JP2708631B2 - 臭い成分を含むガスの酸化、分解用触媒および応用製品 - Google Patents

臭い成分を含むガスの酸化、分解用触媒および応用製品

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JP2708631B2 JP2328934A JP32893490A JP2708631B2 JP 2708631 B2 JP2708631 B2 JP 2708631B2 JP 2328934 A JP2328934 A JP 2328934A JP 32893490 A JP32893490 A JP 32893490A JP 2708631 B2 JP2708631 B2 JP 2708631B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な活性成分を有する酸化・分解用触媒
に係り、特に、室温以上300℃以下の低温で、産業用オ
フガスや家電住宅設備から発生する人体や環境に有害で
不快な臭い成分を含むガスを酸化、分解するための触媒
に関する。
〔従来の技術〕
工場等から排出される人体に有害なガス,悪臭ガスに
よる大気汚染、河川の汚染等の生活環境に関する苦情や
問題は、数十年前から、耐えること無くおこっている。
工場排ガスや自動車排ガスを触媒上で接触燃焼し無害化
する技術は、1970年代から行われており、触媒の活性成
分にはPt,Pd,Rh等の貴金属が一般的に用いられている。
また、このような触媒燃焼法は、NOxの発生が微量なク
リーン燃焼方式として、各種燃焼器,暖房器等に応用さ
れており、触媒活性成分は同様に貴金属が一般的であ
る。しかし、貴金属系触媒はコストが高く、安価でしか
も性能の高い酸化物触媒が望まれている。このようなニ
ーズを受けて、酸化銀と酸化マンガン或いは酸化銀と酸
化コバルトからなる水素の接触燃焼用二元系酸化物触媒
(特開昭55−88850号,特開昭55−88853号)、銀,コバ
ルト及びマンガンの酸化物からなる一酸化炭素及び炭化
水素の接触燃焼用三元系酸化物触媒(特開昭56−40433
号)、酸化銀とニッケル,銅,鉄,クロム,バナジウム
の酸化物の1つ以上からなる触媒(特開昭55−88852
号)等の発明が生まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年、排ガス規制値の強化,快適な生活空間を求める
ライフスタイルの変化に伴い、特に室内で発生する人体
に有害なガス、不快な悪臭ガスの除去のニーズが高まっ
ている。室内における有害ガス,悪臭ガスの発生源は、
暖房等家庭用燃焼器,調理器,厨房機器,生ゴミ,トイ
レットなどである。このような家庭内で使用する機器な
どから排出されるガスは燃料の未燃分である一酸化炭
素,炭化水素だけでなくアルデヒド類,アミン類,アル
コール類,メルカプタン類等有臭でかつ有害な成分を多
種類含み、温度は常温から約300℃と低い。従って排ガ
ス処理用触媒としては低温で高活性を示し、かつ製造コ
ストの安い物が望まれている。しかしながら、上記公知
の触媒は、水素,一酸化炭素及び炭化水素の接触燃焼用
であり、上記有臭成分を多種類含む排ガス処理用として
好適な触媒を開発する必要がある。
そこで、本発明の目的は、悪臭ガス、特に室内で発生
する多種類の臭い成分を含む排ガスを酸化或いは分解す
る触媒を提供することにある。
本発明の他の目的は、家庭内で発生する臭い成分を含
む排ガスを酸化,分解するにあたり、300℃以下、室温
以上の低温で高い活性を示す酸化,分解用触媒を提供す
るにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の酸化、分解用触媒は、臭い成分を含むガスを
空気中の酸素の存在下で酸化又は分解するための触媒で
あって、担体に活性成分として銀とマンガンとコバルト
が担持され、銀とマンガンを原子比で銀:マンガン=5:
95〜50:50の割合で含み、コバルトを活性成分中に占め
る割合で1〜10原子%含み、銀を酸素との化合物及び酸
素とマンガンとの化合物の少なくとも一方の形態で有
し、マンガンを酸素との化合物及び酸素と銀との化合物
の少なくとも一方の形態で有し、マンガン化合物におけ
るマンガン原子の酸化数が+4より小さく、コバルトを
酸化物の形態で有することを特徴とする。
上記酸化,分解用触媒において、担体としては、γ−
アルミナ,TiO2,ゼオライト,コージェライト等に代表
される比表面積0.5m2/g以上の多孔質担体が好適であ
る。なぜならば、担体の比表面積が小さいと担持した活
性成分が凝集して、高性能な触媒が得られないからであ
る。比表面積の上限値は1000m2/gとすることが好まし
い。特に好適な範囲は50〜1000m2/gである。
上記触媒は、セラミックス或いは金属の基材上にコー
トして触媒構造体としても使用でき、これらの基材とし
てはハニカム形状,板状基材,金網等が用いられる。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の触媒は、硝酸銀と硝酸マンガン等の水溶性マ
ンガン塩及び硝酸コバルト等の混合水溶液に、アンモニ
ア,炭酸アルカリ,水酸化アルカリ等の中和剤の水溶液
を加えて生成した共沈物を乾燥後、加熱酸化することに
より得られる。または、上記の方法で銀とマンガンの沈
殿物を別々に生成させた後、それらを混練して、乾燥
後、加熱酸化してもよい。シュウ酸銀,炭酸銀,硝酸銀
等の銀塩や酸化銀と、酢酸マンガン,シュウ酸マンガ
ン,硝酸マンガン等のマンガン塩や酸化マンガンを湿式
あるいは乾式で混合,混練し、熱分解する方法でも得ら
れる。
これらの触媒は、最終的には200℃以上900℃以下、好
ましくは300〜600℃で空気の存在下で加熱処理して得ら
れる。
本発明において、コバルトの含有量は活性成分の1原
子%(atom%)以上10原子%以下であることが好まし
い。なぜなら、例えばコバルトを10原子%以上含むとAg
CoO2が結晶化した状態で生成し、触媒の活性を低下させ
るからである。1原子%以上含有させないと、触媒活性
としての効果が乏しい。コバルトは主としてCoO又はCo3
O4の形態で存在する。
このようにして製造された触媒の銀元素は、酸素ある
いは酸素とマンガン元素と化合物を形成している。すな
わち銀は金属状態で析出しているのではなく、電子状態
としては酸化状態にある。通常、銀単一触媒の場合、Ag
2Oは約350℃以上で酸素を放出するため本発明の好まし
い加熱処理温度300〜600℃ではAg(金属状態)として析
出してしまう。しかし、本発明の触媒では酸化マンガン
が通常安定なMnO2よりも酸化数の低い酸化物、すなわち
酸化数が+4よりも低い状態であることによって、銀を
酸化状態に保っている。
マンガンは主としてMn2O3 and/or Mn3O4の形態で存在
する。触媒中の銀の一部はマンガンと複合酸化物を形成
する。複合酸化物の形態は、熱処理温度により異なり、
AgMn2O4,AgMnO2,AgMnO4,AgMnO,Ag2MnO2,Ag2Mn8O16
いずれかまたはこれらの混合物の形態をとる。特に、Ag
Mn2O4,AgMnO2の形態とすることが好ましい。その結
果、触媒は酸化反応に高活性となり、かつ銀が高分散さ
れて粒子の凝縮も抑制される。
触媒の銀,マンガン元素の化合物形態は、粉末X線回
折(XPD)で同定され、電子状態(原子価状態)はX線
光電子分光法(XPS)等、一般的な分析法で同定され
る。
上記のように銀が酸化状態を保つことが触媒として高
活性を保つ要因である。
本発明の、銀とマンガンとコバルトの酸化物から成る
触媒は、この触媒単独で使用することができるが、アル
ミナ,チタニア,ゼオライト,シリカ等の多孔質担体,
コージェライト等のセラミックス担体,SUS等の金属担体
上に担持して使用することが望ましく、これにより触媒
性能を十分発揮する。また、上記の担体に担持した後、
さらにこれを、セラミックス,金属等の基材上に、コー
ティング等の方法で担持してもかまわない。
これらの触媒の製造法は、前述した方法で得られた銀
とマンガンとコバルトを含む沈殿物あるいはそれを熱処
理後の酸化物あるいは銀,マンガン,コバルトの塩類
を、アルミナ,チタニア等の担体あるいはその前駆体ゾ
ルと混合,混練した後加熱処理するか、アルミナ,チタ
ニア等のセラミックス担体あるいは金属担体上に塗布し
た後加熱処理するなどである。また、水溶性の銀塩,マ
ンガン塩、コバルト塩の混合水溶液をセラミックス担
体,金属担体に含浸あるいは塗布した後、乾燥,加熱処
理して、銀とマンガンとコバルトからなる触媒を析出さ
せてもよい。
上記の方法で製造される触媒の形状は、粉末を成形し
たペレット状,ハニカム状,シート状,板状,三次元発
泡体等が好ましい。
〔作用〕
本発明の触媒は、銀とマンガンとコバルトから成り、
銀と銀酸化物或いは/及び銀とマンガンとの酸化物の形
態で含み、マンガンをマンガン酸化物或いは/及びマン
ガンと銀との酸化物の形態で含み、更にマンガン原子の
酸化数が+4よりも小さいマンガン酸化物を含む。
またコバルトを酸化物の形態で含む。
銀とマンガンの複合化によって、銀の酸化状態が保た
れると、銀が高分散されて凝集が抑制されること、さら
に複合酸化物が酸化マンガンと混合されることで銀が高
分散されることにより、触媒は高活性を示す。銀の酸化
状態は、酸化マンガンが4よりも小さい酸化状態になる
ことで保たれている。
銀とマンガンの複合酸化物が酸化マンガンと混合され
ることで、複合酸化物の結晶成長もおさえられる。
触媒中の銀はすべて化合物形態とならず、一部が金属
状態の銀の形態で存在してもかまわない。なぜなら、そ
れらは酸化マンガン中に混合されていることで、単独で
存在するよりも熱的に安定で高活性となるからである。
本発明の触媒は、室温以上好ましくは100℃以上、300
℃以下の反応温度で有効に作用する。発生する悪臭を含
むガス温度がこの温度にみたない場合があるが、そのよ
うな場合には、ヒータ等を設置することで触媒が有効に
作用する温度域を保つことが望ましい。
本発明の触媒は、オーブンレンジ,ガスレンジ,電子
レンジ或いはガステーブルなどの調理器、産業廃棄物の
処理装置たとえばごみ焼却炉,生ごみ脱臭器,自動車や
電車や飛行機などのように人を運搬する走行装置など多
種多様の臭い成分を含む低濃度の有害,悪臭を排出する
機器・装置等に適用することができ、その臭い成分を含
むガスの脱臭に有効である。
このような用途に、本発明の触媒を使用する場合は、
機器・装置の内部で臭い成分を含むガスが接触する所、
すなわちガスの排気通路やその入口,出口等、食品の調
理や廃棄物処理など装置本来の目的に支章のない場所に
設置することが好ましい。
オーブンレンジやガスレンジ或いは電子レンジに適用
する場合には、グルル内のガズを系外へ排気する通路の
途中に本発明の触媒層を設置するのがよい。グリル内の
ガスは、自然対流または排気ファンがある場合にはファ
ンで吸引されて触媒層を通ってグリル外へ排気される。
触媒層の温度は、室温から300℃までの温度範囲に保持
することが望ましい。触媒層を加熱するために、グリル
内のガスを排気する通路の触媒層の前段に触媒層加熱用
のヒータを設けることは望ましい。
ガステーブルに適用する場合には、グリルの煙が排気
される排気口の手前に触媒層を設置するのがよい。触媒
層の温度は、室温から300℃まで保持することが望まし
く、グリルヒータから触媒層までの距離を調整すること
によって、この温度範囲を保つことが望ましい。
ごみ焼却炉の如き産業廃棄物処理装置に適用する場合
には、ごみ焼却炉で発生した臭い成分を含む排ガスを煙
突に導くまでの途中に、触媒層を設置するのがよい。触
媒層の温度は、室温から300℃までの温度に保持する。
生ごみ脱蔵器に適用する場合には、脱臭容器の一部に
生ごみから発生した臭い成分を含むガスを系外に排出す
る排出口を設け、その排気口に触媒層を設置するのが望
ましい。排気口には触媒層を加熱するためのヒータを設
け、触媒層の温度を室温から300℃までの温度範囲に保
持することが望ましい。排気口の触媒層の後段にファン
をつけることも望ましい。
自動車や電車や飛行機などのように人や物品を運搬す
る走行装置に適用する場合には、車内或いは機内の臭い
成分を含むガスが発生する部位の近傍に、触媒層を設置
しておくことが望ましい。たとえば臭い成分を含むガス
を吸い込むファンと触媒層とを備えた容器を、人や物品
が位置する部位の近傍に設置しておくことが望ましい。
トイレットに適用する場合には、トイレットの排気口
の途中に触媒層を設置することが望ましい。触媒層の温
度を室温から300℃に保持するために、排気口の途中の
触媒層の前段に触媒層加熱用ヒータを設けることが望ま
しい。
触媒層は、その機能が低下したら交換できるようにす
るために、カートリッジタイプとすることが望ましい。
具体的には、担体に触媒活性成分を担持したものをハニ
カム或いは網目状などの形状をした基材上にコーティン
グ、その他の方法によって設置したものを準備してお
き、触媒層を交換すべき時期がきたならばカートリッジ
ごと交換するようにするとよい。基材は、金属或いはコ
ージライトのごときセラミックスで作ることができる。
本発明の触媒の使用方法は、臭い成分を含むガスを酸
素の存在下で、室温から300℃の温度範囲で触媒と接触
させて、臭い成分を含むガスを酸化或いは分解すること
にある。
〔実施例〕
以下、実験例、実施例について説明するが、本発明は
実施例に限定されない。
実験例1 硝酸銀8.4935g,硝酸マンガン六水和物129.168gを蒸留
水に溶解し1500ccとした。この混合水溶液に濃アンモニ
ア水を2倍体積の蒸留水で希釈したアンモニア水を攪拌
しながらpH=9まで滴下した。生成した沈殿水をデカン
テーションで洗浄後、吸引濾過し、120℃で乾燥した。
これを500℃で2時間焼成した。この粉末をプレス成型
して10〜20メッシュに分級しAg/Mn二成分触媒とした。
この触媒の組成比(原子比)は、Ag:Mn=10:90である。
実験例2 硝酸銀16.987g,硝酸マンガン六水和物114.816gを用い
る以外はすべて実験例1と同様に調製し、組成比(原子
比)がAg:Mn=20:80であるAg/Mn二成分触媒を得た。
実験例3 硝酸銀25.4805g,硝酸マンガン六水和物100.464gを用
いる以外はすべて実験例1と同様に調製し、組成比(原
子比)がAg:Mn=30:70であるAg/Mn二成分触媒を得た。
実験例4 硝酸銀33.974g,硝酸マンガン六水和物114.816gを用い
る以外はすべて実験例1と同様に調製し、組成比(原子
比)がAg:Mn=50:50であるAg/Mn二成分触媒を得た。
実験例5 硝酸銀を用いず、硝酸マンガン六水和物143.52gを用
いる以外はすべて実験例1と同様に調製し、酸化マンガ
ン単一触媒を得た。
実験例6 硝酸銀85gを500℃で2時間焼成し、得られた粉末を粉
砕後プレス成型して10〜20メッシュに分級し、Ag単一触
媒を得た。
実験例1〜5の触媒について、悪臭成分アセトアルデ
ヒド反応率を測定した。第2図に、銀含有率に対する反
応温度100、125℃の反応率を示す。銀含有率50原子%以
下でマンガン単一触媒に比較して活性は顕著に増大し、
銀含有率10原子%で最大値を示した。
実験例7 硝酸銀67.948g,硝酸マンガン六水和物57.408gを用い
る以外はすべて実験例1と同様に調製し、組成比(原子
比)がAg:Mn=67:33であるAg/Mn二成分触媒を得た。
第3図〜第7図に粉末X線回折パターンを示す。第3
図は実験例5の触媒のもの、第4図は実験例6の触媒の
もの、第5図は実験例7の触媒のもの、第6図は実験例
1の触媒のもの、第7図は実験例3の触媒のものであ
る。
第3図に示す実験例5のマンガン単一触媒はMn2O3
第4図に示す実験例6の銀単一触媒はAg(金属状態)の
結晶形態である。これに対して第6図の実験例1のXRD
パターンからはMn3O4のピークとAg2Oの一部のピークが
認められた。Ag/Mn二成分触媒では複合効果によって単
一触媒と異なる結晶形態をとる。さらに詳しい原子価状
態を知るために、X線光電子分光法により銀とマンガン
原子の束縛エネルギーを測定した。実験例1の触媒のマ
ンガン原子はMn2O3より少し低いエネルギー状態にあ
り、触媒トータルとして酸化数は+3より低い状態にあ
る。また銀原子はAg2Oと同じエネルギー状態であること
から酸化数は+1であるといえる。しかし、第6図のXR
DパターンのAg2Oのピーク強度が弱いことから、銀原子
はマンガン原子と複合酸化物を形成していることも推測
される。第7図に示す実験例3のXRDパターンは、Mn3O4
とAgMn2O4のピークが認められ、第6図の実験例1で予
測された複合酸化物の存在が確認された。第5図に示す
実験例7のXRDパターンによれば、銀が金属状態で析出
しており、この結果からも銀が酸化状態であることが高
活性化の要因の一つであるといえる。
実施例1 硝酸銀8.90g,硝酸マンガン134.4g,硝酸コバルト13.26
5gを蒸留水に溶解し、400ccの混合水溶液とした。この
混合水溶液に、比表面積150m2/gで100セル/inch2のγ
−アルミナハニカムを2分間浸せきした後、120℃で乾
燥してから、空気雰囲気、500℃で1時間加熱処理し
た。この操作を2回行って完成触媒とした。この触媒の
AgとMnの原子比はAg:Mn=10:90、Ag,Mn,Coトータル原子
数のうちのCo原子%は8原子%である。
比較例1 硝酸銀8.90g,硝酸マンガン134.4g,硝酸コバルト138.4
72gを用いる以外は実施例1と同様にして触媒を調製し
た。この触媒のAgとMnの原子比はAg:Mn=10:90、Ag,Mn,
Coトータル原子数のうちのCo原子%は50原子%である。
実施例1及び比較例1の触媒について、SV:30000
h-1、反応ガス:アセトアルデヒド60ppm、トリメチルア
ミン60ppm、空気ベースの条件で、反応温度100,200,300
℃における除去率を測定した。その結果を第1図に示
す。
本発明の触媒は、たとえばオーブンレンジ、ガスレン
ジ、電子レンジなどの排気口に設置され、臭い成分を含
むガスの脱臭触媒として使用される。オーブンレンジに
本発明の触媒を設置した例を第8図に示し、ガステーブ
ルに本発明の触媒を設置した例を第9図及び第10図に示
す。第8図において、符号100はオーブンレンジ本体、1
01はグリル、102はグリル用ヒータを示している。103は
排気口に設けた触媒層を示し、104は排気ファン、105は
触媒加熱用ヒータを示している。106は被調理品であ
り。ここでは魚を示している。ガスレンジ、電子レンジ
などの場合も、構造的にはオーブンレンジの場合と全く
同様である。第9図及び第10図において、符号200はガ
ステーブン本体、201は被調理品たとえば魚を焼くグリ
ル、202はグリル用ヒータ、203は被調理品を加熱するこ
とによって発生した臭い成分を含むガスの排気口、204
は該排気口に設けられた触媒層である。
第11図は、本発明の触媒を取り付けた生ごみ脱臭器の
一例を示す。脱臭容器300の蓋301に生ごみから発生した
ガスを系外へ排気する排気口が設けられており、その排
気口に触媒層302、触媒層302を加熱するヒータ304、及
び触媒層302によって脱臭されたガスを系外へ排気する
ファン303が設けられている。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明の触媒によれば、産業オフ
ガスや住宅設備機器から発生する臭い成分を含むガスを
室温〜300℃の低い温度域で酸化或いは分解することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実験例1による触媒及び比較例1に
よる触媒を用いて、アセトアルデヒドを接触燃焼したと
きのアセトアルデヒド除去率と反応温度との関係を示し
たグラフ、第2図は、実験例1〜5の触媒を用いて、ア
セトアルデヒドを接触燃焼したときのアセトアルデヒド
除去率と活性成分中の銀含有率との関係を示すグラフ、
第3図〜第7図は、実験例1,3,5,6及び7に係る触媒の
X線回折パターン、第8図は、本発明の触媒を取り付け
たオーブンレンジの概略図、第9図は本発明の触媒を取
り付けたガステーブルの概略側面図、第10図は第9図の
斜視図、第11図は本発明の触媒を取り付けた生ごみ脱臭
器の概略図である。 100……オーブンレンジ本体、101……グリル、102……
グリル用ヒータ、103……触媒層、104……排気ファン、
105……触媒加熱用ヒータ、106……被調理品、200……
ガステーブル本体、201……グリル、202……グリル用ヒ
ータ、203……排気口、204……触媒層、300……脱臭容
器、301……蓋、302……触媒層、303……ファン、304…
…ヒータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 明 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 松尾 宣雄 広島県呉市宝町6―9 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 赤間 弘 広島県呉市宝町3―36 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (56)参考文献 特開 平4−171049(JP,A) 特開 平2−90923(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭い成分を含むガスを空気中の酸素の存在
    下で酸化又は分解するための触媒であって、担体に活性
    成分として銀とマンガンとコバルトが担持され、銀とマ
    ンガンを原子比で銀:マンガン=5:95〜50:50の割合で
    含み、コバルトを活性成分中に占める割合で1〜10原子
    %含み、銀を酸素との化合物及び酸素とマンガンとの化
    合物の少なくとも一方の形態で有し、マンガンを酸素と
    の化合物及び酸素と銀との化合物の少なくとも一方の形
    態で有し、マンガン化合物におけるマンガン原子の酸化
    数が+4より小さく、コバルトを酸化物の形態で有する
    ことを特徴とする臭い成分を含むガスの酸化、分解用触
    媒。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記担体がアルミナ、
    TiO2、ゼオライト、シリカ、コージェライトから選ばれ
    た1種よりなることを特徴とする臭い成分を含むガスの
    酸化、分解用触媒。
  3. 【請求項3】被調理品を加熱して調理するグリル、グリ
    ル用ヒータ及び該グリル内で発生した臭い成分を含むガ
    スをグリル外部へ排気する排気口を具備する調理器にお
    いて、前記排気口の途中に、担体に活性成分として銀と
    マンガンとコバルトが担持され、銀とマンガンを原子比
    で銀:マンガン=5:95〜50:50の割合で含み、コバルト
    を活性成分中に占める割合で1〜10原子%含み、銀を酸
    素との化合物及び酸素とマンガンとの化合物の少なくと
    も一方の形態で有し、マンガンを酸素との化合物及び酸
    素と銀との化合物の少なくとも一方の形態で有し、マン
    ガン化合物におけるマンガン原子の酸化数が+4より小
    さく、コバルトを酸化物の形態で有する触媒層を備えた
    ことを特徴とする調理器。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記調理器がオーブン
    レンジ、ガスレンジ、電子レンジまたはガステーブルよ
    りなることを特徴とする調理器。
  5. 【請求項5】生ごみを収納する容器の一部に該容器内で
    発生したガスの排気口を備え、該排気口の一部に、担体
    に活性成分として銀とマンガンとコバルトが担持され、
    銀とマンガンを原子比で銀:マンガン=5:95〜50:50の
    割合で含み、コバルトを活性成分中に占める割合で1〜
    10原子%含み、銀を酸素との化合物及び酸素とマンガン
    との化合物の少なくとも一方の形態で有し、マンガンを
    酸素との化合物及び酸素と銀との化合物の少なくとも一
    方の形態で有し、マンガン化合物におけるマンガン原子
    の酸化数が+4より小さく、コバルトを酸化物の形態で
    有する触媒層を備えたことを特徴とする生ごみ脱臭器。
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