JP2699028B2 - 面出し方法及び装置 - Google Patents

面出し方法及び装置

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JP2699028B2 JP3050385A JP5038591A JP2699028B2 JP 2699028 B2 JP2699028 B2 JP 2699028B2 JP 3050385 A JP3050385 A JP 3050385A JP 5038591 A JP5038591 A JP 5038591A JP 2699028 B2 JP2699028 B2 JP 2699028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面に所要のパター
ン状画像の耐食性皮膜が形成された金属薄板、特に耐食
性材料すなわち不働態化現象を生じ易い材料であるニッ
ケル(Ni)を含有した合金であるアンバー(Inva
r)材からなるシャドウマスク板材をスプレイエッチン
グする前に、エッチングされるべきシャドウマスク板材
の被エッチング面に被着している酸化皮膜又はレジスト
膜を除去する面出し方法及び装置に関し、カラーテレビ
受像管のシャドウマスクの製造プロセスにおいて利用さ
れるものである。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管は、3本の電子ビーム
を放射する電子銃、この電子銃から放射された電子ビー
ムを受けて三原色に発光する螢光体、及び、これらの螢
光体と電子銃との間に配置され、各電子ビームのうちの
必要な方向の電子ビームだけを選択的に通過させて不要
な方向の電子ビームを遮断するための透孔が多数形成さ
れたシャドウマスクを備えて構成されている。
【0003】上記したシャドウマスクの多数の電子ビー
ム通過孔は、フォトエッチング法を利用して以下のよう
な工程を経ることにより形成されている。すなわち、ま
ず、板厚が0.1mm〜0.3mm程度の低炭素アルミキル
ド鋼等の金属薄板(シャドウマスク板材)を脱脂し水洗
して整面処理した後、その金属薄板の表裏両面に感光液
を塗布し、それを乾燥させて、厚みが数μmのフォトレ
ジスト膜を被着形成する。次に、金属薄板の両面に被着
形成された各フォトレジスト膜の表面に、形成しようと
する電子ビーム通過孔に対応した所要の画像を有するマ
スターパターンを、表・裏で画像位置を一致させてそれ
ぞれ密着させ、露光を行なう。続いて、現像し、無水ク
ロム酸の溶液中へ浸漬した後バーニングすることにより
硬膜処理を施し、金属薄板の表裏両面に所要のパターン
状画像の耐食性皮膜(レジスト膜)をそれぞれ形成す
る。そして、塩化第二鉄水溶液を用いてスプレイエッチ
ングを行なって金属薄板に多数の透孔を形成した後、そ
の表裏両面からレジスト膜を剥離する。
【0004】そして、以上のエッチング穿孔工程が終了
すると、多数の透孔が形成された金属薄板にプレス成形
性を付与する目的で焼鈍を行なった後、プレス成形によ
って金属薄板に球面加工を施す。その後、熱輻射性の向
上並びに電子ビームの乱反射性の低減を目的として黒化
炉中で金属薄板に黒化処理を施し、その表面に酸化皮膜
を形成することにより、シャドウマスクが完成される。
【0005】 ところで、スプレイエッチングを行なう
エッチング工程の前に、通常、面出し工程が行なわれ
る。この面出し工程は、現像後に金属薄板の被エッチン
グ面(金属露出部)に数10Åの厚みで被着している酸
化皮膜や極く薄く残っているレジスト膜等を被エッチン
グ面から除去し、被エッチング面となる金属面を均一に
露出させる目的で行なわれるものである。そして、従
来、金属薄板を蓚酸 ((COOH))等の酸の希薄
溶液中に浸漬して面出しが行なわれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年におい
てはカラーブラウン管が大型化する傾向があり、これに
伴ってドーミング現象と呼ばれる熱変形、すなわち、電
子銃から放射されて螢光体の方へ向かう電子ビームの多
くが不要な方向の電子ビームとしてシャドウマスクに衝
突し吸収されて温度が上昇しその際の熱膨張によって生
じる熱変形の影響も大きく現われることになる。この熱
変形を少なくするため、最近ではシャドウマスク板材と
して、従来から使用されてきたアルミキルド鋼に代え、
耐食性材料すなわち不働態化現象を生じ易い材料である
ニッケルを含有した合金であるアンバーが使用される
ようになってきた。このアンバー材をシャドウマスク板
材として用いるようになったことに伴い、従来の、鉄板
(アルミキルド鋼)や銅板をシャドウマスク板材として
用いた場合と同じ面出し液を使用し同様の方法により面
出し操作を行なっても、被エッチング面となる金属面が
露出しないといった現象が起こり、このため形成される
べき透孔の孔径や孔形状に関してばらつきが生じ、結果
として良品が得られなかった。そして、面出し液である
蓚酸の濃度や組成を変えたり、使用する酸の種類自体を
変えたりすることにより、シャドウマスク板材の材質変
化に対応しようとしても、処理時間や製造コスト、工程
数の増加等を来たす一方、若干の歩留まりの改善がみら
れる程度に過ぎず、それらの対応方法は実用面から採用
し難いものであった。
【0007】上述のような点に鑑み、本発明の目的は、
ニッケルを含有したアンバー材からなる不働態化現象を
生じ易いシャドウマスク板材のエッチングされるべき被
エッチング面に被着した酸化皮膜又はレジスト膜を充分
に除去することができる面出し方法を提供することにあ
る。また、本発明の別の目的は、ニッケルを含有したア
ンバー材からなる不働態化現象を生じ易いシャドウマス
ク板材のエッチングされるべき被エッチング面に被着し
た酸化皮膜又はレジスト膜を充分に除去することができ
る面出し装置を提供することにある。本発明のさらに別
の目的は、被エッチング面に被着した酸化皮膜又はレジ
スト膜が充分に除去されたか否かを判定することができ
る面出し方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の面出し方
法は、表面に所要のパターン状画像の耐食性皮膜が形成
されたアンバー材からなるシャドウマスク板材をスプレ
イエッチングする前に、エッチングされるべきシャドウ
マスク板材の被エッチング面に被着した酸化皮膜又はレ
ジスト膜を除去する面出し方法において、前記シャドウ
マスク板材を酸の希薄溶液である面出し液に浸漬させ、
かつ該面出し液中でシャドウマスク板材を電位的に陰分
極させることを特徴とする。請求項2記載の面出し方法
は、請求項1記載の面出し方法において、面出し液中で
シャドウマスク板材を不働態領域から活性溶解領域へ陰
分極させることを特徴とする。請求項3記載の面出し方
法は、請求項1又は請求項2記載の面出し方法におい
て、面出し液中におけるシャドウマスク板材の自然電極
電位を測定し、その測定値が所定範囲内にあるか否かに
よって面出しの適否を判定することを特徴とする請求項
4記載の面出し装置は、表面に所要のパターン状画像の
耐食性皮膜が形成されたアンバー材からなる長尺帯状の
シャドウマスク板材をスプレイエッチングする前に、
ッチングされるべきシャドウマスク板材の被エッチング
面に被着した酸化皮膜又はレジスト膜を除去する面出し
装置において、酸の希薄溶液である面出し液を貯留する
面出し槽と、長手方向に搬送されるシャドウマスク板材
を、前記面出し槽に貯留された面出し液中に導く導入
段と、前記面出し槽に貯留された面出し液中でシャドウ
マスク板材を電位的に陰分極させる陰分極手段とを有す
ることを特徴とする。請求項5記載の面出し装置は、請
求項4記載の面出し装置において、陰分極手段が面出し
液中でシャドウマスク板材を不働態領域から活性溶解領
域へ陰分極させる手段であることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の面出し方法によると、表面に所
要のパターン状画像の耐食性皮膜が形成されたアンバー
材からなるシャドウマスク板材をスプレイエッチングす
る前に、エッチングされるべきシャドウマスク板材の被
エッチング面に被着した酸化皮膜又はレジスト膜は、
ャドウマスク板材が酸の希薄溶液である面出し液に浸漬
させられ、かつ該面出し液中で電位的に陰分極されるこ
とにより被エッチング面から除去される。請求項2記載
の面出し方法によると、シャドウマスク板材は、面出し
液中で不働態領域から活性溶解領域へ陰分極する。請求
項3記載の面出し方法によると、面出し液中におけるシ
ャドウマスク板材の自然電極電位が測定され、その測定
値が所定範囲内にあるか否かによって面出しの適否が判
定される。請求項4記載の面出し装置によると、表面に
所要のパターン状画像の耐食性皮膜が形成されたアンバ
ー材からなる長尺帯状のシャドウマスク板材は、スプレ
イエッチングされる前に、導入手段により、面出し槽に
貯留された酸の希薄溶液である面出し液に導かれて浸漬
させられ、陰分極手段によって面出し液中で電位的に陰
分極させられる。これにより、エッチングされるべきシ
ャドウマスク板材の被エッチング面に被着した酸化皮膜
又はレジスト膜は、被エッチング面から除去される。請
求項5記載の面出し装置によると、シャドウマスク板材
は、陰分極手段により面出し液中で不働態領域から活性
溶解領域へ陰分極する。
【0010】
【0011】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0012】最初に、図4に示した装置を使用し、アル
ミキルド鋼及びアンバー材のそれぞれに対し面出し液中
で電位走査して求めた電位−電流曲線(アノード分極曲
線)について説明する。
【0013】まず、図4に示した測定装置は、ポテンシ
ョスタット(定電位電解装置)1と、ファンクションジ
ェネレータ(電位走査装置)2と、X−Yレコーダ3
と、試験電極5、比較電極(Ag/AgCl)6及び対
極(白金)7を有し、面出し液8が入った電解槽4とか
ら構成されている。ポテンショスタット1は、これを使
用すると、種々な電位に設定して電流値を求めることが
でき、また、ファンクションジェネレータ2は、ポテン
ショスタット1及びX−Yレコーダ3と連結させること
により、電位走査を行なって短時間で連続的な電位−電
流曲線を描くことができる。尚、ポテンショスタット1
には、電位表示用のデジタル表示板40が設けられてお
り、操作モード(電位を印加する状態)及び休止モード
(電位を印加しない状態)の2つのモードを切り換える
ための切換えスイッチ41が備えられ、それぞれのモード
に対応する電位をデジタル表示板40に表示するようにな
っている。そして、後者のモードに切り換えられたとき
のデジタル表示板40によって示された値が、自然電極電
位の測定値である。面出し液8は、2%蓚酸溶液であ
る。また、試験極5となるアルミキルド鋼及びアンバー
材の電極面積はいずれも、3cm×5cm×2(面)×15
%(レジスト膜で被覆されていない開口面積の割合)=
4.5cm2であり、電位走査速度はいずれも30mV/
secに設定した。
【0014】アルミキルド鋼についての電位−電流曲線
を図5に、アンバー材についての電位−電流曲線を図6
にそれぞれ示す。
【0015】 図5から分かるように、アルミキルド鋼
における場合は、単純に、陰分極する(陰極側へ電位を
かける)と、水素発生に伴う(−)電流の増加が起こ
り、陽分極する(陽極側へ電位をかける)と、アルミキ
ルド鋼の溶解と酸素発生に伴う(+)電流の増加とが起
こって、いわゆる不働態領域が存在しない。一方、アン
バー材における場合は、図6に示すように、金属面が露
出している状態での自然電極電位(電流値が0のときの
電位)−0.12V(vs.Ag/AgCl)付近から
陽分極していくと、徐々に(+)電流が増加してピーク
に到達した後、(+)電流が減少に転じ、電位が+0.
5V付近から電流値はほぼ0になる。そして、電位が+
1.2V付近から電流値が再び増加する。ここで、図に
示したように、自然電極電位の付近からピーク電流が流
れている電位の付近までの領域を活性溶解領域、この活
性溶解領域より(+)電位側で電流が殆ど流れていない
領域を不働態領域、この不働態領域より(+)電位側で
徐々に(+)電流が増加していく領域を過不働態領域と
それぞれ呼ばれている。これらの領域のうち、活性溶解
領域では、アンバー材の金属露出面の腐食が進行し、そ
れに伴う(+)電流が流れている。次に、不働態領域で
は、アンバー材の被エッチング面に酸化皮膜である不働
態皮膜(絶縁皮膜)が生成し、このため電流が流れなく
なり、またアンバー材のエッチングも進行しなくなる。
また、過不働態領域では、酸素発生に伴う電流と腐食に
伴う電流が流れる。実際には発生した酸素の泡がアンバ
ー材の被エッチング面に付着しても、次工程のエッチン
におけるエッチングむらを引き起こす。
【0016】図6に示された以上の事実より、アンバー
材のように不働態化現象を生じ易い金属薄板について
は、不働態領域中における不働態皮膜が形成されないよ
うな状態で、かつ過不働態領域側でなく、活性溶解領域
側において面出しを行なうようにすれば良いことが分か
る。そして、そのためには、電解質溶液となる面出し液
中で金属薄板を電位的に陰分極させる、すなわち、金属
薄板の電位を(−)方向へ強制的に移すようにすれば良
い。この発明の要旨は、この点にある。
【0017】次に、実際に金属薄板を陰分極させる手段
の例を説明する。
【0018】まず、図1に示した例は、面出ししようと
する金属薄板に外部直流電源を接続して、金属薄板を陰
分極させる方法である。外部直流電源として、この例で
は図4に関して説明したポテンショスタット1を使用し
ている。被エッチング材である連続長尺帯状の金属薄板
10は、図示しない前段の現像処理装置から0.5〜3m
/min程度の速度で搬送され、ローラー12、14、16に
より、面出し液18が収容された面出し槽20内に導かれた
後、エッチングチャンバ24内へ移送される。面出し槽20
内には、比較電極(Ag/AgCl)26及び対極(白
金)28が配設され、それぞれポテンショスタット1の各
端子と接続されている。そして、帯状金属薄板10と接触
しているローラのうちの1つのローラー16は、ステンレ
ス鋼等の導電性材料によって形成されており、その回転
するローラー16の一部に摺接状態で電気的に接触した導
線30を介してポテンショスタット1の所定の端子に接続
されている。尚、ローラーではなく、帯状金属薄板10の
一部に直接に導線を摺接状態で接触させるようにしても
よい。また、面出し液18としては、従来から使用されて
いるようなものと同様の組成のものを使用すればよく、
その組成の1例を示すと、蓚酸((COOH)2)2w
t%、過酸化水素水(H22)(35%)1.5wt
%、硫酸(H2SO4)(98%)0.07wt%、水
(H2O)96.5wt%の水溶液である。
【0019】図1に示した装置構成において、ポテンシ
ョスタット1により、ローラー16、従って帯状金属薄板
10と比較電極26との間に、金属薄板10の表面状態が不働
態領域から活性溶解領域へ移行する程度の電位をかけ
る。これにより、金属薄板10の被エッチング面の不働態
皮膜が無くなり、金属薄板10と対極28との間に直流電流
が流れるようになる。
【0020】次に、図2に示した例は、面出ししようと
する金属薄板より電位的に卑な金属片を金属薄板の表面
に貼り付けて短絡させることにより、金属薄板を陰分極
させる方法である。図2において、図1で使用した符号
と同一符号を付したものは、それぞれ同一物、同一部材
を示す。但し、ローラー16は、導電性材料によって形成
する必要は無く、他のローラ12、14と同一構成とすれば
よい。
【0021】図2において、帯状金属薄板10が例えばニ
ッケル合金やクロム合金から形成されている場合には、
それらの材料よりも電位的に卑な金属、例えば鉄(F
e)、亜鉛(Zn)等の金属片32を金属薄板10の表面に
直接貼り付ける。これにより、金属薄板10は、電解質溶
液となる面出し液18中において電位的に陰分極し、活性
溶解領域において面出しがスムーズに進行することにな
る。尚、金属片32を金属薄板10に貼り付ける位置や金属
片32の大きさは、特に限定されないが、例えば金属薄板
10の幅寸法が300〜500mmであれば、金属片32の同
一方向における寸法は200〜400mm程度とすればよ
い。
【0022】次に、金属薄板の被エッチング面となる金
属面が面出しによって露出したかどうかを数値的にモニ
ターする方法について説明する。
【0023】モニターする装置としては、図1に示した
構成をそのまま利用するか、或いはまた、図4に示され
た構成、すなわち、ファンクションジェネレータ2及び
X−Yレコーダ3を含む構成の装置を用いる。まず、こ
のような構成の装置を用いて、予め、例えば図6に示さ
れたような電位−電流曲線を得ておく。次に、このよう
にして得られた電位−電流曲線に基づき、自然電極電位
の適正範囲(上限値及び下限値)を設定する。この自然
電極電位の適正範囲として、例えば金属薄板10がアンバ
ー材(日立金属製)であり、面出し液18が2%蓚酸溶液
である場合には、−0.1〜−0.2V(vs.Ag/
AgCl)というように設定するとともに、面出しを行
なう際に印加する面出し操作電位を、例えば+0.1V
(vs.Ag/AgCl))というように設定する。こ
の電位設定が済むと、切換スイッチ41を操作モードに切
り換え、実際にポテンショスタット1によりローラー1
6、従って帯状金属薄板10と比較電極26との間に上記面
出し操作電位をかける。そして、例えば5〜10分間程
度面出し操作を行なった後、切換スイッチ41を休止モー
ドに切り換えて電位を解除し、デジタル表示板40に示さ
れた自然電極電位の測定値が、最初に設定した適正範囲
内に入っているかどうかを判断する。このとき、金属薄
板10の被エッチング面となる金属面が露出しておれば、
自然電極電位は−0.1〜−0.2V(vs.Ag/A
gCl)の値を示すので、面出しが効果的になされたと
判断し、切換スイッチ41を休止モードにセットしたま
ま、自然電極電位の測定を継続する。
【0024】他方、金属薄板10の被エッチング面が酸化
皮膜等によって被覆され金属面が露出していないと、自
然電極電位は+0.3〜+0.5V(vs.Ag/Ag
Cl)といったような値を示すので、面出し不良と判断
する。そして、面出し不良と判定されたときは、ポテン
ショスタット1において、最初に設定した面出し操作電
位の設定値を解除するとともに、新たに面出し操作電位
を設定し直す。尚、自然電極電位が適正範囲外であると
きは、警報器やランプ等によってその異常を作業者に知
らせるようにするとよい。
【0025】そして、設定し直した面出し操作電位を、
ポテンショスタット1の切換スイッチ41を操作モードに
切り換えて帯状金属薄板10と比較電極26との間に、例え
ば1分間かける。続いて、切換スイッチ41を休止モード
に切り換えて面出し操作電位を解除した後、再び、切換
スイッチ41を休止モードにして自然電極電位を測定し、
その測定値が適正範囲内であるかどうかを判定する。そ
の結果、自然電極電位の測定値が適正範囲内になってお
れば、面出しが良好に行なわれたと判断し、その測定値
が適正範囲内に入っていなければ、再び、面出し操作電
位を設定し直し、上記したステップを繰り返す。このよ
うに、面出し操作電位を段階的に設定し直して、金属薄
板10の被エッチング面となる金属面が露出するまで面出
し操作を繰り返す。そして、面出し操作電位を繰り返し
設定し直しても、金属面が露出せず面出し操作電位の設
定値が所定範囲外となったとき、例えば−2ないし+2
V(vs.Ag/AgCl)の範囲外となったときは、
その条件下での面出しは不可能であるとして一旦製造ラ
インを中断し、金属薄板10を他の種類のものに変える等
の根本的な対策を実施する。図3に、以上説明した一連
の操作のフローチャートを示す。
【0026】以上のようなモニタリングを連続的に行な
うことにより、面出し作業における工程管理を行なうよ
うにすればよい。
【0027】
【発明の効果】請求項1記載の面出し方法によると、
面に所要のパターン状画像の耐食性皮膜が形成されたア
ンバー材からなるシャドウマスク板材をスプレイエッチ
ングする前に、シャドウマスク板材を酸の希薄溶液であ
る面出し液に浸漬させて、かつ面出し液中で金属薄板を
電位的に陰分極させて、被エッチング面に被着した酸化
皮膜又はレジスト膜を充分に除去することが可能とな
る。請求項2記載の面出し方法によると、面出し液中で
金属薄板を不働態領域から活性溶解領域へ陰分極させる
ことが可能となる。請求項3記載の面出し方法による
と、面出し液中におけるシャドウマスク板材の自然電極
電位を測定してその測定値が所定範囲内にあるか否かに
より、面出しの適否を判定することが可能となる。請求
項4記載の面出し装置によると、表面に所要のパターン
状画像の耐食性皮膜が形成されたアンバー材からなる長
尺帯状のシャドウマスク板材を、スプレイエッチングす
る前に、導入手段により面出し槽に貯留された酸の希薄
溶液である面出し液に導いて浸漬させて、陰分極手段に
より面出し液中で電位的に陰分極させて、被エッチング
面に被着した酸化皮膜又はレジスト膜を充分に除去する
ことが可能となる。請求項5記載の面出し装置による
と、陰分極手段により金属薄板を面出し液中で不働態領
域から活性溶解領域へ陰分極させることが可能となる。
従って、本発明によると、ニッケルを含有したアンバー
材からなる不働態化現象を生じ易いシャドウマスク板材
のエッチングされるべき被エッチング面に被着した酸化
皮膜又はレジスト膜を充分に除去することが可能とな
り、被エッチング面に被着した酸化皮膜又はレジスト膜
が充分に除去されたか否かを判定することが可能とな
る。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る、面出し装置の1実施例を説
明するための概略図である。
【図2】同じく、別の実施例を説明するための概略図で
ある。
【図3】この発明に係る面出し方法における工程の一部
を示すフローチャートである。
【図4】電位−電流曲線を求めるために使用される装置
の構成の1例を示す概略図である。
【図5】アルミキルド鋼について求めた電位−電流曲線
を示す図である。
【図6】アンバー材について求めた電位−電流曲線を示
す図である。
【符号の説明】
1 ポテンショスタット(電源手段) 10 金属薄板 16 ローラー(搬送手段) 18 面出し液 20 面出し槽 26 比較電極 28 対極 30 導線 32 金属片 1、26 陰分極手段 1、28 電位測定手段 16、20 浸漬手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/06 H05K 3/06 A (72)発明者 進 泰憲 滋賀県彦根市高宮町480番地の1大日本 スクリーン製造株式会社彦根地区事業所 内 (72)発明者 外海 正司 滋賀県彦根市高宮町480番地の1大日本 スクリーン製造株式会社彦根地区事業所 内 (72)発明者 山川 宏二 大阪府大阪狭山市大野台5丁目17の4 (56)参考文献 特開 昭59−68148(JP,A) 特開 昭64−62500(JP,A) 特開 昭50−17341(JP,A) 特開 昭60−121300(JP,A) 特開 平4−334850(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に所要のパターン状画像の耐食性皮
    膜が形成されたアンバー材からなるシャドウマスク板材
    をスプレイエッチングする前に、エッチングされるべき
    シャドウマスク板材の被エッチング面に被着した酸化皮
    膜又はレジスト膜を除去する面出し方法において、前記シャドウマスク板材 を酸の希薄溶液である面出し液
    に浸漬させ、かつ該面出し液中でシャドウマスク板材
    電位的に陰分極させることを特徴とする面出し方法。
  2. 【請求項2】 面出し液中でシャドウマスク板材を不働
    態領域から活性溶解領域へ陰分極させることを特徴とす
    る請求項1記載の面出し方法。
  3. 【請求項3】 面出し液中におけるシャドウマスク板材
    の自然電極電位を測定し、その測定値が所定範囲内にあ
    るか否かによって面出しの適否を判定することを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の面出し方法。
  4. 【請求項4】 表面に所要のパターン状画像の耐食性皮
    膜が形成されたアンバー材からなる長尺帯状のシャドウ
    マスク板材をスプレイエッチングする前に、エッチング
    されるべきシャドウマスク板材の被エッチング面に被着
    した酸化皮膜又はレジスト膜を除去する面出し装置にお
    いて、酸の希薄溶液である面出し液を貯留する面出し槽と、 長手方向に搬送されるシャドウマスク板材を、前記面出
    し槽に貯留された面出し液中に導く導入 手段と、前記面出し槽に貯留された 面出し液中でシャドウマスク
    板材を電位的に陰分極させる陰分極手段と、 を有することを特徴とする面出し装置。
  5. 【請求項5】 前記陰分極手段が面出し液中でシャドウ
    マスク板材を不働態領域から活性溶解領域へ陰分極させ
    る手段であることを特徴とする請求項4記載の面出し装
    置。
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