JP2704410B2 - ノンスリップ材とその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は床材や、階段に適したノンスリップ材に関す
る。

（従来の技術） 従来より無機質等の粒状体を表面に接着されたノンス
リップ床材は公知である。しかしこれらの床材はノンス
リップ性のみを追求しており、意匠性は全くなかった。
そこで、エンボスロールにより押圧する方法やスクリー
ン機を用いて樹脂を厚盛りする方法で模様状に凹凸模様
を形成する方法がなされたが、製造に際して設備が高価
で、模様柄の変更に時間がかかる等の欠点があった。

（考案の構成） 本発明は上記問題点を解消した意匠性とノンスリップ
性を具備した床材で、本発明のノンスリップ材の製造方
法は、基材上に粒状体を散布しバインダーとなる液状樹
脂を塗工する工程と、該液状樹脂の非吸収物で模様状に
遮蔽されたスポンジロールとサポートロール間で、粒状
体が該液状樹脂から露出した状態に前記液状樹脂が塗工
された基材を押圧して、スポンジロールの非遮蔽部分で
液状樹脂を一部吸収して液状樹脂の凹凸部を形成する工
程と、樹脂硬化手段で前記樹脂を硬化させる工程を有す
ることを特徴とするノンスリップ材の製造方法、をその
要旨とするものであり、第１図はノンスリップ材の製造
工程図を示す。１は基材であり、基材はガラス繊維やセ
ルローズ繊維等を含有した不織布や、PVC発泡シートや
無発泡シートが好適である。基材上に接着剤２をロール
コーター等の塗工機３で塗工し、ホッパー４から粒状体
５が散布され、ヒーター等の硬化手段６で接着剤上で一
旦固着される。

粒状体は約２〜５のモース硬度を有する事が望まし
く、例えば珪砂、シリカゲル、ガラス粉、瀬戸物粉砕
物、鉄、カーボランダム、アランダム等の、無機質粒子
が利用される。

その粒度は0.1〜3.0mm、好ましくは、約0.2〜1.0mm程
度がよく、これらの粒子に着色することも可能である。
無機質粒状体の接着層との固着性を向上させるためにシ
ランカップリング剤を用いることが望ましい。又、0.1
〜3.0mmの粒度保有する硬質ポリエステル、硬質PVC、メ
ラミン等の硬質樹脂などでもよく、また軟質樹脂の粒状
体も使用可能である。歩行により容易に潰れなければ、
あらゆる粒状体が使用可能である。

固着された粒状体上にロールコーター等の塗工装置７
によりバインダーとなるUV樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂等の液状樹脂８を塗工する。このとき液状樹脂は
粒状体の頂部を被覆しないようにする。

引続きスポンジロール９とサポートロールＳ間にシー
トを導く。スポンジロール９はステンレス片等の非多孔
質などの遮蔽部材10により表面が模様状に遮蔽されてい
る。

ここで第２図は第１図の部分拡大図であり、基材１上
に接着剤２で固着された粒状体５の一部がスポンジロー
ルの遮蔽部10により遮蔽されており、ここからはスポン
ジロール内に液状樹脂は吸収されず、バインダー厚の厚
い部分14が得られる。この遮蔽部は模様状なので、この
液状樹脂層の厚い部分は模様状に形成される。

しかし他の部分では、スポンジロールとサポートロー
ル間に加えられた圧力により、スポンジロールの一部9a
が変形して粒状体間に食い込み、この結果矢印に示され
るように液樹脂８は吸収され、バインダー厚の薄い部分
13となる。

得られたシートは、ヒーターまたはUV照射装置等の樹
脂硬化手段11によって液状樹脂が硬化され、厚さの大小
があるバインダー部が形成され本発明ノンスリップ材12
が得られる。

第３図は本発明ノンスリップ材の断面図であり、基材
上に粒状体がバインダーで固着され、かつ粒状体頂部は
バインダーから露出しているノンスリップ材において、
該粒状体は厚さの薄いバインダー部と厚さの厚いバイン
ダー部によって基板上に固定され、厚さの厚いバインダ
ー部が模様状に形成されたことを特徴とするノンスリッ
プ材をその要旨とする。

基材１に接着剤層２によって固着された粒状体５はさ
らに厚さの薄いバインダー部13と厚さの厚いバインダー
部14によって固定され、本発明ノンスリップ材15が得ら
れる。

少なくとも厚さの薄いバインダー部13は粒状体の頂部
は露出している。第４図本発明ノンスリップ材の平面図
で、粒状体５は均一に散布されており、厚さの薄いバイ
ンダー部13は少なくとも頂部が露出してノンスリップ効
果を発現する。

一方、厚さの厚いバインダー部14は上記遮蔽材と同じ
任意の模様状に得られ、これが外観上ノンスリップ材の
意匠性を高める。

（発明の効果） 本発明により、均一なノンスリップ性が得られるのは
もちろん、バインダーの厚い部分が模様状に認められる
ので、意匠性が向上した。

（実施例） 厚さ0.3mmのガラス繊維基材上にPVCペーストをバーコ
ーターで0.1mmの厚さで塗工し、粒状体として６号珪砂
をホッパーより基材全面に散布し、PVCペーストを加熱
硬化して珪砂を固着させた。次に吸引装置により過剰の
珪砂を除去した。散布した珪砂上に、ロールコーターで
粘度5000cpsのPVCペーストを全面に過剰に塗工した。

次に、その表面に0.1mm厚のステンレス片が模様状に
強力に接着されたスポンジロールを準備した。このスポ
ンジロールとサポートロール間で、粒状体が散布された
シートを基材と同調したスピードで回転させながら充分
な圧力で押圧して通過させた。この結果、ステンレス遮
蔽部で覆われた部分は粒状体間にPVCペーストが多く残
り、非遮蔽部は変形したスポンジ部が粒状体間に入って
PVCペーストが吸い取られ液状樹脂は薄い状態であっ
た。次に、200℃オーブンでPVCペーストがゲル化されバ
インダーを形成してノンスリップ材が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ノンスリップ材製造方法図、第２図は第
１図の部分拡大図、第３図はノンスリップ材断面図、第
４図はノンスリップ材平面図である。 ５は粒状体、９はスポンジロール、10は遮蔽部材、13は
厚さの厚いバインダー部、14は厚さの薄いバインダー部
である。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基材上に粒状体がバインダーで固着され、
   かつ粒状体頂部はバインダーから露出しているノンスリ
   ップ材において、該粒状体は厚さの薄いバインダー部と
   厚さの厚いバインダー部によって基材上に固定され、厚
   さの厚いバインダー部が模様状に形成されたことを特徴
   とするノンスリップ材。
2. 【請求項２】基材上に粒状体を散布しバインダーとなる
   液状樹脂を塗工する工程と、該液状樹脂の非吸収物で模
   様状に遮蔽されたスポンジロールとサポートロール間
   で、粒状体が該液状樹脂から露出した状態に前記液状樹
   脂が塗工された基材を押圧して、スポンジロールの非遮
   蔽部分で液状樹脂を一部吸収して液状樹脂の凹凸部を形
   成する工程と、樹脂硬化手段で前記樹脂を硬化させる工
   程を有することを特徴とするノンスリップ材の製造方
   法。