JP2709029B2 - 案内機構を備えた展開構造物 - Google Patents

案内機構を備えた展開構造物

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JP2709029B2
JP2709029B2 JP6240340A JP24034094A JP2709029B2 JP 2709029 B2 JP2709029 B2 JP 2709029B2 JP 6240340 A JP6240340 A JP 6240340A JP 24034094 A JP24034094 A JP 24034094A JP 2709029 B2 JP2709029 B2 JP 2709029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静止軌道上の静止プラ
ットフォームなどの大型宇宙構造物の主構造物として用
いられる案内機構を備えた展開構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】大型宇宙構造物の主構造物などに用いら
れる一次元展開構造物は、打上げ時、小さく折り畳んで
コンパクトに収納し、軌道上で自動展開し、大型の高剛
性トラス構造を形成することが要求される。
【0003】このような要求に対応した大型宇宙構造物
の主構造物を構成するための従来技術は、特開平4−3
25398に開示されており、展開状態で立方体が一次
元方向に連なって構成されるトラス本体と、そのトラス
本体を展開および折り畳んで収納する案内機構とを含ん
で構成される。案内機構は、トラス本体を収納するハウ
ジングと、トラス本体の各立方体の節点ジョイントを引
掛けるシャトルフックと、シャトルフックを往復駆動す
る駆動制御装置と、1ユニット2個の立方体を順次展開
するためのロック用ガイドと、順次折り畳むためのアン
ロック用ガイドと、1ユニット2個の立方体の送り出し
タイミングをとる流れ止めとを含んで構成される。
【0004】図13は、上述の従来技術において、トラ
ス本体101が展開される際の様子を示す図である。図
13(1)および(2)でシャトルフック108が展開
方向K上流側に移動され、図13(3)でシャトルフッ
ク108がトラス本体101の展開方向K下流側端部の
節点ジョイントに係合されると、図13(4)および
(5)に示されるようにシャトルフック108が展開方
向K下流側に移動される。図13(6)および(7)で
は、シャトルフック108が再び展開方向K上流側に移
動され、トラス本体101の展開方向K下流側端部から
2番目の節点ジョイントに係合し、図13(8)〜(1
0)でシャトルフック108が展開方向K下流側に移動
される。このように、シャトルフック108が往復運動
されることによってトラス本体101の展開が行われ
る。
【0005】トラス本体101が展開される際、トラス
本体101の下側の節点ジョイントに設けられるローラ
の移動が、ストッパ102〜105によって制御され
る。ストッパ102〜105は、トラス本体101のロ
ーラが摺動する案内レールの案内面上から突出または後
退することによってローラの移動を制御する。ストッパ
102〜105の突出、または後退動作は、各ストッパ
102〜105に対応して設けられる4つの電磁ソレノ
イドアクチュエータによって駆動される。ストッパ10
2〜105、およびシャトルフック108の動作の制御
は、10個のリミットスイッチによってトラス本体10
1の移動を検知することによって行われる。また、従来
の案内機構には、2つの戻り止め106,107が備え
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では、
シャトルフックを往復駆動してトラス本体を展開および
収納し、4つのストッパでトラス本体の移動を制御する
構成なので、4個の電磁ソレノイドアクチュエータと、
10個のリミットスイッチと、それら電磁ソレノイドア
クチュエータおよびリミットスイッチを制御するコンピ
ュータまたはシーケンサとが必要であり、部品点数が多
く複雑な構成となる。
【0007】このように部品点数が多く、構造が複雑で
あると、トラス本体を展開および収納する際の信頼性が
低くなり、またトラス本体を展開および収納するための
案内機構の小型軽量化が難しい。信頼性が低いと、修理
が困難な宇宙空間において使用する場合には問題とな
る。また小型軽量化が難しいと、地上から静止軌道上へ
搬送する場合に問題となる。
【0008】本発明の目的は、小型軽量化に適し、信頼
性を向上することができる案内機構を備えた展開構造物
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)展開さ
れた状態では複数の立方体が一方向に連なり、折り畳ま
れた状態では前記各立方体が剪断変形することによって
折り畳まれるトラス本体であって、前記各立方体を形成
する複数の第1棒状部材と、前記各立方体の左右両面に
それぞれ設けられ、かつ2つの対角線方向のうちの一方
方向に沿って設けられ、隣接する立方体間では設置方向
が互いに異なり、その長手方向に伸縮自在であり、展開
状態での前記立方体の対角線の長さに保持される複数の
第2棒状部材と、前記第1棒状部材および第2棒状部材
の端部同士を接続する複数の節点ジョイントと、前記第
2棒状部材が接続される前記各立方体の下方側面に備え
られる前記節点ジョイントに設けられる複数の第1ロー
ラと、前記第2棒状部材が接続されない前記各立方体の
下方側面に備えられる前記節点ジョイントに接続される
前記各立方体の左右両面の前記第1棒状部材に設けられ
る複数の第2ローラとを含むトラス本体と、 (b)前記第1ローラが案内される一対の第1レール2
3,26と、 (c)前記第1レールの上方に備えられ、前記第2ロー
ラが案内される一対の第2レール24,27であって、
前記第1レールの展開方向上流側の部分の上方で、その
第1レールに平行に延びて配置される第1平行部24
と、前記第1平行部の展開方向下流側の端部に滑らかに
連なり、展開方向下流になるにつれて前記第1レールに
近接する方向に傾斜した傾斜部27aと、前記傾斜部の
展開方向下流側の端部に滑らかに連なり、前記第1レー
ルの展開方向下流側の部分の上方でその第1レールに平
行に延びて配置される第2平行部27bとを含む第2レ
ール24,27と、 (d)展開手段であって、前記トラス本体の下方側面に
前記一方向と垂直な方向に沿って備えられる前記第1棒
状部材と係合する複数の係合部材が外周面に設けられ、
前記係合部材の搬送方向が前記一方向と平行になるよう
に設けられるベルトと、前記ベルトを正逆転駆動するモ
ータとを含む展開手段とを含むことを特徴とする案内機
構を備えた展開構造物である。
【0010】
【作用】本発明に従えば、案内機構を備えた展開構造物
は、トラス本体と、一対の第1レールと、一対の第2レ
ールと、展開手段とを含んで構成される。トラス本体
は、複数の第1棒状部材と、長手方向に伸縮自在な複数
の第2棒状部材と、複数の節点ジョイントと、複数の第
1ローラと、複数の第2ローラとを含んで構成され、展
開された状態では複数の立方体が一方向に連なり、折り
畳まれた状態では各立方体が剪断変形することによって
折り畳まれる。
【0011】トラス本体の各立方体は、各立方体の各頂
点に備えられる節点ジョイントによって第1棒状部材の
端部同士が接続されて形成される。第2棒状部材は、各
立方体の左右両面にそれぞれ設けられ、かつ2つの対角
線方向のうちの一方方向に沿って設けられ、隣接する立
方体間では設置方向が互いに異なる。第2棒状部材の各
端部は節点ジョイントに接続され、長手方向の長さは、
展開状態での立方体の対角線の長さに保持される。
【0012】第1ローラは、第2棒状部材が接続される
各立方体の下方側面に備えられる節点ジョイントに設け
られる。第2ローラは、第2棒状部材が接続されない各
立方体の下面に備えられる節点ジョイントに接続される
各立方体の左右両面の第1棒状部材に設けられる。
【0013】トラス本体の第1ローラは、第1レールに
よって案内され、第2ローラは第2レールによって案内
される。第1レールの上方に備えられる第2レールは、
第1レールと平行な第1平行部と、第1平行部に滑らか
に連なり、第1レールに近接する方向に傾斜した傾斜部
と、傾斜部に滑らかに連なり、第1レールに平行な第2
平行部とを含んで構成される。
【0014】展開手段は、ベルトと、ベルトを正逆転駆
動するモータとを含んで構成される。ベルトの外周面に
は、トラス本体の下方側面に前記一方向と垂直な方向に
沿って備えられる第1棒状部材と係合する複数の係合部
材が設けられる。ベルトは、係合部材の搬送方向が前記
一方向と平行になるように設けられる。
【0015】前述のように構成されるトラス本体が前記
一方向に引伸ばされると、剪断変形することによって折
り畳まれた各立方体が展開され、立方体の展開に伴って
第2棒状部材が縮む。立方体の展開が完了すると、第2
棒状部材の長さが立方体の対角線の長さに保持されるこ
とによって、立方体が展開された状態に保持される。こ
のようにして、全ての立方体が展開されると、トラス本
体は、立方体が一方向に沿って連なった状態となる。
【0016】第2棒状部材の長さが展開状態での立方体
の対角線の長さに保持された状態が解除され、トラス本
体が前記一方向に押し縮められると、立方体が剪断変形
して折り畳まれ、立方体の剪断変形に伴って第2棒状部
材が引伸ばされる。このようにして、全ての立方体が折
り畳まれると、トラス本体は収納に適したコンパクトな
状態となる。
【0017】このようなトラス本体の展開および折り畳
みは、前記一方向に対して隣接する第1ローラの間の2
つの立方体を1ユニットとしたとき、各ユニット毎に行
われる。各ユニットの折り畳みは、ユニットに含まれる
2つの立方体に共有される中間の面が、ユニットの前記
一方向に対する両端面に対して上方に移動されて行われ
る。
【0018】折り畳まれた状態のトラス本体は、トラス
本体の各第1ローラが第1レールによって案内されて保
持され、第2ローラが第2レールの第1平行部によって
案内されて保持される。トラス本体の下方側面に前記一
方向と垂直な方向に沿って備えられる第2レールの第2
平行部側端部の第1棒状部材に、ベルトに設けられる係
合部材が係合され、ベルトがモータによって回転駆動さ
れ、前記係合された第1棒状部材が第2レールの第2平
行部側、すなわち展開方向下流側に搬送されると、展開
方向下流側のユニットから順番にトラス本体の展開が行
われる。トラス本体が展開されながらベルトによって展
開方向下流側に搬送されると、トラス本体の下方側面の
係合部材と係合する第1棒状部材が、ベルトの回転に伴
って展開方向下流側の第1棒状部材から展開方向上流側
の第1棒状部材へと順番に変更される。
【0019】係合された第1棒状部材がベルトによって
展開方向下流側に搬送されると、その係合された第1棒
状部材を含むユニットに備えられる第2ローラが第2レ
ールの第1平行部から傾斜部に進み、傾斜部によって第
2ローラが上方から下方、すなわち第1レールに近接す
る方向に案内されながらユニットが展開され、第2ロー
ラが傾斜部から第2平行部に達すると同時にユニットの
展開が完了される。
【0020】第2ローラが傾斜部によって斜め下方に案
内されるのに伴って、その案内される第2ローラを含む
ユニットの展開方向上流側の立方体における左右両面の
下側に備えられる第1棒状部材が第1レールに対して垂
直な状態から平行な状態に変化される。前記第1棒状部
材が第1レールに対して垂直な状態から平行な状態に変
化されると、その第1棒状部材の両端が接続される節点
ジョイント間の展開方向に対する距離が増大し、その結
果、ユニットの展開方向上流側の端部に備えられる第1
ローラの位置が、ユニットの展開が完了するまでの間、
第1レールにおける第2レールの第1平行部と傾斜部と
の接続部に対向する位置の近傍に保持される。
【0021】このように、展開途中のユニットの展開方
向上流側端部は、展開が完了するまでの間、展開方向に
対して第2レールの第1平行部と傾斜部との接続部近傍
の位置に保持されるので、ユニットの展開方向上流側端
部の展開方向下流側への移動を阻止するための手段を特
別に講じなくとも、ユニットの下方側面の展開方向下流
側端部に備えられる第1棒状部材が係合されてベルトに
よって展開方向下流側に搬送されるのに伴って、ユニッ
トが展開方向に引伸ばされて展開される。また、展開途
中のユニットの展開方向上流側端部は、展開が完了する
までの間、展開方向に対して第2レールの第1平行部と
傾斜部との接続部近傍の位置に保持されるので、展開途
中のユニットの展開が完了するまでそのユニットよりも
展開方向上流側のユニットは折り畳まれた状態が保持さ
れ、トラス本体の展開が展開方向下流側のユニットから
順番に行われる。
【0022】展開されたトラス本体は、第1および第2
レールの展開方向下流側端部から抜出され、独立した構
造物とすることができる。
【0023】展開されたトラス本体を再び折り畳む際に
は、トラス本体の展開方向上流側に備えられる第1およ
び第2ローラを第1および第2レールの展開方向下流側
端部から挿入する。トラス本体の下方側面における展開
方向上流側端部の展開方向と垂直な第1棒状部材に、ベ
ルトに設けられる係合部材が係合され、ベルトがモータ
によって回転駆動され、トラス本体が展開方向上流側に
搬送されると、トラス本体の折り畳みが行われる。トラ
ス本体に含まれるユニットに備えられる第2ローラが第
2レールの第2平行部から傾斜部に達すると、傾斜部に
よってユニットに含まれる2つの立方体が共有する中間
の面が上方に案内されてユニットに含まれる2つの立方
体が剪断変形し、ユニットが折り畳まれる。
【0024】トラス本体の各ユニットは、各ユニットに
備えられる第2ローラが第2レールの傾斜部を通過する
のに伴って折り畳まれるので、トラス本体は展開方向上
流側のユニットから順番に折り畳まれる。
【0025】したがって、トラス本体の展開および折り
畳みを行う際、トラス本体の展開方向に対する引伸ばし
および押し縮めが、展開手段に備えられた係合部材が設
けられるベルトを正逆転駆動することによって行われる
ので、従来のシャトルフックを往復駆動する場合に比べ
て、ベルトおよびベルトを駆動するモータの動作が簡単
であり、モータの制御系統を簡単な構成にすることがで
きる。その結果、信頼性が向上され、小型軽量化に適し
た案内機構を備えた展開構造物を実現することができ
る。
【0026】また、案内機構を備えた展開構造物には、
傾斜部を備えた第2レールが含まれるので、トラス本体
の展開および折り畳みを、展開方向下流側および上流側
のユニットから順番に行うことができ、その結果、トラ
ス本体に含まれる全てのユニットを一度に展開および折
り畳む場合に比べて、トラス本体の引伸ばしおよび押し
縮めを行う展開手段の展開方向に対する動作距離を短く
することができ、案内機構を備えた展開構造物を小型軽
量化することができる。
【0027】また、傾斜部を備えた第2レールが含まれ
るので、トラス本体の第1棒状部材と係合した係合部材
をベルトの回転によって展開方向下流側に搬送するだけ
でトラス本体を展開方向に引伸ばして展開することがで
き、案内機構を備えた展開構造物の構成を簡単化するこ
とができる。また、第2レールには、傾斜部の両端に滑
らかに接続される第1および第2平行部が備えられるの
で、第2ローラをスムースに案内することができ、トラ
ス本体の展開および折り畳みをスムースに行うことがで
きる。
【0028】また本発明に従えば、前述の第2棒状部材
は、内部に収納空間を有する筒状部材と、ピンを備えた
柱状部材とを含んで構成され、案内機構を備えた展開構
造物は、第2棒状部材のピンに当接する二対のプレート
を含んで構成される。第2棒状部材の筒状部材は、内部
に収納空間を有し、収納空間と外周面とに連通する透孔
を有する。筒状部材の収納空間に挿入および排出変位自
在に設けられる柱状部材は、筒状部材の外周面方向に付
勢され、かつ透孔と係合可能な位置に設けられるピンを
備えて構成される。二対のプレートは、トラス本体の各
ユニットに備えられる全てのピンに当接可能に設けら
れ、ピンへの当接面が凸面形状となっている。
【0029】第2棒状部材は、柱状部材が筒状部材の収
納空間に挿入される方向に変位されると長さが縮み、反
対に柱状部材が収納空間から排出される方向に変位され
ると長さが伸びる。柱状部材が収納空間に挿入変位さ
れ、第2棒状部材の長さが展開状態の立方体の対角線の
長さと等しくなった状態において、柱状部材に設けられ
るピンが筒状部材に設けられる透孔を介して筒状部材の
外周面から突出したピンと透孔とが係合したラッチ状態
では、第2棒状部材の長さが展開状態の立方体の対角線
の長さに保持されており、これによってその第2棒状部
材が備えられる立方体が展開された状態に保持される。
【0030】このラッチ状態の解除は、筒状部材の外周
面から突出したピンを透孔内に嵌まり込む方向に押し込
み、ピンと透孔との係合を解除することによって行わ
れ、ピンと透孔との係合が解除されたアンラッチ状態で
は、第2棒状部材の引伸ばしが可能な状態となってい
る。
【0031】展開されたトラス本体が第1および第2レ
ールによって案内されながら展開方向上流側に搬送され
ると、トラス本体に含まれるユニットに備えられる第2
ローラが第2レールの第2平行部と傾斜部との接続部に
差し掛かり、そのユニットの折り畳みが開始される際
に、そのユニットに備えられる4つの第2棒状部材の全
てのピンが、ユニットの搬送に伴って二対のプレートの
当接面に同時に当接する。このようにして、ピンがプレ
ートに当接すると、ユニットの搬送に伴って、ピンが凸
面形状を有する当接面上を摺動しながら、ピンが透孔と
係合したラッチ状態から透孔との係合が解除されたアン
ラッチ状態になる。ピンと透孔との係合が解除されたア
ンラッチ状態となると、ユニットの搬送に伴って、第2
棒状部材が引伸ばされながらユニットの折り畳みが行わ
れる。
【0032】たとえば、折り畳まれたトラス本体が展開
される際には、折り畳まれた状態にあるユニットの展開
が行われる過程でそのユニットに備えられる全てのピン
が、トラス本体の搬送に伴って前述の二対のプレートに
当接し、ピンが柱状部材の外周面から突出する方向と反
対の方向に押圧されて、ピンが柱状部材の内部に嵌まり
込み、第2棒状部材が縮められて柱状部材が筒状部材の
収納空間に挿入変位される際、ピンがその柱状部材の挿
入変位の障害とならないようになる。このように、ピン
がプレートに当接されて柱状部材内部に嵌まり込むと、
第2棒状部材が縮められるのに伴って柱状部材のピンが
設けられる部分が筒状部材の収納空間に挿入され、第2
棒状部材の長さが展開された状態の立方体の対角線の長
さと等しくなると、ピンが筒状部材に設けられる透孔に
係合する。
【0033】たとえば、また折り畳まれたトラス本体が
展開される際には、ピンの筒状部材側の端面を傾斜面と
することによって、伸びた状態にある棒状部材が縮めら
れ、柱状部材のピンが設けられる部分が収納空間に挿入
されるとき、ピンの筒状部材側の端面が筒状部材の柱状
部材側の端面に当接し、柱状部材の収納空間内への挿入
変位に伴ってピンが柱状部材内部に嵌まり込み、ピンが
柱状部材の挿入変位の障害とならないようになる。
【0034】したがって、展開されたトラス本体は、ト
ラス本体を折り畳むために展開方向上流側に搬送する動
作に伴って、各ユニット毎にユニットに備えられる全て
のピンがプレートに当接してラッチ状態からアンラッチ
状態への切換えが行われるので、わざわざピンを押込み
ラッチ状態からアンラッチ状態にする操作が必要ないの
で、トラス本体の折り畳みの際の操作性を向上すること
ができる。
【0035】また、筒状部材に設けられる透孔、柱状部
材に設けられるピン、およびピンに当接可能に設けられ
るプレートなどによって、棒状部材の長さが展開された
状態の立方体の対角線の長さに保持された状態と、第2
棒状部材の引伸ばしが可能な状態との間の切換えが行わ
れるので、簡単な構成で前記両状態間の切換えを行うこ
とができ、その結果、案内機構を備えた展開構造物の信
頼性向上および小型軽量化を実現することができる。
【0036】また本発明に従えば、前述のベルトに設け
られる各係合部材は、それぞれ一対の凸起から構成され
る。係合部材とトラス本体に備えられる第1棒状部材と
の係合は、第1棒状部材が一対の凸起の間に嵌め込まれ
ることによって行われる。
【0037】したがって、トラス本体の第1棒状部材が
一対の凸起の間に嵌め込まれることによって、係合部材
と第1棒状部材との係合が行われるので、係合部材に係
合された第1棒状部材がベルトの回転によって展開方向
上流側に搬送される際に、第1棒状部材が係合部材から
離反して係合部材よりも早く展開方向上流側に移動して
しまったり、第1棒状部材が展開方向下流側に搬送され
る際に同様に係合部材よりも早く展開方向下流側に移動
してしまったりするのを防止することができる。その結
果、第1棒状部材をベルトの回転速度に伴った安定した
速度で搬送することができ、トラス本体の展開および折
り畳みを安定して行うことができる。
【0038】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である案内機構を
備えた展開構造物1の構成を示す斜視図である。案内機
構を備えた展開構造物1は、トラス本体2と、トラス本
体2を展開および折り畳み収納する案内機構である案内
装置3とを含んで構成される。
【0039】トラス本体2は、複数の節点ジョイントA
1〜A16と、複数の枠材B1〜B8,C1〜C8,D
1〜D12と、複数の斜材E1〜E10と、複数のテレ
スコピック部材F1〜F6とを含んで構成される。枠材
B1〜B8,C1〜C8,D1〜D12および斜材E1
〜E10は、ジェラルミンなどの軽くて剛性の高い材料
で形成される細長い棒状の部材であり、内部は中空の筒
状構造となっている。テレスコピック部材F1〜F6
は、同様にジェラルミンなどの軽くて剛性の高い材料で
形成され、長手方向に対して伸縮自在な構造を有する細
長い棒状の部材であり、縮められた状態を保持するため
の後述するラッチ機構を有する。
【0040】各枠材B1〜B8,C1〜C8は、各両端
が対応する各節点ジョイントA1〜A16にそれぞれ固
定的に接続される。各枠材D1〜D12は、各両端が対
応する各節点ジョイントA1〜A16に一軸まわりに回
転自在にそれぞれ接続される。トラス本体2が案内装置
3によって展開方向J下流側に搬送されて展開された状
態において、トラス本体2は複数の立方体が一方向であ
る展開方向Jに連なった状態となる。
【0041】このような状態において、枠材B1〜B
8,C1〜C8は、展開方向Jと垂直な状態にあり、枠
材D1〜D12は展開方向Jと平行な状態にある。枠材
C1〜C8は、図1における上下方向と平行な関係にあ
り、枠材C1〜C8のうちの枠材C1〜C4は、トラス
本体2を展開方向J下流側から見た場合、図1における
右側面に符号番号の若い順に展開方向J下流側から順番
に備えられ、枠材C5〜C8は左側面に符号番号の若い
順に展開方向J下流側から順番に備えられる。枠材B1
〜B8は、図1における横方向、すなわちトラス本体2
を展開方向J下流側から見たときの左右方向と平行な関
係にあり、枠材C1〜C8と垂直な関係にある。枠材B
1〜B8のうちの枠材B1〜B4は、トラス本体2の図
1における上側面に符号番号の若い順に展開方向J下流
側から順番に備えられ、枠材B5〜B8は、下側面に符
号番号の若い順に展開方向J下流側から順番に備えられ
る。
【0042】各斜材E1〜E4は、一端が各枠材B1〜
B4の図1における左端にそれぞれ接続され、他端が各
枠材B5〜B8の図1における左端にそれぞれ接続され
る。各斜材E5〜E8は、一端が各枠材D1〜D3の展
開方向J上流側端部にそれぞれ接続され、他端が各枠材
D4〜D6の展開方向J下流側端部にそれぞれ接続され
る。各枠材E8〜E10は、一端が各枠材D7〜D9の
展開方向J下流側端部にそれぞれ接続され、他端が各枠
材D10〜D12の展開方向J上流側端部にそれぞれ接
続される。
【0043】各テレスコピック部材F1,F4は、一端
が枠材D7,D10の展開方向J下流側端部が接続され
る節点ジョイントA9,A13にそれぞれ一軸まわりに
回転自在に接続され、他端が枠材D4,D1の展開方向
J上流側端部が接続される節点ジョイントA6,A2に
それぞれ一軸まわりに回転自在に接続される。各テレス
コピック部材F2,F5は、一端が節点ジョイントA
6,A2にそれぞれ一軸まわりに回転自在に接続され、
他端が枠材D8,D11の展開方向J上流側端部が接続
される節点ジョイントA11,A15に一軸まわりに回
転自在にそれぞれ接続される。各テレスコピック部材F
3,F6は、一端が節点ジョイントA11,A15にそ
れぞれ一軸まわりに回転自在に接続され、他端が枠材D
6,D3の展開方向J上流側端部が接続される節点ジョ
イントA8,A4にそれぞれ一軸まわりに回転自在に接
続される。
【0044】このように各テレスコピック部材F1〜F
6は、トラス本体2に含まれる各立方体の図1における
右および左側面の対角線方向に展開方向J下流側から順
番に交互に向きを変えて備えられる。
【0045】トラス本体2に含まれる展開方向J下流側
から1番目の立方体を第1ボックスT1と呼ぶことにす
る。展開方向J下流側から2番目と3番目の2つの立方
体を1単位として第1ユニットU1が構成され、その第
1ユニットU1から展開方向J上流側に連なる2つの立
方体によって第2ユニットU2が構成され、同様に第2
ユニットU2に連なる第3ユニットU3が構成される。
図示例では、トラス本体2は第1ボックスT1と、第1
〜第3ユニットU1〜U3とから構成されているが、第
1ボックスU1に連なるユニットの数は3つに限定され
ることはなく、ユニットの数を3つよりも小さくまたは
大きくすることができる。また、各第1〜第3ユニット
U1〜U3は同一の構成であり、第2および第3ユニッ
トU2およびU3に関しては、説明を省略する。
【0046】各枠材B1〜B8,C1〜C8,D1〜D
12の長さLは、互いに等しく設定され、たとえば30
cmに設定される。
【0047】図2は、トラス本体2の節点ジョイントA
11が備えられる部分を部分的に拡大した斜視図であ
る。節点ジョイントA11には、枠材B7,C3,D
8,D9、テレスコピック部材F2,F3が接続され
る。枠材B7の図1における右側端部に設けられる継手
11は、節点ジョイントA11に固定的に接続される。
枠材C3の図1における上側端部に設けられる継手12
は、節点ジョイントA11に固定的に接続される。枠材
D8およびテレスコピック部材F2の展開方向J上流側
端部にそれぞれ設けられる継手13および14は、展開
方向Jと図2における上下方向とに平行な面内で回転自
在に節点ジョイントA11にそれぞれ接続される。枠材
D9およびテレスコピック部材F3の展開方向J下流側
端部にそれぞれ設けられる継手15および16は、同様
に展開方向Jと図2における上下方向とに平行な面内で
回転自在に節点ジョイントA11にそれぞれ接続され
る。
【0048】このように構成されるトラス本体2は、枠
材D1〜D12およびテレスコピック部材F1〜F6が
一軸まわりに回転自在に節点ジョイントA1〜A16に
接続され、かつ各テレスコピック部材F1〜F6が伸縮
自在な構造となっているので、トラス本体2を展開方向
Jに引伸ばすことによって、テレスコピック部材F1〜
F6が縮み、展開方向Jに沿って連なった複数の立方体
が形成された展開された状態となり、トラス本体2を展
開方向Jに押し縮めることによってテレスコピック部材
F1〜F6が伸びて各立方体が剪断変形し、複数の立方
体が折り畳まれた状態となる。
【0049】上述のトラス本体2に含まれる立方体の折
り畳みは、ユニット毎に行われる。第1ユニットU1の
折り畳みを例にして説明する。第1ユニットU1が展開
方向Jに押し縮められると、テレスコピック部材F2,
F3,F5,F6が縮められた状態から伸び、これに伴
って枠材B3,B7,C3,C7が、図1における上方
に移動されながら、展開方向Jに対して両端の枠材B
2,B6,C2,C6およびB4,B8,C4,C8が
互いに近接する方向に移動されて第1ユニットU1が折
り畳まれる。第1ボックスT1は、第1ユニットU1に
含まれる展開方向J上流側の立方体と同様な構成であ
り、第1ユニットU1が上述のようにして折り畳まれる
際の展開方向J上流側の立方体と同様に折り畳まれる。
【0050】また、トラス本体2の図1における下側面
に備えられる各節点ジョイントA2,A4,A6,A8
には、図示しない走行用ローラH2,H4,H6,H8
がそれぞれ備えられる。各走行用ローラH2,H4,H
6,H8は、各回転軸が枠材B1〜B8と平行になるよ
うに備えられる。トラス本体2が前述のように折り畳ま
れる際、図1における上方に移動される各枠材C1,C
3,C5,C7には、図示しない案内ローラG1,G
3,G5,G7がそれぞれ備えられる。各案内ローラG
1,G3およびG5,G7は、各枠材C1,C3および
C5,C7の図1における下端部の図1における右側お
よび左側、すなわち外側の外周面に、各回転軸が枠材B
1〜B8と平行になるように備えられる。
【0051】図3は、案内装置3の構成を示す平面図で
ある。図4は、案内機構を備えた展開構造物1の構成を
示す一部破断側面図である。トラス本体2を展開および
折り畳み収納する案内装置3は、トラス本体2の展開お
よび折り畳みを行う展開装置21と、折り畳まれた状態
のトラス本体2を収納するハウジング22とを含んで構
成される。
【0052】ハウジング22には、トラス本体2の走行
用ローラH2,H4,H6,H8が摺動回転されて案内
される一対の走行レール23と、案内ローラG1,G
3,G5,G7が摺動回転して案内される一対の案内レ
ール24とが展開方向Jと平行に備えられる。走行レー
ル23および案内レール24は、案内装置3を展開方向
J下流側から見た場合、ハウジング22の図3における
左側面と右側面とに備えられる。また、案内レール24
は、走行レール23の図4における上方に備えられる。
また、ハウジング22には、ハウジング22に収納され
るトラス本体2がハウジング22から展開方向J上流側
に飛出さないように端壁25が備えられる。
【0053】展開装置21は、一対の走行レール26、
一対の案内レール27、展開駆動部28、二対のプレー
ト29および30、およびリミットスイッチ31を含ん
で構成される。一対の走行レール26は、上述のハウジ
ング22に備えられる走行レール23に滑らかに連な
り、展開方向Jと平行に備えられる。
【0054】各案内レール27は、傾斜部27aと、走
行部27bとから構成される。各走行部27bは、各走
行レール26の図4におけるやや上方に走行レール26
と平行に備えられる。各走行部27bの展開方向J上流
側に備えられる各傾斜部27aは、一端がハウジング2
2に備えられる各案内レール24にそれぞれ滑らかに接
続され、他端が各走行部27bにそれぞれ滑らかに接続
され、展開方向J上流側から下流側にかけて図4におけ
る上方から下方になるように傾斜している。
【0055】トラス本体2の展開および折り畳みを行う
展開駆動部28は、タイミングベルト32を含んで構成
される。タイミングベルト32は、展開方向Jに所定の
間隔をあけて設けられる図示しない原車と従車とに巻掛
けられており、タイミングベルト32が正逆転される際
の搬送方向は、展開方向Jと平行である。タイミングベ
ルト32の図4における上面である搬送面の展開方向J
上流側端部の展開方向Jに対する位置は、案内レール2
7に含まれる傾斜部27aの展開方向J下流側端部の位
置と一致している。展開駆動部28の詳細な説明は後述
する。
【0056】一対のプレート29は、展開装置21の図
3における上下の側面、すなわち左右側面に備えられ
る。一対のプレート30は、展開装置21の図3におけ
る上下の側面、すなわち左右側面に、プレート29より
も展開方向J下流側に備えられる。プレート29,30
の上下方向に対する位置は、案内レール27の走行部2
7bのやや上方に設定される。プレート29とプレート
30との展開方向Jに対する距離は、トラス本体2に含
まれる枠材D1〜D12の長さLの2倍の距離よりもや
や短い距離に設定される。また、プレート29とプレー
ト30との展開方向Jに対する中心位置は、案内レール
27の傾斜部27aの展開方向J下流側端部の展開方向
Jに対する位置と一致している。
【0057】このように備えられる各プレート30は、
第1〜第3ユニットU1〜U3の展開方向J下流側の各
テレスコピック部材に備えられる後述するロックピンに
当接可能な位置に備えられている。また各プレート29
は、第1〜第3ユニットU1〜U3の展開方向J上流側
の各テレスコピック部材に備えられる後述するロックピ
ンに当接可能な位置に備えられている。
【0058】リミットスイッチ31は、展開装置21の
底部に備えられており、リミットスイッチ31の図4に
おける上方を、トラス本体2の図1における下側の枠材
B1〜B4が通過する毎に検知信号を出力する。このリ
ミットスイッチ31から出力される検知信号は、後述す
る展開駆動部28に備えられるモータの制御に用いられ
る。
【0059】図5は、展開装置21に備えられる展開駆
動部28の構成を示す平面図である。図6は、展開駆動
部28の構成を示す側面図である。展開駆動部28は、
3組の凸起33,34,35が備えられるタイミングベ
ルト32と、タイミングベルト32が巻掛けられる原車
36および従車37と、減速機38を介して原車36を
正逆転駆動するモータ39と、従車37を軸支する軸受
け部40と、押えプレート41とを含んで構成される。
【0060】タイミングベルト32の外周面に備えられ
る3組の凸起33,34,35は、それぞれ2つの凸起
33aおよび33b,34aおよび34b,35aおよ
び35bで構成され、その2つの凸起が互いに対向する
部分は、トラス本体2の図1における下側の枠材B1〜
B4が嵌まり込む凹面形状になっている。3組の凸起3
3,34,35は、タイミングベルト32の外周面を3
等分するように、かつ各凸起33,34,35間のタイ
ミングベルト32の外周面に沿った距離が、トラス本体
2の枠材D1〜D12の長さLと等しくなるように備え
られる。
【0061】凸起33,34,35に嵌め込まれたトラ
ス本体2の枠材B1〜B4を展開方向J上流側および下
流側に搬送するタイミングベルト32の図6における上
側の外周面である搬送面の展開方向Jに対する長さは、
トラス本体2の枠材D1〜D12の長さLよりも長く設
定されており、これによってタイミングベルト32がど
のような回転位置にあっても上述の搬送面には、少なく
とも1組の凸起33,34,35が常に存在するように
なっている。なお、図6の実施例では、1組の凸起33
にはトラス本体2の枠材B1が嵌め込まれて係合されて
おり、1組の凸起34には枠材B2が嵌め込まれて係合
されている。
【0062】細長い平板状の押えプレート41は、上述
のタイミングベルト32の図6における上側の内周面に
摺接して備えられ、これによってタイミングベルト32
の搬送面が図6における下方に撓んで凸起33,34,
35と枠材B1〜B4との係合が外れるのが防止され
る。
【0063】このように構成される展開駆動部28にお
いて、凸起33,34,35によって枠材B1〜B4が
保持され、モータ39が回転駆動されると、枠材B1〜
B4は展開方向J上流側または下流側に搬送される。
【0064】図7は、案内装置3の展開装置21に備え
られる走行レール26および案内レール27の形状を示
す断面図である。図7が示す走行レール26および案内
レール27は、図3における下側の走行レール26およ
び案内レール27である。また、図7が示す案内レール
27の断面は、走行部27bの断面を示す。走行レール
26および案内レール27は、展開装置21の内方に開
口する凹溝46および47を有する。凹溝46および4
7は、互いに対向し、かつ互いに平行な2つの内壁46
a,46bおよび47a,47bと、両内壁46a,4
6bおよび47a,47bと垂直な関係にある内壁46
cおよび47cとによって規定される。凹溝46および
47の図7における上下方向に対する幅は、トラス本体
2に備えられる案内ローラG1,G3,G5,G7およ
び走行用ローラH2,H4,H6,H8の各直径よりも
やや広めにそれぞれ設定される。
【0065】案内ローラG1,G3,G5,G7は、図
7に示されるように案内レール27の凹溝47に嵌め込
まれて、内壁47aまたは47bに摺接されて摺動回転
しながら案内される。走行用ローラH2,H4,H6,
H8も同様に、図7に示されるように走行レールの凹溝
46に嵌め込まれて、内壁46aまたは46bに摺接さ
れて摺動回転しながら案内される。図7の図示例では、
走行レール26および案内レール27に走行用ローラH
6および案内ローラG3がそれぞれ嵌め込まれている。
【0066】図8は、トラス本体2に備えられるテレス
コピック部材F2の構成を示す平面図である。図9は、
テレスコピック部材F2の構成を示す断面図である。他
のテレスコピック部材F1,F3〜F6と同一の構成の
テレスコピック部材F2は、第1接続体51と第2接続
体52とから構成される。第1接続体51は、スリーブ
本体53、第1および第2スリーブ54および55、2
つの固定用ナット56および57、継手58、および保
持体59を含んで構成される。第2接続体52は、案内
棒61、および嵌合体62を含んで構成される。
【0067】スリーブ本体53は、細長い円筒状の部材
であり、両端部の内周面にねじ溝が設けられる。円筒形
状を有する第1および第2スリーブ54および55は、
スリーブ本体53の端面に当接するフランジ部54aお
よび55aを備えて形成され、軸方向に沿ってフランジ
部54aおよび55aよりも外側の一方の外周面には、
スリーブ本体53の端部の内周面に設けられるねじ溝に
螺合するねじ溝が設けられる。継手58は、リング状の
軸受け58aを回転自在に保持する継手本体58bと、
外周面にねじ溝が形成される円柱形状の軸部58cとを
含んで構成され、継手本体58bは軸部58cの一端に
連なって形成される。
【0068】第1スリーブ54と固定用ナット56と
は、同一の内径を有し、両内周面には、継手58bの軸
部58cに設けられるねじ溝と螺合するねじ溝が設けら
れる。
【0069】保持体59は、外径がスリーブ本体53の
外径と同一の円筒状の第1筒部59aと、外径が第1筒
部59aよりもやや小さい円筒状の第2筒部59bと、
外径が第2筒部59bよりもやや小さい円筒状の第3筒
部59cとを含んで構成され、軸方向の一方側から第1
筒部59a、第2筒部59bおよび第3筒部59cの順
序で連なった構成である。第1筒部59aの内部は、後
述する第2接続体52の嵌合体62が嵌め込まれる第2
筒部59bと反対側に開口する嵌合凹所59dとなって
いる。第1筒部59aには、第1筒部59aの内周面と
外周面とに連通する円形の透孔59eと、その透孔59
eと第1筒部59aの第2筒部59bと反対側の端面と
に連なるスリット59fとが設けられる。第1筒部59
aの軸方向に沿って設けられるスリット59fの幅W1
は、透孔59eの直径R1よりも狭く設定され、たとえ
ば直径R1の半分程度の幅に設定されている。
【0070】保持体59の第2および第3筒部59bお
よび59cには、第3筒部59cの端部と、第1筒部5
9a内の嵌合凹所59dとの底面とに開口する透孔59
gが軸方向に沿って設けられる。透孔59gの第2筒部
59b側と第3筒部59c側との両端部における内周面
には、それぞれ円筒状の滑り軸受け66,67が備えら
れる。
【0071】第2スリーブ55と固定用ナット57とは
同一の内径を有し、両内周面には上述の保持体59の第
3筒部59cの外周面に設けられるねじ溝と螺合するね
じ溝が設けられる。
【0072】継手58のスリーブ本体53への取付け
は、次のようにして行われる。先ず、スリーブ本体53
の一端に、第1スリーブ54を外周面にねじ溝が設けら
れた側をフランジ部54aがスリーブ本体53の端面に
当接するまでねじ込んで固定する。次に、予め固定用ナ
ット56がねじ込まれて嵌め込まれた継手58の軸部5
8cを、第1スリーブ54に所定の深さまでねじ込んだ
後、固定用ナット56を第1スリーブ54と当接する位
置まで螺進させて移動し、固定用ナット56と第1スリ
ーブ56とが近接する方向に螺進できなくなるまで固定
用ナット56を螺進させ、第1スリーブ54、固定用ナ
ット56、および継手58を互いに固定する。
【0073】このようにして、スリーブ本体53に取付
けられた継手58は、固定用ナット56を緩めて、継手
本体58bがスリーブ本体53の一端に近接する方向に
継手58を螺進する、または離反する方向に螺退するこ
とによって、スリーブ本体53の一端から継手本体58
bまでの長さを自由に変化させることができる。
【0074】保持体59のスリーブ本体53への取付け
は、上述の継手58のスリーブ本体53への取付けと同
様にして行われる。継手58および保持体59は、継手
58の軸受け58aへの回転軸方向と、保持体59の透
孔59eが開口する方向とが一致するようにスリーブ本
体53に取付けられる。
【0075】一方、第2接続体52の嵌合体62は、保
持体59の嵌合凹所59dに嵌め込まれる円柱形状の嵌
合部63と、嵌合部63の一端から半径方向外方に拡径
されて形成されるフランジ部64と、フランジ部64の
嵌合部63とを反対側の端面から軸方向に沿って張出し
て形成される概ね板状の継手部65とを含んで構成され
る。継手部65によって、リング状の軸受け65aが回
転自在に保持される。
【0076】嵌合部63には、嵌合部63の直径方向に
沿って嵌合部63を貫通する断面が円形の貫通孔68が
設けられる。貫通孔68の軸の向きは、継手部65に備
えられる軸受け65aの回転軸の向きと一致している。
貫通孔68は、貫通孔68の軸方向に沿って内径の狭い
部分と広い部分とから成り、内径の広い部分側の端部の
貫通孔68を規定する内周面にはねじ溝が設けられる。
【0077】このように形成される嵌合部63の貫通孔
68には、ロックピン69、圧縮ばね70、およびばね
止め71が備えられる。ロックピン69は、円柱状のピ
ン本体69aと、ピン本体69aの一端に形成される円
柱状の凸起部69bと、ピン本体69aの他端から半径
方向外方に拡径されて形成されるフランジ部69cとを
含んで構成される。ロックピン69のフランジ部69c
が形成される側の端部には、圧縮ばね70が嵌め込まれ
るばね受け凹所が設けられる。ピン本体69aの直径R
2は、保持体59への透孔59eの直径R1よりもやや
小さく設定されており、凸起部69bの直径R3は、ス
リット59fの幅W1よりもやや小さく設定されてい
る。
【0078】ばね止め71は、嵌合部63の貫通孔68
に設けられるねじ溝と螺合するねじ溝が外周面に設けら
れた円柱状の形状を有し、一端の端面には圧縮ばね70
が嵌め込まれるばね受け凹所が設けられる。
【0079】ロックピン69、圧縮ばね70およびばね
止め71の嵌合部62への取付けは次のようにして行わ
れる。先ず、ロックピン69を嵌合部62の貫通孔68
に内径の広い部分側から凸起部69bを先頭にして挿入
する。次に、圧縮ばね70を貫通孔68に挿入した後、
ばね止め71を、貫通孔68にねじ込む。
【0080】ロックピン69、圧縮ばね70およびばね
止め71が嵌合部63に取付けられると、貫通孔68の
内径が広い部分の内径はロックピン69のフランジ部6
9cの直径よりもやや大きく設定され、貫通孔68の内
径が狭い部分の内径はフランジ部69cの直径よりも小
さく、かつピン本体69aの直径R2よりもやや大きく
設定されているので、ロックピン69のフランジ部69
cが、貫通孔68の内径が広い部分と内径の狭い部分と
の境目における貫通孔68の軸方向と垂直なリング状の
端部に、圧縮ばね70の押圧力によって押圧されて当接
する。このように、フランジ部69cが貫通孔68内の
リング状の端面に当接された状態では、ロックピン69
のピン本体69aが嵌合部63の外周面からいくらか突
出している。
【0081】ロックピン69の凸起部69bが嵌合部6
3の半径方向内方に押圧されると、圧縮ばね70が縮
み、これに伴ってピン本体69aが貫通孔68内に嵌ま
り込み、たとえばロックピン69と、ばね止め71とが
当接した状態では、ピン本体69aは貫通孔68内に完
全に嵌まり込んだ状態となる。
【0082】案内棒61は、細長い円柱形状を有し、案
内棒61の軸と、嵌合体62の軸とが一致するようにし
て外周面にねじ溝が設けられる一端が嵌合体62の嵌合
部63側の端面に設けられるねじ孔に螺合され、他端が
保持体59の透孔59gを介してスリーブ本体53内の
収納空間53aに挿通される。このように、案内棒61
が保持体59の透孔59gに挿通されているので、テレ
スコピック部材F2は第1接続体51と第2接続体52
とが互いに近接・離反する方向に伸縮自在な構造を有す
る。
【0083】上述の保持体59に設けられる透孔59e
と、嵌合体62の貫通孔68に備えられるロックピン6
9とを含んで、テレスコピック部材F2の縮められた状
態を保持するラッチ機構が構成される。図8および図9
の図示例では、テレスコピック部材F2は、嵌合体62
の嵌合部63が保持体59の嵌合凹所59dに嵌め込ま
れ、嵌合体62のフランジ部64と、保持体59の第1
筒部59a側の端面とが当接された縮められた状態にあ
る。この状態において、ラッチ機構は、ロックピン69
のピン本体69aが保持体59の透孔59eに嵌まり込
んだ、ロックピン69と透孔59eとが係合したラッチ
状態にあり、これによって第1接続体51と第2接続体
52とが離反しないようになっている。またこの状態に
おいて、テレスコピック部材F2の長さは、トラス本体
2の展開状態にある立方体の対角線の長さに保持されて
いる。
【0084】図10は、ロックピン69と保持体59に
設けられる透孔59eとを含んで構成されるテレスコピ
ック部材F2のラッチ状態にあるラッチ機構が、プレー
ト30によってラッチ状態が解除される際の様子を示す
図である。他のプレート29と同様な形状のプレート3
0は、概ね円板状の形状であり、ロックピン69に当接
する当接面30aが滑らかに突出した凸面形状となって
おり、当接面30aは周辺部のなだらかな傾斜面と、中
央部の平面とから成る。図10(1)が示す状態では、
ラッチ機構は、図8および図9に示す状態と同様な状態
であるラッチ状態にある。したがって、テレスコピック
部材F2が含まれる第1ユニットU1は、展開された状
態にある。
【0085】トラス本体2に含まれる第1ユニットU1
が案内装置3によって折り畳まれて収納される際、テレ
スコピック部材F2は第1ユニットU1に伴って展開方
向J上流側に搬送される。テレスコピック部材F2が展
開方向J上流側に搬送されると、ロックピン69の凸起
部69bの端面がプレート30の当接面30aにおける
傾斜面に当接し、当接されたロックピン69が当接面3
0aの傾斜面から平面まで到達すると、図10(2)に
示されるように、ラッチ機構は、ロックピン69がプレ
ート30によって貫通孔68内に押し込まれてピン本体
69aが透孔59eから外れた、すなわちロックピン6
9と透孔59eとの係合が解除されたアンラッチ状態と
なる。このアンラッチ状態において、図10(2)に示
されるように、テレスコピック部材F2の保持体59お
よび嵌合体62の外周面とプレート30との間には所定
の間隔があけられており、プレート30が第1ユニット
U1の通過を妨げないようになっている。
【0086】ラッチ機構がアンラッチ状態となると、第
1ユニットU1が展開方向Jに押し縮められて折り畳ま
れ、これに伴ってテレスコピック部材F2が引伸ばさ
れ、図10(3)に示されるように、保持体59と嵌合
体62とが離反した状態となる。保持体59と嵌合体6
2とが離反される際、ロックピン69の凸起部69b
は、保持体59に設けられるスリット59fを通って透
孔59eから保持体59の第1筒部59a側の端面に至
る。
【0087】反対に、折り畳まれた第1ユニットU1が
案内装置3によって展開方向Jに引伸ばされて展開され
る際には、テレスコピック部材F2の搬送に伴ってロッ
クピン69がプレート30に当接し、ピン本体69aが
完全に貫通孔68内に嵌まり込むまでプレート30によ
って押し込まれると、テレスコピック部材F2の縮みに
伴ってロックピン69の凸起部69bがスリット59f
を通って透孔59e内に進む。ロックピン69の凸起部
69bが透孔59e内に達すると、ロックピン69とプ
レート30とが離反され、これに伴ってピン本体69a
が透孔59eに嵌まり込み、ラッチ機構がラッチ状態と
なる。
【0088】図11は、トラス本体2が案内装置3によ
って展開される過程を示す図である。図12は、トラス
本体2が案内装置3によって展開される過程を示す図で
あり、図10の続きの過程を示す図である。図11
(1)の状態では、トラス本体2は、第1ボックスT1
のみが展開された状態にあり、第1〜第3ユニットU1
〜U3は、折り畳まれてハウジング22内に収納されて
いる。図11(1)の状態で、トラス本体2の枠材B1
が凸起33,34,35に係合され、タイミングベルト
32による搬送によって第1ボックスT1が展開方向J
下流側に搬送されると、これに伴って第1ユニットU1
が、図11(2)〜(4)および図12(1)〜(3)
に示されるように、展開方向J下流側に搬送されて展開
される。図12(3)は、第1ユニットU1が完全に展
開された状態を示す。
【0089】枠材C3,C7に備えられる案内ローラG
3,G7が案内レール27の傾斜部27aによって案内
され、案内レール24の展開方向下流側の端部から滑ら
かに傾斜部27aを経て走行部27bに移るのと同時に
第1ユニットU1の展開が完了する。案内ローラG3,
G7が傾斜部27aによって案内されている間、案内ロ
ーラG3,G7が傾斜部27aによって図4における左
下側に案内され、この案内ローラG3,G7の案内に伴
って枠材D3,D6が徐々に走行レール26に対して垂
直な状態から平行な状態に変化する。枠材D3,D6が
徐々に走行レール26と平行な状態に変化されると、節
点ジョイントA3,A7と節点ジョイントA4,A8と
の間の展開方向Jに対する距離が増大し、その結果、第
1ユニットU1の展開方向J上流側端部である走行用ロ
ーラH4,H8の位置が、第1ユニットU1の展開が完
了するまでの間、走行レール23および26における案
内レール24と案内レール27との接続部に対向する位
置の近傍に保持され、第1ユニットU1の展開方向J上
流側端部がハウジング22内部に保持される。案内レー
ル24は、走行レール23の展開方向上流側の部分の上
方で、その走行レール23に平行に延びて配置される。
傾斜部27aは、案内レール24の展開方向下流側の端
部に滑らかに連なり、展開方向下流になるにつれて走行
レール26に近接する方向に傾斜している。走行部27
bは、傾斜部27aの展開方向下流側の端部に滑らかに
連なり、走行レール26の展開方向下流側の部分の上方
でその走行レール26に平行に延びて配置される。
【0090】このように、第1ユニットU1の展開方向
J上流側端部は、展開方向J下流側への移動を阻止する
ための手段を特別に講じなくとも、第1ユニットU1の
展開が完了するまでの間、ハウジング22内に保持され
るので、第1ユニットU1の展開方向J下流側端部の枠
材B2が展開駆動部28によって展開方向J下流側に搬
送されるのに伴って、第1ユニットU1が展開方向に引
伸ばされて展開される。また、第1ユニットU1の展開
方向J上流側端部が、ハウジング22内に保持されてい
るので、第1ユニットU1の展開が完了するまで第2ユ
ニットU2はハウジング22内で折り畳まれた状態が保
持され、トラス本体2の展開が展開方向J下流側のユニ
ットから順番に行われる。
【0091】図12(2)に示す第1ユニットU1の展
開が完了する直前の状態において、テレスコピック部材
F2,F5およびF3,F6における各ロックピン69
が、プレート30および29に当接し、貫通孔68内に
押し込まれながら各テレスコピック部材F2,F5およ
びF3,F6が押し縮められ、図12(3)に示される
ように、第1ユニットU1の展開が完了するのと同時
に、各テレスコピック部材F2,F5およびF3,F6
の各ラッチ機構がラッチ状態となり、これによって第1
ユニットU1の展開された状態が保持される。
【0092】トラス本体2が展開駆動部28によって展
開される際、トラス本体2における展開方向J下流側の
端部の枠材B1が凸起33,34,35によって係合さ
れ、タイミングベルト32の図6における上側の面であ
る搬送面の展開方向J下流側への搬送が開始されると、
枠材B1が展開方向J上流側へ搬送される。枠材B1の
搬送に伴って、枠材B2が案内レール27の傾斜部27
aと、走行部27bとの接続部の位置まで搬送される
と、枠材B2が凸起33,34,35に嵌まり込んで係
合される。このように、タイミングベルト32の外周面
に沿った各凸起33,34,35の間の距離は、トラス
本体2の枠材D1〜D12の長さLと等しく設定されて
いるので、タイミングベルト32の回転に伴って枠材B
1,B2,B3が順次凸起33,34,35に嵌まり込
み、展開方向J下流側に搬送される。
【0093】トラス本体2の展開が完了して、展開方向
J下流側に搬送され、トラス本体2の図1における下側
面の展開方向J上流側端部に備えられる枠材がリミット
スイッチ31上を通過して所定の時間が経過すると、展
開駆動部28に備えられる図示しないモータ制御回路が
リミットスイッチ31からの検知信号が所定の時間以上
導出されないことからトラス本体2の展開が完了したこ
とを検知し、モータ39の回転駆動を停止する。
【0094】展開が完了したトラス本体2は、トラス本
体2を展開方向J下流側に引出すことによって案内装置
3と分離することができる。案内装置3と分離されたト
ラス本体2は、走行レール26および案内レール27に
沿ってトラス本体2を展開方向J下流側から上流側へト
ラス本体2を案内装置3内に挿入することによって、案
内装置3と再び一体にすることができる。
【0095】展開されたトラス本体2の折り畳み収納
は、上述の展開の際の動作と逆の動作なので、大略的な
説明に止める。展開された状態にあるトラス本体2の図
1における下側面の展開方向J上流側端部に備えられる
枠材がタイミングベルト32の凸起33,34,35に
嵌め込まれ、タイミングベルト32の回転に伴って展開
方向J上流側に搬送されると、案内レール27の傾斜部
27aによって案内されてトラス本体2の展開方向J上
流側のユニットから1ユニット毎に順番に折り畳まれて
ハウジング22内に収納される。
【0096】トラス本体2の各ユニットU1〜U3の折
り畳みが開始される直前の状態では、各ユニットU1〜
U3に備えられる各テレスコピック部材の各ロックピン
69がそれぞれ対応するプレート29,30に当接した
状態にあり、ラッチ機構がテレスコピック部材の引伸ば
しが可能なアンラッチ状態となっており、展開駆動部2
8によるトラス本体2の展開方向J上流側への搬送に伴
ってトラス本体2の折り畳み収納が行われる。
【0097】図12(4)に示されるように、案内装置
3は、ハウジング22に対して展開装置21を図4に示
されるヒンジ72を中心にして上方に90度角変位させ
て折り畳み、コンパクトな状態にすることができる。こ
のとき、案内レール27の傾斜部27aは、くの字に折
り曲げられてハウジング22内に収納される。
【0098】以上のように案内機構を備えた展開構造物
1によれば、トラス本体2の展開および折り畳み収納を
行う際、トラス本体2の展開方向Jに対する引伸ばしお
よび押し縮めが、展開駆動部28に備えられた3組の凸
起33,34,35が設けられるタイミングベルト32
を正逆転駆動することによって行われるので、従来のシ
ャトルフックを往復駆動する場合に比べて、タイミング
ベルト32、およびタイミングベルト32を駆動するモ
ータ39の動作が簡単であり、モータ39の制御系統を
簡単な構成にすることができる。その結果、信頼性が向
上され、小型軽量化に適した案内機構を備えた展開構造
物1を実現することができる。
【0099】また、案内機構を備えた展開構造物1に
は、案内レール24、および傾斜部27aを備えた案内
レール27が含まれるので、トラス本体2の展開および
折り畳み収納を、展開方向J下流側および上流側のユニ
ットU1〜U3から順番に行うことができ、その結果、
トラス本体2に含まれる全てのユニットU1〜U3を1
度に展開および折り畳む場合に比べて、トラス本体2の
引伸ばしおよび押し縮めを行う展開駆動部28の展開方
向Jに対する動作距離、すなわちタイミングベルト32
の搬送面の展開方向Jに対する距離を短く、たとえばト
ラス本体2に含まれる枠材D1〜D12の長さLよりも
僅かに長い距離にすることができ、案内機構を備えた展
開構造物1を小型軽量化することができる。
【0100】また傾斜部27aを備えた案内レール27
が含まれるので、トラス本体2の下側面の枠材B1〜B
4と係合した凸起33,34,35をタイミングベルト
32によって展開方向J下流側に搬送するだけでトラス
本体2を展開方向Jに引伸ばして展開することができ、
従来のトラス本体の移動を複数のストッパで制御する場
合に比べて、案内機構を備えた展開構造物1の構成を簡
単化することができる。また、案内レール27の傾斜部
27aの両端には、それぞれ滑らかに接続される案内レ
ール24および走行部27bが備えられているので、案
内ローラG1,G3,G5,G7をスムースに案内する
ことができ、トラス本体2の展開および折り畳み収納を
スムースに行うことができる。
【0101】また、展開されたトラス本体2は、トラス
本体2を折り畳み収納するために展開方向J上流側に搬
送する動作に伴って、各ユニットU1〜U3毎にユニッ
トに備えられる全てのロックピン69がプレート29,
30に当接してラッチ状態からアンラッチ状態への切換
えが行われるので、わざわざロックピン69を押し込み
ラッチ状態からアンラッチ状態にする操作が必要ないの
で、トラス本体2の折り畳み収納の際の操作性を向上す
ることができる。
【0102】また、テレスコピック部材F1〜F6の各
第1接続体51に設けられる透孔59e、各第2接続体
52に設けられるロックピン69、およびロックピン6
9に当接可能に設けられるプレート29,30などによ
って、テレスコピック部材F1〜F6の長さが展開され
た状態の立方体の対角線の長さに保持された状態と、テ
レスコピック部材F1〜F6の引伸ばしが可能な状態と
の間の切換えが行われるので、簡単な構成で前記両状態
間の切換えを行うことができ、その結果、案内機構を備
えた展開構造物1の信頼性向上および小型軽量化を実現
することができる。
【0103】また、トラス本体2の下側面の枠材B1〜
B4が3組の凸起33,34,35の各凸起と凸起の間
に嵌め込まれることによって枠材B1〜B4と、3組の
凸起33,34,35との係合が行われるので、3組の
凸起33,34,35に係合された枠材B1〜B4がタ
イミングベルト32の回転によって展開方向J上流側に
搬送される際に、枠材B1〜B4が凸起33,34,3
5から離反して凸起33,34,35よりも早く展開方
向J上流側に移動してしまったり、枠材B1〜B4が展
開方向J下流側に搬送される際に同様に凸起33,3
4,35よりも早く展開方向J下流側に移動してしまっ
たりするのを防止することができる。その結果、枠材B
1〜B4をタイミングベルト32の搬送速度に伴った安
定した速度で搬送することができ、トラス本体2の展開
および折り畳み収納を安定して行うことができる。
【0104】なお上述の実施例では、テレスコピック部
材F1〜F6が押し縮められる際、トラス本体2の搬送
に伴ってロックピン69がプレート29,30に当接
し、ロックピン69が備えられる嵌合体62が保持体5
9の嵌合凹所59d内に嵌まり込むときに、ロックピン
69がその障害とならないようにしたが、たとえばロッ
クピン69の第1接続体51側の端面を傾斜面とするこ
とによって、嵌合体62のロックピン69が設けられる
部分が嵌合凹所59dに嵌まり込むとき、ロックピン6
9の第1接続体51側の傾斜面である端面が保持体59
の第1筒部59a側の端面に当接し、嵌合体62の嵌合
凹所59dへの挿入に伴ってロックピン69が貫通孔6
8に押し込まれ、ロックピン69が嵌合体62の嵌合凹
所59dへの挿入の障害とならないようにしてもよい。
【0105】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、トラス本
体の展開および折り畳みを行う際、トラス本体の展開方
向に対する引伸ばしおよび押し縮みが、展開手段に備え
られた係合部材が設けられるベルトを回転駆動すること
によって行われるので、従来のシャトルフックを往復駆
動する場合に比べて、ベルトおよびベルトを駆動するモ
ータの動作が簡単であり、モータの制御系統を簡単な構
成にすることができる。その結果、信頼性が向上され、
小型軽量化に適した案内機構を備えた展開構造物を実現
することができる。
【0106】また、案内機構を備えた展開構造物には傾
斜部を備えた第2レールが含まれるので、トラス本体の
展開および折り畳みを、展開方向下流側および上流側の
ユニットから順番に行うことができ、その結果、トラス
本体に含まれる全てのユニットを1度に展開および折り
畳む場合に比べて、トラス本体の引伸ばしおよび押し縮
みを行う展開手段の展開方向に対する動作距離を短くす
ることができ、案内機構を備えた展開構造物を小型軽量
化することができる。
【0107】また、傾斜部を備えた第2レールが含まれ
るので、トラス本体の第1棒状部材と係合した係合部材
をベルトの回転に伴って展開方向下流側に搬送するだけ
でトラス本体を展開方向に対して引伸ばして展開するこ
とができ、従来のトラス本体の移動を複数のストッパで
制御する場合に比べて、案内機構を備えた展開構造物の
構成を簡単化することができる。また、第2レールに
は、傾斜部の両端に滑らかに接続される第1および第2
平行部が備えられるので、第2ローラをスムースに案内
することができ、トラス本体の展開および折り畳みをス
ムースに行うことができる。
【0108】また本発明によれば、展開されたトラス本
体は、トラス本体を折り畳むために展開方向上流側に搬
送する動作に伴って、各ユニット毎にユニットに備えら
れる全てのピンがプレートに当接してラッチ状態からア
ンラッチ状態への切換えが行われるので、わざわざピン
を押し込みラッチ状態からアンラッチ状態にする操作は
必要ないので、トラス本体の折り畳みの際の操作性を向
上することができる。
【0109】また、筒状部材に設けられる透孔、柱状部
材に設けられるピン、およびピンに当接可能に設けられ
るプレートなどによって、第2棒状部材の長さが展開さ
れた立方体の対角線の長さに保持された状態と、第2棒
状部材の引伸ばしが可能な状態との間の切換えが行われ
るので、簡単な構成で前記両状態間の切換えを行うこと
ができ、その結果、案内機構を備えた展開構造物の信頼
性の向上および小型軽量化を実現することができる。
【0110】また本発明によれば、トラス本体の第1棒
状部材が二対の凸起の間に嵌め込まれることによって、
係合部材と第1棒状部材との係合が行われるので、係合
部材に係合された第1棒状部材がベルトの回転によって
展開方向上流側に搬送される際に、第1棒状部材が係合
部材から離反して係合部材よりも早く展開方向上流側に
移動してしまったり、第1棒状部材が展開方向下流側に
搬送される際に、同様に係合部材よりも早く展開方向下
流側に移動してしまったりするのを防止することができ
る。その結果、第1棒状部材をベルトの搬送速度に伴っ
た安定した速度で搬送することができ、トラス本体の展
開および折り畳みを安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である案内機構を備えた展開
構造物1の構成を示す斜視図である。
【図2】トラス本体2の節点ジョイントA11が備えら
れる部分を部分的に拡大した斜視図である。
【図3】案内装置3の構成を示す平面図である。
【図4】案内機構を備えた展開構造物1の構成を示す一
部破断側面図である。
【図5】展開装置21に備えられる展開駆動部28の構
成を示す平面図である。
【図6】展開駆動部28の構成を示す側面図である。
【図7】案内装置3の展開装置21に備えられる走行レ
ール26および案内レール27の形状を示す断面図であ
る。
【図8】トラス本体2に備えられるテレスコピック部材
F2の構成を示す平面図である。
【図9】テレスコピック部材F2の構成を示す断面図で
ある。
【図10】ロックピン69と保持体59に設けられる透
孔59eとを含んで構成されるテレスコピック部材F2
のラッチ状態にあるラッチ機構が、プレート30によっ
てラッチ状態が解除される際の様子を示す図である。
【図11】トラス本体2が案内装置3によって展開され
る過程を示す図である。
【図12】トラス本体2が案内装置3によって展開され
る過程を示す図であり、図11の続きの過程を示す図で
ある。
【図13】従来技術において、トラス本体101が展開
される際の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 案内機構を備えた展開構造物 2 トラス本体 3 案内装置 21 展開装置 22 ハウジング 23,26 走行レール 24,27 案内レール 25 端壁 27a 傾斜部 27b 走行部 28 展開駆動部 29,30 プレート 31 リミットスイッチ 32 タイミングベルト 33〜35 凸起 36 原車 37 従車 38 減速機 39 モータ 40 軸受け部 41 押えプレート 51 第1接続体 52 第2接続体 53 スリーブ本体 54 第1スリーブ 55 第2スリーブ 56,57 固定用ナット 58 継手 59 保持体 59e 透孔 59f スリット 61 案内棒 62 嵌合体 68 貫通孔 69 ロックピン A1〜A16 節点ジョイント B1〜B8,C1〜C8,D1〜D12 枠材 E1〜E10 斜材 F1〜F6 テレスコピック部材 G1,G3,G5,G7 案内ローラ H2,H4,H6,H8 走行用ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 純郎 岐阜県各務原市川崎町1番地 川崎重工 業株式会社 岐阜工場内 (56)参考文献 特開 平4−325398(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)展開された状態では複数の立方体
    が一方向に連なり、折り畳まれた状態では前記各立方体
    が剪断変形することによって折り畳まれるトラス本体で
    あって、 前記各立方体を形成する複数の第1棒状部材と、 前記各立方体の左右両面にそれぞれ設けられ、かつ2つ
    の対角線方向のうちの一方方向に沿って設けられ、隣接
    する立方体間では設置方向が互いに異なり、その長手方
    向に伸縮自在であり、展開状態での前記立方体の対角線
    の長さに保持される複数の第2棒状部材と、 前記第1棒状部材および第2棒状部材の端部同士を接続
    する複数の節点ジョイントと、 前記第2棒状部材が接続される前記各立方体の下方側面
    に備えられる前記節点ジョイントに設けられる複数の第
    1ローラと、 前記第2棒状部材が接続されない前記各立方体の下方側
    面に備えられる前記節点ジョイントに接続される前記各
    立方体の左右両面の前記第1棒状部材に設けられる複数
    の第2ローラとを含むトラス本体と、 (b)前記第1ローラが案内される一対の第1レール2
    3,26と、 (c)前記第1レールの上方に備えられ、前記第2ロー
    ラが案内される一対の第2レール24,27であって、 前記第1レールの展開方向上流側の部分の上方で、その
    第1レールに平行に延びて配置される第1平行部24
    と、 前記第1平行部の展開方向下流側の端部に滑らかに連な
    り、展開方向下流になるにつれて前記第1レールに近接
    する方向に傾斜した傾斜部27aと、 前記傾斜部の展開方向下流側の端部に滑らかに連なり、
    前記第1レールの展開方向下流側の部分の上方でその第
    1レールに平行に延びて配置される第2平行部27bと
    を含む第2レール24,27と、 (d)展開手段であって、 前記トラス本体の下方側面に前記一方向と垂直な方向に
    沿って備えられる前記第1棒状部材と係合する複数の係
    合部材が外周面に設けられ、前記係合部材の搬送方向が
    前記一方向と平行になるように設けられるベルトと、 前記ベルトを正逆転駆動するモータとを含む展開手段と
    を含むことを特徴とする案内機構を備えた展開構造物。
  2. 【請求項2】 前記第2棒状部材は、 内部に収納空間を有し、前記収納空間と外周面とに連通
    する透孔を有する筒状部材と、 前記収納空間に挿入および排出変位自在に設けられ、前
    記外周面方向に付勢され、かつ前記透孔と係合可能な位
    置に設けられるピンを備える柱状部材とを含み、 前記一方向に対して隣接する前記第1ローラの間の2つ
    の立方体を1ユニットとしたとき、前記各ユニットに備
    えられる全ての前記ピンに当接可能に設けられ、当接面
    が凸面形状である二対のプレートが含まれることを特徴
    とする請求項1記載の案内機構を備えた展開構造物。
  3. 【請求項3】 前記ベルトに設けられる各係合部材は、
    一対の突起から構成され、前記トラス本体の下方側面に
    備えられる前記第1棒状部材が前記一対の凸起の間に嵌
    め込まれて係合されることを特徴とする請求項1記載の
    案内機構を備えた展開構造物。
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