JP2704932B2 - 放熱基板およびその製造方法ならびに半導体装置 - Google Patents

放熱基板およびその製造方法ならびに半導体装置

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JP2704932B2 JP5296233A JP29623393A JP2704932B2 JP 2704932 B2 JP2704932 B2 JP 2704932B2 JP 5296233 A JP5296233 A JP 5296233A JP 29623393 A JP29623393 A JP 29623393A JP 2704932 B2 JP2704932 B2 JP 2704932B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体を搭載する基板
等として用いられる金属複合部品およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、この種の金属複合部品を放熱基
板として用いた半導体パッケージの要部を示す断面図で
ある。図3において、この半導体パッケージは、放熱基
板10と、放熱基板10上に固着されたセラミック枠3
0と、セラミック枠30に埋設されたピン40と、放熱
基板10上のセラミック枠30間に、ろう剤50により
搭載および固着された半導体20とを有している。半導
体20の固着工程においては、放熱基板10と半導体2
0との間のろう剤50は、かなりの高温に加熱される。
【0003】上記構成において、放熱基板10として
は、半導体20の固着工程における加熱作業や半導体集
積回路の高密度化および高出力化に伴う発熱量の増加に
対処できるように、高い放熱効果を有するものが所望さ
れている。また、高い放熱効果に加えて、半導体20に
対する熱膨張係数のマッチングがとれていること、パッ
ケージ材料との熱膨張係数に近似しているかあるいは組
立後のマッチングを考慮して若干熱膨張係数の異なって
いることも所望されている。
【0004】従来、熱膨張係数に関する要件を満たす放
熱基板に用いる部品として、Cu−Mo系あるいはCu
−W系の金属複合部品が提案され実用化されている。こ
れらの金属複合部品は、Cu板とMo板(あるいはW
板)とを張り合わせてなるクラッド複合材と、CuとM
oとの(あるいはCuとWとの)複合材料を焼結してな
る焼結体とに二大別される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の金
属複合部品には、熱膨張係数以外にも、パッケージング
に必要な機械加工、特に、半導体20を搭載する部分を
段付きや凹凸型などの特別な表面形状とすることも要求
されることがあるが、この要求に対して前記二つの金属
複合部品はいずれも適していないことが判明した。
【0006】即ち、クラッド複合材は、段付きや凹凸型
などの表面形状とした場合に、異種材料の構成比が一様
でなくなることから不適当である。
【0007】他方、複合材料の焼結体は、異種粉末が均
一に分散および複合されていて諸特性も安定している点
では好ましいものの、複合材料を構成する構成材料間の
変形抵抗や変形能が著しく異なるため、塑性加工性、例
えば、圧延性が低く、生産効率に劣り、また、大きな素
材が製造できないという問題点がある。ここで、複合材
料の焼結体の製造方法には、Mo(あるいはW)の多孔
質焼結体にCuを含浸させ(溶浸法と呼ぶ)、この焼結
体を所定の板厚まで圧延加工する方法と、Cu粉末とM
o(あるいはW)粉末とを混合し(混合法と呼ぶ)、混
合した粉末をプレス成型し、焼結した後、この焼結体を
圧延加工する方法とがある。
【0008】しかし、いずれの製造方法によっても、圧
延性が低い。即ち、溶浸法および混合法いずれにおいて
も、焼結体を圧延加工すると圧延方向に対して垂直にク
ラックが生じやすく、例えば、その加工率が30%〜5
0%程度で圧延が不可能となってしまう。仮に、50%
以上の加工が進行した段階で主要な部分にクラックが生
じない場合であっても、端辺部分にクラック(いわゆる
耳割れ)が発生し、良好な素材は得られない。
【0009】さらに、複合材料の焼結体は熱間圧延時に
おいて、表面に突起状のCu−Mo(W)酸化物を生じ
る。焼結体の表面に生じたこの酸化物はワークロールに
付着し、被圧延物である焼結体の表面には圧痕が残る。
このため、圧延された焼結体は、仕上がり状態の悪いも
のとなるという問題点がある。
【0010】本発明の課題は、放熱効果に優れていると
共に、クラックや圧痕が生じることなく所望の表面形状
に加工できる工業的量産性に優れた金属複合部品を提供
することである。
【0011】本発明の他の課題は、上記金属複合部品を
放熱基板として用い、かつ、プラスチックパッケージさ
れた半導体装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、高融点
金属および該高融点金属より低融点の金属を含む複合材
料を焼結することによって得られた焼結体と、該焼結体
の表面を覆う前記複合材料中の金属の一種から成る被覆
層とを有することを特徴とする金属複合部品が得られ
る。
【0013】本発明によればまた、高融点金属および該
高融点金属より低融点の金属を含む複合材料を焼結して
焼結体を得る工程と、得られた前記焼結体の表面を前記
複合材料中の金属の一種から成る板体で包装する工程
と、前記板体と前記焼結体とを一体化する工程と、前記
板体と一体化された前記焼結体を塑性加工する工程とを
有することを特徴とする金属複合部品の製造方法が得ら
れる。
【0014】即ち、本発明は、複合材料を焼結すること
によって得られた焼結体を、複合材料を構成する金属の
一種(例えばCu−Mo複合材の場合:CuあるいはM
o)から成る板体で包装等により少なくとも圧延面全体
を被覆した後、圧延加工を行うことにより、広範囲に亘
る組成比率を有する圧延板を容易に得るものである。
【0015】尚、本発明において、板体で焼結体を包装
するとは、焼結体表面のうちの塑性加工の施される面、
例えば圧延加工が施される場合には、少くとも圧延面
(表裏二面)に、あるいは、焼結体の全表面に板体を配
することをいう。
【0016】また、板体の厚さは、焼結体組成および所
望する圧延板組成によって異なるが、焼結体厚みの0.
01〜2倍程度がよい。また、金属複合部品の表面の板
体は、圧延後に厚さ50〜300μmの被覆層として残
るが、金属複合部品の全体組成は、予め焼結体の組成を
調製すればよく、熱膨張係数や熱伝導率等の特性は広い
範囲で制御できる。しかも、被覆層は、単一種の金属で
あるため、混合層に比べるとより均一にめっき加工やロ
ー付けができる。さらに、段付き(凹凸)形状に加工を
施す場合には、包装板体として延性の高いCu板を用い
れば、加工時にCuが伸びて段付き形状の側面をも被覆
し得るのでその特性は均一で不変である。
【0017】また、圧延後の金属複合部品の表面に被覆
層が不要である場合には、ラッピング加工等により除去
することも可能である。
【0018】本発明によればまた、放熱基板を備え、か
つ、プラスチックパッケージされた半導体装置におい
て、前記放熱基板は、高融点金属および該高融点金属よ
り低融点の金属を含む複合材料を焼結することによって
得られた焼結体と、該焼結体の表面を覆う前記複合材料
中の金属の一種から成る被覆層とを有することを特徴と
する半導体装置が得られる。
【0019】本発明によればさらに、前記放熱基板にお
いて、前記焼結体は、MoおよびWのうちの一方とCu
とを含む複合材料を焼結することによって得られ、前記
被覆層は、Cuから成ることを特徴とする前記半導体装
置が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の金属複合部品を、その製造方
法に基づいて説明する。
【0021】本発明では、溶浸法あるいは混合法によ
り、高融点金属およびこの高融点金属より低融点の金属
を含む複合材料を焼結することによって得られた焼結体
(組成:所望組成の1〜5%減)を、複合材料を構成す
る金属のうちの一種(例えば、Cu)から成る板体で包
装する。尚、板体での包装は、焼結体の表面のうち、少
くとも圧延面上に板体を隙間無く配することをいう。こ
の包装された焼結体を、800℃〜1000℃の範囲で
加熱し、熱間圧延により所望する最終板厚よりも2mm
程度厚い厚さに仕上げる。尚、加熱温度は800℃〜1
000℃の範囲が好ましい。800℃に満たない場合は
変形能が小さいため容易にクラックが生じ、また100
0℃を越えるとCuが著しく軟化したり、加熱温度のゆ
らぎで一部溶融するためである。得られた金属複合部品
熱間圧延板は、焼鈍、酸化物を除去した後、冷間圧延に
より所望の板厚まで加工し仕上げる。このようにして得
られた金属複合部品の表面は、厚さ50μm〜300μ
mの被服層(Cu層)で覆われているが、金属複合部品
全体としては、比較的広範囲の組成を有した複合材であ
る。例えば、Cu−Mo金属複合部品(厚さ1mm)の
熱膨張係数および熱伝導率はそれぞれ、図1および図2
に示すように理論値とほぼ同じ値が得られた。
【0022】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
【0023】[実施例1]混合法により、39重量%C
u−61重量%Moに調製した粉末状の複合材料を、3
トン/cm2 の圧力で成形したプレス体を還元性雰囲気
中で焼結する。焼結体の厚さは8mm、相対密度は90
〜98%である。そして、この焼結体を厚さ2mmの無
酸素銅板で包装する。この包装された焼結体を、水素雰
囲気中にて800〜1000℃の温度で15分間加熱保
持する。この後、圧下率20%以下で熱間圧延加工(1
パス目)する。尚、前記圧延工程の後、従来ならば必要
であったワークロールに付着した突起状の酸化物を除去
する作業は不要である。
【0024】続いて、同雰囲気、同温度で数分間加熱保
持した後、同圧下率で熱間圧延加工(2パス目)する。
この後の突起物除去工程も省くことが出来る。また、こ
の工程を繰り返し行ううちに、従来ならばクラックや耳
割れが多発していたが、今回は全く発生しなかった。
【0025】このようにして目的板厚よりも2mm程度
厚い厚さで熱間加工を終了し、最終的に、冷間圧延加工
にて所望する板厚1mmに仕上げた。
【0026】以上のようにして、本実施例による金属複
合部品が得られた。この時のCu層厚は100μm、C
u含有量は40重量%であった。表面状態も平滑であり
Ra=0.1μm程度であった。
【0027】[実施例2]混合法により68重量%Cu
−32重量%Moに調製した粉末状の複合材料を、実施
例1と同圧力でプレス成形した後同雰囲気中で焼結し
た。焼結体の厚さは12mm、相対密度90〜98%を
有する。この焼結体を厚さ2mmの無酸素銅板で包装し
た。
【0028】この包装された焼結体を、実施例1と同条
件で加熱し、同圧延条件で加工を行ったところ、同様な
結果が得られ、板厚1mmの金属複合部品が得られた。
Cu層の厚さは150μm、Cu含有量は70重量%で
あった。Raは実施例1と同様であった。
【0029】[実施例3]混合法により41重量%Cu
−59重量%Moに調製した粉末状の複合材料を、実施
例1と同圧力でプレス成形した後同雰囲気中で焼結し
た。焼結体の厚さは8mm、相対密度90〜98%を有
する。この焼結体を厚さ0.3mmのMo板で包装し
た。
【0030】この包装された焼結体を、実施例1と同条
件で加熱し、同圧延条件で加工を行ったところ、同様な
結果が得られ、板厚1mmの金属複合部品が得られた。
Mo層厚は50μm、Cu含有量は40重量%であっ
た。Raは実施例1と同様であった。
【0031】[実施例4]混合法により84重量%Cu
−16重量%Wに調製した粉末状の複合材料を、、実施
例1と同圧力でプレス成形した後同雰囲気中で焼結し
た。焼結体の厚さは4mm、相対密度90〜98%を有
する。この焼結体を厚さ0.3mmのCu板で包装し
た。
【0032】包装された焼結体を、実施例1と同条件で
加熱し、同条件で圧延加工したところ同様な結果が得ら
れ、板厚1mmの金属複合部品が得られた。Cu層厚は
50μm、Cu含有量は85重量%であった。Raは実
施例1と同様であった。
【0033】次に、実施例1〜4で得られた金属複合部
品を、ダイ・フローティング方式により25mm×25
mmの板状に打ち抜きを行ない、Niめっきを施した。
各金属複合部品いずれにおいても、打ち抜きによって外
周などにクラックは生じず、また、めっきはむらなく形
成できた。さらに、この各金属複合部品を、図3に示す
半導体パッケージの放熱基板10として用いた。即ち、
各金属複合部品上に半導体20およびセラミック枠30
等を固着してパッケージングし、半導体パッケージを製
造した。製造中において、半導体20を固着するために
ろう剤50をかなりの高温に加熱したが、各放熱基板1
10には、クラックや反り等は発生しなかった。続い
て、各半導体パッケージについて、半導体20を実際の
使用状態を想定した温度に加熱して、放熱基板110と
の整合性をみたが、各放熱基板110にはクラックや反
りは発生しなかった。
【0034】本発明者らの実験によれば、本発明に係る
放熱基板は9〜23×10-6/Kの熱膨張係数をも実現
できるため、特に、プラスチックパッケージされた半導
体装置に適用した場合に有効であることが判った。以
下、プラスチックパッケージされた半導体装置に使用さ
れる放熱基板およびその製造方法について説明する。
【0035】図4および図5はそれぞれ、樹脂流入モー
ルド形式のプラスチックパッケージの例を示す断面図で
ある。
【0036】まず、図4におけるプラスチックパッケー
ジには、放熱基板110と、放熱基板110上に接合さ
れた半導体チップ111と、放熱基板110上からパッ
ケージの外側へ延びた複数のピン112と、複数のピン
112と半導体チップ111との間を電気的に接続する
複数の導線113と、各部品にわたってモールドされた
合成樹脂115とが備えられており、これ等によって半
導体装置が構成されている。
【0037】このプラスチックパッケージは、放熱基板
110、半導体チップ111、複数のピン112、およ
び複数の導線113に、合成樹脂(例えば、エポキシ樹
脂やフェノール樹脂等)115を流入モールドすること
によって製造される。ただし、図4に示すプラスチック
パッケージでは、放熱基板110の裏面はモールドされ
ておらず、外部に露出している。
【0038】次に、図5におけるプラスチックパッケー
ジは、放熱基板110の厚さが図4に示すものより薄い
点と、この放熱基板110の裏面をも合成樹脂115に
よりモールドされている点とが、図4におけるプラスチ
ックパッケージと異っている。他の部分は、図4に示す
ものと同様の構成である。
【0039】また、図4および図5における各放熱基板
115はいずれも、その板面が長方形を呈している。
【0040】本発明は、図4および図5に示す両タイプ
のプラスチックパッケージに用いられる放熱基板に関す
る。
【0041】上記プラスチックパッケージされた半導体
装置には、種々の構造のものがあるため、これ等に適用
できるように、種々の形状を呈する放熱基板が用意され
ることが望ましい。それ故、放熱基板は、種々の形状に
成形し得ることが必要である。
【0042】図6〜図8は、放熱基板の形状例を示す図
である。尚、図6において、(a)は平面図を示し、
(b)は側面図を示す。
【0043】図6〜図8における放熱基板110a、1
10b、および110cはいずれも、基板部120と、
基板部120上に突出する突出部121とを有する一体
の段付き形状を呈している。これ等段付き形状は、後述
する方法によって形成される。突出部121は、図4あ
るいは図5に示した半導体チップ11を保持するもので
あるため、支持部ともいえる。
【0044】より具体的に説明すると、まず、図6
(a)および(b)の放熱基板10aは、その突出部1
21が四隅が面取りされた長方形を呈している。突出部
121はまた、基板部120の図中水平方向の中心線C
1および図中垂直方向の中心線C2について対称位置に
ある。
【0045】図7の放熱基板10bは、一隅が面取りさ
れた基板部120と、基板部120上に形成された長方
形を呈する突出部121とを有している。突出部121
の基板部120に対する位置は、図6と同様である。
【0046】図8の放熱基板10bは、四隅が円弧状に
面取りされた基板部120と、基板部120上に形成さ
れた長方形を呈する突出部121とを有している。突出
部121は、図6あるいは図7と同様に、基板部120
の中央に位置している。
【0047】図9は、さらに他の放熱基板を示す斜視図
である。図9において、放熱基板10dは、長方形の基
板部120と、基板部120上に形成された突出部12
1とを有している。放熱基板10dにおいて、突出部1
21は、図6(a)中の中心線C1、C2のような水平
および垂直方向の各中心線について、非対称な位置にあ
る。また、突出部121は、図中右方向に開口するU字
状の凹部122を備えている。
【0048】以上説明した種々の形状を呈する放熱基板
は、プラスチックパッケージされた半導体装置に用いら
れる。
【0049】以下、本発明による段付き形状を有する放
熱基板の製造方法を説明する。
【0050】[実施例5]まず、前述の実施例2と同様
にして、混合法により68重量%Cu−32重量%Mo
に調製した粉末状の複合材料を、実施例1と同圧力でプ
レス成形した後同雰囲気中で焼結した。焼結体の厚さは
12mm、相対密度90〜98%を有する。この焼結体
を厚さ2mmの無酸素銅板で包装し、実施例1と同様に
加熱保持と熱間圧延加工を繰り返して、総厚が約3mm
の包装された焼結体を得た。
【0051】次に、この包装された焼結体を、100℃
以上に加熱保持し、かつ、温風に曝しつつ、図6(a)
および(b)に示した形状に応じた段付き形状を呈する
金型によって、段付け加工(サイジングと呼ばれる)を
施したところ、基板部と突出部とが一体に形成された段
付き形状を呈し、総厚が2.5mmの放熱基板が得られ
た。
【0052】図10は、得られた実施例5による放熱基
板を示す概念的な断面図である。図10を参照すると、
実施例5による放熱基板130は、CuおよびMoから
成り、段付き形状を呈する焼結体131と、Cuから成
り、その全表面にわたって形成された被覆層132とを
有している。被覆層132は、焼結体131のいかなる
部分においても、ほぼ一定の厚さを有している。特に、
本実施例では、包装板体として延性の高いCu板を用い
ているため、サイジングを施しても、加工時にCuが伸
びることによって、段付き形状の立上がり部分、即ち、
突出部の側面も被覆されていることが判る。
【0053】尚、本発明によれば、図6(a)および
(b)に示した形状に限らず、前述の図7〜図9に示し
た形状等、いかなる段付き形状に形成しても、その焼結
体の全ての表面に、ほぼ一定の厚さを有するCuから成
る被覆層を形成できる。即ち、本発明によれば、プラス
チックパッケージに要求される種々の形状を有する放熱
基板が得られる。
【0054】
【発明の効果】本発明による金属複合部品は、高融点金
属および該高融点金属より低融点の金属を含む複合材料
を焼結することによって得られた焼結体と、該焼結体の
表面を覆う前記複合材料中の金属の一種から成る被覆層
とを有するため、熱間圧延時に、クラックや耳割れが生
ずることなく、加工性に優れている。また、突起状の酸
化物も発生しないため、表面(圧延面)に酸化物の圧痕
が生じることがなく、工業的量産性に優れている。具体
的には以下に示す項目〜の効果が得られる。
【0055】 圧延時のクラックや耳割れを発生させ
ることなく、圧延後の良品率が約95%以上である。
【0056】 熱間圧延時に、ワークロールに付着し
ていた突起酸化物が付かなくなり、除去工程が省略でき
生産性が向上する。
【0057】 複合材料の混合成分と板体を構成する
金属との割合を調整することにより、例えば、Cu−M
o系等の中間熱特性の任意設定が容易である。
【0058】 金属複合部品におけるCuとMo等と
の分散は均一であり、打ち抜きや切断等による如何なる
形状のチップにも、熱特性の差はみられない。また、サ
イジングによる段付き(凹凸)形状への加工や、曲げ加
工などを施しても、クラッド材のように異なる材質層が
生じることはなく、部位による熱特性も全く変わらな
い。さらに、打ち抜き加工によるクラックが発生しな
い。
【0059】 十分に緻密化したCu−Mo系等の素
材をラッピング加工を施して薄くしようとする場合に、
比較的薄い仕上げ厚さ(例えば、0.5〜0.2mm)
にできる。
【0060】さらに、本発明によれば、放熱基板を備
え、かつ、プラスチックパッケージされた半導体装置に
おいて、放熱基板は、高融点金属およびこれより低融点
の金属を含む複合材料を焼結することによって得られた
焼結体と、焼結体の表面を覆う複合材料中の金属の一種
から成る被覆層とを有することを特徴とする半導体装置
が得られる。特に、放熱基板において、被覆層としてC
uを用いれば、いかなる段付き形状に形成しても、焼結
体の全ての表面に、ほぼ一定の厚さを有するCuから成
る被覆層を形成でき、プラスチックパッケージに要求さ
れる種々の形状を有する放熱基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるCu−Mo金属複合部品のCu含
有量に対する熱膨張係数を示す図である。
【図2】本発明によるCu−Mo金属複合部品のCu含
有量に対する熱伝導率を示す図である。
【図3】本発明の実施例および従来例による金属複合部
品を用いた半導体パッケージの要部を示す断面図であ
る。
【図4】モールドされて成るプラスチックパッケージの
一例を示す断面図である。
【図5】モールドされて成るプラスチックパッケージの
他の例を示す断面図である。
【図6】図4あるいは図5に示した放熱基板の変形例を
示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図7】図4あるいは図5に示した放熱基板の変形例を
示す平面図である。
【図8】図4あるいは図5に示した放熱基板の変形例を
示す平面図である。
【図9】図4あるいは図5に示した放熱基板の変形例を
示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例5による放熱基板を示す概念
的な断面図である。
【符号の説明】
10 放熱基板 20 半導体 30 セラミック枠 40 ピン 50 ろう剤 110 放熱基板 111 半導体チップ 112 ピン 113 電線 115 合成樹脂 120 基板部 121 突出部 130 放熱基板 131 焼結体 132 被覆層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MoおよびWのうちの一方とCuとを含
    む複合材料を焼結することによって得られた焼結体と、
    前記焼結体の表面を覆うCuから成る被覆層とを有する
    ことを特徴とする放熱基板。
  2. 【請求項2】 MoおよびWのうちの一方とCuとを含
    む複合材料を焼結して焼結体を得る工程と、前記焼結体
    の表面をCuから成る板体で包装する工程と、前記板体
    と前記焼結体とを一体化する工程と、前記板体と一体化
    された前記焼結体を塑性加工する工程とを有することを
    特徴とする放熱基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の放熱基板と、半導体素
    子とを有し、プラスチックパッケージされてなることを
    特徴とする半導体装置。
JP5296233A 1993-03-11 1993-11-26 放熱基板およびその製造方法ならびに半導体装置 Expired - Fee Related JP2704932B2 (ja)

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