JP2708209B2 - 使用済核燃料被覆管の減容処理方法 - Google Patents

使用済核燃料被覆管の減容処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、使用済核燃料被覆管(ハルという)の処理
方法に係り、特に高温静水圧プレス法を用いてハルを固
化する減容処理方法に関するものである。
[従来の技術] 原子力発電所から運搬されてきたハルは、再処理プラ
ントでは、つぎのように処理される。まず、核燃料要素
を、機械的せん断機で数cm毎の小管片に切断し、予め準
備したバスケットに入れる。このバスケットごと硝酸中
に浸漬し、酸化物燃料を溶解する。したがって、バスケ
ット中にはハルのみが残溜し、これらを固体廃棄物とし
て減容して貯蔵される。ハルの貯蔵方法として、コンク
リート、ガラス、アスファルト等と共に固化する増量固
化法がある(原子力工業、第26巻、8号、p52〜56)。
また、かさ密度の小さいハルを機械的に圧縮させ、その
容積を減少させる機械圧縮法もある。
さらに、予めプレスによってハルを圧縮しておき、そ
の後、カプセルに充填し、密封した後に高温高圧気体雰
囲気下で圧縮成形する熱間静水圧プレス法(以下HIP法
という)等の手法がある。
[発明が解決しようとする課題] 上記の処理方法のうちHIP法を用いてハルを減容する
とジルコニウムの密度(約6.6g/cm3)に近い固化体を得
ることができるので、この方法が最も好ましい。
しかしながら、従来のHIP法は、ハルを塑性流動させ
る必要上、絶対温度でジルコニウムの融点のほぼ2/3近
くまで加熱して、流動抵抗を低くせねばならなかった。
すなわち、ジルコニウムの融点は約1,850℃なので、上
記の場合には約1,200℃の高温に加熱する必要があっ
た。室温からジルコニウムを加熱すると約860℃で六方
晶のα−Zrから体心立方晶のβ−Zrに相変態する。さ
て、ジルコニウム合金の被覆管結晶内に金属間化合物と
して存在している有害な放射性トリチウムは、α−Zrら
りβ−Zr内に高濃度に溶込む性質があることが知られて
いる。逆に、β−Zr状態からα−Zrまで冷却されると、
固溶限の差からトリチウムが放出される。
このように、従来のHIP処理においては、塑性流動を
容易にするために相変態温度(約860℃)以上に加熱し
た結果、トリチウムが被覆管結晶内から放出され易いと
いう課題があった。また、相変態温度以下の比較的低温
度でHIP処理すると、塑性流動が生じにくく、圧縮成形
性が悪いので、かさ密度が小さいという問題点があっ
た。
本発明の目的は、ハルの減容処理において、トリチウ
ムの放出が少ない相変態温度以下で、かつ圧縮成形性に
すぐれた使用済核燃料被覆管の減容処理方法を提供する
ことである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための本発明に係る使用済核燃料
被覆管の減容処理方法の構成は、使用済みの、ジルコニ
ウム合金製の核燃料被覆管を、高温静水圧圧縮工程を有
する熱間静水圧プレス法によって減容処理する方法にお
いて、高温静水圧圧縮工程に先立って、ハロゲン・アル
コール溶液によって、核燃料被覆管を脆化させる脆化工
程を設け、前記高温静水圧圧縮工程における前記核燃料
被覆管の加熱温度を、600±50℃にしたことである。
[作用] 本発明では、ハルを熱間で圧縮する前にハロゲン・ア
ルコール溶液中に浸漬する。この処理によってハルは著
しく脆化する。第3図は、ヨウ素1重量%メチルアルコ
ール溶液中に、未照射ジルカロイ−2を室温以下で、0
〜280時間浸漬後のリング引張試験結果である。この結
果によると、破断に要する応力は、上記溶液中への浸漬
時間、0〜70時間のものは破断応力約500MPaであるが、
140時間浸漬すると100MPa以下で、また280時間浸漬の場
合には、わずか20〜30MPaで破断することがわかる。
すなわち、ヨウ素1重量%メチルアルコール中に浸漬
したハルの結晶粒界は、著しい脆化を受け、ごく、小さ
な圧縮力によっても粒界が破壊し、容易に変形させるこ
とができる。したがって、相変態温度以下(例えば600
℃)でも、固化成形することが可能となる。
つぎに、脆化液の濃度および含有水分に対する特性を
調べた結果を、第4図および第5図を用いて説明する。
第4図は、メチルアルコール中のヨウ素濃度が引張強
さに及ぼす影響を示すものである。第4図によれば、ヨ
ウ素濃度は、0.5〜2.0重量%の添加が有効である。第5
図は、1重量%ヨウ素・メチルアルコール溶液を用いて
脆化処理を実施した場合に、脆化液中の水分%(体積)
と引張強さMPaとの特性曲線である。第5図によれば、
水分は、3〜30%(体積)が有効であり、30%(体積)
以上では、脆化能力が急激に低下することがわかった。
つぎに、HIP法によるハル圧縮のための加熱温度につ
いて、第2図を用いて説明する。
第2図は、ジルカロイ−2の試験片を用いて、高温引
張試験を実施し、得られた結果を、試験温度(横軸)−
応力(縦軸)の関係に取まとめて図示した特性曲線図で
ある。
第2図からわかるように、試験温度500℃では、応力
は約10kg/mm2であるが、550〜650℃になると、応力は8k
g/mm2にまで低減し、極小値を示す。さらに700〜800℃
では反って応力は増大し、800℃付近では極大値を示
す。800℃を超えると、応力は急激に減少する傾向を示
す。これは、約860℃付近にα−Zrβ−Zrの相変態点
が存在するためである。
したがって、従来例では、HIP法によるハルの処理温
度は、応力の低減する860℃以上の高温で実施してき
た。前記したように、高温になると有毒なトリチウムガ
スの放出量が増加すること、また、HIP法による処理に
先立つ脆化処理の効果などにより、上記のような低温処
理が可能となった。すなわち、本発明では、600±50℃
を、その処理温度として採用することになった。
[実施例] 以下に本発明の一実施例を第1図を用いて説明する。
第1図は、使用済核燃料被覆管の減容処理工程を示す
工程図である。第1図の構成は、1は、原子炉から取出
したハル、2は、ハルの剪断、3は、被覆管に収納され
た使用済核燃料ペレットを硝酸で溶解する工程、4は、
上記ハルの中、被覆管と、溶解した核燃料を分離し、5
は、溶解液を精製する工程、6は、残溜したハルの予備
プレス、7は、プレスによって成形したハルを、HIP用
容器に充填、8は、上記容器にノズル付の上蓋を溶接、
9は、ノズルから脆化液を注入し、ハルを所定時間浸漬
した後、10は、脆化液を流出させ、11は、脱気、12は、
ノズルを圧着して密封、13は、高温静水圧法でハルを圧
縮成形、14は、保管工程である。
つぎに、上記工程の詳細について説明する。まず、ハ
ル1を剪断機2を用いて数cmの小管片状に切断し、溶解
槽のバスケットに入れて硝酸溶液で核燃料ペレットを溶
解し3、ハルと溶解ペレット溶液とを分離4する。分離
4後に、バスケット中に残溜したハルは、固体廃棄物と
して除去し、いわゆるチョップリーチ法が採用されてい
る。一方、分離後の溶解ペレットは、精製工程5に移さ
れ、別途処理される(省略)。ハルは予備プレス6によ
って成形され、ステンレス鋼製のHIP容器(直系20cm、
高さ20cm、板厚1mm)に充填7される。上記円筒状のHIP
容器には、脱気用ノズルを具備した上蓋を溶接する8。
この脱気用ノズルを介して、ヨウ素1重量%を溶したメ
チルアルコール溶液をHIP容器内に充填し9、ハルを浸
漬する。約140時間、室温で浸漬(第2図結果より)し
て、ハルを脆化した後、HIP容器の上下を逆転して、脆
化液を外部へ流出させる10。その後の動作は、従来のHI
P法に従って、ロータリポンプを用いて脱気し11、脱気
状態のままノズルを圧着し、密封し12、高温静水圧下で
圧縮13して、安全な場所にて保管する14。
このような減容処理工程を実施したところ、ハル結晶
内からのトリチウム放出量は、従来の約20%以下に低減
し、また、ハルを減容した固化体の密度は、従来と同程
のものが得られた。
以下に、その詳細を、図面を用いて説明する。
まず、トリチウム放出量の効果につき調べた。
原子炉内で使用済のジルカロイ−2燃料被覆管の小管
片20gを、電気炉の石英製炉心管内に挿入し、所定温度
に加熱し、一端から酸素ガスを送入し、他端から流出す
る酸素ガスを、コールドトラップを用いて回収し、液体
シンチレーション法を用いて、放出されるトリチウム量
(mci/g)を測定した。
電気炉の温度を、従来法(A)の場合には、約1,100
℃に加熱し、また本発明法(B)の場合には、600℃に
加熱して、夫々のトリチウム放出量を測定した。
第6図(1)は、上記の(A),(B)のデータを整
理した上、図示したものである。
第6図(1)によれば、本発明法(B)は、従来法
(A)の約20%に激減している。すなわち、本発明法に
よるトリチウム放出量は、従来法によるものの20%以下
に低減しており、放射性トリチウムの環境への放出は抑
制され、放射線管理上は、きわめて有効な方法である。
つぎに、かさ密度の効果につき説明する。
小管片に剪断された非照射材のジルカロイ−2被覆管
約3kgにトリチウムの模擬ガスとして水素約100重量ppm
を添加し、模擬ハルを製作した。
上記の模擬ハルを、2分割して、夫々1.5kgづつとし
た。従来法(A)によるHIP処理でハルを固化した固化
体のかさ密度と、本発明法(B)による脆化処理後に、
600±50℃でHIP法により固化した固化体のかさ密度と
を、各々4回繰返し測定した結果を、第6図(2)にま
とめてプロットした。
第6図(2)の結果から、(A),(B)両法による
差異は小さく、稠密度化能力は、ほぼ同等であることが
わかった。
本実施例の効果は、HIP処理する前に、ヨウ素1重量
%メチルアルコール溶液中に、約140時間浸漬して、ハ
ルを脆化させることにより、HIP処理の温度は、600±50
℃でよく、従ってハルからのトリチウムの放出が少ない
状態で減容処理ができるようになった。
すなわち、HIP処理の温度は、600±50℃が最適であ
り、最高圧力は、2000kg/cm3のアルゴンガス圧で、圧縮
成形することができる。また、本発明の処理法を採用す
ると、理論密度(約6.6g/cm3)に近い固化体を得ること
ができる。
なお、本発明における動作は、すべて放射線管理区域
内で実施されるものである。
[発明の効果] 本発明の効果は、従来法におけるハルのHIP処理に比
して、加熱温度が低温なので、作業性、経済性ともに効
率がよい。また、加熱温度は、ジルカロイ−2の相変態
温度以下なので、放射性トリチウムの環境への放出量が
著しく低減され、放射線管理上はきわめて好都合であ
る。
以上要するに、ハルの減容処理において、トリチウム
の放出が少ない相変態温度以下で、圧縮成形性にすぐれ
た使用済核燃料被覆管の減容処理方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る使用済核燃料要素の減容処理工
程図、第2図は、ジルカロイ−2の高温引張試験におけ
る温度−強度特性図、第3図は、ヨウ素・アルコール溶
液に浸漬後のジルカロイ−2の引張試験結果図、第4図
は、メチルアルコール中のヨウ素濃度と引張強さの関係
図、第5図は、ヨウ素・メチルアルコール溶液中の水分
と引張強さの関係図、第6図(1)は、本実施例の処理
法と従来例の処理法におけるトリチウム量の比較図、第
6図(2)は、同じく、両方法による固化体密度の比較
図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用済みの、ジルコニウム合金製の核燃料
    被覆管を、 高温静水圧圧縮工程を有する熱間静水圧プレス法によっ
    て減容処理する方法において、 高温静水圧圧縮工程に先立って、 ハロゲン・アルコール溶液によって、核燃料被覆管を脆
    化させる脆化工程を設け、 前記高温静水圧圧縮工程における前記核燃料被覆管の加
    熱温度を、600±50℃にした ことを特徴とする使用済核燃料被覆管の減容処理方法。
  2. 【請求項2】ハロゲン・アルコール溶液を、 メチルアルコール中に、ヨウ素0.5〜2重量%,水分3
    〜30体積%を添加してなるメチルアルコール溶液にした ことを特徴とする請求項1記載の使用済核燃料被覆管の
    減容処理方法。
  3. 【請求項3】脆化工程を、 核燃料被覆管を、常温のハロゲン・アルコール溶液中に
    約140時間浸漬する浸漬処理工程にした ことを特徴とする請求項1記載の使用済核燃料被覆管の
    減容処理方法。
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