JPH117664A - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents
光記録媒体の製造方法Info
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- JPH117664A JPH117664A JP16153497A JP16153497A JPH117664A JP H117664 A JPH117664 A JP H117664A JP 16153497 A JP16153497 A JP 16153497A JP 16153497 A JP16153497 A JP 16153497A JP H117664 A JPH117664 A JP H117664A
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- Japan
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- substrate
- recording medium
- film
- recording
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、容易に高品質の光記録媒体の製造方
法を提供せんとするものである。 【解決手段】基板上に形成された記録層に光を照射する
ことによって情報の記録、再生が可能である光記録媒体
の製造方法であって、前記記録媒体中の誘電体層をスパ
ッタリング成膜により形成するに際して、前記基板をプ
ラズマに曝さらされない位置におくことを特徴とするも
のである。 【効果】容易に高品質な光記録媒体の製造が行なえる。
法を提供せんとするものである。 【解決手段】基板上に形成された記録層に光を照射する
ことによって情報の記録、再生が可能である光記録媒体
の製造方法であって、前記記録媒体中の誘電体層をスパ
ッタリング成膜により形成するに際して、前記基板をプ
ラズマに曝さらされない位置におくことを特徴とするも
のである。 【効果】容易に高品質な光記録媒体の製造が行なえる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、再生が可能である光情報記録媒体の製造方
法に関するものである。
情報の記録、再生が可能である光情報記録媒体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光情報記録媒体には、基板や記録層の保
護等の目的で誘電体層を設けることが行われる。誘電体
層の成膜方法としてはマグネトロンスパッタリング法が
知られている(Masato Terada et al. Japanese Journa
l of Apllied Physics Vol.32(1993) p.5219)。
護等の目的で誘電体層を設けることが行われる。誘電体
層の成膜方法としてはマグネトロンスパッタリング法が
知られている(Masato Terada et al. Japanese Journa
l of Apllied Physics Vol.32(1993) p.5219)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の光記録媒体の製
造方法における課題は、成膜中にプラズマ中の高エネル
ギー粒子が膜に衝突するために、形成された膜の残留応
力が大きくなりやすいことである。膜の残留応力が大き
いと積層した場合に経時変化により層間で剥離が起きた
り、書き換え型記録媒体の場合には、繰り返し使用時に
バーストエラーが起きたりすることがある。
造方法における課題は、成膜中にプラズマ中の高エネル
ギー粒子が膜に衝突するために、形成された膜の残留応
力が大きくなりやすいことである。膜の残留応力が大き
いと積層した場合に経時変化により層間で剥離が起きた
り、書き換え型記録媒体の場合には、繰り返し使用時に
バーストエラーが起きたりすることがある。
【0004】本発明は、かかる従来の光記録媒体の課題
を解決し、容易に高品質の光記録媒体の製造方法を提供
せんとするものである。
を解決し、容易に高品質の光記録媒体の製造方法を提供
せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、基板上
に形成された記録層に光を照射することによって情報の
記録、再生が可能である光記録媒体の製造方法であっ
て、前記記録媒体中の誘電体層をスパッタリング成膜に
より形成するに際して、前記基板をプラズマに曝さらさ
れない位置におくことを特徴とする光記録媒体の製造方
法によって達成される。
に形成された記録層に光を照射することによって情報の
記録、再生が可能である光記録媒体の製造方法であっ
て、前記記録媒体中の誘電体層をスパッタリング成膜に
より形成するに際して、前記基板をプラズマに曝さらさ
れない位置におくことを特徴とする光記録媒体の製造方
法によって達成される。
【0006】また、本発明の目的は、基板上に形成され
た記録層に光を照射することによって情報の記録、再生
が可能である光記録媒体の製造方法であって、前記記録
媒体の誘電体層をスパッタリング成膜により形成するに
際して、該スパッタリング成膜を対向ターゲット式マグ
ネトロンスパッタリングにより行うことを特徴とする光
記録媒体の製造方法によって達成される。
た記録層に光を照射することによって情報の記録、再生
が可能である光記録媒体の製造方法であって、前記記録
媒体の誘電体層をスパッタリング成膜により形成するに
際して、該スパッタリング成膜を対向ターゲット式マグ
ネトロンスパッタリングにより行うことを特徴とする光
記録媒体の製造方法によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本方法によれば、容易に残留応力
の小さい誘電体層を形成することができるため、容易に
経時変化を少なくしたり繰り返し耐久性を高くすること
ができる。
の小さい誘電体層を形成することができるため、容易に
経時変化を少なくしたり繰り返し耐久性を高くすること
ができる。
【0008】本発明の光記録媒体においては、基板上に
少なくとも第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、反射
層をこの順で積層することが、記録時に基板、記録層な
どが熱によって変形し記録特性が劣化するのを防止する
など、基板、記録層を熱から保護する効果、光学的な干
渉効果により、再生時の信号コントラストを改善する効
果があることから好ましい。
少なくとも第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、反射
層をこの順で積層することが、記録時に基板、記録層な
どが熱によって変形し記録特性が劣化するのを防止する
など、基板、記録層を熱から保護する効果、光学的な干
渉効果により、再生時の信号コントラストを改善する効
果があることから好ましい。
【0009】本発明の第1誘電体層および第2誘電体層
としては、ZnS、SiO2、窒化シリコン、酸化アル
ミニウムなどの無機薄膜がある。特に、ZnSの薄膜、
Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、Ceなどの金属
の酸化物の薄膜、Si、Alなどの窒化物の薄膜、T
i、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜およびこれらの化合
物の混合物の膜が、耐熱性が高いことから好ましい。ま
た、これらに炭素や、MgF2などのフッ化物を混合し
たものも、膜の残留応力が小さいことから好ましい。特
に、ZnSとSiO2の混合膜あるいは、ZnSとSi
O2と炭素の混合膜は、記録、消去の繰り返しによって
も、記録感度、C/N、消去率などの劣化が起きにくい
ことから好ましく、特にZnSとSiO2と炭素の混合
膜が好ましい。ZnSとSiO2の混合膜においては、
SiO2の混合比が15〜35モル%が好ましく、Zn
SとSiO2と炭素を構成材料とする混合膜において
は、SiO2の混合比が15〜35モル%であり、炭素
の混合比が1〜15モル%であることが好ましい。
としては、ZnS、SiO2、窒化シリコン、酸化アル
ミニウムなどの無機薄膜がある。特に、ZnSの薄膜、
Si、Ge、Al、Ti、Zr、Ta、Ceなどの金属
の酸化物の薄膜、Si、Alなどの窒化物の薄膜、T
i、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜およびこれらの化合
物の混合物の膜が、耐熱性が高いことから好ましい。ま
た、これらに炭素や、MgF2などのフッ化物を混合し
たものも、膜の残留応力が小さいことから好ましい。特
に、ZnSとSiO2の混合膜あるいは、ZnSとSi
O2と炭素の混合膜は、記録、消去の繰り返しによって
も、記録感度、C/N、消去率などの劣化が起きにくい
ことから好ましく、特にZnSとSiO2と炭素の混合
膜が好ましい。ZnSとSiO2の混合膜においては、
SiO2の混合比が15〜35モル%が好ましく、Zn
SとSiO2と炭素を構成材料とする混合膜において
は、SiO2の混合比が15〜35モル%であり、炭素
の混合比が1〜15モル%であることが好ましい。
【0010】本発明の反射層の材質としては、光反射性
を有するAl、Auなどの金属、およびこれらを主成分
とし、Ti、Cr、Hf、などの添加元素を含む合金お
よびAl、Auなどの金属にAl、Siなどの金属窒化
物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物
を混合したものなどがあげられる。Al、Auなどの金
属、およびこれらを主成分とする合金は、光反射性が高
く、かつ熱伝導率を高くできることから好ましい。前述
の合金の例として、AlにSi、Mg、Cu、Pd、T
i、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、などの少なくとも
1種の元素を合計で5原子%以下、1原子%以上加えた
もの、あるいは、AuにCr、Ag、Cu、Pd、P
t、Niなどの少なくとも1種の元素を合計で20原子
%以下1原子%以上加えたものなどがある。特に、材料
の価格が安くできることから、Alを主成分とする合金
が好ましく、とりわけ、耐腐食性が良好なことから、A
lにTi、Cr、Ta、Hf、Zr、Mn、Pdから選
ばれる少なくとも1種以上の金属を合計で5原子%以下
0.5原子%以上添加した合金が好ましい。とりわけ、
耐腐食性が良好でかつヒロックなどの発生が起こりにく
いことから、反射層を添加元素を合計で0.5原子%以
上3原子%未満含む、Al−Hf−Pd合金、Al−H
f合金、Al−Ti合金、Al−Ti−Hf合金、Al
−Cr合金、Al−Ta合金、Al−Ti−Cr合金、
Al−Si−Mn合金のいずれかのAlを主成分とする
合金で構成することが好ましい。
を有するAl、Auなどの金属、およびこれらを主成分
とし、Ti、Cr、Hf、などの添加元素を含む合金お
よびAl、Auなどの金属にAl、Siなどの金属窒化
物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金属化合物
を混合したものなどがあげられる。Al、Auなどの金
属、およびこれらを主成分とする合金は、光反射性が高
く、かつ熱伝導率を高くできることから好ましい。前述
の合金の例として、AlにSi、Mg、Cu、Pd、T
i、Cr、Hf、Ta、Nb、Mn、などの少なくとも
1種の元素を合計で5原子%以下、1原子%以上加えた
もの、あるいは、AuにCr、Ag、Cu、Pd、P
t、Niなどの少なくとも1種の元素を合計で20原子
%以下1原子%以上加えたものなどがある。特に、材料
の価格が安くできることから、Alを主成分とする合金
が好ましく、とりわけ、耐腐食性が良好なことから、A
lにTi、Cr、Ta、Hf、Zr、Mn、Pdから選
ばれる少なくとも1種以上の金属を合計で5原子%以下
0.5原子%以上添加した合金が好ましい。とりわけ、
耐腐食性が良好でかつヒロックなどの発生が起こりにく
いことから、反射層を添加元素を合計で0.5原子%以
上3原子%未満含む、Al−Hf−Pd合金、Al−H
f合金、Al−Ti合金、Al−Ti−Hf合金、Al
−Cr合金、Al−Ta合金、Al−Ti−Cr合金、
Al−Si−Mn合金のいずれかのAlを主成分とする
合金で構成することが好ましい。
【0011】本発明の記録層としては、とくに限定する
ものではないが、Ge−Te合金、Ge−Sb−Te合
金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、
In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、
Ag−V−In−Sb−Te合金、In−Se合金など
がある。多数回の記録の書換が可能であることから、G
e−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、N
b−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金が好ましい。特
に、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金は、消去時間が短く、かつ多数回
の記録に優れることから好ましい。さらには、その組成
は次式で表される範囲にあることが熱安定性と繰り返し
安定性に優れている点からより好ましい。
ものではないが、Ge−Te合金、Ge−Sb−Te合
金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、
In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、
Ag−V−In−Sb−Te合金、In−Se合金など
がある。多数回の記録の書換が可能であることから、G
e−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、N
b−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金が好ましい。特
に、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−
Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金は、消去時間が短く、かつ多数回
の記録に優れることから好ましい。さらには、その組成
は次式で表される範囲にあることが熱安定性と繰り返し
安定性に優れている点からより好ましい。
【0012】 Mz(SbxTe1-x)1-y-z(Ge0.5Te0.5)y 0.35≦x≦0.5 0.2≦y≦0.5 0.0005≦z≦0.01 ここで、MはPd、Nb、Ptから選ばれる少なくとも
1種の金属を表す。また、x、y、zおよび数字は、各
元素の原子の数(各元素のモル数)を表す。
1種の金属を表す。また、x、y、zおよび数字は、各
元素の原子の数(各元素のモル数)を表す。
【0013】本発明の基板の材料としては、透明な各種
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。埃、基板の
傷などの影響を避けるために、透明基板を用い、集束し
た光ビームで基板側から記録を行うことが好ましく、こ
のような透明基板材料としては、ガラス、ポリカーボネ
ート、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられる。
特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小さく、成形が
容易であることからポリカーボネート樹脂、アモルファ
ス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。
の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。埃、基板の
傷などの影響を避けるために、透明基板を用い、集束し
た光ビームで基板側から記録を行うことが好ましく、こ
のような透明基板材料としては、ガラス、ポリカーボネ
ート、ポリメチル・メタクリレート、ポリオレフィン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあげられる。
特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小さく、成形が
容易であることからポリカーボネート樹脂、アモルファ
ス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0014】基板の厚さは特に限定するものではない
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビームで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。基板はフレキシブルなもの
であっても良いし、リジッドなものであっても良い。フ
レキシブルな基板は、テープ状、シート状、カード状で
使用する。リジッドな基板は、カード状、あるいはディ
スク状で使用する。また、これらの基板は、記録層など
を形成した後、2枚の基板を用いて、エアーサンドイッ
チ構造、エアーインシデント構造、密着張り合わせ構造
としてもよい。
が、0.01mm〜5mmが実用的である。0.01m
m未満では、基板側から集束した光ビームで記録する場
合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm以上では、
対物レンズの開口数を大きくすることが困難になり、照
射光ビームスポットサイズが大きくなるため、記録密度
をあげることが困難になる。基板はフレキシブルなもの
であっても良いし、リジッドなものであっても良い。フ
レキシブルな基板は、テープ状、シート状、カード状で
使用する。リジッドな基板は、カード状、あるいはディ
スク状で使用する。また、これらの基板は、記録層など
を形成した後、2枚の基板を用いて、エアーサンドイッ
チ構造、エアーインシデント構造、密着張り合わせ構造
としてもよい。
【0015】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
であり、特に半導体レーザー光は、光源が小型化できる
こと、消費電力が小さいこと、変調が容易であることか
ら好ましい。
【0016】相変化型光記録媒体の場合、記録は結晶状
態の記録層にレーザー光パルスなどを照射してアモルフ
ァスの記録マークを形成して行う。また、反対に非晶状
態の記録層に結晶状態の記録マークを形成しても良い。
消去はレーザー光照射によって、アモルファスの記録マ
ークを結晶化するか、もしくは結晶状態の記録マークを
アモルファス化して行うことができる。記録速度を高速
化でき、かつ記録層の変形が発生しにくいことから記録
時はアモルファスの記録マークを形成し、消去時は結晶
化を行う方法が好ましい。
態の記録層にレーザー光パルスなどを照射してアモルフ
ァスの記録マークを形成して行う。また、反対に非晶状
態の記録層に結晶状態の記録マークを形成しても良い。
消去はレーザー光照射によって、アモルファスの記録マ
ークを結晶化するか、もしくは結晶状態の記録マークを
アモルファス化して行うことができる。記録速度を高速
化でき、かつ記録層の変形が発生しにくいことから記録
時はアモルファスの記録マークを形成し、消去時は結晶
化を行う方法が好ましい。
【0017】また、記録マーク形成時は光強度を高く、
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射により、書
換を行う1ビームオーバーライトは、書換の所用時間が
短くなることから好ましい。
消去時はやや弱くし、1回の光ビームの照射により、書
換を行う1ビームオーバーライトは、書換の所用時間が
短くなることから好ましい。
【0018】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。すなわち、基板上に形成された記録層に光
を照射することによって情報の記録、再生が可能である
光記録媒体の製造方法であって、前記記録媒体中の誘電
体層をスパッタリング成膜により形成するに際して、前
記基板をプラズマに曝さらされない位置におくことを特
徴とする。基板がプラズマに曝されない位置に基板を置
くスパッタリング法としては、対向ターゲット式マグネ
トロンスパッタリング法や長距離スパッタリング法など
がある。基板がプラズマに曝されているとγ電子、負イ
オン、アルゴン原子などが基板に衝突し、形成された膜
にダメージを与え、残留応力を大きくすることがある
が、基板がプラズマに曝されていない場合は、かかる膜
へのダメージを極めて小さくするなどの利点がある。
いて述べる。すなわち、基板上に形成された記録層に光
を照射することによって情報の記録、再生が可能である
光記録媒体の製造方法であって、前記記録媒体中の誘電
体層をスパッタリング成膜により形成するに際して、前
記基板をプラズマに曝さらされない位置におくことを特
徴とする。基板がプラズマに曝されない位置に基板を置
くスパッタリング法としては、対向ターゲット式マグネ
トロンスパッタリング法や長距離スパッタリング法など
がある。基板がプラズマに曝されているとγ電子、負イ
オン、アルゴン原子などが基板に衝突し、形成された膜
にダメージを与え、残留応力を大きくすることがある
が、基板がプラズマに曝されていない場合は、かかる膜
へのダメージを極めて小さくするなどの利点がある。
【0019】本発明における対向ターゲット式マグネト
ロンスパッタリングとは、A、B2つのターゲットを対
向するように配置し、さらにそれぞれのターゲット背面
にマグネットを配置し、Aターゲットでは背面に位置す
るマグネットのN極側がターゲットに近接するように配
置し、Bターゲットでは背面に位置するマグネットのS
極側がターゲットに近接するように配置するものであ
る。かかるターゲットおよびマグネット配置により、γ
電子をプラズマ中に閉じこめやすくなり、基板をプラズ
マの外に置くことにより、基板へのγ電子の衝突量を低
減させることができる。さらにAターゲットを貫通した
磁力線のなるべく多くがBターゲットをも貫通するよう
にするのが、γ電子を効率よく閉じこめることができ、
基板に衝突するγ電子量をさらに低減させられることか
ら好ましい。
ロンスパッタリングとは、A、B2つのターゲットを対
向するように配置し、さらにそれぞれのターゲット背面
にマグネットを配置し、Aターゲットでは背面に位置す
るマグネットのN極側がターゲットに近接するように配
置し、Bターゲットでは背面に位置するマグネットのS
極側がターゲットに近接するように配置するものであ
る。かかるターゲットおよびマグネット配置により、γ
電子をプラズマ中に閉じこめやすくなり、基板をプラズ
マの外に置くことにより、基板へのγ電子の衝突量を低
減させることができる。さらにAターゲットを貫通した
磁力線のなるべく多くがBターゲットをも貫通するよう
にするのが、γ電子を効率よく閉じこめることができ、
基板に衝突するγ電子量をさらに低減させられることか
ら好ましい。
【0020】本発明は、種々の光記録媒体の製造に用い
ることができるが、特に相変化型光記録媒体の製造に好
ましく用いることができる。相変化型光記録媒体では、
記録層の相変化により記録・消去を行うため、記録層に
大きな温度変化が起きる。これに伴い誘電体層にも大き
な温度変化が起きるため、残留応力が大きいと、これが
引き金となり層間剥離等を起こしやすくなるからであ
る。
ることができるが、特に相変化型光記録媒体の製造に好
ましく用いることができる。相変化型光記録媒体では、
記録層の相変化により記録・消去を行うため、記録層に
大きな温度変化が起きる。これに伴い誘電体層にも大き
な温度変化が起きるため、残留応力が大きいと、これが
引き金となり層間剥離等を起こしやすくなるからであ
る。
【0021】反射層、記録層などを基板上に形成する方
法としては、真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが
あげられる。特に、成膜時に組成、膜厚のコントロール
が容易であることから、スパッタリング法が好ましい。
法としては、真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが
あげられる。特に、成膜時に組成、膜厚のコントロール
が容易であることから、スパッタリング法が好ましい。
【0022】形成する各層の厚さの制御は、水晶振動子
式膜厚計などで、堆積状態をモニタリングすることで、
容易に行える。記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のいずれでも良い。
式膜厚計などで、堆積状態をモニタリングすることで、
容易に行える。記録層などの形成は、基板を固定したま
ま、あるいは移動、回転した状態のいずれでも良い。
【0023】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層などを形成した後、傷、変形の防止
などのため、ZnS、SiO2などの誘電体層あるいは
紫外線硬化樹脂などを必要に応じて設けても良い。ま
た、反射層などを形成した後、あるいはさらに前述の樹
脂保護層を形成した後、2枚の基板を対向して、接着剤
で張り合わせても良い。
囲において、反射層などを形成した後、傷、変形の防止
などのため、ZnS、SiO2などの誘電体層あるいは
紫外線硬化樹脂などを必要に応じて設けても良い。ま
た、反射層などを形成した後、あるいはさらに前述の樹
脂保護層を形成した後、2枚の基板を対向して、接着剤
で張り合わせても良い。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0025】誘電体層膜厚は、水晶振動子膜厚計により
モニターした。
モニターした。
【0026】実施例1 対向ターゲット式マグネトロンスパッタリングで、厚さ
0.6mm、外径120mm、内径15mmのポリカー
ボネート基板上にZnS膜の形成を行った。まず、真空
容器内を6×10-4Paまで排気した後、1×10-1P
aのArガス雰囲気中でZnSターゲットに高周波を印
加し厚さ600nmの膜をスパッタ成膜した。
0.6mm、外径120mm、内径15mmのポリカー
ボネート基板上にZnS膜の形成を行った。まず、真空
容器内を6×10-4Paまで排気した後、1×10-1P
aのArガス雰囲気中でZnSターゲットに高周波を印
加し厚さ600nmの膜をスパッタ成膜した。
【0027】この試料を定盤上においたところ、成膜前
同様基板全面が定盤面に接しており、反りによる変形は
見られなかった。さらにこの試料を80℃相対湿度80
%の環境に1000時間おいた後も基板からの剥離など
は全く見られなかった。
同様基板全面が定盤面に接しており、反りによる変形は
見られなかった。さらにこの試料を80℃相対湿度80
%の環境に1000時間おいた後も基板からの剥離など
は全く見られなかった。
【0028】比較例1 ZnS膜のスパッタリング成膜を、その背面にS極とN
極の両方が隣接するように2つ以上のマグネットが配置
された通常のマグネトロンスパッタリング法で行った以
外は、実施例1と同様にして試料を作製した。
極の両方が隣接するように2つ以上のマグネットが配置
された通常のマグネトロンスパッタリング法で行った以
外は、実施例1と同様にして試料を作製した。
【0029】膜が付いていない面が定盤面に接するよう
に基板を定盤上に置いたところ、内径部が定盤面より
1.3mm浮いていることがノギスによる測定でわかっ
た。さらにこの試料を80℃相対湿度80%の環境に1
000時間おいた後に観察したところ、基板からの剥離
が認められた。
に基板を定盤上に置いたところ、内径部が定盤面より
1.3mm浮いていることがノギスによる測定でわかっ
た。さらにこの試料を80℃相対湿度80%の環境に1
000時間おいた後に観察したところ、基板からの剥離
が認められた。
【0030】実施例2 ターゲットをSiNxに変えた以外は実施例1と同様に
して試料作製を行った。この試料を定盤上においたとこ
ろ、成膜前同様基板全面が定盤面に接しており、反りに
よる変形は見られなかった。さらにこの試料を80℃相
対湿度80%の環境に1000時間おいた後も基板から
の剥離などは全く見られなかった。
して試料作製を行った。この試料を定盤上においたとこ
ろ、成膜前同様基板全面が定盤面に接しており、反りに
よる変形は見られなかった。さらにこの試料を80℃相
対湿度80%の環境に1000時間おいた後も基板から
の剥離などは全く見られなかった。
【0031】比較例2 ターゲットをSiNxに変えた以外は、比較例1と同様
にして試料作製を行った。膜が付いていない面が定盤面
に接するように基板を定盤上に置いたところ、内径部が
定盤面より0.8mm浮いていることがノギスによる測
定でわかった。さらにこの試料を80℃相対湿度80%
の環境に1000時間おいた後に観察したところ、基板
からの剥離が認められた。
にして試料作製を行った。膜が付いていない面が定盤面
に接するように基板を定盤上に置いたところ、内径部が
定盤面より0.8mm浮いていることがノギスによる測
定でわかった。さらにこの試料を80℃相対湿度80%
の環境に1000時間おいた後に観察したところ、基板
からの剥離が認められた。
【0032】実施例3 ターゲットをSiO2に変えただけで、後は実施例1と
同様にして試料作製を行った。この試料を定盤上におい
たところ、成膜前同様基板全面が定盤面に接しており、
反りによる変形は見られなかった。さらにこの試料を8
0℃相対湿度80%の環境に1000時間おいた後も基
板からの剥離などは全く見られなかった。
同様にして試料作製を行った。この試料を定盤上におい
たところ、成膜前同様基板全面が定盤面に接しており、
反りによる変形は見られなかった。さらにこの試料を8
0℃相対湿度80%の環境に1000時間おいた後も基
板からの剥離などは全く見られなかった。
【0033】比較例3 ターゲットをSiO2に変えた以外は、比較例1と同様
にして試料作製を行った。膜が付いていない面が定盤面
に接するように基板を定盤上に置いたところ、内径部が
定盤面より0.2mm浮いていることがノギスによる測
定でわかった。さらにこの試料を80℃相対湿度80%
の環境に1000時間おいた後に観察したところ、基板
からの剥離が認められた。
にして試料作製を行った。膜が付いていない面が定盤面
に接するように基板を定盤上に置いたところ、内径部が
定盤面より0.2mm浮いていることがノギスによる測
定でわかった。さらにこの試料を80℃相対湿度80%
の環境に1000時間おいた後に観察したところ、基板
からの剥離が認められた。
【0034】
【発明の効果】本発明では、容易に残留応力の小さく、
層間剥離が起きにくい誘電体層を堆積することができる
という効果が得られた。
層間剥離が起きにくい誘電体層を堆積することができる
という効果が得られた。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に形成された記録層に光を照射す
ることによって情報の記録、再生が可能である光記録媒
体の製造方法であって、前記記録媒体中の誘電体層をス
パッタリング成膜により形成するに際して、前記基板を
プラズマに曝さらされない位置におくことを特徴とする
光記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 基板上に形成された記録層に光を照射す
ることによって情報の記録、再生が可能である光記録媒
体の製造方法であって、前記記録媒体の誘電体層をスパ
ッタリング成膜により形成するに際して、該スパッタリ
ング成膜を対向ターゲット式マグネトロンスパッタリン
グにより行うことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】 情報の記録が、非晶相と結晶相の間の相
変化により行われるとを特徴とする請求項1または2記
載の光記録媒体の製造方法。 - 【請求項4】 光記録媒体が、情報の記録、消去再生が
可能であり、情報の記録および消去が、非晶相と結晶相
の間の相変化により行われる書き換え可能な光記録媒体
であることを特徴とする請求項1または2記載の光記録
媒体の製造方法。 - 【請求項5】 誘電体層が酸化物、炭化物、窒化物のい
ずれかもしくは、これの混合物であることを特徴とする
請求項1または3記載の光記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16153497A JPH117664A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 光記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16153497A JPH117664A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 光記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH117664A true JPH117664A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15736933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16153497A Pending JPH117664A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 光記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH117664A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4728624A (en) * | 1985-10-31 | 1988-03-01 | International Business Machines Corporation | Selective epitaxial growth structure and isolation |
-
1997
- 1997-06-18 JP JP16153497A patent/JPH117664A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4728624A (en) * | 1985-10-31 | 1988-03-01 | International Business Machines Corporation | Selective epitaxial growth structure and isolation |
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