JP2707589B2 - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザ光等の光を用いて情報を記録、再生
または消去を行なう光記録媒体に関する。
または消去を行なう光記録媒体に関する。
[従来の技術] 従来の光記録媒体は、光学的な変化を利用して情報の
記録、再生あるいは消去を行なうための記録層が、空気
中の水分や酸素、あるいは熱によって酸化腐食を受け、
保存、運搬あるいは使用中に記録層の光学特性が劣化す
るばかりでなく、ピンホールが多量に発生するため使用
できなくなるという欠点を有していた。そこで特開昭59
−110052号公報、特開昭60−131659号公報のように保護
膜として、アルミニウムの窒化物、珪素の窒化物、Mg
F2、ZnS、CoF2、AlF3・3NaFなどの非酸化物、特開昭58
−215744号公報のようにSiO2、SiO、Al2O3、ZrO2、TiO2
などの酸化物や、特開昭62−54855号公報、特開昭62−2
22454号公報のように金属窒化物や金属酸化物を混合ま
たは積層したもの、特開昭62−114134号公報のように炭
化珪素と金属酸化物の混合層などの保護層をスパッタリ
ング、蒸着、イオンプレーティング、CVDなどの真空成
膜法により成膜して使用していた。
記録、再生あるいは消去を行なうための記録層が、空気
中の水分や酸素、あるいは熱によって酸化腐食を受け、
保存、運搬あるいは使用中に記録層の光学特性が劣化す
るばかりでなく、ピンホールが多量に発生するため使用
できなくなるという欠点を有していた。そこで特開昭59
−110052号公報、特開昭60−131659号公報のように保護
膜として、アルミニウムの窒化物、珪素の窒化物、Mg
F2、ZnS、CoF2、AlF3・3NaFなどの非酸化物、特開昭58
−215744号公報のようにSiO2、SiO、Al2O3、ZrO2、TiO2
などの酸化物や、特開昭62−54855号公報、特開昭62−2
22454号公報のように金属窒化物や金属酸化物を混合ま
たは積層したもの、特開昭62−114134号公報のように炭
化珪素と金属酸化物の混合層などの保護層をスパッタリ
ング、蒸着、イオンプレーティング、CVDなどの真空成
膜法により成膜して使用していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来技術の場合、次のような問題
があった。
があった。
すなわち、酸化物や弗化物の場合、保護特性が悪く空
気中の酸素や水分を吸着、浸透し、記録層の光学特性に
変化をきたすばかりでなく、ピンホールが多発し、さら
に記録層や基板との接着力が弱く剥離しやすいという欠
点を有し、また金属窒化物は基板にプラスチックを用い
た場合、クラックが発生しやすいという欠点を有し、金
属窒化物と金属酸化物を混合、または積層したものおよ
び、炭化ケイ素と金属酸化物を混合したものにおいても
保護特性が不十分で、記録層の光学特性の変化をきたし
実用的ではなかった。
気中の酸素や水分を吸着、浸透し、記録層の光学特性に
変化をきたすばかりでなく、ピンホールが多発し、さら
に記録層や基板との接着力が弱く剥離しやすいという欠
点を有し、また金属窒化物は基板にプラスチックを用い
た場合、クラックが発生しやすいという欠点を有し、金
属窒化物と金属酸化物を混合、または積層したものおよ
び、炭化ケイ素と金属酸化物を混合したものにおいても
保護特性が不十分で、記録層の光学特性の変化をきたし
実用的ではなかった。
本発明はかかる従来技術の諸欠点に鑑み創案されたも
ので、その目的は良好な記録層保護性能、すなわち記録
層の膜質変化や性能劣化を抑え、しかも記録層との接着
力の優れた誘電体層を備えた光記録媒体を提供すること
にある。
ので、その目的は良好な記録層保護性能、すなわち記録
層の膜質変化や性能劣化を抑え、しかも記録層との接着
力の優れた誘電体層を備えた光記録媒体を提供すること
にある。
かかる本発明の目的は、基板上に記録層と誘電体層を
備えた光記録媒体において、上記誘電体層がZr(ジルコ
ニウム)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)およびW(タ
ングステン)から選ばれた少なくとも1種の金属と、ケ
イ素、酸素および炭素を含む成分からなり、かつ、該誘
電体層中のケイ素の含有率が30原子%以下であることを
特徴とする光記録媒体により達成される。
備えた光記録媒体において、上記誘電体層がZr(ジルコ
ニウム)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)およびW(タ
ングステン)から選ばれた少なくとも1種の金属と、ケ
イ素、酸素および炭素を含む成分からなり、かつ、該誘
電体層中のケイ素の含有率が30原子%以下であることを
特徴とする光記録媒体により達成される。
本発明の光記録媒体は少なくとも基板と該基板上に形
成された記録層と誘電体層とを備えてなるものである。
誘電体層は記録層の片面または両面に隣接して設けるこ
とができる。
成された記録層と誘電体層とを備えてなるものである。
誘電体層は記録層の片面または両面に隣接して設けるこ
とができる。
誘電体層はZr、Ta、TiおよびWから選ばれた少なくと
も1種の金属と、ケイ素、酸素および炭素を含む成分か
ら形成されるもので、各成分の組成は特に限定されない
が、誘電体層中の各成分の好ましい含有量としては、上
記金属の含有量は3原子%〜40原子%、ケイ素の含有量
は5原子%〜30原子%、酸素の含有量は5原子%〜70原
子%、炭素の含有量は3原子%〜40原子%の範囲である
ことが好ましい。
も1種の金属と、ケイ素、酸素および炭素を含む成分か
ら形成されるもので、各成分の組成は特に限定されない
が、誘電体層中の各成分の好ましい含有量としては、上
記金属の含有量は3原子%〜40原子%、ケイ素の含有量
は5原子%〜30原子%、酸素の含有量は5原子%〜70原
子%、炭素の含有量は3原子%〜40原子%の範囲である
ことが好ましい。
上記金属と炭素の含有量がそれぞれ3原子%未満の場
合には湿熱環境下での記録層に対する保護効果が低く実
用的でない。また該金属と炭素の含有量がそれぞれ40原
子%より多い場合には光学特性が変化しやすいという難
点がある。
合には湿熱環境下での記録層に対する保護効果が低く実
用的でない。また該金属と炭素の含有量がそれぞれ40原
子%より多い場合には光学特性が変化しやすいという難
点がある。
特に記録層や基板との接着性が良好でかつ記録層の反
射率変化が極めて小さくできる点からは、上記金属の含
有量は5原子%〜35原子%、ケイ素の含有量は10原子%
〜30原子%、酸素の含有量は10原子%〜65原子%、かつ
炭素の含有量は3原子%〜35原子%の範囲にあることが
好ましい。
射率変化が極めて小さくできる点からは、上記金属の含
有量は5原子%〜35原子%、ケイ素の含有量は10原子%
〜30原子%、酸素の含有量は10原子%〜65原子%、かつ
炭素の含有量は3原子%〜35原子%の範囲にあることが
好ましい。
誘電体層の膜厚は3nm〜400nmの範囲が好ましく、より
好ましくは10nm〜200nmである。
好ましくは10nm〜200nmである。
本発明における記録層としては公知の光学的記録層が
使用可能であり、例えば記録層に集光したレーザ光を照
射することにより記録層の結晶構造を変化させる(例え
ば結晶から非晶質またはその逆、あるいは六方晶から立
方晶またはその逆等)つまり相変態により情報を記録で
きる材料、または記録層にレーザ光を照射することによ
り穴を開けるかまたはバブルを形成するなどの記録部分
の形状を変化させ情報を記録する材料からなるもの、あ
るいは磁気記録層に集光したレーザ光を照射することに
より磁化反転を起こさせ情報を記録する材料からなるも
の等が挙げられる。
使用可能であり、例えば記録層に集光したレーザ光を照
射することにより記録層の結晶構造を変化させる(例え
ば結晶から非晶質またはその逆、あるいは六方晶から立
方晶またはその逆等)つまり相変態により情報を記録で
きる材料、または記録層にレーザ光を照射することによ
り穴を開けるかまたはバブルを形成するなどの記録部分
の形状を変化させ情報を記録する材料からなるもの、あ
るいは磁気記録層に集光したレーザ光を照射することに
より磁化反転を起こさせ情報を記録する材料からなるも
の等が挙げられる。
本発明に用いられる基板としては、プラスチック、ガ
ラス、アルミニウムなど従来の記録媒体と同様なもので
よい。収束光により基板側から記録することによってご
みの影響を避ける場合には、基板として透明材料を用い
ることが好ましい。上記のような材料としては、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ガ
ラスなどが挙げられる。好ましくは、複屈折が小さいこ
と、形成が容易であることから、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ガラスがよ
い。基板の厚さは、特に限定するものではないが、10ミ
クロン〜5ミリメートルの範囲が実用的である。10ミク
ロン未満では基板側から収束光で記録する場合でもごみ
の影響を受けやすくなり、5ミリメートルを越える場合
には、収束光で記録する場合、対物レンズの開口数を大
きくすることができなくなり、ピットサイズが大きくな
るため記録密度を上げることが困難になる。
ラス、アルミニウムなど従来の記録媒体と同様なもので
よい。収束光により基板側から記録することによってご
みの影響を避ける場合には、基板として透明材料を用い
ることが好ましい。上記のような材料としては、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ガ
ラスなどが挙げられる。好ましくは、複屈折が小さいこ
と、形成が容易であることから、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ガラスがよ
い。基板の厚さは、特に限定するものではないが、10ミ
クロン〜5ミリメートルの範囲が実用的である。10ミク
ロン未満では基板側から収束光で記録する場合でもごみ
の影響を受けやすくなり、5ミリメートルを越える場合
には、収束光で記録する場合、対物レンズの開口数を大
きくすることができなくなり、ピットサイズが大きくな
るため記録密度を上げることが困難になる。
基板はフレキシブルなものであっても良いし、リジッ
ドなものであっても良い。フレキシブルな基板は、テー
プ状、あるいはカード型または円形などのシート状で用
いることができる。リジットな基板は、カード状、ある
いは円形デイスク状で用いることができる。
ドなものであっても良い。フレキシブルな基板は、テー
プ状、あるいはカード型または円形などのシート状で用
いることができる。リジットな基板は、カード状、ある
いは円形デイスク状で用いることができる。
本発明の光記録媒体の記録、再生および消去に用いる
光としては、レーザ光やストロボ光のごとき光であり、
とりわけ、半導体レーザを用いることは、光源が小型で
かつ消費電力が小さく、変調が容易であることから好ま
しい。
光としては、レーザ光やストロボ光のごとき光であり、
とりわけ、半導体レーザを用いることは、光源が小型で
かつ消費電力が小さく、変調が容易であることから好ま
しい。
本発明における光記録媒体は基板上に記録層を形成
し、該記録層上に本発明における誘電体層を形成した構
造、あるいは基板上に誘電体層、記録層および誘電体層
をこの順に積層した構造として用いられるものである。
し、該記録層上に本発明における誘電体層を形成した構
造、あるいは基板上に誘電体層、記録層および誘電体層
をこの順に積層した構造として用いられるものである。
さらに記録層の反射率の変化で信号を読み取る場合に
は、記録層の光の入射面と反対側の片面に金属などの反
射層を設けてもよく、さらに記録層と反射層の間に中間
層を設けることもでき、この中間層に本発明の誘電体層
を用いることもできる。
は、記録層の光の入射面と反対側の片面に金属などの反
射層を設けてもよく、さらに記録層と反射層の間に中間
層を設けることもでき、この中間層に本発明の誘電体層
を用いることもできる。
基板に記録層、誘電体層および必要に応じて設けた反
射層などを形成した光記録媒体は、さらに該層の形成面
の上に、樹脂層、例えば放射線硬化性樹脂などの層を設
けて単板として使用することができるし、また、また、
エヤーサンドイッチ構造、エアーインシデント構造、密
着はりあわせ構造などとして、他の部材もしくは同種の
基板と2枚はりあわせて使用することもできる。
射層などを形成した光記録媒体は、さらに該層の形成面
の上に、樹脂層、例えば放射線硬化性樹脂などの層を設
けて単板として使用することができるし、また、また、
エヤーサンドイッチ構造、エアーインシデント構造、密
着はりあわせ構造などとして、他の部材もしくは同種の
基板と2枚はりあわせて使用することもできる。
本発明において、記録層および誘電体層の形成には、
スパッタリング、または真空蒸着、さらにイオンプレー
ティン、CVD法など公知の薄膜形成技術を用いることが
できる。
スパッタリング、または真空蒸着、さらにイオンプレー
ティン、CVD法など公知の薄膜形成技術を用いることが
できる。
以下1例として基板、誘電体層、記録層および誘電体
層の構成からなる本発明の光記録媒体を形成する方法に
ついて説明する。
層の構成からなる本発明の光記録媒体を形成する方法に
ついて説明する。
まず基板上に、例えばSiO2ターゲットとZr、Taなどの
金属の少なくとも1種が含有された金属の炭化物ターゲ
ットを同時スパッタすることにより誘電体層を形成す
る。次いで該誘電体層上に記録層形成材料のターゲット
をスパッタすることにより記録層を形成し、さらにこの
記録層上に前記と同様にして誘電体層を形成することに
より得ることができる。
金属の少なくとも1種が含有された金属の炭化物ターゲ
ットを同時スパッタすることにより誘電体層を形成す
る。次いで該誘電体層上に記録層形成材料のターゲット
をスパッタすることにより記録層を形成し、さらにこの
記録層上に前記と同様にして誘電体層を形成することに
より得ることができる。
スパッタリング方法としては特に限定されず、例えば
Ar雰囲気中でのRFマグネトロンスパッタ等の慣用手段を
用いることができる。
Ar雰囲気中でのRFマグネトロンスパッタ等の慣用手段を
用いることができる。
また基板上の組成を均一化するため基板を回転させる
ことは有効であり、さらに複数の基板を同一円盤上に配
して、該円盤を回転させることによりさらに基板も回転
するいわゆる自公転機構を有することはより有効であ
り、さらに膜厚分布の均一化、および誘電体層の組成の
均一化のため複数、例えば複数のターゲットを互いに近
接して配するか、または回転円盤の中心から放射状、好
ましくは同一円周上に等配に配することも有効である。
ことは有効であり、さらに複数の基板を同一円盤上に配
して、該円盤を回転させることによりさらに基板も回転
するいわゆる自公転機構を有することはより有効であ
り、さらに膜厚分布の均一化、および誘電体層の組成の
均一化のため複数、例えば複数のターゲットを互いに近
接して配するか、または回転円盤の中心から放射状、好
ましくは同一円周上に等配に配することも有効である。
上述の製法において誘電体層の組成比は、使用するSi
O2と金属炭化物の蒸発量により決められ、蒸発量の制御
は各ターゲットへ供給する電力により行うことができ
る。具体的には予め蒸発量と電力量との関係を検討し、
所望の蒸発量に見合う電力を供給してもよいし、または
蒸発量を例えば水晶式膜厚モニタでモニタしながら供給
する電力を制御するようにしてもよい。
O2と金属炭化物の蒸発量により決められ、蒸発量の制御
は各ターゲットへ供給する電力により行うことができ
る。具体的には予め蒸発量と電力量との関係を検討し、
所望の蒸発量に見合う電力を供給してもよいし、または
蒸発量を例えば水晶式膜厚モニタでモニタしながら供給
する電力を制御するようにしてもよい。
誘電体層の膜厚はSiO2と金属炭化物の単位時間当りの
蒸発量と時間の積の和、またはSiO2と金属炭化物のモニ
タ値の和で知ることができる。また記録層の膜厚は、記
録層材料の単位時間当りの蒸発量と時間の積または記録
層材料のモニタ値で知ることができる。真空度は特に限
定されるものではないが、例えば5×10-2Paから1Pa程
度である。
蒸発量と時間の積の和、またはSiO2と金属炭化物のモニ
タ値の和で知ることができる。また記録層の膜厚は、記
録層材料の単位時間当りの蒸発量と時間の積または記録
層材料のモニタ値で知ることができる。真空度は特に限
定されるものではないが、例えば5×10-2Paから1Pa程
度である。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお実施例中の特性は以下の方法で評価したものであ
る。
る。
(1) 誘電体層の組成 誘電体層中の金属とケイ素の相対組成はICP発光分析
(セイコー電子工業(株)製FTS−1100型使用)により
測定し、ケイ素と酸素と炭素の相対組成はX線光電子分
光法(VG Scientific社製,ESCALAB 5使用)により測定
した。
(セイコー電子工業(株)製FTS−1100型使用)により
測定し、ケイ素と酸素と炭素の相対組成はX線光電子分
光法(VG Scientific社製,ESCALAB 5使用)により測定
した。
(2) 反射率変化 光記録媒体を、酸素濃度0.01%以下の窒素雰囲気中で
250℃、10分間アニールして記録層を結晶化させた後、6
0℃、90%RHの中に置き、各経過時間におけるガラス面
からの反射率を分光測定器により測定(測定波長:830n
m)し、次式により反射率を求める。
250℃、10分間アニールして記録層を結晶化させた後、6
0℃、90%RHの中に置き、各経過時間におけるガラス面
からの反射率を分光測定器により測定(測定波長:830n
m)し、次式により反射率を求める。
R0:0時間の反射率 Rt:1000時間後の反射率 (3) 接着力評価 光記録媒体を25℃±3℃、60%RH±10%の大気中に24
±2時間放置した後、基板と記録層および誘電体層(誘
電体層を記録層の両側に設けた場合は、基板と両側の誘
電体層および記録層)を2mm間隔で25の碁盤目状にカッ
ティングを行い、“セロテープ”(ニチバン(株)製、
34mm幅)を貼り、180゜方向に引きはがし、基板上に残
た誘電体層および記録層の数で表わす。
±2時間放置した後、基板と記録層および誘電体層(誘
電体層を記録層の両側に設けた場合は、基板と両側の誘
電体層および記録層)を2mm間隔で25の碁盤目状にカッ
ティングを行い、“セロテープ”(ニチバン(株)製、
34mm幅)を貼り、180゜方向に引きはがし、基板上に残
た誘電体層および記録層の数で表わす。
(4) 外観評価 光記録媒体を目視および光学顕微鏡によりクラックの
有無、色調の変化等を観察評価を行う。
有無、色調の変化等を観察評価を行う。
実施例1 下面中央に2個の基板取付け用装着部を有する回転可
能な円盤を備え、該円盤を回転することにより上記基板
も回転するようにした装置と、該円盤の下方で回転中心
から等配の放射線状上で、かつ同一円周上にターゲット
中心が位置するように配した3つのターゲットを有し、
各々のターゲットの蒸発量をモニタするするための水晶
式膜厚モニタ(INFICOM社製 XTC)を設置したスパッタ
装置を使用して実施した。
能な円盤を備え、該円盤を回転することにより上記基板
も回転するようにした装置と、該円盤の下方で回転中心
から等配の放射線状上で、かつ同一円周上にターゲット
中心が位置するように配した3つのターゲットを有し、
各々のターゲットの蒸発量をモニタするするための水晶
式膜厚モニタ(INFICOM社製 XTC)を設置したスパッタ
装置を使用して実施した。
上記基板装着部の一方にポリカーボネート基板を、他
方にガラス基板を取り付け、また3つのターゲットにそ
れぞれSiO2、ZrC(炭化ジルコニウム)およびTe50Ge50
(数字は原子%を示す)を充填した。
方にガラス基板を取り付け、また3つのターゲットにそ
れぞれSiO2、ZrC(炭化ジルコニウム)およびTe50Ge50
(数字は原子%を示す)を充填した。
次に上記円盤を30rpmで回転させ、SiO2が74mol%、Zr
Cが26mol%の蒸発量となるように、SiO2ターゲットとZr
Cターゲットへの供給電力をそれぞれ制御しながら2個
のターゲットを同時にRFマグネトロンスパッタ法により
スパッタして、2個の膜厚モニタ値の和が、800Åとな
るまで誘電体層を形成した。
Cが26mol%の蒸発量となるように、SiO2ターゲットとZr
Cターゲットへの供給電力をそれぞれ制御しながら2個
のターゲットを同時にRFマグネトロンスパッタ法により
スパッタして、2個の膜厚モニタ値の和が、800Åとな
るまで誘電体層を形成した。
次いで、TeGeターゲットをRFマグネトロンスパッタ法
により、膜厚モニタ値が1000Åとなるまでスパッタして
誘電体層上に記録層を形成した。
により、膜厚モニタ値が1000Åとなるまでスパッタして
誘電体層上に記録層を形成した。
さらに該記録層の上に前述と同様にして誘電体層800
Åを積層して基板の異なる2個の光記録媒体を得た。
Åを積層して基板の異なる2個の光記録媒体を得た。
このようにして作成した光記録媒体の誘電体層を前記
した方法により組成分析を行ったところSiが23原子%、
Zrが13原子%、Oが52原子%、Cが12原子%であった。
した方法により組成分析を行ったところSiが23原子%、
Zrが13原子%、Oが52原子%、Cが12原子%であった。
この光記録媒体を前記した評価方法により評価した結
果を表1に示す。
果を表1に示す。
実施例2〜4 実施例1のZrCに代りに、TaC(炭化タンタル)、TiC
(炭化チタン)、またはWC(炭化タングステン)のター
ゲットをそれぞれ用いて実施例1と同様にして光記録媒
体を作製した。このときの誘電体層形成時の蒸発量はTa
Cを用いた場合はSiO270、TaC30(数字はmol%を示す。
以下同様)、TiCを用いた場合はSiO272、TiC28、WCを用
いた場合はSiO270、WC30とした。この光記録媒体を前記
した方法により評価した結果を表1に示す。
(炭化チタン)、またはWC(炭化タングステン)のター
ゲットをそれぞれ用いて実施例1と同様にして光記録媒
体を作製した。このときの誘電体層形成時の蒸発量はTa
Cを用いた場合はSiO270、TaC30(数字はmol%を示す。
以下同様)、TiCを用いた場合はSiO272、TiC28、WCを用
いた場合はSiO270、WC30とした。この光記録媒体を前記
した方法により評価した結果を表1に示す。
表1から明らかなごとく本発明のZr、Ta、TiおよびW
の少なくとも一種とケイ素、酸素および炭素を含有する
誘電体層を設けたものは湿熱環境での反射率変化が小さ
いことから記録層への水分、酸素等の浸透を遮断して記
録層の腐蝕を防止している。さらにクラックも発生せず
接着力も後述する比較例の誘電体層にSiO2のみを用いた
ものに比べ著しく優れている。中でも融点が3000℃以上
のZrC、TaCおよびTiCを用いたものが特に反射率変化が
小さく良好である。
の少なくとも一種とケイ素、酸素および炭素を含有する
誘電体層を設けたものは湿熱環境での反射率変化が小さ
いことから記録層への水分、酸素等の浸透を遮断して記
録層の腐蝕を防止している。さらにクラックも発生せず
接着力も後述する比較例の誘電体層にSiO2のみを用いた
ものに比べ著しく優れている。中でも融点が3000℃以上
のZrC、TaCおよびTiCを用いたものが特に反射率変化が
小さく良好である。
実施例5 本発明の誘電体層の構造を調べるため、実施例1の誘
電体層の形成方法と同様にして、全く同組成の誘電体膜
をカーボン付き金属メッシュ状に300Åの厚さに誘電体
層を形成し、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JE
M−1200EX)で観察した。
電体層の形成方法と同様にして、全く同組成の誘電体膜
をカーボン付き金属メッシュ状に300Åの厚さに誘電体
層を形成し、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JE
M−1200EX)で観察した。
その結果、上記の誘電体層には粒界、ボイドなどは見
られず緻密で均一な膜が形成されていることがわかっ
た。
られず緻密で均一な膜が形成されていることがわかっ
た。
また制限視野電子線回折像はハローパターンを示し、
本発明の誘電体層が均一な非晶質であることがわかる。
本発明の誘電体層が均一な非晶質であることがわかる。
比較例1〜3 実施例1のZrCの代りに、AlN(窒化アルミニウム)、
またはSi3N4(窒化ケイ素)のターゲットを用いた場
合、および誘電体層をSiO2のターゲットのみを用いた場
合とについて実施例1と同様に光記録媒体を形成した。
またはSi3N4(窒化ケイ素)のターゲットを用いた場
合、および誘電体層をSiO2のターゲットのみを用いた場
合とについて実施例1と同様に光記録媒体を形成した。
AlNを用いた場合はSiO272、AlN28mol%の蒸発量で、S
i3N4を用いた場合はSiO271mol%、Si3N429mol5の蒸発量
で誘電体層を形成した。評価結果を表1に示す。
i3N4を用いた場合はSiO271mol%、Si3N429mol5の蒸発量
で誘電体層を形成した。評価結果を表1に示す。
比較例から明らかなごとく、誘電体層にSiO2のみを用
いたものは接着力が弱く、しかも湿熱環境下において反
射率変化が大きく、AlNやSi3N4の窒化物を用いたものは
クラックが発生し実用的でない。
いたものは接着力が弱く、しかも湿熱環境下において反
射率変化が大きく、AlNやSi3N4の窒化物を用いたものは
クラックが発生し実用的でない。
[発明の効果] 本発明の光記録媒体は上述のごとく誘電体層を特定の
元素を含む成分で形成したので、次のごとき優れた効果
を奏するものである。
元素を含む成分で形成したので、次のごとき優れた効果
を奏するものである。
(1) 大気中の水分、酸素の記録層への浸透を該誘電
体層により効果的に遮断できるため、記録層の膜質変化
を抑制でき、耐湿熱特性は飛躍的に向上し長寿命化が可
能となる。
体層により効果的に遮断できるため、記録層の膜質変化
を抑制でき、耐湿熱特性は飛躍的に向上し長寿命化が可
能となる。
(2) 基板および記録層との接着力が飛躍的に強くな
り光記録媒体の性能および耐久性向上に大きく寄与する
ものである。
り光記録媒体の性能および耐久性向上に大きく寄与する
ものである。
(3) 非常に均一で緻密な誘電体層が形成されること
により記録層の保護性に優れる。
により記録層の保護性に優れる。
Claims (1)
- 【請求項1】基板上に記録層と誘電体層を備えた光記録
媒体において、上記誘電体層がZr、Ta、TiおよびWから
選ばれた少なくとも1種の金属と、ケイ素、酸素および
炭素を含む成分からなり、かつ、該誘電体層中のケイ素
の含有率が30原子%以下であることを特徴とする光記録
媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63105562A JP2707589B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63105562A JP2707589B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01277342A JPH01277342A (ja) | 1989-11-07 |
JP2707589B2 true JP2707589B2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=14410980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63105562A Expired - Fee Related JP2707589B2 (ja) | 1988-04-28 | 1988-04-28 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2707589B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2790874B2 (ja) * | 1989-10-11 | 1998-08-27 | 旭化成工業株式会社 | 光学情報記録媒体 |
TW561477B (en) | 2001-01-17 | 2003-11-11 | Tosoh Corp | Phase-change optical recording medium |
JP2019113282A (ja) * | 2017-12-26 | 2019-07-11 | トクデン株式会社 | 過熱水蒸気生成装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62114134A (ja) * | 1985-11-14 | 1987-05-25 | Canon Inc | 光学的情報記録媒体 |
-
1988
- 1988-04-28 JP JP63105562A patent/JP2707589B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01277342A (ja) | 1989-11-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |