JP2700712B2 - カラー画像形成方法 - Google Patents

カラー画像形成方法

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JP2700712B2
JP2700712B2 JP2180529A JP18052990A JP2700712B2 JP 2700712 B2 JP2700712 B2 JP 2700712B2 JP 2180529 A JP2180529 A JP 2180529A JP 18052990 A JP18052990 A JP 18052990A JP 2700712 B2 JP2700712 B2 JP 2700712B2
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    • G03C7/407Development processes or agents therefor

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いたカ
ラー画像形成方法に関するものである。詳しくは、極め
て短時間の現像処理に於いても画像ムラの少ない優れた
画像を安定に提供することの出来るカラー画像形成方法
に関するものである。
(従来の技術) 芳香族第一級アミン化合物を現像主薬として露光され
たハロゲン化銀粒子を現像させ、これによって生成した
現像主薬の酸化体とカラーカプラーとのカップリングに
よってカラー画像を形成させる方法は従来よく知られた
技術であり所謂銀塩写真として広く利用されている。
写真業界において写真感光材料の現像処理を出来るか
ぎり迅速に行なうことは、現像所の生産性向上と顧客の
待ち時間を短くする必要から常に重要な課題の一つであ
った。
写真感光材料の現像処理を迅速に行なうための最も容
易な方法は処理温度を上げて反応を活性化させることで
あり、既にこの方法で大幅な現像処理の時間短縮が実施
されてきた。
これに対して近年塩化銀含有率の高い(高塩化銀)ハ
ロゲン化銀粒子を使って迅速に現像処理を行なう特許が
多数公開されている(例えば特開昭58-95345号、同59-2
32342号、同60-19140号)。この高塩化銀ハロゲン化銀
粒子を用いることによって従来3分以上必要とされた発
色現像処理時間が1分以下にまで短縮されたが、この処
理時間を更に短縮して30秒以下にしようとすると画像の
質の低下、特に画像ムラが生じ易いことがわかった。
また同じく迅速に現像処理を行なう方法として発色現
像促進剤を用いる技術(例えば特開昭58-15831号、同55
-62450号、同55-62451号、同55-62452号、同55-52453
号、特公昭51-12422号、同55-49728号)あるいは3−ピ
ラゾリドン等の所謂補助現像主薬を用いる技術(例えば
特開昭60-26338号、同60-158444号、同60-158446号)が
知られているが、これらを用いた写真感光材料は保存安
定性が不十分であるという欠点を有する。
一方、特開昭51-139323号、同59-171947号、英国特許
第2109576A号明細書には、第VIII族の金属化合物を含有
させることによって高感度が得られ、かつ相反則不軌が
改良されるとの記載がある。また特公昭49-33781号、特
開昭50-23618号、同52-18310号、同58-15952号、同59-2
14028号、同61-67845号、ドイツ特許第2226877号、同27
08466号、米国特許第3703584号明細書には、ロジウム化
合物やイリジウム化合物を含有させることによって硬調
化や相反則不軌の改良が達成されるとの記載がある。し
かし以上の明細書には上記の様な超迅速処理での安定性
に関する記載はない。
同様に、米国特許第4269927号には塩化銀含有率が80
モル%以上の表面潜像型高塩化銀乳剤粒子内部にカドミ
ウム、鉛、銅、亜鉛あるいはそれらの混合物を含有させ
ることで高感度が得られる旨の記載があり、また特公昭
48-35373号明細書には、順混合法で得た塩化銀乳剤に水
溶性鉄化合物を含有せしめて硬調な黒白印画紙が廉価に
得られるとの記載がある。更に、特開平1-183647号には
鉄イオンを含有させる高塩化銀乳剤粒子の内部または表
面に臭化銀局在相を有せしめることで高感度が得られ、
更に露光時の温度変化に対する感度変動を軽減できる技
術の記載がある。しかし、上記いずれの明細書にも上記
の様な超迅速処理での安定性に関する記載はなかった。
(本発明が解決しようとする課題) このような現状において、前記の如く発色現像処理時
間を30秒以下の極めて短時間の現像を行なおうとすると
現像進行の時間依存性が大きくなり、このことがひいて
は発色濃度に局部的なムラを生じ易く良好な画像を安定
して提供できないという新たな課題が存在することが判
った。ここで注目すべきはハロゲン化銀粒子の極く初期
の現像性が問題であって、実用的な観点でこの課題に解
答を提供してくれる知見は無かった。
従って本発明の第一の目的は、極めて短時間の現像を
行なう際に、安定して好ましいカラー画像を得ることの
出来る画像形成方法を提供することにある。
本発明の第二の目的は、発色現像が急速に立ち上がっ
て飽和し、所定現像時間前後での発色濃度の時間依存性
が小さく(このことを以下では現像進行特性が良いと言
う)、その結果濃度ムラの少ない安定したカラー画像を
得ることの出来る画像形成方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は前記の目的を達成すべく研究を重ねた結
果、以下のカラー画像形成方法を発明するに至った。
(1) ハロゲン化カラー写真感光材料を露光後、芳香
族第1級アミン発色現像主薬を含有する現像液にて発色
現像し、引き続いて漂白定着した後、水洗および/また
は安定処理して乾燥するカラー画像形成方法において、
該カラー写真感光材料が実質的に沃化銀を含有せず且つ
95モル%以上の塩化銀を含有するハロゲン化銀粒子を含
有し、さらに該ハロゲン化銀粒子は銀1モル当たり10-6
〜10-3モルの鉄イオンを含有し且つ該鉄イオンが粒子内
部相より粒子表面相に5倍以上の高濃度で偏在するハロ
ゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含有し、かつ該発色現
像処理においては処理液を噴流として該感光材料の感光
層表面に衝突させながら5秒以上30秒以下の所要時間で
処理することを特徴とするカラー画像形成方法。
(2) 前記カラー画像形成方法(1)におけるハロゲ
ン化銀乳剤粒子が、粒子表面相の体積が粒子全体の体積
の30体積%以下で、かつ該表面相における鉄イオン濃度
が銀1モル当たり10-5〜10-2モルであることを特徴とす
るカラー画像形成方法。
(3) 前記カラー画像形成方法(1)又は(2)にお
けるハロゲン化銀乳剤粒子が粒子表面に臭化銀含有率が
20モル%以上の臭化銀含有局在相を有することを特徴と
するカラー画像形成方法。
(4) 前記カラー画像形成方法(1)〜(3)におけ
るハロゲン化銀乳剤粒子がイリジウムイオンを銀1モル
当たり10-8〜10-5モル含有することを特徴とするカラー
画像形成方法。
即ち、上記の如き鉄イオンを偏在させた高塩化銀含有
率のハロゲン化銀カラー写真感光材料を用いて上記の如
き噴流攪拌を施しながら発色現像処理することにより、
驚くべきことに前記の如き発色現像処理時間の超短縮化
に伴う現像進行の時間依存性が小さくなり、濃度ムラの
発生が有効に抑制できることが判った。
本発明のハロゲン化銀乳剤は実質的に沃化銀を含有し
ない95モル%以上が塩化銀よりなる塩臭化銀もしくは塩
化銀である。実質的に沃化銀を含有しないとは0.1モル
%以下、好ましくは全く含有しないことである。塩化銀
含有率は95モル%以上である必要があるが、98モル%以
上がより好ましく、鉄イオンやイリジウムイオンなどの
不純物イオンを含有する以外は純塩化銀よりなる乳剤も
好ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤粒子が臭化銀を含有する場
合には、臭化銀含有率20モル%以上の高臭化銀含有局在
相を表面に形成せしめることが好ましい。具体的な方法
の第1としては、純塩化銀粒子を形成後、引き続いて銀
イオンの水溶液と、臭化物イオンまたは臭化物イオンと
塩化物イオンの混合物を水溶液として同時に反応容器中
に供給しながら前記純塩化銀粒子の表面に臭化銀含有局
在相を形成せしめる方法があり、第2の方法としては、
純塩化銀粒子を形成後、臭化物イオンの水溶液を供給す
るか、あるいは前記塩化銀粒子よりも粒子サイズの小さ
い高臭化銀含有乳剤(純臭化銀乳剤を含む)を添加する
ことにより所謂ハロゲン変換反応を起こすことによって
前記純塩化銀粒子の表面に臭化銀含有局在相を形成せし
める方法がある。いずれの方法も臭化銀含有局在相の形
成工程は、純塩化銀粒子の形成後引き続き同一反応容器
中で行なっても良いし、純塩化銀粒子の形成後水洗によ
る脱塩を行なった後改めて実施しても良い。
本発明においてハロゲン化銀乳剤粒子中に鉄イオンを
含有させるためには、乳剤粒子の形成工程において水溶
性の鉄化合物を共存せしめる方法が実施し易い。これら
の鉄化合物は2価または3価の鉄イオン含有化合物であ
り、本発明で用いる濃度範囲内で水溶性を有することが
好ましい。特に好ましくはハロゲン化銀粒子内部に組み
込まれ易い鉄錯塩を用いる方法である。これらの化合物
の具体例を以下に挙げるが、本発明で用いることの出来
る鉄化合物はこれらに限定されるものではない。
ヒ酸第1鉄、臭化第1鉄、炭酸第1鉄、塩化第1鉄、
クエン酸第1鉄、フッ化第1鉄、ギ第1鉄、グルコン酸
第1鉄、水酸化第1鉄、沃化第1鉄、乳酸第1鉄、シュ
ウ酸第1鉄、リン酸第1鉄、コハク酸第1鉄、硫酸第1
鉄、チオシアン酸第1鉄、硝酸第1鉄、硝酸第1鉄アン
モニウム、塩基性酢酸第2鉄、アルブミン酸第2鉄、酢
酸第2鉄アンモニウム、臭化第2鉄、塩化第2鉄、クロ
ム酸第2鉄、クエン酸第2鉄、フッ化第2鉄、ギ酸第2
鉄、グリセロ・リン酸第2鉄、水酸化第2鉄、酸性リン
酸第2鉄、硝酸第2鉄、リン酸第2鉄、ピロリン酸第2
鉄、ピロリン酸第2鉄ナトリウム、チオシアン酸第2
鉄、硫酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、硫酸第2鉄
グアニジウム、クエン酸第2アンモニウム、ヘキサシア
ノ鉄(II)酸カリウム、ペンタシアノアンミン鉄(II)
カリウム、エチレンジニトリロ四酢酸鉄(III)ナトリ
ウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、塩化トリス
(ビピリジル)鉄(III)、ペンタシアノニトロシル鉄
(III)カリウム。
これらの化合物の中でも、特にヘキサシアノ鉄(II)
酸塩、ヘキサシアノ鉄(III)酸塩、チオシアン酸第1
鉄塩、チオシアン酸第2鉄塩が顕著な効果を示す。
上記鉄化合物は、ハロゲン化銀粒子の形成時に分散媒
(ゼラチンあるいは保護コロイド性を有する他のポリマ
ー)溶液中、ハロゲン化物水溶液中、銀塩水溶液中ある
いはその他の水溶液中に存在させることによってハロゲ
ン化銀粒子中に含有させることが出来る。
本発明において用いる鉄化合物の量はハロゲン化銀粒
子の銀1モル当たり10-6〜10-3モルであり、より好まし
くは10-5〜5×10-4モルである。鉄化合物の量がこの範
囲以下の時には現像進行を改良する効果が殆ど見られ
ず、また上記範囲以上の時にはハロゲン化銀粒子の表面
形状に明らかな乱れが生じ、感度低下が見られ、好まし
くない。
本発明で用いる鉄化合物はハロゲン化銀粒子の内部相
よりも表面相に5倍以上、好ましくは10倍以上の高濃度
で偏在させる必要があるが、好ましくは全鉄量の90%以
上がハロゲン化銀粒子体積の30%以下の表面相に存在
し、該表面相中の鉄イオン濃度が該表面相の銀1モル当
たり10-5〜10-2モルであることが効果的であり、更に好
ましくは全鉄量の95%以上がハロゲン化銀粒子体積の20
%以下の表面相に存在することである。
また、本発明には、ハロゲン化銀粒子における銀1モ
ル当り10-6〜10-3モルの鉄イオンがすべて粒子表面に存
在する場合(即ち、内部相における鉄イオンが0モルの
場合)も含まれる。
鉄イオンの偏在化が本発明の効果をもたらす理由は明
らかではない。本来鉄イオンには先に引用した先行技術
で開示されている様に露光時の潜像形成効率を高めるこ
とによって感光材料の感度を高める作用が知られてい
る。従って本発明における処理依存性の改良効果も、何
らかの理由でハロゲン化銀粒子の表面に近い領域で鉄イ
オンの作用により現像の速い好ましい潜像が形成された
ことによると思われる。しかし、一般にある写真作用が
認められるか否かは感光材料の現像処理条件によって大
きく異なり、十分に長い現像処理においては本発明にお
けると同様の効果を認めることが出来なかったものであ
る。
イリジウムイオンをハロゲン化銀乳剤粒子に含有させ
るためには、水溶性イリジウム化合物が好ましい。具体
的な化合物例としては、ヘキサハロゲノイリジウム(II
I)カリウム塩および同アンモニウム塩、ヘキサハロゲ
ノイリジウム(IV)カリウム塩、および同アンモニウム
塩、塩化イリジウム(III)、塩化イリジウム(IV)、
臭化イリジウム(III)、臭化イリジウム(IV)などを
あげることができる。
これらのイリジウム塩の使用量はハロゲン化銀1モル
当たり10-8〜10-5モルが好ましく、更に好ましくは5×
10-8〜5×10-6モルである。ハロゲン化銀粒子のイリジ
ウムイオンを含有させる位置はどこでもよいが、特に好
ましくは本発明で言うところの表面相、および/または
臭化銀含有局在相である。
本発明における発色現像時間は5〜30秒であるが、更
に5〜20秒であることが好ましい。ここでいう発色現像
時間とは、感光材料が発色現像液に侵入してから次の浴
に侵入するまで(空中時間含む)の時間をいう。また、
発色現像温度は30〜50℃、該補充量は感光材料1m2当り2
0〜600mlであることがそれぞれ好ましい。
更に発色現像液が実質的に亜硫酸イオン及び/又はヒ
ドロキシルアミンを含有しないことが好ましい。
本発明における発色現像液その他処理液の噴流は、ポ
ンプにより処理浴内の処理液を吸引し、感光材料の乳剤
面に向かい合った位置に設けたノイズまたはスリットか
ら乳剤面に向けて該処理液を吐出させることで発生させ
ることが出来る。より具体的には、特開昭62-183460号
公報明細書第3ページ右下欄〜第4ページ右下欄の実施
例の項に記載された乳剤面に向かい合って設けられたス
リットまたはノズルからポンプで圧送された液を吐出さ
せる方法が採用出来る。
以下第1図に用いて更に具体的に説明する。
第1図には本発明が適用されるカラー感光材料用の自
動現像機の発色現像浴槽1が示されている。
この自動現像機では発色現像浴槽1、漂白定着浴槽、
水洗槽及び/又は安定化槽へ順次ペーパー2が送られ、
現像、漂白定着、水洗及び/又は安定化処理が行われ後
に乾燥部で乾燥され、取り出されるようになっている。
これらの処理槽にはそれぞれ処理液が充填され、処理
槽の上下に配置される巻掛ローラ10、11へとペーパー2
が巻掛けて搬送され、各処理槽の間に配置される巻掛ロ
ーラ12で次の処理槽へと送られる構成である。
発色現像浴槽1には巻掛ローラ10、11へ巻掛けられて
移動するペーパー2の乳剤面に対応して高速液流発生用
のチャンバー14、16がそれぞれ配置されている。第1図
に示される如くこれらのチャンバー14、16は薄肉板材か
ら箱形状とされており、通過するペーパー2の乳剤面に
対向して複数個のスリット18が形成された噴流供給用と
なっている。これらのスリット18はペーパー2の移動方
向と直角方向に、即ちペーパー2の幅方向に長手方向と
される細長開口であるが、小径の開口を複数個形成する
ようにしたり、液流の流れ方向を決定するためにノズル
等を設けてもよい。
このチャンバー14、16は給液管20によってポンプ22へ
連通され、ポンプ22からの処理液が圧送されるようにな
っている。ポンプ22は給液管24によって発色現像浴槽1
の上端部付近へと連通されており、発色現像浴槽1内の
処理液を吸引するようになっている。また給液管20の一
部は発色現像浴槽1の下端部付近へ給液管26を介して連
通可能とされており、発色現像浴槽1が大型の場合には
ポンプ22からの処理液を必要に応じて処理槽の下部へ供
給できるようになっている。この給液管26は主として処
理槽内の処理液を低速で循環させる役目を有している。
また各処理槽には新規な処理液が別途供給され、オー
バーフローした処理液が排棄又は再利用されるようにな
っている。
自動現像機が運転されて各巻掛ローラ10、11、12が回
転されると、ペーパー2が各処理槽へと順次送られる。
必要に応じてペーパー2は先端を案内するリーダ等を用
いて各ローラへ案内してもよい。
ポンプ22は給液管24、26を介して処理液を発色現像浴
槽1へと圧送する。給液管26によって圧送された処理液
は発色現像浴槽1内の処理液を比較的低速で循環させて
その上部から再びポンプ22へ処理液を戻す。
乳剤面に衝突する時の噴流の速度は、現像機内におけ
る感光材料の搬送に支障を来さない範囲で、出来るだけ
大きいことが好ましく、具体的には毎秒0.3〜3mの範囲
が好ましい。
噴流に際しての処理液の流量は30cmの巾の感光材料に
対して毎分0.5l以上であれば本発明の効果を得ることが
できるが、好ましくは毎分1以上、より好ましくは3l
以上がよい。また処理装置の形状にもよるが過剰の流量
は感光材料の搬送性や処理液の飛散、経時安定性の観点
から好ましくない。
本発明では、かかる処理液の噴流式攪拌は発色現像処
理浴においてのみ行なえば本発明の目的を達成すること
ができるが、他の処理浴においてもこの噴流を用いるこ
とが好ましい。特に漂白定着浴に用いることが好まし
く、更に漂白定着浴に加えて少なくとも1つの水洗浴ま
たは安定浴において用いることがより好ましい。
本発明における噴流の効果は、例えば発色現像浴の場
合には、発色現像剤等の感光層への浸透を促すものと考
えられ、更に他の処理浴においては同様に処理剤成分の
感光層への浸透に加えて、感光層内に残っている前浴の
成分が洗い出される過程を促進しているものと考える。
本発明においては、現像処理は自動現像機を用いて行
なうことが好ましい。この場合の自動現像機の好ましい
態様としては、各処理浴とも感光材料の感光層面に向
かって毎分1以上、好ましくは3l以上の吐出量でタン
ク液を吹き付ける様な液循環の機構を有していること、
カラー現像浴の現像液が空気と接している表面の面積
の現像浴総容量に対する比率が0.1以下、好ましくは0.0
5cm2/ml以下となる様な構造を有していること、カラ
ー現像浴および漂白定着浴に感光材料が侵入してから空
中を経て次の浴に侵入する過程において各浴の空中時間
と液中時間の比率が1.0以下、好ましくは0.7以下となる
様な構造を有していること、最終リンス浴と乾燥部と
の間に感光材料の表面に付着した液をぬぐい取るための
複数の除液ローラーを配置してあること、感光材料の
感光層面に多孔板あるいはスリットを介して1m以上、好
ましくは3m/秒以上の風速で乾燥風を吹き付けかつ水分
を含んだ所謂リターン風を感光材料表面から迅速に取り
去る様な空気の循環機構を持った乾燥部を有すること、
などを挙げることが出来る。
以下、本発明について詳しく述べる。
本発明のカラー写真感光材料は、支持体上に青感性ハ
ロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも一層ずつ塗設して
構成することができる。一般のカラー印画紙では、支持
体上に前出の順で塗設されているのが普通であるが、こ
れと異なる順序であっても良い。また、赤外感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を前記の乳剤層の少なくとも一つの替り
に用いることができる。これ等の感光性乳剤層には、そ
れぞれの波長域に感度を有するハロゲン化銀乳剤と、感
光する光と補色の関係にある色素−すなわち青に対する
イエロー、緑に対するマゼンタそして赤に対するシアン
−を形成する所謂カラーカプラーを含有させることで減
色法の色再現を行うことができる。ただし、感光層とカ
プラーの発色色相とは、上記のような対応を持たない構
成としても良い。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤としては、前述のよ
うに実質的に沃化銀を含まない塩臭化銀もしくは塩化銀
よりなるものを好ましく用いることができる。乳剤のハ
ロゲン組成は粒子間で異なっていても等しくても良い
が、粒子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤を用いる
と、各粒子の性質を均質にすることが容易である。
また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲン組成分布
については、ハロゲン化銀粒子のどの部分をとっても組
成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン化銀粒子
内部のコア(芯)とそれを取り囲むシェル(殻)〔一層
または複数層〕とでハロゲン組成の異なる所謂積層型構
造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面に非層状にハ
ロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒子表面にある
場合は粒子のエッジ、コーナーあるいは面上に異組成の
部分が接合した構造)の粒子などを適宜選択して用いる
ことができる。高感度を得るには、均一型構造の粒子よ
りも後二者のいずれかを用いることが有利であり、耐圧
力性の面からも好ましい。
ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を有する場合に
は、ハロゲン組成において異なる部分の境界部は、明確
な境界であっても、組成差により混晶を形成して不明確
な境界であっても良く、また積極的に連続的な構造変化
を持たせたものであっても良い。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン
化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積と等価な円
の直径を以て粒子サイズとし、その数平均をとったも
の)は、0.2μm〜0.7μmが好ましい。
また、それらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイ
ズ分布の標準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%
以下、望ましくは15%以下の所謂単分散なものが好まし
い。このとき、広いラチチュードを得る目的で上記の単
分散乳剤を同一層にブレンドして使用することや、重層
塗布することも好ましく行われる。この様に粒子サイズ
の異なるハロゲン化銀粒子を感光材料中に複数用いる時
には、それらが同一感光層内に共存する場合でも異なる
感光層にある場合でも、該ハロゲン化銀粒子の平均粒子
サイズの比が0.63以上1.6以下であることが好ましく、
0.77以上1.3以下であればさらに好ましい。
写真乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子の形状は、立方
体、十四面体あるいは八面体のような規則的な(regula
r)結晶形を有するもの、球状、板状などのような変則
的な(irregular)結晶形を有するもの、あるいはこれ
らの複合形を有するものを用いることができる。また、
種々の結晶形を有するものの混合したものからなってい
ても良い。本発明においてはこれらの中でも上記規則的
な結晶形を有する粒子を50%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは90%以上含有するのが良い。
また、これら以外にも平均アスペクト比(円換算直径
/厚み)が5以上、好ましくは8以上の平板状粒子が投
影面積として全粒子の50%を越えるような乳剤も好まし
く用いることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、その乳剤粒子形
成もしくは物理熟成の過程において、前述の鉄イオン、
イリジウムイオン以外の種々の多価金属イオン不純物を
導入することができる。使用する化合物の例としては、
カドミウム、亜鉛、鉛、銅、タリウムなどの塩、あるい
は第VIII族元素であるルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、白金などの塩もしくは錯塩を挙げるこ
とができる。特に上記第VIII族元素は好ましく用いるこ
とができる。これ等の化合物の添加量は目的に応じて広
範囲にわたるがハロゲン化銀1モルに対して10-9〜10-3
モルが好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常化学増
感を施される。
化学増感法については、不安定硫黄化合物の添加に代
表される硫黄増感、金増感に代表される貴金属増感、あ
るいは還元増感などを単独もしくは併用して用いること
ができる。化学増感に用いられる化合物については、特
開昭62-215272号公報明細書の第18頁右下欄〜第22頁右
上欄に記載のものが好ましく用いられる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、通常分光増
感を施される。
分光増感は、本発明の感光材料における各層の乳剤に
対して所望の光波長域に分光感度を付与する目的で行わ
れる。本発明においては目的とする分光感度に対応する
波長域の光を吸収する色素−分光増感色素を添加するこ
とで行うことが好ましい。このとき用いられる分光増感
色素としては例えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic com
pounds-Cyanine dyes and related compounds(John Wi
ley & Sons〔New York,London〕社刊、1964年)に記載
されているものを挙げることができる。具体的な化合物
の例ならびに分光増感法は、前出の特開昭62-215272号
公報明細書の第22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ま
しく用いられる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤には、感光材料の製
造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止す
る、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化合
物あるいはそれ等の前駆体を添加することができる。こ
れらの化合物の具体例は前出の特開昭62-215272号公報
明細書の第39頁〜第72頁に記載のものが好ましく用いら
れる。
本発明に用いる乳剤は、潜像が主として粒子表面に形
成される所謂表面潜像型乳剤、あるいは潜像が主として
粒子内部に形成される所謂内部潜像型乳剤のいずれのタ
イプのものであっても良い。
本発明がカラー感光材料に適用される場合、該カラー
感光材料には芳香族アミン系発色現像薬の酸化体とカッ
プリングしてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンに発
色するイエローカプラー、マゼンタカプラー及びシアン
カプラーが通常用いられる。
本発明において好ましく使用されるシアンカプラー、
マゼンタカプラーおよびイエローカプラーは、下記一般
式(C−I)、(C−II)、(M−I)、(M−II)お
よび(Y)で示されるものである。
一般式(C−I) 一般式(C−II) 一般式(M−I) 一般式(M−II) 一般式(Y) 一般式(C−I)および(C−II)において、R1
2およびR4は置換もしくは無置換の脂肪族、芳香族ま
たは複素環基を表し、R3、R5およびR6は水素原子、
ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基またはアシルアミノ
基を表し、R3はR2と共に含窒素の5員環もしくは6員
環を形成する非金属原子群を表してもよい。Y1、Y2
水素原子または現像主薬の酸化体とのカップリング反応
時に離脱しうる基を表す。nは0又は1を表す。
一般式(C−II)におけるR5としては脂肪族基であ
ることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンタデシル基、tert−ブチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、フェニル
チオメチル基、ドデシルオキシフェニルチオメチル基、
ブタンアミドメチル基、メトキシメチル基などを挙げる
ことができる。
前記一般式(C−I)または(C−II)で表わされる
シアンカプラーの好ましい例は次の通りである。
一般式(C−I)において好ましいR1はアリール
基、複素環基であり、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アシル
基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイ
ル基、スルホニル基、スルファミド基、オキシカルボニ
ル基、シアノ基で置換されたアリール基であることがさ
らに好ましい。一般式(C−I)においてR3とR2で環
を形成しない場合、R2は好ましくは置換もしくは無置
換のアルキル基、アリール基であり、特に好ましくは置
換アリールオキシ置換のアルキル基であり、R3は好ま
しくは水素原子である。
一般式(C−II)において好ましいR4は置換もしく
は無置換のアルキル基、アリール基であり、特に好まし
くは置換アリールオキシ置換のアルキル基である。
一般式(C−II)において好ましいR5は炭素数2〜1
5のアルキル基および炭素数1以上の置換基を有するメ
チル基であり、置換基としてはアリールチオ基、アルキ
ルチオ基、アシルアミノ基、アリールオキシ基、アルキ
ルオキシ基が好ましい。一般式(C−II)においてR5
は炭素数2〜15のアルキル基であることがさらに好まし
く、炭素数2〜4のアルキル基であることが特に好まし
い。一般式(C−II)において好ましいR6は水素原
子、ハロゲン原子であり、塩素原子およびフッ素原子が
特に好ましい。一般式(C−I)および(C−II)にお
いて好ましいY1およびY2はそれぞれ、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基、スルホンアミド基である。
一般式(M−I)において、R7およびR9はアリール
基を表し、R8は水素原子、脂肪族もしくは芳香族のア
シル基、脂肪族もしくは芳香族のスルホニル基を表し、
3は水素原子または離脱基を表す。R7およびR9のア
リール基(好ましくはフェニル基)に許容される置換基
は、置換基R1に対して許容される置換基と同じであ
り、2つ以上の置換基があるときは同一でも異なってい
てもよい。R8は好ましくは水素原子、脂肪族のアシル
基またはスルホニル基であり、特に好ましくは水素原子
である。好ましいY3はイオウ、酸素もしくは窒素原子
のいずれかで離脱する型のものであり、例えば米国特許
第4,351,897号や国際公開WO88/04795号に記載されてい
るようなイオウ原子離脱型は特に好ましい。
一般式(M−II)において、R10は水素原子または置
換基を表す。Y4は水素原子または離脱基を表し、特に
ハロゲン原子やアリールチオ基が好ましい。Za、Zbおよ
びZcはメチン、置換メチン、=N−又は−NH−を表し、
Za-Zb結合とZb-Zc結合のうち一方は二重結合であり、他
方は単結合である。Zb-Zc結合が炭素−炭素二重結合の
場合は、それが芳香環の一部である場合を含む。R10
たはY4で2量体以上の多量体を形成する場合、またZ
a、ZbあるいはZcが置換メチンであるときはその置換メ
チンで2量体以上の多量体を形成する場合を含む。
一般式(M−II)で表わされるピラゾロアゾール系カ
プラーの中でも発色色素のイエロー副吸収の少なさおよ
び光堅牢性の点で米国特許第4,500,630号に記載のイミ
ダゾ〔1,2−b〕ピラゾール類は好ましく、米国特許第
4,540,654号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕ト
リアゾールは特に好ましい。
その他、特開昭61-65245号に記載されたような分岐ア
ルキル基がピラゾロトリアゾール環の2、3又は6位に
直結してピラゾロトリアゾールカプラー、特開昭61-652
46号に記載されたような分子内にスルホンアミド基を含
んだピラゾロアゾールカプラー、特開昭61-147254号に
記載されたようなアルコキシフェニルスルホンアミドバ
ラスト基をもつピラゾロアゾールカプラーや欧州特許
(公開)第226,849号や同第294,785号に記載されたよう
な6位にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピラゾ
ロトリアゾールカプラーの使用が好ましい。
一般式(Y)において、R11はハロゲン原子、アルコ
キシ基、トリフルオロメチル基またはアリール基を表
し、R12は水素原子、ハロゲン原子またはアルコキシ基
を表す。Aは−NHCOR13、−NHSO2-R13、−SO2NHR13
−COOR13を表わす。但し、R13とR14はそれぞれアルキル基、ア
リール基またはアシル基を表す。Y5は離脱基を表す。
12とR13、R14の置換基としては、R1に対して許容
された置換基と同じであり、離脱基Y5は好ましくは酸
素原子もしくは窒素原子のいずれか離脱する型のもので
あり、窒素原紙離脱型が特に好ましい。
一般式(C−I)、(C−II)、(M−I)、(M−
II)および(Y)で表わされるカプラーの具体例を以下
に列挙する。
一般式(C−I)、(C−II)で表わされるカプラー
の具体例を以下に列挙する。
一般式(M−I)、(M−II)で表わされるカプラー
の具体例を以下に列挙する。
一般式(Y)で表わされるカプラーの具体例を以下に
列挙する。
(Y−9) 上記一般式(C−I)〜(Y)で表されるカプラー
は、感光層を構成するハロゲン化銀乳剤層中に、通常ハ
ロゲン化銀1モル当たり0.1〜1.0モル、好ましくは、0.
1〜0.5モル含有される。
このようなカプラーの分散媒としては誘電率(25℃)
2〜20、屈折率(25℃)1.5〜1.7の高沸点有機溶媒およ
び/または水不溶性高分子化合物を使用するのが好まし
い。
高沸点有機溶媒として、好ましくは次の一般式(A)
〜(E)で表される高沸点有機溶媒が用いられる。
一般式(A) 一般式(B) W1-COO-W2 一般式(C) 一般式(D) 一般式(E) W1−O−W2 (式中、W1、W2及びW3はそれぞれ置換もしくは無
置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アリール基又はヘテロ環基を表わし、W4はW1、OW1
たはS−W1を表わし、nは、1ないし5の整数であ
り、nが2以上の時はW4は互いに同じでも異なってい
てもよく、一般式(E)において、W1とW2が縮合環を
形成してもよい)。
本発明に用いうる高沸点有機溶媒は、一般式(A)な
いし(E)以外でも融点が100℃以下、沸点が140℃以上
の水と非混和性の化合物で、カプラーの良溶媒であれば
使用できる。高沸点有機溶媒の融点は好ましくは80℃以
下である。高沸点有機溶媒の沸点は、好ましくは160℃
以上であり、より好ましくは170℃以上である。
これらの高沸点有機溶媒の詳細については、特開昭62
-215272号公開明細書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に
記載されている。
また、これらのカプラーは前記の高沸点有機溶媒の存
在下でまた不存在下でローダブルラテックスポリマー
(例えば米国特許第4,203,716号)に含浸させて、また
は水不溶性且つ有機溶媒可溶性のポリマーに溶かして親
水性コロイド水溶液に乳化分散させる事ができる。
好ましくは国際公開WO88/00723号明細書の第12頁〜30
頁に記載の単独重合体または共重合体が用いられ、特に
アクリルアミド系ポリマーの使用が色像安定化等の上が
好ましい。
本発明の感光材料には、種々の退色防止剤を用いるこ
とができる。即ち、シアン、マゼンタ及び/又はイエロ
ー画像用の有機退色防止剤としてはハイドロキノン類、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類、
ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノール
類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各
化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化し
たエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げ
られる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケ
ル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマ
ト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用でき
る。
有機退色防止剤の具体例は以下の特許の明細書に記載
されている。
ハイドロキノン類は米国特許第2,360,290号、同2,41
8,613号、同2,700,453号、同2,701,197号、同2,728,659
号、同2,732,300号、同2,735,765号、同3,982,944号、
同4,430,425号、英国特許第1,363,921号、米国特許第2,
710,801号、同2,816,028号などに、6−ヒドロキシクロ
マン類、5−ヒドロキシクマラン類、スピロクロマン類
は米国特許第3,432,300号、同3,573,050号、同3,574,62
7号、同3,698,909号、同3,764,337号、特開昭52-152225
号などに、スピロインダン類は米国特許第4,360,589号
に、p−アルコキシフェノール類は米国特許第2,735,76
5号、英国特許第2,066,975号、特開昭59-10539号、特公
昭57-19765号などに、ヒンダードフェノール類は米国特
許第3,700,455号、特開昭52-72224号、米国特許第4,22
8,235号、特公昭52-6623号などに、没食子酸誘導体、メ
チレンジオキシベンゼン類、アミノフェノール類はそれ
ぞれ米国特許第3,457,079号、同第4,332,886号、特公昭
56-21144号などに、ヒンダードアミン類は米国特許第3,
336,135号、同4,268,593号、英国特許第1,326,889号、
同1,354,313号、同1,410,846号、特公昭51-1420号、特
開昭58-114036号、同59-53846号、同59-78344号など
に、金属錯体は米国特許第4,050,938号、同4,241,155
号、英国特許第2,027,731(A)号などにそれぞれ記載
されている。これらの化合物は、それぞれ対応するカラ
ーカプラーに対し通常5ないし100重量%をカプラーと
共乳化して感光層に添加することにより、目的を達成す
ることができる。シアン色素像の熱および特に光による
劣化を防止するためには、シアン発色層およびそれに隣
接する両側の層に紫外線吸収剤を導入することがより効
果的である。
紫外線吸収剤としては、アリール基で置換されたベン
ゾトリアゾール化合物(例えば米国特許第3,533,794号
に記載のもの、4−チアゾリドン化合物(例えば米国特
許第3,314,794号、同3,352,681号に記載のもの)、ベン
ゾフェノン化合物(例えば特開昭46-2784号に記載のも
の)ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許第3,705,
805号、同3,707,395号に記載のもの)、あるいはベンゾ
オキシドール化合物(例えば米国特許第3,406,070号、
同3,677,672号、同4,271,307号に記載のもの)を用いる
ことができる。紫外線吸収性のカプラー(例えばα−ナ
フトール系のシアン色素形成カプラー)や、紫外線吸収
性のポリマーなどを用いてもよい。これらの紫外線吸収
剤は特定の層に媒染されていてもよい。なかでも前記の
アリール基で置換されたベンゾトリアゾール化合物が好
ましい。
また前述のカプラーと共に、特に下記のような化合物
を使用することが好ましい。特にピラゾロアゾールカプ
ラーとの併用が好ましい。
即ち、発色現像処理後に残存する芳香族アミン系現像
主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(F)および/または発色
現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬の酸
化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的に無
色の化合物を生成する化合物(G)を同時または単独に
用いることが、例えば処理後の保存における膜中残存発
色現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による発
色色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止す
る上で好ましい。
化合物(F)として好ましいものは、p−アニシジン
との二次反応速度定数k2(80℃のトリオクチルホスフ
ェート中)が1.0l/mol・sec〜1×10-5l/mol・secの範
囲で反応する化合物である。なお、二次反応速度定数は
特開昭63-158545号に記載の方法で測定することができ
る。
2がこの範囲より大きい場合、化合物自体が不安定
となり、ゼラチンや水と反応して分解してしまうことが
ある。一方、k2がこの範囲より小さければ残存する芳
香族アミン系現像主薬と反応が遅く、結果として残存す
る芳香族アミン系現像主薬の副作用を防止することがで
きないことがある。このような化合物(F)のより好ま
しいものは下記一般式(FI)または(FII)で表すこと
ができる。
一般式(FI) R1-(A)n−X 一般式(FII) 式中、R1、R2はそれぞれ脂肪族基、芳香族基、また
はヘテロ環基を表す。nは1または0を表す。Aは芳香
族アミン系現像薬と反応し、化学結合を形成する基を表
わし、Xは芳香族アミン系現像薬と反応して離脱する基
を表わす。Bは水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ
環基、アシル基、またはスルホニル基を表し、Yは芳香
族アミン系現像主薬が一般式(FII)の化合物に対して
付加するのを促進する基を表す。ここでR1とX、Yと
2またはBとが互いに結合して環状構造となってもよ
い。
残存芳香族アミン系現像主薬と化学結合する方式のう
ち、代表的なものは置換反応と付加反応である。
一般式(FI)、(FII)で表される化合物の具体例に
ついては、特開昭63-158545号、同62-283338号、欧州特
許公開298321号、同277589号などの明細書に記載されて
いるものが好ましい。一方、発色現像処理後に残存する
芳香族アミン系現像主薬の酸化体と化学結合して、化学
的に不活性でかつ無色の化合物を生成する化合物(G)
のより好ましいものは下記一般式(GI)で表わすことが
できる。
一般式(GI) R−Z 式中、Rは脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表
わす。Zは求核性の基または感光材料中で分解して求核
性の基を放出する基を表わす。一般式(GI)で表わされ
る化合物はZがPearsonの求核性nCH3I値(R.G.Pearso
n,et al.,J.Am.Chem.Soc.,90,319(1968)が5以上の基
か、もしくはそれから誘導される基が好ましい。
一般式(GI)で表わされる化合物の具体例については
欧州公開特許第255722号、特開昭62-143048号、同62-22
9145号、特願昭63-136724号、特開平1-57259号、欧州特
許公開298321号、同277589号などに記載されているもの
が好ましい。
また前記の化合物(G)と化合物(F)との組合せの
詳細については、欧州特許公開277589号に記載されてい
る。
本発明を用いて作られる感光材料は、色カブリ防止剤
として、ハイドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導
体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体などを含有
してもよい。
本発明に用いて作られた感光材料には、親水性コロイ
ド層にフィルター染料として、あるいはイラジエーショ
ンやハレーションの防止その他種々の目的で水溶性染料
や写真処理によって水溶性となる染料を含有していても
よい。このような染料には、オキソノール染料、ヘミオ
キソノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シ
アニン染料及びアゾ染料が包含される。なかでもオキソ
ノール染料、ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染
料が有用である。
本発明の感光材料の乳剤層に用いることのできる結合
剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、それ以外の親水性コロイド単独あるいは
ゼラチンと共に用いることができる。
本発明においてゼラチンは石灰処理されたものでも、
酸を使用して処理されたものでもどちらでもよい。ゼラ
チンの製法の詳細はアーサー・ヴァイス著、ザ・マクロ
モレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(アカデ
ミック・プレス、1964年発行)に記載がある。
本発明に用いる支持体としては通常、写真感光材料に
用いられているセルロースナイトレートフィルムやポリ
エチレンテレフタレートなどの透明フィルムや反射型支
持体が使用できる。本発明の目的にとっては、反射支持
体の使用がより好ましい。
本発明に使用する「反射支持体」とは、反射性を高め
てハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮明にす
るものをいい、このような反射支持体には、支持体上に
酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を被覆した
ものや光反射性物質を分散含有する疎水性樹脂を支持体
として用いたものが含まれる。例えば、バライタ紙、ポ
リエチレン被覆紙、ポリプロピレン系合成紙、反射層を
併設した、或は反射性物質を併用する透明支持体、例え
ばガラス板、ポリエチレンテレフタレート、三酢酸セル
ロースあるいは硝酸セルロースなどのポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニル樹脂等がある。
その他の反射型支持体として、鏡面反射性または第2
種拡散反射性の金属表面をもつ支持体を用いることがで
きる。金属表面は可視波長域における分光反射率が0.5
以上のものがよく、また金属表面を粗面化または金属粉
体を用いて拡散反射性にするのがよい。該金属としては
アルミニウム、錫、銀、マグネシウムまたはその合金な
どを用い、表面は圧延、蒸着、或いはメッキなどで得た
金属板、金属箔、または金属薄層の表面であってよい。
なかでも、他の基質に金属を蒸着して得るのがよい。金
属表面の上には、耐水性樹脂とくに熱可塑性樹脂層を設
けるのが好ましい。本発明の支持体の金属表面をもつ側
の反射側には帯電防止層を設けるのがよい。このような
支持体の詳細については、例えば、特開昭61-210346
号、同63-24247号、同63-24251号や同63-24255号などに
記載されている。
これらの支持体は使用目的によって適宜選択できる。
光反射性物質としては、界面活性剤の存在下に白色顔
料を充分に混練するのがよく、また顔料粒子の表面を2
〜4価のアルコールで処理したものを用いるのが好まし
い。
白色顔料微粒子の規定された単位面積当たりの占有面
積比率(%)は、最も代表的には観察された面積を、相
接する6μm×6μmの単位面積に区分し、その単位面
積に投影される微粒子の占有面積比率(%)(Ri)を測
定して求めることが出来る。占有面積比率(%)の変動
係数は、Riの平均値()に対するRiの標準偏差sの
比s/によって求めることが出来る。対象とする単位面
積の個数(n)は6以上が好ましい。従って変動係数s/
によって求めることが出来る。
本発明において、顔料の微粒子の占有面積比率(%)
の変動係数は0.15以下とくに0.12以下が好ましい。0.08
以下の場合は、実質上粒子の分散性は「均一である」と
いうことができる。
本発明に用いる塩臭化銀乳剤は、P.Glafkides著Chimi
e et Phisique Photographique(PaulMontel社刊、1967
年)、G.F.Duffin著Potograhic Emulsion Chemistry(F
ocal Pree社刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Makin
g and Coating Photographic Emuldion(Focal Press社
刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製するこ
とができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニウム
法等のいずれでも良く、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲ
ン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混合
法、およびそれらの組み合わせなどのいずれの方法を用
いても良い。粒子を銀イオン過剰の雰囲気の下において
形成させる方法(所謂逆混合法)を用いることもでき
る。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち所謂コン
トロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一
に近いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
本発明において、前記カプラーを感光層に添加するた
めには、公知の種々の技術を適用することができる。通
常、オイルプロテクト法として公知の水中油滴分散法に
より添加することができ、溶媒に溶解した後、界面活性
剤を含むゼラチン水溶液に乳化分散させる。あるいは界
面活性剤を含むカプラー溶液中に水あるいはゼラチン水
溶液を加え、転相を伴って水中油滴分散物としてもよ
い。またアルカリ可溶性のカプラーは、いわゆるフィッ
シャー分散法によっても分散できる。カプラー分散物か
ら、蒸留、ヌードル水洗あるいは限界濾過などの方法に
より、低沸点有機溶媒を除去した後、写真乳剤と混合し
た。
本発明にカラー写真感光材料は、カラー現像、漂白定
着、水洗処理(または安定化処理)が施されるのが好ま
しい。漂白と定着は前記のような一浴でなくて別個に行
ってもよい。
本発明に使用されるカラー現像液中には、公知の芳香
族第一級アミンカラー現像主薬を含有する。好ましい例
はp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例は以下
に示すがこれらに限定されるものではない。
D−1 N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン D−2 4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチルアニ
リン D−3 4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−
N−メチルアニリン D−4 4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキ
シエチル)アニリン D−5 4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキ
シエチル)−3−メチルアニリン D−6 4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロキ
シプロピル)−3−メチルアニリン D−7 4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロキ
シブチル)−3−メチルアニリン D−8 4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタンス
ルホンアミドエチル)−3−メチルアニリン D−9 4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒド
ロキシエチル)アニリン D−10 4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシ
エチル)−3−メチルアニリン D−11 4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)−N
−エチル−3−メチルアニリン D−12 4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロピル
−N−n−プロピル−3−メチルアニリン D−13 4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−
N−n−プロピル−3−メチルアニリン D−14 N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3
−ヒドロキシピロリジン D−15 N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3
−(ヒドロキシメチル)ピロリジン D−16 N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3
−ピロリジンカルボキサミド 上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち特に好まし
くは例示化合物D−5、D−6、D−7、D−8および
D−12である。また、これらのp−フェニレンジアミン
誘導体と硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩であってもよ
い。該芳香族第一級アミン現像主薬の使用量は現像液1
当たり好ましくは0.002モル〜0.2モル、さらに好まし
くは0.005モル〜0.1モルである。
本発明の実施にあたっては、実質的にベンジルアルコ
ールを含有しない現像液を使用することが好ましい。こ
こで実質的に含有しないとは、好ましくは2ml/l以下、
更に好ましくは0.5ml/l以下のベンジルアルコール濃度
であり、最も好ましいくは、ベンジルアルコールを全く
含有しないことである。
本発明に用いられる現像液は、亜硫酸イオンを実質的
に含有しないことがより好ましい。亜硫酸イオンは、現
像主薬の保恒剤としての機能と同時に、ハロゲン化銀溶
解作用及び現像主薬酸化体と反応し、色素形成効率を低
下させる作用を有する。このような作用が、連続処理に
伴う写真特性の変動の増大の原因の1つと推定される。
ここで実質的に含有しないとは、好ましくは3.0×10-3
モル/l以下の亜硫酸イオン濃度であり、最も好ましくは
亜硫酸イオンを全く含有しないことである。但し、本発
明においては、使用液に調液する前に現像主薬が濃縮さ
れている処理剤キットの酸化防止に用いられるごく少量
の亜硫酸イオンは除外される。
本発明に用いられる現像液は亜硫酸イオンを実質的に
含有しないことが好ましいが、さらにヒドロキシルアミ
ンを実質的に含有しないことがより好ましい。これは、
ヒドロキシルアミンが現像液の保恒剤としての機能と同
時に自身が銀現像活性を持ち、ヒドロキシルアミンの濃
度の変動が写真特性に大きく影響すると考えるられるた
めでる。ここでいうヒドロキシルアミンを実質的に含有
しないとは、好ましくは5.0×10-3モル/l以下のヒドロ
キシルアミン濃度であり、最も好ましくはヒドロキシル
アミンを全く含有しないことである。
本発明に用いられる現像液は、前記ヒドロキシルアミ
ンや亜硫酸イオンに替えて有機保恒剤を含有することが
より好ましい。
ここで有機保恒剤とは、カラー写真感光材料の処理液
へ添加することで、芳香族第一級アミンカラー現像主薬
の劣化速度を減じる有機化合物全般を指す。即ち、カラ
ー現像主薬の空気などによる酸化を防止する機能を有す
る有機化合物類であるが、中でも、ヒドロキシルアミン
誘導体(ヒドロキシルアミンを除く。以下同様)、ヒド
ロキサム酸類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、フェノー
ル類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、
糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級
アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール
類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類な
どが特に有効な有機保恒剤である。これらは、特開昭63
-4235号、同63-30845号、同63-21647号、同63-44655
号、同63-53551号、同63-43140号、同63-56654号、同63
-58346号、同63-43138号、同63-146041号、同63-44657
号、同63-44656号、米国特許第3,615,503号、同2,494,9
03号、特開昭52-143020号、特公昭48-30496号などに開
示されている。
その他保恒剤として、特開昭57-44148号及び同57-537
49号に記載の各種金属類、特開昭59-180588号記載のサ
リチル酸類、特開昭54-3532号記載のアルカノールアミ
ン類、特開昭56-94349号記載のポリエチレンイミン類、
米国特許第3,746,544号等記載の芳香族ポリヒドロキシ
化合物等を必要に応じて含有しても良い。特にトリエタ
ノールアミンのようなアルカノールアミン類、ジエチル
ヒドロキシルアミンのようなジアルキルヒドロキシルア
ミン、ヒドラジン誘導体あるいは芳香族ポリヒドロキシ
化合物の添加が好ましい。
前記の有機保恒剤のなかでもヒドロキシルアミン誘導
体やヒドラジン誘導体(ヒドラジン類やヒドラジド類)
が特に好ましく、その詳細については、特開平1-97953
号、同1-86939号、同1-186940号、同1-187557号などに
記載されている。
また前記のヒドロキシルアミン誘導体またはヒドラジ
ン誘導体とアミン類を併用して使用することが、カラー
現像液の安定性の向上、しいては連続処理時の安定性向
上の点でより好ましい。
前記のアミン類としては、特開昭63-239447号に記載
されたような環状アミン類や特開昭63-128340号に記載
されたようなアミン類やその他特開平1-186939号や同1-
187557号に記載されたようなアミン類が挙げられる。
本発明においてカラー現像液中に塩素イオンを3.5×1
0-2〜2.5×10-1モル/l含有することが好ましい。特に好
ましくは、4×10-2〜2.0×10-1モル/lである。塩素イ
オン濃度が2.5×10-1モル/lより多いと、現像を遅らせ
るという欠点を有し、迅速で最大濃度が高いという本発
明の目的を達成する上で好ましくない。また、3.5×10
-2モル/l未満では、カブリを防止する上で好ましくな
い。
本発明において、カラー現像液中に臭素イオンを3.0
×10-5モル/l〜1.0×10-3モル/l含有することが好まし
い。より好ましくは、5.0×10-5〜5×10-4モル/lであ
る。臭素イオン濃度が1×10-4モル/lより多い場合、現
像を遅らせ、最大濃度及び感度が低下し、3.0×10-5
ル/l未満である場合、カブリを生じやすくなる。
ここで塩素イオン及び臭素イオンは現像液中に直接添
加されてもよく、現像処理中に感光材料から現像液に溶
出してもよい。
カラー現像液に直接添加される場合、塩素イオン供給
物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アン
モニウム、塩化リチウム、塩化ニッケル、塩化マグネシ
ウム、塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化カドミウム
が挙げられるが、そのうち好ましいものは塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムである。
また、現像液中に添加されている蛍光増白剤から供給
されてもよい。
臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カル
シウム、臭化マグネシウム、臭化マンガン、臭化ニッケ
ル、臭化カドミウム、臭化セリウム、臭化タリウムが挙
げられるが、そのうち好ましいものは臭化カリウム、臭
化ナトリウムである。
現像処理中に感光材料から溶出する場合、塩素イオン
や臭素イオンは共に乳剤から供給されてもよく、乳剤以
外から供給されても良い。
本発明に使用されるカラー現像液は、好ましくはpH9
〜12、より好ましくは9〜11.0であり、そのカラー現像
液には、その他に既知の現像液成分の化合物を含ませる
ことができる。
上記pHを保持するためには、各種緩衝剤を用いるのが
好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、
N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン
塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン
塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン
塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを
用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸
塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性、pH9.0以上の高p
H領域での緩衝能に優れ、カラー現像液に添加しても写
真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価である
といった利点を有し、これらの緩衝剤を用いることが特
に好ましい。
これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リ
ン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリ
ウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カ
リウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリ
ウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸
ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−
スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スル
ホサリチル酸ナトリウム)5−スルホ−2−ヒドロキシ
安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)な
どを挙げることができる。しかしながら本発明は、これ
らの化合物に限定されるものではない。
該緩衝剤のカラー現像液への添加量は、0.1モル/l以
上であることが好ましく、特に0.1モル/l〜0.4モル/lで
あることが特に好ましい。
その他、カラー現像液中にはカルシウムやマグネシウ
ムの沈澱防止剤として、あるいはカラー現像液の安定性
向上のために、各種キレート剤を用いることができる。
例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホ
スホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメ
チレンスルホン酸、トランスシロヘキサンジアミン四酢
酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテ
ルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシ
フェニル酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレン
ジアミン−N,N′−ジ酢酸等が挙げられる。
これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用して
も良い。
これらのキレート剤の添加量はカラー現像液中の金属
イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えばカ
ラー現像液1当り0.1g〜10g程度である。カラー現像
液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
現像促進剤としては、特公昭37-16088号、同37-5987
号、同38-7826号、同44-12380号、同45-9019号及び米国
特許第3,813,247号等に表わされるチオエーテル系化合
物、特開昭52-49829号及び同50-15554号に表わされるp
−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50-137726号、
特公昭44-30074号、特開昭56-156826号及び同52-43429
号等に表わされる4級アンモニウム塩類、米国特許第2,
494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,9
19号、特公昭41-11431号、米国特許第2,482,546号、同
2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合
物、特公昭37-16088号、同42-25201号、米国特許第3,12
8,183号、特公昭41-11431号、同42-23883号及び米国特
許第3,532,501号等に表わされるポリアルキレンオキサ
イド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、イミ
ダゾール類、等を必要に応じて添加することができる。
本発明においては、必要に応じて、任意のカブリ防止
剤を添加できる。カブリ防止剤としては、塩化ナトリウ
ム、臭化カリウム、沃化カリウムの如きアルカリ金属ハ
ロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。有機カ
ブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−
ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾー
ル、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾ
トリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−
チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリメチル
−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザ
インドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を
代表例としてあげることができる。
本発明に適用されうるカラー現像液には、蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。蛍光増白剤としては、4,4′
−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベン系化合物が好
ましい。添加量は0〜5g/l好ましくは0.1g〜4/lであ
る。
又、必要に応じてアルキルスルホン酸、アリールスル
ホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種
界面活性剤を添加しても良い。
本発明に適用されうるカラー現像液の処理温度は30〜
50℃好ましくは35〜55℃である。処理時間は5秒〜20秒
好ましくは5秒〜15秒である。補充量は少ない方が好ま
しいが、感光材料1m2当たり20〜600mlが適当であり、好
ましくは30〜100mlである。
補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面積
を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。処理槽での写真処理液と空気との接
触面積は、以下に定義する開口率で表わすことができ
る。即ち、 開口率=処理液と空気との接触面積(cm2)/処理液の
容量(cm3) 上記開口率は、0.1以下であることが好ましく、より
好ましくは0.001〜0.05である。
このように開口率を低減させる方法としては、処理槽
の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特
開平1-82033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開
昭63-216050号に記載されたスリット現像処理方法等を
挙げることができる。
開口率を低減させることは、発色現像のみならず黒白
現像及び、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、定
着、水洗、安定化等のすべての工程において適用するこ
とが好ましい。
また現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用
いることにより補充量を低減することもできる。
次に本発明に適用されうる脱銀工程について説明す
る。脱銀工程は、一般には、漂白工程−定着工程、定着
工程−漂白定着工程、漂白工程−漂白定着工程、漂白定
着工程等いかなる工程を用いても良い。
以下に本発明に適用されうる漂白液、漂白定着液及び
定着液を説明する。
漂白液又は漂白定着液において用いられる漂白剤とし
ては、いかなる漂白剤も用いることができるが、特に鉄
(III)の有機錯塩(例えばエチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸などのアミノポリカルボン
酸類、アミノポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸およ
び有機ホスホン酸などの錯塩)もしくはクエン酸、酒石
酸、リンゴ酸などの有機酸;過硫酸塩;過酸化水素など
が好ましい。
これらのうち、鉄(III)の有機錯塩は迅速処理と環
境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III)の有機
錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン酸、ア
ミノポリホスホン酸、もしくは有機ホスホン酸またはそ
れらの塩を列挙すると、エチレンジアミン四酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢
酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シク
ロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、イミ
ノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などを
挙げることができる。これらの化合物はナトリウム、カ
リウム、リチウム又はアンモニウム塩のいずれでも良
い。これらの化合物の中で、エチレンジアミン四酢酸、
ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン
四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸の鉄(III)錯塩が漂白力が高いことから好まし
い。これらの第2鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用しても
良いし、第2鉄塩、例えば硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硝
酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第2鉄などと
アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ホスホ
ノカルボン酸などのキレート剤とを用いて溶液中で第2
鉄イオン錯塩を形成させてもよい。また、キレート剤を
第2鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよ
い。鉄錯体のなかでもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好
ましく、その添加量は0.01〜1.0モル/l、好ましくは0.0
5〜0.50モル/lである。
漂白液、漂白定着液及び/またはこれらの前浴には、
漂白促進剤として種々の化合物を用いることができる。
例えば、米国特許第3,893,858号明細書、ドイツ特許第
1,290,812号明細書、特開昭53-95630号公報、リサーチ
ディスクロージャー第17129号(1978年7月号)に記載
のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合物
や、特公昭45-8506号、特開昭52-20832号、同53-32735
号、米国特許3,706,561号等に記載のチオ尿素系化合
物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂白
力に優れる点で好ましい。
その他、本発明に適用されうる漂白液又は漂白定着液
には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩化カ
リウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)または沃
化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤
を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナトリ
ウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、ク
エン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能を有する1種
類以上の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属ま
たはアンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニ
ジンなどの腐食防止剤などを添加することができる。
漂白定着液又は定着液に使用される定着剤は、公知の
定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウ
ムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、チオシ
アン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩:エチレンビ
スチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオ
ールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの
水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種ある
いは2種以上混合して使用することができる。
また、特開昭55-155354号に記載された定着剤と多量
の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合わせか
らなる特殊な漂白定着液等も用いることができる。本発
明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモニウム塩
の使用が好ましい。1あたりの定着剤の量は、0.2〜
2モルが好ましく、更に好ましくは0.3〜1.0モルの範囲
である。漂白定着液又は定着液のpH領域は、3〜9が好
ましく、更には4〜8が特に好ましい。
又、漂白定着液には、その他各種の蛍光増白剤や消泡
剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノ
ール等の有機溶媒を含有させることができる。
漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫酸塩(例え
ば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモ
ニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモ
ニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、な
ど)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム、など)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有するのが
好ましい。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して約
0.02〜1.0モル/l含有させることが好ましく、更に好ま
しくは0.04〜0.6モル/lである。
保恒剤としては、亜硫酸塩の添加が一般的であるが、
その他、アスコルビン酸や、カルボニル重亜硫酸付加
物、あるいは、カルボニル化合物等を添加しても良い。
更には緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防
カビ剤等を必要に応じて添加しても良い。定着又は漂白
定着等の脱銀処理後、水洗及び/又は安定化処理をする
のが一般的である。
水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカ
プラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タン
クの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々
の条件によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向
流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナ
ル・オブ・ザ・ソサエティ・オフ・モーション・ピクチ
ャー・アンド・テレヴィジョン、エンジニアズ(Journa
l of the Society of Motion Picture and Television
Engineers)第64巻、p.248〜253(1955年5月号)に記
載の方法で、もとめることができる。通常多段向流方式
における段数は2〜6が好ましく、特に2〜5が好まし
い。
多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、
例えば感光材料1m2当たり0.5l以下が可能であり、本発
明の効果が顕著であるが、タンク内での水の滞留時間増
加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光
材料に付着する等の問題が生じる。この様な問題の解決
策として、特開昭62-288838号に記載のカルシウム、マ
グネシウムを低減させる方法は、極めて有効に用いるこ
とができる。また、特開昭57-8542号に記載イソチアゾ
ロン化合物やサイアベンダゾール類、同61-120145号に
記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺
菌剤、特開昭61-267761号に記載のベンゾトリアゾー
ル、銅イオンその他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986
年)三共出版、衛生技術会編「微生物の減菌、殺菌、防
黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)、に記載の殺菌剤を用い
ることもできる。
更に、水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬
水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いるこ
とができる。
以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接
安定液で処理することも出来る。安定液には、画像安定
化機能を有する化合物が添加され、例えばホルマリンに
代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜
pHに調製するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があ
げられる。又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後
の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌
剤や防黴剤を用いることができる。
更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を加えること
もできる。本発明の感光材料の処理において、安定化が
水洗工程を経ることなく直接行われる場合、特開昭57-8
543号、同58-14834号、同60-220345号等に記載の公知の
方法を、すべて用いることができる。
その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ
ン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸等のキレ
ート剤、マグネシウムやビスマス化合物を用いることも
好ましい態様である。
脱銀処理後用いられる水洗液または安定化液としてい
わゆるリンス液も同様に用いられる。
水洗工程又は安定化工程の好ましいpHは4〜10であ
り、更に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用
途・特性等で種々設定し得るが、一般には20〜50℃好ま
しくは25〜45℃である。時間は任意に設定できるが短か
い方が処理時間の低減の見地から望ましい。好ましくは
10秒〜60秒更に好ましくは15秒〜45秒である。補充量
は、少ない方がランニングコスト、排出量減、取扱い性
等の観点で好ましい。
具体的な好ましい補充量は、感光材料、単位面積あた
り前浴からの持込み量の0.5〜50倍、好ましくは3倍〜4
0倍である。または感光材料1m2当り500ml以下、好まし
くは300ml以下である。また補充は連続的に行っても間
欠的に行ってもよい。
水洗及び/又は安定化工程に用いた液は、更に、前工
程に用いることもできる。この例として多段向流方式に
よって削減して水洗水のオーバーフローを、その前浴の
漂白定着浴に流入させ、漂白定着浴には濃縮液を補充し
て、廃液量を減らすことがあげられる。
本発明に使用可能な乾燥工程について説明する。
本発明の超迅速処理で画像を完成させるために乾燥時
間も10秒から40秒が望まれる。
この乾燥時間を短くする手段として、感材側の手段と
しては、ゼラチンなどの親水性バインダーを減量するこ
とで膜への水分の持込み量を減じることでの改善が可能
である。また持込み量を減量する観点から水洗浴からで
たあとすぐにスクイズローラーや布などで水を吸収する
ことで乾燥を早めることも可能である。乾燥機からの改
善手段としては、当然のことではあるが、温度を高くす
ることや乾燥風を強くすることなどで乾燥を早める事が
可能である。さらに、乾燥風の感材への照射角度の調整
や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることがで
きる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略
化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。
内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを
用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,342,597号記
載のインドアニリン系化合物、同3,342,599号、リサー
チ・ディスクロージャー14,850号及び同15,159号記載の
シッフ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化合
物、米国特許第3,719,492号記載の金属錯体、特開昭53-
135628号記載のウレタン系化合物を挙げることができ
る。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じ
て、発色現像を促進する目的で、各種の1−フェニル−
3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物
は特開昭56-64339号、同57-144547号および同58-115438
号等に記載されている。
また、感光材料の節銀のため西独特許第2,226,770号
または米国特許第3,674,499号に記載のコバルト補力も
しくは過酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。
(実施例) 以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 支持体の調製 写真用印画紙用LBKP(広葉樹晒、硫酸塩パルプ)100
%(秤量175g/m2、厚み約180μm):白色原紙の表面に
下記の組成の耐水性酸化チタンからなる白色顔料含有樹
脂層を設けて支持体を作成した。即ちポリエチレン組成
物(密度0.920g/cm3、メルトインデックス(MI)5.0g/1
0分)の90重量部に、酸化ケイ素と酸化アルミニウム表
面処理した酸化チタン白色顔料の16重量部を添加し、更
に青味染料(群青)を加えて混練した後に熔融押出しコ
ーティングにより30μmの耐水性樹脂層を得た。他方白
色原紙の裏面に他のポリエチレン組成物(密度0.950g/c
m3、MI8.0g/10分)のみコーティングして20μmの耐水
性樹脂層を得た。
ハロゲン化銀乳剤A−1調製 石灰処理ゼラチン25gを蒸留水800mlに添加し、40℃に
て溶解後、硫酸でpHを3.8に調節した。この水溶液に、
更に塩化ナトリウム2.0gとN,N′−ジメチルエチレンチ
オ尿素0.01gを溶解させたものを水溶液(I)とした。
次に硝酸銀100gを蒸留水400mlに溶解したものを水溶液
(II−a)とし、塩化ナトリウム34.5gを蒸留水400mlに
溶解したものを水溶液(III−a)とした。次に硝酸銀2
5gを蒸留水100mlに溶解したものを水溶液(II−b)と
し、塩化ナトリウム8.5gを蒸留水500mlに溶解したもの
を水溶液(III−b)とした。次に52℃に保温した水溶
液(I)の中に水溶液(II−a)と水溶液(III−a)
を同時に40分間にわたって添加混合した後、引き続いて
水溶液(II−b)と水溶液(III−b)を同時に10分間
にわかって添加混合した。以上の操作によって得られた
ハロゲン化銀粒子の分散液から凝集沈降法により過剰の
塩類を除去した後、石灰処理ゼラチン76gを加えて再び
分散した。この分散液に下記分光増感色素(V−1)を
ハロゲン化銀1モル当たり4.6×10-4モルを加えて分光
増感し、更にハロゲン変換法により既に形成されている
塩化銀粒子上に臭化銀を形成させながらN,N,N′−トリ
エチルチオ尿素を用いて硫黄増感を施した。
以上の様にして、平均粒子サイズ0.58μm、変動係数0.
09、塩化銀含有99.5モル%の立方体、塩臭化銀乳剤(A
−1)を調製した。
ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製に用いた分光増感
色素(V−1)の代わりに下記分光増感色素(V−2)
および(V−3)をハロゲン化銀1もる当たりそれぞれ
4.2×10-4モル、および7.2×10-5モル用いる他は乳剤A
−1と同様の方法で、但し乳剤(A−1)の調製法にお
ける水溶液(I)、(II−a)、(II−b)、(III−
a)および(III−b)の添加混合の時間、温度、攪拌
方法の調節によって平均粒子サイズ0.52μm、変動係数
0.08、塩化銀含量99.6モル%の立方体ハロゲン化銀乳剤
(B−1)を調製した。
ハロゲン化銀乳剤(C−1)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製に用いた分光増感
色素(V−1)の代わりに下記分光増感色素(V−4)
をハロゲン化銀1モル当たり7.4×10-5モル用いる他は
乳剤(A−1)と同様の方法で、但し乳剤A−1の調製
法における水溶液(I)、(II−a)、(II−b)、
(III−a)および(III−b)の添加混合の時間、温
度、攪拌方法の調節によって平均粒子サイズ0.49μm、
変動係数0.07、塩化銀含量99.6モル%の立方体、塩臭化
銀乳剤(C−1)を調製した。
ハロゲン化銀乳剤(A−2)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製方法における水溶
液(III−a)、(III−b)に黄血塩を各々12.4mgと3.
1mg添加する以外は乳剤(A−1)と同様の方法で銀1
モル当り5×10-5モルの鉄イオンを粒子内部に均一に含
有するハロゲン化銀乳剤(A−2)を調製した。乳剤
(A−2)の粒子形状、粒子サイズ、粒子サイズ分布な
どは乳剤(A−1)とほぼ同等であった。
ハロゲン化銀乳剤(A−3)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製方法における水溶
液(III−b)に黄血塩を15.5mg添加する以外は乳剤
(A−1)と同様の方法で、銀1モル当り5×10-5モル
の鉄イオンを表面から20体積%の表面層に含有するハロ
ゲン化銀乳剤(A−3)を調製した。乳剤(A−3)の
粒子形状、粒子サイズ、粒子サイズ分布などは乳剤(A
−1)とほぼ同等であった。
ハロゲン化銀乳剤(A−4〜8)の調製 ハロゲン化銀乳剤(A−1)の調製方法における水溶
液(I)、(II−a)、(II−b)、(II−a)、(II
I−b)の添加混合の時間、温度、攪拌方法の調節、お
よび水溶液(II−a)、(II−b)、(III−a)、(I
II−b)で用いる硝酸銀、塩化ナトリウムの量の調節、
更に水溶液(III−a)および/または水溶液(III−
b)への黄血塩の添加量の調節をすることによって、第
1表に示したハロゲン化銀乳剤(A−4〜9)を調製し
た。
感光材料(101)〜(109)の作成 先に調製した耐水性紙支持体上に塗布液を塗布するこ
とによって、以下に示す層構成の多層カラー印画紙を作
成した。塗布液は下記のようにして調製した。
第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)19.1gおよび色像安定剤(Cp
d−1)4.4g及び色像安定剤(Cpd−7)0.7gに酢酸エチ
ル27.2mlおよび溶媒(Solv−1)5.5gおよび溶媒(Solv
−3)2.7gを加えて溶解し、この溶液を10%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム8mlを含む10%ゼラチン水
溶液185mlに乳化分散させた。
この乳化分散物と前記乳剤(A−1)とを混合溶解
し、以下に示す組成となるように第一塗布液を調製し
た。
第二層から第七層用の塗布液も第一層塗布液と同様の
方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤としては、1−
オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩
を用いた。
赤感性乳剤層に対しては、下記の化合物をハロゲン化
銀1モル当たり2.6×10-3モル添加した。
また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性乳剤層に対
し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メルカ
プトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1モル当たり
8.5×10-5モル、7.7×10-4モル、2.5×10-4モル添加し
た。
また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に対し、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンをそ
れぞれハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モルと2×
10-4モル添加した。
イラジエーション防止のために乳剤層に下記の染料を
添加した。
(層構成) 以下に各層の組成を示す。数字は塗布量(g/m2)を表
す。ハロゲン化銀乳剤は銀換算塗布量を表す。
支持体 先に調製したポリエチレンラミネート紙〔第一層側の
ポリエチレンに白色顔料(TiO2)と青味染料(群青)を
含む〕 第一層(青感層) 前記乳剤(A−1) 0.25 ゼラチン 0.98 イエローカプラー(ExY) 0.72 色像安定剤(Cpd−1) 0.17 溶媒(Solv−1) 0.21 溶媒(Solv−3) 0.10 色像安定剤(Cpd−7) 0.05 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.75 混色防止剤(Cpd−5) 0.08 溶媒(Solv−1) 0.16 溶媒(Solv−4) 0.08 第三層(緑感層) 前記乳剤(B−1) 0.13 ゼラチン 0.94 マゼンタカプラー(ExM) 0.26 色像安定剤(Cpd−2) 0.05 色像安定剤(Cpd−3) 0.08 色像安定剤(Cpd−4) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.02 溶媒(Solv−2) 0.40 第四層(紫外線吸収層) ゼラチン 1.13 紫外線吸収剤(UV−1) 0.47 混色防止剤(Cpd−5) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.24 第五層(赤感層) 前記乳剤(C−1) 0.21 ゼラチン 0.80 シアンカプラー(ExC) 0.32 色像安定剤(Cpd−6) 0.17 色像安定剤(Cpd−7) 0.32 色像安定剤(Cpd−8) 0.04 溶媒(Solv−6) 0.20 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.38 紫外線吸収剤(UV−1) 0.16 混色防止剤(Cpd−5) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 1.06 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度
17%) 0.08 流動パラフィン 0.02 以上のようにして感光材料(101)を作成した。次
に、感光材料(101)においてハロゲン化銀乳剤(A−
1)を用いるかわりに、前記第1表のハロゲン化銀剤
(A−2)〜(A−9)を一つずつ置き換えて用いるほ
かは感光材料(101)と同様にして、感光材料(102)〜
(109)を作成した。
感光材料の評価 前記感光材料(101)〜(109)に感光計(富士写真フ
ィルム株式会社製、FWH型、光源の色温度3200゜K)を使
用し、センシトメトリー用3色分解フィルターの階調露
光を与えた。この時の露光は0.1秒の露光時間で250CMS
の露光量になる様に行なった。露光の終了した試料を、
下記現像処理(I)の手順に従い処理した。処理工程 現像処理(I) カラー現像液 38℃20秒 漂白定着 38℃20秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 リンス 38℃ 5秒 乾 燥 65℃15秒 (リンス→への5タンク向流式とした。) (上記の各工程処理時間は、感光材料が一つの処理液に
侵入した後、この処理液から出て次の処理液に侵入する
までの空中時間を含めた値を言う。) 各処理液の組成は以下の通りである。
上記補充液の補充量は感光材料1m2あたり30mlとし
た。
上記補充液の補充量は感光材料1m2あたり30mlとし
た。
リンス液:タンク液、補充液ともイオン交換水を使用
し、補充量は55ml/m2とした。
本実施例の現像処理は自動現像機を用いて行なった。
この場合の自動現像機の特徴としては、各処理浴とも
感光材料の感光層面に向かって毎分2l以上の吐出量でタ
ンク液を吹き付ける様な液循環の機構を有しているこ
と、カラー現像浴の現像液が空気と接している表面の
面積の現像浴総容量に対する比率が0.05cm2/ml以下とな
る様な構造を有していること、カラー現像浴および漂
白定着浴に感光材料が侵入してから空中を経て次の浴に
侵入する過程において各浴の空中時間と液中時間の比率
が0.7以下となる様な構造を有していること、最終リ
ンス浴と乾燥部との間に感光材料の表面に付着した液を
ぬぐい取るための複数の除液ローラーを配置してあるこ
と、感光材料の感光層面に多孔板あるいはスリットを
介して3m/秒以上の風速で乾燥風を吹き付けかつ水分を
含んだ所謂リターン風を感光材料表面から迅速に取り去
る様な空気の循環機構を持った乾燥部を有すること、な
どを挙げることが出来る。以上の様な現像機を用いるこ
とによって極めて短時間の処理が可能となり、その結果
本発明の効果が一層顕著となることを確かめた。
次に、前期現像処理(I)における発色現像処理の時
間を5秒短縮して15秒とする以外は同様にして感光材料
(101)〜(109)の評価を行ない、この時のイエロー
(青感光性乳剤層)発色濃度1.0での感度低下の大きさ
を各感光材料についても見積もった。結果を第2表に示
す。
この結果から明らかなように、本発明の感光材料では
カラー現像の時間依存性が小さいことが明らかである。
このことは本発明の感光材料が現像浴中の局所的な攪拌
の違いなどによる現像のムラを生じにくいことを示して
いる。本実施例の実験中にも様々の画像を焼き付けて現
像処理をした際の画像ムラの生じ易さを観察したとこ
ろ、第2表の感度低下の大きい感光材料ほど画像ムラを
生じ易くなっていることを確認した。
比較例 実施例1の現像処理(I)における発色現像浴の噴流
攪拌を止め、代りに循環流を感光材料に当てない攪拌方
式とする以外は実施例1と全く同じ評価を行なった結果
を第3表に示す。
ここで明らかなように、噴流攪拌のない場合では本発
明の感材の構成要件のみ満たした感材では効果が大きく
目減りしている。この理由は不明であるが恐らく噴流攪
拌の無い場合には感光材料の感光層表面への現像主薬な
どの供給が極めて遅くなるためにこの過程が律速とな
り、本発明の特徴であるハロゲン化銀乳剤粒子そのもの
の改良効果が発現されなかったものと考えられる。
実施例2 実施例1の現像処理(I)のカラー現像液に用いたカ
ラー現像主薬例示化合物(D−6)のかわりにこれと等
モルの例示化合物(D−7)を用いる他は実施例1と全
く同様(これを現像処理(III)とする)にして感光材
料(101)〜(109)の評価を行なった。その結果、実施
例1と同様、本発明の感光材料(103)、(105)、(10
6)、(108)は現像時間短縮時の感度低下が小さく、良
好な現像進行特性を示した。
実施例3 実施例1における現像処理(I)の代わりに下記現像
処理(IV−1)および(IV−2)を施す以外は実施例1
と同様の方法にて感光材料(101)〜(109)を評価した
ところ、実施例1の結果と同様、本発明の感光材料(10
3)、(105)、(106)、(108)の現像進行特性が比較
例の感光材料と比べて良好であることを確かめた。
各処理液の組成は以下の通りである。
ここで漂白定着液およびリンス液は実施例1の現像処
理(I)と同じものを用いた。
実施例4 実施例1における現像処理(I)の代わりに下記現像
処理(V−1)および(V−2)を施す以外は実施例1
と同様の方法にて実施例1の感光材料(101)〜(109)
を評価したところ、第4表に示す結果を得た。ここで現
像時間短縮の程度は(V−1)、(V−2)とも5秒短
縮とした。
(リンス→への5タンク向流方式とした)上記現像
処理(V−1)と(V−2)の処理液の組成は同じで以
下の通りである。
リンス液 イオン交換水(カルシウム、マグネシウムは各々3ppm
以下) 以上、特に明記しなかった現像処理の条件は実施例1
と同じとした。
この結果から、発色現像時間の長い時間(V−2)で
は、本発明の効果は殆ど認められず、(V−1)のよう
な発色現像時間の短い処理において初めて認められるも
のであることが分かる。
実施例5 実施例1のハロゲン化銀乳剤(A−4)の調製方法に
おいて、水溶液(III−b)中に6塩化イリジウム2カ
リウム塩0.001mgを添加し、さらに分光増感色素(V−
1)を用いる代わりに下記分光増感色素(V−5)およ
び(V−6)をハロゲン化銀1モル当たり各々1.3×10
-4モルおよび1.0×10-4モル加える以外は(A−1)と
同様にしてハロゲン化銀乳剤(A−10)を調製した。
次に実施例1のハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製方
法において、同じく実施例1のハロゲン化銀乳剤(A−
4)の調製と同じ方法でFeイオンを粒子表面に含有せし
め、かつその際水溶液(III−b)中に6塩化イリジウ
ム2カリウム塩0.0012mgを添加し、さらに分光増感色素
(V−2)および(V−3)を用いる代わりに下記分光
増感色素(V−7)をハロゲン化銀1モル当たり4.5×1
0-5モル加える以外は(B−1)と全く同様にしてハロ
ゲン化銀乳剤(B−2)を調製した。
次に実施例1のハロゲン化銀乳剤(C−1)の調製方
法において、同じく実施例1のハロゲン化銀乳剤(A−
4)の調製と同じ方法でFeイオンを粒子表面に含有せし
め、かつその際水溶液(III−b)中に6塩化イリジウ
ム2カリウム塩0.008mgを添加し、さらに分光増感色素
(V−4)を用いる代わりに下記分光増感色素(V−
8)をハロゲン化銀1モル当たり5×10-6モル加える以
外は(C−1)と全く同様にしてハロゲン化銀乳剤(C
−2)を調製した。
次に実施例1の感光材料(101)の作成方法におい
て、感光層のハロゲン化銀乳剤の使い方を下記第5表の
様に変え、更に第3層に対して、下記化合物をハロゲン
化銀1モル当たり2.6×10-3モル添加する以外は感光材
料(101)と全く同様にして感光材料(601)を作成し
た。
この感光材料は赤外線感光性のカラー感光材料であ
る。各感光層の機能を感光材料(101)の感光層と対比
させて第6表に示す。
その他の層は感光材料(101)と感光材料(601)とで同
じ。
感光材料の評価 以上の様に作成した感光材料(601)に、感光計(富
士写真フィルム株式会社製、FWH型、光源の色温度3200゜
K)を使用し、下記第7表に示す3種類の色分解フィル
ターを通して階調露光を与えた。尚、これらのフィルタ
ーには干渉フィルターを用いた。
この時の露光量は上記の各色分解フィルターを通した
状態でいずれも500エルグ/cm2なる様に行なった。露光
時間は0.1秒であった。
露光の終了した感光材料(601)に、実施例1におけ
る現像処理(I)、実施例2における現像処理(II
I)、実施例4における現像処理(IV−1)および(IV
−2)を施して実施例1と同様の評価を行なった結果、
実施例1、実施例2、実施例3と同様、本発明の画像形
成方法の効果が認められた。
実施例6 実施例5の感光材料の評価において、感光計を用いて
露光を行なう代わりに下記第8表に示す半導体レーザー
(以下LDと称する)を用いて像用の露光を行なった。こ
の場合の露光とは、下記3種のLDから得られた3本の光
線を1本に合成した後、回転多面体により感光材料上に
走査露光したものである。この際、各レーザー光線は感
光材料上で輝点の直径が約0.03mmとなる様に絞り等を調
節し、且つ必要な画像濃度に応じてその強度と照射時間
を電気的に調節した。感光材料は前記走査方向に対して
垂直方向に一定速度で移動させながら像様露光するが、
この露光に要する時間は縦420mm、横297mmの大きさの画
像で約10秒であった。
露光の終了した感光材料(601)に、実施例1におけ
る現像処理(I)、実施例2における現像処理(II
I)、実施例3における現像処理(IV−1)および(IV
−2)を施すことによって何れの場合にもムラのない良
好なカラー画像が得られた。本実施例では露光波長と発
色色相が第8表記載の様に対応しているが、この組み合
わせは本発明の効果を得るために必須ではない。
(発明の効果) 本発明によれば、極めて短時間の現像を行なう際に、
安定して好ましいカラー画像を得ることができる。また
発色現像が急速に立ち上がって飽和し、所定現像時間前
後での発色濃度の時間依存性が小さく(現像進行特性が
良く)、その結果濃度ムラの少ない安定したカラー画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る感光材料の処理方法を実施するた
めの自動現像機のうち発色現像浴槽を示す拡大図であ
る。 1……発色現像浴槽、2……ペーパー、14,16……チャ
ンバー、18……スリット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/407 G03C 7/407

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀カラー写真感光材料を露光
    後、芳香族第1級アミン発色現像主薬を含有する現像液
    にて発色現像し、引き続いて脱塩処理した後、水洗およ
    び/または安定処理して乾燥するカラー画像形成方法に
    おいて、該カラー写真感光材料が実質的に沃化銀を含有
    せず且つ95モル%以上の塩化銀を含有するハロゲン化銀
    粒子を含有し、さらに該ハロゲン化銀粒子は銀1モル当
    たり10-6〜10-3モルの鉄イオンを含有し該鉄イオンが粒
    子内部相より粒子表面相に5倍以上の高濃度で偏在する
    ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含有し、かつ該発
    色現像処理においては処理液を噴流として該感光材料の
    感光層表面に衝突させながら5秒以上30秒以下の所要時
    間で処理することを特徴とするカラー画像形成方法。
  2. 【請求項2】前記ハロゲン化銀乳剤粒子が、粒子表面相
    の体積が粒子全体の体積の30体積%以下で、かつ該表面
    相における鉄イオン濃度が銀1モル当たり10-5〜10-2
    ルであることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記
    載のカラー画像形成方法。
  3. 【請求項3】前記ハロゲン化銀乳剤粒子が粒子表面に臭
    化銀含有率20モル%以上の臭化銀含有局在相を有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)又は(2)項記
    載のカラー画像形成方法。
  4. 【請求項4】前記ハロゲン化銀乳剤粒子がイリジウムイ
    オンを銀1モル当たり10-8〜10-5モル含有することを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)〜(3)項のいずれか
    に記載のカラー画像形成方法。
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