JP2702712B2 - 自動車の開放可能なルーフ構造 - Google Patents
自動車の開放可能なルーフ構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は自動車、特に乗用車あるいはスポーツカーの
ルーフ(ハードトップ)を広い面積にわたって開放する
ことができるルーフ構造に関する。 〔従来の技術〕 自動車の走行中に運転者や同乗者が開放感を得るため
に周囲が開放されたタイプの自動車が存在している。従
来から存在しているものとして、ルーフが防水布のよう
な柔軟な材質から形成され、車体に支持された可動部材
によってルーフとしての形態を保つように構成され、可
動部材を動かすことによってルーフを折りたたんで車体
内に収納することができる、いわゆるコンパーチブル方
式(オープンカー)と呼ばれる車体形式がある。 またルーフの一部にウィンドウを設けて、このウィン
ドウを開閉させることによって開放感を得るように構成
されたタイプのものがある。このタイプの車体形式はい
わゆるサンルーフ方式と呼ばれ、ルーフの中心近くの一
部を他のルーフ部分内にあるいは他のルーフ部分の上部
後方へスライドさせるようになっている。 更にルーフを取りはずしてトランクルーム内へ収納す
る、いわゆるデタッチャブル方式がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 コンパチブル方式の自動車においては、ルーフ自体が
ビニール製であるため後部視界が悪くなり、かつ耐寒・
耐水・耐久性において問題があると共にルーフの収納の
ために車体にかなりのスペースが要求される。また走行
中のルーフの開閉が風圧の関係で不可能である。 サンルーフ方式の自動車においては、構造上、ルーフ
開放面積に限界があるため、運転者や同乗者が十分に外
気や太陽光にふれることができず、オープンカーに類す
る開放感を得るには至っていないが現状である。 更にデタッチャブル方式の自動車においては、取りは
ずしができるルーフの面積はトランクルーム内に収容で
きる範囲内であり、それ以上のルーフ面積を取りはずす
場合には1枚のルーフを分割する構造とする必要があ
る。従って走行中のルーフの着脱は不可能であり、かつ
停車内のルーフの着脱および収容作業が著しく面倒であ
ると共に取りはずした後はトランクが使用できないとい
う問題点がある。 本発明の目的は上述した従来技術の問題点を解消した
開放可能なルーフ構造を提供することにあり、運転者や
同乗者がいわゆるオープンカーに類する開放感を得るこ
とができると共に車内にルーフを収納するスペースを必
要とせず、しかも走行中に自由にルーフの開閉を行なう
ことをできるルーフ構造を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 前記目的を達成するために本発明は、自動車のルーフ
パネルが少なくとも運転席と助手席の上部に位置するフ
ロントルーフと残りのリアルーフとに分離可能に構成
し、フロントウイドシールド上のフロントウインドフレ
ームと前記リアルーフ端部のセンタフレーム間をTバー
により補強し、前記フロントルーフを開放する開放手段
を備える自動車の開放可能なルーフ構造において、 一端にフロントルーフを回動自在に支持する第1のア
ームと、該第1のアームの他端を自動車後方に移動させ
る移動機構とにより前記開放手段を構成し、該開放手段
が、前記第1のアームの回動によりフロントルーフをリ
アルーフから分離すると共に、前記移動機構により第1
のアームの他端を自動車後方に移動することにより、フ
ロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる様に移動して
開放することを第1の特徴とする。 また本発明は、前記第1の特徴による移動機構が、T
バーに一端が回動可能に結合され、他端が第1のアーム
の他端と回動自在に結合する第2のアームを含み、該開
放手段の第2のアームの長さの中に第1のアームを折り
畳んでTバー内に収納することによりフロントルーフを
閉じ、前記第2のアーム及び第1のアームを回動するこ
とにより、フロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる
様に移動して開放することを第2の特徴とする。 更に本発明は、前記第1の特徴による移動機構が、第
1のアームの他端に回動自在に取り付けられたローラと
該ローラを自動車長手方向に移動可能に案内するTバー
とを含み、前記移動機構のローラを自動車先端方向に移
動させ且つ第1のアームをTバー内に折り畳んでTバー
内に収納することによりフロントルーフを閉じ、第1の
アームを回動し且つローラを自動車後方に移動させるこ
とにより、フロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる
様に移動して開放することを第3の特徴とする。 〔作用〕 運転者あるいは同乗者がコンパートメント内から手に
よってフロントルーフの内壁を押上げると開放手段によ
ってフロントルーフは走行中に生ずる気流に対する空気
抵抗に関連して空気力学的に運ばれた方向に移動されて
リヤルーフよりも上位に配置されるので、フロントルー
フが占めていた空間は開放されて、運転者および同乗者
はオープンカーに類する開放感を得ることができる。 〔実施例〕 以下、本発明による実施例について添付図面を参照し
ながら詳述する。 第1図ないし第5図は本発明の第1の実施例を示して
おり、自動車のルーフパネル10は運転席および助手席の
上部に位置するフロントルーフ12とリヤルーフ14とに分
離されている。第1図はフロントルーフ12がリンク機構
16によって少し持ち上げられている状態を示している。
リンク機構16は、フロントウィンドシールド17を固定し
ているフロントウィンドーフレーム18とセンターフレー
ム20との間に掛け渡されている補強部材としての断面略
々U字形のTバー22上に取付けられていて、フロントル
ーフ12を支持している。フロントルーフ12は、運転者あ
るいは同乗者がフロントルーフ12の内壁を手で押し上げ
ることによってリンク機構16が作用して第2図に示すよ
うにリヤルーフ14の上方に移動配置されるようになって
いる。これによってフロントルーフ12は開放されるが、
閉じる時には、フロントルーフ12内壁に取付けた取っ手
(図示せず)を手で引張ってリンク機構16を反対方向に
作用させることによりなすこともできる。以下、詳述す
る。 第3図においてはリンク機構16の概略が拡大されて示
されている。この実施例におけるリンク機構16は補強部
材としてのTバー22の対向する側壁23,23にそれぞれ回
転自在に取付けられると共にフロントルーフ12の内壁に
対して回転自在に取付けられた第1リンク手段30と第2
リンク手段32とから成っている。 第1リンク手段30はTバー22の側壁に固定された軸33
a,33bに一端が回転自在に取付けられた等長のアーム34,
34と、アーム34,34の他端を回転自在に連結するアーム3
5から成る第1平行リンクと、フロントルーフ12の内壁
に固定された受け具37,37に対して一端が回転自在に取
付けられると共に他端がアーム34,34のアーム35の連結
点において、それぞれ回転自在に連結されている2本の
等長のアームが36,36から成る第2の平行リンクから構
成されている。 第2リンク手段32は、同様に、Tバー22の側壁に固定
された軸43a,43bに一端が回転自在に取付けられ、アー
ム34と等長のアーム44,44(第3図においては2本のう
ち1本が図示されている)とアーム44,44の他端を回転
自在に連結し、アーム35と等長のアーム45から成る第3
平行リンクと、アーム36と等長のアーム46,46から成る
第4平行リンクとから構成されている。アーム46,46は
フロントルーフ12の内壁に固定された受け具47,47に対
して一端が回転自在であると共にアーム44,44とアーム4
5の連結点において他端が回転自在であるように取付け
られている。第3図においては、フロントルーフ12は仮
想線で示されているが、受け具37,37および47,47はこの
フロントルーフ12内壁に固定され、各アーム36,36およ
び46,46の端部は黒丸で示した軸のまわりで回転するよ
うに取付けられている。フロントルーフ12は上述したよ
うな第1リンク手段30および第2リンク手段32を介して
Tバー22に対して平行移動が可能であり、アーム34およ
びアーム44の回転によってアーム35およびアーム45はT
バー22に対して或る範囲において平行に移動し、フロン
トルーフ12はアーム36,36およびアーム46,46を介して35
およびアーム45に対してさらに或る範囲において平行に
移動されるように構成されていることが理解される。こ
の様に本実施例によるルーフ構造は、第1リンク手段30
及び第2リンク手段32の回動によりフロントルーフ12を
自動車後方へ所定距離、例えば第1の距離分だけ後方へ
平行移動し、アーム36及び46の回動によりフロントルー
フ12を更に自動車後方へ所定距離、例えば第2の距離分
だけ後方へ平行移動する様に構成され、これによってフ
ロントルーフ12をリアルーフ14上へ移動することができ
る。 この実施例におけるTバー22の配設される方向は略々
水平方向であり、フロントルーフ12の移動可能な方向も
略々水平方向であるようになっている。自動車のフロン
トルーフ12の移動方向は好ましくは、走行中に生ずる気
流に対する空気抵抗が最小となるようにな方向に選択さ
れるべきであり、この実施例では水平方向に気流が生ず
るものとして、フロントルーフ12の移動方向が選択さ
れ、そのため平行リンクによってリンク機構16を形成し
てある。 本発明によるルーフ構造においては、フロントルーフ
12を開閉するためのリンク機構16は補強部材としてのT
バー22の対向する2つの側壁と底壁とで囲まれたスペー
ス内に収容され得るように構成され、フロントルーフ12
が閉じられている際にはコンパートメント内には露出し
ないという特徴も有している。第4図はTバー22内に収
容されたリンク機構を概略的に示す平面図である。 ただし、フロントルーフ12に取付けられるべき受け具
37,37および47,47は省略されている。この状態において
はフロントルーフ12の前方および後方端はそれぞれフロ
ントウィンドーフレーム18とセンターフレーム20の位置
にある。第4図から理解されるように、2本のアーム3
4,34の上端を連結するアーム35はアーム34とアーム34に
はさまれた位置にあり、同様に2本のアーム44,44の上
端を連結するアーム45もアーム44とアーム44にはさまれ
た位置にある。センターフレーム20に近い方のアーム34
とアーム44の下端はそれぞれスペーサ31とスペーサ41を
介いてTバー22の側壁23,23に固定した軸33bと軸43bの
まわりに回転可能に取付けられている。またセンターフ
レーム20に近い方のアーム36とアーム46は、それぞれセ
ンターフレーム20に近い方のアーム34とアーム44の内側
に配置され、フロントウインドーフレーム18に近い方の
アーム36とアーム46はスペーサ38とスペーサ48を介して
更に内側に配置されている。更にフロントウィンドーフ
レーム18に近い方のアーム34とアーム35とフロントウィ
ンドーフレーム18に近い方のアーム36との連結は、フロ
ントウィンドーフレーム18に近い方のアーム44とアーム
45とフロントウィンドーフレーム18の近い方のアーム46
との連結をなす共通の軸49aによってなされ、同様にセ
ンタフレーム20に近い方のアーム34とアーム35とアーム
36との連結は、センターフレーム20に近い方のアーム44
とアーム45とアーム46との連結をなす共通の軸49bによ
ってなされる。従ってリンク機構16を構成する各アーム
は互いに重なることなくTバー22内に収容され得るよう
になっている。 第5図(a)ないし第5図(c)はフロントルーフ12
を開放させる際のリンク機構16の動作を概略的に示した
ものであり、第5図(a)の状態は第4図に対応してい
る。この状態において、停車中あるいは走行中に運転者
あるいは同乗者がフロントルーフ12の内壁に取付けてあ
る取っ手(図示を省略)をつかんで上方に少し押上げる
と、アーム36,36およびアーム46,46は軸49aおよび49bの
まわりに左回りに回転しながら立上がり、フロントルー
フ12はフロントウィンドーフレーム18の方向に水平移動
してリヤルーフ14から分離する。更に押上げるとアーム
34,34およびアーム44,44が軸33aおよび33bのまわりに右
回り回転しながら立上がると共にアーム35およびアーム
45はセンターフレーム20の方向に水平移動していく。こ
の状態を第5図(b)に示す。この状態から更にフロン
トルーフ12を後方に押していくことによって、アーム3
4,34およびアーム44,44は更に右回り回転をし、フロン
トルーフ12は水平位置を保ったまま後方に平行移動さ
れ、第5図(c)に示されるようなリヤルーフ14の上方
に位置する個所で、その位置がロックされる。フロント
ルーフ12の最終位置をロックする手段は図示されていな
いが、たとえばセンターフレーム20に近い方のアーム34
をアーム44の最大回転角の制限をTバー22がセンターフ
レーム20と交差する端部を第5図(c)に示すようなテ
ーパ面に形成してアーム34とアーム44がフロントルーフ
12の最終位置に対応した位置でテーパ面によって移動を
阻止するようにし、更にアーム36,36およびアーム46,46
が第5図(c)に示すようにアーム34,34およびアーム4
4,44と一直線上になったときに、アーム36,36およびア
ーム46,46がアーム34,34およびアーム44,44に対して回
転しないようにストッパを設けることも可能である。あ
るいは、アーム36,36およびアーム46,46がフロントルー
フ12に対して回転しないようにストッパを設けることも
可能である。これらのストッパはリンク機構に用いる公
知の手段によってなされ、それ自体本発明の特徴とする
ところではない。この様に本実施例によるルーフ構造
は、アーム34及び44の回動によりアーム36,46を自動車
後方に移動することにより、フロントルーフ12をリアル
ーフ14にほぼ重なる様に移動することができる。このア
ーム34及び44は本実施例による移動機構に相当する。 第6図ないし第9図は本発明のルーフ構造の第2の実
施例を示し、第6図はルーフ構造の要部を概略的に示す
斜視図である。第1の実施例と同一部分あるいは相当部
分は同一符号で示してある。この実施例においては、フ
ロントルーフ12を開閉させるためのリンク機構16は、T
バー22上を移動することができる。Tバー22は底壁50、
側壁52,52および側壁52,52の上端からそれぞれ内側に水
平に突出する部分54,54から形成されている。リンク機
構16は4本の等長のアーム34,34およびアーム44,44から
構成され、それらの一端はTバー22の底壁50上を回転移
動するローラ60,60およびローラ62,62に回転可能に連結
され、各アームの他端は、フロントルーフ12の内壁に固
定されるべき取付部材70に配設された軸72,72および74,
74(74は1個のみ図示されている)に回転可能に連結さ
れている。Tバー22の1つの側壁52あるいは52に沿って
移動するローラ60,60あるいは64,64は互いに等長の水平
部材62あるいは66によって連結され、アーム34,34およ
びアーム44,44はそれぞれ移動可能な平行リンクを形成
している。フロントウィンドーフレームに近い方のアー
ム34とアーム44とは2個所において補強部材80および82
によって接続され、センターフレームに近い方のアーム
34とアーム44とは同様に補強部材84および86によって接
続されている。従ってアーム34,34およびアーム44,44が
ローラ60,60およびローラ64,64に対して回転するとき、
フロントルーフ12は水平位置を保ったままで平行移動を
することができる。本実施例によるルーフ構造は、前記
各ローラ60及び64がアーム34及び44を自動車後方に移動
することにより、これらアームに支持されたフロントル
ーフ12をリアルーフ14にほぼ重なる様に移動することが
できる。このローラ及びTバーのローラ案内構造は本実
施例による移動機構に相当する。 第7図においては、リンク機構16を構成する各アーム
がTバー22内に収容され得るように形成されていること
を示している。フロントウィンドーフレーム18に近い方
のアーム34とアーム44の一端はそれぞれスペーサ90,お
よび92を介してローラ60および64に取付けられ、センタ
ーフレーム20に近い方のアーム34とアーム44にはさまれ
た位置に収容されるようになり、4本の各アームは互い
に重なることがないように構成されている。 第8図(a)ないし第8図(c)は開閉可能なフロン
トルーフの動作説明図であり、第9図(a)ないし第9
図(c)は第8図(a)ないし第8図(c)にそれぞれ
対応する自動車の平面図である。この実施例におけるリ
ンク機構16は、フロントルーフ12を水平状態に保持した
ままで平行移動させることができると共にローラ60,60
およびローラ64,64によってTバー22上を水平方向に移
動させることができる。 第8図(a)はフロントルーフ12の右端がリヤルーフ
14の左端に対してフイットしている状態、即ちフロント
ルーフ12が閉じられている状態を示している。フロント
ルーフ12の右端の中央部の一部分は第9図(a)に示さ
れるように、略々半円形に水平方向に延びていて、この
半円形部分12aがフイットするようにリヤルーフ14の左
端の中央部の一部分が略々半円形に切取られた形状の半
円形部分14aをなしている。この状態においては前述し
たようにフロントウィンドーフレーム18に近い方のアー
ム34およびアーム44はセンターフレーム20に近い方のア
ーム34およびアーム44にはさまれた位置に折りたたまれ
た状態で収納されている。この状態から、運転者あるい
は同乗者が停車中あるいは走行中にコンパートメント内
からフロントルーフ12の内壁に固定した取っ手(図示せ
ず)を少し押上げるとアーム34,34およびアーム44,44は
それぞれ左回りに回転してフロントルーフ12はリヤルー
フ14から分離される。この状態が第8図(b)に示され
ている。更に取っ手を後方に押していくと、ローラ60,6
0およびローラ64,64は回転しながらTバー22の底壁50上
を右方向に移動していき、センターフレーム20に近い方
のアーム34および44が第8図(c)に示すようにTバー
22の右端に形成した傾斜面100に接触してその位置を固
定されるようになっている。この状態においては、第9
図(c)に示すようにフロントルーフ12がリヤルーフ14
の上方に配置され、運転者と同乗者の上部は大きく開放
される。実際には、図示していないが、第8図(b)の
状態を保持する手段、たとえばフロントウィンドーフレ
ーム18に近い方のアーム34および44に一端がそれぞれ回
転可能に取付けられ、他端がそれぞれフロントルーフ12
の内壁に沿って移動するように構成されたサポートを配
設し、第8図(b)のようにアーム34および44が一定の
角度だけ左回りに回転したならばサポートの他端が固定
されてアーム34および44がフロントルーフ12に対して回
転をストップさせるような機構を設けることがベターで
ある。このサポートはアーム34および44が右回りに回転
するときにはそれらの前記他端がフロントルーフ12の内
壁から固定状態を解除されて、アーム34および44が右回
りに回転できるように形成される。更に第8図(c)の
状態において、ローラ60,60および64,64が回転してセン
ターフレーム20に近い方のアーム34および44が左方向へ
移動しないようにストッパ(図示せず)をセンターフレ
ーム20の傾斜面100に設けるのが好ましい。このストッ
パは弾性体で形成し、ローラ60,60および64,64が回転し
て右方向へ移動し第8図(b)の状態から第8図(c)
の状態になったときにセンターフレーム20に近い方のア
ーム34,44に係着するように構成し、フロントルーフ12
を閉じる際には、運転者あるいは同乗者が取っ手を左方
向へ移動させる時に、アーム34,44がストッパからはず
れるように構成する。従って、開放されたフロントルー
フ12はリヤルーフ14の上方の位置において、しっかりと
保持される。またフロントルーフ12を閉じる際には、逆
の手順でフロントルーフ12を移動させればよい。この様
に本実施例によるルーフ構造は、アーム34及び44の回動
によりフロントルーフ12を自動車後方へ所定距離、例え
ば第1の距離分だけ後方へ平行移動し、ローラ60及び64
の回転移動によりフロントルーフ12を更に自動車後方へ
所定距離、例えば第2の距離分だけ後方へ平行移動する
様に構成され、これによってフロントルーフ12をリアル
ーフ14上へ移動することができる。 尚、リンク機構を構成する各アームの回転およびロー
ラの回転移動は電気的手段あるいは油圧的、空気圧的手
段によって駆動することもできることはもちろんのこと
であり、手動に限定されるべきではない。 更に前述した2つの実施例においては、手動でフロン
トルーフ12を移動させることによって開閉させるが、リ
ンク機構を構成する複数のアームの一部とTバー22とを
ばね手段により接続して運転車あるいは同乗車がフロン
トルーフ12の内壁を軽く押し上げただけで、ばね手段の
引張り力によってアームが回転され、フロントルーフ12
が最終的には、リヤルーフ14の上方に位置するまで移動
されるように構成することも可能である。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明のルーフ構造によれば、運
転者あるいは同乗者がその上部のルーフ部分の内壁を軽
く押し上げあるいは後方に押すことによって、補強部材
上に配設された開放手段が作用して残りのルーフ部分か
ら分離させかつフロントルーフを走行中に生ずる気流に
対する空気抵抗に関連して空気力学的に選ばれた方向に
移動させることができ、それによって分離されたルーフ
部分は残りのルーフ部分の上位に配置されるので走行中
に自由にルーフの開閉をなすことができると共に従来の
オープンカーに類する開放感を得ることができる。更に
車体内のルーフを収納するスペースを必要としない。
ルーフ(ハードトップ)を広い面積にわたって開放する
ことができるルーフ構造に関する。 〔従来の技術〕 自動車の走行中に運転者や同乗者が開放感を得るため
に周囲が開放されたタイプの自動車が存在している。従
来から存在しているものとして、ルーフが防水布のよう
な柔軟な材質から形成され、車体に支持された可動部材
によってルーフとしての形態を保つように構成され、可
動部材を動かすことによってルーフを折りたたんで車体
内に収納することができる、いわゆるコンパーチブル方
式(オープンカー)と呼ばれる車体形式がある。 またルーフの一部にウィンドウを設けて、このウィン
ドウを開閉させることによって開放感を得るように構成
されたタイプのものがある。このタイプの車体形式はい
わゆるサンルーフ方式と呼ばれ、ルーフの中心近くの一
部を他のルーフ部分内にあるいは他のルーフ部分の上部
後方へスライドさせるようになっている。 更にルーフを取りはずしてトランクルーム内へ収納す
る、いわゆるデタッチャブル方式がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 コンパチブル方式の自動車においては、ルーフ自体が
ビニール製であるため後部視界が悪くなり、かつ耐寒・
耐水・耐久性において問題があると共にルーフの収納の
ために車体にかなりのスペースが要求される。また走行
中のルーフの開閉が風圧の関係で不可能である。 サンルーフ方式の自動車においては、構造上、ルーフ
開放面積に限界があるため、運転者や同乗者が十分に外
気や太陽光にふれることができず、オープンカーに類す
る開放感を得るには至っていないが現状である。 更にデタッチャブル方式の自動車においては、取りは
ずしができるルーフの面積はトランクルーム内に収容で
きる範囲内であり、それ以上のルーフ面積を取りはずす
場合には1枚のルーフを分割する構造とする必要があ
る。従って走行中のルーフの着脱は不可能であり、かつ
停車内のルーフの着脱および収容作業が著しく面倒であ
ると共に取りはずした後はトランクが使用できないとい
う問題点がある。 本発明の目的は上述した従来技術の問題点を解消した
開放可能なルーフ構造を提供することにあり、運転者や
同乗者がいわゆるオープンカーに類する開放感を得るこ
とができると共に車内にルーフを収納するスペースを必
要とせず、しかも走行中に自由にルーフの開閉を行なう
ことをできるルーフ構造を提供するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 前記目的を達成するために本発明は、自動車のルーフ
パネルが少なくとも運転席と助手席の上部に位置するフ
ロントルーフと残りのリアルーフとに分離可能に構成
し、フロントウイドシールド上のフロントウインドフレ
ームと前記リアルーフ端部のセンタフレーム間をTバー
により補強し、前記フロントルーフを開放する開放手段
を備える自動車の開放可能なルーフ構造において、 一端にフロントルーフを回動自在に支持する第1のア
ームと、該第1のアームの他端を自動車後方に移動させ
る移動機構とにより前記開放手段を構成し、該開放手段
が、前記第1のアームの回動によりフロントルーフをリ
アルーフから分離すると共に、前記移動機構により第1
のアームの他端を自動車後方に移動することにより、フ
ロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる様に移動して
開放することを第1の特徴とする。 また本発明は、前記第1の特徴による移動機構が、T
バーに一端が回動可能に結合され、他端が第1のアーム
の他端と回動自在に結合する第2のアームを含み、該開
放手段の第2のアームの長さの中に第1のアームを折り
畳んでTバー内に収納することによりフロントルーフを
閉じ、前記第2のアーム及び第1のアームを回動するこ
とにより、フロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる
様に移動して開放することを第2の特徴とする。 更に本発明は、前記第1の特徴による移動機構が、第
1のアームの他端に回動自在に取り付けられたローラと
該ローラを自動車長手方向に移動可能に案内するTバー
とを含み、前記移動機構のローラを自動車先端方向に移
動させ且つ第1のアームをTバー内に折り畳んでTバー
内に収納することによりフロントルーフを閉じ、第1の
アームを回動し且つローラを自動車後方に移動させるこ
とにより、フロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる
様に移動して開放することを第3の特徴とする。 〔作用〕 運転者あるいは同乗者がコンパートメント内から手に
よってフロントルーフの内壁を押上げると開放手段によ
ってフロントルーフは走行中に生ずる気流に対する空気
抵抗に関連して空気力学的に運ばれた方向に移動されて
リヤルーフよりも上位に配置されるので、フロントルー
フが占めていた空間は開放されて、運転者および同乗者
はオープンカーに類する開放感を得ることができる。 〔実施例〕 以下、本発明による実施例について添付図面を参照し
ながら詳述する。 第1図ないし第5図は本発明の第1の実施例を示して
おり、自動車のルーフパネル10は運転席および助手席の
上部に位置するフロントルーフ12とリヤルーフ14とに分
離されている。第1図はフロントルーフ12がリンク機構
16によって少し持ち上げられている状態を示している。
リンク機構16は、フロントウィンドシールド17を固定し
ているフロントウィンドーフレーム18とセンターフレー
ム20との間に掛け渡されている補強部材としての断面略
々U字形のTバー22上に取付けられていて、フロントル
ーフ12を支持している。フロントルーフ12は、運転者あ
るいは同乗者がフロントルーフ12の内壁を手で押し上げ
ることによってリンク機構16が作用して第2図に示すよ
うにリヤルーフ14の上方に移動配置されるようになって
いる。これによってフロントルーフ12は開放されるが、
閉じる時には、フロントルーフ12内壁に取付けた取っ手
(図示せず)を手で引張ってリンク機構16を反対方向に
作用させることによりなすこともできる。以下、詳述す
る。 第3図においてはリンク機構16の概略が拡大されて示
されている。この実施例におけるリンク機構16は補強部
材としてのTバー22の対向する側壁23,23にそれぞれ回
転自在に取付けられると共にフロントルーフ12の内壁に
対して回転自在に取付けられた第1リンク手段30と第2
リンク手段32とから成っている。 第1リンク手段30はTバー22の側壁に固定された軸33
a,33bに一端が回転自在に取付けられた等長のアーム34,
34と、アーム34,34の他端を回転自在に連結するアーム3
5から成る第1平行リンクと、フロントルーフ12の内壁
に固定された受け具37,37に対して一端が回転自在に取
付けられると共に他端がアーム34,34のアーム35の連結
点において、それぞれ回転自在に連結されている2本の
等長のアームが36,36から成る第2の平行リンクから構
成されている。 第2リンク手段32は、同様に、Tバー22の側壁に固定
された軸43a,43bに一端が回転自在に取付けられ、アー
ム34と等長のアーム44,44(第3図においては2本のう
ち1本が図示されている)とアーム44,44の他端を回転
自在に連結し、アーム35と等長のアーム45から成る第3
平行リンクと、アーム36と等長のアーム46,46から成る
第4平行リンクとから構成されている。アーム46,46は
フロントルーフ12の内壁に固定された受け具47,47に対
して一端が回転自在であると共にアーム44,44とアーム4
5の連結点において他端が回転自在であるように取付け
られている。第3図においては、フロントルーフ12は仮
想線で示されているが、受け具37,37および47,47はこの
フロントルーフ12内壁に固定され、各アーム36,36およ
び46,46の端部は黒丸で示した軸のまわりで回転するよ
うに取付けられている。フロントルーフ12は上述したよ
うな第1リンク手段30および第2リンク手段32を介して
Tバー22に対して平行移動が可能であり、アーム34およ
びアーム44の回転によってアーム35およびアーム45はT
バー22に対して或る範囲において平行に移動し、フロン
トルーフ12はアーム36,36およびアーム46,46を介して35
およびアーム45に対してさらに或る範囲において平行に
移動されるように構成されていることが理解される。こ
の様に本実施例によるルーフ構造は、第1リンク手段30
及び第2リンク手段32の回動によりフロントルーフ12を
自動車後方へ所定距離、例えば第1の距離分だけ後方へ
平行移動し、アーム36及び46の回動によりフロントルー
フ12を更に自動車後方へ所定距離、例えば第2の距離分
だけ後方へ平行移動する様に構成され、これによってフ
ロントルーフ12をリアルーフ14上へ移動することができ
る。 この実施例におけるTバー22の配設される方向は略々
水平方向であり、フロントルーフ12の移動可能な方向も
略々水平方向であるようになっている。自動車のフロン
トルーフ12の移動方向は好ましくは、走行中に生ずる気
流に対する空気抵抗が最小となるようにな方向に選択さ
れるべきであり、この実施例では水平方向に気流が生ず
るものとして、フロントルーフ12の移動方向が選択さ
れ、そのため平行リンクによってリンク機構16を形成し
てある。 本発明によるルーフ構造においては、フロントルーフ
12を開閉するためのリンク機構16は補強部材としてのT
バー22の対向する2つの側壁と底壁とで囲まれたスペー
ス内に収容され得るように構成され、フロントルーフ12
が閉じられている際にはコンパートメント内には露出し
ないという特徴も有している。第4図はTバー22内に収
容されたリンク機構を概略的に示す平面図である。 ただし、フロントルーフ12に取付けられるべき受け具
37,37および47,47は省略されている。この状態において
はフロントルーフ12の前方および後方端はそれぞれフロ
ントウィンドーフレーム18とセンターフレーム20の位置
にある。第4図から理解されるように、2本のアーム3
4,34の上端を連結するアーム35はアーム34とアーム34に
はさまれた位置にあり、同様に2本のアーム44,44の上
端を連結するアーム45もアーム44とアーム44にはさまれ
た位置にある。センターフレーム20に近い方のアーム34
とアーム44の下端はそれぞれスペーサ31とスペーサ41を
介いてTバー22の側壁23,23に固定した軸33bと軸43bの
まわりに回転可能に取付けられている。またセンターフ
レーム20に近い方のアーム36とアーム46は、それぞれセ
ンターフレーム20に近い方のアーム34とアーム44の内側
に配置され、フロントウインドーフレーム18に近い方の
アーム36とアーム46はスペーサ38とスペーサ48を介して
更に内側に配置されている。更にフロントウィンドーフ
レーム18に近い方のアーム34とアーム35とフロントウィ
ンドーフレーム18に近い方のアーム36との連結は、フロ
ントウィンドーフレーム18に近い方のアーム44とアーム
45とフロントウィンドーフレーム18の近い方のアーム46
との連結をなす共通の軸49aによってなされ、同様にセ
ンタフレーム20に近い方のアーム34とアーム35とアーム
36との連結は、センターフレーム20に近い方のアーム44
とアーム45とアーム46との連結をなす共通の軸49bによ
ってなされる。従ってリンク機構16を構成する各アーム
は互いに重なることなくTバー22内に収容され得るよう
になっている。 第5図(a)ないし第5図(c)はフロントルーフ12
を開放させる際のリンク機構16の動作を概略的に示した
ものであり、第5図(a)の状態は第4図に対応してい
る。この状態において、停車中あるいは走行中に運転者
あるいは同乗者がフロントルーフ12の内壁に取付けてあ
る取っ手(図示を省略)をつかんで上方に少し押上げる
と、アーム36,36およびアーム46,46は軸49aおよび49bの
まわりに左回りに回転しながら立上がり、フロントルー
フ12はフロントウィンドーフレーム18の方向に水平移動
してリヤルーフ14から分離する。更に押上げるとアーム
34,34およびアーム44,44が軸33aおよび33bのまわりに右
回り回転しながら立上がると共にアーム35およびアーム
45はセンターフレーム20の方向に水平移動していく。こ
の状態を第5図(b)に示す。この状態から更にフロン
トルーフ12を後方に押していくことによって、アーム3
4,34およびアーム44,44は更に右回り回転をし、フロン
トルーフ12は水平位置を保ったまま後方に平行移動さ
れ、第5図(c)に示されるようなリヤルーフ14の上方
に位置する個所で、その位置がロックされる。フロント
ルーフ12の最終位置をロックする手段は図示されていな
いが、たとえばセンターフレーム20に近い方のアーム34
をアーム44の最大回転角の制限をTバー22がセンターフ
レーム20と交差する端部を第5図(c)に示すようなテ
ーパ面に形成してアーム34とアーム44がフロントルーフ
12の最終位置に対応した位置でテーパ面によって移動を
阻止するようにし、更にアーム36,36およびアーム46,46
が第5図(c)に示すようにアーム34,34およびアーム4
4,44と一直線上になったときに、アーム36,36およびア
ーム46,46がアーム34,34およびアーム44,44に対して回
転しないようにストッパを設けることも可能である。あ
るいは、アーム36,36およびアーム46,46がフロントルー
フ12に対して回転しないようにストッパを設けることも
可能である。これらのストッパはリンク機構に用いる公
知の手段によってなされ、それ自体本発明の特徴とする
ところではない。この様に本実施例によるルーフ構造
は、アーム34及び44の回動によりアーム36,46を自動車
後方に移動することにより、フロントルーフ12をリアル
ーフ14にほぼ重なる様に移動することができる。このア
ーム34及び44は本実施例による移動機構に相当する。 第6図ないし第9図は本発明のルーフ構造の第2の実
施例を示し、第6図はルーフ構造の要部を概略的に示す
斜視図である。第1の実施例と同一部分あるいは相当部
分は同一符号で示してある。この実施例においては、フ
ロントルーフ12を開閉させるためのリンク機構16は、T
バー22上を移動することができる。Tバー22は底壁50、
側壁52,52および側壁52,52の上端からそれぞれ内側に水
平に突出する部分54,54から形成されている。リンク機
構16は4本の等長のアーム34,34およびアーム44,44から
構成され、それらの一端はTバー22の底壁50上を回転移
動するローラ60,60およびローラ62,62に回転可能に連結
され、各アームの他端は、フロントルーフ12の内壁に固
定されるべき取付部材70に配設された軸72,72および74,
74(74は1個のみ図示されている)に回転可能に連結さ
れている。Tバー22の1つの側壁52あるいは52に沿って
移動するローラ60,60あるいは64,64は互いに等長の水平
部材62あるいは66によって連結され、アーム34,34およ
びアーム44,44はそれぞれ移動可能な平行リンクを形成
している。フロントウィンドーフレームに近い方のアー
ム34とアーム44とは2個所において補強部材80および82
によって接続され、センターフレームに近い方のアーム
34とアーム44とは同様に補強部材84および86によって接
続されている。従ってアーム34,34およびアーム44,44が
ローラ60,60およびローラ64,64に対して回転するとき、
フロントルーフ12は水平位置を保ったままで平行移動を
することができる。本実施例によるルーフ構造は、前記
各ローラ60及び64がアーム34及び44を自動車後方に移動
することにより、これらアームに支持されたフロントル
ーフ12をリアルーフ14にほぼ重なる様に移動することが
できる。このローラ及びTバーのローラ案内構造は本実
施例による移動機構に相当する。 第7図においては、リンク機構16を構成する各アーム
がTバー22内に収容され得るように形成されていること
を示している。フロントウィンドーフレーム18に近い方
のアーム34とアーム44の一端はそれぞれスペーサ90,お
よび92を介してローラ60および64に取付けられ、センタ
ーフレーム20に近い方のアーム34とアーム44にはさまれ
た位置に収容されるようになり、4本の各アームは互い
に重なることがないように構成されている。 第8図(a)ないし第8図(c)は開閉可能なフロン
トルーフの動作説明図であり、第9図(a)ないし第9
図(c)は第8図(a)ないし第8図(c)にそれぞれ
対応する自動車の平面図である。この実施例におけるリ
ンク機構16は、フロントルーフ12を水平状態に保持した
ままで平行移動させることができると共にローラ60,60
およびローラ64,64によってTバー22上を水平方向に移
動させることができる。 第8図(a)はフロントルーフ12の右端がリヤルーフ
14の左端に対してフイットしている状態、即ちフロント
ルーフ12が閉じられている状態を示している。フロント
ルーフ12の右端の中央部の一部分は第9図(a)に示さ
れるように、略々半円形に水平方向に延びていて、この
半円形部分12aがフイットするようにリヤルーフ14の左
端の中央部の一部分が略々半円形に切取られた形状の半
円形部分14aをなしている。この状態においては前述し
たようにフロントウィンドーフレーム18に近い方のアー
ム34およびアーム44はセンターフレーム20に近い方のア
ーム34およびアーム44にはさまれた位置に折りたたまれ
た状態で収納されている。この状態から、運転者あるい
は同乗者が停車中あるいは走行中にコンパートメント内
からフロントルーフ12の内壁に固定した取っ手(図示せ
ず)を少し押上げるとアーム34,34およびアーム44,44は
それぞれ左回りに回転してフロントルーフ12はリヤルー
フ14から分離される。この状態が第8図(b)に示され
ている。更に取っ手を後方に押していくと、ローラ60,6
0およびローラ64,64は回転しながらTバー22の底壁50上
を右方向に移動していき、センターフレーム20に近い方
のアーム34および44が第8図(c)に示すようにTバー
22の右端に形成した傾斜面100に接触してその位置を固
定されるようになっている。この状態においては、第9
図(c)に示すようにフロントルーフ12がリヤルーフ14
の上方に配置され、運転者と同乗者の上部は大きく開放
される。実際には、図示していないが、第8図(b)の
状態を保持する手段、たとえばフロントウィンドーフレ
ーム18に近い方のアーム34および44に一端がそれぞれ回
転可能に取付けられ、他端がそれぞれフロントルーフ12
の内壁に沿って移動するように構成されたサポートを配
設し、第8図(b)のようにアーム34および44が一定の
角度だけ左回りに回転したならばサポートの他端が固定
されてアーム34および44がフロントルーフ12に対して回
転をストップさせるような機構を設けることがベターで
ある。このサポートはアーム34および44が右回りに回転
するときにはそれらの前記他端がフロントルーフ12の内
壁から固定状態を解除されて、アーム34および44が右回
りに回転できるように形成される。更に第8図(c)の
状態において、ローラ60,60および64,64が回転してセン
ターフレーム20に近い方のアーム34および44が左方向へ
移動しないようにストッパ(図示せず)をセンターフレ
ーム20の傾斜面100に設けるのが好ましい。このストッ
パは弾性体で形成し、ローラ60,60および64,64が回転し
て右方向へ移動し第8図(b)の状態から第8図(c)
の状態になったときにセンターフレーム20に近い方のア
ーム34,44に係着するように構成し、フロントルーフ12
を閉じる際には、運転者あるいは同乗者が取っ手を左方
向へ移動させる時に、アーム34,44がストッパからはず
れるように構成する。従って、開放されたフロントルー
フ12はリヤルーフ14の上方の位置において、しっかりと
保持される。またフロントルーフ12を閉じる際には、逆
の手順でフロントルーフ12を移動させればよい。この様
に本実施例によるルーフ構造は、アーム34及び44の回動
によりフロントルーフ12を自動車後方へ所定距離、例え
ば第1の距離分だけ後方へ平行移動し、ローラ60及び64
の回転移動によりフロントルーフ12を更に自動車後方へ
所定距離、例えば第2の距離分だけ後方へ平行移動する
様に構成され、これによってフロントルーフ12をリアル
ーフ14上へ移動することができる。 尚、リンク機構を構成する各アームの回転およびロー
ラの回転移動は電気的手段あるいは油圧的、空気圧的手
段によって駆動することもできることはもちろんのこと
であり、手動に限定されるべきではない。 更に前述した2つの実施例においては、手動でフロン
トルーフ12を移動させることによって開閉させるが、リ
ンク機構を構成する複数のアームの一部とTバー22とを
ばね手段により接続して運転車あるいは同乗車がフロン
トルーフ12の内壁を軽く押し上げただけで、ばね手段の
引張り力によってアームが回転され、フロントルーフ12
が最終的には、リヤルーフ14の上方に位置するまで移動
されるように構成することも可能である。 〔発明の効果〕 以上説明したように本発明のルーフ構造によれば、運
転者あるいは同乗者がその上部のルーフ部分の内壁を軽
く押し上げあるいは後方に押すことによって、補強部材
上に配設された開放手段が作用して残りのルーフ部分か
ら分離させかつフロントルーフを走行中に生ずる気流に
対する空気抵抗に関連して空気力学的に選ばれた方向に
移動させることができ、それによって分離されたルーフ
部分は残りのルーフ部分の上位に配置されるので走行中
に自由にルーフの開閉をなすことができると共に従来の
オープンカーに類する開放感を得ることができる。更に
車体内のルーフを収納するスペースを必要としない。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本発明のルーフ構造の一実施例を
示し、第1図および第2図はリンク機構によってフロン
トルーフが移動されることを説明するための動作説明
図、第3図はリンク機構を概略的に示す拡大斜視図、第
4図はリンク機構がTバー内に収納される状態を示す概
略的平面図、第5図(a),(b)および(c)はそれ
ぞれリンク機構を構成するアームの動作を説明するため
の動作説明図、第6図ないし第9図は本発明のルーフ構
造の第2の実施例を示し、第6図はリンク機構の概略的
斜視図、第7図はリンク機構がTバー内に収納される状
態を示す概略的平面図、第8図(a),(b)および
(c)はそれぞれリンク機構を構成するアームの動作を
説明するための動作説明図、第9図(a),(b)およ
び(c)は第8図(a),(b)および(c)にそれぞ
れ対応した自動車の概略的平面図である。 12……フロントルーフ、14……リヤルーフ、16……リン
ク機構、18……フロントウィンドーフレーム、20……セ
ンターフレーム、22……Tバー、30,32……平行リン
ク、34,35,36……アーム、37……受け部材、44,45,46…
…アーム、47……受け部材、60,64……ローラ、70……
取付部材、80,82,84,86……補強部材、100……傾斜面。
示し、第1図および第2図はリンク機構によってフロン
トルーフが移動されることを説明するための動作説明
図、第3図はリンク機構を概略的に示す拡大斜視図、第
4図はリンク機構がTバー内に収納される状態を示す概
略的平面図、第5図(a),(b)および(c)はそれ
ぞれリンク機構を構成するアームの動作を説明するため
の動作説明図、第6図ないし第9図は本発明のルーフ構
造の第2の実施例を示し、第6図はリンク機構の概略的
斜視図、第7図はリンク機構がTバー内に収納される状
態を示す概略的平面図、第8図(a),(b)および
(c)はそれぞれリンク機構を構成するアームの動作を
説明するための動作説明図、第9図(a),(b)およ
び(c)は第8図(a),(b)および(c)にそれぞ
れ対応した自動車の概略的平面図である。 12……フロントルーフ、14……リヤルーフ、16……リン
ク機構、18……フロントウィンドーフレーム、20……セ
ンターフレーム、22……Tバー、30,32……平行リン
ク、34,35,36……アーム、37……受け部材、44,45,46…
…アーム、47……受け部材、60,64……ローラ、70……
取付部材、80,82,84,86……補強部材、100……傾斜面。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.自動車のルーフパネルが少なくとも運転席と助手席
の上部に位置するフロントルーフと残りのリアルーフと
に分離可能に構成し、フロントウイドシールド上のフロ
ントウインドフレームと前記リアルーフ端部のセンタフ
レーム間をTバーにより補強し、前記フロントルーフを
開放する開放手段を備える自動車の開放可能なルーフ構
造において、 一端にフロントルーフを回動自在に支持する第1のアー
ムと、該第1のアームの他端を自動車後方に移動させる
移動機構とにより前記開放手段を構成し、 該開放手段が、前記第1のアームの回動によりフロント
ルーフをリアルーフから分離すると共に、前記移動機構
により第1のアームの他端を自動車後方に移動すること
により、フロントルーフをリアルーフ上にほぼ重なる様
に移動して開放することを特徴とする自動車の開放可能
なルーフ構造。 2.前記移動機構が、Tバーに一端が回動可能に結合さ
れ、他端が第1のアームの他端と回動自在に結合する第
2のアームを含み、該開放手段の第2のアームの長さの
中に第1のアームを折り畳んでTバー内に収納すること
によりフロントルーフを閉じ、前記第2のアーム及び第
1のアームを回動することにより、フロントルーフをリ
アルーフ上にほぼ重なる様に移動して開放することを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の自動車の開放可能
なルーフ構造。 3.前記移動機構が、第1のアームの他端に回動自在に
取り付けられたローラと該ローラを自動車長手方向に移
動可能に案内するTバーとを含み、前記移動機構のロー
ラを自動車先端方向に移動させ且つ第1のアームをTバ
ー内に折り畳んでTバー内に収納することによりフロン
トルーフを閉じ、第1のアームを回動し且つローラを自
動車後方に移動させることにより、フロントルーフをリ
アルーフ上にほぼ重なる様に移動して開放することを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の自動車の開放可能
なルーフ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62100078A JP2702712B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 自動車の開放可能なルーフ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62100078A JP2702712B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 自動車の開放可能なルーフ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63265725A JPS63265725A (ja) | 1988-11-02 |
JP2702712B2 true JP2702712B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=14264409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62100078A Expired - Lifetime JP2702712B2 (ja) | 1987-04-24 | 1987-04-24 | 自動車の開放可能なルーフ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2702712B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5303970A (en) * | 1992-12-03 | 1994-04-19 | Prince Corporation | Overhead console for a vehicle with a sunroof |
US6962391B2 (en) * | 2004-04-09 | 2005-11-08 | Homda Motor Co., Ltd. | Open roof structure for vehicle |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4813917U (ja) * | 1971-06-30 | 1973-02-16 |
-
1987
- 1987-04-24 JP JP62100078A patent/JP2702712B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63265725A (ja) | 1988-11-02 |
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