JP2000067463A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2000067463A
JP2000067463A JP11164930A JP16493099A JP2000067463A JP 2000067463 A JP2000067463 A JP 2000067463A JP 11164930 A JP11164930 A JP 11164930A JP 16493099 A JP16493099 A JP 16493099A JP 2000067463 A JP2000067463 A JP 2000067463A
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recording layer
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amorphous
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Toshinaka Nonaka
敏央 野中
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶相と非晶相間の相変化において生じる体積
変化を小さくし、繰り返し記録、消去に対する耐久性を
向上させる。 【解決手段】光の照射による記録層のアモルファス相と
結晶相の間の相変化により情報の記録及び消去が行われ
る光記録媒体において、結晶相と非晶相の密度差が8.
0%以下であることを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。特に本発明は、記録情報の消去、書
換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可能
な光ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相変
化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】相変化の技術を用いた書換可能な相変化
光記録媒体は、Te合金を主成分とする記録層を有して
いるものが知られている。記録時は結晶状態の記録層に
集束したレーザ光パルスを短時間照射し、記録層を部分
的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、
固化し、非晶状態の記録マークが形成される。この記録
マークの光線反射率は、結晶状態より低く、光学的に記
録信号として再生可能である。さらに消去時には、記録
マーク部分にレーザー光を照射し、記録層の融点以下、
結晶化温度以上の温度に加熱することによって非晶状態
の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
【0003】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形のビームによる高速のオーバーライトが可能で
ある(T.Ohta et al, Proc.Int.Symp.on Optical Memor
y 1989 p49-50 )。これらの書換可能な相変化光記録媒
体として、光ディスクが例にあげられる。
【0004】非晶相と結晶相の相変化により記録を行う
相変化記録では、非晶相と結晶相間で密度が異なると該
相変化により体積変化が起きる。このため、該密度変化
が大きいと記録、消去を繰り返すことにより膜が割れた
り、多層の場合には層間剥離が起きたりして、バースト
エラー等の原因となるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の光記録媒体の問題を解決し、非晶相と結晶相間の密度
差が小さく、相変化による体積変動が小さい記録材料を
用いることによって、記録、消去の繰り返しによる劣化
の起きにくい光記録媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、光の照射によ
る記録層の非晶相と結晶相の間の相変化により情報の記
録及び消去が行われる光記録媒体において、前記非晶相
と前記結晶相の密度変化率が8.0%以下であることを
特徴とする光記録媒体である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体では、記録層
に非晶相と結晶相の密度変化率が8%以下、より詳細に
は8.0%以下であるものを用いることが重要であり、
好ましくは5.0%以下である。本発明でいう密度変化
率は、結晶相の密度から非晶相の密度を引いた結果を非
晶相の密度で割ったものである。記録層の結晶相と非晶
相の密度変化率が8.0%より大きい場合は、成膜後に
全面を結晶化させる初期化工程で膜の割れや剥離などの
問題点を生じることがある。密度変化率を8.0%以
下、好ましくは5.0%以下とすることによって、繰り
返し記録、消去を行うことにより膜の割れや剥離が生じ
ることなく、従ってバーストエラー等が抑制できる。
【0008】本発明では記録層の結晶相のサイトの欠損
を20%以上、さらに好ましくは10%以上とすること
が好ましい。記録層の結晶相のサイトの欠損が20%未
満の場合、結晶相、非晶相間の相変化での体積変化が大
きくなりやすく、繰り返し記録、消去を行うことによ
り、バーストエラー等の原因となる膜の割れや剥離など
の問題点を生じることがあり、さらに、記録層の結晶相
のサイトの欠損が10%未満の場合、成膜後に全面を結
晶化させる初期化工程で膜の割れや剥離などの問題点を
生じることがある。
【0009】本発明では記録層の結晶相の異なるサイト
の数が2以下であることが好ましい。記録層の結晶相の
異なるサイトの数が多くなると、一般的に異なる元素そ
れぞれに対し、特定の適当なサイトを与えやすくなるた
め、異なる元素が同一サイトにランダムに混在する場合
よりも、欠損が生じにくくなる。この傾向は、異なるサ
イトの数が3以下となると大きく制限されるが、2以下
ではより大きく制限されるためにより好ましい。
【0010】本発明では記録層の結晶相が少なくとも異
なる2種類のサイトA、Bを有し、それぞれのサイトに
存在する原子の平均原子サイズa、bが0.990≦b
/a≦1.000であることが好ましい。結晶構造中に
異なる2種類以上のサイトを有する場合、大きい原子か
らなるサイトの間を埋めるように小さい原子からなるサ
イトが存在する形態が、原子の充填密度が上がり密な結
合が形成されるため、構造が安定する。したがって、記
録層の結晶構造が2種類のサイトを有し、かつそれぞれ
のサイト中に存在する原子の平均原子サイズが近接して
いる場合は、一方のサイトに欠損を生じさせることで、
実効的な大きさを大きく異なったものとなり、構造が安
定化する。このため、2種類のサイトA、B中のそれぞ
れの平均原子サイズa、bが0.990≦b/a≦1.
000である場合、サイト欠損が多く生じやすくなる。
結晶中にサイト欠損を多く含む場合は、結晶相と非晶相
の間の相変化にともなう体積変化が小さくなるため、前
述のように膜の割れや剥離が起きにくくなったり、非晶
から結晶への相変化時の原子移動が小さくなりやすくな
るため、結晶化速度が高くなりやすくなるなどのメリッ
トがある。本発明でいうサイトとは結晶の基本格子中の
等価でない原子位置のことである。
【0011】本発明の記録層の材料は、結晶状態と非晶
状態の少なくとも2つの状態をとり得る材料であれば組
成を特に限定するものではないが、この条件を満たすも
のの一つとしてTeやSeを主成分とするカルコゲン化
合物がある。これらカルコゲン化合物としては、Pd−
Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、
Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Ni−Ge−Sb
−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb
−Te合金、In−Se合金、In−Sb−Te合金、
Ag−In−Sb−Te、Ag−V−In−Sb−Te
合金などがある。多数回の記録の書換が可能であること
から、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb
−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Ni
−Ge−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Co
−Ge−Sb−Te合金が好ましい。特にPd−Ge−
Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金
は、消去時間が短く、かつ多数回の記録、消去の繰り返
しが可能であり、C/N、消去率などの記録特性に優れ
ることから好ましく、とりわけ、Pd−Nb−Ge−S
b−Te合金が、前述の特性に優れることからより好ま
しい。
【0012】記録層の厚さとしては特に限定するもので
はないが、10〜150nmである。特に記録、消去感
度が高く、多数回の記録消去が可能であることから、1
5nm〜50nmとすることが好ましい。
【0013】第1および第2誘電体層は、記録時に基
板、記録層などが熱によって変形し記録特性が劣化する
ことを防止するなど、基板、記録層を熱から保護する効
果、光学的な干渉効果により、再生時の信号コントラス
トを改善する効果がある。第1および第2誘電体層とし
ては、ZnS、SiO2 、窒化シリコン、酸化アルミニ
ウム、炭素などの無機薄膜があげられる。特にZnSの
薄膜、Si、Ge、Al、Ti、Zr、Taなどの金属
の酸化物の薄膜、Si、Alなどの窒化物の薄膜、S
i、Ti、Zr、Hfなどの炭化物の薄膜及びこれらの
混合物、炭素の膜が、耐熱性が高いことから好ましい。
また、これらに炭素や、MgF2 などのフッ化物を混合
したものも、膜の残留応力が小さいことから好ましく使
用される。特に下地誘電体層および第2誘電体層にはZ
nSとSiO2 の混合膜、あるいはZnSとSiO2
炭素の混合膜を用いることが、記録、消去の繰り返しに
よっても、記録感度、キャリア対ノイズ比(C/N)お
よび消去率(記録後と消去後の再生キャリア信号強度の
差)などの劣化が起きにくいことから好ましく、内部応
力の低減効果の大きい点からは、SiO2 15〜35モ
ル%、炭素1〜15モル%であることが、さらに好まし
い。また第2誘電体層はZnSとSiO2 の混合物の層
とSiO2 層とを積層するなど、複数の層で構成しても
よい。
【0014】第1誘電体層の厚さとしては、特に限定さ
れないが、通常、およそ10〜500nmである。さら
には、基板や記録層から剥離し難く、クラックなどの欠
陥が生じ難いことから、50〜400nmがより好まし
い。
【0015】第2誘電体層の厚さは、およそ5〜250
nm程度である。さらには10〜50nmとすること
が、良好な消去率の得られる消去パワーの範囲が広いこ
とから好ましい。
【0016】非晶相として堆積させた記録層にレーザー
光を照射し、結晶化させる初期化工程を低パワーレザー
で行えること、再生時の信号コントラストを改善できる
ことから第2誘電体層の上にさらに反射層を積層しても
よい。
【0017】反射層の材質としては、光反射性を有する
Al、Auなどの金属、これらを主成分とし、Ti、C
r、Hfなどの添加元素を含む合金及びAl、Auなど
の金属にAl、Siなどの金属窒化物、金属酸化物、金
属カルコゲン化物などの金属化合物を混合したものなど
があげられる。Al、Auなどの金属、及びこれらを主
成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高
くできることから好ましい。前述の合金の例としては、
AlにSi、Mg、Cu、Pd、Ti、Cr、Hf、T
a、Nb、Mnなどの少なくとも1種の元素を合計で5
原子%以下、1原子%以上加えたもの、あるいは、Au
にCr、Ag、Cu、Pd、Pt、Niなどの少なくと
も1種の元素を合計で1原子%以上20原子%以下加え
たものなどがあげられる。特に、材料の価格が安いこと
から、AlもしくはAlを主成分とする合金が好まし
く、とりわけ、耐腐食性が良好なことから、AlにT
i、Cr、Ta、Hf、Zr、Mn、Pdから選ばれる
少なくとも1種以上の金属を合計で0.5原子%以上5
原子%以下添加した合金が好ましい。さらに、耐腐食性
が良好でかつヒロックなどの発生が起こりにくいことか
ら、添加元素を合計で0.5原子%以上3原子%未満含
む、Al−Hf−Pd合金、Al−Hf合金、Al−T
i合金、Al−Ti−Hf合金、Al−Cr合金、Al
−Ta合金、Al−Ti−Cr合金、Al−Si−Mn
合金のいずれかのAlを主成分とする合金で構成するこ
とが好ましい。これらAl合金のうちでも、次式で表さ
れる組成を有するAl−Hf−Pd合金は、特に優れた
熱安定性を有するため、多数回の記録、消去を繰り返し
において、記録特性の劣化を少なくすることができる。 Pdj Hfk Al1-j-k 0.001<j<0.01 0.005<k<0.10 ここで、j、kは各元素の原子の数(各元素のモル数)
を表す。
【0018】上述した反射層の厚さとしては、いずれの
合金からなる場合にもおおむね10nm以上200nm
以下、さらに好ましくは50〜200nmとするのが好
ましい。
【0019】本発明の基板の材料としては、公知の透明
な各種の合成樹脂、透明ガラスなどが使用できる。ほこ
り、基板の傷などの影響をさけるために、透明基板を用
い、集束した光ビームで基板側から記録を行なうことが
好ましく、この様な透明基板材料としては、ガラス、ポ
リカーボネート、ポリメチル・メタクリレート、ポリオ
レフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがあ
げられる。特に、光学的複屈折が小さく、吸湿性が小さ
く、成形が容易であることからポリカーボネート樹脂、
アモルファス・ポリオレフィン樹脂が好ましい。
【0020】基板の厚さとしては、特に限定されるもの
ではないが、0.01mm〜5mmが実用的である。
0.01mm未満では、基板側から集束した光ビームで
記録する場合でも、ごみの影響を受け易くなり、5mm
をこえる場合は、対物レンズの開口数を大きくすること
が困難になり、照射光ビームスポットサイズが大きくな
るため、記録密度をあげることが困難になる。
【0021】基板はフレキシブルなものであっても良い
し、リジットなものであってもよい。フレキシブルな基
板は、テープ状、シート状、カード状で使用する。リジ
ットな基板は、カード状、あるいはディスク状で使用す
る。また、これらの基板は、記録層などを形成した後、
2枚の基板を用いて、エアーサンドイッチ構造、エアー
インシデント構造、密着張合せ構造としてもよい。
【0022】本発明の光記録媒体の記録に用いる光源と
しては、レーザー光、ストロボ光のごとき高強度の光源
があげられ、特に半導体レーザー光は、光源が小型化で
きること、消費電力が小さいこと、変調が容易であるこ
とから好ましい。
【0023】記録は結晶状態の記録層にレーザー光パル
スなどを照射して非晶状態の記録マークを形成して行
う。あるいは、反対に非晶状態の記録層に結晶状態の記
録マークを形成してもよい。消去はレーザー光照射によ
って、非晶状態の記録マークを結晶化するか、もしく
は、結晶状態の記録マークを非晶化して行うことができ
る。記録速度を高速化でき、かつ記録層の変形が発生し
にくいことから記録時は非晶状態の記録マークを形成
し、消去時は結晶化を行う方法が好ましい。また、記録
マーク形成時は光強度を高く、消去時はやや弱くし、1
回の光ビームの照射により書換を行う1ビーム・オーバ
ーライトは、書換の所用時間が短くなることから好まし
い。
【0024】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。反射層、記録層を基板上に形成する方法と
しては、公知の真空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが
あげられる。特に組成、膜厚のコントロールが容易であ
ることから、スパッタリング法が好ましい。形成する記
録層などの厚さの制御は、公知の技術である水晶振動子
膜厚計などで、堆積状態をモニタリングすることで、容
易に行える。記録層などの形成は、基板を固定したまま
の状態、あるいは、移動、回転した状態のどちらで行っ
ても良い。膜厚の面内の均一性に優れることから、基板
を自転させても良く、さらに公転を組合わせても良い。
【0025】本発明の光記録媒体の好ましい層構成とし
て、基板、第1誘電体層、記録層、第2誘電体層をこの
順に積層してなるもの、より好ましくは、基板、第1誘
電体層、記録層、第2誘電体層、反射層をこの順に積層
してなるものがあげられる。但しこれに限定されるもの
ではなく、本発明の効果を著しく損なわない範囲におい
て、反射層などを形成した後、傷、変形の防止などのた
め、ZnS、SiO2などの誘電体層あるいは紫外線硬
化樹脂などの樹脂保護層などを必要に応じて設けること
ができる。光は透明基板側から入射するものとする。ま
た、反射層などを形成した後、あるいはさらに前述の樹
脂保護層を形成した後、2枚の基板を対向して、接着剤
で張り合わせてもよい。
【0026】記録層は、実際に記録を行う前に、予めレ
ーザー光、キセノンフラッシュランプなどの光を照射し
結晶化させておくことが好ましい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析、測定方法)記録層の結晶構造はX線回折測定
(理学電機社製のX線発生装置:RU−200R、X線
源:CuKα、ゴニオメータ:2155D型、計数記録
装置:RAD−B)により行った。記録層と反射層の組
成分析は、ICP発光分析(セイコー電子工業(株)製
SPS4000 )により行った。密度測定はX線反射率測定法
(理学電機社製X線反射率測定装置)により行った。
【0028】記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚
は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。また各層の
厚さは、走査型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察
することにより測定した。
【0029】(実施例1)厚さ0.6mm、直径12c
mのポリカーボネート製基板を毎分30回転で回転させ
ながら、スパッタリング法により、記録層を形成した。
Ge、Sb、Teからなるターゲットをスパッタして、
組成Ge0.17Sb0.26Te0.57の膜厚8μmの記録層を
形成した。次に基板をクロロホルムで溶解し、粉末もし
くは薄片化した記録層を濾過回収し、乾燥、粉砕した。
これを真空中で、150℃、30分の熱処理を行い、X
線回折測定用試料とした。0.02゜間隔のステップス
キャンで2θ=20〜145゜の測定を行い、リートベ
ルト法により結晶構造解析を行ったところ、2つのサイ
トを有する岩塩型構造となっており、4aサイトはTe
がほぼ100%占有しており、欠損はほとんどなく、4
bサイトはGeとSbが占有しているが欠損が約25%
あることがわかった。また、それぞれのサイトに存在す
る原子の平均原子サイズb/aは0.952であった。
【0030】厚さ1.1mmのガラス基板を毎分30回
転で回転させながら、スパッタリング法により、記録
層、誘電体層を形成した。まず、真空容器内を1×10
-4Paまで排気した後、2×10-1PaのArガス零囲
気中でZnSを12mol%添加したSiO2 ターゲッ
トをスパッタし、基板上に膜厚20nmの誘電体層を形
成した。続いて、Ge、Sb、Teからなるターゲット
をスパッタして、組成Ge0.17Sb0.26Te0.57の膜厚
80nmの記録層を形成した。さらに前述の誘電体層を
20nm形成した。この試料のX線回折測定を行ったと
ころ、結晶性の回折ピークは認められず、非晶であっ
た。この非晶記録層の密度測定をX線反射率測定法によ
り行ったところ、5.88g/cm2であった。さらに
この試料に150℃、30分間の熱処理を行った後、再
びX線回折測定と密度測定を行ったところ、記録層は岩
塩型の結晶となっており密度は、6.11g/cm2
なっていることがわかった。つまり、非晶相と結晶相の
密度変化率は3.9%であった。
【0031】厚さ0.6mm、直径12cm、0.74
μmピッチのスパイラルグルーブ付きポリカーボネート
製基板を毎分30回転で回転させながら、スパッタリン
グ法により、記録層、誘電体層、反射層を形成した。ま
ず、真空容器内を1×10-4Paまで排気した後、2×
10-1PaのArガス零囲気中でZnSを12mol%
添加したSiO2 ターゲットをスパッタし、基板上にそ
れぞれ膜厚100nmの第1誘電体層を形成した。続い
てGe、Sb、Teからなるターゲットをスパッタし
て、組成Ge0.17Sb0.26Te0.57の膜厚20nmの記
録層を形成した。さらに前述の第2誘電体層を16nm
形成し、この上に、Al98.1Hf1.7 Pd 0.2 合金をス
パッタして膜厚160nmの反射層を形成し、光ディス
クを得た。
【0032】さらに、反射層形成後に紫外線硬化樹脂
(大日本インキ(株)製SD-101)をスピンコートし、紫
外線照射により硬化させて膜厚5μmの樹脂層を形成し
た。この光記録媒体に波長810nmの半導体レーザー
のビームでディスク全面の記録層を結晶化し初期化し
た。
【0033】上記ディスクの消去率測定を行った。まず
波長660nm、レンズ開口数0.6の光学ヘッドを有
する光ディスクドライブを用いて、線速9m/s、記録
パワー10mWで周波数10.6MHzで1万回記録を
行い、次にパワー5.5mWでDC消去を行い、消去率
を測定したところ30dBと高い値であった。
【0034】(実施例2)実施例1の記録層の組成をG
0.191Sb0.251Te0.558(b/a=0.947)と
した以外は同様にして試料を作製し、結晶構造、密度の
測定解析を行ったところ、熱処理前後の結晶性について
は実施例1と同様であり、熱処理後の結晶構造も実施例
1と同じ岩塩型であった。密度測定の結果は熱処理前の
非晶相が5.76g/cm2で、熱処理後の結晶相が
6.07g/cm2であった。つまり、非晶相と結晶相
の密度変化率は5.4%であった。
【0035】記録層の組成をGe0.191Sb0.251Te
0.558とした以外は実施例1と同様にしてディスクを作
製し、消去率測定を実施例1と同様に行ったところ、3
0dBと高い値であった。
【0036】(実施例3)実施例1の記録層の組成をG
0.222Sb0.222Te0.556(b/a=0.937)と
した以外は同様にして試料を作製し、結晶構造、密度の
測定・解析を行ったところ、熱処理前後の結晶性につい
ては実施例1と同様であり、熱処理後の結晶構造も実施
例1と同じ岩塩型であった。密度測定の結果は熱処理前
の非晶相が5.86g/cm2で、熱処理後の結晶相が
6.13g/cm2であった。つまり、非晶相と結晶相
の密度変化率は4.6%であった。
【0037】記録層の組成をGe0.222Sb0.222Te
0.556とした以外は実施例1と同様にしてディスクを作
製し、消去率測定を実施例1と同様に行ったところ、3
0dBと高い値であった。
【0038】(実施例4)実施例1の記録層の組成をG
0.181Sb0.279Te0.539(b/a=0.952)と
した以外は同様にして試料を作製し、結晶構造、密度の
測定・解析を行ったところ、熱処理前後の結晶性につい
ては実施例1と同様であり、熱処理後の結晶構造も実施
例1と同じ岩塩型であった。密度測定の結果は熱処理前
の非晶相が5.87g/cm2で、熱処理後の結晶相が
6.10g/cm2であった。つまり、非晶相と結晶相
の密度変化率は3.9%であった。
【0039】記録層の組成をGe0.181Sb0.279Te
0.539とした以外は実施例1と同様にしてディスクを作
製し、消去率測定を実施例1と同様に行ったところ、3
0dBと高い値であった。
【0040】(実施例5)Ag、Sb、Teからなるタ
ーゲットを用いて、組成がAgSb2Te4(結晶相の欠
損26%、サイト数2、b/a=0.991、非晶層と
結晶相の密度変化率3.8%)である記録層とした以外
は実施例1と同様にしてディスクを作製し、線速を12
m/sとした他は実施例1と同様にして消去率を測定し
たところ、30dB以上の高い値であった。Agより原
子サイズの大きいInやSnでAgの一部または全部と
置換した場合も同様の結果であった。
【0041】(比較例1)実施例1の記録層の組成をG
0.5Te0.5(b/a=0.859)とした以外は同様
にして試料を作製し、結晶構造、密度の測定解析を行っ
た。結晶構造は岩塩型が歪んだ菱面体晶となっており、
GeとTeはいづれも互いに異なる1つのサイトに欠損
がない状態で存在していることがわかった。熱処理前後
の結晶性については実施例1と同様の結果を得た。密度
測定の結果は熱処理前の非晶相が5.60g/cm
2で、熱処理後の結晶相が6.06g/cm2であった。
つまり、密度変化率は8.2%であった。消去率測定も
実施例1とほぼ同様に行ったが、信号振幅にむらがあ
り、適正な評価ができなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、高速、高
密度での記録、消去が可能で繰り返し耐久性に優れる光
記録媒体が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光の照射による記録層の非晶相と結晶相の
    間の相変化により情報の記録及び消去が行われる光記録
    媒体において、前記非晶相と前記結晶相の密度変化率が
    8.0%以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】結晶相の欠損が20%以上であるサイトが
    存在することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】結晶相の異なるサイトの数が2以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】結晶相が少なくとも異なる2種類のサイト
    A、Bを有し、それぞれのサイトに存在する原子の平均
    原子サイズa、bが、0.990≦b/a≦1.000
    であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】少なくとも、基板、第1誘電体層、記録
    層、第2誘電体層の順に積層してなることを特徴とする
    請求項1記載の光記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020074685A (ko) * 2001-03-21 2002-10-04 한국전자통신연구원 반도체 결정의 발광을 이용한 광정보 저장매체와 광자흡수를 이용한 광정보 저장 및 검색 장치와 그 방법
US8179763B2 (en) 2006-05-31 2012-05-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical disc, information recording method, and information reproducing method

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