JP2702368B2 - 穴加工工具 - Google Patents

穴加工工具

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JP2702368B2
JP2702368B2 JP4353326A JP35332692A JP2702368B2 JP 2702368 B2 JP2702368 B2 JP 2702368B2 JP 4353326 A JP4353326 A JP 4353326A JP 35332692 A JP35332692 A JP 35332692A JP 2702368 B2 JP2702368 B2 JP 2702368B2
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宏之 福島
智実 石橋
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバイトによる穴加工工具
の改良に関し、特に切刃の研磨回数を減らすことの出来
る工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば中ぐり加工等においては軸
まわりに回転可能な中ぐり棒等の本体の外周に軸方向に
対して直角にバイトを取り付け、この本体を軸まわりに
回転させながら軸方向の一方向に沿って加工送りするこ
とでバイトの先端の切刃で工作物の内面を切削するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この際、例えばバイト
先端の切刃の形状は加工送り方向に沿って左右対称形に
アール形状に構成されることがあり、特にかかる場合に
加工送り方向が一定であると常に切刃の同じ部分のみが
切削に関与し、同部の摩耗が激しくなって再研磨の頻度
が増えるという問題があった。すなわち、かかる場合は
アール形状のうち加工送りされる側の片側のみの頂部が
工作物に接触するからである。従って、このような場合
には切刃に未使用の箇所が残っているのに再研磨したり
バイトを交換しなければならないという事態が発生する
ことから不経済であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明は、回転軸まわりに回転自在な1本の本体に複
数のバイト挿入孔を設け、このバイト挿入孔に複数のバ
イトを挿入して切刃のアール部を突出させるようにした
穴加工工具において、複数のバイト挿入孔を回転軸方向
に沿って異なった角度で傾斜させ、バイトの切刃と工作
物の接触位置をアール部の円周方向に沿って各バイトご
とに異ならせるようにした。又、複数のバイトホルダに
夫々のスローアウェイチップを着脱自在とし切刃のアー
ル部を突出させるようにした穴加工工具の場合には、ス
ローアウェイチップの切刃と工作物の接触位置をアール
部の円周方向に沿って各スローアウェイチップごとに異
ならせるようにした。
【0005】
【作用】切刃のアール部の円周方向に沿って工作物と切
刃の接触部分を偏位させて複数回使用することでアール
部の全域を無駄なく切削に関与せしめることが出来る。
そして、本体に複数のバイト挿入孔を設けて各バイトを
取り付ける場合には、バイト挿入孔を異なった角度で傾
斜させ、1つのバイトを各バイト挿入孔に順に取り付け
てゆくようにすれば、アール部の全域を切削に関与せし
めることが出来る。又、スローアウェイチップの場合も
同様に、1つのスローアウェイチップの取付角を変えな
がら順に各バイトホルダに装着してゆき、アール部の全
域を切削に関与せしめる。
【0006】
【実施例】本発明の穴加工方法及び工具の実施例につい
て添付した図面に基づき説明する。図1は本発明の穴加
工方法を説明するための工具の構成例図、図2は図1の
A―A線断面図、図3は図1のB部拡大図、図4は図1
のC部拡大図である。
【0007】中ぐり加工においては、図1に示すような
中ぐりバイト1を使用して加工物Wに形成された穴Hの
内面を広げるような切削を行うが、このような中ぐりバ
イト1は、例えば回転軸Pまわりに回転自在な本体とし
ての中ぐり棒(ラインバー)2と、この中ぐり棒2に取
り付けられる一対のバイト3を備えている。
【0008】すなわち、中ぐり棒2の先端側には荒切削
用バイト3aが設けられるとともに、後端側には仕上用
バイト3bが設けられ、中ぐり棒2を回転軸Pまわりに
回転させながら図1の右方に加工送りし、当初、荒切削
用バイト3aで穴Hの内面を広げる加工を行った後、後
続の仕上用バイト3bで仕上げるようにしている。
【0009】そして、各バイト3a、3bは中ぐり棒2
に対して着脱自在とされ、例えば図2に示すように中ぐ
り棒2に穿設したバイト挿入孔4にバイト3の基端部を
挿入し、先端の切刃5の部分を中ぐり棒2の外部に突出
させた状態でバイト3の側面を固定手段としての固定ネ
ジ6で止め付けている。
【0010】ところで、バイト3の先端の切刃5には、
図3に示すように回転軸P方向と平行なアール部Rが形
成されることがある。
【0011】そしてこのアール部Rの半径は例えばrで
あり、バイト3の中心線Xに対して左右対称に構成され
ている。
【0012】そこで、かかるバイト3による切削は、図
3において切刃5が紙面垂直方向の手前に向けて回転し
つつ右方に移動することから、加工取代tに対応する円
弧部分sが切削に関与することになる。そして、従来の
場合はこの円弧部分sが摩耗すると再研磨して使用して
いた。
【0013】ところが、このような方式では切刃5のア
ール部Rのうち未使用の部分が残っているにも拘らず再
研磨しており、効率的でない。そこで、本案は最初の加
工で摩耗した円弧部分sが発生しても再研磨することな
く引続き未使用部分を使用し、再研磨の回数を減らそう
というものである。
【0014】このため、本案の場合は図1に示すよう
に、荒切削用バイト3aのバイト挿入孔4aと仕上切削
用バイト3bのバイト挿入孔4bの角度を変化させ、切
刃5と工作物Wの接触箇所がアール部Rの円周方向に沿
って偏位するようにしている。
【0015】つまり、例えば仕上切削用バイト3bのバ
イト挿入孔4bは回転軸Pに対して直角方向とし、これ
に対して荒切削用バイト3aのバイト挿入孔4aは回転
軸P方向に沿って角度θだけ傾斜させている。
【0016】そしてこの傾斜角θは、例えば図3に示す
円弧部分sに対応する角度θ1と同じか又はそれ以上に
しており、又、角度θ1は前記のようにアール部Rの
をr、加工取代をtとした場合に、cosθ1=(r−
t)/rの式で求められるものである。
【0017】このため、例えば当初仕上切削用バイト3
bとして図3に示すような円弧部分sで加工し、この部
分sが摩耗したなら、次にバイト挿入孔4aに装着し直
して図4に示す未使用の円弧部分で加工する。
【0018】因みに、理論上、アール部の全円弧の長さ
に対応する角度をαとすると、再研磨なしで使用出来る
回数nは、n=α/θで表わされる。
【0019】次に図5、図6に示すようなスローアウェ
イチップ式の中ぐり工具について説明する。
【0020】スローアウェイチップ式の中ぐりバイト1
1は、回転軸Pまわりに回転自在な中ぐり棒(ラインバ
ー)12と、この中ぐり棒12に取り付けられる一対の
バイトホルダ13a、13bと、このバイトホルダ13
a、13bに着脱自在なスローアウェイチップ14a、
14bを備え、工具先端側のスローアウェイチップ14
aが荒切削用チップとして、後部側のスローアウェイチ
ップ14bが仕上切削用チップとして構成されている。
【0021】そして、各バイトホルダ13a、13bを
挿入せしめるためのバイト挿入孔16a、16bは回転
軸Pに対して直角方向であり、従ってこのバイト挿入孔
16a、16bに取り付けられるバイトホルダ13a、
13bも、回転軸Pに対して直角方向となる。又、この
バイトホルダ13a、13bの固定手段は不図示である
が、例えば前記バイトの固定手段である固定ネジ6と同
様に構成する。
【0022】ところで、スローアウェイチップ14は、
図5のD―D線断面図である図6に示すように、バイト
ホルダ13上部のチップ取付座15に着脱自在とされ、
前記バイト3の例と同様に先端の切刃に回転軸P方向に
アール部Rを形成するとともに、荒切削側のバイトホル
ダ13aのチップ取付座15の下面15aは水平から角
度θだけ傾斜し、これに対し、仕上切削側のバイトホル
ダ13bのチップ取付座下面は水平にされている。
【0023】そして、この傾斜角θは前記図1の角度θ
と同じであり、その効果も前例と同様である。
【0024】ところで、前記のようにアール部の全円弧
の長さに対応する角度をαとすると、再研磨なしで使用
出来る回数nは、n=α/θで表わされるが、図7は再
研磨なしで2回以上加工するようにした中ぐり工具の構
成例であり、例えば工作物Wの3ヶ所の穴H、‥を同時
を加工するような中ぐり工具である。
【0025】すなわち、この中ぐりバイト21は回転軸
Pまわりに回転自在なラインバー22と、このラインバ
ー22に装着される各一対のバイトホルダ23、24、
25と、各バイトホルダ23、24、25の上部に着脱
自在なスローアウェイチップ26、27、28(図8)
を備え、例えば一つのバイトホルダ23には荒切削用の
バイトホルダ23aと仕上切削用のバイトホルダ23b
が設けられるとともに、このバイトホルダ23に脱着自
在なスローアウェイチップ26は、荒切削用チップ26
aと仕上切削用チップ26bからなる。そして、かかる
構成は他のバイトホルダ24、25も同様である。
【0026】そして、実施例ではこの3ヶ所の穴H、‥
に対応する各荒切削用のバイトホルダ23a、24a、
25aに対して所定のスローアウェイチップ(例えば2
6a)を順に使用してゆき、例えば1回目はバイトホル
ダ23aに装着して使用すると、2回目はバイトホルダ
24aに装着して使用し、3回目はバイトホルダ25a
に装着して使用する。
【0027】このため、各バイトホルダ23、24、2
5に設けたチップ取付座の下面30は、図8に示すよう
に、夫々所定角度で水平から傾いており、従ってこの取
付座に取り付けられたスローアウェイチップ26、2
7、28の中心軸Xは夫々垂直からθ1、θ2、θ3だけ
傾いて取り付けられることになる。
【0028】つまり、この傾斜角θ1、θ2、θ3を持た
せることで各加工での加工領域は、図9に示すように1
回目の取代分をt1、2回目の取代分をt2、3回目の取
代分をt3とすることが出来、アール部Rの全域を有効
に活用出来る。尚、アール部Rの曲率中心はOであり、
スローアウェイチップ26(27、28)の中心はQで
ある。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の穴加工工具は、切
刃のコーナを有効に活用しアール部の全域を使用するよ
うにしたため、スローアウェイチップの交換回数又はバ
イトの再研磨回数を削減することが可能となり、工具費
の低減化或いはバイト、スローアウェイチップの在庫量
削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の穴加工方法を説明するための工具の構
成例図
【図2】図1のA―A線断面図
【図3】図1のB部拡大図
【図4】図1のC部拡大図
【図5】スローアウェイチップ式工具の構成例図
【図6】図5のD―D線断面図
【図7】穴加工工具の別構成例図
【図8】スローアウェイチップの取付角の説明図
【図9】加工領域を説明するための説明図
【符号の説明】
1、11、21 中ぐりバイト 2、12、22 中ぐり棒 3 バイト 4、16 バイト挿入孔 5 切刃 6 固定ネジ 13、23、24、25 バイトホルダ 14、26、27、28 スローアウェイチップ P 回転軸 R アール部 s 接触円弧部分 t 加工取代 W 工作物

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸まわりに回転自在な1本の本体
    と、この1本の本体に設けられた複数のバイト挿入孔
    と、このバイト挿入孔に挿入され且つ先端の切刃のアー
    ル部を本体外方に突出せしめる複数のバイトと、このバ
    イトを固定する固定手段を備えた穴加工工具において、
    前記複数のバイト挿入孔を回転軸方向に沿って異なった
    角度で傾斜させ、前記バイトの切刃と工作物の接触位置
    を前記アール部の円周方向に沿って各バイトごとに異な
    らしめたことを特徴とする穴加工工具。
  2. 【請求項2】 回転軸まわりに回転自在な本体と、この
    本体に設けられ且つ前記回転軸に対して直角方向に穿設
    される複数のバイト挿入孔と、これらバイト挿入孔に固
    定手段で固定される各バイトホルダと、これらバイトホ
    ルダに対し着脱自在とされ且つ先端の切刃のアール部を
    本体外方に突出せしめるスローアウェイチップを備えた
    穴加工工具において、前記スローアウェイチップの切刃
    と工作物の接触位置を前記アール部の円周方向に沿って
    各スローアウェイチップごとに異ならしめたことを特徴
    とする穴加工工具。
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JPS54106985A (en) * 1978-02-08 1979-08-22 Hitachi Ltd Boring mechanism
JPS59112504U (ja) * 1983-01-17 1984-07-30 マツダ株式会社 ボ−リング加工装置
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