JP2708924B2 - オートフォーカスビデオカメラ - Google Patents

オートフォーカスビデオカメラ

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JP2708924B2 JP2057639A JP5763990A JP2708924B2 JP 2708924 B2 JP2708924 B2 JP 2708924B2 JP 2057639 A JP2057639 A JP 2057639A JP 5763990 A JP5763990 A JP 5763990A JP 2708924 B2 JP2708924 B2 JP 2708924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、ビデオカメラに用いられるオートフォーカ
ス装置に関する。
(ロ)従来の技術 ビデオカメラのオートフォーカス装置に於て、撮像素
子からの映像信号自体を焦点制御状態の評価に用いる方
法は、本質的にパララックスが存在せず、また被写界深
度が浅い場合や遠方の被写体に対しても、精度よく焦点
を合わせられるなど優れた点が多い。しかも、オートフ
ォーカス用の特別なセンサも不必要で機構的にも極めて
簡単である。
特開昭63−215268号公報(H04N 5/232)には、前述の
ごときオートフォーカス装置の一例が開示されている。
以下に、この従来技術の骨子を第2図、第3図を参照に
説明する。第2図は、前記従来技術に係わるオートフォ
ーカス回路の全体の回路ブロック図である。レンズ
(1)によって結像された画像は撮像素子を含む撮像回
路(4)によって映像信号となり、この中の輝度信号が
焦点評価値発生回路(5)に入力される。
この焦点評価値発生回路(5)は、例えば第3図に示
すように構成される。
輝度信号は、高域通過フィルタ(HPF)(5c)を通過
して高域成分のみが分離され、次段の検波回路(5d)に
て振幅検波される。この検波出力は、A/D変換回路(5
e)にてデシタル値に変換され、ゲート回路(5f)で画
面中央部に設定されたフォーカスエリアの信号だけが抜
き取られて、積算回路(5g)でフィールド毎に積分さ
れ、現フィールドの焦点評価値がえられる。このとき、
輝度信号より同期分離回路(5a)によって分離された垂
直及び水平同期信号は、フォーカスエリアを設定するた
めにゲート制御回路(5b)に入力される。ゲート制御回
路(5b)では、垂直、水平同期信号及び固定の発振器出
力に基いて、画面中央部分に長方形のフォーカスエリア
を設定し、このエリアの範囲のみの輝度信号の通過を許
容するゲート開閉信号をゲート回路(5c)に供給してい
る。
前述のように構成された焦点評価値発生回路(5)
は、常時1フィールド分の焦点評価値を出力する。
合焦動作開始直後に、最初の焦点評価値は最大値メモ
リ(6)と初期値メモリ(7)に保持される。その後、
フォーカスモータ制御回路(10)は、ステッピングモー
タであるフォーカスモータ(3)を予め決められた方向
に回転させて、受光レンズ(1)を支持するフォーカス
リング(2)を回動させて、受光レンズ(1)を光軸方
向に変位させ、第2比較器(9)出力を監視する。第2
比較器(9)は、フォーカスモータ駆動後の焦点評価値
と初期値メモリ(7)に保持されている初期評価値を比
較し、その大小を出力する。
フォーカスモータ制御回路(10)は、第2比較器
(9)が大または小という出力を発するまで、最初の方
向にフォーカスモータ(3)を回転せしめるべくフォー
カスモータ駆動回路(31)を制御して、現在の焦点評価
値が初期評価値に比べ大であるという出力がなされた場
合にはそのままの回転方向を保持し、現在の評価値が初
期評価値よりも小さいと判断された場合には、フォーカ
スモータの回転方向を逆にして、以後、第1比較器
(8)出力を監視する。
第1比較器(8)は、最大値メモリ(6)に保持され
ている今までの最大の焦点評価値と現在の評価値を比較
し、現在の焦点評価値が最大値メモリ(6)の内容に比
べて大きい(第1モード)、予め設定した第一の閾値以
上に減少した(第2モード)の2通りの比較信号(S1)
(S2)を出力する。ここで最大値メモリ(6)は第1比
較器(8)の出力に基づいて、現在の評価値が最大値メ
モリ(6)の内容よりも大きい場合には、その値が更新
され、常に現在までの焦点評価値の最大値が保持され
る。
(13)はレンズ(1)を支持するフォーカスリング
(2)の位置を指示し、モータ位置検出回路(30)にて
検出されるフォーカスリング位置信号を受けて、フォー
カスリング位置をレンズ位置として記憶する位置メモリ
であり、最大値メモリ(6)と同様に、第1比較器
(8)出力に基づいて最大評価値となった場合のフォー
カスリング位置を常時保持するように更新される。
尚、前記モータ位置検出回路(30)は、具体的には、
合焦動作の開始時点でリセットされ、ステッピングモー
タであるフォーカスモータ(3)のステップ量を、近点
方向に正、遠点方向に負としてカウントアップあるいは
ダウンするアップダウンカウンタで構成され、フォーカ
スリング位置信号はこのカウント値となる。
フォーカスモータ制御回路(10)は、第2比較器
(9)出力に基づいて決定された方向にフォーカスモー
タ(3)を回転させながら、第1比較器(8)出力を監
視し、焦点評価値が最大評価値に比べて予め設定された
第1の閾値(M)より小さいという第2モードが指示さ
れると同時にフォーカスモータ(3)は逆転される。
このフォーカスモータ(3)の逆転により、受光レン
ズ(1)の移動方向は、例えば撮像素子に接近する方向
から離れる方向へ、あるいはその逆に離れる方向から接
近する方向に変わる。
この逆転後、位置メモリ(13)の内容と、現在のリン
グ位置とが第3比較器(14)にて比較され、一致したと
き、即ちフォーカスリング(2)つまりレンズ(1)が
焦点評価値が最大となる位置に戻ったときに、フォーカ
スモータ(3)を停止させるようにフォーカスモータ制
御回路(10)は機能する。同時にフォーカスモータ制御
回路(10)はレンズ停止信号(LS)を出力する。
上述の所謂山登り合焦動作のレンズ位置の変化は、第
4図に示す。
(11)はフォーカスモータ制御回路(10)による合焦
動作が終了して、レンズ停止信号(LS)が発せられると
同時に、その時点での焦点評価値が保持される第4メモ
リであり、後段の第4比較器(12)でこの第4メモリ
(11)の保持内容は現在の焦点評価値と比較され、現在
の焦点評価値が第4メモリ(11)の内容に比べ、予め設
定された第2の閾値以上に小さくなったときに、被写体
が変化したと判断され、被写体変化信号が出力される。
フォーカスモータ制御回路(10)はこの信号を受け取る
と、再び山登り合焦動作をやり直して被写体の変化に追
随する。
このオートフォーカスシステムは、合焦精度、広範囲
な被写体への対応性に優れているが、以下に示す欠点を
有している。
画面内の高域成分を積算する領域即ちフォーカスエリ
アを大きくとった場合、背景などの影響で所望の被写体
に合焦しない場合が発生する。逆に小さくするとエリア
内にコントラストのある被写体がなくなることが多くな
り、不安定な動作となる。
これを防ぐために、領域を複数個用意し、撮影状況に
応じて、フォーカスエリアとして前記領域の1個を選択
する技術が、特開平01−284181号公報(H04N 5/232)に
提案されている。
これは、大小の2個の領域を持ち、小領域内の焦点評
価値が一定値以上であれば小領域を使用しこれが一定値
未満であるとき、合焦すべき被写体がないものとして、
大領域を合焦対象領域とするものである。
(ハ)発明が解決しようとする課題 前記従来技術の如く、焦点評価値の大小でフォーカス
エリアを選択する場合、合焦すべき被写体がない状態
と、被写体は存在するが大きくぼけているために焦点評
価値が低い状態の区別が困難であり、中央の主要被写体
に合焦せず、周辺に合焦してしまう不都合が生じやす
く、結果的に所望の被写体に合焦しない画面が生じるこ
とになる。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、画面内に設定された複数の領域の1つをフ
ォーカスエリアとして選択する選択動作を為す選択手段
と、該フォーカスエリア内の輝度信号の高域成分の量を
焦点評価値として取り出す焦点評価値検出手段と、該焦
点評価値が極大となる位置に撮像系を駆動することで合
焦動作を行うフォーカス制御手段を備え、少なくとも前
記複数の領域の中の1個の領域の輝度差に応じて、前記
選択動作を制御することを特徴とし、更に具体的には、
画面中央に設定された第1領域と、該第1領域を含み該
第1領域より面積が大きな第2領域のいずれかをフォー
カスエリアとして選択する選択手段と、該フォーカスエ
リア内の輝度信号の高域成分の量を焦点評価値として取
り出す焦点評価値検出手段と、該焦点評価値が極大とな
る位置に撮像系を駆動することで合焦動作を行うフォー
カス制御手段と、該第1領域内の輝度差の大小を判断
し、該輝度差が大きい時に、前記選択手段により、該第
1領域を優先的にフォーカスエリアとして選択すること
を特徴とする。また、この時の輝度差の大小の判断に、
ファジィ推論を用いることを特徴とする。
(ホ)作用 本発明は、上述の如く構成したので、領域内の輝度差
が大きいとき、領域内に何等かの被写体が存在するもの
と判断し、この領域を優先的にフォーカスエリアとする
ことになり、所望の被写体に焦点が合いやすくなる。
(ヘ)実施例 以下、図面に従い本発明の実施例について説明する。
第1図は本実施例の回路ブロック図である。尚、第1
図において、従来技術の第2図、第3図と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。
撮像回路(4)から出力された映像信号中の輝度信号
は、焦点評価値発生回路(50)に入力される。
焦点評価値発生回路(50)は、第5図に示す様にカッ
トオフ周波数が、200KHzと600KHzと異なる2種類のHPF
(50)(50c)、これらのHPF(50)(50c)出力をフィ
ールド毎に選択して出力する切換回路(5h)、切換回路
(5h)出力を振幅検波する検波回路(5d)、この検波出
力をディジタル値に変換するA/D変換器(5e)、輝度信
号より同期信号を分離する同期分離回路(5a)、分離さ
れた同期信号及び固定の発振器出力に基づいて、第6図
に示す様に画面中央部に設定された比較的面積の小さな
第1エリア(A)内に対応する輝度信号部分のA/D変換
値の通過のみを許容する第1ゲート開閉信号をゲート回
路(5f)に、また第1エリア(A)を含み、このエリア
より面積の大きな第2エリア(B)内に対応する輝度信
号部分のA/D変換値の通過のみを許容する第2ゲート開
閉信号をゲート回路(50f)に供給するゲート制御回路
(50b)、ゲート回路(5f)(50f)から出力される各エ
リア内の輝度信号の高域成分のディジタル値を1フィー
ルドにわたって加算して結果的にディジタル積分を為
し、この積分値を1フィールド毎に夫々第1及び第2焦
点評価値(Va)(Vb)として出力し、且つ1フィールド
毎にリセットされる積算回路(5g)(50g)により構成
される。
ここで、切換回路(5h)は、同期分離回路(5a)出力
にて1フィールド毎にHPF(5c)(50c)出力の一方を交
互に選択するため、HPF(5c)が選択されているフィー
ルドでは、積算回路(5g)より第1エリア(A)内の輝
度信号のHPF(5c)のカットオフ周波数である200KHz以
上の高域成分の1フィールド分のディジタル積分値(V
1)が第1焦点評価値(Va)として出力され、同時に積
算回路(50g)より第2エリア(B)内の輝度信号の同
じく200KHz以上の高域成分の1フィールド分のディジタ
ル積分値(V1′)が第2焦点評価値(Vb)として出力さ
れる。また、次のフィールドでは、第1焦点評価値(V
a)は第1エリア(A)内の輝度信号のHPF(50c)のカ
ットオフ周波数である600KHz以上の高域成分の1フィー
ルド分のディジタル積分値(V2)、第2焦点評価値(V
b)は、同じく600KHz以上の高域成分のディジタル積分
値(V2′)となり、以後、同様の繰り返しとなる。
この様にして得られた第1及び第2焦点評価値(Va)
(Vb)は夫々分離回路(51)(52)に入力される。分離
回路(51)(52)は、共に切換回路(5h)での切換動作
を1フィールド毎に切換えるために、同期分離回路(5
a)から発せられ、垂直同期信号を基に作成される切換
制御信号(SC)により分離タイミングが制御され、分離
回路(51)は、第1焦点評価値(Va)を各HPFを用いた
積分値(V1)(V1′)に分離し、夫々を評価値(V1)
(V1′)として出力する。同様に、分離回路(52)は第
2焦点評価値(Vb)う各HPFを用いた積分値(V2)(V
2′)に分離し、夫々を評価値(V2)(V2′)として出
力する。従って、評価値(V1)(V1′)(V2)(V2′)
はいずれも2フィールド毎に更新されることになる。
次に評価値(V1)(V2)は、夫々初期値メモリ(7)
(57)、減算回路(70)(80)、メモリ(24)(58)、
相対比算出回路(25)(59)及び切換回路(20)に入力
される。一方、評価値(V1′)(V2′)は、夫々相対比
算出回路(25)(59)に入力される。
初期値メモリ(7)(57)は、合焦動作を開始させる
ために、先ずフォーカスモータ(3)の予め決められた
初期方向への回転を開始させる時点での評価値(V1)
(V2)を保持する働きを為し、モータ(3)が前記初期
方向に回転してレンズ(1)が変位している間に、モー
タ起動後に2フィールドが経過した時点で評価値(V1)
(V2)が更新されるので、後段の減算回路(70)(80)
で、この新しい評価値から初期値メモリ(7)(57)の
内容を減算して得られる値を、評価値(V1)(V2)の変
化量(ΔV1)(ΔV2)として、フォーカスモータ制御回
路(100)に出力する。
メモリ(24)(58)はモータ(3)起動後に得られる
評価値(V1)(V2)を2フィールド間保持して、後段の
相対比算出回路(25)(59)に入力するものである。
相対比算出回路(25)(59)は、第10図に示す様に割
算器(61)、メモリ(62)、減算器(63)にて構成さ
れ、割算器(61)では評価値(V1′)(V2′)が更新さ
れる毎に、メモリ(24)(58)に保持されている最新の
評価値(V1)(V2)との比、V1′/V1、V2′/V2を相対比
(r1)(r2)として算出する。
ここで、相対比(r1)は、HPF(5c)を用いた時の1
フィールド分の積分値(V1)と、HPF(50c)を用いた時
の積分値(V1′)との比であり、被写体を同一とした時
の両積分値とフォーカスリング位置(レンズ位置)との
関係は第7図の様になる。即ちカットオフ周波数の高い
HPF(50c)での積分値は急峻な山となり、カットオフ周
波数の低いHPF(5c)での積分値は緩やかな山となる。
そこでこの相対比と被写体のボケ度合(合焦時のレンズ
位置よりの移動量あるいはズレ量)との関係をグラフに
示すと、第8図に示す様な単調減少特性曲線となる。
これは、前記相対比なる状態量は、焦点評価値と同じ
様に被写体の合焦状態(ボケ度合)を表現できる関数値
であり、比率で表現されているため一種の正規化された
状態量であり、被写体のおかれている環境の影響をあま
り受けにくい性質を有している。例えば、被写体の照度
が変化した場合に、焦点評価値の絶対値は変化するが、
相対比としては大きな変化はない。通常、上記の性質は
被写体の種類を問わぬものである故に、この相対比をボ
ケ度合のパラメータとして使用することが可能となる。
この第8図の単調減少特性曲線をレンズ位置、即ちフォ
ーカスリング位置に対応させると、第9図の一点鎖線の
様に合焦位置を頂点として近点及び∞点側に略直線状に
変化する特性図が得られる。
割算器(61)にて得られた相対比(r1)(r2)は、メ
モリ(62)及び減算器(63)に入力される。メモリ(6
2)は入力された相対比を2フィールド間保持して遅延
させて減算器(63)に供給する働きを為し、減算器(6
3)では、割算器(61)より得られる最新の相対比から
メモリ(62)に保持されている前回、即ち2フィールド
前の相対比を減算し、この減算値を相対比(r1)(r2)
の変化分(Δr1)(Δr2)としてフォーカスモータ制御
回路(100)に出力する。尚、この変化分(Δr1)(Δr
2)は、モータの初期回転方向が合焦方向とは反対であ
る場合には、負の値となり得ることは言うまでもない。
切換回路(20)は、フォーカスモータ制御回路(10)
から出力されるエリア切換信号(Sa)によって、合焦動
作で使用するエリアを選択して両焦点評価値(V1)(V
2)の一方を選択する。
切換回路(20)にて選択された焦点評価値は、最大値
メモリ(6)及び第1比較器(8)に供給され、従来例
と同様に、山登り制御を実行するための信号をフォーカ
スレンズ制御回路(100)に供給する。尚、位置メモリ
(13)及び第3比較器(14)は従来例の第2図と全く同
一の動作を為す。
但し、切換回路(20)から得られる焦点評価値は、い
ずれも2フィールド毎に更新されるものであり、山登り
動作のための第1比較器(8)の比較動作等は全て2フ
ィールド毎に為される。
また、切換回路(20)にて選択された焦点評価値は、
第4メモリ(11)及び第4比較器(12)にも供給され、
従来例と同様に被写体変化の監視を実行する。
ズーム位置検出部(64)は、本ビデオカメラに装着さ
れている周知のズーム用レンズを有するズーム機構の広
角乃至望遠のズーム領域に応じて、現在のレンズの焦点
距離(Z)を示す信号を制御回路(100)に出力する。
平均輝度検出回路(65)は、第11図に示す様に、検波
回路(65a)、A/D変換回路(65b)及び積算回路(65c)
にて構成され、画面全体に対応する輝度信号を検波回路
(65a)にて振幅検波し、この検波出力をA/D変換回路
(65b)にて逐一A/D変換した後に、積算回路(65c)に
て1フィールド分のA/D変換データを全て積算して、デ
ィジタル積分し、この積分値を画面全体の平均輝度(IR
S)として制御回路(100)に出力する。
コントラスト検出回路(66)は、第13図の如く構成さ
れて、第1エリア(A)内の水平方向のコントラストを
検出するものである。ここで、このコントラスト検出回
路(66)の動作について説明する。先ず、コントラスト
を検出するために、第12図に示す様に第1エリア(A)
を垂直及び水平方向に4×4で配列された同一面積の16
個の小領域(Nij)(i,j=1〜4)に細分化し、分離回
路(67)にて輝度信号を各小領域毎に分離し、小領域毎
に用意された16個のディジタル積分器(Kij)(i,j=1
〜4)に出力する。
ディジタル積分器は、いずれも第11図に示した平均輝
度検出回路(65)と全く同一の構成を有しており、各小
領域に該当する輝度信号がディジタル積分されて、積分
値(Fij)として導出される。これらの積分値(Fij)
は、水平方向に並ぶ小領域の4個を1組として、Max−M
in算出回路(Li)(i=1〜4)に入力される。即ち、
積分値(Fij)j=1〜4)は、Max−Min算出回路
(L1)に、以下、同様に積分値(F2j)(F3j)(F4j
は夫々Max−Min算出回路(L2)(L3)(L4)に入力され
る。
Max−Min算出回路(Li)は、水平方向に並ぶ小領域の
4個の積分値の中の最大値と最小値を選択し、(最大値
−最小値)の減算を為して、この減算値(Gi)を後段の
最大値検出回路(68)に出力する。
最大値検出回路(68)は4行分の減算値(Gi)の中の
最大のものを取り出す働きを為し、この最大値をコント
ラスト(ΔE1)として出力する。従って、結局、コント
ラスト(ΔE1)は、1フィールド分についての第1エリ
ア(A)の水平方向の輝度差が最も大きい行の輝度差自
体のディジタル値に相当することになる。
フォーカスモータ制御回路(100)は、第1比較器
(8)及び第3比較器(14)出力に基づいて、従来例と
同様に山登りの合焦動作を実行し、第4比較器(12)出
力に基づいて、従来例と同様に被写体変化の監視動作を
実行する。また、減算回路(70)(80)からの出力、即
ち、評価値(V1)(V2)の初期値からの変化量(ΔV1)
(ΔV2)、相対比算出回路(25)(59)からの出力、即
ち第1エリア(A)についての評価値(V1)、各エリア
の相対比(r1)(r2)の初期値からの変化分(Δr1)
(Δr2)、コントラスト検出回路(66)からの出力、即
ち第1エリア(A)内の輝度のコントラスト(ΔE1)の
5種類のデータに基づいて合焦点の方向をファジイ推論
にて決定すると共に、分離回路(51)から出力される評
価値(V1)、平均輝度検出回路(65)からの出力、即ち
画面全体の平均輝度(IRS)、ズーム位置検出回路(6
4)からの出力、即ち現在の焦点距離(Z)及びコント
ラスト(ΔE1)の4種類のデータに基づいてエリアの選
択ファジィ推論にて実行している。
次に上述のファジィ推論による方向制御及びエリア選
択のための処理について詳述する。
先ず方向判別処理は、第20図の如きフローチャートに
より実行され、この時に使用されるファジィ推論は、評
価値(V1)、変化量(ΔV1)(ΔV2)、変化分(Δr1)
及びコントラストΔE1)を入力変数し、結論部として0
乃至1の値をとり、大なる時に合焦点の方向を現在のレ
ンズの進行方向とし、小なる時に逆方向とするパラメー
タ(di)としている。
ここでルールは、 [ルール(1)] [if ΔV1が大きいand Δr1が大きい then d1=1.0] [ルール(2)] [if ΔV1が大きいand Δr1が大きくない then d2=0.7] [ルール(3)] [if V1が小さいand ΔV2が小さい and ΔE1が小さい then d3=0.2] と設定されている。
次に前記各ルールについて説明する。
[ルール(1)]は、第14図(a)(b)の如きメン
バーシップ関数で定義されている。第14図(a)は、
「ΔV1が大きい」というルール(1)の条件(1)のメ
ンバーシップ値を示し、入力変数である変化量(ΔV1)
に対するメンバーシップ関数であり、変化量(ΔV1)が
大きくなるにつれてメンバーシップ値(u11)が大きく
なる単調増加直線を含む関数であり、この関数より変化
量(ΔV1)に応じたメンバーシップ値(u11)が求ま
る。
第14図(b)は「Δr1が大きい」というルール(1)
の条件(2)のメンバーシップ値を示し、入力変数であ
る変化分(Δr1)に対するメンバーシップ関数であり、
変化分(Δr1)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u12)が大きくなる単調増加直線を含む関数であり、
この関数より変化分(Δr1)に応じたメンバーシップ値
(u12)が求まる。
ルール(1)は、第1エリア(A)内の焦点評価値及
び相対比が共に増加した場合を考慮したもので、この場
合には、現在のレンズ(1)の移動方向に合焦点がある
可能性が高いので、第1エリア(A)を選択する様に、
結論部(d1)はd1=1と設定されている。
[ルール(2)]は、第15図(a)(b)の如きメン
バーシップ関数で定義されている。第15図(a)は「Δ
V1が大きい」というルール(2)の条件(1)のメンバ
ーシップ値を示し、入力変数である変化量(ΔV1)に対
するメンバーシップ関数であり、これよりメンバーシッ
プ値(u21)が求まる。
第15図(b)は「Δr1が大きくない」というルール
(2)の条件(2)のメンバーシップ値を示し、変化分
(Δr1)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u22)が小さくなる単調減少直線を含む関数であり、
この関数より変化分(Δr1)に応じたメンバーシップ値
(u22)が求まる。
ルール(2)は焦点評価値と相対比の変動傾向が異な
る場合で、合焦点が現在のレンズ移動方向とは反対方向
にある可能性もあるとして、結論部(d2)はd1よりも若
干小さいd2=0.7に設定されている。
[ルール(3)]は、第16図(a)(b)(c)の如
きメンバーシップ関数で定義されている。第16図(a)
は「V1が小さい」というルール(3)の条件(1)のメ
ンバーシップ値を示し、評価値(V1)が大きくなるにつ
れてメンバーシップ値(u31)が小さくなる単調減少直
線を含む関数であり、この関数より評価値(V1)に応じ
たメンバーシップ値(u31)が求まる。
第16図(b)は「Δr2が小さい」というルール(3)
の条件(2)のメンバーシップ値を示し、変化量(ΔV
2)が大きくなるにつれてメンバーシップ値(u32)が小
さくなる単調減少直線を含む関数であり、この関数より
変化量(ΔV2)に応じたメンバーシップ値(u32)が求
まる。
第16図(c)は、「ΔE1が小さい」というルール
(3)の条件(3)のメンバーシップ値を示し、コント
ラスト(ΔE1)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u33)が小さくなる単調減少直線を含む関数であり、
この関数よりコントラスト(ΔE1)に応じたメンバーシ
ップ値(u33)が求まる。
ルール(3)は、第1エリア(A)で焦点評価値が低
くて変化を取り出せない場合を考慮し、この時、第1エ
リア(A)のコントラストが小さければ第1エリア
(A)に合焦の対象となる被写体が存在しないものとし
て、第2エリア(B)の焦点評価値の変化で方向を決め
ることとし、この第2エリア(B)での焦点評価値の変
化量が負の場合に、合焦点が現在のレンズの移動方向と
は反対方向にある可能性が高いとして、レンズ移動方向
を反転させ易くするために、結論部(d3)はd3=0.2と
低く設定されている。
上述の各ルールより方向判別のパラメータ(D)を算
出して、最終的にこのパラメータより方向を決定する方
向判別処理について第20図のフローチャートを用いて説
明する。
STEP(100)にて各メンバーシップ値(uij)(i,j:整
数)が各入力変数に応じて求まると、次にSTEP(101)
にて各ルールについての各メンバーシップ値の最小のも
のが、各ルールの成立度(Ui)として算出される。例え
ば、ルール(1)については、第14図によりu11>u12
あるため成立度(U1)はU1=u12となり、ルール(2)
については第15図より、u21>u22となるので、成立度
(U2)はU2=u22となり、更にルール(3)について
は、第15図よりu31<u33<u32となるので成立度(U3
はU3=u31となる。
こうして得られた各ルールの成立度(Ui)を基に、ST
EP(102)にて方向判別用のパラメータ(D)が次式 により算出される。この式(1)は各ルールの成立度で
各結論部を加重平均するこを意味している。
STEP(103)では得られたパラメータ(D)により方
向を決定し、具体的にはD≧0.5ならば現在のレンズ移
動方向に合焦位置があるので現行の方向を維持させる様
にモータ(3)の駆動を制御する制御指令を発し、D<
0.5ならば現在の方向とは逆方向に合焦位置があるの
で、直ちにモータ(3)を反転させる制御指令をフォー
カスモータ駆動回路(31)に発する。この様にして、5
つの要因を考慮した上で、高精度な合焦点の方向判別が
為され、この判別方向にモータ(3)を回転させてレン
ズを移動させつつ前述の山登り合焦動作が実行される。
次にエリア選択処理は、第21図の如きフローチャート
により実行され、この時に使用されるファジィ推論は、
焦点評価値(V1)、コントラスト(ΔE1)、焦点距離
(Z)及び平均輝度(IRS)を入力変数とし、結論部と
して0乃至1の値をとり、小なる時に第1エリア
(A)、大なる時に第2エリア(B)を使用することを
意味するメンバーシップ値(ai)を設定している。
ここでルールは、 [ルール(4)] [if (V1)が大きい then a1=0.0] [ルール(5)] [if (V1)が中くらいand (IRS)が小さい then a2=0.8] [ルール(6)] [if (V1)が小さいand (ΔE1)が大きい and (Z)が小さくない then a3=0.3] 次に前記各ルールについて説明する。
[ルール(4)]は第17図の如きメンバーシップ関数
で定義され、この第17図は、「V1が大きい」というルー
ル(4)の条件(1)のメンバーシップ値を示し、焦点
評価値(V1)に対するメンバーシップ関数であり、評価
値(V1)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u41)が大きくなる単調増加直線を含む関数であり、
この関数より評価値(V1)に応じたメンバーシップ値
(u41)が求まる。
ルール(4)は、焦点評価値(V1)が大きい場合に
は、第1エリア(A)に被写体が存在するものとしてエ
リア(A)を優先させるために、結論部(a1)はa1=0.
0に設定される。
[ルール(5)]は、第18図(a)(b)の如きメン
バーシップ関数で定義されている。第18図(a)は
「(V1)が中くらい」というルール(5)の条件(1)
のメンバーシップ値を示し、評価値(V1)が所定値でメ
ンバーシップ値が最大となる山型の関数であり、この関
数より評価値(V1)に応じたメンバーシップ値(u51
が求まる。
第18図(b)は「(IRS)が小さい」というルール
(5)の条件(2)のメンバーシップ値を示し、平均輝
度(IRS)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u52)が小さくなる単調減少直線を含む関数であり、
この関数より平均輝度(IRS)に応じたメンバーシップ
値(u52)が求まる。
ルール(5)は、第1エリア(A)での焦点評価値
(V1)が余り大きくなく、且つ画面の平均輝度が暗い場
合を考慮し、この時映像信号のS/N比が悪く焦点評価値
の信頼性が低いので、より多くの情報を取り込むため
に、フォーカスエリアとして第2エリア(B)が優先さ
れ易い様に、結論部(a4)はa4=0.8に設定されてい
る。
[ルール(6)]は、第19図(a)(b)(c)の如
きメンバーシップ関数で定義され、第19図(a)は
「(V1)が小さい」というルール(6)の条件(1)の
メンバーシップ値を示し、評価値(V1)が大きくなるに
つれてメンバーシップ値が減少する単調減少直線を含む
関数であり、この関数より評価値(V1)に応じたメンバ
ーシップ値(u61)が求まる。
第19図(b)は「(ΔE1)が大きい」というルール
(6)の条件(2)のメンバーシップ値を示し、コント
ラスト(ΔE1)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u62)が大きくなる単調増加直線を含む関数であり、
この関数よりコントラスト(ΔE1)に応じたメンバーシ
ップ値(u62)が求まる。
第16図(c)は「(Z)が小さくない」というルール
(6)の条件(3)のメンバーシップ値を示し、焦点距
離(Z)が大きくなるにつれてメンバーシップ値
(u63)が大きくなる単調増加直線を含む関数であり、
この関数より焦点距離(Z)に応じたメンバーシップ値
(u63)が求まる。
ルール(6)は、第1エリア(A)の焦点評価値が小
さいが、第1エリア(A)内のコントラストが高い場合
を考慮しており、焦点距離が短く被写界深度が深い場合
を除いて、ぼけているかあるいは何らかの被写体が存在
するものとして第1エリア(A)が比較的優先され易い
様に、結論部(a6)はa6=0.3に設定されている。
上述の各ルールよりエリア選択のパラメータ(Y)を
算出して、最終的にこのパラメータよりエリア選択する
エリア選択処理について第21図のフローチャートを用い
て説明する。
STEP(200)にて入力変数の値とメンバーシップ関数
からルール(i)の条件(j)(i=4〜6,j=1or2or
3)のメンバーシップ値(uij)が求められると、次にST
EP(201)にて各ルールについての各メンバーシップ値
の最小のものが各ルールの成立度(Ui)として算出され
る。例えば、ルール(4)については成立度(U4)はU4
=u41となり、ルール(5)については第18図より、u51
<u52となるので、成立度(U5)はU5=u51となり、更に
ルール(6)については第19図よりu61<u62<u63とな
るので成立度(U6)はU6=u61となる。
こうして得られた各ルールの成立度(Ui)を基に、ST
EP(202)にてエリア選択用のパラメータ(Y)が次式 により算出される。この式は各ルールの成立度で各結論
部を加重平均するこを意味している。STEP(203)では
得られたパラメータ(Y)によりエリアを選択し、具体
的にはY≧0.5ならばフォーカスエリアとして第2エリ
ア(B)を選択し、Y<0.5ならば第1エリア(A)が
選択される。
この様にして、4つの要因を考慮した上で、高精度な
エリア選択が為され、これに対応した焦点評価値にて山
登り合焦動作を実行するために、切換回路(20)による
焦点評価値の選択が為される。
尚、このエリア切換処理は、合焦動作及び合焦点到達
後の被写体変化の監視動作中も実行される。また、実際
にエリアの切換えが為された直後には、切換回路(20)
から得られる焦点評価値に一時的に大きな変動が生じる
ので、この変動による誤動作を抑えるために、山登り合
焦動作及び被写体変化の監視動作に際して、第1及び第
4比較器(8)(12)での比較動作は同一比較結果が連
続して3回得られた時にのみ、この比較結果を有効とし
て出力する様に構成されている。
また、領域の分割、ルールなどは、本実施例に限るも
のではない。又、本実施例の動作が、マイクロコンピュ
ータを用いて、ソフトウェア的に実行できることは言う
までもない。
(ト)発明の効果 上述の如く本発明によれば、焦点評価値が小さく焦点
評価値のみでは現フォーカスエリア内での被写体の有無
が確認できない場合にも、フォーカスエリアとして選択
している領域に被写体が存在しない状態と、大きくぼけ
た被写体が存在する状態を識別でき、被写体の位置に追
従した精度の高いフォーカスエリアの切り換えが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第4図乃至第21図は本発明の一実施例に係り、
第1図は全体の回路ブロック図、第4図は山登り合焦動
作の説明図、第5図、第10図、第11図、第13図は要部回
路ブロック図、第6図はエリア設定の説明図、第7図は
レンズ位置と焦点評価値との関係図、第8図は相対比と
ボケ度合の関係図、第9図はレンズ位置と焦点評価値及
び相対比との関係図、第12図はエリア分割の説明図、第
14図、第15図、第16図、第17図、第18図、第19図はメン
バーシップ関数を示す図、第20図、第21図はフローチャ
ートを示す図である。また、第2図、第3図は従来例の
回路ブロック図である。 (1)……レンズ、(50)……焦点評価値発生回路、
(20)……切換回路、(100)……フォーカスモータ制
御回路、(4)……撮像回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画面内に設定された第1領域を含む複数の
    領域の1つをフォーカスエリアとして選択するエリア選
    択手段と、 各領域内の映像信号の高域成分レベルを領域毎の焦点評
    価値として取り出す焦点評価値検出手段と、 該フォーカスエリアでの焦点評価値が極大値となるよう
    にレンズと撮像素子間の距離を制御する合焦動作を行う
    フォーカス制御手段と、 前記第1領域内の輝度差を検出する輝度差検出手段と、 前記第1領域の焦点評価値が大きい場合には前記第1領
    域をフォーカスエリアとして選択し、前記第1領域の焦
    点評価値が小さい場合でも前記輝度差が大きければ前記
    第1領域を選択し、前記第1領域の焦点評価値が小さく
    前記輝度差が小さい場合に前記第1領域以外の領域を選
    択するように前記エリア選択手段を制御するエリア選択
    制御手段とを備え、 前記輝度差は前記焦点評価値よりも前記映像信号の低域
    成分を含むことを特徴とするオートフォーカスビデオカ
    メラ。
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