めヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液として調製し、これを反応器に供給することができる。この場合には、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を作製するための混合操作と、ヨウ素とフッ素の反応を別の容器中で行うために、反応器中にヨウ素を直接添加することを避けることができる。その結果、高濃度のヨウ素とフッ素が直接接触する可能性が大幅に減り、安全性が一層向上する。尚、混合槽には、五フッ化ヨウ素と固体ヨウ素とを混合するために、撹拌機を設けることが好ましい。
この方法では、例えば、下記(1)〜(6)の工程を含むことができる:
(1)混合槽において、五フッ化ヨウ素と固体ヨウ素を混合して、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を調製する工程、
(2)前記(1)工程で得られたヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に供給する工程、
(3)反応器の気相部にフッ素を供給する工程、
(4)反応器中に収容した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口から該エジェクターに供給し、該エジェクター出口から反応器内の五フッ素溶液中に噴出させ、該エジェクターの吸引口よりフッ素ガスを吸引して該五フッ化ヨウ素溶液と共に反応器の五フッ化ヨウ素溶液中にフッ素を供給する工程、
(5)反応器から液相を取り出す工程、および
(6)取り出した液相から五フッ化ヨウ素を得る工程。
上記工程は、別々に順次実施してもよいが、(1)〜(6)の工程を連続的に実施して五フッ化ヨウ素を定常的に製造することによって、効率のよい五フッ化ヨウ素の製造が可能となる。この場合、反応器中において五フッ化ヨウ素が生成する量に応じて、減少したヨウ素量に対応するヨウ素を混合槽に加え、生成した五フッ化ヨウ素の量に対応する量の五フッ化ヨウ素を反応器から取り出せばよい。
この方法では、混合槽において調製したヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に連続的に供給することができる。この場合、反応器の液面を一定に保持するように反応器の液相を連続的に抜き出すことが好ましい。抜き出した液相は、例えば混合槽に戻せばよい。このようにすると、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液が反応器と混合槽との間で循環することになる。この循環の間、反応によって消費されるヨウ素の量に対応する量のヨウ素を混合槽に加え、反応によって生成する五フッ化ヨウ素の量に対応する量の五フッ化ヨウ素を反応器の液相から取り出して、混合槽から回収するか、或いは反応器から直接回収すればよい。このように液相を循環させる場合には、循環流による混合作用によって混合槽および/または反応器の内容物の濃度分布の均一性が改善される。特に、反応器では、液相内の成分の濃度分布状態をより均一化することができる。
混合槽又は反応器から取り出した液相から五フッ化ヨウ素を得る方法については、特に限定はなく公知の方法に従えよい。例えば、常圧下で精留することによって液相中のI等を分離して五フッ化ヨウ素を回収することができる。
ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液には、更にフッ化水素を加えることができる。五フッ化ヨウ素溶液中にフッ化水素が含まれることによって、五フッ化ヨウ素に対するヨウ素の溶解量を増加することができ、反応をより効率的に進行させることが可能となる。
五フッ化ヨウ素溶液中に含まれるフッ化水素の濃度は、五フッ化ヨウ素溶液中での飽和濃度までの範囲内とすることができ、例えば、前述した反応温度の範囲内では、液相の全量、即ち、五フッ化ヨウ素(IF)、フッ化水素(HF)及びヨウ素(I)総量を基準として、50質量%程度までとすることができる。フッ化水素の濃度の下限値については特に限定的ではなく、少量のフッ化水素が含まれるだけで、ヨウ素の溶解量を増加させる効果が発揮されるが、特に、この効果を十分に発揮させるためには、0.1質量%程度以上とすることが好ましい。以上の点から、五フッ化ヨウ素溶液中に含まれるフッ化水素の濃度は、0.1〜50質量%程度とすることが好ましく、0.5〜20質量%程度とすることがより好ましく、1〜15重量%程度とすることが更に好ましい。尚、上記した好ましい反応温度である20〜30℃程度で反応を行う場合には、溶液中に存在するフッ化水素の濃度は10質量%程度が限度であることから、溶液中に含まれるフッ化水素の濃度は、0.1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。
エジェクターを用いてヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を循環させる方法をバッチ式で行う場合には、反応が進行するに従って液相中の五フッ化ヨウ素の量が増加するので、フッ化水素を途中で追加しない場合には、液相中のフッ化水素の濃度が徐々に減少する。この場合にも、反応期間中に、反応器の液相に含まれるフッ化水素の濃度は上記範囲内にあることが好ましい。反応を連続式で定常状態で行う場合には、フッ化水素の濃度は実質的に一定になるが、この場合にも、反応器の液相に含まれるフッ化水素濃度は、上述の範囲であるのが好ましい。
また、フッ素ガスを含む気相中にフッ化水素を添加し、気相中のフッ化水素を液相中に溶解させてもよく、或いは、液相と気相の両方にフッ化水素を添加してもよい。気相中にフッ化水素を添加する場合、フッ素ガスを含む気相中のガス組成は特に限定されず、気液平衡を考慮して、液相中のフッ化水素濃度が目的とする濃度となるように適宜決定すればよい。
次に、本発明の五フッ化ヨウ素の製造方法の実施態様について、図1に示すフローシートを参照して、更に詳細に説明する。
まず、反応器5中に、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を供給し、これを液相9とする。液相9の上方の気相8にフッ素ガス、好ましくは窒素等の不活性ガスによって希釈されたフッ素ガスを供給する。
液相9は、ポンプ6により抜き出して、熱交換器7を経由して、エジェクター入口13からエジェクター4に供給される。熱交換器7では、液相(五フッ化ヨウ素溶液)は、反応に適した温度、例えば、20〜40℃程度に維持される。
エジェクター4に供給された五フッ化ヨウ素溶液については、エジェクター出口15から反応器5の液相9中に噴出させる。これによって五フッ化ヨウ素溶液を連続して循環させることができる。五フッ化ヨウ素溶液がエジェクター4を通過する際に、エジェクター吸引口14より気相8中のフッ素ガスが吸引される。吸引されたフッ素ガスは、エジェクター4を通過する五フッ化ヨウ素溶液に混入され、微細気泡として反応器5の液相9中に供給され、液相9中に含まれるヨウ素と反応して、五フッ化ヨウ素が形成される。
混合槽1では、五フッ化ヨウ素およびヨウ素を加え、撹拌機2を用いて撹拌しながら混合することによって、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を調製することができる。この五フッ化ヨウ素溶液は、例えば、オーバーフローによって反応器5に供給することができる。混合槽1の出口には、必要に応じて、フィルター12を設置することができる。反応に先立って、このように予め調製した五フッ化ヨウ素溶液を反応器5に液相として供給し、その後、反応器5には、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を供給しなくてもよい。この場合、反応によって減少したフッ素ガスを反応器5の気相8に連続的に供給する場合には、セミバッチ式で五フッ化ヨウ素を製造することになり、気相8にフッ素ガスを供給しない場合には、バッチ式で五フッ化ヨウ素を製造することになる。
また、混合槽1で調製したヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を連続的又は間欠的に反応器5に供給し、反応器5から、液相9の一部分をポンプ6で抜き出して、直接反応系から取り出してもよい。また、液相9の一部を混合槽1に戻し、混合槽1から液相を抜き出して系外に取り出しても良い。これらの場合には、連続式で五フッ化ヨウ素が製造されるので、反応系に含まれる五フッ化ヨウ素が漸次的に増加する。このため、生成した五フッ化ヨウ素を反応系から回収することが好ましい。また、生成した五フッ化ヨウ素に対応する量のヨウ素を撹拌槽1に供給することが好ましい。五フッ化ヨウ素の回収方法については、特に限定はなく、例えば、反応器又は混合槽からオーバーフローによりヨウ素、フッ化水素、五フッ化ヨウ素などを含む混合液を抜き出した後、蒸留して五フッ化ヨウ素を分離回収することができる。
また、抜き出した液相を、混合槽1に供給してもよく、この場合、液相が反応器5と混合槽1との間で循環することになる。反応が進むと、液相9中の五フッ化ヨウ素の量が増えるので、その場合、例えば混合槽1からその内容物の一部分を取り出し、その一部分から五フッ化ヨウ素を回収してもよい。また、ヨウ素が、反応によって消費されるので、ヨウ素を混合槽1に追加し、そこで調製される混合物を反応器に供給してもよい。
図1に示した態様では、供給すべきフッ素は、窒素によって希釈された状態で気相のエジェクター吸引口14に供給されている。反応器5において、フッ素はできる限り、ヨウ素と反応するのが好ましく、実質的に、供給したフッ素の少なくとも80%がヨウ素と反応することが好ましく、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、特に好ましくは例えば少なくとも98%がヨウ素と反応することが適切である。
未反応のフッ素(通常、少量)および窒素は、気体排出配管11を経て反応器5から排出される。尚、図1に示す装置では、配管11には、同伴される五フッ化ヨウ素を回収するために冷却器10が設けられている。
本発明の五フッ化ヨウ素の製造方法によれば、以下のような顕著な効果が奏される。
(1)エジェクターを用いてフッ素ガスを供給することにより、フッ素ガスを微細な気泡として、五フッ化ヨウ素溶液に供給することができ、反応性が大幅に向上する。その結果、五フッ化ヨウ素溶液中のヨウ素濃度を低く設定でき、更に、常温付近の比較的低温度で十分に反応を進行させることが可能となり、温度制御が容易となる。
(2)エジェクターを用いてヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を循環させる方法によれば、従来法に比べて非常にコンパクトな反応器サイズで所定の生産量を確保することができるので、漏洩すると危険な物質を安全に取り扱うことができる。
(3)常温で反応させることができるので、七フッ化ヨウ素の副生がほとんどない。
(4)液相中にフッ素ガスを直接供給するのではなく、エジェクターを用いて気相中のフッ素ガスを供給することによって、フッ素供給配管へのヨウ素の逆流を回避できる。
(5)反応器に撹拌機は不要であり、撹拌機の軸オイルシール漏れによる内部汚染を避けることができる。
(6)反応器から気体を排出する配管へ未反応のフッ素ガスが流出するのが抑制され、未反応フッ素ガスに同伴する五フッ化ヨウ素のロスを減らすことができる。
(7)本発明方法を定常状態で連続的に実施する場合には、非常に効率よく五フッ化ヨウ素を製造できる。
(8)反応器とは異なる混合槽において五フッ化ヨウ素と固体ヨウ素とを混合してヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を調製し、これを反応器に供給する方法によれば、反応器中にヨウ素を直接添加することを避けることができる。その結果、高濃度のヨウ素とフッ素が直接接触する可能性が大幅に減り、両者が爆発的に反応して配管、装置類などを損傷する危険性が減少して、安全性が一層向上する。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、下記の比較例及び実施例については、図1と同様の記号を用いて説明する。
比較例1
内容積20LのSUS製の混合槽1にヨウ素500gと五フッ化ヨウ素3000gを入れ撹拌してスラリー状態の液相を調製した。
一方、反応器5としては、内容積20LのSUS製の容器を用い、混合槽1で調製したスラリーからフィルター等などにより固液分離を行い、溶解したヨウ素と五フッ化ヨウ素の液を反応器5に供給した。反応器内の液相量は、10Lとした。
混合槽1と反応器5の液をポンプ3を用いて10L/min.で循環させながら、反応器の気相部8にフッ素ガス2090cc/min.、窒素ガス8360cc/min.の混合ガスを供給し、外部ジャケット(図示せず)で反応器5を冷却して、圧力を0〜0.01MPa(ゲージ圧)、
内温を30℃〜40℃に保持しながら、気相中のフッ素と液相中のヨウ素の反応を開始した。
オートクレーブから排出される非凝縮ガスを紫外−可視分光光度計で分析したところ、フッ素の転化率は40分後、69.8%であった。反応器5の液を19F−NMRで分析したところ、五フッ化ヨウ素のみ生成していた。
実施例1 比較例1における操作に引き続いて、反応器の気相部8にフッ素ガス2090cc/min.、窒素ガス8360cc/min.の混合ガスを供給した状態で、ポンプ6を起動して、反応器5の液相量10L中の液相9(ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液)を抜き出し、21L/min.の給液速度で外部熱交換器7を通過させ、圧力0〜0.01MPa(ゲージ圧)、内温を30℃〜40℃に保持しながら、反応器5内に設置されたエジェクター4を介して、液相9中に循環させた。この際、エジェクター4の吸引部から気相8に存在するフッ素ガスを吸引し、エジェクターを通過する五フッ化ヨウ素溶液と共に、液相9中にフッ素ガスを供給して、フッ素とヨウ素の反応を開始した。
オートクレーブから排出される非凝縮ガスを紫外−可視分光光度計で分析したところ、フッ素の転化率は、80分間の反応時間中、常時97%以上であった。反応槽の液を19F−NMRで分析したところ、五フッ化ヨウ素のみ生成していた。
比較例2
反応器の気相部8にフッ素ガス4000cc/min.、窒素ガス16000cc/min.の混合ガスを供給すること以外は、比較例1と同様にして、気相中のフッ素と液相中のヨウ素の反応を行った。
オートクレーブから排出される非凝縮ガスを紫外−可視分光光度計で分析したところ、フッ素の転化率は30分後、64.7%であった。反応器の液を19F−NMRで分析したところ、五フッ化ヨウ素のみ生成していた。
実施例2
比較例2における操作に引き続いて、反応器の気相部8にフッ素ガス4000cc/min.、窒素ガス16000cc/min.の混合ガスを供給した状態で、ポンプ6を起動して、反応器5の液相量10L中の液相9(ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液)を抜き出し、21L/min.の給液速度で外部熱交換器7を通過させ、圧力0〜0.01MPa(ゲージ圧)、内温を30℃〜40℃に保持しながら、反応器5内に設置されたエジェクター4を介して、液相9中に循環させた。この際、エジェクター4の吸引部から気相8に存在するフッ素ガスを吸引し、エジェクターを通過する五フッ化ヨウ素溶液と共に、液相9中にフッ素ガスを供給して、フッ素とヨウ素の反応を開始した。
オートクレーブから排出される非凝縮ガスを紫外−可視分光光度計で分析したところ、フッ素の転化率は、80分間の反応時間中、常時97%以上であった。反応槽の液を19F−NMRで分析したところ、五フッ化ヨウ素のみ生成していた。
実施例3
反応器の気相部8にフッ素ガス6000cc/min.、窒素ガス1500cc/min.の混合ガスを供給すること以外は、実施例1と同様にして、エジェクターを用いて液相9を循環させながら、フッ素ガスを液相中に供給して、フッ素とヨウ素の反応を開始した。
オートクレーブから排出される非凝縮ガスを紫外−可視分光光度計で分析したところ、フッ素の転化率は、60分の反応時間中、常時99%以上であった。反応槽の液を19F−NMRで分析したところ、五フッ化ヨウ素のみ生成していた。
エジェクター付き反応器を用いて五フッ化ヨウ素を製造するプロセスの一例を模式的に示すフローシートである。
符号の説明
1 混合槽
2 撹拌機
3 ポンプ
4 エジェクター
5 反応器
6 ポンプ
7 熱交換機
8 気相
9 液相
10 冷却器
11 気体排出配管
12 フィルター
13 エジェクター入口
14 エジェクター吸引口
15 エジェクター出口

Claims (8)

  1. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口からエジェクター内に供給し、
    該五フッ化ヨウ素溶液が該エジェクターを通過する際に、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を該エジェクター内に吸引し、
    該五フッ化ヨウ素溶液とフッ素を含む気体の混合物を、該エジェクターの出口からヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中に噴出させて、
    該液相中においてヨウ素とフッ素を反応させることを特徴とする
    五フッ化ヨウ素の製造方法。
  2. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液からなる液相中でヨウ素とフッ素を反応させて五フッ化ヨウ素を製造する方法において、
    反応器中に収容したヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口から該エジェクターに供給し、該エジェクター出口から反応器内の五フッ素溶液中に噴出させることによって五フッ化ヨウ素溶液を循環させ、五フッ化ヨウ素溶液が該エジェクターを通過する際に、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を吸引して、五フッ化ヨウ素溶液と共に反応器の五フッ化ヨウ素溶液中にフッ素を供給することを特徴とする五フッ化ヨウ素の製造方法。
  3. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を収容した反応器の気相部にフッ素を含む気体を存在させ、該気相部のフッ素を含む気体をエジェクター吸引口から吸引して五フッ化ヨウ素溶液中に供給する請求項1又は2に記載の方法。
  4. フッ素を反応器の気相部に連続的に供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
  5. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に連続的または間欠的に供給し、反応器から液相の一部分を連続的または間欠的に取り出すことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
  6. 下記(1)〜(6)の工程を含むことを特徴とする五フッ化ヨウ素の製造方法:
    (1)混合槽において、五フッ化ヨウ素と固体ヨウ素を混合して、ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を調製する工程、
    (2)前記(1)工程で得られたヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液を反応器に供給する工程、
    (3)反応器の気相部にフッ素を含む気体を供給する工程、
    (4)反応器中に収容した五フッ化ヨウ素溶液をエジェクター入口から該エジェクターに供給し、該エジェクター出口から反応器内の五フッ素溶液中に噴出させ、該エジェクターの吸引口よりフッ素を含む気体を吸引して該五フッ化ヨウ素溶液と共に反応器の五フッ化ヨウ素溶液中にフッ素を供給する工程、
    (5)反応器から液相を取り出す工程、および
    (6)取り出した液相から五フッ化ヨウ素を得る工程。
  7. ヨウ素を溶解した五フッ化ヨウ素溶液中に、更に、フッ化水素が含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
  8. フッ化水素を気相に供給して、五フッ化ヨウ素溶液中にフッ化水素を溶解させる請求項7に記載の五フッ化ヨウ素の製造方法。
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