JP2705185B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP2705185B2
JP2705185B2 JP2868089A JP2868089A JP2705185B2 JP 2705185 B2 JP2705185 B2 JP 2705185B2 JP 2868089 A JP2868089 A JP 2868089A JP 2868089 A JP2868089 A JP 2868089A JP 2705185 B2 JP2705185 B2 JP 2705185B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗料組成物に関するものであり、さらに詳
しくはゴム的性質を付与した重合体粒子を充填した、高
度な耐衝撃性を有する塗料組成物に関する。
(従来の技術) 近年、塗料分野においては、例えば自動車用塗料に代
表されるように塗膜の耐久性と外観性の両面で厳しい高
品質化要求がなされている。かかる情勢下、高外観塗膜
を長期にわたり保持する目的から、特に塗膜の強度及び
耐衝撃性と外観性の両方を高品質化できる塗膜が強く切
望されている。
高分子材料においては、耐衝撃性を付与する方法の一
つに以下に示すようなバックネル・スミス(Bucknell-S
mith)らに代表されるミクロ塑性変形理論〔Polymer,6,
437(1965)〕がある。すなわち、ある素材に高速で物
体が衝突した時にはその表面から内部に衝撃波が伝播す
る。この時、素材中に欠陥もしくは応力が集中しやすい
部位が存在すると、その周囲でミクロな塑性変形いわゆ
るクレーズが発生し、それが成長してクラックとなり素
材の破壊へとつながるというものである。
そこで、素材中にゴム質粒子を添加しその界面でクレ
ーズを発生させ、応力を分散することよってクレーズか
らクラックへの成長を縮小させる技術がよく用いられて
いる。例えば、プラスチック分野においては、特開昭54
-99159号公報にジエン系ゴム質重合体の存在下、不飽和
ニトリル化合物及び芳香族ビニル化合物からなる単量体
を重合して得られるグラフト重合体を添加する方法や、
特開昭62-167316号公報にヒドロキシ基両末端ポリエス
テルオリゴマーを用い、アクリル酸エステルモノマーを
重合してなるゴム状ミクロゲルを形成させたプレポリマ
ーとジイソシアナートを付加重合させ、マトリックスに
対しゴム状ミクロゲルをグラフト化させる方法が開示さ
れている。
また塗料分野においては、特開昭61-228059号公報に
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
とカルボキシル基を有するブタジエンアクリロニトリル
共重合ゴムを反応させて得られるゴム変性エポキシ樹脂
を含有させる方法が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、特開昭54-99159号公報の方法では、塗
料に転用してもプラスチック系と異なり薄膜であるため
期待されるほど高度な耐衝撃性が得られず、また、塗料
用樹脂との相溶性が不十分であるため塗膜表面に細かい
粗さ形状が現れ、塗膜外観性が低下してしまうことが多
い。
一方、特開昭62-167316号公報においても同様に塗料
用樹脂との相溶性が不十分であるため塗膜外観性に悪影
響を及ぼし、なおかつ例えば自動車塗料に要求されるよ
うな高度な耐衝撃性を得ることはできない。
また、特開昭61-228059号公報では、塗膜の外観性に
は悪影響を及ぼさないものの十分に高度な耐衝撃性を得
ることはできなかった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、このような問題点を解決する方法につ
いて鋭意研究した結果、特定の性状(ガラス転移温度T
g、平均粒径D、溶剤膨潤度S)を有する重合体粒子を
用い、該粒子の溶解性パラメーターSP値を塗膜のマトリ
ックス樹脂のSP値と一定の関係に特定することにより、
塗膜中に多重ドメイン構造を形成させることによって、
外観性に優れしかも高度な耐衝撃性を有する塗膜の得ら
れることを見い出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、重合体粒子の溶解性パラメーター
(SPa)が、樹脂連続相中のポリオール樹脂の溶解性パ
ラメーター(SPb)と 0.30|SPa-SPb|2.50なる関係にある重合体粒子を1
〜40重量%および樹脂連続相が99〜60重量%から構成さ
れ、造膜に際し多重ドメイン構造を内包する高分子膜を
形成することを特徴とする塗料組成物である。
本発明に用いる重合体粒子(以下、単に粒子と略記す
ることもある)は、SPa値が樹脂連続相中のポリオール
樹脂のSPb値と特定の関係0.30|SPa-SPb|2.50にある
為、重合体粒子相とポリオール樹脂の性質が支配的な樹
脂連続相とは、いわば相分離を起こした状態となる。こ
れにより第1図に示す如く、樹脂連続相1中に重合体粒
子と樹脂との混合相2が内包され、さらに混合相中の樹
脂連続相3に再び小混合相4が内包される繰り返し構造
が構成される。最初の混合相2はその長径が0.5〜20μ
mの大きさの不連続相を形成し、いわゆる多重ドメイン
構造を内包する高分子膜が形成される。
衝撃が加った場合には、このドメイン内の粒子相と樹
脂連続相の界面において応力の集中が起こり、クレーズ
5が発生し衝撃エネルキーを吸収、分散させることがで
きる。さらに、クレーズが成長しようにも外側の樹脂連
続相との界面において分岐され、クラックへの成長を阻
止することによって、高度な耐衝撃性が得られるものと
考えることができる。
ここで、|SPa-SPb|が0.30未満のときには、粒子相と
樹脂連続相とが相溶し、つまり重合体粒子が樹脂連続相
中に1次粒子の形態で均一分散した状態となり易く、多
重ドメイン構造を内包した高分子膜が形成されずに高度
な耐衝撃性を得ることが実質的にできない。また|SPa-S
Pb|が2.50を超えるときには、重合体粒子は極性差に基
づく巨大な粒子凝集を起こし易く、塗膜表面に凹凸が現
れたりブツが発生したりする傾向が現れるため好ましく
ない。
本発明に用いられる樹脂連続相は、アルキド樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エ
ポキシ樹脂等の水酸基を有するポリオール樹脂を主体と
して、好ましくはポリイソシアナート化合物、アミノ樹
脂等の水酸基と反応しうる硬化剤(以下、単に硬化剤と
略す)を含んで構成される。この際、樹脂連続相がポリ
オール樹脂の性質に支配されるためには、ポリオール樹
脂と硬化剤の構成比がポリオール樹脂/硬化剤=50/50
〜95/5(重量%)の範囲内にあることが好ましい。
本発明においては、重合体粒子が1〜40重量%樹脂連
続相が99〜60重量%の成分で構成される。
ここで、重合体粒子が1重量%未満のときには、衝撃
エネルギーを吸収、分散するに十分な多重ドメイン構造
が形成されず、また、40重量%を超えるときには、ゴム
質成分が増すための塗膜の硬度が不十分となり耐摩擦性
に劣り好ましくない。
本発明に用いる重合体粒子は、ガラス転移温度Tgが−
30℃Tg60℃で、平均粒径Dは0.02μmD20μm
さらに溶剤膨潤度Sは1.0S6.0の関係にあることが
好ましい。
ここで、ガラス転移温度Tgが−30℃未満の場合には、
塗膜の硬度が不十分となり耐摩擦性に劣り、また60℃を
超える場合には衝撃応力に対しクレーズよりもむしろク
ラックが発生し易くなり耐衝撃性が低下してしまうため
好ましくない。
また、重合体粒子の平均粒径が0.02μm未満の場合に
は、粒子の安定性が劣り塗料中で凝集を起こし塗膜の外
観性を低下させることになり、20μmを超える場合に
は、樹脂連続相と粒子相の界面を形成することができ
ず、しかも自身の粒径が大きいため塗膜表面の凹凸が大
となり塗膜外観性が低下するため好ましくない。
さらに、Sが6.0を超える場合には、塗装作業性が低
下したり、塗膜形成過程における溶剤の揮発によるワキ
などの塗膜欠陥を生じたりするため好ましくない。
本発明に用いる重合体粒子の構成成分は、α,β−エ
チレン性不飽和単量体および多官能α,β−エチレン性
不飽和単量体から成る。ここで、重合体粒子の溶解性パ
ラメーター(SPa)を、樹脂連続相中のポリオール樹脂
の溶解性パラメーター(SPb)と0.30|SPa-SPb|2.50
の関係たらしめるには、以下に示すような極性基を有す
るα,β−エチレン性不飽和単量体を用いる必要があ
る。
すなわち、例えば極性基として水酸基を有するα,β
−エチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
のε−カプロラクトン付加物やアリルアルコールが、ま
た他の極性基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体
としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、フマル酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリロニトリル等があげられ、1種または2
種以上の混合物として、内包される塗膜の樹脂連続相の
SPbに応じてSPbが高い場合には、上記単量体を増した
り、SPbが低い場合には減らしたりして、0.30≦|SPa-SP
b|≦2.50の関係を満足させるよう調整する。ここで、SP
aおよびSPbはD.W.Van Krevelen〔Properties of polyme
rs,Chap.7,129〜155(1976)〕方法で計算することがで
きる。
すなわち、溶解性パラメーター(SP)の計算方法は、 ここで各項はそれぞれの原子団についての値で Fdi:分散力項 Fpi:極性項 Ehi:水素結合力項 V :モル体積 であり、各原子団の値を用いて上記式より算出する。
また、重合体粒子の溶剤膨潤度Sを1.0S6.0の関
係たらしめるには、以下に示すような多官能α,β−エ
チレン性不飽和単量体を用いる必要がある。例えば、ジ
ビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフ
タレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ
(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4((メ
タ)アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラ
メチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタンテトラ(メタ)アクリレート、エポキシプレポリ
マーおよびウレタン(メタ)アクリレートなどがあげら
れ1種または2種以上の混合物として用いられる。ここ
で、溶剤膨潤度Sは、重合体粒子の水中とメチルイソブ
チルケトン中の平均粒径の比を3乗することにより得ら
れる。
さらに、重合体粒子のガラス転移温度Tgを−30℃Tg
60℃の関係たらしめるには、上記以外の極性基を有し
ないα,β−エチレン性不飽和単量体、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、
ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、フマル酸ジブチル等があげられ、1種また
は2種以上の混合物として用いることにより調整するこ
とができる。ここで、重合体粒子のガラス転移温度は、
重合体粒子を乾燥後、圧縮成形により平板化した後、熱
機械的分析(以下、TMAと略記するともある)により求
めることができる。
本発明に用いる重合体粒子は、これらのα,β−エチ
レン性不飽和単量体と多官能α,β−エチレン性不飽和
単量体とを用いて、乳化重合、または懸濁重合すること
で合成することができる。乳化重合により合成する際、
ソープフリー乳化重合も可能であるが、以下に示すよう
な界面活性剤を用いることもできる。
(1) アニオン系界面活性剤 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫
酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、
ジオクチルコハク酸カリウム、ラウロイルメチルタウリ
ン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム。
(2) カチオン系界面活性剤 オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸
塩、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデ
シルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オキシ
エチレンドデシルアミン。
(3) 非イオン系界面活性剤 ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル。
(4) 両性イオン系界面活性剤 ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシ
ン。
界面活性剤の使用量は、使用する界面活性剤の乳化能
に関係するものであり、実験によって最適な界面活性剤
の量を適宜選択する必要があるが、通常使用量は水に対
して0.02〜7重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲
で乳化重合を行うのが望ましい。
ここで界面活性剤の濃度が水に対し0.02重量%未満で
は、十分な乳化能が発揮されずに凝集、ゲル化などの不
具合が生じ、7重量%を超える場合には、後の非水系転
換時に水分離作業が困難になるか、あるいは塗膜の耐水
性に悪影響を及ぼすことがある。
乳化重合に使用する重合開始剤としては、有機過酸化
物、無機過酸化物、アゾ系重合開始剤およびレドックス
重合開始剤などがある。有機過酸化物としては、例えば
ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、ジt−ブチルペルオキシド等があげられ、無機過酸
化物としては、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等があげられ、ア
ゾ系重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)等があげられ、レドックス重合開始剤
としては、例えば過酸化水素−第一鉄塩、過硫酸塩−酸
性亜硫酸ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド−第一
鉄塩、ベンゾイルペルオキシド−N,N−ジメチルアニリ
ン等があげられるが、本発明における乳化重合は、重合
開始剤の種類によって特に制限を受けるものではない。
また、懸濁重合において用いられる重合開始剤として
は、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロ
イル、t−ブチル過安息香酸、t−ブチルヒドロペルオ
キシド等があげられるが、本発明における懸濁重合は、
重合開始剤の種類によって特に制限を受けるものではな
い。また、重合中の粒子間の合一を防ぐために用いられ
る分散安定剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドンなどが用いられる。
このようにして重合体粒子はラテックスの形態で得ら
れるが、溶剤系塗料に適用するには水分を除く必要があ
る。
この方法としては、噴霧乾燥による方法と非水分散系
に転換する方法の二通りがある。
ところが、噴霧乾燥法では、乾燥の際に重合体粒子が
凝集しやすく、本発明の効果を発揮しにくくするため好
ましくない。
一方、非水分散系に転換する方法では、粒子凝集が起
こりにくいためより好ましい方法と言える。この方法と
しては、水系分散液に20℃における水の溶解度が5重量
%以下の有機溶剤を加え、その後に有機酸アミン塩を添
加し静置することにより系は有機層と水層の二層に分離
する。
ここで使用される20℃における水の溶解度が5重量%
以下である有機溶剤は、単一溶剤あるいは混合溶剤のい
ずれも使用可能であるが、単一溶剤系で使用する場合は
アルコール系溶剤あるいはケトン系溶剤を使用するのが
望ましく、他の溶剤、例えば脂肪族系溶剤や芳香系溶剤
等の非極性溶剤を単独で用いた場合には重合体粒子が凝
集することがあるため好ましくない。単一溶剤系として
使用可能な20℃における水の溶解度が5重量%以下のア
ルコール系溶剤としては、例えば2−エチル−1−ブチ
ルアルコール、3−ヘプチルアルコール、1−オクチル
アルコール、2−オクチルアルコール、2−エチルヘキ
シルアルコール、1−ノニルアルコール、3,5,5−トリ
メチル−1−ヘキシルアルコール、1−デシルアルコー
ル、1−ウンデシルアルコール、1−ドデシルアルコー
ルなどがあり、ケトン系溶剤としては例えば、メチルn
−プロピルケトン、メチルiso−プロピルケトン、ジエ
チルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルiso−ブ
チルケトン、メチルn−ペンチルケトン、ジn−プロピ
ルケトン、ジiso−ブチルケトン、エチルn−ブチルケ
トンなどがあるが、本発明はこれらに限定されるもので
はなく、またこれらの溶剤を単独でなく2種以上を任意
の割合で混合して用いることもできる。
2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、アルコー
ル系溶剤あるいはケトン系溶剤のうち少なくとも一つを
含み、20℃における水の溶解度が5重量%以下になるよ
うに溶剤組成を調整すれば良く、この際使用することの
できる溶剤として、アルコール系溶剤としては前述のア
ルコール系溶剤以外に、例えばn−ブチルアルコール、
n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、se
c−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、2−ペ
ンチルアルコール、3−ペンチルアルコール、2−メチ
ル−1−ブチルアルコール等があり、ケトン系溶剤とし
ては前述のケトン系溶剤以外にメチルエチルケトン等が
ある。アルコール系溶剤、ケトン系溶剤以外の有機溶剤
としては、脂肪族系溶剤、芳香族系溶剤、エステル系溶
剤を用いることが可能であり、脂肪族系溶剤として例え
ば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキ
サン等がある。芳香族系溶剤としては例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等がある。エステル系溶剤とし
ては、例えば酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso
−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸s
ec−ブチル等があるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
添加する有機酸アミン塩に使用される有機酸として
は、有機カルボン酸類、有機スルホン酸類、有機リン酸
類等がある。かかる例として、有機カルボン酸類として
は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等があり、有機スルホン
酸類としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等
があり、有機リン酸類としては、モノメチルリン酸、モ
ノエチルリン酸、ジメチルリン酸、ジエチルリン酸等が
ある。一方、アミンとしては、1級アミン、2級アミ
ン、3級アミンのいずれも使用可能であり、かかる例と
して、1級アミンとして、モノエチルアミン、iso−プ
ロピルアミン、n−ブチルアミン等があり、2級アミン
としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノ
ールアミン等があり、3級アミンとしては、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ピリジン等があるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
上記の有機酸とアミンとの組合せからなる有機酸アミ
ン塩は所定量の有機酸アミンを常温で混合することによ
り容易に製造される。
上記の非水分散系に転換する方法によると、重合体粒
子は添加された有機酸アミン塩により、粒子表面に存在
する界面活性剤の電気二重層形成による水中での電気的
安定化が阻害され、有機層に分散される。分離した水を
除去した後、有機溶剤層中に存在する残留水分は、該有
機溶剤層に、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オ
ルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等のオルトカルボン
酸エステルを加えた後加温して分解するか、常圧下で共
沸蒸留を行うか、あるいは760mmHg未満において50〜100
℃の範囲の温度で減圧脱水を行うことにより完全除去す
ることができる。
ここで、重合体粒子を非水分散系に転換する際、粒子
表面に固定されている界面活性剤及び重合開始剤切片
を、塩基性または酸性触媒下で加水分解し粒子表面より
除去することも可能である。かかる粒子は粒子表面が非
イオン性であるため、塗膜性能に何ら悪影響を及ぼさ
ず、かつ顔料系に用いても粒子凝集を全く起こさないた
め、高品質塗膜を得るには、より有利な方法である。
本発明の塗料組成物を塗料化するためには、通常の塗
料製造に用いられる機器、たとえば、ディゾルバー、ボ
ールミル、ペイントシェイカー、サンドミル、アトライ
ター、ロールミル、ニーダーなどを用いることができ
る。このとき必要に応じて、顔料、染料、ガラスフレー
ク、アルミニウムフレーク等の着色剤の他、塗料に通常
用いられる添加剤、たとえば、顔料分散剤、粘度調節
剤、レベリング剤、硬化触媒、ゲル化防止剤、紫外線吸
収剤、ラジカル捕捉剤などを加えることもできる。
以上のようにして得られた塗料は、通常の塗装方法、
たとえばエアスプレー塗り、エアレススプレー塗り、静
電塗り、浸し塗りなどによって、通常の被塗物例えば金
属やその他の無機材料、プラスチックやその他の有機材
料に塗装し、60〜180℃の温度で20〜60分間乾燥するこ
とにより、優れた塗膜が得られる。
(発明の効果) かくして本発明の塗料組成物は、重合体粒子の溶解性
パラメーターを樹脂連続相の支配構成成分であるポリオ
ール樹脂の溶解性パラメーターと一定の関係に特定する
ことによって、塗膜内に多重ドメイン構造を形成させる
ため、外観性に優れしかも高度な耐衝撃性を有する塗膜
が得られる。
(実施例) つぎに、実施例、比較例によって本発明をさらに詳し
く説明する。なお例中、部は重量部、%は重量%であ
る。
製造例1 (a) 重合体粒子の水系分散液の製造 界面活性剤水溶液 脱イオン水 380.0部 ラピゾールB90(注1) 5.5部 重合開始剤水溶液−1 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 α,β−エチレン性及び多官能α,β−エチレン性不飽
和単量体混合物 n−ブチルアクリレート 70.0部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20.0部 1,6−ヘキサンジオールメタクリレート 10.0部 重合開始剤水溶液−2 脱イオン水 10.0部 過硫酸ナトリウム 0.3部 (注1)ラピゾールB90(日本油脂(株)製、ジ2−エ
チルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの商品名、有効
成分90%) 撹拌装置、還流冷却器、滴下ロート(2本)、窒素導
入管および温度計を備えたフラスコに界面活性剤水溶液
を仕込み、窒素気流下80℃に昇温し重合開始剤水溶液1
を加えた。再度80℃に昇温した後、フラスコ内の混合物
を80±2℃に保ちながら(多官能)α,β−エチレン性
不飽和単量体混合物を3時間かけて滴下した。該単量体
混合物の滴下中、滴下開始1時間後から重合開始剤水溶
液−2を2時間で滴下した。α,β−エチレン性不飽和
単量体と多官能α,β−エチレン性不飽和単量体との混
合物および混合開始剤水溶液−2の滴下終了後、さらに
80℃で2時間重合を行ない重合体水系分散液A1を得た。
得られた重合体水系分散液のD.W.Van.Krevelenの方法
により求めた溶解性パラメーター(SPa)およびPacific
Scientific社「NICOMP,Model 370」(商品名)による
平均粒径、および加熱残分、および20℃、60rpmにおけ
るブルックフィールド型粘度計による粘度を第1表に示
した。
次に、この重合体水系分散液A1、500部にメチルペン
チルケトン200部および3規定NaOH水溶液22.7部を仕込
み85℃まで昇温し、85±2℃で3時間加水分解反応を行
った。次いで、温度を80℃まで下げ、3規定塩酸水溶液
を22.7部加えて中和した後、粒子分散安定化樹脂として
アクリル樹脂Aの溶液(後出)を74.3部加え、10分間撹
拌した後、酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液(後
出)25部を加えて直ちに撹拌を止め静置すると、重合体
粒子の分散した有機層が上層に、下方には水層が分離し
たので下層の水層を除去した。
残った重合体粒子の分散した有機層に脱イオン水200
部を加え、撹拌下70℃まで昇温し、70℃に至った時点で
酢酸トリエチルアミン塩の20%水溶液を12.5部加え、直
ちに撹拌を止め静置した。再度、重合体粒子が分散した
有機層が上層に、水層が下層に2層分離したので下層の
水層を除去した。残った有機層中には、カールフィッシ
ャー水分計により2.6重量%の水分が残留していた。
次に有機層の温度を50℃まで冷却し、オルト蟻酸メチ
ル70部を滴下ロートより30分間かけて滴下した後、50℃
で30分間反応を続けて残存水を分解した。その後、キシ
レン240部を加え還流冷却器とフラスコの間に新たにデ
ィーンスタークトラップを装着し、還流冷却器上部とア
スピレーターを結合し、加熱撹拌下フラスコ内を減圧状
態とし、300±100mmHg、80±10℃の条件下で265部の溶
剤を留去することによって、重合体非水系分散液A2を得
た。
得られた重合体非水系分散液の加熱残分、20℃におけ
る粘度、平均粒径、溶解性パラメーター(SPa)、ガラ
ス転移温度および溶剤膨潤度、水分を第2表にそれぞれ
示した。
アクリル樹脂A 撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管およ
び滴下ロートを備えた反応器にキシレン42部を仕込み、
窒素ガスを導入しながら加熱撹拌し140℃になったとこ
ろで、下記に示す単量体成分と重合開始剤の混合液を、
140℃一定下で滴下ロートより2時間で等速滴下した。
n−ブチルメタクリレート 36.4部 2−エチルヘキシルメタクリレート 11.7部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 11.1部 アクリル酸 0.8部 t−ブチルペルオキシベンゾエート 3.0部 合計 63.0部 滴下後140℃で2時間保持した後、冷却して内容物を
取り出した。(加熱残分60%、重量平均分子量6500) 酢酸−トリエチルアミン塩の20%水溶液の調製 脱イオン水80部に酢酸7.5部を溶解しておき、ここに
室温撹拌下でトリエチルアミン12.5部を30分間で添加す
ることにより調製した。
製造例B〜F 製造例Aと同様の装置を用い、第1表B〜Fの配合に
基づき、製造例Aと全く同様にして乳化重合および非水
系転換処理を行なうことにより、それぞれ重合体非水系
分散液B2〜F2を得た。ただし、製造例D〜Fについて
は、粒子分散安定化樹脂としてアクリル樹脂Aの溶液の
代わりにポリエステル樹脂Aの溶液(後出)を用いた。
乳化重合後の重合体水系分散液はB1〜F1、非水系転換後
の重合体非水系分散液はB2〜F2と称した。
重合体水系分散液B1〜F1の溶解性パラメーター(SP
a)、平均粒径、加熱残分、ガラス転移温度、および20
℃における粘度を第1表に、また重合体非水系分散液の
溶解性パラメーター、ガラス転移温度、平均粒径、溶剤
膨潤度、加熱残分、20℃における粘度および水分を第2
表にそれぞれ示した。
ポリエステル樹脂A 撹拌装置、温度計、窒素導入管、および還流冷却器を
挿着したディーンスタークトラップを備えたフラスコに
下記単量体を仕込み、窒素ガスを通しながら加熱撹拌し
200℃に昇温した。200℃一定下で酸価が10になったとこ
ろで反応を止めて冷却し、100℃になったところでキシ
レイ36部を加えて希釈、冷却して内容物を取り出した。
(加熱残分60%、数平均分子量1500、樹脂酸価10、水酸
基価180) ダイズ油脂肪酸 12.0部 イソフタル酸 18.0部 トリメチロールプロパン 16.6部 アジピン酸 7.2部 ネオペンチルグリコール 6.2部 合計 60.0部 製造G〜I 製造例Aと同様の装置を用い、第1表G〜Iの配合に
基づき、製造例Aと同様にしてソープフリー乳化重合お
よび非水系転換処理を行うことにより、それぞれ重合体
非水系分散液G2〜I2を得た。ただし、製造例H,Iについ
ては、粒子分散安定化樹脂としてアクリル樹脂Aの溶液
の代わりにポリエステル樹脂Aの溶液を用いた。ソープ
フリー乳化重合後の重合体水系分散液はG1〜I1、非水系
転換後の重合体非水系分散液はG2〜I2と称した。
重合体水系分散液G1〜I1の溶解性パラメーター、ガラ
ス転移温度、平均粒径、加熱残分および20℃の粘度を第
1表に、また、重合体非水系分散液G2〜I2の溶解性パラ
メーター、ガラス転移温度、平均粒径、溶剤膨油度、加
熱残分および20℃の粘度、水分を第2表のそれぞれ示し
た。
製造例J 脱イオン水 400.0部 n−ブチルアクリレート 40.0部 nブチルメタクリレート 40.0部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 10.0部 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 10.0部 ブチルヒドロペルオキシド 3.0部 ポリビニルアルコール 10.0部 上記配合の混合物を、撹拌装置、還流冷却器、窒素導
入管および温度計を備えたフラスコに仕込み、窒素気流
下80℃に昇温した後、フラスコ内の混合物を80±2℃に
保ちながら5時間反応を行ない、重合体水系分散液J1を
得た。得られた重合体水系分散液の溶解パラメーター、
ガラス転移温度、平均粒径、加熱残分および20℃の粘度
を第1表に示した。
次にこの重合体水系分散液500部を10000rpmで60分遠
心分離させ、上層の水層と、下層の重合体粒子層を分離
した、次いで、重合体粒子層にメチルペンチルケトン20
0部を仕込み、超音波分散器にて再分散させた後キシレ
ン150部を加え、上記フラスコにおいて還流冷却器とフ
ラスコの間にディーンスタークトラップを装着したフラ
スコに仕込んだ。後は、製造例Aと同様の条件下により
200部の溶剤を留去することによって重合体非水系分散
液J2を得た。
得られた重合体非水系分散液の溶解性パラメーター、
ガラス転移温度、平均粒径、溶剤膨潤度、加熱残分およ
び20℃の粘度、水分を第2表にそれぞれ示した。
製造例K 製造例Jと同様の装置を用い、第1表Kの配合に基づ
き、製造例Jと全く同様にして懸濁重合および非水系転
換処理を行なうことにより、重合体水系分散液K1および
重合体非水系分散液K2を得た。得られた重合体水系分散
液の溶解性パラメーター、ガラス転移温度、平均粒径、
加熱残分および20℃の粘度を第1表に、また重合体非水
系分散液の溶解性パラメーター、ガラス転移温度、平均
粒径、溶剤膨潤度、加熱残分および20℃の粘度、水分を
第2表にそれぞれ示した。
製造例L 撹拌装置、温度計、窒素導入管、および還流冷却器を
挿着したディーンスタークトラップを備えたフラスコに
下記成分 ジメチルテレフタレート酸 582部 1,4−ブタンジオール 97部 1,6−ヘキサンジオール 297部 ソルベッソ#150(エッソ社製、商品名) 100部 を仕込み、加熱溶融し、0.05%テトラブトキシチタネー
トをエステル交換触媒として加え、窒素気流中最終温度
220℃まで昇温し、生成するメタノールを留出しながら
反応を行った。さらに、同温度で減圧下に脱溶剤を行な
い、ヒドロキシル基両末端オリゴエステルを得た。(重
量平均分子量1250、ヒドロキシル価0.16当量/100g樹
脂)上記ヒドロキシル基両末端オリゴエステル200部を
上記同様のフラスコに仕込み、無溶剤下で加熱溶解し、
窒素気流中140〜145℃にて下記成分 ヘキシルジエチレングリコールモノアクリレート11部 2−エチルヘキシルアクリレート 7.5部 アクリロニトリル 1.5部 メタアクリル酸 1.0部 アクリルアミド 1.0部 t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート 0.25部 を仕込み、1時間ラジカル重合反応を行って種ラテック
スを形成させた。引続き反応温度を120℃に冷却して下
記成分 2−エチルヘキシルアクリレート 45.0部 アクリロニトリル 2.5部 ヒドロキシプロピルアクリレート 1.5部 アクリルアミド 1.0部 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 1.0部 t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート 0.15部 のモノマー溶液を2時間かけて連続滴下し、更に2時間
同温度を継続した。更にt−ブチルペルオキシイソプロ
ピルカーボネート0.1部を30分ずつ2〜3回繰り返し加
えてモノマーの99%以上が重合している事を確認した。
得られた樹脂原料は、ゴム状重合体粒子が安定に分散し
ており、平均粒径は0.04μmで、モノマー重合率より算
出したゴム状重合体粒子の濃度は25.3%であった。
製造例M ホリブタジエンゴム(ファイヤーストン社製、2004、
商品名、ゲル含率85%、平均粒径0.25μm)の存在下に
アクリロニトリルとスチレン乳化重合し、ゴム100部当
り2部のブチル化ヒドロキシトルエンを加え凝固、乾燥
してゴム含有率30%、ゴム質重合体に結合した側鎖重合
体の不飽和ニトリル単量体単位の含有率(対側鎖重合体
重量百分率)27.0%のグラフト重合体を得た。
アクリル樹脂1〜3の製造 撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管およ
び滴下ロートを備えたフラスコにキシレン42部を仕込
み、窒素ガスを導入しながら加熱撹拌し、140℃になっ
たところで、第3表の1〜3の単量体組成の60部と、t
−ブチルオペルオキシベンゾエート3部を140℃一定下
で滴下ロートより2時間で等速滴下した。滴下後140℃
で2時間保持した後、冷却し内容物を取り出した。特性
値を第3表にそれぞれ示した。
ポリエステル樹脂1〜4の製造 撹拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却器を挿
着したディーンスタークトラップを備えたフラスコに、
第4表1〜4の単量体組成の60部を仕込み、窒素ガスを
通しながら加熱撹拌し200℃に昇温した。200℃一定下で
酸価が10になったところで反応を止めて冷却し、100℃
になったところでキシレンを第4表1では36部、2では
35.8部3では35.4部、4では35.3部加えて希釈し冷却し
て内容物を取り出した。特性値を第4表にそれぞれ示し
た。
実施例1〜12 (A) 中塗塗料の製造 重合体非水系分散液A2〜K2を用いて第5表の組成で塗
料を製造し、シンナー(キシレン/n−ブチルアルコール
=8/2重量比)で塗装粘度(フォードカップNo.4、20℃
で25秒)に希釈した。
(B) 塗膜の作成 リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4
200(商品名、日本油脂(株)製)を、乾燥膜厚20μm
となるよう電着塗装して175℃で25分間焼付け、上記の
中塗塗料1(A)−12(A)をそれぞれエアースプレー
にて乾燥膜厚40μmとなるように塗装し、140℃で30分
間焼付けた試験板上に、上塗塗料メラミNo.2000(商品
名、日本油脂(株)製)をエアースプレーにて乾燥膜厚
40μmとなるように塗装し、140℃で30分間焼きつけ
た。
いずれの実施例においても中塗塗膜内に、第2図に示
した様な多重ドメイン構造を内包し、かつ第6表記載の
塗膜外観値のごとく優れた外観品質の塗膜が得られた。
(C) 耐衝撃性試験 (B)で得られた塗装試験をダイヤモンドショット試
験機(スガ試験機(株)製)による耐チッピング性試験
を行った。試験条件は、−20℃、ショット速度170km/hr
で、その後塩水噴霧試験72時間行ないこの時の錆発生率
をもって素地到達率とし、耐衝撃性の比較を行ったとこ
ろいずれの塗膜もすぐれた耐衝撃性を示した。
比較例1,2 第6表の配合に基づいて、実施例1〜12と同様の操作
方法により、塗料を製造し、塗膜を作成して耐衝撃性試
験を行ったところ、比較例1および2は重合体粒子の溶
解性パラメーターSPaが樹脂連続相の溶解性パラメータ
ーSPbとの関係において、0.30未満(比較例1)および
2.50(比較例2)を超える場合であり、第3図に示した
様に塗膜に多重ドメイン構造を形成しておらず、粒子が
分散した状態となり、結果として耐衝撃性に劣った。
比較例3 第7表の配合に基づいて、実施例1〜12と同様の操作
方法により、塗料を製造し塗膜を形成して耐衝撃性試験
を行ったところ、比較例は3は重合体粒子のガラス転移
温度が60℃を超える場合で、クラックが発生しやすく結
果として耐衝撃性劣った。
比較例4 第7表の配合に基づいて、実施例1〜12と同様の操作
方法により、塗料を製造し塗膜を形成して耐衝撃性試験
を行ったところ、比較例4は重合体粒子は粒子は1重量
%未満の場合であり、耐衝撃性を発現するに十分な多重
ドメイン構造を形成することができず結果として耐衝撃
性に劣った。
比較例5 第7表の配合に基づいて、実施例1〜12と同様の操作
方法により塗料を製造し塗膜を形成して、耐衝撃性試験
を行ったところ、比較例5では特開昭62-167316号公報
を応用したものであるが、素地到達率が大きくなり耐衝
撃性に劣りしかも塗膜外観性にも悪影響を及ぼしてい
た。
比較例6 第7表の配合に基づいて、実施例1〜12と同様の操作
方法により塗料を製造し塗膜を形成して、耐衝撃性試験
を行ったところ、比較例6では特開昭54-99159号公報を
応用したものであるが、素地到達率が高く耐衝撃性に劣
りしかも塗膜外観性にも悪影響を及ぼしていた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明塗料組成物が形成する高分子膜の多重
ドメイン構造を模式的に示す拡大図、 第2図は、本発明塗料組成物の塗膜の構造を示す顕微鏡
拡大図、また 第3図は、比較例による塗料組成物の塗膜の構造を示す
顕微鏡拡大図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β−エチレン性不飽和単量体と多官能
    α,β−エチレン性不飽和単量体との共重合体粒子1〜
    40重量%とポリオール樹脂を主体とする樹脂連続相99〜
    60重量%とを含んで構成され、上記共重合体粒子の溶解
    性パラメーター(SPa)と上記樹脂連続相中のポリオー
    ル樹脂の溶解性パラメーター(SPb)とが 0.30≦|SPa-SPb|≦2.50 なる関係にあり、造膜に際し多重ドメイン構造を内包す
    る高分子膜を形成し得る塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記樹脂連続相が、水酸基と反応し得る硬
    化剤を含み、前記ポリオール樹脂と該硬化剤との重量比
    が95/5〜50/50である請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記共重合体粒子が−30℃〜+60℃のガラ
    ス転移温度(Tg)と0.02μm〜20μmの平均粒径(D)
    と1.0〜6.0の溶剤膨潤度(S)とを有する請求項1又は
    2記載の塗料組成物。
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