JP2703276C - - Google Patents

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JP2703276C
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、窒化アルミニウム(AlN)薄膜回路基板に関する。 (従来の技術) 従来、半導体モジュールに使用される薄膜回路基板の基材としては、アルミナ
が主に用いられている。しかしながら、実装される能動素子の性能向上に伴って
稼働時の素子からの発熱量が増大する傾向にあり、アルミナの熱伝導率では能動
素子の実装個数が制約されるという問題があった。 このようなことから、アルミナに代わり高熱伝導率をもつBeOを基材とした
薄膜回路基板が使用されてきたが、かかるBeOは製造時、研磨時の毒性が強い
ため、基材としての応用範囲が限定される。このため、代替材料としてAlNが
広く用いられている。このAlNは、無害であり、製造、部品化、廃棄の制約が
ないという利点を持ち、特に熱伝導率が70〜280W/m・kの広い範囲、つ
まり放熱性がアルミナの3.5倍から場合によってはBeOより優れたレベルま
で調製可能であるため、アルミナ基材を用いた薄膜回路基板に比べて高い実装密
度を実現できるはがりか、能動素子の高密度化に合せて所望の熱伝導性を付与で
きる利点を有する。かかるAlN基材を用いた薄膜回路基板の薄膜導体は、従来
よりAu/Pt/Ti、Au/Pd/Ti、Au/Pt/Cr等が一般に使用さ れている。しかしながら、これらの導体を前記AlN基材上に形成するには王水
、弗酸等の腐蝕性の強いエッチントを用いて選択エッチングする手法が採用され
るため、該AlN基材もエッチングされるという問題があった。即ち、AlN材
料はアルミナやSiに比べて強酸、強アルカリに対する耐食性が低く、容易に分
解するため、前記エッチングによる導体の形成時に該導体周辺のAlN基材表面
にピットやトレンチを生じ、導体を安定的な形状でかつ信頼性よく形成すること
が困難となる。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、導体形成のため
のパターニングに際してのエッチング時にAlN基材表面へのエッチングを抑制
して安定した形状で信頼性の高い導体を実現でき、かつ該導体のAlN基材への
密着性を向上したAlN薄膜回路基板を提供しようとするものである。 [発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、平均線表面粗さが150nm以下の窒化アルミニウム基材上にTi
層、Ni層及びAu層をこの順序で積層した三層構造の導体を形成すると共に、
前記基材と前記導体のTi層の間に酸素を0.02〜30atm%含む少なくと
も窒化アルミニウムの構成材料及びTiからなる化合物層を介在させたことを特
徴とする窒化アルミニム薄膜回路基板である。 上記AlN基材の平均線表面粗さ(Ra)を150nm以下に限定した理由は
、その表面粗さが150nmを越えると導体の断線や、該導体を形成するための
パターニング工程において幅が不均−となり、更に導体のAlN基材に対する密
着性が低下して薄膜回路基板の信頼性を低下させるからである。このような表面
粗さに調整するには、サブミロンのAlN粒子原料を用いた焼結操作や焼結基材
の研磨により達成できる。 上記AlN基材の結晶粒径は、0.5〜20μmの範囲にすることが望ましい
。この理由は、結晶粒径を0.5μm未満にするとAlN基材の熱伝導率の向上
化が望めなくなるばかりか、焼結時のうねりや反りが大きくなって導体形成工程
でのマスク露光精度を低下させる恐れがあり、一方結晶粒径が20μmを越える
と 基材表面の研磨の際、結晶粒の脱落などにより表面のRaが150nm以下の基
材を得ることが困難となる恐れがあるからである。 上記導体の構成材料であるAlN基材側に配置される下層のTi層は該基材に
対する密着性を高める作用をなし、中間に配置されるNi層は下層のTi層が上
層のAu層に拡散するのを防止するバリアとして作用し、上層のAu層は導体そ
のものの特性である低抵抗性を付与する機能を有する。かかる導体を構成する各
金属層の厚さについては、Ti層を10〜200nm、Ni層を100nm〜1
μm、Au層を50nm〜4μmにすることが望ましい。 上記AlN基材と導体のTi層の間には、酸素を0.02〜30atm%含む
少なくともAlNの構成材料(Al、N等)及びTiからなる化合物層を介在さ
せることが必要である。かかる化合物層中の酸素量を限定した理由は、その量を
0.02atm%未満にすると導体をAlN基材に対して充分な強度で密着させ
ることが困難となり、かといって酸素の量が30atm%を越えると基材と導体
間の熱膨脹係数の差、格子歪み等により導体が基材表面から剥離するからである
。 次に、本発明のAlN薄膜回路基板の製造方法を簡単に説明する。 まず、所望の熱伝導率を有し、表面のRaが150nm以下のAlN基材を用
意する。つづいて、この基材上に蒸着法、スパッタリング法等の一般的な成膜技
術によりTi層、Ni層及びAu層を順次成膜する。この時、必要に応じて基材
温度、雰囲気、真空度、パワー密度、ボート電流を調整し、脱ガスが不充分な場
合には所望の温度に基材を加熱して基材表面を清浄な状態とする。また、Ti層
の成膜に先だって基材表面をプラズマによりエッチングして表面の活性化を高め
る。更に、AlN基材とTi層の界面に前述した化合物層を形成するために酸素
を蒸着雰囲気中に供給する。次いで、前記三層をレジストを用いたフォトエッチ
ング技術によりパターニングしてAlN基材上に三層構造の導体を形成してAl
N薄膜回路基板を製造する。このフォトエッチング時には、Au層はKl+l2
+脱イオン水、Ni 層はCuSO4+HCl+エチルアルコール+脱イオン水、
HCl+Fe Cl2+エチルアルコール+脱イオン水、CuSO4+脱イオン水
等、TiはHF+脱イオン水等、のエッチャントを用いて行なう。 (作用) 本発明によれば、平均線表面粗さが150nm以下のAlN基材を用いること
によって、該基材上に形成される導体の断線、該導体をパターニングする工程で
の導体幅の不均一化を防止できると共に、導体の基材に対する密着力を向上でき
る。 また、導体をTi層、Ni層及びAu層をこの順序で積層した三層構造とする
ことによって、該導体(特にNi層)のパターニングに際して既述した組成を有
し、AlN基材に対して腐蝕性の低いエッチャントを用いることができるため、
安定した形状をもつ高信頼性の導体をAlN基材表面に形成することができる。
即ち、AlN基材としては既述したように導体のパターン精度を向上するために
表面を鏡面状態にしている。しかしながら、この鏡面とはマクロ的なレベルの表
現であり、ミクロ的には第1図に示すように導体1が形成されるAlN基材2は
結晶粒子3の粒界及び粒界相などの異相界面4、不純物等の原因による凹凸が生
じ、各結晶粒子3の研磨位置は不連続な表面(段差)5が形成されている。従来
のようにAlN基材に与える影響の大きなエッチャントを用いて導体薄層をパタ
ーニングすると、該エッチャントは配向面で異なるエッチング性を有する各結晶
粒子のエッチング速度差を助長して前述した不連続面4の段差度合を拡大し、結
果的には安定した形状の導体を信頼性よく形成することが困難となる。これに対
し、前述したTi層、Ni層及びAu層からなる三層構造の導体は、腐蝕性の小
さいエッチャントによるパターニングが可能となり、AlN基材表面のエッチン
グ(特に不連続面での段差度合のエッチングによる拡大)を防止できるため、安
定した形状をもつ高信頼性の導体をALN基材表面に形成することができる。 更に、AlN基材と導体のTi 層の間に酸素を0.02〜30atm%含む
少なくともAlNの構成材料(Al、N等)及びTiからなる化合物層を介在す
ることによって、導体の基材に対する密着強度を著しく向上できる。即ち、従来
のアルミナ基材では導体の間に酸化物層が存在し、導体をアルミナ基材表面に良
好に密着できる。しかしながら、AlN基材では導体との間に酸化物単体を介在
させても充分な密着強度を得ることが困難で、それら部材間での熱膨脹係数の差
等により導体が剥離し易い問題がある。これに対し、AlN基材と導体のTi層
の間に特定量の酸素を含む少なくともAlNの構成材料(Al、N等)及びTi からなる化合物層を介在することによって、導体の基材に対する密着強度を著し
く向上でき、基材とTiとの間の熱膨脹係数の差等による導体の剥離を防止でき
る。 従って、本発明によれば微細線幅を有する導体がAlN基板に対して高い密着
強度で設けられ、能動素子等の高密度実装が可能な半導体モジュールに有用な高
信頼性のAlN薄膜回路基板を得ることができる。 (実施例) 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 まず、熱伝導率280W/m・kのALN基材を平均線表面粗さが150nm
となるようにラッピング、ポリッシングを行なった。つづいて、AlN基材表面
を300Wのパワーにて0.5vol%の酸素を含むArガスのプラズマエッチ
ングを行なってAlN基材表面に酸素を供給した後、RFスパッタ法によりTi
層、Ni層及びAu層を下記第1表に示す条件で成膜した。次いで、最上層のA
u層に写真蝕刻法により7μm幅のレジストパターンを形成した後、該パターン
をマスクとしてAu層をKl+l2+脱イオン水のエッチャント、Ni層をCu
SO4+HCl+エチルアルコール+脱イオン水のエッチャント、Ti層をHF
+脱イオン水のエッチントにより順次エッチングして三層構造の導体を形成し、
AlN薄膜回路基板を製造した。 実施例2 実施例1と同様、ラッピング、ポリシング処理、酸素を含むArガスプラズマ
処理を施したAlN基材表面にRFスパッタ法によりTi層、Ni層及びAu層
を下記第1表に示す条件で成膜し、つづいてこれらの層を実施例1と同様にパタ
ーニングして三層構造の導体を有するAlN薄膜回路基板を製造した。 比較例1 まず、熱伝導率20W/m・kのAlN基材を平均線表面粗さが150nmと
なるようにラッピング、ポリッシングを行なった。つづいて、RFスパッタ法に
よりTi層、Pt層及びAu層を下記第1表に示す条件で成膜した。次いで、最
上層のAu層に写真蝕刻法により7μm幅のレジストパターンを形成した後、該 パターンをマスクとしてAu層をKl+l2+脱イオン水のエッチャント、Pt
層をHCl+HNO3のエッチャント、Ti層をHF+脱イオン水のエッチント
により順次エッチングして三層構造の導体を形成し、AlN薄膜回路基板を製造
した。 比較例2 まず、熱伝導率20W/m・kのAlN基材を平均線表面粗さが150nmと
なるようにラッピング、ポリッシングを行なった。つづいて、AlN基材表面を
300Wのパワーにて50vol%の酸素を含むArガスのプラズマエッチング
を行なってAlN基材表面に酸素を供給した後、RFスパッタ法によりTi層、
Pt層及びAu層を下記第1表に示す条件で成膜した。次いで、最上層のAu層
に写真蝕刻法により7μm幅のレジストパターンを形成した後、該パターンをマ
スクとして比較例1と同様な方法によりAu層、Pt層及びTi層を順次エッチ
ングして三層構造の導体を形成し、AlN薄膜回路基板を製造した。 しかして、本実施例1、2及び比較例1、2の薄膜回路基板についてAlN基
材に対する導体(Ti層)の接合強度、導体の断線の有無を調べた。その結果を
同第1表に併記した。 第1表から明らかなように本実施例1、2の薄膜回路基板は比較例1、2の薄
膜回路基板に比べて導体のAlN基材に対する密着強度が著しく高く、しかも断
線のない信頼性が極めて高いものであることがわかる。 [発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば導体形成のためのパターニングに際しての
エッチング時にAlN基材表面へのエッチングを抑制して微細かつ安定した形状
で信頼性の高い導体を実現でき、かつ該導体のAlN基材への密着性を向上でき
、ひいては能動素子等の高密度実装が可能な半導体モジュールに有用な高信頼性
のALN薄膜回路基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、導体が形成されたAlN基材表面をミクロ的に見た状態を示す模式
図である。 1…導体、2…AlN基材、3…結晶粒子、4…異相界面、5…不連続面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 平均線表面粗さが150nm以下の窒化アルミニウム基材上に
    Ti層、Ni層及びAu層をこの順序で積層した三層構造の導体を形成すると共
    に、前記基材と前記導体のTi層の間に酸素を0.02〜30atm%含む少な
    くとも窒化アルミニウムの構成材料及びTiからなる化合物層を介在させたこと
    を特徴とする窒化アルミニム薄膜回路基板。 【請求項2】 前記窒化アルミニウム基材は、結晶粒径が0.5〜20μmで
    あることを特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム薄膜回路基板。

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