JP2698234B2 - ケ−ブルリ−ル - Google Patents

ケ−ブルリ−ル

Info

Publication number
JP2698234B2
JP2698234B2 JP3139416A JP13941691A JP2698234B2 JP 2698234 B2 JP2698234 B2 JP 2698234B2 JP 3139416 A JP3139416 A JP 3139416A JP 13941691 A JP13941691 A JP 13941691A JP 2698234 B2 JP2698234 B2 JP 2698234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
fixed
movable body
fixed body
movable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3139416A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04226282A (ja
Inventor
拓之 坂内
弘典 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to DE4121137A priority Critical patent/DE4121137C3/de
Publication of JPH04226282A publication Critical patent/JPH04226282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2698234B2 publication Critical patent/JP2698234B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のステアリング
装置等に用いられ、固定体と可動体との間の電気的接続
をケ−ブルを利用して行うケ−ブルリ−ルに関する。
【0002】
【従来の技術】ケ−ブルリ−ルは、固定体と、この固定
体に対して回動自在に装着された可動体との間を可撓性
ケーブルにて連結したもので、自動車のステアリング装
置のように回転数が有限である可動体と固定体との間の
電気的接続装置として用いられている。
【0003】従来より、この種のケ−ブルリ−ルとし
て、固定体と可動体との間に設けられたケ−ブル収納部
に、複数条の導電体を一対帯状フィルムにラミネ−トし
たフラットケ−ブルを渦巻状に巻回した状態で緩やかに
収納し、このフラットケ−ブルの一端を前記固定体また
は可動体のいずれか一方に設けた外筒部に、また他端を
他方の部材に設けた内筒部に固着したものが知られてい
る。
【0004】このケ−ブルリ−ルは、可動体を回転した
とき、その回転方向に応じて、ケ−ブル収納部に収納さ
れたフラットケ−ブルを内筒部側に巻き込んだり、ある
いは外筒部側に巻き戻したりすることができる。従っ
て、フラットケ−ブルが全て外筒部側に巻き戻された状
態に至る範囲においては、フラットケ−ブルにほとんど
張力を作用することがなく、相対的に回転する固定体と
可動体との間の電気的接続を常時保持することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記構成のケ−ブルリ
−ルは、外筒部と内筒部の直径の差を利用してフラット
ケ−ブルの巻き込み巻き戻しを行うので、可動体の回転
量を一定とした場合、前記直径の差を大きくするほど使
用するフラットケ−ブルの長さを短くすることができ
る。しかしながら、内筒部の直径はこのケ−ブルリ−ル
を取り付けようとする回転軸、例えば自動車のステアリ
ング軸の直径から一義的に定まり、一方、外筒部の直径
は装置小型化の要請からあまり大きくすることができな
いので、これら外筒部と内筒部の直径の差をあまり大き
くすることができない。このため、この種のケ−ブルリ
−ルは一般に長大なフラットケ−ブルを必要とし、周知
のように長大なフラットケ−ブルは製造上の困難性を伴
うため、ケ−ブルリ−ルのト−タルコストが高くなると
いう問題もあった。
【0006】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたものであって、その目的は、必要とされる
ケ−ブルの長さを格段に短くすることができるばかりで
なく、ケ−ブルの座屈および曲げ疲労による破断を防止
することのできるケ−ブルリ−ルを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、固定体と可動体との間に画成されるケ−ブル収納部
に同心円状の固定側ケ−ブル収納溝と可動側ケ−ブル収
納溝とを対向して設け、複数本の線状ケ−ブルからなる
ケ−ブルを、互いに分離独立した状態で前記固定側ケ−
ブル収納溝と前記可動側ケ−ブル収納溝のいずれか一方
に巻回すると共に、その残部を反転していずれか他方に
逆向きに巻回し、かつ、回動中立位置における前記ケ−
ブルの反転部の曲率半径が大きくなるように構成するこ
とによって達成される。
【0008】また、上記した本発明の目的は、固定体と
可動体のいずれか一方に設けた内筒部といずれか他方に
設けた外筒部との間に、ケーブルを反転部を介して逆向
きに巻回すると共に、回動中立位置における前記ケーブ
ルの反転部の曲率半径が大きくなるように構成すること
によって達成される。
【0009】
【作用】ケ−ブルリ−ルを自動車のステアリング装置に
組付けるのに際し、ステアリングホイ−ルは回転可動範
囲のセンタでの使用がほとんどであるため、ステアリン
グホイ−ルに連動して回転する可動体も使用中ほとんど
回動中立位置にある。この場合、ケ−ブル収納部に巻回
されたケ−ブルにはその反転部に曲げ応力が作用するも
のの、該反転部の曲率半径が大きくなるよう工夫してあ
るため、ケ−ブルの反転部が座屈し、あるいは曲げ疲労
によって破断するおそれはなくなる。
【0010】使用に際しては、ステアリングホイ−ルに
連結された可動体を正逆いずれかの方向へ回転すると、
ケ−ブルはその反転部が同方向へ移動することにより、
巻き締め方向あるいは巻き戻し方向へと繰り出される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1および図2は本発明の第1実施例に係るケ−ブ
ルリ−ルの分解斜面図、図3はその平面図、図4はその
縦断面図、図5は上ケ−スの底面図、図6はギヤの収納
状態を示す斜視図、図7は可撓性ケーブルの巻回状態を
示す説明図、図8は可撓性ケーブルの動作説明図であ
る。
【0012】図1ないし図4に示すように、ケ−ブルリ
−ルは、下ケース1と、この下ケ−ス1に対して回動自
在に保持された上ケ−ス2と、これら両ケ−ス1,2間
に回動自在に挾持されたスペ−サ3と、このスペ−サ3
を回転駆動するためのギヤ4と、両ケ−ス1,2間に巻
回された線状の可撓性ケーブル5とで概略構成されてい
る。
【0013】下ケ−ス1は、中央にセンタ孔6が開設さ
れた底板7と、この底板7の内・外周に立設された内筒
部8と外筒部9とを有し、全体的に有底円筒状に形成さ
れている。前記底板7には、前記センタ孔6を中心とす
る複数条の突堤10が同心円状に立設されており、隣接
する突堤10によって複数(本実施例では5条)の同心
円状の第1ケ−ブル収納溝11が形成されている。これ
ら第1ケ−ブル収納溝11の底部にはそれぞれケ−ブル
導出孔27(図7参照)が穿設されており、また、最外
周の突堤10と外筒部9との間に位置する底板7には、
後述するギヤ4と噛合する第1のラック12が平面視リ
ング状に形成されている。
【0014】図1および図5に示すように、上ケ−ス2
は、中央にセンタ孔13が開設された天板14を有し、
前記内筒部8の内側にスナップ結合することにより、前
記下ケ−ス1に回動自在に連結されている。前記天板1
4には、前記センタ孔13を中心とする複数状の突堤1
5が同心円状に垂設されており、隣接する突堤15によ
って複数条(本実施例では5条)の同心円状の第2のケ
−ブル収納溝16が形成されている。この第2ケ−ブル
収納溝16と前記第1ケ−ブル収納溝11とは後述する
スペ−サ3を介して対峙しており、各第2ケ−ブル収納
溝16の上部にもケ−ブル導出孔17が穿設されてい
る。さらに、前記天板14の周縁には平面視リング状の
第2のラック18が形成されており、ギヤ4はこの第2
のラック18とも噛合するようになっている。
【0015】スペ−サ3は合性樹脂成形体等の滑性に優
れた材料からなり、円盤状の一部に開口19を有する形
状を呈しており、前記下ケ−ス1の第1ケ−ブル収納溝
11と前記上ケ−ス2の第2ケ−ブル収納溝16との間
に回転可能に挾持されている。図6に示すように、前記
開口19には2本の腕を有する軸状体20が挿入されて
おり、各腕に第1のロ−ラ21と第2のロ−ラ22がそ
れぞれ回転自在に軸支されている。この第1のロ−ラ2
1の一端には前記ギヤ4が圧入固定されており、前述し
たように、このギヤ4は前記第1および第2のラック1
2,18とそれぞれ噛合するようになっている。
【0016】可撓性ケーブル5は、導線を絶縁体で被覆
した丸線ケーブルと呼ばれるものからなり、本実施例の
場合は5本の丸線ケーブルが使用されている。図4およ
び図7に示すように、これら可撓性ケーブル5は、前記
下ケ−ス1の各第1ケ−ブル収納溝11内にそれぞれ巻
回され、その一端が前記開口19を通り前記第2のロ−
ラ22で約半周反転され(以下、これを反転部5aとい
う)、他端が前記上ケ−ス2の対向する各第2ケ−ブル
収納溝16に沿って巻回されている。これら可撓性ケー
ブル5の一端はケ−ブル導出孔27を介して下ケ−ス1
の外部に導出され、下ケ−ス1の底板7下面に取付けら
れたホルダ23内でクランク状に折曲げられて固定され
たのち、一まとめに束ねられて下部コネクタ24に接続
されている。一方、これら可撓性ケーブル5の他端は、
ケ−ブル導出孔17を介して上ケ−ス2の外部に導出さ
れ、上ケ−ス1の天板14上面に取付けられたホルダ2
5内でクランク状に折曲げられて固定されたのち、一ま
とめに束ねられて上部コネクタ26に接続されている。
なお、図7に示すように、可撓性ケーブル5の両端の導
出部分には、ケ−ブル導出孔17,27に向けてほぼ直
角に折り曲げている関係で半ル−プ状に膨出する引出部
5bが形成されている。
【0017】次に、前記下ケ−ス1を固定体として用
い、前記上ケ−ス2を可動体として用いた場合を例にと
って、上記実施例に係るケ−ブルリ−ルの動作を主に図
8に基づいて説明する。なお、図8は各可撓性ケーブル
5の1つを模式的に示したものであり、下ケ−ス1や上
ケ−スあるいはスペ−サ3等については図示省略してあ
る。
【0018】図8(a)は、1本の可撓性ケーブル5が
下ケ−ス1の第1ケ−ブル収納溝11と上ケ−ス2の第
2ケ−ブル収納溝16とにほぼ同量ずつ巻回された中立
状態を示し、ケ−ブルリ−ルはそれが組付けられるステ
アリング装置との関係で(すなわち、ステアリングホイ
−ルは回転可能範囲のセンタ付近での使用がほとんどで
ある)、かかる中立状態での使用頻度が最も高い。この
場合、図7に示すように、可撓性ケーブル5の反転部5
aは両端の引出部5bから充分に離れるよう設定されて
おり、引出部5bによって反転部5aが押圧されないよ
う工夫されている。
【0019】図8(a)の中立状態から上ケ−ス2を時
計回り方向(同図の矢印A方向)に所定量回転すると、
下ケ−ス1と上ケ−ス2のそれぞれのラック12,18
と噛合するギヤ4は、反時計回り方向(矢印B方向)に
自転しながら矢印A方向に上ケ−ス2の回転量の半量だ
け公転し、ギヤ4を軸支するスペ−サ3は該ギヤ4によ
って矢印A方向に同量だけ回転駆動される。また、第2
のロ−ラ22に約半周巻回された可撓性ケーブル5の反
転部5aもスペ−サ3と同量(すなわち上ケ−ス2の回
転量の半量)だけ矢印A方向に移動し、該移動に等しい
長さの可撓性ケーブル5が上ケ−ス2の第2ケ−ブル収
納溝16を出て下ケ−ス1の第1ケ−ブル収納溝11に
巻き込まれる。
【0020】このように、上ケ−ス2を矢印A方向にN
回転すると、スペ−サ3とギヤ4および第2のロ−ラ2
2はN/2回転し、N/2周分の可撓性ケーブル5が第
2ケ−ブル収納溝16から開口19を通って第1ケ−ブ
ル収納溝11内に巻き込まれる。以下、図8(b)に示
すように、上ケ−ス2の第2ケ−ブル収納溝16内に巻
回された可撓性ケーブル5の全てが下ケ−ス1の第1ケ
−ブル収納溝11内に巻き込まれるまで、すなわち上ケ
−ス2に巻回された可撓性ケーブル5の巻回数の2倍に
わたり上ケ−ス2を矢印A方向に回転することができ、
上ケ−ス2は当該位置が時計回り方向の終端位置とな
る。
【0021】上記とは逆に、図8(a)の状態から、上
ケ−ス2を反時計回り方向(矢印C方向)に回転する
と、ギヤ4は時計回り方向(矢印Bと反対方向)に自転
しながら上ケ−ス2の回転量の半量だけ矢印C方向に公
転し、図8(c)に示すように、ギヤ4の公転量に等し
い長さの可撓性ケーブル5が下ケ−ス1の第1ケ−ブル
収納溝11から開口19を通って上ケ−ス2の第2ケ−
ブル収納溝16に巻き込まれる。
【0022】なお、上記動作中、可撓性ケーブル5の反
転部5aが引出部5bを通過した際に、該引出部5bに
押圧されて反転部5aの曲率半径が小さくなるものの、
その頻度は極めて少なく、引出部5bによって反転部5
aが座屈するおそれはなく、曲げ疲労による破断を起こ
すおそれもない。
【0023】このように、上記一実施例にあっては、必
要とされる回転量の約半周分の可撓性ケーブル5を備え
れば良いので、従来品に比べて可撓性ケーブル5を極端
に短くすることができ、しかも可撓性ケーブル5として
安価な丸線ケーブルを使用することができ、ケ−ブルリ
−ルのト−タルコスト大幅に下げることが可能になる。
また、使用する可撓性ケーブル5の長さが短いことか
ら、ケ−ブル収納部の直径を小さくすることができ、ケ
−ブルリ−ルの小型化に有利である。
【0024】また、下ケ−ス1と上ケ−ス2の対向面に
それぞれ溝間ピッチが同じ同心円状の第1ケ−ブル収納
溝11と第2ケ−ブル収納溝16を形成し、これらケ−
ブル収納溝11,16間にスペ−サ−3を介設したた
め、各可撓性ケーブル5同志がからみ合うことを防止で
きるのは勿論のこと、一本の可撓性ケーブル5について
もこれが第1ケ−ブル収納溝11と第2ケ−ブル収納溝
16間でからみ合うことをも防止でき、可撓性ケーブル
5の巻き込み、巻き戻しを円滑に行うことができる。
【0025】さらに、スペ−サ3にギヤ4を軸支し、こ
のギヤ4を下ケ−ス1と上ケ−ス2に形成したリング状
のラック12,18にそれぞれ噛合したため、可撓性ケ
ーブル5の反転部5aの動きにスペ−サ3を追従させる
ことができ、それ故、可撓性ケーブル5に無理な力が作
用することはなく、この点からも可撓性ケーブルの巻き
込み、巻き戻しを円滑に行うことができる。
【0026】図9は本発明の他の実施例に係るケ−ブル
リ−ルの要部断面図であり、図1ないし図8に対応する
部分には同一符号を付してある。
【0027】この第2実施例が前述した第1実施例と異
なる点は、可撓性ケーブル5の長さ方向中央部に補強チ
ュ−ブ28を被せたことにあり、その余の構成は基本的
に同じである。本実施例によれば、使用頻度が最も多い
中立状態における可撓性ケーブル5の反転部5aの剛性
を補強チュ−ブ28によって高めることができ、換言す
ると、補強チュ−ブ28の剛性を利用して反転部5aの
曲率半径を大きくすることができ、それ故、可撓性ケー
ブル5の座屈防止効果および曲げ疲労防止効果が一層確
実なものとなる。なお、可撓性ケーブル5の反転部5a
の剛性を高める手段として、上記補強チュ−ブ28に代
え、可撓性ケーブル5自身の被覆チュ−ブを部分的に厚
くしたり、他の補強材を可撓性ケーブル5自身の被覆チ
ュ−ブの内・外に設けても良い。
【0028】図10は本発明のさらに他の実施例に係る
ケ−ブルリ−ルの要部断面図であり、図1ないし図8に
対応する部分には同一符号を付してある。
【0029】この第3実施例が前述した第1および第2
実施例と異なる点は、下ケ−ス1の底板7と上ケ−ス2
の天板14とに外方へ湾曲して突出する膨出部29をそ
れぞれ設け、中立状態における可撓性ケーブル5の反転
部5aが両膨出部29の間に位置するようにしたことに
あり、その余の構成は基本的に同じである。本実施例に
あっては、中立位置における可撓性ケーブル5の反転部
5aの曲率半径を膨出部29によって大きくすることが
できるため、この場合も可撓性ケーブル5の座屈防止効
果および曲げ疲労防止効果を確実なものにすることがで
きる。
【0030】なお、上記各実施例では、第1および第2
ケ−ブル収納溝11,16を下ケ−ス1と上ケ−ス2に
それぞれ一体成形した場合について説明したが、スペ−
サ3の上下両面に突堤10,15を一体成形することに
より、両ケ−ブル収納溝11,16をスペ−サ3に設け
ることも可能であり、あるいは両ケ−ブル収納溝11,
16のいずれか一方をスペ−サ3に設けることも可能で
ある。
【0031】また、上記各実施例では、スペ−サ3の駆
動手段としてギヤ4と第1および第2のラック12,1
8とを用いた場合について説明したが、これに代えて、
例えばゴムロ−ラをスペ−サ3に軸支し、このゴムロ−
ラを下ケ−ス1と上ケ−ス2の対向面に転接させること
も可能である。
【0032】さらに、上記実施例では、5本の可撓性ケ
ーブル5とこれと同数条の第1および第2ケ−ブル収納
溝11,16を用いた場合について説明したが、これら
の数が限定されるものでないことはいうまでもない。ま
た、複数の可撓性ケーブルの巻回方向を全て同じにする
必要はなく、これらの巻回方向を正逆2通りにすること
も可能であり、この場合は可撓性ケーブルによってスペ
−サを回転駆動することができるため、上記ギヤ4やロ
−ラ等の駆動部材は不要となる。
【0033】図11は本発明の第4実施例に係るケーブ
ルリールの一部を破断して示す分解斜視図、図12はそ
のケーブルリールの上ケースの一部を省略して示す平面
図、図13はそのケーブルリールの縦断面図である。
【0034】これらの図に示すように、本実施例に係る
ケーブルリールは、下ケース30と、この下ケース30
に対して回動自在に保持された上ケース31と、両ケー
ス30,31間に巻回された可撓性ケーブル32とで概
略構成されている。
【0035】下ケース30は、中央にセンタ孔33が開
設された底板34と、この底板34の外周に立設された
外筒部35とを有し、全体的に有底円筒状に形成されて
いる。一方、上ケース31は中央に内筒部36が垂設さ
れた天板37を有し、内筒部36が前記センタ孔33
に、天板37の外縁が外筒部35にそれぞれガイドされ
ることにより、下ケース30に対して回動自在に連結さ
れており、下ケース30の底板34および外筒部35と
上ケース31の天板37および内筒部36とで平面視リ
ング状のケーブル収納用空間38が画成されている。
【0036】可撓性ケーブル32は、互いに平行な導線
を一対の絶縁フィルムでラミネートしたフラットケーブ
ルと呼ばれるものからなり、本実施例の場合は5本の導
線を埋設したフラットケーブルが使用されている。図1
2に示すように、可撓性ケーブル32の一端は前記外筒
部35の内壁に固定された第1のコネクタ39に接続さ
れ、該第1のコネクタ39を介して下ケース30の外部
に導出されている。一方、可撓性ケーブル32の他端は
前記内筒部36に固定された第2のコネクタ40に接続
され、該第2のコネクタ40を介して上ケース31の外
部に導出されている。また、可撓性ケーブル32は、第
1のコネクタ39から外筒部35の内壁に反時計方向に
巻回され、そこからU字状に反転し(以下、これを反転
部32aという)、さらに内筒部36の外壁周りに時計
方向に巻回されて第2のコネクタ40に至るよう、前記
空間38内に収納されている。この場合、外筒部35の
内壁に巻回される可撓性ケーブル32は、第1のコネク
タ39に対峙する部分のみが内方に幾分偏った状態で巻
回される。
【0037】次に、前記下ケース30を固定体として用
い、前記上ケース31を可動体として用いた場合を例に
とって上記第4実施例に係るケーブルリールの動作を説
明する。
【0038】図12は、可撓性ケーブル32が下ケース
30の外筒部35と上ケース31の内筒部36とに巻回
された中立状態を示し、この場合、可撓性ケーブル32
の反転部32aは第1および第2のコネクタ39,40
から充分に離れるよう設定されており、第1のコネクタ
39によって反転部32aが押圧されないよう工夫され
ている。図12に示す中立状態から上ケース31を時計
方向に回転すると、可撓性ケーブル32の反転部32a
は上ケース31よりも少ない回動量だけ時計方向に移動
し、該移動量に等しい長さの可撓性ケーブル32が外筒
部35側から繰り出されて内筒部36側に巻き締めされ
る。以下、外筒部35に巻回された可撓性ケーブル32
の全てが内筒部36に巻き締めされるまで上ケース31
を時計方向に回転することができ、上ケース31は当該
位置が時計回り方向の終端位置となる。
【0039】上記とは逆に、図12に示す位置から上ケ
ース31を反時計方向に回転すると、可撓性ケーブル3
2の反転部32aは上ケース31よりも少ない回動量だ
け反時計方向に移動し、該移動量に等しい長さの可撓性
ケーブル32が内筒部36側から繰り出されて外筒部3
5側に巻き戻される。以下、内筒部36に巻回された可
撓性ケーブル32の全てが外筒部35に巻き戻されるま
で上ケース31を反時計方向に回転することができ、上
ケース31は当該位置が反時計回り方向の終端位置とな
る。
【0040】なお、上記動作中、可撓性ケーブル32の
反転部32aが第1のコネクタ39を通過した際に、該
第1のコネクタ39に押圧されて反転部32aの曲率半
径が幾分小さくなるものの、その頻度は少なく、第1の
コネクタ39によって反転部32aが座屈するおそれは
なく、曲げ疲労によって破断するおそれもない。
【0041】このように上記第4実施例にあっては、可
撓性ケーブル32を反転部32aを介して外筒部35と
内筒部36とに逆向きに巻回してなるため、必要とされ
る可撓性ケーブル32の長さを極端に短くすることがで
き、その結果、トータルコストの低減化が図れると共に
小型化に有利となる。
【0042】図14は本発明の他の実施例に係るケーブ
ルリールの上ケースの一部を省略して示す平面図であ
り、図11ないし図13に対応する部分には同一符号を
付してある。
【0043】この第5実施例が前述した第4実施例と異
なる点は、回動中立位置における可撓性ケーブル32の
反転部32aに補強チューブ41を被せて補強部を設け
たことにあり、その余の構成は基本的に同じである。本
実施例によれば、使用頻度が最も多い中立状態における
可撓性ケーブル32の反転部32aの剛性を補強チュー
ブ41によって高めることができ、換言すると、補強チ
ューブ41の剛性を利用して反転部32aの曲率半径を
大きくすることができ、それ故、可撓性ケーブル32の
座屈防止効果および曲げ疲労防止効果が一層確実なもの
となる。なお、この場合も、可撓性ケーブル32の反転
部32aの剛性を高める手段として、上記補強チューブ
41に代え、可撓性ケーブル32自身の被覆チューブを
部分的に厚くしたり、他の補強材を可撓性ケーブル5自
身の被覆チューブの内・外に設けて補強部としても良
い。
【0044】図15は本発明のさらに他の実施例に係る
ケーブルリールの上ケースの一部を省略して示す平面図
であり、図11ないし図13に対応する部分には同一符
号を付してある。
【0045】この第6実施例が前述した第4および第5
実施例と異なる点は、下ケース30の外筒部35に外方
へ湾曲して突出する膨出部35aを設け、中立状態にお
ける可撓性ケーブル32の反転部32aの一部が膨出部
35a内に位置するようにしたことにあり、その余の構
成は基本的に同じである。本実施例にあっては、中立位
置における可撓性ケーブル32の反転部32aの曲率半
径を膨出部35aによって大きくすることができるた
め、この場合も可撓性ケーブル32の座屈防止効果およ
び曲げ疲労防止効果を確実なものにすることができる。
なお、外筒部35に膨出部35を設ける代りに、上ケー
ス31の内筒部36に中心方向へ湾曲して突出する膨出
部を設け、中立状態における可撓性ケーブル32の反転
部32aの一部がこの膨出部内に位置するようにしても
良く、あるいは、これら外筒部35側の膨出部35aと
内筒部36側の膨出部とを併用しても良い。
【0046】また、上記第4ないし第6実施例では、可
撓性ケーブル32の一例としてフラットケーブルを挙げ
たが、それの代りに、第1ないし第3実施例で例示した
丸線ケーブルと呼ばれる可撓性ケーブルを用いることも
可能であり、この場合は、必要とされる回路数に応じて
複数本の丸線ケーブルを帯状に一体化すれば良い。
【0047】さらに、上記第1ないし第6実施例では、
下ケース1(または30)を固定体とし、上ケース2
(または31)を可動体として用いた場合について説明
したが、これとは反対に、上ケースを固定体とし、下ケ
ースを可動体として用いることも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
必要とされるケ−ブルの長さを格段に短くすることがで
きると共に、回動中立位置におけるケーブルの反転部の
曲率半径を大きくすることにより、ケ−ブルが座屈して
破断することを防止でき、安価で信頼性の高いケ−ブル
リ−ルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るケ−ブルリ−ルの分
解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るケーブルリールの分
解斜視図である。
【図3】図1および図2に示すケーブルリールの平面図
である。
【図4】図3の縦断面図である。
【図5】図1に示す上ケ−スの底面図である。
【図6】ギヤの収納状態を示す斜視図である。
【図7】可撓性ケーブルの巻回状態を示す説明図であ
る。
【図8】可撓性ケーブルの動作説明図である。
【図9】本発明の第2実施例に係るケ−ブルリ−ルの要
部断面図である。
【図10】本発明の第3実施例に係るケ−ブルリ−ルの
要部断面図である。
【図11】本発明の第4実施例に係るケーブルリールの
分解斜視図である。
【図12】図11に示すケーブルリールの上ケースの一
部を省略して示す平面図である。
【図13】図11に示すケーブルリールの縦断面図であ
る。
【図14】本発明の第5実施例に係るケーブルリールの
上ケースの一部を省略して示す平面図である。
【図15】本発明の第6実施例に係るケーブルリールの
上ケースの一部を省略して示す平面図である。
【符号の説明】
1,30 下ケ−ス(固定体) 2,31 上ケ−ス(可動体) 3 スペ−サ 4 ギヤ 5,32 可撓性ケーブル 5a,32a 反転部 5b 引出部 10,15 突堤 11 第1ケ−ブル収納溝(固定側ケ−ブル収納溝) 12 第1のラック 16 第2ケ−ブル収納溝(可動側ケ−ブル収納溝) 17,27 ケ−ブル導出孔 18 第2のラック 19 開口 28,41 補強チュ−ブ(補強層) 29,35a 膨出部 35 外筒部 36 内筒部 38 空間 39 第1のコネクタ 40 第2のコネクタ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定体と、この固定体に対して回動自在
    に装着された可動体と、これら固定体および可動体によ
    って画成されるケ−ブル収納部に収納されたケ−ブルと
    を備え、前記ケ−ブルの一端を前記固定体に固定して外
    部に導出すると共に他端を前記可動体に固定して外部に
    導出するケ−ブルリ−ルにおいて、前記ケ−ブル収納部
    に同心円状の固定側ケ−ブル収納溝と可動側ケ−ブル収
    納溝とを対向して設け、複数本の線状ケ−ブルからなる
    前記ケ−ブルを、互いに分離独立した状態で前記固定側
    ケ−ブル収納溝と前記可動側ケ−ブル収納溝のいずれか
    一方に巻回すると共に、その残部を反転していずれか他
    方に逆向きに巻回し、かつ、前記ケ−ブルの外部への各
    導出部を回動中立位置におけるケ−ブルの反転部に対し
    てずらしたことを特徴とするケ−ブルリ−ル。
  2. 【請求項2】 固定体と、この固定体に対して回動自在
    に装着された可動体と、これら固定体および可動体によ
    って画成されるケ−ブル収納部に収納されたケ−ブルと
    を備え、前記ケ−ブルの一端を前記固定体に固定して外
    部に導出すると共に他端を前記可動体に固定して外部に
    導出するケ−ブルリ−ルにおいて、前記ケ−ブル収納部
    に同心円状の固定側ケ−ブル収納溝と可動側ケ−ブル収
    納溝とを対向して設け、複数本の線状ケ−ブルからなる
    前記ケ−ブルを、互いに分離独立した状態で前記固定側
    ケ−ブル収納溝と前記可動側ケ−ブル収納溝のいずれか
    他方に逆向きに巻回し、かつ、回動中立位置における前
    記ケ−ブルの反転部に他の部分に比べて剛性の高い補強
    層を設けたことを特徴とするケ−ブルリ−ル。
  3. 【請求項3】 固定体と、この固定体に対して回動自在
    に装着された可動体と、これら固定体および可動体によ
    って画成されるケ−ブル収納部に収納されたケ−ブルと
    を備え、前記ケ−ブルの一端を前記固定体に固定して外
    部に導出すると共に他端を前記可動体に固定して外部に
    導出するケ−ブルリ−ルにおいて、前記ケ−ブル収納部
    に同心円状の固定側ケ−ブル収納溝と可動側ケ−ブル収
    納溝とを対向して設け、複数本の線状ケ−ブルからなる
    前記ケ−ブルを、互いに分離独立した状態で前記固定側
    ケ−ブル収納溝と前記可動側ケ−ブル収納溝のいずれか
    一方に巻回すると共に、その残部を反転していずれか他
    方に逆向きに巻回し、かつ、前記固定体と前記可動体の
    それぞれの対向面に外方へ突出する膨出部を設け、この
    膨出部内に回動中立位置における前記ケ−ブルの反転部
    が位置するように構成したことを特徴とするケ−ブルリ
    −ル。
  4. 【請求項4】 固定体と、この固定体に対して回動自在
    に装着された可動体と、これら固定体および可動体によ
    って画成されるケーブル収納部に収納されたケーブルと
    を備え、前記ケーブルの一端を前記固定体に固定して外
    部に導出すると共に他端を前記可動体に固定して外部に
    導出するケーブルリールにおいて、前記ケーブルを前記
    固定体と可動体のいずれか一方に設けた内筒部といずれ
    か他方に設けた外筒部とに反転部を介して逆向きに巻回
    し、かつ、前記ケーブルの外部への各導出部を回動中立
    位置におけるケーブルの反転部に対してずらしたことを
    特徴とするケーブルリール。
  5. 【請求項5】 固定体と、この固定体に対して回動自在
    に装着された可動体と、これら固定体および可動体によ
    って画成されるケーブル収納部に収納されたケーブルと
    を備え、前記ケーブルの一端を前記固定体に固定して外
    部に導出すると共に他端を前記可動体に固定して外部に
    導出するケーブルリールにおいて、前記ケーブルを前記
    固定体と可動体のいずれか一方に設けた内筒部といずれ
    か他方に設けた外筒部とに反転部を介して逆向きに巻回
    し、かつ、回動中立位置における前記ケーブルの反転部
    に他の部分に比べて剛性の高い補強部を設けたことを特
    徴とするケーブルリール。
  6. 【請求項6】 固定体と、この固定体に対して回動自在
    に装着された可動体と、これら固定体および可動体によ
    って画成されるケーブル収納部に収納されたケーブルと
    を備え、前記ケーブルの一端を前記固定体に固定して外
    部に導出すると共に他端を前記可動体に固定して外部に
    導出するケーブルリールにおいて、前記ケーブルを前記
    固定体と可動体のいずれか一方に設けた内筒部といずれ
    か他方に設けた外筒部とに反転部を介して逆向きに巻回
    し、かつ、前記内筒部と外筒部の少なくとも一方の周面
    ケーブル収納部の径方向の寸法を拡げる拡幅部を設
    け、この拡幅部内に回動中立位置における前記ケーブル
    の反転部が位置するようにしたことを特徴とするケーブ
    ルリール。
JP3139416A 1990-04-14 1991-05-16 ケ−ブルリ−ル Expired - Fee Related JP2698234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4121137A DE4121137C3 (de) 1990-04-14 1991-06-26 Verbindungseinrichtung mit einem nach Art einer Uhrfeder angeordnetem elektrischen Kabel

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6219590 1990-04-14
JP2-62195 1990-06-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04226282A JPH04226282A (ja) 1992-08-14
JP2698234B2 true JP2698234B2 (ja) 1998-01-19

Family

ID=13193127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3139416A Expired - Fee Related JP2698234B2 (ja) 1990-04-14 1991-05-16 ケ−ブルリ−ル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2698234B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6439495B1 (en) * 1999-09-24 2002-08-27 Methode Electronics, Inc. Loop back clockspring having adhesive layer
KR20220057535A (ko) * 2019-09-05 2022-05-09 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 회전 커넥터 장치 및 회전 커넥터 장치용 플랫 케이블 조립체

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04226282A (ja) 1992-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2826009B2 (ja) ケーブルリール
US5224871A (en) Clock spring connector
JPH0321544A (ja) 配線装置
US5277604A (en) Clock spring connector
JP3016898B2 (ja) ケーブルリール
KR0155026B1 (ko) 클럭 스프링 커넥터
JP2698234B2 (ja) ケ−ブルリ−ル
US5304071A (en) Clock spring
US5127841A (en) Clock spring
JPH0752140Y2 (ja) ケーブルリール
JP3408949B2 (ja) 回転コネクタ
US5669777A (en) Rotary connector
US6302716B1 (en) Rotatable connector
JP3037784B2 (ja) ケーブルリール
JP3037789B2 (ja) ケーブルリール
JP2774724B2 (ja) ケーブルリール
JPH0917542A (ja) 回転コネクタ
JP2702626B2 (ja) ケーブルリール
JP2999578B2 (ja) ケーブルリール
JP3717309B2 (ja) 回転コネクタ
JP2999593B2 (ja) ケーブルリール
JP2774720B2 (ja) ケーブルリール
JP2999584B2 (ja) ケーブルリール
JPH0738299Y2 (ja) ケーブルリール
JP2999583B2 (ja) ケーブルリール

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970902

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees