JP2708887B2 - 非水電解液電池 - Google Patents
非水電解液電池Info
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- JP2708887B2 JP2708887B2 JP1153273A JP15327389A JP2708887B2 JP 2708887 B2 JP2708887 B2 JP 2708887B2 JP 1153273 A JP1153273 A JP 1153273A JP 15327389 A JP15327389 A JP 15327389A JP 2708887 B2 JP2708887 B2 JP 2708887B2
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- Japan
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- battery
- metal sulfide
- positive electrode
- negative electrode
- cupric oxide
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- Y02E60/12—
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、リチウム又はリチウム合金から成る負極と
酸化第2銅(CuO)を活物質とする正極を備えた非水電
解液電池に関するものである。
酸化第2銅(CuO)を活物質とする正極を備えた非水電
解液電池に関するものである。
(ロ)従来の技術 リチウム又はリチウム合金から成る負極を用いた非水
電解液電池は、高エネルギー密度を示し、且つ自己放電
が少ないという利点を持つ。そして、この電池の正極活
物質として酸化第2銅を用いれば、電池電圧が約1.5V程
度となるので、既存のアルカリ乾電池、水銀電池、銀電
池等と互換使用しうる利点があり、注目されている。
電解液電池は、高エネルギー密度を示し、且つ自己放電
が少ないという利点を持つ。そして、この電池の正極活
物質として酸化第2銅を用いれば、電池電圧が約1.5V程
度となるので、既存のアルカリ乾電池、水銀電池、銀電
池等と互換使用しうる利点があり、注目されている。
ところで、この種電池は、保存時において、電池内部
に侵入した水分とリチウムとの反応により生成した活性
なH2が、酸化第2銅を分解するため、開路電圧(OCV)
が上昇したり、分解生成物がリチウム表面上に付着し、
内部抵抗が上昇するという問題を有する。
に侵入した水分とリチウムとの反応により生成した活性
なH2が、酸化第2銅を分解するため、開路電圧(OCV)
が上昇したり、分解生成物がリチウム表面上に付着し、
内部抵抗が上昇するという問題を有する。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は、この種電池の保存特性を改善することを目
的とするものであり、保存後において、開路電圧及び内
部抵抗の上昇が抑制された非水電解液電池を提供しよう
とするものである。
的とするものであり、保存後において、開路電圧及び内
部抵抗の上昇が抑制された非水電解液電池を提供しよう
とするものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明の非水電解液電池は、リチウムもしくはリチウ
ム合金からなる負極と、酸化第2銅を活物質とする正極
と、非水電解液とからなり、前記負極と対向する前記正
極の表面に、Co、Fe、Ni、Sb、Moからなる群より選択さ
れた少なくとも1つの金属の硫化物の層を設け、且つ前
記金属の硫化物の添加量が、前記酸化第2銅と金属の硫
化物との合計重量に対して1重量%以上20重量%以下の
範囲であることを特徴とする。
ム合金からなる負極と、酸化第2銅を活物質とする正極
と、非水電解液とからなり、前記負極と対向する前記正
極の表面に、Co、Fe、Ni、Sb、Moからなる群より選択さ
れた少なくとも1つの金属の硫化物の層を設け、且つ前
記金属の硫化物の添加量が、前記酸化第2銅と金属の硫
化物との合計重量に対して1重量%以上20重量%以下の
範囲であることを特徴とする。
(ホ)作用 本発明の如く、負極と対向する正極の表面に金属硫化
物の層を設けることにより、保存時における開路電圧及
び内部抵抗の上昇が抑制され、この種電池の保存特性が
向上する。
物の層を設けることにより、保存時における開路電圧及
び内部抵抗の上昇が抑制され、この種電池の保存特性が
向上する。
これは、金属硫化物の層を有しない正極を用いた電池
において、保存時、電池内部へ侵入した水分と負極活物
質であるリチウムとが反応し、活性なH2を生じ、これが
正極活物質である酸化第2銅を分解する。その結果、開
路電圧(OCV)が上昇したり、分解生成物が負極のリチ
ウム表面に付着して負極の反応性を低下させるので、電
池の内部抵抗を上昇させる。
において、保存時、電池内部へ侵入した水分と負極活物
質であるリチウムとが反応し、活性なH2を生じ、これが
正極活物質である酸化第2銅を分解する。その結果、開
路電圧(OCV)が上昇したり、分解生成物が負極のリチ
ウム表面に付着して負極の反応性を低下させるので、電
池の内部抵抗を上昇させる。
しかしながら、負極と対向する正極表面に、金属硫化
物の層を設けることにより、前記金属硫化物の層が、H2
に対してバリヤーとして作用し、H2と酸化第2銅との反
応を抑制するので、酸化第2銅の分解が抑えられる。そ
の結果、この種電池の保存特性が向上する。但し、この
金属硫化物の層は、電池の放電特性をほとんど低下させ
ない。
物の層を設けることにより、前記金属硫化物の層が、H2
に対してバリヤーとして作用し、H2と酸化第2銅との反
応を抑制するので、酸化第2銅の分解が抑えられる。そ
の結果、この種電池の保存特性が向上する。但し、この
金属硫化物の層は、電池の放電特性をほとんど低下させ
ない。
(ヘ)実施例 以下に本発明の実施例を詳述し、比較例との対比に言
及する。
及する。
◎ 本発明 市販特級の酸化第2銅(CuO)80重量%に、導電剤と
しての黒鉛10重量%、結着剤としてのフッ素樹脂粉末を
5重量%加えて混合した後、この混合物を約2トン/cm
2の圧力で加圧成型した。そして、この片面に金属硫化
物としてのCoS5重量%を加えて同様に加圧成型して、径
15.0mm、厚み1.1mmの成型体を得、この成型体を200〜30
0℃の温度で熱処理して正極とする。このようにして、
第1図に示す構造を有する正極を得た。そしてこの正極
の金属硫化物(CoS)の層を、負極と対向するように電
池内に配置した。
しての黒鉛10重量%、結着剤としてのフッ素樹脂粉末を
5重量%加えて混合した後、この混合物を約2トン/cm
2の圧力で加圧成型した。そして、この片面に金属硫化
物としてのCoS5重量%を加えて同様に加圧成型して、径
15.0mm、厚み1.1mmの成型体を得、この成型体を200〜30
0℃の温度で熱処理して正極とする。このようにして、
第1図に示す構造を有する正極を得た。そしてこの正極
の金属硫化物(CoS)の層を、負極と対向するように電
池内に配置した。
負極は、リチウム板を約0.6mmの厚みに圧延し、この
圧延板を径15.0mmに打抜いたものである。電解液は、プ
ロピレンカーボネートと1.2−ジメトキシエタンとの混
合溶媒に過塩素酸リチウムを1モル/l溶解させたものを
用い、またセパレータはポリプロピレン不織布を用い
て、直径20.0mm、厚み2.5mmの扁平型の本発明電池Aを
作製した。
圧延板を径15.0mmに打抜いたものである。電解液は、プ
ロピレンカーボネートと1.2−ジメトキシエタンとの混
合溶媒に過塩素酸リチウムを1モル/l溶解させたものを
用い、またセパレータはポリプロピレン不織布を用い
て、直径20.0mm、厚み2.5mmの扁平型の本発明電池Aを
作製した。
◎ 比較例1 金属硫化物としてのCoSを加えないことを除いて、他
は本発明電池Aと同様にして、比較電池Bを作製した。
は本発明電池Aと同様にして、比較電池Bを作製した。
◎ 比較例2 予めCuO、CoS、黒鉛及びフッ素樹脂粉末を混合するこ
とにより、金属硫化物を正極内部に添加した。他は、本
発明電池Aと同様にして、比較電池Cを作製した。
とにより、金属硫化物を正極内部に添加した。他は、本
発明電池Aと同様にして、比較電池Cを作製した。
これらの電池A、B、Cを用い、保存特性を比較し
た。
た。
第2図に温度60℃、相対湿度90%下の保存時におけ
る、電池の内部抵抗の経時変化を示す。
る、電池の内部抵抗の経時変化を示す。
これより本発明電池Aは、比較電池B、Cに比して、
保存時における内部抵抗の上昇が抑制されているのがわ
かる。また比較電池Cのように正極内部に金属硫化物Co
Sを添加しても、内部抵抗の上昇をいくぶん抑制できる
が、正極活物質である酸化第2銅(CuO)の負極と対向
せる面を被うことができず、十分な効果が得られない。
保存時における内部抵抗の上昇が抑制されているのがわ
かる。また比較電池Cのように正極内部に金属硫化物Co
Sを添加しても、内部抵抗の上昇をいくぶん抑制できる
が、正極活物質である酸化第2銅(CuO)の負極と対向
せる面を被うことができず、十分な効果が得られない。
この理由を考察すると、本発明電池Aでは、保存時電
池内に侵入した水分と、リチウムとの反応により生成し
た活性なH2を、負極と対向する正極の表面に設けた金属
硫化物の層で阻止できるので、酸化第2銅(CuO)の分
解を抑制することが可能となり、保存特性が向上すると
考えられる。
池内に侵入した水分と、リチウムとの反応により生成し
た活性なH2を、負極と対向する正極の表面に設けた金属
硫化物の層で阻止できるので、酸化第2銅(CuO)の分
解を抑制することが可能となり、保存特性が向上すると
考えられる。
次に、金属硫化物の種類を変えて、電池を組み立て、
各電池の保存特性を比較した。
各電池の保存特性を比較した。
この結果を、第1表に示す。
これより、本発明に使用可能な金属の硫化物としては、
CoS、FeS、NiS、Sb2S3、MoS2が好適である。尚、これら
以外の金属の硫化物であるV2S3、CuS、ReS2、WS2を使用
した電池は、内部抵抗が23Ω以上となり、本発明電池に
比べ内部抵抗が大きくなっている。
CoS、FeS、NiS、Sb2S3、MoS2が好適である。尚、これら
以外の金属の硫化物であるV2S3、CuS、ReS2、WS2を使用
した電池は、内部抵抗が23Ω以上となり、本発明電池に
比べ内部抵抗が大きくなっている。
次に、本発明電池Aにおいて、金属硫化物の層を設け
るために使用するCoSの添加量を検討した。この時用い
た電池の酸化第2銅とCoSの合計重量は、常に一定とし
た。
るために使用するCoSの添加量を検討した。この時用い
た電池の酸化第2銅とCoSの合計重量は、常に一定とし
た。
この結果を、第3図に示す。この時の実験条件は、温
度60℃、相対湿度90%下で30日間各電池を保存した後、
温度25℃、放電負荷800Ωで放電するというものであ
る。
度60℃、相対湿度90%下で30日間各電池を保存した後、
温度25℃、放電負荷800Ωで放電するというものであ
る。
第3図より、CoSの添加量が1重量%以上20重量%以
下の範囲内において、その添加効果が著しいことが理解
される。この添加範囲は、他の金属硫化物であっても、
同様の傾向が観察された。
下の範囲内において、その添加効果が著しいことが理解
される。この添加範囲は、他の金属硫化物であっても、
同様の傾向が観察された。
(ト)発明の効果 本発明によれば、酸化第2銅を正極活物質に用いた非
水電解液電池の、保存後における内部抵抗及び開路電圧
の上昇を抑制しうるものであり、保存特性に優れた電池
を提供でき、その工業的価値は極めて大きい。
水電解液電池の、保存後における内部抵抗及び開路電圧
の上昇を抑制しうるものであり、保存特性に優れた電池
を提供でき、その工業的価値は極めて大きい。
第1図は本発明電池に用いる正極の模式的断面図、第2
図は電池の保存特性図、第3図は金属硫化物の添加量と
電池の放電容量との関係を示す図である。 A…本発明電池、B、C…比較電池。
図は電池の保存特性図、第3図は金属硫化物の添加量と
電池の放電容量との関係を示す図である。 A…本発明電池、B、C…比較電池。
Claims (1)
- 【請求項1】リチウムもしくはリチウム合金からなる負
極と、酸化第2銅を活物質とする正極と、非水電解液と
からなり、 前記負極と対向する前記正極の表面に、Co、Fe、Ni、S
b、Moからなる群より選択された少なくとも1つの金属
の硫化物の層を設け、且つ前記金属の硫化物の添加量
が、前記酸化第2銅と金属の硫化物との合計重量に対し
て1重量%以上20重量%以下の範囲であることを特徴と
する非水電解液電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1153273A JP2708887B2 (ja) | 1989-06-15 | 1989-06-15 | 非水電解液電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1153273A JP2708887B2 (ja) | 1989-06-15 | 1989-06-15 | 非水電解液電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0320967A JPH0320967A (ja) | 1991-01-29 |
JP2708887B2 true JP2708887B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=15558859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1153273A Expired - Fee Related JP2708887B2 (ja) | 1989-06-15 | 1989-06-15 | 非水電解液電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2708887B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4763271B2 (ja) * | 2004-12-08 | 2011-08-31 | リンテック株式会社 | ラベルプリンタ |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5734669A (en) * | 1980-08-08 | 1982-02-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Namufacture of organic electrolyte cell |
JPS58150272A (ja) * | 1982-03-02 | 1983-09-06 | Hitachi Maxell Ltd | 有機電解質電池 |
-
1989
- 1989-06-15 JP JP1153273A patent/JP2708887B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0320967A (ja) | 1991-01-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |