JP2698499B2 - 自動車用灯具 - Google Patents
自動車用灯具Info
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- JP2698499B2 JP2698499B2 JP4012100A JP1210092A JP2698499B2 JP 2698499 B2 JP2698499 B2 JP 2698499B2 JP 4012100 A JP4012100 A JP 4012100A JP 1210092 A JP1210092 A JP 1210092A JP 2698499 B2 JP2698499 B2 JP 2698499B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電バルブを光源とする
自動車用ヘッドランプ等の灯具に関する。
自動車用ヘッドランプ等の灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】放電バルブは発光効率及び演色性が良好
で、しかも寿命が長いという点から自動車用灯具、特に
ヘッドランプの光源として研究開発されつつある。図3
は放電バルブを光源とするヘッドランプを示しており、
ランプボディ1と前面レンズ2によって形成された灯室
空間に、放電バルブ4を挿着したリフレクター3が配置
され、ランプボディ1の後頂部には、バルブ4に安定し
た放電を行なわしめるための点灯回路の収容一体化され
た点灯回路ユニット5が取着されている。符号4aは放
電バルブ4の光源本体であるアークチューブ、符号6は
点灯回路ユニット5から延びる出力コードで、コネクタ
ー6aを介してバルブ4後端に形成されているコネクタ
ー4bに接続されている。なお符号7はバルブ4をリフ
レクターのバルブ挿着孔に固定するロッキングキャップ
である。
で、しかも寿命が長いという点から自動車用灯具、特に
ヘッドランプの光源として研究開発されつつある。図3
は放電バルブを光源とするヘッドランプを示しており、
ランプボディ1と前面レンズ2によって形成された灯室
空間に、放電バルブ4を挿着したリフレクター3が配置
され、ランプボディ1の後頂部には、バルブ4に安定し
た放電を行なわしめるための点灯回路の収容一体化され
た点灯回路ユニット5が取着されている。符号4aは放
電バルブ4の光源本体であるアークチューブ、符号6は
点灯回路ユニット5から延びる出力コードで、コネクタ
ー6aを介してバルブ4後端に形成されているコネクタ
ー4bに接続されている。なお符号7はバルブ4をリフ
レクターのバルブ挿着孔に固定するロッキングキャップ
である。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかし放電バルブを光
源とするヘッドランプの開発途中において、前記した構
造のヘッドランプを継続点灯させたところ、バルブ4の
アークチューブ4aの表面が白濁し光量が著しく低下し
た。この原因につき発明者らが検討したところ、この白
濁はアークチューブ4aの表面にSiO2が付着したも
のであることが判明した。即ち、点灯時の放電バルブ4
は白熱バルブ等のフィラメント式バルブに比べて高温と
なる。このため高熱の影響で灯室空間内のランプ構成部
材中に含まれる低分子シロキサンが灯室空間内に蒸散し
てSi系ガスとなり、高温(800℃)となるアークチ
ューブ4aの周りにおいて、この低分子シロキサンが酸
素と結合し(酸化反応を起こし)アークチューブ4aの
表面にSiO2として付着したものであることがわかっ
た。
源とするヘッドランプの開発途中において、前記した構
造のヘッドランプを継続点灯させたところ、バルブ4の
アークチューブ4aの表面が白濁し光量が著しく低下し
た。この原因につき発明者らが検討したところ、この白
濁はアークチューブ4aの表面にSiO2が付着したも
のであることが判明した。即ち、点灯時の放電バルブ4
は白熱バルブ等のフィラメント式バルブに比べて高温と
なる。このため高熱の影響で灯室空間内のランプ構成部
材中に含まれる低分子シロキサンが灯室空間内に蒸散し
てSi系ガスとなり、高温(800℃)となるアークチ
ューブ4aの周りにおいて、この低分子シロキサンが酸
素と結合し(酸化反応を起こし)アークチューブ4aの
表面にSiO2として付着したものであることがわかっ
た。
【0004】そこで、灯室空間内においてアークチュー
ブに付着する白濁の原因となる低分子シロキサンが発生
しないようにするか、又は白濁となるに至らないわずか
の量の低分子シロキサンしか発生しない状態とするか、
あるいはたとえ低分子シロキサンが発生したとしても灯
室空間内に漏れないようにすればよいという観点から本
発明をなすに至ったものである。
ブに付着する白濁の原因となる低分子シロキサンが発生
しないようにするか、又は白濁となるに至らないわずか
の量の低分子シロキサンしか発生しない状態とするか、
あるいはたとえ低分子シロキサンが発生したとしても灯
室空間内に漏れないようにすればよいという観点から本
発明をなすに至ったものである。
【0005】本発明は前記した様な観点からなされたも
ので、その目的は、光量低下の原因となる放電バルブの
アークチューブ表面における白濁の発生しない自動車用
灯具を提供することにある。
ので、その目的は、光量低下の原因となる放電バルブの
アークチューブ表面における白濁の発生しない自動車用
灯具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る自動車用灯具においては、容器状のラ
ンプボディとランプボディの前面開口部に組付けられた
前面レンズとによって灯室空間が形成され、この灯室空
間に光源である放電バルブが配置された自動車用灯具に
おいて、灯具構成部材の少なくとも灯室空間に臨む領域
及び灯室空間と連通する空間に臨む領域を、高温下にお
いて低分子シロキサンの蒸散のおそれのない素材又は/
及び低分子シロキサンを含有するがベーキング処理され
てSiO 2としてアークチューブに付着するには至らな
いわずかの量の低分子シロキサンしか蒸散するおそれの
ない素材により構成するようにしたものである。
に、本発明に係る自動車用灯具においては、容器状のラ
ンプボディとランプボディの前面開口部に組付けられた
前面レンズとによって灯室空間が形成され、この灯室空
間に光源である放電バルブが配置された自動車用灯具に
おいて、灯具構成部材の少なくとも灯室空間に臨む領域
及び灯室空間と連通する空間に臨む領域を、高温下にお
いて低分子シロキサンの蒸散のおそれのない素材又は/
及び低分子シロキサンを含有するがベーキング処理され
てSiO 2としてアークチューブに付着するには至らな
いわずかの量の低分子シロキサンしか蒸散するおそれの
ない素材により構成するようにしたものである。
【0007】
【作用】灯具構成部材の灯室空間に臨む領域及び灯室空
間と連通する空間に臨む領域は、熱の影響により低分子
シロキサンが蒸散するおそれのない素材又は/及び低分
子シロキサンを含有するがベーキング処理されてSiO
2としてアークチューブに付着するには至らないわずか
の量の低分子シロキサンしか蒸散するおそれのない素材
により構成されているので、アークチューブに付着する
白濁の原因となる低分子シロキサンが灯室空間内に飛来
しないか、又たとえ飛来するとしても飛来する低分子シ
ロキサンの量がわずかなため酸素と反応できない。
間と連通する空間に臨む領域は、熱の影響により低分子
シロキサンが蒸散するおそれのない素材又は/及び低分
子シロキサンを含有するがベーキング処理されてSiO
2としてアークチューブに付着するには至らないわずか
の量の低分子シロキサンしか蒸散するおそれのない素材
により構成されているので、アークチューブに付着する
白濁の原因となる低分子シロキサンが灯室空間内に飛来
しないか、又たとえ飛来するとしても飛来する低分子シ
ロキサンの量がわずかなため酸素と反応できない。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例であるヘッドランプの縦
断面図を示すものである。この図において、ヘッドラン
プは、容器状のランプボデイ10と、ランプボデイ10
に組み付けられた前面レンズ12と、光源である放電バ
ルブ30を内蔵し、エーミング機構により傾動可能に支
持された光投射ユニット20と、ランプボデイ10の後
方開口部に取着され、バルブ30に安定した放電を行な
わしめるための点灯回路ユニット40とから主として構
成されている。
する。図1は本発明の一実施例であるヘッドランプの縦
断面図を示すものである。この図において、ヘッドラン
プは、容器状のランプボデイ10と、ランプボデイ10
に組み付けられた前面レンズ12と、光源である放電バ
ルブ30を内蔵し、エーミング機構により傾動可能に支
持された光投射ユニット20と、ランプボデイ10の後
方開口部に取着され、バルブ30に安定した放電を行な
わしめるための点灯回路ユニット40とから主として構
成されている。
【0009】そしてこれらの各ヘッドランプ構成部品1
0,12,20,40等の殆どの構成材料として、低分
子シロキサンを含有しないため放電バルブ30の点灯温
度(約800℃)によって低分子シロキサン系ガスが蒸
散するおそれのない素材が使用されている。またヘッド
ランプ構成部品の一部には低分子シロキサン含有素材か
ら構成されるものもあるが、ベーキング処理により予め
低分子シロキサンを蒸散させて素材中の低分子シロキサ
ン含有濃度を低下させた状態とされている。また構成部
品の中にはベーキング処理では十分に低分子シロキサン
の蒸散を抑えることのできないものもあるが、このよう
な部品には、たとえ低分子シロキサンが蒸散しても灯室
空間内に飛散できないように、低分子シロキサン含有素
材を密閉する構造が採用されている。
0,12,20,40等の殆どの構成材料として、低分
子シロキサンを含有しないため放電バルブ30の点灯温
度(約800℃)によって低分子シロキサン系ガスが蒸
散するおそれのない素材が使用されている。またヘッド
ランプ構成部品の一部には低分子シロキサン含有素材か
ら構成されるものもあるが、ベーキング処理により予め
低分子シロキサンを蒸散させて素材中の低分子シロキサ
ン含有濃度を低下させた状態とされている。また構成部
品の中にはベーキング処理では十分に低分子シロキサン
の蒸散を抑えることのできないものもあるが、このよう
な部品には、たとえ低分子シロキサンが蒸散しても灯室
空間内に飛散できないように、低分子シロキサン含有素
材を密閉する構造が採用されている。
【0010】次に各ヘッドランプ構成部品について個々
に説明する。まず灯室空間を直接構成するランプボデイ
10と前面レンズ12についてであるが、ランプボデイ
10はポリプロピレン(PP)製で、前面レンズ12は
ポリカーボネイト(PC)製で、これらには低分子シロ
キサンが含有されておらず、低分子シロキサンの蒸散の
余地は全くない。またランプボデイ10と前面レンズ1
2間係合部(ランプボデイ10の前面開口部周縁に形成
されたシール溝)に装填されたホットメルトタイプのシ
ール材14には低分子シロキサンが含有されているが、
その含有量はわずかで、しかもシール溝はバルブから遠
く離間した位置にあってバルブの熱が伝わりにくいの
で、低分子シロキサンが蒸散に至る程の温度とならず問
題はない。また前面レンズ12の外側表面には耐候性を
高めるためのSi系のトップコート13が施されている
が、灯室空間に臨む前面レンズ12の裏側はトップコー
ト処理されておらず、灯室空間内に低分子シロキサンが
蒸散するおそれは全くない。
に説明する。まず灯室空間を直接構成するランプボデイ
10と前面レンズ12についてであるが、ランプボデイ
10はポリプロピレン(PP)製で、前面レンズ12は
ポリカーボネイト(PC)製で、これらには低分子シロ
キサンが含有されておらず、低分子シロキサンの蒸散の
余地は全くない。またランプボデイ10と前面レンズ1
2間係合部(ランプボデイ10の前面開口部周縁に形成
されたシール溝)に装填されたホットメルトタイプのシ
ール材14には低分子シロキサンが含有されているが、
その含有量はわずかで、しかもシール溝はバルブから遠
く離間した位置にあってバルブの熱が伝わりにくいの
で、低分子シロキサンが蒸散に至る程の温度とならず問
題はない。また前面レンズ12の外側表面には耐候性を
高めるためのSi系のトップコート13が施されている
が、灯室空間に臨む前面レンズ12の裏側はトップコー
ト処理されておらず、灯室空間内に低分子シロキサンが
蒸散するおそれは全くない。
【0011】光投射ユニット20は、バルブ30が挿着
された略楕円体形状のリフレクター22に投射レンズ2
4を支持するレンズホルダ23がねじ締結されて一体化
されたもので、リフレクター22,レンズホルダ23は
何れもアルミニウム製で、低分子シロキサンの蒸散のお
それはない。リフレクター22の内周面には、アルミ蒸
着面の上に耐候性を高めるべく、低分子シロキサンを含
有するトップコート層22aが形成されているが、トッ
プコート層22aはベーキング処理が施されて、予め低
分子シロキサンが蒸散された状態となっている。そして
この低分子シロキサンを含有するトップコート層22a
によってはアークチューブ30に白濁が付着しないとい
う実験データが得られている。また投射レンズ24は硼
硅酸ガラス製で、低分子シロキサンの蒸散のおそれはな
い。バルブ30は、絶縁製ベース31から突出する一対
の金属製リードサポート32a,32bによってアーク
チューブ33が支持された構造で、ベース31の後部に
はリードサポート32a,32bに一体化された金属製
端子32c,32dを収容するコネクタ31aが一体に
形成され、ベース31の前面には紫外線遮蔽用のグロー
ブ34を支持するディスク35が金属製リベット(図示
せず)により固定されている。ベース31は、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)製、ディスク35はセラ
ミック製、リードサポート32a,32bに外嵌されて
いる絶縁スリーブ36はセラミック製、アークチューブ
33は石英ガラス製で、リードサポート32a,32b
に溶接されてアークチューブ33から導出するリード線
を支持する支持体37a,37bも金属製で、これらか
ら低分子シロキサンの蒸散のおそれはない。またグロー
ブ34は硼硅酸ガラス製で、表面に紫外線遮蔽用のZn
O層が形成された構造であり、グローブ34をディスク
31に接着固定する接着剤は低分子シロキサンを含有し
ない無機系接着材(無機系シリカ+アルミナ)が使用さ
れている。このようにバルブ30の構成部材から低分子
シロキサンの蒸散のおそれは全くない。
された略楕円体形状のリフレクター22に投射レンズ2
4を支持するレンズホルダ23がねじ締結されて一体化
されたもので、リフレクター22,レンズホルダ23は
何れもアルミニウム製で、低分子シロキサンの蒸散のお
それはない。リフレクター22の内周面には、アルミ蒸
着面の上に耐候性を高めるべく、低分子シロキサンを含
有するトップコート層22aが形成されているが、トッ
プコート層22aはベーキング処理が施されて、予め低
分子シロキサンが蒸散された状態となっている。そして
この低分子シロキサンを含有するトップコート層22a
によってはアークチューブ30に白濁が付着しないとい
う実験データが得られている。また投射レンズ24は硼
硅酸ガラス製で、低分子シロキサンの蒸散のおそれはな
い。バルブ30は、絶縁製ベース31から突出する一対
の金属製リードサポート32a,32bによってアーク
チューブ33が支持された構造で、ベース31の後部に
はリードサポート32a,32bに一体化された金属製
端子32c,32dを収容するコネクタ31aが一体に
形成され、ベース31の前面には紫外線遮蔽用のグロー
ブ34を支持するディスク35が金属製リベット(図示
せず)により固定されている。ベース31は、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)製、ディスク35はセラ
ミック製、リードサポート32a,32bに外嵌されて
いる絶縁スリーブ36はセラミック製、アークチューブ
33は石英ガラス製で、リードサポート32a,32b
に溶接されてアークチューブ33から導出するリード線
を支持する支持体37a,37bも金属製で、これらか
ら低分子シロキサンの蒸散のおそれはない。またグロー
ブ34は硼硅酸ガラス製で、表面に紫外線遮蔽用のZn
O層が形成された構造であり、グローブ34をディスク
31に接着固定する接着剤は低分子シロキサンを含有し
ない無機系接着材(無機系シリカ+アルミナ)が使用さ
れている。このようにバルブ30の構成部材から低分子
シロキサンの蒸散のおそれは全くない。
【0012】点灯回路ユニット40は、スタータケース
41内に点灯回路42を収容するとともに、充填材(エ
ポキシ)40aを充填して点灯回路42を固定し、スタ
ータケース41の前面に円筒形状スタータベース43を
固定一体化したものである。スタータケース41はアル
ミニウム製、スタータベース43はマレッカ(変性マレ
イミド樹脂)製で、これらの部材から低分子シロキサン
の蒸散のおそれはない。またスタータケース41内にお
いて、電子部品の搭載されたプリント基板により構成さ
れた点灯回路42の周りは充填材41aで埋めつくされ
ており、充填材層からはブッシング44の一部が突出
し、このブッシング44からはバルブ30に延びる出力
コード45が導出している。ブッシング44はクロロプ
レンゴム(CR)製、コード45は低分子シロキサンの
発生のおそれのないフッ素系ゴム又はフッ素系樹脂製の
コードとされている。またスタータケース41内に充填
されている充填材(エポキシ)には、密着性を高めるた
め一般にシランカップリング剤が混入されるが、このシ
ランカップリング剤は低分子シロキサンを含有し低分子
シロキサンの蒸散のおそれがあるため、充填材へのシラ
ンカップ剤の混入を廃止した。なおシランカップリング
剤を混入しなくとも密着性がさほど低下しないことが確
認された。またスタータケース41とスタータベース4
3間及びスタータベース43とランプボデイ開口部周縁
部10a間には、係合部における密着性を高めるための
パッキング47,ブッシング48が介在されている。そ
してパッキング47及びブッシング48は、いずれもゴ
ム製で、従来では一般にこれらのパッキングやブッシン
グの成型時にはSi系離型剤が使用されるとともに、装
着性をよくするために成形後シリコー液に浸漬処理され
る傾向にあるが、Si系離型剤及びシリコーン液への浸
漬処理はSi系ガスの蒸散につながるおそれがあるた
め、本実施例におけるパッキング47およびブッシング
48では、離型剤を使用せず、さらにシリコーン液への
浸漬処理も行なわれていない。
41内に点灯回路42を収容するとともに、充填材(エ
ポキシ)40aを充填して点灯回路42を固定し、スタ
ータケース41の前面に円筒形状スタータベース43を
固定一体化したものである。スタータケース41はアル
ミニウム製、スタータベース43はマレッカ(変性マレ
イミド樹脂)製で、これらの部材から低分子シロキサン
の蒸散のおそれはない。またスタータケース41内にお
いて、電子部品の搭載されたプリント基板により構成さ
れた点灯回路42の周りは充填材41aで埋めつくされ
ており、充填材層からはブッシング44の一部が突出
し、このブッシング44からはバルブ30に延びる出力
コード45が導出している。ブッシング44はクロロプ
レンゴム(CR)製、コード45は低分子シロキサンの
発生のおそれのないフッ素系ゴム又はフッ素系樹脂製の
コードとされている。またスタータケース41内に充填
されている充填材(エポキシ)には、密着性を高めるた
め一般にシランカップリング剤が混入されるが、このシ
ランカップリング剤は低分子シロキサンを含有し低分子
シロキサンの蒸散のおそれがあるため、充填材へのシラ
ンカップ剤の混入を廃止した。なおシランカップリング
剤を混入しなくとも密着性がさほど低下しないことが確
認された。またスタータケース41とスタータベース4
3間及びスタータベース43とランプボデイ開口部周縁
部10a間には、係合部における密着性を高めるための
パッキング47,ブッシング48が介在されている。そ
してパッキング47及びブッシング48は、いずれもゴ
ム製で、従来では一般にこれらのパッキングやブッシン
グの成型時にはSi系離型剤が使用されるとともに、装
着性をよくするために成形後シリコー液に浸漬処理され
る傾向にあるが、Si系離型剤及びシリコーン液への浸
漬処理はSi系ガスの蒸散につながるおそれがあるた
め、本実施例におけるパッキング47およびブッシング
48では、離型剤を使用せず、さらにシリコーン液への
浸漬処理も行なわれていない。
【0013】またバルブ30をリフレクター22のバル
ブ挿着孔に固定保持するロッキングキャップ38はナイ
ロン製で、成形時に離型剤を使用しないので、ロッキン
グキャップ38から低分子シロキサンが蒸散するおそれ
はない。またランプボディ10内において、光投射ユニ
ット20を傾動可能に支持するエイミング機構は、エイ
ミングスクリュー26と玉継手28とから構成されてお
り、エイミングスクリュー26及び玉部28aは金属製
で、スクリューの螺合するリフレクター側のナット27
及び玉部28aを支承するリフレクター側の玉受部28
bも離型剤を使用しないで成形したナイロン製で、いず
れからも低分子シロキサンの蒸散のおそれはない。
ブ挿着孔に固定保持するロッキングキャップ38はナイ
ロン製で、成形時に離型剤を使用しないので、ロッキン
グキャップ38から低分子シロキサンが蒸散するおそれ
はない。またランプボディ10内において、光投射ユニ
ット20を傾動可能に支持するエイミング機構は、エイ
ミングスクリュー26と玉継手28とから構成されてお
り、エイミングスクリュー26及び玉部28aは金属製
で、スクリューの螺合するリフレクター側のナット27
及び玉部28aを支承するリフレクター側の玉受部28
bも離型剤を使用しないで成形したナイロン製で、いず
れからも低分子シロキサンの蒸散のおそれはない。
【0014】また点灯回路ユニット40から前方に導出
する出力コード45は、雌コネクター49を介してバル
ブ後端部に形成されている雄コネクター31aに接続さ
れているが、コネクター31aはポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)製、コネクター49は液晶ポリマー製
で、何れも低分子シロキサンの蒸散のおそれはない。な
お前記実施例では、スタータケース41内に点灯回路4
2を充填する充填材(エポキシ)41aにシランカップ
リング剤を混入しない構成となっているが、たとえ充填
材(エポキシ)41a中にシランカップリング剤が混入
されていたとしても、ベーキング処理により低分子シロ
キサンの含有濃度を低くし、さらに図2に示されるよう
に、スタータケース41とスタータベース43間に遮蔽
プレート52を配置して、スタータケース41内で発生
した低分子シロキサンを外部に漏らさない密閉構造とす
れば、低分子シロキサンが灯室空間内に飛来せず、した
がってアークチューブ33にSiO2が付着することが
ない。なお符号54はプレート52の貫通孔に装着され
たコード挿通用のクロロプレンゴム(CR)製のブッシ
ングで、低分子シロキサンを含有していない。
する出力コード45は、雌コネクター49を介してバル
ブ後端部に形成されている雄コネクター31aに接続さ
れているが、コネクター31aはポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)製、コネクター49は液晶ポリマー製
で、何れも低分子シロキサンの蒸散のおそれはない。な
お前記実施例では、スタータケース41内に点灯回路4
2を充填する充填材(エポキシ)41aにシランカップ
リング剤を混入しない構成となっているが、たとえ充填
材(エポキシ)41a中にシランカップリング剤が混入
されていたとしても、ベーキング処理により低分子シロ
キサンの含有濃度を低くし、さらに図2に示されるよう
に、スタータケース41とスタータベース43間に遮蔽
プレート52を配置して、スタータケース41内で発生
した低分子シロキサンを外部に漏らさない密閉構造とす
れば、低分子シロキサンが灯室空間内に飛来せず、した
がってアークチューブ33にSiO2が付着することが
ない。なお符号54はプレート52の貫通孔に装着され
たコード挿通用のクロロプレンゴム(CR)製のブッシ
ングで、低分子シロキサンを含有していない。
【0015】なお前記した実施例は、略楕円体形状のリ
フレクター22で集光した光源光を投射レンズ24で投
射配光する投射型のヘッドランプを例にとって説明した
が、光源光を放物面リフレクターで反射して略平行光と
し、前面レンズの配光制御ステップで制御する反射型の
ヘッドランプについても同様に適用できる。
フレクター22で集光した光源光を投射レンズ24で投
射配光する投射型のヘッドランプを例にとって説明した
が、光源光を放物面リフレクターで反射して略平行光と
し、前面レンズの配光制御ステップで制御する反射型の
ヘッドランプについても同様に適用できる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る自動車用灯具によれば、放電バルブの熱の影響に
よって低分子シロキサンが灯室空間内に飛来するという
ことがないので、アークチューブに白濁が付着して光量
が低下するという不具合が解消される。
に係る自動車用灯具によれば、放電バルブの熱の影響に
よって低分子シロキサンが灯室空間内に飛来するという
ことがないので、アークチューブに白濁が付着して光量
が低下するという不具合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である自動車用ヘッドランプ
の縦断面図
の縦断面図
【図2】本発明の他の実施例の要部断面図
【図3】従来のヘッドランプの縦断面図
10 ランプボディ 12 前面レンズ 20 光投射ユニット 30 放電バルブ 33 アークチューブ 40 点灯回路ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 明好 静岡県清水市北脇500番地 株式会社小 糸製作所 静岡工場内 (72)発明者 村井 久能 静岡県清水市北脇500番地 株式会社小 糸製作所 静岡工場内 (56)参考文献 特開 平4−2001(JP,A) 特開 平2−12701(JP,A) 特開 平2−152102(JP,A) 特開 昭62−35403(JP,A) 実開 平3−124502(JP,U) 実開 平3−60701(JP,U) 実開 平4−127914(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 容器状のランプボディとランプボディの
前面開口部に組付けられた前面レンズとによって灯室空
間が形成され、この灯室空間に光源である放電バルブが
配置された自動車用灯具において、灯具構成部材の少な
くとも灯室空間に臨む領域及び灯室空間と連通する空間
に臨む領域が、高温下において低分子シロキサンの蒸散
のおそれのない素材又は/及び低分子シロキサンを含有
するがベーキング処理されてSiO2としてアークチュ
ーブに付着するには至らないわずかの量の低分子シロキ
サンしか蒸散するおそれのない素材により構成されたこ
とを特徴とする自動車用灯具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4012100A JP2698499B2 (ja) | 1992-01-27 | 1992-01-27 | 自動車用灯具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4012100A JP2698499B2 (ja) | 1992-01-27 | 1992-01-27 | 自動車用灯具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05205501A JPH05205501A (ja) | 1993-08-13 |
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ID=11796152
Family Applications (1)
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JP4012100A Expired - Fee Related JP2698499B2 (ja) | 1992-01-27 | 1992-01-27 | 自動車用灯具 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2698499B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112018002111T5 (de) | 2017-04-21 | 2020-01-09 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Photosensitive harzzusammensetzung und das gehärtete produkt daraus |
Families Citing this family (2)
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JP4814738B2 (ja) * | 2006-09-20 | 2011-11-16 | スタンレー電気株式会社 | 車両用led灯具 |
-
1992
- 1992-01-27 JP JP4012100A patent/JP2698499B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112018002111T5 (de) | 2017-04-21 | 2020-01-09 | Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha | Photosensitive harzzusammensetzung und das gehärtete produkt daraus |
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