JP2709233B2 - レーザ蒸着膜作製装置 - Google Patents

レーザ蒸着膜作製装置

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JP2709233B2 JP4102338A JP10233892A JP2709233B2 JP 2709233 B2 JP2709233 B2 JP 2709233B2 JP 4102338 A JP4102338 A JP 4102338A JP 10233892 A JP10233892 A JP 10233892A JP 2709233 B2 JP2709233 B2 JP 2709233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ蒸着法により平
滑膜を得るためのレーザ蒸着膜作製装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】1986年に発見されたLa1-xx
uO4-y (M:Sr、Ba、0<x<1)は、超伝導転
移温度が30〜40Kと従来の金属超伝導体のTcと比
較して著しく高いことから、酸化物超伝導体の探索が進
められ、Tc〜90Kを有するLnBa2 Cu37-y
酸化物超伝導体(Lu:Yおよびランタニド元素)、T
c〜110Kを有するBiSrCaCuOx 系酸化物超
伝導体、Tc〜120Kを有するTlBaCaCuOx
系酸化物超伝導体の発見が相次いだ。これらの新しい、
いわゆる高温超伝導体の出現とともに、エレクトロニク
スデバイスの応用にむけて、上にあげた高温超伝導体薄
膜の研究が活発化した。超伝導薄膜の作製方法の一つに
レーザ蒸着法がある。このレーザ蒸着法に付いて図3を
もって説明する。
【0003】図中、1はレーザ光、3はターゲット、5
は基板、6は雰囲気の酸素分子、10はレンズ、11は
蒸着チャンバー、12はビューポート、13は基板ヒー
タである。例えば、レーザ光1としてエキシマレーザ光
をレンズ10で集光し、蒸着チャンバー11のビューポ
ート12を通して、例えば、YBa2 Cu3x 燒結体
のターゲット3に照射する。照射されたターゲット3の
一部はレーザ光1により励起されて、酸素分子6中でプ
ラズマ化し、対向する基板ヒータ13上で熱せられてい
る基板5上に堆積される。これにより超伝導薄膜を得
る。このレーザ蒸着法は、高酸素圧力中で蒸着が可能、
かつ薄膜の組成がターゲット組成からズレないという特
徴があり、容易に高超伝導転移温度を持つ超伝導薄膜が
実現できるという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
蒸着法には、レーザ光1の照射によりターゲット3から
発生した直径1μmぐらいの粒が薄膜上に付着するとい
う欠点がある。この粒は、ターゲット3に高エネルギー
のレーザ光1が照射されたために、ターゲット3の被照
射部の一部が融け、この溶融物が飛散して基板5上に到
達した結果、形成されることを本発明者は初めて解析し
た。この粒は、下部超伝導薄膜,絶縁膜,上部超伝導薄
膜からなる超伝導接合を作製する場合には、下部超伝導
薄膜上に発生した粒が絶縁膜作製時に絶縁膜を突き抜け
て上部電極部分にまで達する。このような接合の場合、
動作時に電流がこの粒を通って漏れ、接合としての機能
を全く果たさないという致命的な問題点があった。
【0005】本発明は、レーザ蒸着法における平滑膜を
容易に得ることができるレーザ蒸着膜作成装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】本発明では、レーザ蒸着法において、レー
ザ光のターゲット上の焦点から直接基板が見えない位置
に障害物を設置することを最も主要な特徴とする。従来
の作製技術では、ターゲットから発生した粒の原因とな
るターゲットの融けた液滴が基板まで到達する点が異な
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるレーザ蒸
着膜作製装置は、収束したレーザ光をターゲットに照射
してプラズマ化し、基板上に堆積させるレーザ蒸着膜作
製装置において、YBa Cu からなるターゲッ
トを装着する手段と、堆積室の圧力を0.1Torr以
上に保つ手段とを備え、レーザ光のターゲット上の焦点
と基板との間に焦点から基板が直接光学的に見えないよ
うにする大きさで、かつ前記ターゲットの溶融により発
生するプラズマを通さない障害物を配置したものであ
る。また、収束したレーザ光をターゲットに照射してプ
ラズマ化し、基板上に堆積させるレーザ蒸着膜作製装置
において、YBa CU からなるターゲットを装
着する手段と、堆積室の圧力を0.1Torr以上に保
つ手段とを備え、前記レーザ光のターゲット上の焦点と
前記基板との間に複数の格子状の板状体の障害物を前記
焦点から前記基板が直接光学的に見えないように格子を
互いにずらせるとともに、障害物の間隔を前記プラズマ
がガス分子と衝突することなく飛行できる平均的距離
(以下、平均自由行程という)以上としたものである。
【0008】
【作用】本発明においては、レーザ光のターゲット上の
焦点から直接基板が見えないように障害物が設けられて
いるので、ターゲットから発生した飛散粒子が基板まで
到達しない。また、障害物が格子状の板状体の複数枚で
作成されているので、堆積速度が大きくなる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の一実施例を説明する図であっ
て、図中、1はレーザ光、2はレーザ光の焦点、3はタ
ーゲット、4は障害物、5は基板、6は雰囲気の酸素分
子、7はプラズマ状原子(低級酸化物)、8は粒の原因
となるターゲットから発生した液滴、9は前記レーザ光
1の焦点2と基板5の陵とを直線で結んだ線である。
【0010】次に、この装置を動作させるには、例え
ば、レーザ光1としてArFエキシマレーザ光をレンズ
を用いて集光させ、その焦点2となるところにターゲッ
ト3を配置する。本実施例では、YBa2 Cu3x
ーゲットを用いた。ターゲット3上に集光したレーザ光
1は、ターゲット3をプラズマ状原子7、YO、Ba
O,CuO等の低級酸化物もしくはそれらのラジカル、
イオン等に励起する。このとき、一部でターゲット3が
融かされるため、上述のプラズマと一緒にターゲット3
の融けた液滴8の粒が放出される。ここで、プラズマ内
は原子オーダーの非常に小さなものと、数μm程度の大
きなものとが混在した状態となっている。非常に小さな
原子オーダーのプラズマ状原子7は、途中雰囲気の酸素
分子6に衝突し、いろいろな角度に散乱されて、レーザ
光1の焦点2から障害物4の陰となるレーザ光1の焦点
2と基板5の陵とを結んだ線9よりも基板5の中央側に
入る。ところが、数μm程度の大きさの液滴8は、酸素
分子6と衝突しても酸素分子6との質量比が大きく違う
ために、その飛行方向を変えることがない。そのため、
基板5上にはプラズマ化された原子、低級酸化物、ラジ
カル、イオン等が堆積し、粒の原因となる液滴8が堆積
しない。これにより、得られた薄膜は粒のない薄膜とな
る。
【0011】図中、障害物4は基板5とターゲット3と
の中央部に配置したが、ターゲット3近傍に配置して
も、基板5付近に配置しても、散乱されたプラズマ状原
子7、低級酸化物等が基板5に到達し、膜が付着できれ
ば構わないことはいうまでもない。
【0012】本実施例では、レーザ光1としてArエキ
シマレーザ、ターゲット3としてYBa2 Cu3x
用いて説明したが、レーザ光1,ターゲット3の種類は
レーザ光1によりターゲット3からプラズマ状原子7等
が放出される組み合わせであれば、本装置により同じ効
果が得られることはいうまでもない。
【0013】図2は本発明の他の実施例を説明する図で
あって、図中、1〜9は図1と同じである。
【0014】ここで、図中、障害物4は2枚で、それぞ
れが格子状(またはメッシュ状)になっている点が実施
例1と異なるのみで、その他の配置、動作方法は同一で
ある。このような装置においても、障害物4により直接
レーザ光1の焦点2から基板5が見えなければ、粒が堆
積しないことは実施例1と同じである。しかしながら、
このように2枚以上の障害物4を用いた方が障害物4が
1枚のときより基板5の中心部に到達するプラズマ状原
子7、低級酸化物などが増えるため、基板5内の膜圧の
均一化という附加的な効果が生ずる。本実施例におい
て、膜形成速度を高めるには、1番目の格子状の障害物
4を通った後、散乱される確率を増すため、2番目の障
害物4との距離を雰囲気の平均自由行程以上にする必要
がある。例えば、酸化物超伝導体をつくるときは、通常
0.1Torr以上を用いるので、平均自由行程は1m
m以下となる。また、障害物4の格子の断面は、例え
ば、三角形とし、基板5側に向かって細くなるようにし
ておけば、膜形成速度を大きくすることができる。
【0015】本実施例では障害物4を2枚として説明し
たが、必ずしも2枚でなく2枚以上であっても効果が同
じことはいうまでもない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる請
求項1の発明においては、収束したレーザ光をターゲッ
トに照射してプラズマ化し、基板上に堆積させるレーザ
蒸着膜作製装置において、レーザ光のターゲット上の焦
点と基板との間に焦点から基板が直接光学的に見えない
ようにする大きさの障害物を配置したので、レーザ光の
焦点から基板が見えないため、雰囲気の酸素分子と衝突
して、その飛行方向を変える酸素分子とほぼ同等の質量
を持つ原子、低級酸化物よりなるプラズマは障害物の陰
に回り込み基板に到達するが、その飛行方法を変えない
酸素分子の質量に対して大きい質量を持つもの、すなわ
ち、粒の原因となるターゲットから飛来する直径1μm
ほどの飛散粒子は障害物の陰にある基板に到達できない
ため、このような直径1μmほどの粒のない膜を実現で
きるという利点がある。また、本発明にかかる請求項2
の発明においては、複数の格子状の板状体の障害物を前
記焦点から前記基板が直接光学的に見えないように格子
を互いにずらせるとともに、障害物の間隔を前記プラズ
マがガス分子と衝突することなく飛行できる平均的距離
以上としたので、障害物の加熱がなくても堆積速度を大
とすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部の構成略図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例を示す要部の構成略図であ
る。
【図3】従来のレーザ蒸着法を説明する図である。
【符号の説明】
1 レーザ光 2 レーザ光の焦点 3 ターゲット 4 障害物 5 基板 6 雰囲気の酸素分子 7 プラズマ状原子 8 粒の原因となるターゲットから発生した液滴 9 レーザ光の焦点と基板の陵とを直線で結んだ線 10 レンズ 11 蒸着チャンバー 12 ビューポート 13 基板ヒータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収束したレーザ光をターゲットに照射し
    てプラズマ化し、基板上に堆積させるレーザ蒸着膜作製
    装置において、YBa Cu からなるターゲット
    を装着する手段と、堆積室の圧力を0.1Torr以上
    に保つ手段とを備え、前記レーザ光のターゲット上の焦
    点と前記基板との間に前記焦点から前記基板が直接光学
    的に見えないようにする大きさで、かつ前記ターゲット
    の溶融により発生するプラズマを通さない障害物を配置
    したことを特徴とする薄膜作製装置。
  2. 【請求項2】 収束したレーザ光をターゲットに照射し
    てプラズマ化し、基板上に堆積させるレーザ蒸着膜作製
    装置において、YBa Cu からなるターゲット
    を装着する手段と、堆積室の圧力を0.1Torr以上
    に保つ手段とを備え、前記レーザ光のターゲット上の焦
    点と前記基板との間に複数の格子状の板状体の障害物を
    前記焦点から前記基板が直接光学的に見えないように格
    子を互いにずらせるとともに、障害物の間隔を前記プラ
    ズマがガス分子と衝突することなく飛行できる平均的距
    離以上としたことを特徴とする薄膜作製装置。
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