JP2700973B2 - ワイヤーソーおよびこれを用いた切削装置 - Google Patents

ワイヤーソーおよびこれを用いた切削装置

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JP2700973B2 JP4087292A JP8729292A JP2700973B2 JP 2700973 B2 JP2700973 B2 JP 2700973B2 JP 4087292 A JP4087292 A JP 4087292A JP 8729292 A JP8729292 A JP 8729292A JP 2700973 B2 JP2700973 B2 JP 2700973B2
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    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/18Sawing tools of special type, e.g. wire saw strands, saw blades or saw wire equipped with diamonds or other abrasive particles in selected individual positions
    • B23D61/185Saw wires; Saw cables; Twisted saw strips

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワイヤーソーおよび
これを用いた切削装置に関するものであり、特に、保持
力が高く、安全性の高いワイヤーソーおよびこれを用い
た切削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ワイヤーソーを用いた切削装置
は、コンクリート構造物、厚壁、石材等の切断、あるい
は、地中に止水壁を構築するための地盤の切削などに多
く用いられている。ワイヤーソーをエンドレス状にする
ため、あるいは、ワイヤーソーユニットを接続して所望
の長さとするためには、その簡便さから、ワイヤーロー
プの二つの端部を接続スリーブに挿入し、これをカシメ
ることによってワイヤーロープの二つの端部を接続する
方法が採られることが多い。
【0003】図6は、従来のワイヤーソーにおけるワイ
ヤーロープ端部を接続する方法を示す部分断面図であ
る。この図におけるワイヤーソーは、複数本のワイヤー
ソーユニットを金属製の接続スリーブにより接続するこ
とによって所定長とし、かつ、その両端部を接続スリー
ブにより接続してエンドレスとしたものである。各ワイ
ヤーソーユニット60,70は、図6に示されているよ
うに、ワイヤーロープ61,71と、その上に被覆され
た樹脂層62,72と、外周上に所定間隔ごとに固定さ
れ、ダイヤモンド等の研磨材63,73が付されたリン
グ64,74とを有している。各ワイヤーロープ両端部
61a,71aは、その上の樹脂層62,72が所定長
だけ除去され、この部分が接続スリーブ65内にその両
側から挿入された後、この接続スリーブ65がカシメら
れることによって接続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法によると、接続スリーブ65とワイヤー
ロープ61,71間の摩擦保持力が小さく、加工作業中
にはずれる危険があった。殊に、樹脂層62,72の除
去が完全になされていないと、保持力が大きく低下す
る。したがって、この接続スリーブとワイヤーロープ間
の摩擦保持力は作業者に依存することになり、作業者に
よるバラツキが多くなるとともに、接続した後では外見
から判断できず、事故の危険を内包するものであった。
また、接続スリーブとワイヤーロープの結合が加工作業
中にはずれて接続スリーブが飛びだすと、人を負傷させ
る可能性があり極めて危険である。
【0005】この発明は上述の事情に鑑みてなされたも
のであり、接続スリーブとワイヤーロープ間の摩擦保持
力が大きく、加工作業中にはずれ接続スリーブが飛びだ
すことによる事故の危険が小さなワイヤーソーおよびこ
れを用いた切削装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、外周面に研磨材を付したリン
グを複数取りつけたワイヤーロープの端部どうしを、接
続スリーブによって無端状に接続した構成のワイヤーソ
ーであって、前記接続スリーブはその左右両側から前記
ワイヤーロープの端部が対向状態に挿入されてカシメら
れることによって該ワイヤーロープの端部を保持して接
続するものとされているとともに、該接続スリーブの内
面には円周方向に溝が形成され、かつ、該溝は前記ワイ
ヤーロープの一方に対する保持力と他方に対する保持力
に差が生じるように接続スリーブの左右において異なる
形態で形成されていることを特徴とするものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載のワ
イヤーソーにおいて、前記接続スリーブの左右にそれぞ
れ形成されている溝の粗さが互いに異なるものとされて
いることを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載のワ
イヤーソーにおいて、前記溝が前記接続スリーブの左右
いずれか一方にのみ形成されていることを特徴とするも
のである。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1,2また
は3記載のワイヤーソーにおいて、前記溝がメネジ状に
形成されていることを特徴とするものである。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
または4記載のワイヤーソーを用いる切削装置であっ
て、前記ワイヤーソーを循環走行させる駆動手段と、該
ワイヤーソーの走行を案内しつつ切削対象物に対して押
圧するガイド装置とを具備してなることを特徴とするも
のである。
【0011】
【作用】請求項1に係る発明のワイヤーソーにおいて
は、接続スリーブ内面に形成されている溝によってワイ
ヤーロープの端部に対する摩擦保持力が増大してはずれ
難いものとなる。そして、双方のワイヤーロープの端部
に対する保持力に差が生じるように溝の形態が接続スリ
ーブの左右で異なるものとされているので、万一、ワイ
ヤーロープの二つの端部の接続がはずれた場合、接続ス
リーブと保持力の弱い側のワイヤーロープ端部との結合
のみがはずれ、保持力の強い側のワイヤーロープ端部と
の結合は維持されることになる。その結果、接続スリー
ブがワイヤーロープから完全に脱落して飛びだしてしま
うようなことが確実に防止される
【0012】請求項2に係る発明のワイヤーソーにおい
ては、接続スリーブの左右に形成する溝の粗さが互いに
異なることで左右の溝による保持力に差が生じたものと
なる。
【0013】請求項3に係る発明のワイヤーソーにおい
ては、接続スリーブの左右いずれか一方にのみ溝を形成
しているので、溝が形成されている側の保持力が他方よ
りも増大したものとなって保持力に差が生じたものとな
る。
【0014】請求項4に係る発明のワイヤーソーにおい
ては、溝をメネジ状としているので、その溝の形成を容
易にかつ安価に行い得る。
【0015】請求項5に係る発明の切削装置において
は、上記のワイヤーソーを駆動手段により循環走行させ
るとともに、ガイド装置によりワイヤーソーの走行を案
内しつつ切削対象物に対して押圧することにより、ワイ
ヤーロープの接続がはずれる懸念がなく、地盤やコンク
リート構造物、石材等を効率良くしかも安全に切削し得
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明のワイヤーソーおよびこれを用
いた切削装置の一実施例を詳細に説明する。図1はこの
発明のワイヤーソーの一実施例の概略説明図である。こ
の図に示されているワイヤーソーは、複数本のワイヤー
ソーユニットを金属製の接続スリーブにより接続するこ
とによって所定長とし、かつ、その両端部を接続スリー
ブにより接続してエンドレスとしたものであり、図1に
は、その接続部が示されている。各ワイヤーソーユニッ
ト1,2は、図1に示されているように、それぞれ、ワ
イヤーロープ11,21と、ワイヤーの破断防止のた
め、その上に被覆された樹脂層12,22と、外周上に
所定間隔ごとに固定され、ダイヤモンド焼結体からなる
研磨材13,23が付されたリング14,24とを有し
ている。このリング14,24はワイヤーロープ11,
21に通された後、ダイヤモンド焼結研磨材13,23
部分を除いて前記樹脂層12,22により被覆され、外
周上に所定間隔ごとに固定されるようになっている。
【0017】各ワイヤーロープ11、21の両端部11
a,21a上の樹脂層12,22は所定長だけ除去、露
出され、この部分が接続スリーブ15内に両側から対向
するように挿入された後、この接続スリーブ15がカシ
メられることによって接続されている。前記樹脂層1
2,22が除去された各ワイヤーロープ11、21の両
端部11a,21aは、接続スリーブ15の長さのほぼ
半分の長さに等しくなるよう形成されている。
【0018】接続スリーブ15は、鉄等の金属によって
形成されており、図2に示されているように、ワイヤー
ロープ11,21が挿入され得るような内径の穴15a
を有している。この接続スリーブ15の内面には、その
円周方向に溝15bが多数形成されている。この溝15
bは、図1に示されているように、ワイヤーロープ1
1、21の両端部11a,21aが、接続スリーブの穴
15a内に両側から対向するように挿入された後、この
接続スリーブ15がカシメられた場合に、接続スリーブ
15とワイヤーロープ11,21間の摩擦保持力を大き
くし、加工作業中にはずれる危険を小さくする機能を有
するものである。
【0019】接続スリーブ15内面の溝15bは、円周
方向に形成されるのであればどのような形状であっても
よいが、メネジ状とすれば、上記機能を持つ溝を容易
に、かつ、安価に形成することができる。
【0020】ただし、上記の溝15bは、接続すべきワ
イヤーロープ11,21の一方に対する保持力と他方に
対する保持力に差が生じるように、接続スリーブ15の
左右において異なる形態で形成されている。
【0021】そのためには、接続スリーブ15の全長に
わたって溝15bを設けることで双方のワイヤーロープ
11,21に対する保持力を全体的に増大させたうえ
で、たとえば接続スリーブ15の左半分に形成する溝1
5bと右半分に形成する溝15bの粗さを異ならせるこ
とで、各ワイヤーロープ11,21に対する保持力に差
が生じるようにすることが考えられる。このようにすれ
ば、万一、ワイヤーロープの接続がはずれたとしても、
接続スリーブ15と保持力の弱い側のワイヤーロープ端
部との結合のみがはずれて、保持力の強い側のワイヤー
ロープ端部との結合は維持されることになる。その結
果、接続スリーブ15がワイヤーソーから完全に脱落し
て飛び出してしまうようなことがなく、事故を未然に防
ぐことができる。
【0022】あるいは、双方のワイヤーロープ11,2
1に対する保持力に差をもたせるための最も簡単な形態
として、図1および図2に示すように、接続スリーブ1
5内面のいずれか一方の側(図示例では左半分)にのみ
溝15bを形成することでも良い。この場合は溝15b
によりワイヤーロープ11に対する保持力のみが増大し
てワイヤーロープ21に対する保持力よりも大きくな
る。
【0023】次に、この発明のワイヤーソーの製造方法
について説明する。まず、図3(A)に示されているよ
うに、樹脂層12,22が端部から所定長(接続スリー
ブの半分の長さ)W以上残るように、各ワイヤーソー
1,2をセットした後、前記所定長Wの樹脂層12,2
2を除去し、端部にワイヤーロープ11,21を露出す
る。この際、前述したように、この樹脂層が残ると保持
力が落ちるため、できるだけ完全に除去することが望ま
しい。その後、図1に示されるように、これらワイヤー
ロープ端部11a,21aを、接続スリーブ15の穴1
5a内にその両側から挿入する。
【0024】次に、このように両方のワイヤーロープ端
部11a,21aが挿入された接続スリーブ15は、図
4に示されているように、カシメ装置40にセットされ
カシメ加工される。これは、まず、図4(A)に示され
ているように、接続スリーブ15のカシメを一方向に行
なった後、(B)に示されているように、接続スリーブ
15を約90度回転させ、再度カシメを行なう。充分な
保持力を得るためには、このカシメ加工を3〜4回繰返
すことが好ましい。このようにして、各ワイヤーロープ
端部11a,21aと接続スリーブ15とが完全に接続
される。
【0025】本発明に用いられている溝付きの接続スリ
ーブおよび従来の溝なしの接続スリーブのそれぞれ(外
径10mm、全長20mm、重量10gの鉄製スリー
ブ)数十個について、外径8mm、全長24mmとなる
までカシメ加工を数回繰返したところ、内面に溝が形成
されていないスリーブを用いた場合の保持力は200〜
400kgであったのに対し、図2に示されているよう
な溝が形成されたスリーブを用いた場合の保持力は50
0〜800kgと大きく増加することが確認された。
【0026】次に、上記ワイヤーソーを用いた切削装置
の一実施例を詳細に説明する。図5は、地中に連続地中
壁、止水壁等を形成するために、地盤に切削溝を形成す
る溝切削装置の一実施例を示すものである。この溝切削
装置50は、本体とガイド装置とから概略構成されてい
る。本体は、地盤Gを切削する複数の研磨材(ダイヤモ
ンド焼結体)付リング14,24が所定間隔ごとに取り
つけられたエンドレス状ワイヤーソー51と、このワイ
ヤーソー51をエンドレス走行させる駆動手段52とを
備えたものである。前記駆動手段52としては、高周波
モータなど、本発明を実施するうえで最適なものを用い
ることができる。
【0027】前記ワイヤーソー51は、図1に示されて
いるように、ワイヤーロープの一端11aと他の端部2
1aとを挿入した接続スリーブ15をプレスすることに
よって、ワイヤーロープの一端と他端とを接続しエンド
レス状としたものである。ワイヤーロープ接続のための
接続スリーブ15内面には、円周方向に溝15bが形成
されており、これによって、接続スリーブ15とワイヤ
ーロープ間の摩擦保持力が大きくなり、切削加工作業中
にはずれる危険を小さくしている。また、溝15bは、
プレスされた接続スリーブ15内のワイヤーロープの一
端および他の端部と接続スリーブとの間の保持力に互い
に差異が生じるように、形成されている。したがって、
万一、溝切削作業中にワイヤーロープの二つの端部の接
続がはずれても、接続スリーブと保持力の弱い側のワイ
ヤーロープ端部との結合のみがはずれ、保持力の強い側
のワイヤーロープ端部との結合は維持されることにな
る。その結果、接続スリーブ15がワイヤーソー51か
ら飛びだすことはなく、切削作業中における事故を未然
に防ぐことできる。
【0028】前記ガイド装置は、駆動手段52の近傍に
位置する先行穴53の上方に設けた二つのガイドプーリ
54と、二つの先行穴53の近傍にそれぞれ一台づつ設
置された二台の巻きかけ電動装置55と、二つの先行穴
53の底部にそれぞれ一台づつ設置された底部ガイドプ
ーリ56と、前記巻きかけ電動装置55と底部ガイドプ
ーリ56との間に張架された二つのエンドレスロープ5
7と、この二つのエンドレスロープ57の一部に固定し
て取りつけられた二つのプーリーボックス58と、二つ
のプーリーボックス58をそれぞれ上下方向にガイドす
る二本のガイドH鋼59とを備えたものである。巻きか
け電動装置55および底部ガイドプーリ56は、その軸
方向に直交する面を、ワイヤーソー51が囲む面と一致
するように設けている。
【0029】前記両プーリーボックス58は、平面視に
おいてほぼ長方形の外形をしており、かつ、正面視にお
いてもほぼ長方形の中空の箱体である。その内部には上
下二段に移動プーリ58aを軸支する二本の支軸58b
があり、この二本の支軸58bにはそれぞれ一つづつ、
平面視において二つの移動プーリ58aが重ならないよ
うに配置されている。また、外部縁面にはローラが設け
られている。なお、他のプーリーボックス58も移動プ
ーリ58aの位置が異なる点を除いて、ほぼ同様の構成
となっている。
【0030】ガイドH鋼59には、二つのフランジにお
いて開口部が対向し、かつ、長手方向に延在するように
プーリーボックス58の導溝が設けられている。導溝
は、その長手方向に直交する面においてほぼL字状をな
す二つの舌片をL字の一端面が対向するように、他端を
フランジに固定することにより形成されている。エンド
レスロープ57は、その両端がプーリーボックス58に
固定されており、このプーリーボックス58と相まって
エンドレス状をなしている。
【0031】次に、前記ワイヤーソー51の動作につい
て説明する。図5において、ワイヤーソー51を回転さ
せ、矢印Aの方向に駆動手段52を移動させるとともに
巻きかけ電動装置55を駆動させ、エンドレスロープ5
7を矢印Cの方向に回転させると、プーリーボックス5
8が下降するとともにワイヤーソー51が地盤Gを切削
して薄溝Mを形成していく。矢印Bの方向に駆動手段5
2を移動させるとともに、エンドレスロープ57を矢印
Dの方向に回転させると、プーリーボックス58は上昇
する。
【0032】次に、止水壁の施工方法について説明す
る。まず、地盤Gにおける、構築すべき止水壁の両端部
に該当する位置に二つの先行穴53を構築する。先行穴
53は、ベントナイト泥水を注入しながらアースオーガ
等、本発明を実施する上で好適なものを用いて切削し、
先行穴53にガイドH鋼59を建て込んだ後、溝切削装
置50を設置する。
【0033】その後、溝切削装置50を駆動させて地盤
Gを切削して薄溝Mを形成する。切削終了後は、プーリ
ーボックス58を上昇させておく。なお、上昇するワイ
ヤーソー51により、切削土砂は完全に先行穴53に落
ちて排土される。ついで、ベントナイト泥水の一部を底
部から排水し、自硬性液を先行穴53の上部から注入す
る。
【0034】そして、駆動手段52を再び始動し、ワイ
ヤーソー51を回転させながら下降させ、底部に至った
後、上昇させることでベントナイト泥水と自硬性液とを
混合撹拌して自硬物を薄溝Mの全体にいきわたるように
する。その後、ガイドH鋼59を引き揚げ撤去する。自
硬物を硬化すれば、止水壁が構築されることになる。
【0035】なお、上記実施例においては、切削装置と
して、地盤に切削溝を形成する溝切削装置のみを挙げた
が、その他、地下鉄、ビル、高速道路、橋梁、ダム等の
コンクリート構造物の解体あるいは改修、または、厚
壁、石材等の切断、切削のためなど、種々の切削装置に
用いることが可能である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に係る発明のワイヤーソーによれば、ワイヤーロープど
うしを接続する接続スリーブの内面に円周方向に溝が形
成されているので、ワイヤーロープに対する保持力を増
大せしめることが可能であることはもとより、その溝は
ワイヤーロープの一方に対する保持力と他方に対する保
持力に差が生じるように接続スリーブの左右において異
なる形態で形成されているので、万一、ワイヤーロープ
の接続がはずれたとしても、保持力の弱い側のワイヤー
ロープとの結合のみがはずれることになるから、接続ス
リーブがワイヤーソーから完全に脱落して飛び出してし
まうようなことを確実に防止し得る。
【0037】請求項2に係る発明のワイヤーソーにおい
ては、接続スリーブの左右に形成する溝の粗さを互いに
異なるものとすることで双方のワイヤーロープに対する
保持力に差をもたせるようにしたので、接続スリーブに
よる保持力を全体的に増大させたうえで双方のワイヤー
ロープに対する保持力を所望の値に容易に設定すること
ができる。
【0038】請求項3に係る発明のワイヤーソーにおい
ては、接続スリーブの左右いずれか一方にのみ溝を形成
することで、溝を形成した側の保持力を他方よりも増大
させるようにしているので、最も簡単な形態で保持力に
差をもたせることができる。
【0039】請求項4に係る発明のワイヤーソーにおい
ては、溝をメネジ状としているので、その溝の形成を容
易にかつ安価に行い得る。
【0040】請求項5に係る発明の切削装置において
は、上記のワイヤーソーを駆動手段により循環走行させ
るとともに、ガイド装置によりワイヤーソーの走行を案
内しつつ切削対象物に対して押圧することにより、ワイ
ヤーロープの接続が外れる懸念がなく、地盤やコンクリ
ート構造物、石材等を効率良くしかも安全に切削し得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のワイヤーソーの一実施例の概略説明
図である。
【図2】接続スリーブの一実施例を示す断面図である。
【図3】この発明のワイヤーソーの接合方法を説明する
ための工程断面図である。
【図4】この発明のワイヤーソーにおける接続スリーブ
のカシメ加工方法を説明するための工程断面図である。
【図5】この発明の切削装置の一実施例の概略説明図で
ある。
【図6】従来のワイヤーソーにおける接続スリーブ部分
の断面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤーソーユニット 2 ワイヤーソーユニット 11 ワイヤーロープ 11a 端部 12 樹脂層 13 研磨材 14 リング 15 接続スリーブ 15a 穴 15b 溝 21 ワイヤーロープ 21a 端部 22 樹脂層 23 研磨材 24 リング 50 溝切削装置 51 ワイヤーソー 52 駆動手段 55 巻きかけ電動装置 57 エンドレスロープ G 地盤 M 薄溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 洋一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 田窪 努 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイ ヤモンド工業株式会社内 (72)発明者 小六 修一郎 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイ ヤモンド工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−34014(JP,A) 実開 平4−92722(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に研磨材を付したリングを複数取
    りつけたワイヤーロープの端部どうしを、接続スリーブ
    によって無端状に接続した構成のワイヤーソーであっ
    て、前記接続スリーブはその左右両側から前記ワイヤー
    ロープの端部が対向状態に挿入されてカシメられること
    によって該ワイヤーロープの端部を保持して接続するも
    のとされているとともに、該接続スリーブの内面には円
    周方向に溝が形成され、かつ、該溝は前記ワイヤーロー
    プの一方に対する保持力と他方に対する保持力に差が生
    じるように接続スリーブの左右において異なる形態で形
    成されていることを特徴とするワイヤーソー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のワイヤーソーであって、
    前記接続スリーブの左右にそれぞれ形成されている溝の
    粗さが互いに異なるものとされていることを特徴とする
    ワイヤーソー。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のワイヤーソーであって、
    前記溝が前記接続スリーブの左右いずれか一方にのみ形
    成されていることを特徴とするワイヤーソー。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載のワイヤーソ
    ーであって、前記溝がメネジ状に形成されていることを
    特徴とするワイヤーソー。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載のワイヤ
    ーソーを用いる切削装置であって、前記ワイヤーソーを
    循環走行させる駆動手段と、該ワイヤーソーの走行を案
    内しつつ切削対象物に対して押圧するガイド装置とを具
    備してなることを特徴とする切削装置。
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