JP3064583B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP3064583B2
JP3064583B2 JP3291490A JP29149091A JP3064583B2 JP 3064583 B2 JP3064583 B2 JP 3064583B2 JP 3291490 A JP3291490 A JP 3291490A JP 29149091 A JP29149091 A JP 29149091A JP 3064583 B2 JP3064583 B2 JP 3064583B2
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雄二 渡辺
元太郎 大林
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の照射により、情報
の記録、再生が可能である光情報記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の光記録媒体は、光学的な変化を利
用して情報を記録、再生または消去を行なうための記録
層が、空気中の水分や酸素、あるいは熱によって酸化腐
食を受け、保存、運搬中に記録層の特性が劣化するばか
りでなく、繰り返し記録消去可能な光記録媒体の場合は
記録消去の繰り返しによって記録消去特性が劣化するた
めに使用できなくなるという欠点を有していた。そこで
特開昭 59-110052 号公報、特開昭60-131659 号公報の
ように、アルミニウムの窒化物、珪素の窒化物、MgF
2 、ZnS、AlF3 、などの非酸化物、特開昭58-215
744 号公報のようにSiO2 、SiO、Al2 3 、Z
rO2 、TiO2 などの酸化物や、さらに特開昭63-103
453 号公報のようにZnSなどのカルコゲン化物とSi
2 などの酸化物を混合した誘電体層、あるいは特開平
2-182485号公報のようにZnSなどのカルコゲン化物と
MgF2 などの弗化物を複合した誘電体層を公知の薄膜
形成法によって成膜して記録層の保護層としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光記録媒体に設けられ
る誘電体層は、記録時あるいは消去時の熱的、機械的負
荷にさらされるため、機械特性や耐熱性に優れているこ
とが必要であり、さらに光記録媒体の保存時に記録層を
保護する機能を合せ持つ必要がある。
【0004】一方、記録、消去、再生に際しては、基
板、記録層、誘電体層等の必須要素を組合わせた総体と
しての光記録媒体において、照射した光を効率良く吸収
し、あるいは適性に反射することが必要であり、これら
構成体の光学設計が要請される。光学設計の面からは誘
電体層の屈折率、消衰係数などの光学定数および膜厚
は、極めて重要な支配因子となる。
【0005】誘電体層として重要な物性は、上記の熱
的、機械的物性上の要請と、記録層保護特性、さらに光
学的な要請を同時に満たすことが必要であり、従来技術
の誘電体層は、これらの点で必ずしも有利な選択とはな
っていなかった。
【0006】すなわち、酸化物や窒化物の誘電体層の場
合、高温高湿の環境下における保存において誘電体層自
体が剥離したりクラックが生じる場合があり、さらに誘
電体層の光学定数が適切でないために、記録あるいは消
去特性が低下してしまう場合がある。
【0007】ZnSなどのカルコゲン化合物単独、ある
いはZnSなどのカルコゲン化物とSiO2 などの酸化
物を混合した誘電体層については、蒸着やスパッタリン
グなどの薄膜形成法による成膜では、膜内に発生する内
部応力が大きな圧縮応力となるため、剥離が発生し易
く、さらに光記録媒体のそりなどの機械的変形が大き
い。ZnSなどのカルコゲン化物とMgF2 などの弗化
物を複合した誘電体層は、膜内に発生する内部応力が緩
和されてはいるものの、まだ十分ではない。
【0008】本発明はかかる従来技術の諸欠点に鑑み創
案されたもので、膜内に発生する内部応力を十分に低減
した誘電体層を有しているため、そりなどの機械的変形
が少ない光記録媒体を提供することである。機械特性が
良好であるため、記録、再生を行うシステムに対する負
担を著しく減少することができる。
【0009】本発明の別の目的は、誘電体層と記録層と
の接着力に優れ、膜の剥離、クラックの発生などがない
光記録媒体を提供することである。したがって、酸素、
水分などの遮断性が優れており記録層の膜質変化や性能
劣化が抑制され、長期の信頼性が確保される。
【0010】本発明のさらに別の目的は、繰り返し記録
消去を行うことが可能な光記録媒体の場合、誘電体層自
体の膜内に発生する内部応力を低減しているため、記録
消去の繰り返しにより発生する場合がある微小な誘電体
層の剥離、クラック、記録層の劣化などが発生せず、記
録消去の繰り返し性が良好な光記録媒体を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
基板上に記録層と誘電体層を備えた光記録媒体におい
て、該誘電体層が、少なくともカルコゲン化合物と弗化
物と炭素(C)を含む複合物からなる光記録媒体により
達成される。
【0012】本発明におけるカルコゲン化合物として
は、硫化物、セレン化物およびテルル化物などが挙げら
れる。たとえばZnS、ZnSe、ZnTe、PbS、
PbSe、PbTeなどの硫化物、セレン化物、テルル
化物を挙げられることができるが、これらに限定されな
い。
【0013】また、本発明において使用される弗化物と
しては、元素周期率表の第I属、第II属、第III属
の金属の弗化物、例えば、MgF2 、CeF3 、Li
F、ZrF4 、ThF4 、LaF3 、NdF3 、Na3
AlF6 およびCaF2 などが挙げられる。
【0014】なお、ここで言う複合物としては、二種類
以上の物質が数ナノメータ以下さらには原子レベルのオ
ーダーで分散混合している物質、あるいは、数ナノメー
タ以下のグレインの集合体であり、かつそのグレインの
一部または全部が、数ナノメータ以下の単位で規則正し
く層状構造となっている物質または該物質から主として
なるものであることが好ましいが、これに限定されな
い。
【0015】光記録媒体に用いる誘電体層のために、本
発明者らが行った検討によると、公知の薄膜形成法、例
えば蒸着やスパッタリングにより成膜したZnSなどの
カルコゲン化合物は一般に膜内に大きな圧縮応力が発生
する。また、カルコゲン化合物を含む複合物として、た
とえばZnSとSiO2 の複合物の場合も大きな圧縮応
力が発生する。
【0016】本発明における誘電体層は、少なくともカ
ルコゲン化合物と弗化物と炭素を含む複合物であるた
め、該誘電体層は内部応力が低減される。このため、光
記録媒体のそりなどの機械的変形が少ない。さらに、記
録層との接着力が優れ、膜が剥離したりクラックが生じ
ることを抑制することができる。したがって、酸素、水
分などの遮断性が優れており、記録層の膜質変化や性能
劣化を抑制することができる。
【0017】また、本発明のカルコゲン化合物と弗化物
と炭素とを含む複合物からなる誘電体層は、記録消去の
繰り返しによって誘電体中の酸素が記録層に拡散して記
録層の特性を劣化させることがない。さらに、誘電体層
は内部応力が低減されているので、記録消去の繰り返し
時の加熱、冷却の熱サイクルによる誘電体層の機械的破
壊や、記録層と誘電体層の剥離などが生じることがな
く、記録消去の繰り返し特性が優れている。
【0018】さらに、該誘電体層は屈折率が例えば、Z
nSの2.3あるいはZnTeの2.7のように大きな
屈折率を有するカルコゲン化合物と、例えばMgF2
1.37あるいはCeF3 の1.6のように小さな屈折
率を有する弗化物、さらには屈折率が2〜3の炭素を含
む複合物であるので、カルコゲン化合物、弗化物、炭素
の組成比によってこれらの屈折率の中間の任意の屈折率
とすることができる。このことは、光記録媒体の光学的
な設計を行う際に、設計の自由度が飛躍的に向上するこ
とを意味する。したがって、該誘電体層を用いることに
より記録層保護特性を満たしつつ、記録および/または
消去に最も適した層構成の設計をとることが可能となる
ため、信頼性に優れ、かつ良好な記録およびまたは消去
率が得られる。特に耐熱性が高く、記録消去動作時に繰
り返し加熱されても十分な機械特性有し破壊することが
ないことから記録繰り返し性が優れており、さらに吸湿
性が少なく、酸素、水分などの遮断性が優れているため
に記録層の保護特性が優れており、光記録媒体の長期信
頼性が得られることから、カルコゲン化合物としてはZ
nS、ZnSeおよびZnTeが好ましく、弗化物とし
てはMgF2 、CeF3 、LiF、ZrF4 などが好ま
しい。
【0019】カルコゲン化合物と弗化物と炭素の組成比
は特に限定されないが、下記の組成であることが好まし
い。
【0020】組成式 (A1-X BX )1-Y CY ここでAはカルコゲン化合物、Bは弗化物、Cは炭素を
表し、X 、Y および数字は各元素または分子のモル比を
表す。
【0021】かつ、 0.02≦X ≦0.60 0.05≦Y ≦0.80 さらに、好ましくは上記組成式において、下記の組成で
ある。
【0022】0.05≦X ≦0.40 0.10≦Y ≦0.50 上記組成比の範囲は、誘電体層の内部応力が十分に低減
でき、かつまた、誘電体層の屈折率も適当な範囲であ
り、光学的に最適な層構成の設計を行うことができるの
で好ましい。
【0023】誘電体層の膜厚は3nm〜500nmの範
囲が好ましく、より好ましくは10nm〜300nmで
ある。3nm未満では、酸素、水分などを十分に遮断す
ることができずに、記録層保護特性を得ることが難し
い。500nmより大きいと内部応力が大きくなり、剥
離あるいはクラックが発生し易くなり、さらに光記録媒
体のそりなどの機械的変形が大きくなる。
【0024】また、該誘電体層に内部応力を緩和したり
屈折率を調整するために、記録特性等を著しく劣化させ
ない範囲で金属、半金属、およびこれらの酸化物、窒化
物、炭化物などが含まれていてもかまわない。
【0025】本発明の光記録媒体は少なくとも基板と該
基板上に形成された記録層と誘電体層とを備えて成るも
のであり、該誘電体層は記録層の片面または両面に隣接
して設けることができる。
【0026】本発明における記録層としては公知の光学
的記録層が使用可能であり、例えば記録層に集光したレ
ーザ光を照射することにより記録層の結晶構造を変化さ
せる(例えば結晶から非晶質またはその逆、あるいは六
方晶から立方晶またはその逆等)つまり相変化により情
報を記録できる材料を用いることができる。例えば、T
eGe系、SnTeSe系、SbTeGe系あるいはI
nSe系、あるいはこれらの系を少量の金属等の添加物
でモディファイした系などを挙げることができる。また
磁気記録層に集光したレーザ光を照射することにより磁
化反転を起こさせ情報を記録する材料としてTbFeC
oなどが挙げられる。
【0027】本発明に用いられる基板としては、プラス
チック、ガラス、アルミニウムなど従来の記録媒体と同
様なものでよい。収束光により基板側から記録、再生あ
るいは消去することによって記録媒体に付着したごみな
どの影響を避ける場合には、基板として透明材料を用い
ることが好ましい。上記のような材料としては、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ガ
ラスなどが挙げられる。好ましくは、複屈折が小さいこ
と、形成が容易であることから、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂がよい。基板の
厚さは、特に限定するものではないが、10μm〜5m
mの範囲が実用的である。10μm未満では収束光によ
り基板側から記録、再生あるいは消去する場合でもごみ
の影響を受け易くなり、5mmを越える場合には、収束
光により記録、再生あるいは消去する場合対物レンズの
開口数を大きくすることができなくなり、ピットサイズ
が大きくなるため記録密度を上げることが困難になる。
【0028】基板はフレキシブルなものであっても良い
し、リジッドなものであっても良い。フレキシブルな基
板は、テープ状、あるいはカード型または円形などのシ
ート状で用いることができる。リジッドな基板は、カー
ド状、あるいは円形ディスク状で用いることができる。
【0029】本発明の光記録媒体の記録、再生あるいは
消去に用いる光としては、レーザ光やストロボ光のごと
き光であり、とりわけ、半導体レーザを用いることは、
光源が小型でかつ消費電力が小さく、変調が容易である
ことから好ましい。
【0030】本発明における光記録媒体は基板上に記録
層を形成し、該記録層上に本発明における誘電体層を形
成した構造、あるいは基板上に誘電体層、記録層および
誘電体層をこの順に積層した構造として用いられるもの
である。
【0031】さらに記録層の反射率の変化で信号を読み
取る場合には、記録層の光の入射面と反対側の片面に金
属などの反射層(例えば、Al、Au、NiCrなど)
を設けてもよく、さらに記録層と反射層の間に中間層を
設けることもでき、この中間層に本発明の誘電体層を用
いることもできる。
【0032】基板に記録層、誘電体層および必要に応じ
て設けた反射層などを形成した光記録媒体は、さらに該
層の形成面の上に、樹脂層、たとえば紫外線硬化樹脂な
どの層を設けて単板として使用することができるし、ま
た、エアーサンドイッチ構造、エアーインシデント構
造、密着はりあわせ構造などとして、他の部材もしくは
同種の基板と2枚はりあわせて使用することもできる。
【0033】本発明において、記録層、誘電体層および
必要に応じて設ける反射層などの形成には、蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの公知
の薄膜形成技術を用いることができる。
【0034】少なくともカルコゲン化合物と弗化物と炭
素を含む複合物からなる該誘電体層の形成には、たとえ
ば蒸着の場合、カルコゲン化合物と弗化物と炭素を別々
の蒸発源から同時に蒸発させたり、あるいはカルコゲン
化合物と弗化物と炭素を含む材料をあらかじめ所定の割
合で混合して1つの蒸発源から蒸発させたりすることに
より得られる。また、スパッタリングの場合、カルコゲ
ン化合物よりなるターゲットと弗化物よりなるターゲッ
トと炭素よりなるターゲットを同時にスパッタリングを
行なったり、あるいはカルコゲン化合物と弗化物を炭素
を含む材料をあらかじめ所定の割合で混合して作製した
ターゲットをスパッタリングすることにより得られる。
【0035】以下一例として基板、誘電体層、記録層お
よび誘電体層の構成から成る本発明の光記録媒体を形成
する方法について説明する。
【0036】基板としてポリカーボネート製ディスクを
用いて、まず、例えばZnSターゲットとMgF2 ター
ゲットと炭素ターゲットを用いて同時スパッタリングを
行なうことにより誘電体層を形成する。次いで該誘電体
層上に記録層形成材料のターゲットを用いてスパッタリ
ングを行なうことにより記録層を形成し、さらにこの記
録層上に前記と同様な方法により誘電体層を形成するこ
とにより得ることができる。
【0037】スパッタリング方法としては特に限定され
ず、例えばAr雰囲気中でのRFマグネトロンスパッタ
リング等の慣用手段を用いることができ、また基板上の
組成および膜厚を均一化するために基板を回転させるこ
とは有効である。
【0038】上述の製法において誘電体層の組成比は、
各ターゲットからの蒸発量により制御される。具体的に
は、あらかじめ各ターゲットへの供給電力と蒸発量との
関係を検討しておき、所望の蒸発量に見合った電力を供
給してもよいし、または蒸発量を例えば水晶式膜厚モニ
タでモニタしながら供給電力を制御するようにしてもよ
い。
【0039】スパッタリング中の真空度は特に限定され
るものではないが、たとえば5×10-2Paから3Pa
程度である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0041】実施例1 3個のターゲットをセットでき、同時スパッタリングが
可能なスパッタリング装置に、ZnSターゲットとMg
2 ターゲット、およびC(グラファイト)ターゲット
をセットし、さらにディスク基板(130mm書換形I
SO規格フォーマット、ポリカーボネート製、厚さ1.
2mm)をセットした。スパッタリングチャンバー内部
を2×10-4Paまで真空排気したのち、Arガスを3
×10-1Paとなるように導入した。次に、膜厚、組成
を均一にするために基板を自公転させながら、ZnSが
56モル%、MgF2 が14モル%、Cが30モル%、
の蒸発量となるようにそれぞれターゲットへの供給電力
を制御して3つのターゲットを同時にRFマグネトロン
スパッタ法によりスパッタして、それぞれの膜厚モニタ
値の和が220nmとなるまでスパッタリングを行ない
誘電体層を形成した。次に、相変化タイプ書換形光記録
材料であるPd1Ge17Sb26Te56(原子%)
ターゲットをセットし、Arガス圧力3×10-1Pa
で、上述と同様にして膜厚モニタ値が25nmとなるま
でスパッタを行ない誘電体層上に記録層を形成した。さ
らに該記録層の上に、上述と同様にしてZnS 56モ
ル%、MgF2 14モル%、C 30モル%よりなる
誘電体層を25nm形成した。その後、さらにAlター
ゲットをセットして、Arガス圧力3×10-1Paで上
述と同様にして反射層を80nm形成した。このように
して、基板/誘電体層(((ZnS)0.80(MgF2
0.20)0.70C0.30)/記録層/誘電体層(((ZnS)
0.80(MgF2 )0.20)0.70C0.30)/反射層の4層構
成体を形成した。この4層構成体の反射層上に紫外線硬
化樹脂層を10μm設けて、本発明の光記録媒体を形成
した。
【0042】この光記録媒体の機械特性を測定した結
果、最大チルト量は1.9mradであった。130m
m書換形光ディスクのISO規格値は5mrad以下で
ある。本発明の光記録媒体は、単板構成においてもこの
規格を十分にクリアーしているため、はりあわせ後はさ
らに良好な機械特性が期待できる。
【0043】この光記録媒体の記録領域を全面(半径2
8〜62mm)を初期化(結晶化)したのち、対物レン
ズの開口数0.53、半導体レーザの波長830nmの
光学ヘッドを使用して記録をおこなった。回転数180
0rpm、ピークパワー19mW、記録パルス幅60n
s、ボトムパワー8.5mWの条件で、トラックNo.
900〜1000のなかで初期測定でBER(ビットエ
ラーレート)がゼロのトラックを1本用いて、1.5T
信号(3.7MHz)と4T信号(1.4MHz)を交
互にオーバライトを繰り返したのち、1.5T信号のB
ERを測定した。BERが1×10-4を越えた記録繰り
返し回数は42万回であった。
【0044】さらに、上記と同一記録条件で、1.5T
信号(3.7MHz)をトラックNo.1001〜30
00の2000本のトラックに記録し、BERを測定し
た結果1.1×10-6であった。この光記録媒体を80
℃,80%RHの環境下において3000時間保管後、
トラックNo.1001〜3000を再生し、BERを
測定したところ1.1×10-6で劣化は全く見られなか
った。本発明の光記録媒体は優れた長期信頼性性を有し
ていることがわかる。
【0045】実施例2 実施例1と同一のスパッタリング装置に、(((ZnS
e)0.90(CeF2 )0.10)0.80C0.20)ターゲット、
相変化タイプ書換形光記録材料であるPd3Ge17S
b30Te50(原子%)ターゲット、Alターゲット
をセットし、さらに実施例1と同一のディスク基板をセ
ットした。スパッタリングチャンバー内部を2×10-4
Paまで真空排気したのち、Arガスを2×10-1Pa
となるように導入した。次に、膜厚、組成を均一にする
ために基板を自公転させながら、(((ZnSe)0.90
(CeF2 )0.10)0.80C0.20)ターゲットをRFマグ
ネトロンスパッタ法によりスパッタして、膜厚モニタ値
が200nmとなるまでスパッタリングを行ない誘電体
層を形成した。次に、Pd3Ge17Sb30Te50
(原子%)ターゲットを膜厚モニタ値が30nmとなる
までスパッタを行ない誘電体層上に記録層を形成した。
さらに該記録層の上に、上述と同様にして(((ZnS
e)0.90(CeF2 )0.10)0.80C0.20)よりなるを誘
電体層を30nm形成した。その後、さらにAlターゲ
ットをスパッタして反射層を120nm形成した。この
ようにして、基板/誘電体層(((ZnSe)0.90(C
eF2 )0.10)0.80C0.20)/記録層/誘電体層
(((ZnSe)0.90(CeF2 )0.10)0.80C0.20)
/反射層の4層構成体を形成した。この4層構成体の反
射層上に紫外線硬化樹脂層を10μm設けて、本発明の
光記録媒体を形成した。
【0046】この光記録媒体の機械特性を測定した結
果、最大チルト量は2.6mradであった。本発明の
光記録媒体は、単板構成においてもISO規格を十分に
クリアーしているため、はりあわせ後はさらに良好な機
械特性が期待できる。
【0047】この光記録媒体を、実施例1と同様にし
て、回転数1800rpm、ピークパワー17mW、記
録パルス幅60ns、ボトムパワー8mWの条件で、繰
り返し特性を測定したところ、BERが1×10-4を越
えた記録繰り返し回数は28万回であった。
【0048】さらに、実施例1と同様にして、80℃,
80%RHの環境下において3000時間保管後のBE
Rを測定したところ、初期BER2.2×10-6が2.
5×10-6とわずかに増加したのみであった。本発明の
光記録媒体は優れた長期信頼性性を有していることがわ
かる。
【0049】比較例1 実施例1においてMgF2 ターゲット、およびC(グラ
ファイト)ターゲットをセットせずに、ZnSターゲッ
トのみセットした。基板、スパッタ圧力条件は実施例1
と同様にして、まずZnSを膜厚220nmとなるまで
スパッタして誘電体層を形成した。次いで、記録層は実
施例1と同様に25nm形成し、さらに、上述と同様に
ZnSよりなる誘電体層を25nm形成した。その後、
さらに実施例1と同様にAlよりなる反射層を80nm
形成した。このようにして、基板/誘電体層(ZnS)
/記録層/誘電体層(ZnS)/反射層の4層構成体を
形成した。この4層構成体の反射層上に紫外線硬化樹脂
層を10μm設けて、光記録媒体を形成した。
【0050】この光記録媒体の機械特性を測定した結
果、最大チルト量は8.2mradであった。
【0051】実施例1と同様にして、記録繰り返し回数
を測定したところ、2万回であった。
【0052】さらに、実施例1と同様にして、80℃,
80%RHの環境下において3000時間保管後のBE
Rを測定したところ、初期BER3.8×10-6が2.
8×10-4まで大きくなり、実用上使用できなくなっ
た。
【0053】比較例2 実施例1においてC(グラファイト)ターゲットをセッ
トせずに、ZnSターゲットとMgF2 ターゲットのみ
セットした。基板、スパッタ圧力条件は実施例1と同様
にして、まずZnSが80モル%、MgF2 が20モル
%の蒸発量となるようにそれぞれのターゲットへの供給
電力を制御して2つのターゲットを同時にスパッタし
て、それぞれの膜厚モニタ値の和が220nmとなるま
でスパッタリングを行い誘電体層を形成した。次いで、
記録層は実施例1と同様に25nm形成し、さらに、上
述と同様にZnS 80モル%、MgF2 20モル%
からなる誘電体層を25nm形成した。その後、さらに
実施例1と同様にAlよりなる反射層を80nm形成し
た。このようにして、基板/誘電体層((ZnS)0.80
(MgF2 )0.20)/記録層/誘電体層((ZnS)0.
80(MgF2 )0.20)/反射層の4層構成体を形成し
た。この4層構成体の反射層上に紫外線硬化樹脂層を1
0μm設けて、光記録媒体を形成した。
【0054】この光記録媒体の機械特性を測定した結
果、最大チルト量は5.8mradであった。
【0055】実施例1と同様にして、記録繰り返し回数
を測定したところ、9万回であった。
【0056】さらに、実施例1と同様にして、80℃,
80%RHの環境下において3000時間保管後のBE
Rを測定したところ、初期BER3.8×10-6が7.
2×10-6と約2倍になった。
【0057】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、上述のごとく誘
電体層を少なくともカルコゲン化合物と弗化物と炭素
(C)を含む複合物としたために、次のごとき優れた効
果が得られた。
【0058】(1)機械特性が良好である。光記録媒体
のそりなどの機械的変形が少く、記録、再生を行うシス
テムに対する負担が著しく減少する。
【0059】(2)高温高湿の環境下における保存にお
いて、記録特性が劣化せず、長期信頼性が確保される。
【0060】(3)繰り返し記録消去を行うことが可能
な光記録媒体の場合、多数回の記録消去が行える。
【0061】(4)誘電体層の屈折率をカルコゲン化合
物と弗化物と炭素の組成比によってコントロールするこ
とができ、光記録媒体の光学的な設計を行う際の自由度
が飛躍的に向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−189748(JP,A) 特開 平2−108255(JP,A) 特開 平2−91834(JP,A) 特開 平2−54441(JP,A) 特開 平1−158637(JP,A) 特開 昭63−103453(JP,A) 特開 昭62−180538(JP,A) 特開 平2−182485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 B41M 5/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層と誘電体層を備えた光記
    録媒体において、該誘電体層が少なくともカルコゲン化
    合物と弗化物と炭素(C)を含む複合物からなる光記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 カルコゲン化合物がZnS、ZnSeお
    よびZnTeの群から選ばれた少なくとも一種であり、
    弗化物がMgF2 、CeF3 、LiFおよびZrF4
    群から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の光
    記録媒体。
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