JP2708246B2 - 自励式電力変換装置の制御装置 - Google Patents

自励式電力変換装置の制御装置

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JP2708246B2
JP2708246B2 JP1297735A JP29773589A JP2708246B2 JP 2708246 B2 JP2708246 B2 JP 2708246B2 JP 1297735 A JP1297735 A JP 1297735A JP 29773589 A JP29773589 A JP 29773589A JP 2708246 B2 JP2708246 B2 JP 2708246B2
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泰伸 家田
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は直流電源より発生する直流電力を交流電力に
変換して交流系統に供給する自励式電力変換装置の制御
方式に関する。
(従来の技術) 最近、太陽光発電や燃料電池、あるいは電力貯蔵のた
めの二次電池等の直流発電装置の直流電力を電力変換装
置により交流電力に変換し、この交流電力を交流系統に
供給するようにした電源システムが研究開発され、実用
化されてきている。
ところで、このような電源システムの電力変換装置と
しては、一般に自励式電力変換装置が使用されることが
多い。これは自励式電力変換装置自体が発生する無効電
力を変換装置の容量の範囲内で自由に制御できることを
利用し、連系点での無効電力を零にし、発電運転時の総
配電線路における損失を低減できるためである。さら
に、この機能を活用して同じ母線に繋がっている他の機
器から発生する無効電力分を供給することにより、上位
の系統との取合い点で無効電力分を少なくすることもで
きる。
しかしながら、通常の発電システムは有効電力を発生
し、交流系統に供給することが主目的とされているた
め、無効電力制御の機能としては例えば特開昭59−1035
28号公報にも見られるように有効電力を優先させた出力
に対して変換装置の容量に余裕のある範囲で用いられる
ことが多い。
第3図はかかる従来の発電システムの構成例を示すも
のであり、また第4図は自励式電力変換装置を制御する
制御装置の構成例を示すものである。
第3図において、主回路は直流電力を発生する直流電
源1と、この直流電源1より発生した直流電力を交流電
力に変換して交流母線BUSに供給する自励式電力変換装
置2と、交流母線BUSに上位系統として連系された交流
電源系統3と、交流母線BUSに接続された一般負荷4と
から構成されている。また、上位系統との連系点に設け
られた変流器5および変圧器6より入力された電流およ
び電圧から無効電力を検出する無効電力検出器7が設け
られ、この無効電力検出器7で検出された無効電力信号
を制御装置8に入力して自励式電力変換装置2に対して
有効電力および無効電力制御を行なうようにしている。
即ち、第4図において、制御装置8は系統運用上から
設定される発電電力、つまり有効電力の基準値Prefを求
める有効電力制御基準値演算部9と、無効電力検出器7
から無効電力信号が入力され、この無効電力信号を零に
するために必要な無効電力の基準値Qrefを求める無効電
力制御基準演算部10と、これら有効電力制御基準値演算
部9および無効電力制御基準演算部10より有効電力の基
準値Prefおよび無効電力の基準値Qrefが入力される有効
電力制御優先制御部11から構成されている。この有効電
力制御優先制御部11は、有効電力の基準値Prefおよび無
効電力の基準値Qrefに対して有効電力の基準値Prefを優
先とし、変換装置の容量S(KVA)と有効電力の基準値P
refとから無効電力制限値 を求めて無効電力の基準値Qrefを制限し、自励式電力変
換装置2に有効電力の基準値Prefおよび制限された無効
電力の基準値Qrefaを与えて制御を行なっている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、発電システムの運用にあたっては、予期し
得ない負荷状態となった場合、系統全体に電圧低下が発
生することがあり、この主な原因は系統の各部での無効
電力の増加によることが多い。従って、このような事態
を脱するには系統全体にわたって無効電力を速やかに補
償、調整する必要がある。しかし、従来の自励式電力変
換装置の制御装置では、前述したように有効電力を優先
とし、変換装置の容量S(KVA)と有効電力の基準値Pre
fとから求められた制限値により無効電力を制限してい
るため、系統の各部での無効電力の増加現象を解消でき
ないという問題がある。
本発明は系統全体の電圧が低下するような無効電力の
増加に対し、無効電力を速やかに補償、調整することに
より系統全体の電圧を復帰させることができ、もって系
統の安定化を図ることができる自励式電力変換装置の制
御装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は上記の目的を達成するため、直流電源より発
生する直流電力を自励式電力変換装置により交流電力に
変換し、この交流電力を交流系統に供給するようにした
発電システムにおいて、有効電力制御を優先して無効電
力制御基準値に変換装置の容量Sと有効電力基準値Pref
から決まる無効電力制限値 の制限をかけて前記自励式電力変換装置を制御する有効
電力制御優先制御手段と、無効電力制御を優先して有効
電力制御基準値に変換装置の容量Sと無効電力基準値Qr
efから決まる有効電力制限値 の制限をかけて前記自励式電力変換装置を制御する無効
電力制御優先制御手段と、前記交流系統の電圧レベルと
設定レベルとを比較して電圧レベルが設定レベルよりも
大きいか小さいかを判定する比較手段と、この比較手段
により系統の電圧レベルが設定レベルよりも大きいと判
定されると前記有効電力制御優先制御手段側に切換え、
系統の電圧レベルが設定レベルよりも小さいと判定され
ると前記無効電力制御優先制御手段側に切換える切換手
段とを備えて有効電力と無効電力をそれぞれ独立して制
御するようにしたものである。
(作用) このような自励式電力変換装置の制御装置にあって
は、発電システムが通常の系統運用状態にあるときは系
統電圧レベルが設定レベルよりも大きいので、自励式電
力変換装置は有効電力制御優先制御手段から出力される
有効電力を優先させた有効電力基準値および無効電力基
準値に基いて制御される。また、負荷の状態が系統運用
上予想していた変動範囲を越えて増加方向に急変する
と、系統電圧レベルが設定レベルよりも小さくなり、切
換手段により有効電力制御優先制御手段から無効電力制
御優先制御手段に切換えられるので、自励式電力変換装
置は無効電力制御優先制御手段から出力される無効電力
制御を優先させた有効電力基準値と無効電力基準値によ
り自励式電力変換装置が制御されることになる。従っ
て、通常時は発電システムを系統運用から設定される発
電出力で運転され、また系統電圧の急変時には系統連系
点から交流電源系統を見た無効電力が零になるように時
励式電力変換装置が制御されるので、系統に対して無効
電力が補償され、調整されることになり、系統電圧の低
下を抑制することができる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明を適用した発電システムの構成例を示
すものであり、また第2図は自励式電力変換装置を制御
する制御装置の構成例を示すものである。
第1図において、主回路の構成は第3図と同一なの
で、該当する部分には同一符号を付してその説明を省略
する。本実施例では無効電力検出器7により検出された
無効電力信号Varと変圧器6により検出された電圧Vを
次のような構成の制御装置80に入力して自励式電力変換
装置2を制御するものである。
即ち、第2図に示すように有効電力制御基準値演算部
9により求められた有効電力の基準値Prefと、無効電力
制御基準演算部10により求められた無効電力の基準値Qr
efとを切換器12を介して有効電力制御優先制御部11また
は無効電力制御制御部13に入力する構成とし、また切換
器12を変圧器6により検出された電圧Vが入力される比
較器14により切換可能にしている。
ここで、有効電力制御優先制御部11は第4図と同様に
有効電力の基準値Prefおよび無効電力の基準値Qrefに対
して有効電力の基準値Prefを優先とし、変換装置の容量
S(KVA)と有効電力の基準値Prefとから無効電力制限
を求めて無効電力の基準値Qrefを制限し、自励式電力変
換装置2に有効電力の基準値Prefaおよび制限された無
効電力の基準値Qrefaを与えて制御を行なうものであ
る。また、無効電力制御優先制御部13は無効電力の基準
値Qrefを優先とし、無効電力信号を零にするために求め
られた無効電力の基準値Qrefと有効電力制御基準値に変
換装置の容量Sとから有効電力制限値 を求めて有効電力の基準値Prefを制限し、自励式電力変
換装置2に無効電力の基準値Qrefaおよび制限された有
効電力の基準値Prefaを与えて制御を行なうものであ
る。さらに、比較器14は交流系統の電圧レベルと設定レ
ベルとを比較し、電圧レベルが設定レベルよりも大きい
と判定されると有効電力制御優先制御部11側に切換え、
系統の電圧レベルが設定レベルよりも小さいと判定され
ると無効電力制御優先制御部13側に切換えるものであ
る。
次にこのように構成された自励式電力変換装置の制御
装置の作用について述べる。第1図の発電システムが通
常の系統運用状態にあるときは、比較器14により系統電
圧レベルが設定レベルよりも大きいと判定されているの
で、切換器12は有効電力制御優先制御部11側に切換られ
ている。従って、自励式電力変換装置2は有効電力制御
優先制御部11から出力される有効電力を優先した有効電
力基準値Prefaおよび無効電力基準値Qrefaにより制御さ
れるので、発電システムは系統運用から設定された発電
出力で運転される。このような状態にあるとき、例えば
負荷が系統運用上予想していた変動範囲を越えて増加方
向に急変し、系統全体にわたって電圧が低下すると、比
較器14により系統電圧レベルが設定レベルよりも小さい
ことが判定され、切換器12により有効電力制御優先制御
部11側から無効電力制御優先制御部13側に切換えられ
る。従って、自励式電力変換装置2は無効電力制御優先
制御部13から出力される無効電力制御を優先した無効電
力基準値Qrefaと有効電力基準値Prefaにより、系統連系
点から交流系統を見た無効電力が零になるように制御さ
れるので、系統に対して無効電力が補償および調整され
ることになり、系統電圧の低下を抑制することが可能と
なる。
その後、系統電圧が回復して系統電圧レベルが設定レ
ベルよりも大きくなると、比較器14からの切換信号によ
り切換器12が初めの有効電力制御優先制御部11側に切換
えられて自励式電力変換装置2が制御されるので、発電
システムは通常の系統運用から設定された発電出力に戻
すことができる。
なお、上記実施例では系統電圧低下時の無効電力制御
の考え方として交流系統の連系点から上位の系統を見た
ときの無効電力を零にする場合について述べたが、無効
電力制御基準値演算部10で系統電圧を一定に保つための
無効電力基準値を求めるようにしておけば、積極的に系
統側へ無効電力を供給することができる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、直流電源より発生
する直流電力を自励式電力変換装置により交流電力に変
換し、この交流電力を交流系統に供給するようにした発
電システムにおいて、系統全体の電圧が低下するような
無効電力の増加に対し、無効電力を速やかに補償、調整
できるようにしたので、系統全体の電圧を復帰させるこ
とができ、もって系統の安定化を図ることができる自励
式電力変換装置の制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される発電システムの一例を示す
回路構成図、第2図は本発明の一実施例を示す制御装置
の回路図、第3図は従来装置を適用した発電システムの
回路構成図、第4図は従来の制御装置を示す回路図であ
る。 1……直流電源、2……自励式電力変換装置、3……交
流電源系統、4……負荷、5……変流器、6……変圧
器、7……無効電力検出器、8……制御装置、9……有
効電力制御基準演算部、10……無効電力制御基準演算
部、11……有効電力制御優先制御部、12……切換器、13
……無効電力制御優先制御部、14……比較器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流電源より発生する直流電力を自励式電
    力変換装置により交流電力に変換し、この交流電力を交
    流系統に供給するようにした発電システムにおいて、 有効電力制御を優先して無効電力制御基準値に変換装置
    の容量Sと有効電力基準値Prefから決まる無効電力制限
    の制限をかけて前記自励式電力変換装置を制御する有効
    電力制御優先制御手段と、無効電力制御を優先して有効
    電力制御基準値に変換装置の容量Sと無効電力基準値Qr
    efから決まる有効電力制限値 の制限をかけて前記自励式電力変換装置を制御する無効
    電力制御優先制御手段と、前記交流系統の電圧レベルと
    設定レベルとを比較して電圧レベルが設定レベルよりも
    大きいか小さいかを判定する比較手段と、この比較手段
    により系統の電圧レベルが設定レベルよりも大きいと判
    定されると前記有効電力制御優先制御手段側に切換え、
    系統の電圧レベルが設定レベルよりも小さいと判定され
    ると前記無効電力制御優先制御手段側に切換える切換手
    段とを備えて有効電力と無効電力をそれぞれ独立して制
    御することを特徴とする自励式電力変換装置の制御装
    置。
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JP5335196B2 (ja) * 2007-03-13 2013-11-06 北陸電力株式会社 分散型電源用のインバータ連系装置の制御方法及びその制御装置
CN109066745B (zh) * 2018-08-09 2022-03-15 蔚来(安徽)控股有限公司 电储能系统及其运行控制方法、装置、系统

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