JP2697955B2 - パルス溶接装置 - Google Patents

パルス溶接装置

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JP2697955B2 JP50366090A JP50366090A JP2697955B2 JP 2697955 B2 JP2697955 B2 JP 2697955B2 JP 50366090 A JP50366090 A JP 50366090A JP 50366090 A JP50366090 A JP 50366090A JP 2697955 B2 JP2697955 B2 JP 2697955B2
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要一郎 田畑
成夫 殖栗
至宏 植田
正紀 水野
義明 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 パルス放電を利用した溶接装置すなわちパルス溶接装
置に関し、さらに詳しくは放電電極の溶融、離脱等の特
有現象に規則性や制御性を持たせて良質な溶接を得るよ
うにしたパルス溶接装置に関するものである。
背景技術 アーク溶接装置の一例として、パルスアーク溶接装
置、短絡移行アーク溶接装置、又、特に複数個のパルス
集団から構成されるパルス電流群を使用したパルスアー
ク溶接装置があるが、前者のパルスアーク溶接装置は消
耗溶接ワイヤ電極(以下、単に「ワイヤ電極」とい
う。)と被溶接物間にパルスアーク電流を生成し、その
ときに発生するパルスアーク放電の熱によって被溶接物
およびワイヤ電極を溶融するとともに、その溶融したワ
イヤ電極をパルスアーク放電の電磁ピンチ力により被溶
接部へ移行し溶接する装置であり、又、後者のパルスア
ーク溶接装置はパルス電流波形を複数個のパルス電流で
構成し、このパルス電流群を周期的に繰り返す放電電流
波形として1つのパルスを複数個のパルスに分割し、こ
のパルス電流波形の分割によってワイヤ電極におけるパ
ルスアーク放電の上向きの電磁力が断続的となり、ワイ
ヤ電極の先端に形成された溶融塊を持ち上げる力を緩和
する作用をさせるものである。
また短絡移行アーク溶接装置は短絡とアークを周期的
に繰り返しワイヤ電極と被溶接物間にアーク電流を生成
したときに発生するアーク放電の熱によって被溶接物お
よびワイヤ電極を溶融し、その後被溶接物とワイヤ電極
を短絡させることによりワイヤ電極の先端に形成した溶
融塊を被溶接物へ短絡移行し溶接する装置である。
次に前者におけるパルスアーク溶接装置について具体
的に述べると、第53図(a)は例えば日本国特開昭57−
19177号公報に示された従来のパルスアーク溶接装置の
構成図である。図において、(92)は直流電源、(93)
はスイッチング素子であり、この機能としては、直流電
源(92)から供給される電流をON−OFFすることにより
パルス状の電流波形を形成させるパワートランジスタ素
子からなり、電流をチョッパー制御するものである。
又、アーク負荷を構成するものとして溶接トーチ(5
1)、溶加材をワイヤ状にしてワイヤリールから送給さ
れるワイヤ電極(52)、アーク放電(53)、被溶接物
(46)被溶接物(54)がある。(93)は上記パルスとパ
ルスの間でアーク切れが発生するのを防止するための連
続したベース電流を供給するためのベース電流出力器、
(94)はスイッチング素子(95)を制御してパルス電流
のパルス周波数およびそのパルス幅をあらかじめ設定し
た値に制御する制御回路、(6)は電流iを検出するた
めの電流検出器である。
次にこのパルスアーク溶接装置の作用について説明す
る。
一般に、パルスアーク溶接装置は、直流アーク溶接装
置に比べて平均電流が小さい場合でも、パルスアーク電
流でワイヤ電極(52)の先端を溶融し、かつ溶融したワ
イヤ電極先端部をパルスアーク電流の電磁ピンチ力で離
脱させるため、直流アーク溶接装置より平均電流が低い
溶接が行え、より薄い溶接物の溶接ができ、しかもワイ
ヤ電極先端部を電磁ピンチ力で空間中で離脱が行えるこ
とにより、溶接中に発生する『スパッタ』をなくするこ
とができるというメリットがある。
第54図(a)はそのパルスアーク電流波形の一例を示
したものであり、ワイヤ電極の材質を軟鋼、ワイヤ電極
径を1.2mmφ、雰囲気ガスをアルゴンガスに20%CO2ガス
を混合した場合のパルスアーク電流波形の例である。
次に短絡移行アーク溶接装置について具体的に述べる
と、第53図(b)は例えば日本国特公昭62−54585号公
報に示された従来の短絡移行溶接装置の構成図である。
図において、(7)はワイヤ電極(52)と被溶接物
(54)間の電圧Vを検出する電圧検出器、(94a)は電
圧検出器(7)で検出した電圧Vと短絡に相当する電圧
Vo(短絡時の電圧または短絡直前の電圧)との大きさを
比較し、V≦Voになったときスイッチ指令回路(94c)
にスイッチング素子(95)をONとすべき指令信号を与え
る短絡状態を判断する第1の判断器、(94b)は電圧検
出器(7)で検出した電圧Vとアーク再生に相当する電
圧Vaとの大きさを比較し、V≧Vaとなったときスイッチ
指令回路(94c)にスイッチング素子(95)をOFFとすべ
き指令信号を与えるアーク再生状態を判断する第2の判
断器、第54図(b)はこの溶接機での電流波形図であ
る。
次にこの動作について説明する。最初に、直流電源回
路(92)およびベース電流出力器(93)の入力スイッチ
(図示していない)を入れた状態でワイヤ電極(52)の
先端を被溶接物(54)に短絡させる。電圧検出器(7)
の検出電圧Vは短絡に相当する電圧Voより小さいので
(V≦Vo)、第1の判断器(94a)が働き、スイッチ指
令回路(94c)にON指令信号が送出され、続いてスイッ
チ指令回路(94c)から、トリガー信号が送出され、ス
イッチング素子(95)が閉られ、直流電源回路(92)か
ら電流が通電される。この電流はワイヤ電極(52)が焼
き切れ、アークが発生するまで流れ、電圧検出器(7)
の検出電圧Vは短絡電圧からアーク電圧まで上昇する。
そうすると第1の判断器(94a)の動作が停止され、や
がて検出電圧Vがアーク再生に相当する電圧Vaより大き
くなると(V≧Va)、第2の判断器(94b)が働き、ス
イッチ指令回路(94c)にOFF指令信号が送出され、スイ
ッチ指令回路(94c)からのトリガー信号が切れ、スイ
ッチング素子(95)が開かれ、電流はリアクトル(1b)
によって減衰し、ベース電流出力器(93)から供給する
電流のみとなる。
このようにして、1回目のアーク期間Bでワイヤ電極
と母材の加熱溶融が行なわれるとともに、溶接ワイヤ
(52)が送給モータでトーチ(51)に送給され、溶融し
たワイヤ先端(52)が母材に短絡して再びスイッチング
素子(95)が閉じ直流電源回路(92)から電流が供給さ
れ、溶融したワイヤ電極(52)の母材(54)への移行が
終了する。このような動作を繰返すことにより第54図
(b)に示したような電流波形が得られ、安定した溶接
状態が維持される。
前者のパルスアーク溶接で良質の溶接を得るには、溶
接中に発生する溶接物の飛散(スパッタ)がなく、溶接
ビード形状の欠陥であるアンダーカットを防ぎ、離脱す
る溶融塊の大きさを略均一にする必要がある。そのため
スパッタをなくするにはワイヤ電極と被溶接物との接触
(短絡)を起こさせないこと、またアンダーカットを防
ぐにはアーク長を短くすることが必要である。この2つ
の要件を両立させるためには、離脱できる溶融塊の細粒
化(スプレー移行)を図ることが肝要である。さらに、
離脱した溶融塊の大きさを均一にするには、パルスアー
ク電流波形として同一のパルス形状のものを周期的に繰
り返すことによって解決することができる。
ところで、アルゴンガスと20%CO2ガスの混合ガス雰
囲気中においてのアーク溶接ではワイヤ電極に形成した
溶融塊に対してアークの広がりが十分大きいため第54図
(a)のような単純パルスの周期的な繰り返しで細粒化
した溶融塊を規則的に離脱させることができ、良質な溶
接が行なえるが100%CO2ガスの雰囲気中においてのアー
ク溶接では、溶融塊に対してアークの拡がりが小さいた
め、第54図(a)のような単純パルスでは第55図
(a),(b)現象になり良好な溶接が行なえない。つ
まり、同図(b)のようにベース電流IBを低く設定して
パルス幅τを長くすれば、パルス電流による電磁力Fが
上向きに働き、ワイヤ電極(52)先端の溶融塊(52a)
の形状はPoの状態からPb1の状態のように溶融塊(52a)
が持ち上げられ、その後Pb2の状態のようにパルス電流
によって溶融塊(52a)を離脱することができるが、こ
の離脱した溶融塊は高速回転を起こして被溶接物側へ落
下せずスパッタとして飛び散ったり、あるいはPb2′の
状態のようにこの離脱した溶融塊が再びワイヤ電極(5
2)に付着してしまう。
100%CO2の雰囲気中でパルスアーク溶接を行なう装置
として第56図に示すようなパルス溶接装置がある。この
装置でのパルスアーク電流波形について述べると、第57
図に示す電流波形のように、パルス電流波形を複数個の
パルス電流で構成し、このパルス電流群を周期的に繰り
返す放電電流波形としたので、1つのパルスが複数個の
パルスに分割されたことになり、このパルス電流波形の
分割によってワイヤ電極におけるパルスアーク放電の上
向きの電磁力が断続となるため、ワイヤ電極の先端に形
成された溶融塊を持ち上げる力を緩和する作用をする。
そのため、雰囲気ガスがアルゴン主体のガスのみなら
ず、CO2ガスにおいてもワイヤ電極の先端に形成された
溶融塊は大塊となる以前に容易に離脱する。次に、この
溶融塊の移行現象の動作について説明すると、第57図の
ように、周期的に所定のパルス幅τ、周期CAのパルス群
アーク電流を流すと、パルス群に同期して、ワイヤ電極
に形成した溶融塊が第57図のように『溶融塊の成長』、
『溶融塊の離脱』を規則的に繰り返す。つまり、パルス
群の開始時に十分にワイヤ電極に形成した溶融塊はパル
ス群のパルス周波数に対応したアーク放電にともなう溶
融塊振動によって溶融塊はくびれが生じ、このくびれの
促進で離脱し、溶融塊が離脱した後には、パルス群によ
って再びワイヤ電極の先端に新たに溶融塊が持ち上げら
れながら形成し成長する。続いてベース期間では持ち上
げられたワイヤ先端の溶融塊は垂れ下がり、次のパルス
群の開始時までに溶融塊の形状を整えている。
次に上記アーク溶接装置のアーク電流として、複数個
のパルス集団から構成されるパルス電流群を使用したパ
ルスアーク溶接装置について第56図及び第57図を参照し
て説明する。第56図は従来のパルスアーク溶接装置の構
成図である。
図における給電用のアーク溶接電源の構成として
(1)は三相交流電圧を所定の周波数に変換してトラン
ス(3)へ出力するインバータ回路部、(2)は該イン
バータ回路を駆動するインバータ駆動回路、(4A),
(4B)は変圧したインバータ出力を整流し、パルス電流
からなるアーク電流を得るダイオードである。(51)は
溶接トーチ、(52)はワイヤリールより送給ローラによ
って被溶接物(54)方向に送給したワイヤ電極、(53)
はワイヤ電極(52)と被溶接物(54)間に発するアー
ク、(7)はアーク電圧を検出する電圧検出器、(6)
はアーク電流を検出する電流検出器、(9)はワイヤ送
給速度を設定するワイヤ送給速度設定器、(10)はワイ
ヤ電極(52)を被溶接物(54)に対して送給するワイヤ
送給装置、(11)は平均アーク電圧を設定する平均電圧
設定器である。(8)はパルス電流群を設定し、アーク
電流として出力するパルス電流波形制御回路であり、そ
の回路構成としてパルス波形整形器(81)、パルス群周
期CB設定器(82)、パルス群期間X設定器(83)、パル
ス群波形設定器(84)、パルス幅τ設定器(85)、パル
ス周期CA設定器(86)、生成されたパルス電流群とベー
ス電流出力器(88)より出力されるベース電流を加算す
る加算器(87)、アーク電流検出値とパルス電流群出力
を比較する比較器(89)、パルス電流出力器(81a)よ
り構成している。
第57図は上記生成したパルスアーク電流群波形で溶接
した場合の溶融塊移行の形態を示す模式図である。図に
おいて、IPはパルスピーク電流値、τはパルス幅、TA
パルス電流群X内のパルス間隔、CAはパルス電流の繰り
返し周期、IBはベース電流値、TBはパルス電流群Xの繰
り返し間隔、CBはパルス電流群Xの繰り返し周期であ
る。
次に、この従来装置の動作について説明する。
まず、パルス群波形設定器(84)、パルス幅τ設定器
(85)、パルス周期CA設定器(86)からそれぞれパルス
群波形信号、パルス幅τ信号、パルス周期CA信号をパル
ス波形整形器(81)に送る。また、パルス群周期CB設定
器(82)、パルス群期間X設定器(83)からそれぞれパ
ルス群周期CB信号とパルス群期間X信号をパルス波形整
形器(81)に送る。するとパルス波形整形器(81)は、
特定のパルス群波形、パルス周期CAをもつパルス群信号
を上記のパルス群周期CB信号とパルス群期間X信号によ
り第57図で示した間欠パルス群波形に整形する。さら
に、ベース電流出力器(88)からのベース電流IB信号で
上記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形(第
57図)に整形する。この整形したパルス電流群信号と電
流検出器(6)で検出した電流信号とを比較器(89)に
入力することにより、パルス電流群信号と検出電流信号
の大小関係に応じたインバータ駆動信号がインバータ駆
動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝達され、
インバータを駆動している。
このインバータの駆動によって、第57図で示したパル
スアーク電流群を溶接部に供給している。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流群の供給
と同時にワイヤ電流(52)がモータ(図示せず)によっ
て連続送給している。したがって、パルスアーク電極群
によって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(54)間にパル
スアーク放電(53)を生成し、被溶接物(54)とワイヤ
電極(52)の先端部をパルスアーク放電(53)で溶融す
る。このワイヤ電極(52)の溶融した部分を被溶接物
(54)の溶融部に連続的に落下させることにより溶接が
行なわれるのである。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
次に、上記パルスアーク電流波形IPの高周波特性につ
いて第57図を参照しながら説明すると、1つのパルス電
流のパルス幅τが短くなることと、パルス電流群Xでの
パルス電流が間欠となることにより、一旦パルス電流に
よって生じる電磁力の大きさがパルス電流の印加に対応
して大小に変化する。そうすると、ワイヤ電極(52)の
先端部に形成された溶融塊(52a)に及ぼす力は、パル
ス電流が通電しているときはパルスピーク電流値IPによ
る電磁力Fが主流を占め、パルス電流の通電が休止すれ
ば、パルス電流の通電時による電磁力に対する反作用、
溶融塊の表面張力、或は重力などによる力がベース電流
による電磁力に比べ非常に強くなり、これらの力がピン
チ力Pとして溶融塊(52a)に働く。そのため、ワイヤ
電極(52)の先端に形成した溶融塊(52a)はパルス電
流群Xのパルス周波数によって振動することになる。こ
の溶融塊(52a)の振動によって、従来のものでは到底
ワイヤ電極と溶融塊の境界部での『くびれ』が生じにく
かったパルスピーク電流値IPの領域においても、早く
『くびれ』Bを生じせさせることが可能となり、溶融塊
(52a)の離脱が容易となる。
溶接加工においては、このようにパルス電流群Xによ
って離脱する溶融塊を細粒化するとともに、規則正しく
被溶接物側へ移行させることが均質な溶接ビードを得る
結果となるため、パルス間隔TAおよびパルス幅τを設定
した複数個のパルス電流で構成したパルス電流群Xを一
定の周期CB毎に繰り返すことが必要である。
一方、アークを発生するワイヤ電極を被溶接物上で一
定方向に移動させながらアーク溶接を行なう場合、溶接
トーチからアーク、アークから被溶接物へ流れる電流行
程によって溶接空間中で形成される磁界分布が変わる。
つまり、溶接継手形状やアース点の違いによる溶接空間
中での磁界分布がケースバイケースによって違う。この
磁界分布とアーク電流の方向により電磁力がアークに働
き、アークを被溶接物に対して傾かせる磁気吹き現象が
生ずる。この磁気吹き現象は第58図の各溶融塊離脱過程
(A−1)〜(C−1),(A−3)〜(C−3)に示
されるごとく、溶融塊が偏向したアークに持ち上げられ
ることで、アーク長が長くなり、規則的な溶融塊離脱が
困難となる。そこで、このような問題点を解決するた
め、時々刻々のアーク長を目標アーク長信号に沿ったア
ーク長にするため、ワイヤ電極へのアーク電流を下げる
ことで溶融容量を減らすとともに、アーク電流値Iの2
乗に比例する電磁力を弱めることで磁気吹きによる溶融
塊の持ち上がりを抑制した。
又、短絡移行アーク溶接に関して言えば、第59図(S1
a)〜(S3a)に示す如く、磁気吹きによるアーク偏向
で、ワイヤ電極先端に成長した溶融塊が上側に押し上げ
られると溶融塊の短絡時期が変化し、短絡・アークの繰
り返し周期が乱れる。このため上記同様アーク電流を制
御し磁気吹きによる溶融塊の持ち上がりを抑制しようと
するため、時々刻々のアーク長を目標アーク長信号に沿
ったアーク長にするため、ワイヤ電極へのアーク電流を
下げ、溶融容量を減らすとともにアーク電流値Iの2乗
に比例する電磁力を弱めることで磁気吹きによる溶融塊
の持ち上がりを抑制した。
しかしながら、100%CO2ガスの雰囲気中でパルスアー
ク溶接を行う場合、パルスピーク電流値IPを小さく設定
すれば、ワイヤ電極の先端に形成した溶融塊がパルスに
よって持ち上がり、溶融塊が大塊となるまで離脱でき
ず、そのためワイヤ電極の先端に形成された溶融塊が大
塊となり、その結果溶融塊が被溶接物と短絡して、溶接
中に溶接作業周りへ多くのスパッタが飛び散ったり、溶
接ビード欠陥であるアンダーカットが生じたり、また、
パルスピーク電流値IPを高くすると、装置の電源部の容
積が大きくなったり、重量が重くなり、それに伴うコス
トが急激に上がる要因となった。
そこで、係る問題点を解消するため、1つのパルス電
流波形を、1種類以上のパルス幅を有し、1種類以上の
パルス間隔で配列してなる複数個のパルス電流の集合群
(パルス群)に分割し、このパルス群を周期ごとに繰り
返し、これに連続したベース電流を重畳して放電電流波
形を得ることにより、ワイヤ電極の先端に形成した溶融
塊の持上げ力を緩和するようにし、被溶接物へ移行する
溶融塊を細粒化し、かつ、溶融塊の移行を規則的に行う
パルス溶接装置を日本国に特許出願(特願昭62−309388
号、特願昭63−265083号)している。
しかし、このパルス溶接装置においては、溶接条件の
変動や外乱によって溶融塊の離脱時刻が遅れると、次の
周期のワイヤ電極の先端の溶融塊が十分成長することが
できなく、その結果、次の周期の溶融塊の離脱ができな
くなったり、不規則になり良好な溶接が得られなくな
る。そのため、溶接条件の変動要素を抑えることや外乱
の防止対策を十分に施す必要があった。
また、溶接する母材(被溶接物)に応じてワイヤ送給
速度を可変することが必要で、ワイヤ送給速度を可変す
る場合はパルス電流群波形も同時に変える必要がある
が、ワイヤ送給速度に応じてパルス電流群の周期のみ変
えていたため、ワイヤ電極を送給するワイヤ送給速度が
変化して所定値以下に低下したり、ワイヤ送給速度また
はパルス群周期が変わってもパルス群内のパルス間隔は
一定値になっていたため、ワイヤ送給速度の低下時パル
ス群周期が長くなると、パルス群期間でパルス電流群に
よる溶融塊の成長速度がワイヤ送給速度より早くなり、
ワイヤ電極と被溶接物間のアーク長が許容値以上に長く
伸び易くなり、この結果被溶接物自体を溶融することに
より母材の溶融幅が広くなりすぎ、アンダーカットの発
生要因となって良好な溶接が得られなくなる。
また、同様に、パルス電流群波形の平均電圧を所定値
以上に上げると、パルス群期間中のパルス群波形のピー
ク値が高まって、単位時間当りの電流値が大きくなり、
パルス電流群による溶融塊の成長速度が早まり、ワイヤ
電極と被溶接物間のアーク長が許容値以上に長く伸び易
くなり、この結果被溶接物自体がアークによって溶融す
る部分、つまり被溶接物の溶融幅が広くなりすぎ、アン
ダーカットの発生要因となり、良好な溶接が得られなく
なる。
また、溶融塊が離脱する前後で溶融塊の溶融量が極端
に違う。そのため離脱する前にはパルスによって生じた
電極力はあまり溶融塊を持ち上げるようには作用しない
が、離脱後はワイヤ先端部の溶融量が少ないため、パル
スによって生じた電磁力が溶融塊を持ち上げるように強
く作用する。この溶融塊を持ち上げる作用の度合いの違
いに対して、上記パルス溶接装置においては、溶接中に
おける溶融塊の成長から離脱するまでの繰り返し過程で
のパルス群内のパルス間隔、パルス幅、パルス周期は一
定値になっていたため、溶融塊が離脱した後に残りの溶
融塊がパルスによって持ち上がりやすく、同時にワイヤ
電極と被溶接物間のアーク長が許容値以上に長く伸び易
くなり、この結果被溶接物自体を溶融することにより母
材の溶融幅が広くなりすぎ、アンダーカットの発生要因
となって良好な溶接が得られなくなる。
すなわち、このような溶融塊の持ち上がりにより、溶
接ビードの品質は溶接条件の変更または外乱等の影響を
受け易く、溶融塊の離脱周期が変動することになり、均
一な溶接ビードが得られない。
更に、溶融塊が離脱した後に残りの溶融塊はパルスに
よって持ち上がり易く、パルス間隔、パルス幅、パルス
周期が一定の条件の基ではアーク長が大きく変動する傾
向にあり、そのため溶融塊の離脱周期が変動し、規則的
な溶融塊の離脱を繰り返し均一な溶接ビードを得ること
が困難になる。
更には、時々刻々のアーク長を目標アーク長信号に沿
ったアーク長にするため、ワイヤ電極へのアーク電流を
下げ溶融容量を減らすとともにアーク電流値Iの2乗に
比例する電磁力を弱めることで磁気吹きによる溶融塊の
持ち上がりを抑制しようとすると、アーク電流の低下で
ワイヤ電極先端の溶融塊が充分に成長することがないた
め、結果的には次の溶融塊の離脱が遅れ、規則的な溶融
塊の離脱が繰り返されず良好な溶接ビードが得られな
く、また、第53図(b)に示す短絡移行形アーク溶接装
置によれば、時々刻々のアーク長を目標アーク長信号に
沿ったアーク長にするため、ワイヤ電極へのアーク電流
を下げ溶融容量を減らすとともにアーク電流値Iの2乗
に比例する電磁力を弱めることで磁気吹きによる溶融塊
の持ち上がりを抑制しようとすると、アーク電流の低下
でワイヤ電極先端の溶融塊が充分に成長することがない
ため、次の短縮期間に短絡による良好な溶融塊の被溶接
物側への移行が行なわれず、スパッタが発生したりし、
結果的には良好な溶接ビードが得られなかった。
更に、溶接条件の変動や外乱によって溶融塊の離脱時
刻が遅れると、次のワイヤ電極の先端の溶融塊が十分成
長することができなく、その結果次の溶融塊の離脱がで
きなくなったり、不規則になり良好な溶接が得られなく
なる。そのため、溶接条件の変動要素を抑えることや外
乱の防止対策を十分に施す必要があり溶接制御が繁雑に
なる問題点があった。
したがって、本発明は、以下のことを行ない得ること
を目的とする。溶融塊の離脱時刻の変動を抑制して良好
な溶接が行ない得ることを目的とするものである。
ワイヤ送給速度が変化する場合であってもアーク長を
アンダーカットが生じることのない許容値以下に抑制で
き、良好な溶接ができるパルス溶接装置を得ることを目
的とする。
また、本発明はワイヤ送給速度が低い溶接や平均電圧
が高い溶接条件の場合であってもアンダーカットが生じ
ることのない許容値以下にアーク長を抑制でき、良好な
溶接が行ない得るパルス溶接装置を得ることを目的とす
る。
パルス群周期が長くなる溶接条件の場合であってもア
ンダーカットが生じることのない許容値以下にアーク長
を抑制でき、良好な溶接ができるパルス溶接装置を得る
ことを目的とする。
溶融塊の離脱時期が異なる場合であってもアンダーカ
ットが生じることのない許容値以下にアーク長を抑制で
き、且つ規則的な溶接が行ない得ると共に、均一な溶接
ビードを得ることができるパルス溶接装置を得ることを
目的とする。
溶融塊の離脱後アーク長が長くなることにより溶融塊
の離脱周期が変動するのを防止し、則的な溶接を行なう
ことで均一な溶接ビードが得られるパルス溶接装置を得
ることを目的とする。
磁気吹き現象による溶融塊の不規則な離脱を防ぐとと
もに、各周期毎の溶融塊の溶融容量を確保し、離脱周期
を規則的に行ない、良好なアーク溶接が行なえるアーク
溶接装置を得ることを目的とし、更に、磁気吹き現象に
よる溶融塊の不規則な短絡を防ぐとともに、溶融塊のア
ーク期間中の溶融容量を確保し、短絡周期を規則的に行
ない、良好な短絡移行形溶接が行なえるアーク溶接装置
を得ることを目的とする。
溶融塊の離脱時刻の変動が生じる場合であってもこれ
に対応して良好な溶接が行ない得るアーク溶接装置を得
ることを目的とする。
発明の開示 第1の発明は、1種類以上のパルス幅とパルスピーク
値を持つ複数個のパルス電流を1種類以上のパルス間隔
で配列してなると共にパルスの送出開始から設定時間後
パルス群期間中の平均電流値が最大ピーク値となるパル
ス電流群と、上記パルス電流群を周期的に繰り返し、こ
れに連続したベース電流を重畳して形成した放電電流波
形を有することで溶接条件の変動や外乱が生じてもこれ
に応じた溶融塊の離脱時刻を設定することでその影響を
抑制して良好な溶接が得られる効果がある。
また、第2の発明は、1種類以上のパルス幅とパルス
ピーク値を持つ複数個のパルス電流をワイヤ送給速度に
応じてそのパルス周期を異ならせて複数のパルス間隔で
分散配列してなるパルス電流群を、 また、第3の発明では1種類以上のパルスピーク値を
もつ複数個のパルス電流をワイヤ送給速度に応じてその
パルス幅を異ならせて所定のパルス間隔で分散配列して
なるパルス電流群を、 更に、又、第4の発明では1種類以上のパルス幅とパ
ルスピーク値を持つ複数個のパルス電流をワイヤ送給速
度に応じてそのパルス周期及びパルス幅を異ならせて複
数のパルス間隔で分散配列してなるパルス電流群と、上
記パルス電流群を周期的に繰り返し、これに連続したベ
ース電流を重畳して形成した放電電流波形特徴とするこ
とで、溶融塊の成長速度をワイヤ送給速度に応じて制御
でき、従ってワイヤ送給速度によってアーク長が変動す
るのを抑制して良好な溶接が得られる効果がある。
また、第5の発明によれば、1種類以上のパルス幅とパ
ルスピーク値をもつ複数個のパルス電流を1種類以上の
パルス間隔で配列してなると共にパルスの送出開始から
設定時間後パルス群期間中の平均電流値が最大ピーク値
となり、かつワイヤ送給速度または平均電圧値に応じて
ピーク値を形成する平均電流値の勾配が可変制御される
パルス電流群を、 或は、第6の発明によれば、設定時間後その電流値が
ピーク値となり、かつワイヤ送給速度または平均電圧値
に応じてピーク値を形成する平均電流値の勾配が可変制
御されるパルス電流と、このパルス電流を周期的に繰り
返し、これに連続したベース電流を重畳して形成した放
電電流波形を特徴とすることで設定時間後平均電流値が
ピーク値となるパルス溶接装置のパルス電流又はパルス
群電流波形の勾配を、設定するワイヤ送給速度と平均電
圧値に応じて可変制御するので、発生するアーク長を所
定値以下に抑制してアンダーカットの生じるのを防止で
き、良好な溶接が得られる効果がある。
また、第7の発明によれば、1種類以上のパルス幅と
パルスピーク値をもつ複数個のパルス電流のパルス間隔
を、パルス群周期に応じて分散配列してなるパルス電流
群と、上記パルス電流群を周期的に繰り返し、これに連
続したベース電流を重畳して形成した放電電流波形を有
することを特徴とすることで、溶融塊の成長速度をパル
ス群周期に応じて制御でき、従って発生するアーク長が
所定値以下に抑制して良好な溶接が得られる効果があ
る。
また、第8の発明は上記第7の発明に加えパルス電流
群周期期間中のパルス電流群によるエネルギ又はパルス
電流群の電荷量を所定値に略一定化を図る手段とを備え
たことで、パルス電流群内のパルス周期が変わっても、
パルス電流群全体のエネルギ又はパルス電流群の電荷量
は略一定化するため、パルス群による溶融塊の溶融容量
を略一定化することができ、より規則的な溶融塊の離脱
周期で溶接が行なえる効果がある。
また、第9の発明によれば、1種類以上のパルス幅と
パルスピーク値をもつ複数個のパルス電流の少なくとも
パルス間隔又はパルス幅又はパルス周期のいずれかを、
ワイヤ電極先端の溶融塊の離脱に同期して異ならせるこ
とで分散配列してなるパルス電流群と、上記パルス電流
群を周期的に繰り返し、これに連続したベース電流を重
畳して形成した放電電流波形を有することを特徴とした
ので、溶融塊が離脱した後の残りの溶融塊がパルスによ
って持ち上がりアーク長が長くなるのをパルス間隔(ベ
ース電流期間)を広げることでパルス休止期間を広げて
持ち上がった溶融塊を元に戻すようにし、又は溶融塊が
離脱した後の残りの溶融塊がパルスによって持ち上がり
アーク長が長くなるのをパルス幅を小さくすることやパ
ルス周期を長くすることでパルスによる持ち上げ力を弱
めるようにして、溶融塊の成長速度を制御でき、従っ
て、発生するアーク長が所定値以下に抑制されて良好な
溶接が得られると共に、規則的な溶融塊の離脱を繰り返
し均一なビートを得ることができる効果がある。
また、第10の発明によれば、1種類以上のパルス幅と
パルスピーク値をもつ複数個のパルス電流の少なくとも
パルス間隔又はパルス幅又はパルス周期のいずれかを、
パルス群のパルス送出開始から予め設定した時間後に異
ならせることで分散配列してなるパルス電流群と、上記
パルス電流群を周期的に繰り返し、これに連続したベー
ス電流を重畳して形成した放電電流波形を有することを
特徴としたので、離脱を検出する必要がなく、また離脱
検出器による検出ミスによる誤制御もなくなり、かつ推
定した離脱時刻でもって溶融塊が離脱した後の残りの溶
融塊がパルスによって持ち上がりアーク長が長くなるの
をパルス間隔を広げることでパルス休止期間を広げて持
ち上がった溶融塊を元に戻すようにし、または溶融塊が
離脱した残りの溶融塊がパルスによって持ち上がりアー
ク長が長くなるのをパルス幅を小さくすることやパルス
周期を長くすることでパルスによる持ち上げ力を弱める
ようにして、溶融塊の成長速度を制御でき、従って、発
生するアーク長が所定値以下に抑制されて良好な溶接が
得られると共に、規則的な溶融塊の離脱を繰り返し均一
なビードを得ることができる効果がある。
また、第11の発明によれば、被溶接物に対して送給さ
れる溶接ワイヤ電極と前記被溶接物間にパルス電流から
なるアーク電流を給電し、前記溶接ワイヤ電極先端に成
長した溶融塊を被溶接部位に移行して溶接を行なうアー
ク溶接装置において、前記被溶接物先端の溶融塊が離脱
したことを検出し、離脱信号を出力する離脱検出器と、
前記アーク電流とするパルス電流を形成し、該パルス電
流の所定立ち上がりレベルよりビピーク値に対してレベ
ル変化の勾配を設けるとともに、前記離脱信号入力に同
期して前記ピーク値より立ち下がりレベルに対してレベ
ル変化の勾配を設けるようにしたパルス電流波形制御回
路とを備えたことを特徴とすることで、パルスアーク放
電の電磁ピンチ力を順次増大させ溶融塊の離脱遅れを抑
制し、また、常に溶融塊の離脱を確認してから再びワイ
ヤ先端に形成する溶融塊の成長時にパルス電流値による
溶融塊の持ち上がりを抑制する作用をし、溶融塊の離脱
遅れが次のパルス群での離脱への影響が少なくなり離脱
時刻のバラツキを抑制するので、良質な溶接ビードが得
られると共に、安定した溶接が行なえる効果がある。
また、第12の発明によれば、第11の発明に加え、溶融
塊の離脱検出器に給電されるアーク電流の電荷量を規定
すると共に、上記離脱検出信号に同期した時点から前記
パルス電流の電荷量を計測する手段、計測した電荷量と
上記規定した電荷量とが略一定値化すれば、上記パルス
電流を停止せしめ、上記電荷量を計測する手段をリセッ
トしてアーク電流を給電制御するアーク電流給電制御部
とを備えたことを特徴とすることで、磁気吹き現象によ
る溶融塊の不規則な離脱を防ぐとともに、各周期毎の溶
融塊の溶融容量を確保し、離脱周期を規則的に行ない、
良好なアーク溶接が行なえる効果がある。
また、第13の発明によれば、第12の発明に加え、溶融
塊の被溶接物に対する短絡の判定時に短絡信号を出力
し、又、短絡溶融塊の離脱判定時に離脱信号を出力する
短絡・アーク判定器を備え、溶融塊の成長もしくは形状
変化に対応したアーク長信号に従って上記パルス電流値
を制御するとともに、溶融塊の成長もしくは形状変化に
従って、アーク期間のパルス幅もしくはパルス周期もし
くはパルス間隔を制御するとともに溶融塊の離脱後のア
ーク期間に給電されるパルス電流の電荷量を既定し、上
記短絡・アーク判定器での離脱判定時もしくは上記離脱
検出器での離脱時刻から電荷量を計測する手段、計測し
た電荷量と上記規定した電荷量とが略一定化すれば上記
アーク電流を減少せしめ、上記電荷量を計測する手段を
リセットしてアーク電流を給電制御するアーク電流給電
制御部とを備えたことを特徴とすることで、第12の発明
の効果に加え、磁気吹き現象による溶融塊の不規則な短
絡を防止するとともに、溶融塊のアーク期間中の溶融容
量を確保し、短絡周期を規則的に行ない、良好な短絡移
行形溶接が行なえ、かつ、パルスアーク溶接と短絡移行
アーク溶接を兼ね備えた溶接が行なえる効果があり、最
適な溶接が行なえる範囲を広げる効果がある。
図面の簡単な説明 第1図はこの第1の発明の一実施例によるパルス溶接
装置を示す構成図、第2図はこの発明のパルス包絡線Mi
設定器の一実施例を示す回路図、第3図はこの発明の一
実施例によるパルス群電流波形図、第4図は第1の発明
の他の実施例を示すパルス群電流波形図、第5図(a)
〜(d)はこの実施例におけるパルス変調方式を説明す
る波形図、第6図ないし第8図は第2の発明の他の実施
例を説明するもので、第6図は第1図に対応する構成
図、第7図と第8図は単一パルスの電流波形図、第9図
は第3の発明の一実施例によるパルス溶接装置を示す構
成図、第10図は第9図に示すパルス周期CA設定器の回路
図、第11図は第10図回路における動作タイムチャート、
第12図は第9図構成による作用効果を説明する波形図、
第13図は第10図に対応する他の実施例による回路図、第
14図は第4の発明の一実施例によるパルス溶接装置を示
す構成図、第15図は第14図に示すパルス幅τ設定器(85
1)の一実施例を示す回路図、第16図はこの第4の発明
に係る第12図相当図、第17図は第5の発明の一実施例に
よるパルス溶接装置を示す構成図、第18図は第5の発明
に係る第12図相当図、第19図は第6の発明の一実施例に
よるパルス溶接装置を示す構成図、第20図は第19図に示
すパルス包絡線Mi設定器の回路図、第21図は第20図にお
ける各部動作波形図、第22図と第23図は第19図に示す第
6の発明の一実施例における効果を示す説明図、第24図
(a)〜(d)は同じく第6の発明の一実施例における
パルス変調方式を説明する波形図、第25図は第7の発明
の一実施例を説明する第19図に対応する構成図、第26図
(a),(b)は短絡移行アーク溶接装置に適用した場
合のパルス群波形の説明図、第27図は第8の発明の一実
施例によるパルス溶接装置を示す構成図、第28図は第27
図に示すパルス周期CA設定器の回路図、第29図は第28図
における動作タイムチャート、第30図は第27図構成によ
る作用効果を説明する波形図、第31図は第28図に対応す
る第9の発明の一実施例による回路図、第32図は第10の
発明の一実施例によるパルス溶接装置を示す構成図、第
33図は第32図に示す他の実施例におけるアーク長検出器
の回路図、第34図はこの実施例におけるパルス周期CA
定器を示す回路図、第35図は第34図回路の動作タイムチ
ャート、第36図は第32図構成による作用効果を説明する
波形図、第37図は第11の発明の一実施例によるパルス溶
接装置を示す構成図、第38図は第37図に示すパルス周期
CA設定器を示す回路図、第39図は第38図回路における動
作タイムチャート、第40図は第37図構成による作用効果
を説明する波形図、第41図は第12の発明の一実施例によ
るパルス溶接装置の全体構成図、第42図はアーク長信号
検出器とパルス群波形勾配設定器の内部構成図、第43図
はアーク長検出動作を説明するためのアーク電圧−電流
特性図、第44図は本実施例の動作を説明する信号波形
図、第45図はこの発明の他実施例によるパルス溶接装置
の構成図、第46図は第13の発明の一実施例によるパルス
溶接装置の全体構成図、第47図(a)〜(c)は第46図
に示す他の実施例の動作を説明するパルス波形図、第48
図(A)は第14の発明の一実施例による短絡移行形のア
ーク溶接装置の全体構成図、第48図(B)は短絡・アー
ク判定器の構成を示す図、第49図(A),(B)は第48
図に示す短絡移行形のアーク溶接装置の実施例の動作を
説明するアーク電流波形図、第50図(A)と(B)はそ
れぞれこれら発明の他の実施例を示す構成図、第51図は
これら他の実施例を説明するパルス波形図、第52図
(a)はアーク長検出回路及び離脱・短絡検出器の構成
を示す図、第52図(b)は離脱・短絡検出器の動作を説
明する波形図、第53図(a)は従来のアーク溶接装置の
構成図、同図(b)は短絡移行形の従来のアーク溶接装
置の構成図、第54図(a)は従来のアーク溶接時のアー
ク電流波形図、同図(b)は短絡移行形溶接時のアーク
電流波形図、第55図(a),(b)は従来のパルスアー
ク放電電流波形と溶融塊移行の模式図、第56図は従来の
パルスアーク溶接装置の構成図、第57図は従来のパルス
アーク溶接装置におけるパルスアーク電流波形図、第58
図は磁気吹き現象によって発生する溶融塊の持ち上り現
象を説明する図、第59図は従来の短絡移行形のアーク溶
接の電流波形図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、この第1の発明の一実施例におけるパルス溶接
装置を図について説明する。第1図は本実施例装置の全
体構成図である。図において、(1)はインバータ駆動
回路(2)によって駆動制御されるインバータ回路部、
(3)は高周波トランス、(4A),(4B)は高周波ダイ
オード、(5)は、溶接トーチ(51)、溶加材をワイヤ
状にしてワイヤリールから送給されるワイヤ電極(5
2)、アーク放電(53)及び被溶接物(54)で構成され
るアーク負荷部で、上記インバータ回路部(1)からイ
ンバータ制御された所望のパルス群電流波形iが高周波
トランス(3)及び高周波ダイオード(4A),(4B)を
介して溶接トーチ(51)に供給され、アーク溶接がなさ
れる。
また、(6)は上記パルス群電流を検出する電流検出
器、(7)は電極間電圧を検出する電圧検出器であり、
(8a)は上記パルス群電流iを検出する電流検出器
(6)による検出電流値に基づいて上記インバータ回路
部(1)を制御することにより出力されるパルス電流を
波形制御するパルス電流波形制御回路を示し、このパル
ス電流波形制御回路(8)は、パルス波形整形器(8
1)、ワイヤ送給速度VWに応じたパルス群周期CBを設定
するパルス群周期CB設定器(82)、パルス群期間X設定
器(83)、パルス群波形Mi設定部(84)、パルス幅τ設
定器(85)及びパルス周期CA設定器(86)を備えて、各
設定器からの設定信号を受けるパルス波形整形器(81)
より波形整形されたパルス群電流を出力するようになさ
れ、さらに、加算器(87)によりベース電流IB出力器
(88)から出力されるベース電流IBとパルス群電流とを
重畳して比較器(89)に出力し、この比較器(89)で、
上記電流検出器(6)によるパルス群電流波形と加算器
(87)から出力される設定されたパルス群電流波形とが
比較され、インバータ駆動回路(2)へののON−OFF指
令を送出するようになっている。なお、(9)と(10)
はワイヤ送給速度VWを設定するワイヤ送給速度VW設定器
とその設定速度値に基づいてワイヤ送給速度を制御する
ワイヤ送給装置である。
ここで、上記パルス群波形Mi設定器(84)は、上記パ
ルス群周期CB設定器(82)からのパルス群周期CB信号と
パルス群期間X設定器(83)からのパルス群期間X信号
の入力に基づいてアーク負荷部(5)に出力するパルス
群電流iの山形形状の包絡線Mi信号を設定するもので、
その具体的回路例として第2図構成を備えている。
すなわち、第2図に示すように、上記パルス群周期CB
信号とパルス群期間X信号を入力してパルス群期間にH
信号を送出するフリップフロップ(84a)、パルス群送
出開始からパルスピーク値に到達するまでの時刻、つま
り前述した溶融塊の離脱時刻TCを設定するボリューム
(84b)による設定値に基づいて動作するタイマ(84
c)、フリップフロップ(84a)の出力を増幅するオペア
ンプ(84d)、このオペアンプの出力上昇時の充電回路
を構成する抵抗(84e)及び(84m)とコンデンサ(84
f)、コンデンサ(84f)と共に出力下降時の放電回路を
構成する抵抗(84g)、トランジスタ(84h),(84
i),(84j)、反転バッファ(84k)及び反転回路(84
l)を有する。なお、上記抵抗(84e)と(84m)の抵抗
値をそれぞれR2、R1とし、コンデンサ(84f)の容量を
Cとした時、充電時定数R1C《R2Cに選定される。
上記パルス群波形Mi設定器(84)による山形形状のパ
ルス包絡線Miの生成に基づいて説明すると、まずパルス
群周期CB設定器(82)からのパルス群周期CB信号がフリ
ップフロップ(84a)のセット端子Sに入力し、パルス
群期間X設定器(83)からのパルス群期間X信号がフリ
ップフロップ(84a)のリセット端子Rに入力されるこ
とにより、フリップフロップ(84a)はパルス群期間に
H信号となる信号を出力する。このフリップフロップ
(84a)の出力信号はオペアンプ(84d)、タイマ(84
c)、反転バッファ(84k)に入力される。オペアンプ
(84d)に入力されると、パルス群周期CB信号は抵抗(8
4m)とコンデンサ(84f)でなる充電回路によりパルス
電流印加時の溶融塊のくびれを生成すべく最低パルスピ
ーク電流IP−IBを印加するよう瞬時に充電された積分出
力に変換され、抵抗(84e)とコンデンサ(84f)の充電
回路によりタイマ(84c)に設定されたTC時刻まで積分
された値が重畳され、TC時刻に達するとトランジスタ
(84j),(84h)がタイマ(84c)によりONされること
により抵抗(84g)を介してオペアンプ(84d)の出力信
号は減衰し、さらにフリップフロップ(84a)がL信号
になると反転バッファ(84k)がH信号となり、トラン
ジスタ(84i)がON状態になり、即座にオペアンプ(84
a)の出力信号は零になる。このオペアンプ(84a)の出
力信号を反転回路(84l)で反転して、山形形状の包絡
線Mi信号をパルス波形整形器(81)に出力している。
次に、この実施例装置の動作を第3図に示す波形図を
参照して説明する。なお、図中、TAはパルス群期間X内
のパルス間隔、TBはパルス群期間X内の繰返し間隔であ
る。まず、パルス群周期CB設定器(82)、パルス群期間
X設定器(83)、パルス群波形Mi設定器(84)、パルス
幅τ設定器(85)及びパルス周期CA設定器(86)からそ
れぞれパルス群周期CB信号、パルス群期間X信号、パル
ス群波形(包絡線)Mi信号、パルス幅τ信号及びパルス
周期CA信号をパルス波形整形器(81)に送る。
パルス波形整形回路(81)は、パルス群周期CB信号に
同期し、パルス幅τ、パルス周期CAをもつ各パルス信号
のパルスピーク値をパルス包絡線Mi上でそれぞれ求め、
上記のパルス群周期CB信号とパルス群期間X信号により
第3図で示した間欠パルス群波形に整形する。さらに、
ベース電流IB出力器(88)からのベース電流IB信号で上
記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形に整形
する。この整形されたパルス電流信号と電流検出器
(6)で検出した電流信号とをインバータ駆動回路
(2)に入力することにより第3図で示したパルスアー
ク電流波形iに応じたインバータ駆動信号がインバータ
駆動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝達さ
れ、インバータを駆動させる。
このインバータの駆動によって、整形された交流波形
が高周波トランス(3)に出力される。さらに、高周波
トランス(3)の出力信号を高周波ダイオード(4A),
(4B)で直流波形に整流することにより、第3図で示し
たパルスアーク電流波形iを溶接部つまりアーク負荷部
(5)に供給している。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流波形iの
供給と同時にワイヤ電極(52)がモータ(図示せず)に
よって連続送給されている。したがって、パルスアーク
電流波形iによって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(5
4)間にパルスアーク放電(53)を生成し、被溶接物(5
4)とワイヤ電極(52)の先端部をパルスアーク放電(5
3)で溶融する。このワイヤ電極(52)の溶融した部分
を被溶接物(54)の溶融部に連続的に落下させることに
より溶接が行われる。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
したがって、上記実施例によれば、周期的に所定のパ
ルス幅τ、周期CAのパルス群アーク電流を流すことによ
りパルス群に同期してワイヤ電極に形成された溶融塊は
パルス群のパルス周波数に対応したアーク放電電流で生
じるアーク熱やピンチ力でワイヤの溶融及びくびれ現象
を起こしている。つまり、溶融塊の成長を促進させて離
脱を容易にさせている。溶融塊が離脱した後には、パル
ス群によって再びワイヤ電極の先端に新たに溶融塊が持
ち上げられながら形成し成長する。続いてベース期間で
は持ち上げられたワイヤ先端の溶融塊は垂れ下がり、次
のパルス群の開始時までに溶融塊の形状を整える役目を
し、溶融塊の成長及び離脱を規則的に繰り返す働きをし
ている。さらに、ワイヤ電極の溶融塊を規則的に離脱さ
せるために、パルス群の印加開始時からの離脱時刻TC
溶接条件の変動や外乱の影響を考慮して定め、そのTC
刻附近でパルス群のパルスピーク値が最大値になるよう
にすると共に、溶融塊の離脱後に生じる新たな溶融塊の
持ち上がりを抑制するために、TC時間経過後にパルス群
のピーク値を下げるようにしたので、パルスピーク値の
高い部分でパルスアーク放電の電磁ピンチ力が最大とな
って溶融塊を確実に離脱させることができる。また、パ
ルス電流波形を複数個のパルス電流で構成し、このパル
ス電流群を周期的に繰り返す放電電流波形としたので、
1つのパルスが複数個のパルスに分割されたことにな
り、このパルス電流波形の分割によってワイヤ電極にお
けるパルスアーク放電の上向きの電磁力が断続となるた
め、ワイヤ電極の先端に形成された溶融塊を持ち上げる
力を緩和する作用をする。そのため、雰囲気ガスがアル
ゴン主体のガスのみならず、CO2ガスにおいてもワイヤ
電極の先端に形成された溶融塊は大塊となる以前に容易
に離脱する。
なお、上記実施例における離脱時刻TCは溶接条件例え
ば電極径及び雰囲気ガスに応じて最適な離脱時刻を選択
することができるのは勿論である。
また、上記実施例では、第3図のようにパルス群波形
として、パルス群のピーク値を徐々に増大させていき、
TC時刻後、ピーク値を減少させる山形形状波形について
示したが、第4図のようにTC時刻付近のみのパルスのピ
ーク値を高くしてもよい。
さらに、上記実施例では、上記パルス群波形は第5図
(a)に示すパルス振幅変調を利用したものを示した
が、同図(b)に示すパルス幅変調、または同図(c)
に示すパルス周波数変調のいずれかによって得られるも
のを利用することができ、いずれの場合においても同図
(d)に示す如く設定時間後その平均電流が最大ピーク
値となれば良い。
次に、実施例ではパルス群波形をもちいたパルスアー
ク溶接装置について説明したが、第7図、第8図の第2
の発明に示すように単一パルス電流波形の周期的な繰り
返しで行なうパルス溶接装置であってもよい。
すなわち、第6図は上記第7図に示す単一パルス電流
波形を得て、パルスアーク溶接を行なう第2の発明に係
るパルス溶接装置の一実施例を示すもので、図中、第1
図と同一符号は同一部分を示し、単一パルス生成用パル
ス波形Mi設定器(842)、パルス幅τ設定器(852)及び
パルス周期CA設定器(862)の各設定入力をパルス波形
整形器(81)に送出するようにすれば良く、上記パルス
波形Mi設定器(842)の回路構成としては第2図と同一
構成で良い。この場合、入力としてはパルス群周期CB
パルス群期間Xの代わりにそれぞれパルス周期CAとパル
ス幅τを与えれば良い。
この実施例においても、第1図と同様に、設定時間TC
後電流値がピーク値となる事によりパルスピーク値の高
い部分でパルスアーク放電の電磁ピンチ力が最大とな
り、したがってパルスピーク値の高いTC時刻で確実に溶
融塊を離脱させることができる。なお、第7図の単一パ
ルスの代わりに第8図の単一パルスを用いても良い。
上記各実施例において、雰囲気ガス(シールドガス)
としてはアルゴンとCO2ガスとの混合ガスを用いた溶接
でもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。
又、第3の発明の一実施例として、第9図に示される
ものがある。尚、本実施例におけるパルス電流波形制御
回路(8)は第1図に示されるパルス電流波形制御回路
(8)中にパルス群電荷量Q設定器(90)を備えて、各
設定器からの設定信号を受けるパルス波形整形器(81)
より波形整形されたパルス電流群を出力するようになさ
れ、さらに、このパルス電流群に加算器(87)によりベ
ース電流IB出力器(88)から出力されるベース電流IB
重畳して比較器(89)に出力し、この比較器(89)で、
上記電流検出器(6)によるパルス電流群波形と加算器
(87)から出力される設定されたパルス電流群波形とが
比較され、インバータ駆動回路(2)へのON−OFF指令
を送出するようになっている。なお、(9)と(10)は
ワイヤ送給速度VWを設定するワイヤ送給速度VW設定器と
その設定速度値に基づいてワイヤ送給速度を制御するワ
イヤ送給装置、(11)はアーク長に対応する平均電圧V
を設定する平均電圧V設定器である。
ここで、上記パルス群電荷量Q設定器(90)は、パル
ス波形整形器(81)から出力されるパルス電流群を積分
する積分器(90a)、平均電圧V設定器(11)から送出
される平均電圧Vに応じた電荷量が設定される電荷量設
定器(90b)、上記積分器(90a)による積分値と電荷量
設定器(90b)による設定電荷量とを比較し、積分値が
設定電荷量に達した時に、積分器(90a)及びパルス群
期間X設定器(83)にリセット信号を送出する比較器
(90c)を備え、パルス周期CAが可変してもパルス群期
間X内のパルス個数を常に一定にして溶融塊の成長及び
離脱に規則性を保持するようになされている。なお、上
記パルス群電荷量Q設定器(90)の出力に基づいてリセ
ットされるフリップフロップでなるパルス群期間X設定
器(83)はパルス群周期CB設定器(82)の出力送出に同
期してセットされる。
また、上記パルス周期CA設定器(86)は、ワイヤ送給
速度VW設定器(9)からの設定速度VWの入力に基づきこ
れに応じてパルス群期間X内のパルス周期CAを可変させ
るもので、その具体的回路例として第10図構成を備えて
いる。
すなわち、第10図に示すように、パルス群周期CB信号
の入力に基づいて動作し、設定時間TC後H出力を送出し
てリセットされることにより直ちに出力がLとなるタイ
マ(86a)、上記パルス群周期CB信号に基づいてセット
され上記タイマ(86a)のH出力に基づいてリセットさ
れる第1のフリップフロップ(86b)、上記タイマ(86
a)のH出力に基づいてセットされパルス群期間X信号
に基づいてリセットされる第2のフリップフロップ(86
c)、第1と第2のパルス周期CA1、CA2を設定するため
の設定値VBとVA−VWをそれぞれ出力する第1と第2のパ
ルス周期設定器(86e)と(86d)、フリップフロップ
(86b)と(86c)の出力に基づいてそれぞれスイッチン
グ制御されるアナログスイッチ(86f)と(86g)、第1
または第2のパルス周期設定器(86e)、(86d)の設定
値VB、VA−VWと積分器(86i)の出力VQを比較して積分
出力VQがVBまたはVA−VWに達した時にH出力を送出して
上記積分器(86i)をリセット制御すると共にそのH出
力をパルス周期信号CA(CA1、CA2)として出力する比較
器(86h)を有し、上記第2のパルス周期設定器(86d)
は、設定器(86da)と、その設定値VAとワイヤ送給速度
VWとの差動出力VA−VWを得る差動器(86db)を備え、ワ
イヤ送給速度VWが低下する程大きな信号値を出力するよ
うになされ、従って、ワイヤ送給速度VWが設定値VAより
も低下する時に、ワイヤ送給速度に反比例する差動出力
VA−VWを大きな値としこれの値に応じてパルス周期CA
長くすることによりパルス休止期間(ベース電流期間)
を長くしてワイヤ送給速度VWに応じて溶融塊の単位時間
当りの成長速度を抑制するようになっている。なお、タ
イマ(86a)の設定時間TCは第1のパルス周期信号CA1
基づくパルス電流によってワイヤ電極先端を溶融させ、
くびれの成長を促進させて溶融塊が持ち上げられ離脱さ
せるまでの時間に設定され、その後送出される第2のパ
ルス周期信号CA2に基づくパルス電流は次の溶融塊の成
長を促し次のパルス電流群による溶融塊の移行を規則的
に行なうよう機能する。
上記パルス周期CA設定器(86)による第1と第2のパ
ルス周期信号CA1、CA2の生成を第11図に基づいて説明す
る。まず、パルス群周期CB設定器(82)からのパルス群
周期CB信号が第1のフリップフロップ(86b)のセット
端子に入力すると共にタイマ(86a)に入力することに
より、上記第1のフリップフロップ(86b)はセットさ
れ、その出力PXがHレベルとなることによりアナログス
イッチ(86f)が導通し、第1のパルス周期設定器(86
e)の出力VBが比較器(86h)への比較入力となる。比較
器(86h)は上記第1のパルス周期設定器(86e)の出力
VBと積分器(86i)の出力VQを比較してVQがVBと一致し
た時に出力を送出し、その出力はパルス周期CA信号とし
て第1のパルス周期設定器(86e)に基づくパルス周期C
A1を送出する。上記比較器(86h)の出力に基づいて積
分器(86i)はリセットされ再び積分動作を開始し、上
述した比較に基づく第1のパルス周期CA1信号の送出を
繰り返す。
次に上記タイマ(86a)の設定時間TCに達すると、タ
イマ出力によって第1のフリップフロップ(86b)はリ
セットされてその出力PXがLレベルとなることによりア
ナログスイッチ(86f)は非導通となり第1のパルス周
期設定器(86e)による比較器(86h)への比較入力は途
絶える。他方、上記タイマ出力によって第2のフリップ
フロップ(86c)はセットされてその出力PYがHレベル
となることによりアナログスイッチ(86g)は導通制御
されて第2のパルス周期設定器(86d)の出力VA−VW
上記比較器(86h)への比較入力となる。比較器(86h)
は上記第2のパルス周期設定器(86d)の出力VA−VW
積分器(86i)の出力VQを比較してVQがVA−VWと一致し
た時に出力を送出し、その出力はパルス周期CA信号とし
て第2のパルス周期設定器(86d)に基づくパルス周期C
A2を送出する。上記比較器(86h)の出力に基づいて積
分器(86i)はリセットされ再び積分動作を開始し、上
述した比較に基づく第2のパルス周期CA2信号の送出を
繰り返す。
すなわち、上記パルス周期設定器(86)によるパルス
周期CA信号は、パルスアーク溶接時におけるワイヤ電極
先端の溶融塊の成長・離脱現象において、ワイヤ電極の
固体部と溶融塊の境界部でのくびれを促進して確実に溶
融塊を被溶接物側へ離脱させる時点つまりタイマ(86
a)の設定時間TCの間は比較的周期の短い第1のパルス
周期CA1信号を送出し、さらに、離脱した後にパルス休
止期間を長く保持すべく比較的周期の長い第2のパルス
周期CA2を送出して単位時間当りの溶融塊の成長速度を
抑制することで、新たにワイヤ電極部に形成した溶融塊
の持ち上がり現象を抑制し、かつ速やかに溶融塊の成長
が行えることができるようにして次のパルス群における
溶融塊の離脱を容易にするようにし、パルス周期を異な
らせて分散制御している。
次に、この実施例装置の動作を第12図に示す波形図を
参照して説明する。まず、パルス群周期CB設定器(8
2)、パルス群期間X設定器(83)、パルス群波形Mi
定器(84)、パルス幅τ設定器(85)及びパルス周期CA
設定器(86)からそれぞれパルス群周期CB信号、パルス
群期間X信号、パルス群波形(包絡線)Mi信号、パルス
幅τ信号及びパルス周期CA信号をパルス波形整形器(8
1)に送る。
パルス波形整形回路(81)は、パルス群周期CB信号に
同期し、パルス幅τ、パルス周期CAをもつ各パルス信号
のパルスピーク値をパルス包絡線Mi上でそれぞれ求め、
上記のパルス群周期CB信号とパルス群期間X信号により
第12図で示した間欠パルス群波形に整形する。さらに、
ベース電流IB出力器(88)からのベース電流IB信号で上
記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形に整形
する。この整形されたパルス電流信号と電流検出器
(6)で検出した電流信号とをインバータ駆動回路
(2)に入力することにより第12図で示したパルスアー
ク電流波形iに応じたインバータ駆動信号がインバータ
駆動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝達さ
れ、インバータを駆動させる。
このインバータの駆動によって、整形された交流波形
が高周波トランス(3)に出力される。さらに、高周波
トランス(3)の出力信号を高周波ダイオード(4A),
(4B)で直流波形に整流することにより、第12図で示し
たパルスアーク電流波形iを溶接部つまりアーク負荷部
(5)に供給している。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流波形iの
供給と同時にワイヤ電極(52)がモータ(図示せず)に
よって連続送給されている。したがって、パルスアーク
電流波形iによって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(5
4)間にパルスアーク放電(53)を生成し、被溶接物(5
4)とワイヤ電極(52)の先端部をパルスアーク放電(5
3)で溶融する。このワイヤ電極(52)の溶融した部分
を被溶接物(54)の溶融部に連続的に落下させることに
より溶接が行われる。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
ここで、上記実施例において、第12図に示す如く、パ
ルス波形整形器(81)から送出されるパルス群期間X内
のパルスの周期CAはパルス周期CA設定器(86)によりワ
イヤ送給速度VWに応じてパルス群周期CBとともに可変制
御され、例えばワイヤ送給速度VWが遅くなる程(VW3>V
W2>VW1)、その第2のパルス周期CA2が長くなるよう制
御される。この場合、第1のパルス周期CA1信号は常に
一定したタイミングで送出制御される。従って、パルス
周期CA設定器(86)によってパルス周期は分散制御さ
れ、内蔵するタイマ(86a)の設定時間TCまではいずれ
のワイヤ送給速度においても固定した比較的短いパルス
周期信号CA1に基づいて送出されるパルス電流により、
パルスアーク溶接時におけるワイヤ電極先端の溶融塊の
成長・離脱現象において、ワイヤ電極の固体部と溶融塊
の境界部でのくびれを促進して確実にパルス電流群の開
始から所定時間後の時点で溶融塊を被溶接物側へ離脱さ
せることができる。
そして、上記タイマ(86a)の設定時間TC後の溶融塊
が離脱した後には、パルス群によって再びワイヤ電極の
先端に新たに溶融塊が持ち上げられながら成長し、続い
てベース期間では持ち上げられたワイヤ先端の溶融塊は
垂れ下がり、次のパルス群の開始時までに溶融塊の形状
を整えることになり、溶融塊の成長及び離脱を規則的に
繰り返すことになるが、ワイヤ送給速度VWに反比例する
パルス休止期間を設けてアーク長lの変動を防止すべ
く、ワイヤ送給速度VWに反比例する比較的長い第2のパ
ルス周期CA2に基づいて送出されるパルス電流により、
新たにワイヤ電極部に形成した溶融塊の持ち上がり現象
を抑制しかつ溶融塊の成長が行えることができるように
して次のパルス群における溶融塊の離脱を容易にし、そ
の移行を規則的に行なう。この場合、ワイヤ送給速度VW
に応じて第2のパルス周期CA2が可変制御されることに
より、アーク長はアンダーカットが生じない許容アーク
長l0以下の値l1〜l3にいずれの場合も確実に抑制され
る。
また、パルス電流波形を複数個のパルス電流で構成
し、このパルス電流群を周期的に繰り返す放電電流波形
としたので、1つのパルスが複数個のパルスに分割され
たことになり、このパルス電流波形の分割によってワイ
ヤ電極におけるパルスアーク放電の上向きの電磁力が断
続となるため、ワイヤ電極の先端に形成された溶融塊を
持ち上げる力を緩和する作用をする。そのため、雰囲気
ガスがアルゴン主体のガスのみならず、CO2ガスにおい
てもワイヤ電極の先端に形成された溶融塊は大塊となる
以前に容易に離脱する。
なお、上記実施例におけるパルス周期CAを分散制御す
るための設定時間TCは溶接条件例えば電極径及び雰囲気
ガスに応じて最適な離脱時刻を選択することができるの
は勿論である。
また、第13図は上記第10図に示すパルス周期CA設定器
(86)の他の実施例を示すもので、第1のパルス周期設
定器(86e′)を可変抵抗器の代わりにアンプで構成
し、かつその出力VBを第2のパルス周期設定器(86d)
の出力VA−VWに所定の増幅率Aを掛けた値にしてこの第
1のパルス周期CA1をも第2のパルス周期と同様に可変
制御するものである。このようにすることにより、第1
のパルス周期CA2も第1のパルス周期CA1と同様にしてワ
イヤ送給速度VWに応じて制御でき、第1のパルス周期間
におけるアーク長変動を抑制できる。なお、この第1の
パルス周期CA1は第2のパルス周期CA2よりも短い送出タ
イミングの信号とするのは溶融塊の成長及び離脱を目的
としている点で当然である。
次に、第14図はこの第4の発明の一実施例を示す構成
図で、この実施例におけるパルス電流波形制御回路
(8)が、第9図に示す実施例のパルス電流波形制御回
路(8)と異なる点は、パルス幅設定器(851)を、ワ
イヤ送給速度VW設定器(9)からの設定速度VWの入力に
基づきこれに応じてパルス群期間X内のパルス幅τを可
変させた点であり、その具体的回路例として第15図構成
を備えている(この実施例において、パルス周期CA設定
器(86)はワイヤ送給速度に拘わらず一定した周期信号
を送出する)。
すなわち、第15図に示すように、パルス群周期CB信号
の入力に基づいて動作し、設定時間TC後H出力を送出し
てリセットされることにより直ちに出力がLとなるタイ
マ(85a)、上記パルス群周期CB信号に基づいてセット
され上記タイマ(85a)のH出力に基づいてリセットさ
れる第1のフリップフロップ(85b)、上記タイマ(85
a)のH出力に基づいてセットされパルス群期間X信号
に基づいてリセットされる第2のフリップフロップ(85
c)、第1と第2のパルス幅τ、τを設定するため
の設定値VBとVA−VWをそれぞれ出力する第1と第2のパ
ルス幅設定器(85e)と(85d)、フリップフロップ(85
b)と(85c)の出力に基づいてそれぞれスイッチング制
御されるアナログスイッチ(85f)と(85g)、第1また
は第2のパルス幅設定器(85e)、(85d)の設定値VB
VA−VWと積分器(85i)の出力VQを比較して積分出力VQ
がVBまたはVA−VWに達した時にH出力を送出して上記積
分器(85i)をリセット制御すると共にそのH出力をパ
ルス幅信号τ(τ、τ)として出力する比較器(85
h)を有し(なお、積分器(85i)はパルス周期信号CA
入力に基づいて設定され、比較器(85h)の出力に基づ
いてリセットされるフリップフロップの出力により、開
制御されるアナログスイッチの開放によって積分動作を
開始する。)、上記第2のパルス幅設定器(85d)は、
設定器(85da)と、その設定値VAとワイヤ送給速度VW
の差動出力VA−VWを得る差動器(85db)を備え、ワイヤ
送給速度VWが低下する程大きな信号値を出力するように
なされ、従って、ワイヤ送給速度VWが設定値VAよりも低
下する時に、ワイヤ送給速度に反比例する差動出力VA
VWを大きな値としこれの値に応じてパルス幅τを狭くす
ることによりパルス休止期間(ベース電流期間)を長く
してワイヤ送給速度VWに応じて溶融塊の単位時間当りの
成長速度を抑制するようになっている。なお、タイマ
(85a)の設定時間TCは第1のパルス幅信号τに基づ
くパルス電流によってワイヤ電極先端を溶融させ、くび
れの成長を促進させて溶融塊が持ち上げられ離脱させる
までの時間に設定され、その後送出される第2のパルス
幅信号τに基づくパルス電流は次の溶融塊の成長を促
し次のパルス電流群による溶融塊の移行を規則的に行な
うよう機能する。
上記第14図と第15図構成によれば、第16図に示すよう
に、パルス波形整形器(81)から送出されるパルス群期
間X内のパルスのパルス幅τはパルス幅τ設定器(8
51)によりワイヤ送給速度VWに応じてパルス群周期CB
ともに可変制御され、例えばワイヤ送給速度VWが遅くな
る程(VW3>VW2>VW1)、その第2のパルス幅τが狭
くなるよう制御される。この場合、第1のパルス幅τ
信号及びパルス周期CAは常に一定したタイミングで送出
制御される。従って、この実施例においては、前述した
第1の発明に係る実施例において、ワイヤ送給速度に応
じてパルス間隔を分散してパルス群内での単位時間当り
のパルス電流により注入電荷量を抑制することで溶融塊
の成長速度をワイヤ送給速度に応じて制御したのに対し
て、第8図に示すようにパルス群内のパルス幅をワイヤ
送給速度に応じて変えることでパルス群内での単位時間
当りのパルス電流による注入電荷量を抑制することによ
り同様の効果を奏する。
次に、第17図はこの第5の発明に係る一実施例を示す
構成図で、本実施例におけるパルス電流波形制御回路
(8)は、第9図及び第10図実施例のパルス周期CA設定
器(86)とパルス幅τ設定器(85)の両者を備えたもの
である。
この第17図実施例によれば、第18図に示す如く、ワイ
ヤ送給速度に応じてパルス群内のパルス幅τをτとτ
に、またパルス周期CAをCA1とCA2に(パルス休止期間
TAをTA1とTA2に)両者を分散制御することでパルス群内
での単位時間当りのパルス電流による注入電荷量を抑制
することにより前述した各実施例と同様の効果を奏す
る。
又、第19図は第6の発明の一実施例によるパルス溶接
装置を示す構成図である。図中、第14図と同一符号は同
一、又は相当部分を示す。図において、(841)は本実
施例におけるパルス群波形M1設定器である。
又、本実施例におけるパルス電流波形制御回路(8)
は、パルス群電荷量Q設定器(90)の出力に基づいてリ
セットされるフリップフロップでなるパルス群期間X設
定器(83)はパルス群周期CB設定器(82)の出力送出に
同期してセットされるようになされ、その出力によって
パルス群波形Mi設定器(841)とパルス波形整形器(8
1)との間に設けたアナログスイッチ(91)を開閉制御
し、パルス群波形Mi設定器(84)の出力送出を制御す
る。
また、上記パルス群波形Mi設定器(841)は、上記パ
ルス群期間X設定器(83)からのパルス群期間X信号
と、ワイヤ送給速度VW設定器(9)からの設定速度VW
び平均電圧V設定器(11)からの設定電圧Vの入力に基
づいてアーク負荷部(5)に出力するパルス群電流iの
山形形状の包絡線Mi信号を設定するもので、その具体的
回路例として第20図構成を備えている。
すなわち、第20図に示すように、このパルス群波形設
定器(841)は、山形形状の基準パルス群波形Pを得る
基準パルス群波形設定器(84A)と、基準パルス群波形
Pに対してその山形形状の勾配をワイヤ送給速度VWと平
均電圧Vに応じて変えるパルス群波形勾配可変器(84
B)及び加算器(84C)を備えてなる。
上記基準パルス群波形設定器(84A)としては、パル
ス群送出開始からパルスピーク値に到達するまでの時
刻、つまり溶融塊の離脱時刻TCを設定するボリューム
(84Aa)による設定値に基づいて動作するタイマ(84A
b)、パルス群期間X信号を増幅するアンプ(84Ac)、
このアンプの出力上昇時の充電回路を構成する抵抗(84
Ad)とコンデンサ(84Ae)、コンデンサ(84Ae)と共に
出力下降時の放電回路を構成する抵抗(84Af)、トラン
ジスタ(84Ag),(84Ah),(84Ai)、反転バッファ
(84Aj)、出力立上り時加算出力を得るボリューム(84
Ak)と加算器(84Al)及びトランジスタ(84Am)を有す
る。
また、上記パルス群波形勾配可変器(84B)として
は、パルス群期間X信号を積分して信号xを送出する積
分器(84Ba)、ワイヤ送給速度VWと平均電圧Vの入力に
基づいてそれらの電圧値を加算して増幅し信号Yを送出
するアンプ(84Bb)、上記信号xが信号Yと等しい値に
なった時信号Zを送出する比較器(84Bc)、上記パルス
群期間X信号に基づいてセットされ信号Sを送出すると
共に上記比較器(84Bc)の出力信号Zに基づいてリセッ
トされるフリップフロップ(84Bd)、抵抗R1とコンデン
サCとでなり信号Sを入力して充電する充電回路CR1
抵抗R2とコンデンサCとでなり出力を放電する放電回路
CR2及び抵抗R3とコンデンサCとでなり放電後信号Tを
入力して再び充電する充電回路CR3を備え、勾配を変え
る信号Vを送出するアンプ(84Be)を有し、上記基準パ
ルス群波形設定器(84A)から送出される基準パルス群
波形Pにパルス群波形勾配可変器(84B)の出力信号V
を加算器(84C)により加算して信号Miを得るようにな
されている。
上記パルス波形Mi設定器(84)による勾配を可変制御
する山形形状のパルス包絡線Miの生成を第21図の各部波
形図に基づいて説明する。
まず、パルス群期間X信号が基準パルス群波形設定器
(84A)に入力されると、このパルス群期間X信号に基
づいてタイマ(84Ab)はセットされると共に、アンプ
(84Ac)は抵抗(84Ad)とコンデンサ(84Ae)の充電回
路によりボリューム(84Aa)によってタイマ(84c)に
設定されたTC時刻まで積分し、TC時刻に達するとトラン
ジスタ(84Ah)がタイマ(84c)によりON状態となって
アンプ(84d)の出力信号は抵抗(84Ac)に応じた減衰
をする。さらに上記パルス群期間X信号がL信号になる
と反転バッファ(84Ag)がH信号となり、トランジスタ
(84Ag)がON状態になり、即座にアンプ(84Ac)の出力
信号は零になる。なお、このアンプ(84Ac)の出力信号
はTC時刻までは加算器(84Al)によりボリューム(84A
k)の出力に加算されるようになされ、山形形状の信号
が加算器(84e)に与えられる。
一方、パルス群波形勾配可変器(84B)においてワイ
ヤ送給速度VWと平均電圧Vの入力を受けるアンプ(84B
b)はそれらの電圧値を加算して増幅した信号Yを得、
パルス群期間X信号を入力する積分器(84Ba)はこれを
積分して信号Xを得、比較器(84Bc)により比較され、
信号xが信号Yに等しい値になった時に信号Zが送出さ
れる。この信号Zにより積分器(84Ba)はリセットされ
てその出力xは瞬時に零になると共に、上記パルス群期
間X信号によってセットされたフリップフロップ(84B
d)はリセットされその出力Sは零となる。また、上記
フリップフロップ(84Bd)の出力信号Sの入力を受ける
アンプ(84Be)は上記パルス群期間X信号の入力に同期
して充電回路CR1により充電を開始しフリップフロップ
(84Bd)がリセットされると放電回路CR2により放電し
て零となり、タイマ(84Ab)の設定時刻TCに達するとそ
の出力信号Tの入力を受ける充電回路CR3により再び充
電されパルス群期間X信号の反転信号UがHレベルとな
る時瞬時に零となる信号Vを得る。
これにより加算器(84c)は、上記基準パルス群波形
設定器(84A)の出力Pにパルス群波形勾配可変器(84
B)の出力信号Vを加算した信号Miを得、この山形形状
の包絡線Mi信号をパルス波形整形器(81)に出力してい
る。
すなわち、パルス群波形Mi設定器(84)によるパルス
包絡線Mi信号は、パルスアーク溶接時におけるワイヤ電
極先端の溶融塊の成長・離脱現象において、溶融塊のく
びれが形成された時点で、パルス電流によって生ずる電
磁ピンチ力が最大になるべく山形形状のパルス包絡線を
生成し、ワイヤ電極の固体部と溶融塊の境界部でのくび
れを促進して確実に溶融塊を被溶接物側へ離脱移行さ
せ、さらに、離脱した後にパルス群ピーク値波形を下げ
る事により、新たにワイヤ電極部に形成した溶融塊の持
ち上がり現象を抑制しかつ溶融塊の成長が行えることが
できるようにして次のパルス群における溶融塊の離脱を
容易にしている。
また、上記パルス群波形Miは、第22図に示す如く、平
均電圧Vが一定の時、ワイヤ送給速度VWに応じてピーク
値を固定してその勾配を変えるため、ワイヤ送給速度VW
が遅い程(VW3<VW2<VW1)、パルス群期間Xが長くな
り(X3<X2<X1)、従ってワイヤ送給速度VWに応じて溶
融塊の単位時間当りの成長速度を抑制することになり、
発生するアーク長lを許容値lo以下に抑えてアンダーカ
ットを生じるのを防ぐことができる。
また、同様に、第18図に示す如く、パルス群波形Mi
勾配を、ピーク値を固定した状態で平均電圧Vの値が大
きい程その勾配を鈍化させる(V1>V2>V3)ことによ
り、アーク電流によって生ずる溶融塊の上向きの電磁力
を、パルス電流群波形のピーク値自体をも変化させる場
合に比して緩和低減させることができ、従って、この場
合も発生するアーク長lを許容値lo以下に抑制すること
が可能となり、アンダーカットを生じるのを防止する。
次に、この実施例装置の動作を説明する。まず、第19
図において、パルス群周期CB(82)、パルス群波形Mi
定器(841)、パルス幅τ設定器(85)及びパルス周期C
A設定器(86)からそれぞれパルス群周期CB信号、パル
ス群波形(包絡線)Mi信号、パルス幅τ信号及びパルス
周期CA信号をパルス波形整形器(81)に送る。この際、
フリップフロップでなるパルス群期間X設定器(83)は
ワイヤ送給速度VWに応じて設定されるパルス群周期CB
号に基づいてセットされ、パルス群電荷量Q設定器(9
0)の出力に基づいてリセットされるようになされ、ま
たパルス群波形Mi設定器(84)は上記パルス群周期CB
号に基づいて出力を送出するようになされている。
パルス波形整形回路(81)は、パルス群周期CB信号に
同期し、パルス幅τ、パルス周期CAをもつ各パルス信号
のパルスピーク値をパルス包絡線Mi上でそれぞれ求め、
例えば第17図で示した間欠パルス群波形に整形する。さ
らに、ベース電流IB出力器(88)からのベース電流IB
号で上記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形
に整形する。この整形されたパルス電流信号と電流検出
器(6)で検出した電流信号とをインバータ駆動回路
(2)に入力することによりインバータ駆動信号がイン
バータ駆動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝
達され、インバータを駆動させる。
このインバータの駆動によって、整形された交流波形
が高周波トランス(3)に出力される。さらに、高周波
トランス(3)の出力信号を高周波ダイオード(4A),
(4B)で直流波形に整流することにより、パルスアーク
電流波形iを溶接部つまりアーク負荷部(5)に供給し
ている。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流波形iの
供給と同時にワイヤ電極(52)がモータ(図示せず)に
よって連続送給されている。したがって、パルスアーク
電流波形iによって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(5
4)間にパルスアーク放電(53)を生成し、被溶接物(5
4)とワイヤ電極(52)の先端部をパルスアーク放電(5
3)で溶融する。このワイヤ電極(52)の溶融した部分
を被溶接物(54)の溶融部に連続的に落下させることに
より溶接が行われる。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
したがって、上記実施例によれば、周期的に所定のパ
ルス幅τ、周期CAのパルス群アーク電流を流すことによ
りパルス群に同期してワイヤ電極に形成された溶融塊は
パルス群のアーク電流によって成長し、パルス周波数に
対応した電磁ピンチ力で溶融塊にくびれを起し、このく
びれをパルスによってさらに促進し、溶融塊の離脱を行
なう。溶融塊が離脱した後には、パルス群によって再び
ワイヤ電極の先端に新たに溶融塊を形成し、形成した溶
融塊をパルスで持ち上げながら形成して成長し、続いて
ベース電流IB期間では持ち上げられたワイヤ先端の溶融
塊は垂れ下がり、次のパルス群の開始時までに溶融塊の
形状を整えることになり、その結果、溶融塊の成長及び
離脱を規則的に繰り返すことになる。また、溶融塊が規
則的に離脱を行うようにするために、パルス群の印加開
始時からの離脱時刻TCを溶接条件の変動や外乱の影響を
考慮して定め、そのTC時刻付近でパルス群のパルスピー
ク値が最大値になるようにすると共に、溶融塊の離脱後
に生じる新たな溶融塊の持ち上がりを抑制するために、
TC時間経過後にパルス群のピーク値を下げるようにする
ことで、パルスピーク値の高い部分でパルスアーク放電
の電磁ピンチ力が最大となって溶融塊を確実に離脱させ
ることができる。また、パルス電流波形を複数個のパル
ス電流で構成し、このパルス電流群を周期的に繰り返す
放電電流波形としたので、1つのパルスが複数個のパル
スに分割されたことになり、このパルス電流波形の分割
によってワイヤ電極におけるパルスアーク放電の上向き
の電磁力が断続となるため、ワイヤ電極の先端に形成さ
れた溶融塊を持ち上げる力を緩和する作用をする。その
ため、雰囲気ガスがアルゴン主体のガスのみならず、CO
2ガスにおいてもワイヤ電極の先端に形成された溶融塊
は大塊となる以前に容易に離脱することになる。さら
に、第22図と第23図に示す如く、パルス群波形Miを、ワ
イヤ送給速度VWまたは平均電圧Vに応じてそのピーク値
を固定したまま波形の勾配を変化するよう制御すること
により、発生する溶融塊と被溶接物間のアーク長を許容
値以下に抑制することができ、アンダーカットの生じる
のを防止する。
なお、上記実施例における離脱時刻TCは溶接条件例え
ば電極径及び雰囲気ガスに応じて最適な離脱時刻を選択
することができるのは勿論である。
また、上記実施例では、上記パルス群波形は第24図
(a)に示すパルス振幅変調を利用したものを示した
が、同図(b)に示すパルス幅変調、または同図(c)
に示すパルス周波数変調のいずれかによって得られるも
のを利用することができ、いずれの場合においても同図
(d)に示す如く設定時間後その平均電流が最大ピーク
値となれば良く、ワイヤ送給速度VWまたは平均電圧Vに
応じて、ピーク値は固定したまま、変調度を変えてその
平均電流の勾配を変化させれば良い。
次に、上記第6発明の実施例ではパルス群波形をもち
いたパルスアーク溶接装置について説明したが、第25図
構成から得られる単一パルス電流波形の周期的な繰り返
しで行なうパルス溶接装置であってもよい。
すなわち、第25図は単一パルス電流波形を得て、パル
スアーク溶接を行なう第7の発明に係るパルス溶接装置
の一実施例を示すもので、図中、第19図と同一符号は同
一部分を示している。本実施例におけるパルス電流波形
制御回路(8)、パルス周期CA設定器(86′)の出力を
単一パルス生成用パルス波形Mi設定器(84′)とパルス
幅に相当するパルス期間X設定器(83′)のセット端子
に送出すると共に、上記パルス周期CA設定器(86′)に
ワイヤ送給速度の設定値を送出するように構成されてい
る。上記パルス波形Mi設定器(84′)の回路構成として
は第20図と同一構成で良い。
この実施例においても、第19図と同様に、設定時間TC
後電流値がピーク値となる事によりパルスピーク値の高
い部分でパルスアーク放電の電磁ピンチ力が最大とな
り、したがってパルスピーク値の高いTC時刻で確実に溶
融塊を離脱させることができると共に、ワイヤ送給速度
VWまたは平均電圧に応じてパルス群波形を、そのピーク
値を固定したまま勾配を変化させることによりアーク長
を所定値以下に抑制してアンダーカットの生じるのを防
止することができる。
なお、上記各実施例は、ワイヤ送給速度及び平均電圧
Vとがともに変化する場合であっても適用できるのは勿
論である。また、雰囲気ガス(シールドガス)としては
アルゴンとCO2ガスとの混合ガスを用いた溶接でもよ
く、上記実施例と同様の効果を奏する。
上記の一連の説明はパルスアーク溶接装置について述
べたが、短絡移行アーク溶接装置であってもよく、短絡
移行アーク溶接装置における電流波形例を第26図
(a),(b)に示す。この第26図(a),(b)の波
形では、短絡期間中はスムーズに溶融塊を被溶接物側へ
短絡離脱するための最適電流波形にした状態で、短絡か
らアークに移行した場合に、パルス群波形の勾配を、上
記の一連の説明と同様に、ワイヤ送給速度又は平均電圧
によって変えるようにすれば短絡期間とアーク期間の変
動が少なくなり、より規則的な短絡−アークの繰り返し
で短絡移行アーク溶接を行える効果を奏する。
又、第27図は第8の発明の一実施例によるパルス溶接
装置を示す構成図である。尚、図中、第1図と同一符号
は同一、又は相当部分を示す。図において、(842)は
本実施例におけるパルス群波形M1設定器(862)は同じ
く本実施例におけるパルス周期CA設定器であり、このパ
ルス周期CA設定器(862)はパルス群周期CB設定器(8
2)からのパルス群周期CBの入力に基づきこれに応じて
パルス群期間X内のパルス周期CA、つまりパルス間隔を
可変させるもので、その具体的回路例として第28図構成
を備えている。
すなわち、第28図に示すように、パルス群周期CB信号
の入力に基づいて動作し、設定時間TC後H出力を送出し
てリセットされることにより直ちに出力がLとなるタイ
マ(86a)、上記パルス群周期CB信号に基づいてセット
され上記タイマ(86a)のH出力に基づいてリセットさ
れる第1のフリップフロップ(86b)、上記タイマ(86
a)のH出力に基づいてセットされパルス群期間X信号
に基づいてリセットされる第2のフリップフロップ(86
c)、第1と第2のパルス周期CA1、CA2を設定するため
の設定値VBとVA−VFをそれぞれ出力する第1と第2のパ
ルス周期設定器(86e)と(86d)、フリップフロップ
(86b)と(86c)の出力に基づいてそれぞれスイッチン
グ制御されるアナログスイッチ(86f)と(86g)、第1
または第2のパルス周期設定器(86e)、(86d)の設定
値VB、VA−VFと積分器(86i)の出力VQを比較して積分
出力VQがVBまたはVA−VFに達した時にH出力を送出して
上記積分器(86i)をリセット制御すると共にそのH出
力をパルス周期信号CA(CA1、CA2)として出力する比較
器(86h)を有し、上記第2のパルス周期設定器(86d)
は、設定電圧値VAを送出する設定器(86da)と、パルス
群周期CB信号を周波数電圧変換して電圧値VFを送出する
F/V変換器(86db)と、上記設定値VAと上記変換電圧値V
Fとの差動出力VA−VFを得る差動器(86dc)を備え、パ
ルス群周期CB信号の周波数が増大する程大きな信号値を
出力するようにしている。従って、設定値VAを最大電圧
VFより大きい値に設定することでパルス群周期CBに比例
する差動出力VA−VFの極性を正としこの(VA−VF)値に
応じてパルス周期CAが長くなり、そのパルス周期CAによ
りパルス休止期間(ベース電流期間)が長くなって溶融
塊の単位時間当りの成長速度を抑制するようになってい
る。なお、タイマ(86a)の設定時間TCは第1のパルス
周期信号CA1に基づくパルス群電流波形の1つ前のパル
ス群電流波形によってすでに形成しているワイヤ電極先
端の溶融塊をパルス電流によって、ワイヤ電極と溶融塊
の境界部分にくびれをつくりそのくびれを促進して溶融
塊が離脱するまでの時間に促進する。その後送出される
第2のパルス周期信号CA2に基づくパルス電流は次の溶
融塊の成長を促し次のパルス電流群による溶融塊の移行
を規則的に行なうよう機能する。
上記パルス周期CA設定器(862)による第1と第2の
パルス周期信号CA1、CA2の生成を第29図に基づいて説明
する。まず、パルス群周期CB設定器(82)からのパルス
群周期CB信号が第1のフリップフロップ(86b)のセッ
ト端子に入力すると共にタイマ(86a)に入力すること
により、上記第1のフリップフロップ(86b)はセット
され、その出力PXがHレベルとなることによりアナログ
スイッチ(86f)が導通し、第1のパルス周期設定器(8
6e)の出力VBが比較器(86h)への比較入力となる。比
較器(86h)は上記第1のパルス周期設定器(86e)の出
力VBと積分器(86i)の出力VQを比較してVQがVBと一致
した時に出力を送出し、その出力はパルス周期CA信号と
して第1のパルス周期設定器(86e)に基づくパルス周
期CA1を送出する。上記比較器(86h)の出力に基づいて
積分器(86i)はリセットされ再び積分動作を開始し、
上述した比較に基づく第1のパルス周期CA1信号の送出
を繰り返す。
次に上記タイマ(86a)の設定時間TCに達すると、タ
イマ出力によって第1のフリップフロップ(86b)はリ
セットされてその出力PXがLレベルとなることによりア
ナログスイッチ(86f)は非導通となり第1のパルス周
期設定器(86e)による比較器(86h)への比較入力は途
絶える。他方、上記タイマ出力によって第2のフリップ
フロップ(86c)はセットされてその出力PYがHレベル
となることによりアナログスイッチ(86g)は導通制御
されて第2のパルス周期設定器(86d)の出力VA−VF
上記比較器(86h)への比較入力となる。比較器(86h)
は上記第2のパルス周期設定器(86d)の出力VA−VF
積分器(86i)の出力VQを比較してVQがVA−VFと一致し
た時に出力を送出し、その出力はパルス周期CA信号とし
て第2のパルス周期設定器(86d)に基づくパルス周期C
A2を送出する。上記比較器(86h)の出力に基づいて積
分器(86i)はリセットされ再び積分動作を開始し、上
述した比較に基づく第2のパルス周期CA2信号の送出を
繰り返す。
すなわち、上記パルス周期設定器(862)によるパル
ス周期CA信号は、パルス電流群の周期的な繰り返し周期
の増大に応じてパルス間隔を分散するようになされ、パ
ルスアーク溶接時におけるワイヤ電極先端の溶融塊の成
長・離脱現象において、ワイヤ電極の固体部と溶融塊の
境界部でのくびれを促進して確実に溶融塊を被溶接物側
へ離脱させる時点つまりタイマ(86a)の設定時間TC
期間は比較的周期の短い第1のパルス周期CA1信号を送
出し、さらに、離脱した後にパルス間隔、つまりパルス
休止期間を長く保持すべく比較的周期の長い第2のパル
ス周期CA2を送出して単位時間当りの溶融塊の成長速度
を抑制することで、新たにワイヤ電極部に形成した溶融
塊の持ち上がり現象を抑制し、かつ速やかに溶融塊の成
長が行えることができるようにして次のパルス群におけ
る溶融塊の離脱を容易にするようにし、かつ規則的な時
刻で離脱するように、パルス間隔を異ならせて分散制御
している。
次に、この実施例装置の動作を第30図に示す波形図を
参照して説明する。まず、パルス群期間X設定器(8
3)、パルス群波形Mi設定器(842)、パルス幅τ設定器
(852)及びパルス周期CA設定器(862)からそれぞれパ
ルス群期間X信号、パルス群波形(包絡線)Mi信号、パ
ルス幅τ信号及びパルス周期CA信号をパルス波形整形器
(81)に送る。この際、フリップフロップでなるパルス
群期間X設定器(83)はワイヤ送給速度VWに応じて定ま
るパルス群周期CB信号に基づいてセットされ、パルス群
電荷量Q設定器(90)の出力に基づいてリセットされる
ようになされ、また、パルス群波形Mi設定器(84)は上
記パルス群周期CB信号に基づいて出力を送出し、さら
に、パルス周期CA設定器(86)はパルス群周期CB信号及
びパルス群期間X信号に基づいて出力を送出する。
パルス波形整形回路(81)は、パルス群期間X信号に
同期し、パルス幅τ、パルス周期CAをもつ各パルス信号
のパルスピーク値をパルス包絡線Mi上でそれぞれ求め、
第12図で示した間欠パルス群波形に整形する。さらに、
ベース電流IB出力器(88)からのベース電流IB信号で上
記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形に整形
する。この整形されたパルス電流信号と電流検出器
(6)で検出した電流信号とをインバータ駆動回路
(2)に入力することにより第30図で示したパルスアー
ク電流波形iに応じたインバータ駆動信号がインバータ
駆動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝達さ
れ、インバータを駆動させる。
このインバータの駆動によって、整形された交流波形
が高周波トランス(3)に出力される。さらに、高周波
トランス(3)の出力信号を高周波ダイオード(4A),
(4B)で直流波形に整流することにより、第30図で示し
たパルスアーク電流波形iを溶接部つまりアーク負荷部
(5)に供給している。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流波形iの
供給と同時にワイヤ電極(52)がモータ(図示せず)に
よって連続送給されている。したがって、パルスアーク
電流波形iによって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(5
4)間にパルスアーク放電(53)を生成し、被溶接物(5
4)とワイヤ電極(52)の先端部をパルスアーク放電(5
3)で溶融する。このワイヤ電極(52)の溶融した部分
を被溶接物(54)の溶融部に連続的に落下させることに
より溶接が行われる。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
ここで、上記実施例において、第30図に示す如く、パ
ルス波形整形器(81)から送出されるパルス群期間X内
のパルスの周期CAは第28図構成のパルス周期CA設定器
(86)によりパルス群周期CBに応じて可変制御され、例
えばパルス群周期CBが増大する程、その第2のパルス周
期CA2が長くなってパルス間隔が増大するよう制御され
る。この場合、第1のパルス周期CA1信号は常に一定し
たタイミングで送出制御される。従って、パルス周期CA
設定器(86)によってパルス周期、すなわちパルス間隔
は分散制御され、内蔵するタイマ(86a)の設定時間TC
まではいずれのパルス群周期においても固定した比較的
短いパルス周期信号CA1に基づくパルス間隔のパルス電
流により、パルスアーク溶接時におけるワイヤ電極先端
の溶融塊の成長・離脱現象において、ワイヤ電極の固体
部と溶融塊の境界部でのくびれを促進して確実にパルス
電流群の開始から所定時間後の時点で溶融塊を被溶接物
側へ離脱させることができる。
そして、上記タイマ(86a)の設定時間TC後の溶融塊
が離脱した後には、パルス群によって再びワイヤ電極の
先端に新たに溶融塊が持ち上げられながら成長し、続い
てベース期間では持ち上げられたワイヤ先端の溶融塊は
垂れ下がり、次のパルス群の開始時までに溶融塊の形状
を整えることになり、溶融塊の成長及び離脱を規則的に
繰り返すことになるが、パルス群周期CBに比例するパル
ス間隔、つまりパルス休止期間を設けてアーク長lの変
動を防止すべく、パルス群周期CBに比例するパルス間隔
を有する比較的長い第2のパルス周期CA2に基づいて送
出されるパルス電流により、新たにワイヤ電極部に形成
した溶融塊の持ち上がり現象を抑制しかつ溶融塊の成長
が行えることができるようにして次のパルス群における
溶融塊の離脱を容易にし、その移行を規則的に行なう。
この場合、パルス群周期CBに応じて第2のパルス周期C
A2が可変制御されることにより、アーク長はアンダーカ
ットが生じない許容アーク長lo以下の値lに確実に抑制
される。
また、パルス電流波形を複数個のパルス電流で構成
し、このパルス電流群を周期的に繰り返す放電電流波形
としたので、1つのパルスが複数個のパルスに分割され
たことになり、このパルス電流波形の分割によってワイ
ヤ電極におけるパルスアーク放電の上向きの電磁力が断
続となるため、ワイヤ電極の先端に形成された溶融塊を
持ち上げる力を緩和する作用をする。そのため、雰囲気
ガスがアルゴン主体のガスのみならず、CO2ガスにおい
てもワイヤ電極の先端に形成された溶融塊は大塊となる
以前に容易に離脱する。
なお、上記実施例におけるパルス周期CAを分散制御す
るための設定時間TCは溶接条件例えば電極径及び雰囲気
ガスに応じて最適な離脱時刻を選択することができるの
は勿論である。
また、第31図は第9の発明を示すもので、第1のパル
ス周期設定器(86e′)を可変抵抗器の代わりにアンプ
で構成し、かつその出力VBを第2のパルス周期設定器
(86d)の出力VA−VFに所定の増幅率Aを掛けた値にし
てこの第1のパルス周期CA1をも第2のパルス周期と同
様に可変制御するものである。このようにすることによ
り、第1のパルス周期CA2も第1のパルス周期CA1と同様
にしてパルス群周期CBに応じて制御でき、第1のパルス
周期間におけるアーク長変動を抑制できる。なお、この
第1のパルス周期CA1は第2のパルス周期CA2よりも短い
送出タイミングの信号とするのは溶融塊の成長及び離脱
を目的としている点で当然である。
従って、この実施例においては、パルス群周期に応じ
てパルス間隔を分散してパルス群内での単位時間当りの
パルス電流により注入電荷量を抑制することで溶融塊の
成長速度をパルス群周期に応じて制御することができ
る。
なお、上記実施例では、パルス群の電荷量を検出し、
パルス群の電荷量を所望の電荷量に略一定化を図る手段
について述べたが、溶融塊に注入されるエネルギを略一
定化を図るようにしても同様の効果が得られることは当
然である。また、上記実施例の説明では、パルスアーク
溶接装置について説明したが、短絡移行アーク溶接装置
のアーク期間において、第9の発明の実施例手段を有す
れば、短絡とアーク期間が規則的になり、溶接ビードの
余盛量や溶け込み深さの変動が少なくなり、より品質の
よい短絡移行アーク溶接が行なえる効果がある。
又、第32図は、第10の発明の一実施例によるパルス溶
接装置を示す構成図である。尚、図中、第1図と同一符
号は同一、又は相当部分を示す。図において、(864
は本実施例におけるパルス周期CA設定器、また、(90)
は上記電流検出器(6)による検出電流値Iと上記電圧
検出器(7)による検出電圧値Vに基づいてワイヤ電極
先端と被溶接物間のアーク長L(l)を検出するアーク
長検出器を示し、このアーク長検出器(90)としては、
第33図構成を備える。第33図において、このアーク長検
出器(90)は、絶縁アンプ(90a)と(90b)、この絶縁
アンプ(90a)を介して検出電流iを取り込み、これにK
1(i)倍したK1(i)・iを求める乗算器(90c)、オ
フセット電圧定数K2を設定する直流電圧定数設定器(90
c)、上記乗算器(90c)と直流電圧定数設定器(90d)
の各出力を加算する加算器(90e)及びその加算出力Vx
=K1(i)・i+K2と電圧検出器(7)による検出電圧
Vとを比較することによりアーク長に応じた比較出力L
(l)=V−Vxを送出する比較器(90f)を有し、検出
電圧と検出電流に基づいてアーク長に応じたアーク長信
号を検出する。
すなわち、アーク長信号Vは、アークの正特性定数を
R(i)、アーク電流をi、アーク長に対する比例定数
をA、アーク長をl、最少電圧をBとした時、V=R
(i)・i+Al+Bとして表現でき、他方、回路論的に
定数をK1(i)、オフセット電圧定数をK2とした時、電
圧VxはVx=K1(i)・i+K2として表現できる。従っ
て、その比較差L(l)=V−Vxは、L(l)=V−Vx
={R(i)−K1(i)}i+Al+B−K2となり、R
(i)≒K1(i)となるよう選定すれば、L(l)≒Al
+(B−K2)となってアーク長のみ関数となり得るの
で、A、B及びK2の設定によって上記比較器(10f)か
ら出力される比較差L(l)=V−Vxはアーク長信号と
なり実際のアーク長を検出できる。
さらに、(91)は上記アーク長検出器(90)によるア
ーク長検出値L(l)に基づいて溶融塊の離脱信号df
得る離脱検出器で、溶融塊の離脱時に上記アーク長検出
器(90)によるアーク長に応じたアーク電圧L(l)=
V−Vxは急激に上昇することからその微分信号df=d
{L(l)}/dtによって離脱を検出できる。なお、上
記第32図において、(9)と(10)はワイヤ送給速度VW
を設定するワイヤ送給速度VW設定器とその設定速度値に
基づいてワイヤ送給速度を制御するワイヤ送給装置、
(11)はパルス群を構成するパルスのパルスピーク値を
設定してパルス群波形Mi設定器(84)に与える平均電圧
Voを設定する平均電圧V設定器である。
第32図構成において、上記パルス周期CA設定器(8
64)は、パルス群周期CB設定器(824)と離脱検出器(9
1)からのパルス群周期CBと離脱信号dfとの入力に基づ
きこれに応じてパルス群期間X内のパルス周期CA、つま
りパルス間隔(ベース電流期間=パルス休止期間)を可
変させるもので、その具体的回路例として第34図構成を
備えている。
すなわち、第34図に示すように、パルス群周期CB信号
に基づいてセットされ上記離脱検出器(91)の検出信号
dfに基づいてリセットされる第1のフリップフロップ
(86a)、上記離脱検出器(91)の検出信号dfに基づい
てセットされパルス群期間X信号に基づいてリセットさ
れる第2のフリップフロップ(86b)、第1と第2のパ
ルス周期CA1、CA2を設定するための設定値VBとVAをそれ
ぞれ出力する第1と第2のパルス周期設定器(86c)と
(86d)、フリップフロップ(86a)と(86b)の出力に
基づいてそれぞれスイッチング制御されるアナログスイ
ッチ(86e)と(86f)、第1または第2のパルス周期設
定器(86c)、(86d)の設定値VB、VAと積分器(86g)
の出力VQを比較して積分出力VQがVBまたはVAに達した時
にH出力を送出して上記積分器(86g)をリセット制御
すると共にそのH出力をパルス周期信号CA(CA1、CA2
として出力する比較器(86h)を有し、上記第2のパル
ス周期設定器(86d)の設定値VAは上記第1のパルス周
期設定器(86e)の設定値VBよりも大きく設定してな
り、設定値VAを設定値VBより大きい値に設定すること
で、積分出力VQとの比較に基づいて比較器(86h)から
出力されるパルス周期CAは設定値VAに基づくパルス周期
CA2が設定値VBに基づくパルス周期CA1よりも長くなり、
そのパルス周期CAによりパルス休止期間(ベース電流期
間)が長くなって溶融塊の単位時間当りの成長速度を抑
制するようになっている。
従って、第1のパルス周期信号CA1に基づくパルス群
電流波形の1つ前のパルス群電流波形によってすでに形
成しているワイヤ電極先端の溶融塊をパルス電流によっ
て、ワイヤ電極と溶融塊の境界部分にくびれをつくりそ
のくびれを促進して溶融塊を離脱させ、離脱検出器(9
1)により検出出力される離脱信号dfの発生後に送出さ
れる第2のパルス周期信号CA2に基づくパルス電流によ
って、次の溶融塊の成長を促し次のパルス電流群による
溶融塊の移行を規則的に行なうよう機能する。
上記パルス周期CA設定器(864)による第1と第2の
パルス周期信号CA1、CA2の生成を第35図に基づいて説明
する。まず、パルス群周期CB設定器(82)からのパルス
群周期CB信号が第1のフリップフロップ(86a)のセッ
ト端子に入力することにより、上記第1のフリップフロ
ップ(86b)はセットされ、その出力PXがHレベルとな
ることによりアナログスイッチ(86e)が導通し、第1
のパルス周期設定器(86c)の出力VBが比較器(86h)へ
の比較入力となる。比較器(86h)は上記第1のパルス
周期設定器(86c)の出力VBと積分器(86g)の出力VQ
比較してVQがVBと一致した時に出力を送出し、その出力
はパルス周期CA信号として第1のパルス周期設定器(86
c)に基づくパルス周期CA1を送出する。上記比較器(86
h)の出力に基づいて積分器(86g)はリセットされ再び
積分動作を開始し、上述した比較に基づく第1のパルス
周期CA1信号の送出を繰り返す。
次に離脱検出器(91)による離脱信号dfが到来する
と、この離脱信号dfに同期して第1のフリップフロップ
(86a)はリセットされてその出力PXがLレベルとなる
ことにより、アナログスイッチ(86e)は非導通となり
第1のパルス周期設定器(86c)による比較器(86h)へ
の比較入力は途絶える。他方、上記離脱信号dfによって
第2のフリップフロップ(86b)はセットされてその出
力PYがHレベルとなることにより、アナログスイッチ
(86f)は導通制御されて第2のパルス周期設定器(86
d)の出力VAが上記比較器(86h)への比較入力となる。
比較器(86h)は上記第2のパルス周期設定器(86d)の
出力VAと積分器(86g)の出力VQを比較してVQがVAと一
致した時に出力を送出し、その出力はパルス周期CA信号
として第2のパルス周期設定器(86d)に基づくパルス
周期CA2を送出する。上記比較器(86h)の出力に基づい
て積分器(86g)はリセットされ再び積分動作を開始
し、上述した比較に基づく第2のパルス周期CA2信号の
送出を繰り返す。
すなわち、上記パルス周期設定器(864)によるパル
ス周期CA信号は、ワイヤ電極先端の溶融塊の離脱検出に
基づいてパルス間隔を異ならせるようになされ、パルス
アーク溶接時におけるワイヤ電極先端の溶融塊の成長・
離脱現象において、ワイヤ電極の固体部と溶融塊の境界
部でのくびれを促進して確実に溶融塊を被溶接物側へ離
脱させる時点、つまり離脱検出器(91)による検出信号
dfが到来するまでの間は比較的周期の短い第1のパルス
周期CA1信号を送出し、さらに、離脱した後は、パルス
間隔、つまりパルス休止期間を長く保持すべく比較的周
期の長い第2のパルス周期CA2を送出して単位時間当り
の溶融塊の成長速度を抑制することで、新たにワイヤ電
極部に形成した溶融塊の持ち上がり現象を抑制し、かつ
速やかに溶融塊の成長が行えることができるようにして
次のパルス群における溶融塊の離脱を容易にするように
し、かつ規則的な時刻で離脱するように、パルス間隔を
異ならせて分散制御している。
次に、この実施例装置の動作を第36図に示す波形図を
参照して説明する。まず、パルス群周期CB設定器(8
2)、パルス群期間X設定器(83)、パルス群波形Mi
定器(84)、パルス幅τ設定器(85)及びパルス周期CA
設定器(864)からそれぞれパルス群周期CB信号、パル
ス群期間X信号、パルス群波形(包絡線)Mi信号、パル
ス幅τ信号及びパルス周期CA信号をパルス波形整形器
(81)に送る。この際、パルス周期CA設定器(86)はパ
ルス群周期CB信号に基づいて出力を送出するようになさ
れ、出力するパルス周期CAは、離脱検出器(91)による
離脱信号dfが到来するまではパルス周期信号CA1を送出
し、離脱信号dfの到来後は、上記パルス周期信号CA1
りも比較的間隔の長いパルス周期信号CA2を送出する。
パルス波形整形回路(81)は、パルス群期間X信号に
同期し、パルス幅τ、パルス周期CAをもつ各パルス信号
のパルスピーク値をパルス包絡線Mi上でそれぞれ求め、
第36図で示した間欠パルス群波形に整形する。さらに、
ベース電流IB出力器(88)からのベース電流IB信号で上
記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形に整形
する。この整形されたパルス電流信号と電流検出器
(6)で検出した電流信号とをインバータ駆動回路
(2)に入力することにより第36図で示したパルスアー
ク電流波形iに応じたインバータ駆動信号がインバータ
駆動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝達さ
れ、インバータを駆動させる。
このインバータの駆動によって、整形された交流波形
が高周波トランス(3)に出力される。さらに、高周波
トランス(3)の出力信号を高周波ダイオード(4A),
(4B)で直流波形に整流することにより、第36図で示し
たパルスアーク電流波形iを溶接部つまりアーク負荷部
(5)に供給している。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流波形iの
供給と同時にワイヤ電極(52)がモータ(図示せず)に
よって連続送給されている。したがって、パルスアーク
電流波形iによって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(5
4)間にパルスアーク放電(53)を生成し、被溶接物(5
4)とワイヤ電極(52)の先端部をパルスアーク放電(5
3)で溶融する。このワイヤ電極(52)の溶融した部分
を被溶接物(54)の溶融部に連続的に落下させることに
より溶接が行われる。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
ここで、上記実施例において、第36図に示す如く、パ
ルス波形整形器(81)から送出されるパルス群期間X内
のパルスの周期CAは第36図構成のパルス周期CA設定器
(864)により離脱検出器(91)による離脱信号dfに基
づいて可変制御され、上記離脱信号dfの到来前はいずれ
のパルス群周期においても固定した比較的短いパルス周
期信号CA1に基づくパルス間隔のパルス電流により、パ
ルスアーク溶接時におけるワイヤ電極先端の溶融塊の成
長・離脱現象において、ワイヤ電極の固体部と溶融塊の
境界部でのくびれを促進して溶融塊を被溶接物側へ離脱
させることができる。
そして、溶融塊が離脱した後は、パルス群によって再
びワイヤ電極の先端に新たに溶融塊が持ち上げられなが
ら成長し、続いてベース期間では持ち上げられたワイヤ
先端の溶融塊は垂れ下がり、次のパルス群の開始時まで
に溶融塊の形状を整えることになり、溶融塊の成長及び
離脱を規則的に繰り返すことになるが、アーク長lの変
動を防止すべく、離脱信号dfの検出に基づいて送出され
る比較的長い第2のパルス周期CA2に基づいて送出され
るパルス電流により、新たにワイヤ電極部に形成した溶
融塊の持ち上がり現象を抑制しかつ溶融塊の成長が行え
ることができるようにして次のパルス群における溶融塊
の離脱を容易にし、その移行を規則的に行なう。この場
合、上記離脱信号dfの検出に基づいて繰り返す比較的長
い第2のパルス周期CA2により、アーク長はアンダーカ
ットが生じない許容アーク長lo以下の値lに確実に抑制
される。
また、パルス電流波形を複数個のパルス電流で構成
し、このパルス電流群を周期的に繰り返す放電電流波形
としたので、1つのパルスが複数個のパルスに分割され
たことになり、このパルス電流波形の分割によってワイ
ヤ電極におけるパルスアーク放電の上向きの電磁力が断
続となるため、ワイヤ電極の先端に形成された溶融塊を
持ち上げる力を緩和する作用をする。そのため、雰囲気
ガスがアルゴン主体のガスのみならず、CO2ガスにおい
てもワイヤ電極の先端に形成された溶融塊は大塊となる
以前に容易に離脱する。
また、上記実施例では、パルス群内のパルス間隔を溶
融塊の離脱前後によって切り換えたが、パルス群内のパ
ルス幅又はパルス周期のいずれかを離脱前後によって切
り換えてもよい。すなわち、溶融塊が離脱した後の残り
の溶融塊がパルスによって持ち上がりアーク長が長くな
るのをパルス幅を小さくすることやパルス周期を長くす
ることでパルスによる持ち上げ力を弱めるようにして、
溶融塊の成長速度を制御できる。
なお、上記実施例の説明では、パルスアーク溶接装置
について説明したが、短絡移行アーク溶接装置のアーク
期間において、この発明の実施例手段を有すれば、短絡
とアーク期間が規則的になり、溶接ビードの余盛量や溶
け込み深さの変動が少なくなり、より品質のよい短絡移
行アーク溶接が行なえる効果がある。
又、第37図は、第11発明の一実施例によるパルス溶接
装置を示す構成図である。尚、図中、第1図と同一符号
は同一、又は相当部分を示す。図において、(865)は
本実施例におけるパルス周期CA設定器であり、このパル
ス周期CA設定器(865)は、パルス群周期CB設定器(8
2)からのパルス群周期CBの入力に基づきこれに応じて
パルス群期間X内のパルス周期CA、つまりパルス間隔を
可変させるもので、その具体的回路例として第33図構成
を備えている。
すなわち、第38図に示すように、パルス群周期CB信号
の入力に基づいて動作し、設定時間TC後H出力を送出し
てリセットされることにより直ちに出力がLとなるタイ
マ(86a)、上記パルス群周期CB信号に基づいてセット
され上記タイマ(86a)のH出力に基づいてリセットさ
れる第1のフリップフロップ(86b)、上記タイマ(86
a)のH出力に基づいてセットされパルス群期間X信号
に基づいてリセットされる第2のフリップフロップ(86
c)、第1と第2のパルス周期CA1、CA2を設定するため
の設定値VBとVAをそれぞれ出力する第1と第2のパルス
周期設定器(86e)と(86d)、フリップフロップ(86
b)と(86c)の出力に基づいてそれぞれスイッチング制
御されるアナログスイッチ(86f)と(86g)、第1また
は第2のパルス周期設定器(86e)、(86d)の設定値
VB、VAと積分器(86i)の出力VQを比較して積分出力VQ
がVBまたはVAに達した時にH出力を送出して上記積分器
(86i)をリセット制御すると共にそのH出力をパルス
周期信号CA(CA1、CA2)として出力する比較器(86h)
を有し、上記第2のパルス周期設定器(86d)の、設定
値VAは上記第1のパルス周期設定器(86e)の設定値VB
よりも大きく設定してなり、設定値VAを設定値VBより大
きい値に設定することで、積分出力VQとの比較に基づい
て比較器(86h)から出力されるパルス周期CAは設定値V
Aに基づくパルス周期CA2が設定値VBに基づくパルス周期
CA1よりも長くなり、そのパルス周期CAによりパルス休
止期間(ベース電流期間)が長くなって溶融塊の単位時
間当りの成長速度を抑制するようになっている。なお、
タイマ(86a)の設定時間TCは第1のパルス周期信号CA1
に基づくパルス群電流波形の1つ前のパルス群電流波形
によってすでに形成しているワイヤ電極先端の溶融塊を
パルス電流によって、ワイヤ電極と溶融塊の境界部分に
くびれをつくりそのくびれを促進して溶融塊が離脱する
までの時間に設定する。その後送出される第2のパルス
周期信号CA2に基づくパルス電流は次の溶融塊の成長を
促し次のパルス電流群による溶融塊の移行を規則的に行
なうよう機能する。
上記パルス周期CA設定器(86)による第1と第2のパ
ルス周期信号CA1、CA2の生成を第39図に基づいて説明す
る。まず、パルス群周期CB設定器(82)からのパルス群
周期CB信号が第1のフリップフロップ(86b)のセット
端子に入力すると共にタイマ(86a)に入力することに
より、上記第1のフリップフロップ(86b)はセットさ
れ、その出力PXがHレベルとなることによりアナログス
イッチ(86f)が導通し、第1のパルス周期設定器(86
e)の出力VBが比較器(86h)への比較入力となる。比較
器(86h)は上記第1のパルス周期設定器(86e)の出力
VBと積分器(86i)の出力VQを比較してVQがVBと一致し
た時に出力を送出し、その出力はパルス周期CA信号とし
て第1のパルス周期設定器(86e)に基づくパルス周期C
A1を送出する。上記比較器(86h)の出力に基づいて積
分器(86i)はリセットされ再び積分動作を開始し、上
述した比較に基づく第1のパルス周期CA1信号の送出を
繰り返す。
次に上記タイマ(86a)の設定時間TCに達すると、タ
イマ出力によって第1のフリップフロップ(86b)はリ
セットされてその出力PXがLレベルとなることによりア
ナログスイッチ(86f)は非導通となり第1のパルス周
期設定器(86e)による比較器(86h)への比較入力は途
絶える。他方、上記タイマ出力によって第2のフリップ
フロップ(86c)はセットされてその出力PYがHレベル
となることによりアナログスイッチ(86g)は導通制御
されて第2のパルス周期設定器(86d)の出力VAが上記
比較器(86h)への比較入力となる。比較器(86h)は上
記第2のパルス周期設定器(86d)の出力VAと積分器(8
6i)の出力VQを比較してVQがVAと一致した時に出力を送
出し、その出力はパルス周期CA信号として第2のパルス
周期設定器(86d)に基づくパルス周期CA2を送出する。
上記比較器(86h)の出力に基づいて積分器(86i)はリ
セットされ再び積分動作を開始し、上述した比較に基づ
く第2のパルス周期CA2信号の送出を繰り返す。
すなわち、上記パルス周期設定器(865)によるパル
ス周期CA信号は、ワイヤ電極先端の溶融塊の離脱するタ
イマ(86a)の設定時間TC後にそれぞれ以前のパルス間
隔より比較的長いパルス間隔に分散するようになされ、
パルスアーク溶接時におけるワイヤ電極先端の溶融塊の
成長・離脱現象において、ワイヤ電極の固体部と溶融塊
の境界部でのくびれを促進して確実に溶融塊を被溶接物
側へ離脱させる時点、つまりタイマ(86a)の設定時間T
Cの期間は比較的周期の短い第1のパルス周期CA1信号を
送出し、さらに、離脱した後に、パルス間隔つまりパル
ス休止期間を長く保持すべく比較的周期の長い第2のパ
ルス周期CA2を送出して単位時間当りの溶融塊の成長速
度を抑制することで、新たにワイヤ電極部に形成した溶
融塊の持ち上がり現象を抑制し、かつ速やかに溶融塊の
成長が行えることができるようにして次のパルス群にお
ける溶融塊の離脱を容易にするようにし、かつ規則的な
時刻で離脱するように、パルス間隔を異ならせて分散制
御している。
次に、この実施例装置の動作を第40図に示す波形図を
参照して説明する。まず、パルス群周期CB設定器(8
2)、パルス群期間X設定器(83)、パルス群波形Mi
定器(84)、パルス幅τ設定器(85)及びパルス周期CA
設定器(865)からそれぞれパルス群周期CB信号、パル
ス群期間X信号、パルス群波形(包絡線)Mi信号、パル
ス幅τ信号及びパルス周期CA信号をパルス波形整形器
(81)に送る。この際、パルス周期CA設定器(86)はパ
ルス群周期CB信号とパルス群期間X信号に基づいて出力
を送出するようになされ、出力するパルス周期CAは、パ
ルスの送出開始からタイマ(86a)の設定時間TCに到達
するまではパルス周期信号CA1を送出し、上記設定時間T
C後は、上記パルス周期信号CA1よりも比較的間隔の長い
パルス周期信号CA2を送出する。
パルス波形整形回路(81)は、パルス群期間X信号に
同期し、パルス幅τ、パルス周期CAをもつ各パルス信号
のパルスピーク値をパルス包絡線Mi上でそれぞれ求め、
第40図で示した間欠パルス群波形に整形する。さらに、
ベース電流IB出力器(88)からのベース電流IB信号で上
記間欠パルス群波形に直流電流IBを重畳した波形に整形
する。この整形されたパルス電流信号と電流検出器
(6)で検出した電流信号とをインバータ駆動回路
(2)に入力することにより第40図で示したパルスアー
ク電流波形iに応じたインバータ駆動信号がインバータ
駆動回路(2)からインバータ回路部(1)へ伝達さ
れ、インバータを駆動させる。
このインバータの駆動によって、整形された交流波形
が高周波トランス(3)に出力される。さらに、高周波
トランス(3)の出力信号を高周波ダイオード(4A),
(4B)で直流波形に整流することにより、第40図で示し
たパルスアーク電流波形iを溶接部つまりアーク負荷部
(5)に供給している。
アーク負荷部(5)では、パルスアーク電流波形iの
供給と同時にワイヤ電極(52)がモータ(図示せず)に
よって連続送給されている。したがって、パルスアーク
電流波形iによって、ワイヤ電極(52)と被溶接物(5
4)間にパルスアーク放電(53)を生成し、被溶接物(5
4)とワイヤ電極(52)の先端部をパルスアーク放電(5
3)で溶融する。このワイヤ電極(52)の溶融した部分
を被溶接物(54)の溶融部に連続的に落下させることに
より溶接が行われる。そのため当然にワイヤ電極(52)
が連続して消耗していく。その消耗量を補うため上記モ
ータでワイヤ電極(52)を溶接トーチ(51)へ連続送給
している。
ここで、上記実施例において、第40図に示す如く、パ
ルス波形整形器(81)から送出されるパルス群期間X内
のパルスの周期CAは第38図構成のパルス周期CA設定器
(865)によりタイマ(86a)による設定時間TCに基づい
て可変制御され、パルス送出開始から上記設定時間TC
到達前はいずれのパルス群周期においても固定した比較
的短いパルス周期信号CA1に基づくパルス間隔のパルス
電流により、パルスアーク溶接時におけるワイヤ電極先
端の溶融塊の成長・離脱現象において、ワイヤ電極の固
体部と溶融塊の境界部でのくびれを促進して確実にパル
ス電流群の開始から所定時間TC後の時点で溶融塊を被溶
接物側へ離脱させることができる。
そして、上記設定時間TC後の溶融塊が離脱した後に
は、パルス群によって再びワイヤ電極の先端に新たに溶
融塊が持ち上げられながら成長し、続いてベース期間で
は持ち上げられたワイヤ先端の溶融塊は垂れ下がり、次
のパルス群の開始時までに溶融塊の形状を整えることに
なり、溶融塊の成長及び離脱を規則的に繰り返すことに
なるが、アーク長lが所定値以上に成長するのを抑制す
べく、比較的長い第2のパルス周期CA2に基づいて送出
されるパルス電流により、新たにワイヤ電極部に形成し
た溶融塊の持ち上がり現象を抑制しかつ溶融塊の成長が
行えることができるようにして次のパルス群における溶
融塊の離脱を容易にし、その移行を規則的に行なうこと
により、アーク長はアンダーカットが生じない許容アー
ク長lo以下の値lに確実に抑制される。
また、パルス電流波形を複数個のパルス電流で構成
し、このパルス電流群を周期的に繰り返す放電電流波形
としたので、1つのパルスが複数個のパルスに分割され
たことになり、このパルス電流波形の分割によってワイ
ヤ電極におけるパルスアーク放電の上向きの電磁力が断
続となるため、ワイヤ電極の先端に形成された溶融塊を
持ち上げる力を緩和する作用をする。そのため、雰囲気
ガスがアルゴン主体のガスのみならず、CO2ガスにおい
てもワイヤ電極の先端に形成された溶融塊は大塊となる
以前に容易に離脱する。
なお、上記実施例におけるパルス周期CAを分散制御す
るための設定時間TCは溶接条件例えば電極径及び雰囲気
ガスに応じて最適な離脱時刻を選択することができるの
は勿論である。
また、上記実施例の説明では、パルスアーク溶接装置
について説明したが、短絡移行アーク溶接装置のアーク
期間において、発明の実施例手段を有すれば、短絡とア
ーク期間が規則的になり、溶接ビードの余盛量や溶け込
み深さの変動が少なくなり、より品質のよい短絡移行ア
ーク溶接が行なえる効果がある。
また、上記実施例ではパルス群内のパルス間隔を溶融
塊の離脱をパルス群の開始から予め設定時間で離脱を推
定し、かつ推定した離脱時刻の前後でパルス群内のパル
ス間隔を切り換えたものについて説明したが、パルス群
内のパルス幅又はパルス周期を推定した離脱時刻によっ
て切り換えてもよい。すなわち、溶融塊が離脱した後の
残りの溶融塊がパルスによって持ち上がりアーク長が長
くなるのをパルス幅を小さくすることやパルス周期を長
くすることでパルスによる持ち上げ力を弱めるようにし
て、溶融塊の成長速度を制御できる。
次に、第41図は、第12の発明の一実施例によるパルス
アーク溶接装置の全体構成図である。図において、第32
図と同一符号は同一、又は相当部分を示し、その詳細な
説明は省略する。図において、(92)はアーク電圧検出
値Vとアーク電流検出値Iに基づいてアーク長変化に対
応した信号を検出し、信号A(L(l))を出力するア
ーク検出器であり、その詳細な構成と動作特性図はそれ
ぞれ第33図と第43図に示す。(93)はアーク長検出信号
(L(l))に基づき溶融塊の離脱を検出する離脱検出
器、そしてパルス電流波形制御回路(8)においては、
(87)はパルス電流群を構成する各単一パルスのレベル
を順次可変しパルスレベルに勾配を付けてパルス群波形
を設定するパルス群波形勾配設定器である。該パルス群
波形勾配設定器(87)の構成(第42図)において、(87
1)はパルス群周期信号CB及びパルス群期間信号Xの出
力制御を行なう第1のフリップフロップ(以下、F/F 1
と略記する)、(872),(873)は抵抗器R1,R2(R2
R1)、(874)はコンデンサC(875)はオペアンプであ
りこれら回路素子で積分回路を構成する。(876)は抵
抗器R3、(877)はトランジスタ1(以下Tr1と略記す
る)であり、該Tr1(877)のON動作と共にコンデンサC
(874)に蓄えられた電荷を抵抗器(876)を通して放電
する放電回路を構成する。(878)はオペアンプ(875
の入出力端を短絡制御するトランジスタ2(以下Tr2
略記する)である。(879)はTr1(877)をON動作制御
する第2のフリップフロップ(以下F/F 2と略記す
る)、(8710)はTr2(878)をON動作制御するインバー
タ、(8711)はパルス群期間信号X入力以外はF/F 1(8
71)の出力レベルをアース電位に下げるトランジスタ3
(以下Tr3と略記する)、(8712)、(8713)はF/F 1,2
(871),(879)のリセット信号入力用のバッファ、
(8714)はオペアンプ出力を反転してパルス波形整形器
(81)へ出力する反転回路である。
次に上記構成に基づきパルス群波形勾配設定器(87)
の動作を第44図の信号波形図を参照して説明する。パル
ス群周期信号CB設定器(82)によりF/F 1(871)のセッ
ト端子へパルス群周期信号CB(第44図の(a))が入力
されると、オペアンプ(875)は抵抗器R2(873)とコン
デンサC(874)によって決まる時定数による充電特性
で出力を反転回路(8714)へ出力する(第44図の(e)
のS1)。また、上記F/F 1(871)はオペアンプ(875
の出力がピークレベルに達する前に、“H"レベル出力を
抵抗器R1(15j2)へ出力する。この時オペアンプ(8
75)は抵抗R1(872)とコンデンサC(874)を充電時定
数回路とする積分回路を構成するので、“H"レベル信号
を上記充電時定数に従って充電して行き出力する(同図
の(e)のS2)。一方、オペアンプ(875)が充電電圧
を出力している間に、離脱検出回路(8)が信号A(L
(l))に基づいて溶融塊の離脱を検出し、離脱信号を
F/F 2(879)へ出力すると(同図の(b))、F/F 2(8
79)よりTr1(877)へH信号が入力され、上記コンデン
サC(874)の両端は抵抗器R3(876)によって短絡され
る。この結果コンデンサC(874)に蓄えられた電荷は
抵抗器R3(876)とコンデンサC(874)の時定数によっ
て決まる放電特性(同図の(e)のS3)で放電するため
オペアンプ(875)の出力は所定の割合で減少して行
く。
また、オペアンプ(875)出力がある程度まで減少し
た時点で、パルス群期間信号Xが“H"レベルより“L"レ
ベルに反転し、信号出力が停止すると、F/F 1(871)の
リセット端子に接続されたインバータ(8712)を介して
“H"レベルに反転したパルス群期間信号X(同図の
(c))が入力されるので、F/F 1(871)の出力は“L"
レベルに反転してインバータ(8710)に入力し、インバ
ータ(8710)の反転出力によってTr2(878)をON動作さ
せる。また、F/F 2(879)のリセット端子もインバータ
(8713)を介して反転パルス群期間信号Xを入力し、
“L"レベル信号をTr2(877)に出力してOFF動作する。
従って、オペアンプ(875)の両端はTr2(878)によっ
て短絡されオペアンプ(875)の出力は急激に零レベル
(同図の(e)のS4)に下がる。パルス群期間が終り、
次のパルス群期間に入るまで、オペアンプ(875)に入
力が加わるのを防止するため、インバータ(8710)の反
転出力をTr3(8711)入力してF/F 1(871)の出力をア
ース電位に下げ、オペアンプ(875)の入力を“L"レベ
ルに保つ。
以上のように、出力制御されたオペアンプ(875)の
充放電出力信号は反転回路(8714)によって反転され、
山形形状の包絡線信号ES(第44図の(e)をパルス波形
整形器(81a)へ出力している。このパルス波形整形器
(81a)は同図の(f)に示すようなパルス電流群をパ
ルス群周期CB毎にベース電流IBを重畳してアーク電流と
して比較器(87)へ出力する。
以上のように、パルス群波形勾配設定器(87)でパル
ス包絡線信号ESを形成することでワイヤ電極先端の溶融
塊の成長、離脱現象等が起きるパルス群周期に、パルス
電流送出開始から順次パルス電流レベルが増加してパル
スアーク放電の電磁ピンチ力は順次増大する。よってワ
イヤ電極の固体部と溶融塊の境界部でのくびれを促進
し、溶融塊の離脱遅れを抑制して確実に溶融塊を被溶接
物側へ離脱することができる。
さらに、溶融塊の離脱後にパルス電流レベルを順次減
少するように勾配を切り変えることで再びワイヤ電極に
形成する溶融塊の成長時にパルス電流値による溶融塊の
持ち上がりを抑制する作用をし、次のパルス群での離脱
の遅れを抑制する。
なお、上記実施例はパルス集団からなるパルス電流群
波形を山形形状の包絡線信号ESによって、波形形状を山
形形状に変調する例を示したが、所定のパルス期間を有
する単一パルスを山形形状にしても同様な効果を奏す
る。このような作用を行なわせる回路構成として第45図
に示すものがある。この回路構成として第42図に示すパ
ルス群周期CB設定器、パルス群期間X設定器に代えて単
一パルスの出力周期を設定するパルス周期設定器(88
b)、とパルス幅すなわちパルス出力期間を設定するパ
ルス期間設定器(88c)を備えたものであり、動作は上
記実施例と同様である。
次に、上記アーク長検出器(92)の動作に関し、第43
図を参照して説明する。
アーク長検出器(92)は、先ず絶縁アンプ(92b)を
介して入力されたアーク電流検出値(I)を乗算器(92
c)へ入力し、この乗算器(92c)で関数設定器(92d)
より入力した関数K1と共に電流に依存した関数K1(I)
とを乗算し加算器(92f)に入力する。加算器(92f)に
は直流電圧設定器(92e)よりベース電圧を設定する直
流電圧定数(K2)が入力されているため、加算器(92
e)からは第43図に示す如く基準アーク電圧Vxが比較器
(92g)に出力される。このように比較器(92g)では基
準アーク電圧Vxと絶縁アンプ(90a)より時々のアーク
長に従ったアーク電圧検出値(V1)とを比較し出力され
た差信号により、時々刻々変化する真のアーク長に対応
したアーク長に対応した信号A(L(l))を出力して
いる。
又、第46図は、第13の発明の一実施例のブロック図
で、この例は溶融塊の離脱検出毎に一定期間パルス電流
を流し、パルス電流の電荷量を一定に定め、溶融容量を
常に一定にするようにしたものである。図において、
(12)はベース電流とともにアーク電流を形成するパル
ス電流の波形を制御するパルス電流波形制御回路であ
り、その回路構成として、(12a)は時々刻々のアーク
長を検出し、アーク長信号を出力するアーク長検出器、
(12b)はアーク長信号より溶融塊の離脱を検出し検出
信号を出力する離脱検出器、(12c)は時々刻々変化す
る目標アーク長を設定した目標アーク長設定器、(12
e)は時々刻々のアーク長信号と目標アーク長を比較し
差信号を出力する比較器、(100A)は基準パルス電流波
形を設定したパルス群電流発生器、(12h)はワイヤ送
給速度に従ってパルス電流群出力周期CBを設定する電流
波形周期設定器、(12i)は一周期CB毎にセット状態と
なりアナログスイッチ(9j)にON信号を出力する電流波
形期間X設定期、(12k)は離脱検出信号入力とともに
セット状態となりアナログスイッチ(12o)にON信号を
出力するフリップフロップ(F/F)、(12l)はベース電
流出力器、(12m)は生成されたパルス電流群にベース
電流を重畳する加算器、(12n)は加算器(12m)より出
力されるパルス電流とアーク電流検出値を比較し、その
比較結果によってインバータ駆動回路(2)をON,OFF制
御する比較器A、(12p)はパルス電流の電荷量を設定
する電荷量設定器であり、その構成として、(12p1)は
離脱検出後のパルス電流群を積分し電荷量を求める積分
器、(12p2)は離脱検出後に流すパルス電流群の電荷量
を予め設定する所定電荷量設定器、(12p3)は出力され
るパルス電流群の電荷量が所定電荷量に至った時電流波
形期間X設定器(12i)ヘリセット信号を出力する比較
器B、(11)は所定電荷量設定基準を定めるための平均
電圧設定器である。
次に上記構成に基づき本実施例の動作を第47図(a)
〜(c)の波形図をも参照して説明する。
先ず、電流波形周期CB設定器(12h)より周期信号
が、F/Fで構成される電流波形期間X設定器(12i)のSE
T端子へ入力された時、F/F(12i)からの出力信号はア
ナログスイッチ(12j)をON状態にし比較器A(12e)の
出力をパルス群発生器(100A)へ入力状態にする。この
状態で、比較器A(12e)はアーク長検出器(12a)で検
出されたアーク長と予め設定された目標アーク長とを目
標アーク長設定器(12c)より入力し、各アーク長を比
較する(第47図の(c))。この比較結果は、+,−の
差信号となってパルス群発生器(100A)に入力され予め
設定されたパルス電流値は加減算されて、目標アーク長
を得るべきパルス電流波形に補正される。ベース電流出
力器(12l)より出力されているベース電流が重畳され
アーク電流基準値として比較器C(12n)に入力され
る。比較器C(12n)で電流検出器にて検出されたアー
ク電流検出値とアーク電流基準値とを比較し、アーク電
流検出値<アーク電流基準値であればインバータ駆動回
路(2)へON信号を出力し、ワイヤ電極(52)と被溶接
物(54)間にアーク溶接電源から出力されるパルスアー
ク電流を給電する。又、アーク電流検出値>アーク電流
基準値の間はインバータ駆動回路(2)へ動作OFF信号
を出力する。次に離脱検出器より離脱信号が出力された
ならば、F/F(12k)はセット状態となってアナログスイ
ッチ(12o)をON状態にし、アナログスイッチ(12j)よ
り出力されるパルス電流波形を電荷量設定器(12b)に
入力する。入力されてくる各パルス電流波形(第47図の
(b)N=7〜16)は積分器(12p1)において積分され
パルス電流の電荷量として比較器B(12p3)へ入力され
る。又、この比較器B(12p3)には比較対象として溶融
塊離脱後、一定の溶融容量を得るためパルス電流の電荷
量が所定電荷量設定器(12p2)によって設定されてい
る。比較器B(12p3)に入力される電荷量が所定電荷量
と等しくなった時、パルス群発生器(100A)からは一定
溶融容量を得ることのできる電荷量のパルス電流(同図
の(b),N=7〜16)が出力されたとして積分器(12
p1)をリセット状態にすると共に、比較器A(12e)出
力をOFFするためF/F(12i)へリセット信号を出力す
る。以上の動作を電流波形周期CBにおける離脱検出(第
47図の(a))毎に行なうことで、離脱検出後はワイヤ
電極の先端に一定溶融量の溶融塊が生成し、平均した良
好な溶接ビードが得られる。
以下、短絡移行形溶接を行なった場合の第14の発明に
よるパルス溶接装置の一実施例を第48図(A)に基づい
て説明する。図中、第46図と同一符号は、同一、又は相
当部分を示す。図中、(12q)は溶融塊の短絡状態及び
アーク期間を判定しON信号をアナログスイッチ(12s)
へ出力する短絡−アーク判定器、(12r)は短絡した溶
融塊を焼き切るための短絡電流波形を設定する短絡電流
波形設定器、(100B)はアーク期間中における電流を発
生するアーク電流発生器である。
次に上記構成に基づいて本実施例の動作を第49図
(A),(B)をも参照して説明する。
今、溶融塊が被溶接物(54)に短絡すると第49図
(B)の(C)に示す如くアーク長は急激に減少するた
め、アーク長信号は急激に減少して短絡−アーク判定器
(12q)へ入力し短絡検出を行なう。この結果、アナロ
グスイッチ(12s)はON状態となり短絡電流波形設定器
(12r)より短絡溶融塊を焼き切る短絡電流(第49図
(A)の(b))を加算器(12m)へ入力する。加算器
(12m)では短絡電流波形にベース電流出力器(12l)よ
り出力されるベース電流を重畳し、溶融塊焼き切りのた
めのアーク電流基準値を生成して比較器(12n)へ出力
する。この結果、溶融塊は短絡状態から離脱し、アーク
長が伸びることから短絡−アーク判定器(12q)はアー
ク長検出器(12a)から出力されるアーク長信号より離
脱を検出し、F/Fから構成される制御期間X設定器(12
k)へSET信号を出力し、アナログスイッチ(12j),(1
2o)へON信号を出力する。
上記離脱検出後、比較器(12e)はアーク長検出器(1
2a)から出力される時々刻々のアーク長信号と目標アー
ク長設定器(12c)より出力される時々刻々の目標アー
ク長とを比較し各アーク長間の差信号を時々刻々アーク
電流発生器(100B)へ出力する。アーク電流発生器(10
0B)は差信号を短絡電流波形設定器(9r)において設定
された電流値に加減算し、電流値を目標アーク長が得ら
れるような電流値に補正し、アナログスイッチ(12j)
を介して加算器(12m)へ出力すると共に、アナログス
イッチ(12o)を介して電荷量設定器(12p)へ出力す
る。加算器(12m)では短絡電流に変わり、補正された
電流値にベース電流を重畳しアーク期間(第49図(B)
の(b),(c))のアーク電流が比較器(12n)へ流
れる。一方、電荷量設定器(12p)へ入力された補正後
の電流波形は積分器(12p1)で電流波形の電荷量に換算
されて比較器(12p3)へ入力される。比較器(12p3)に
では、予め所定電荷量設定器(12p2)で設定されたアー
ク電流の所定電荷量電荷量と積分器(12p1)より入力さ
れた電荷量とを比較し、この電荷量が設定された電荷量
と等しくなった時点で積分器(12p1)にリセットをかけ
るとともに、F/F(12k)にリセットをかけてアナログス
イッチ(12j),(12o)をOFFにする。この結果、離脱
信号検出後、所定電荷量のアーク電流をワイヤ電極(5
2)へ流し溶融塊を一定溶融容量に成長させて被溶接物
(54)に短絡させる。この短絡状態が短絡・アーク検出
器(12q)にて検出されたならば、前記で説明したよう
に短絡溶融塊を焼き切るための短絡電流波形を短絡電流
波形設定器(12r)より加算器(12m)を通して出力す
る。このように離脱信号出力毎に(第49図(A)の
(a))所定電荷量のアーク電流が流れることで、規則
的に一定溶融容量の溶融塊が被溶接物に短絡し、良好な
溶接ビードが得られる。
なお、上記の発明では溶融塊離脱検出後に予め設定さ
れた電荷量のアーク電流を出力制御する場合、時々刻々
出力されるアーク電流波形を積分した得た電荷量が予め
設定した所定電荷量に達した時にアーク電流出力を停止
するようにしたが、第50図(A)に示すよう離脱検出
後、一定時間タイマを稼働させ稼働時間中パルス電流群
を出力し、一定電荷量のアーク電流を出力することも可
能である。同図において、(12a)は前記実施例と同様
なアーク長検出器、(12b)は同じく離脱検出回路、(1
3)はパルス電流出力期間を設定するパルス期間設定
器、(141)はこの実施例による電流波形設定回路であ
り、回路構成として、(141a)は第51図(A)の(e)
に示す如くパルス電流群波形を整形して出力するパルス
波形整形器、(141b)はパルス電流群のベース電流値を
設定するベース電流値設定器、(141c)はパルス群のパ
ルス周期を設定するパルス周期設定器、(141d)はパル
ス幅を設定するパルス幅設定器、(141e)はパルスピー
ク値を設定するパルスピーク値設定器、(141f)は各パ
ルス群の発生周期を設定するパルス群周期設定器、(14
1g)はパルス群周期信号入力時にパルス波形整形器をON
動作させパルス電流群を出力すると共に、パルス期間設
定器(13)において設定されたタイマ出力がOFFとなる
と同時にパルス電流群をOFF動作するフリップフロップ
である。
次に上記構成に基づき回路動作を第51図(A)の
(a)〜(e)の信号波形図を参照して説明する。
先ず、パルス群周期設定器(141f)より周期信号(同
図(a))がフリップフロップ(141g)へ出力されたな
らば、パルス波形整形器(141a)からはベース電流値設
定器(141b)、パルス周期設定器(141c)、パルス幅設
定器(141d)、及びパルスピーク値設定器(141e)によ
る各設定値に基づき同図(e)に示すような一定パルス
幅、パルスピーク値を有した所定周波数のパルス電流群
をベース電流に重畳して生成出力する。次にアーク長検
出器(141a)より出力されたアーク長信号によって、離
脱検出回路(141b)が離脱を検出すると離脱信号(同図
(b))をタイマから構成されるパルス期間設定器(1
3)へ出力し、タイマ出力を一定時間ON状態(同図
(c))にてフリップフロップ(141g)のマイナスリセ
ット端子(−)に入力する。この後、パルス波形整形器
(14a)からはパルス群周期信号入力時からタイマ出力O
FF信号(同図(d))が出力されるまでパルス電流群が
出力される。従って、パルス波形整形器(141a)から
は、離脱検出後タイマ出力時間で決まる一定電荷量のパ
ルス電流がアーク電流として流れる。よって離脱検出後
の溶融塊の溶融量は常に一定となり前記実施例と同様の
効果を奏する。
上記、他の実施例では複数のパルス電流からなるパル
ス電流群の場合に関して説明したが、単一パルス電流の
場合にもパルス電流の電荷量を制御することは可能であ
る。第50図(B)は単一パルス電流の場合の電流波形設
定回路(142)であり、回路(142)中、(142a)はパル
スピーク値設定器(142c)で設定されたピーク値のパル
ス電流に、ベース電流値設定器(142b)で設定されたベ
ース電流を重畳した例えば第51図(B)の(b)に示す
パルス電流を生成して出力するパルス波形整形器、(14
2d)は各パルス電流の立ち上がり周期を決めフリップフ
ロップ(142e)にセット信号を出力するパルス周期設定
器である。尚、第50図(A)と同一符号は同一、又は相
当部分を示す。
次に同実施例の動作を第51図(A)の(a),(b)
の信号波形をも参照して説明する。パルス周期設定器
(142d)よりパルス周期信号(同図(a)がフリップフ
ロップ(142e)に入力する毎に、フリップフロップ(14
2e)からパルス波形整形器(142a)へ稼働信号が入力さ
れ、ベース電流が重畳された一定パルスピーク値のパル
ス電流となって出力となる。このパルス電流出力時に、
離脱検出回路(12b)がアーク長検出器(11a)より入力
したアーク長信号に基づいて溶融塊の離脱を検出したな
らば離脱信号(同図(b)をパルス期間設定器(13)を
構成するタイマに出力する。タイマは離脱信号入力後、
一定時間(パルス期間)フリップフロップへタイマ出力
信号を入力し、タイマ出力OFFとともにフリップフロッ
プ(142e)より出力されているパルス波形整形器(14
2a)への稼働信号をOFFにする。
この結果、パルス波形整形器(142a)は離脱検出後、
パルス期間で決まる所定電荷量Q(同図(b)のパルス
電流をアーク電流として出力する。また磁気吹きにより
溶融塊の離脱時刻が遅れた場合であっても離脱検出後、
所定電荷量Qのパルス電流を流しているため、溶融塊の
溶融容量は前離脱時と同様となった後、溶融塊は離脱す
る。従って、次期離脱時には溶融塊は正常な離脱時刻に
一定溶融容量となって離脱する。
上記アーク長検出器(11a)及び離脱検出器(12b),
短絡アーク判定器(9q)の動作に関し、第52図(a),
(b)及び第48図(B)を参照して説明する。
アーク長検出器(12a)は、先ず絶縁アンプ(12a2
を介して入力したアーク電流検出値(I)を乗算器(12
a3)へ入力し、そこで関数設定器(12a4)より入力した
関数K1とともに電流に依存した関数K1(I)を演算し、
加算器(12a6)に入力する。加算器(12a6)にはベース
電圧を設定する直流電圧定数(K2)が直流定数設定器
(12a5)より入力されているため、加算器(12a6)から
は第43図に示す如く基準アーク電圧VXが比較器(12a7
に出力される。このように基準アーク電圧VXが設定入力
されている状態で、絶縁アンプ(12a1)より時々のアー
ク長に従ったアーク電圧検出値(V1)を入力すると、こ
れらのアーク電圧(VX),(V1)の差信号より、時々刻
々変化する真のアーク長に対応したアーク長信号L
(l)を出力している。
このアーク長信号は第52図(b)の(a)に示す如
く、溶融塊の離脱時にアーク長がのびるため、信号レベ
ルが急激に正方向に上り、又、溶融塊短絡時にはアーク
長が狭まるため信号レベルは急激に負方向に下がる。従
ってアーク長信号を離脱検出器(12b)の微分回路(12b
1)に入力すると、溶融塊離脱時に第52図(b)の
(b)に示すよう正方向の微分信号が出力し、溶融塊短
絡時には負方向の微分信号か出力される。これら微分信
号の正負レベルを短絡・離脱判定回路(12b3)で判定す
ることで、溶融塊の離脱、短絡状態を判定し、離脱信
号、短絡信号(第52図(b)の(c),(d)を出力す
る。
或はアーク長信号L(l)を第48図(B)に示す短絡
・アーク判定器(12q)の短絡検出器(12q1)、離脱検
出器(12q1)のそれぞれに入力し、第52図(b)の
(d)に示すように短絡信号がフリップフロップ(12
q3)のセット端子に入力されている間、出力を短絡判定
信号として出力し、また離脱検出器(12q2)より離脱信
号がリセット端子に入力される時間で、短絡判定信号を
OFFにし、アーク期間判定信号として出力する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1 −102766 (32)優先日 平1(1989)4月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −102767 (32)優先日 平1(1989)4月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −102768 (32)優先日 平1(1989)4月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −102769 (32)優先日 平1(1989)4月21日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1 −157414 (32)優先日 平1(1989)6月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 水野 正紀 愛知県名古屋市東区矢田南5丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 加藤 義明 愛知県名古屋市東区矢田南5丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 長野 修 愛知県名古屋市東区矢田南5丁目1番14 号 三菱電機株式会社 名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 昭57−19170(JP,A) 特開 昭54−103757(JP,A) 特開 昭54−35846(JP,A)

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1種類以上のパルス幅とパルスピーク値を
    もつ複数個のパルス電流を1種類以上のパルス間隔で配
    列してなると共にパルスの送出開始から設定時間後パル
    ス群期間中の平均電流値が最大ピーク値となるパルス電
    流群と、上記パルス電流群を周期的に繰り返し、これに
    連続したベース電流を重畳して形成した放電電流波形を
    有することを特徴とするパルス溶接装置。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載のパルス溶接装置に
    おいて、上記パルス電流群は、ワイヤ送給速度に応じた
    パルス群周期を設定するパルス群周期設定器、パルス群
    期間を設定するパルス群期間設定器、パルス群波形を設
    定するパルス群波形設定器、パルス群波形を構成する各
    単一パルスのパルス幅を設定するパルス幅設定器、上記
    各単一パルスのパルス周期を設定するパルス周期設定器
    と、前記各設定器から設定信号を受けて波形整形された
    パルス群電流を出力するパルス波形整形器と、上記パル
    ス群電流に重畳されるベース電流を出力するベース電流
    出力器と、出力されるベース電流とパルス群電流とを重
    畳する加算器とから構成されるパルス電流波形制御回路
    より出力されることを特徴とするパルス溶接装置。
  3. 【請求項3】請求の範囲第2項記載のパルス溶接装置に
    おいて、パルス群波形設定器は、上記パルス群周期信号
    とパルス群期間信号を入力してパルス群期間に信号を送
    出するフリップフロップ回路、パルス群送出開始からパ
    ルスピーク値に到達するまでの時刻である溶融塊の離脱
    時刻を設定する時刻設定手段、該時刻設定手段による設
    定値に基づいて動作するタイマ回路、上記フリップフロ
    ップ回路の出力を増幅する演算増幅器、該演算増幅器の
    出力上昇時の充電回路を構成する抵抗器及びとコンデン
    サ、該コンデンサと共に出力下降時の放電回路を構成す
    る抵抗器、上記タイマ回路をON制御する第1トランジス
    タ、上記充電及び放電回路の各時定数を切り換え制御す
    る充電回路用トランジスタ、放電回路用トランジスタ、
    上記フリップフロップ回路の信号を反転し上記放電回路
    用トランジスタをON制御する反転バッファ、及び上記演
    算増幅器出力を反転してパルス群電流の山形波形の包絡
    線信号を出力する反転回路を有することを特徴とするパ
    ルス溶接装置。
  4. 【請求項4】請求の範囲第2項または第3項記載に記載
    のパルス溶接装置において、上記パルス群周期設定器
    は、ワイヤ送給速度に従ってパルス電流群のパルス群周
    期を設定することを特徴とするパルス溶接装置。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項ないし第4項記載iのい
    ずれかに記載のパルス溶接装置において、上記パルス電
    流群のパルス間隔を、ワイヤ送給速度に従って設定され
    たパルス群周期に応じて分散配列してなることを特徴と
    するパルス溶接装置。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか
    に記載のパルス溶接装置において、ワイヤ送給速度に従
    ってパルス電流群の各パルス周期を設定するパルス周期
    設定器を備えたことを特徴とするパルス溶接装置。
  7. 【請求項7】請求の範囲第6項記載のパルス溶接装置に
    おいて、上記パルス周期設定器はパルス群周期信号の入
    力に基づいて動作し、設定時問後ハイレベル出力を送出
    してリセットされて出力がローレベルとなるタイマ、上
    記パルス群周期の出力に基づいてリセットされる第1の
    フリップフロップ回路、上記タイマ回路のハイレベル出
    力に基づいてセットされパルス群期間X信号に基づいて
    リセットされる第2のフリップフロップ回路、第1と第
    2のパルス周期を設定する第1と第2の設定値をそれぞ
    れ出力する第1と第2のパルス周期設定器、上記第1と
    第2のフリップフロップ回路の出力に基づいてそれぞれ
    スイッチング制御される第1と第2のアナログスイッ
    チ、上記第1または第2の設定値とパルス周期信号を積
    分する積分器の積分出力を比較して積分出力が上記第1
    または第2の設定値に達した時にハイレベル出力を送出
    して上記積分器をリセット制御すると共にそのハイレベ
    ル出力をパルス周期信号として出力する比較器を有した
    ことを特徴とするパルス溶接装置。
  8. 【請求項8】請求の範囲第7項記載のパルス溶接装置に
    おいて、上記第2のパルス周期設定器は、ワイヤ送給速
    度の設定値とワイヤ送給速度との差動出力を得る差動器
    を備えたことを特徴とするパルス溶接装置。
  9. 【請求項9】請求範囲第7項または第8項記載のパルス
    溶接装置において、第1のパルス周期設定器は、可変抵
    抗器により第1の設定値を可変電圧設定したことを特徴
    とするパルス溶接装置。
  10. 【請求項10】請求の範囲第7項または第8項記載のパ
    ルス溶接装置において、第1のパルス周期設定器は、第
    2のパルス周期設定器の出力に所定の増幅率Aを掛けた
    値にするアンプとしたことを特徴とするパルス溶接装
    置。
  11. 【請求項11】請求の範囲第5項ないし第10項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、パルス電流波形制
    御回路は、パルス波形整形器から出力されるパルス電流
    群を積分する積分器、平均電圧V設定器から送出される
    平均電圧Vに応じた電荷量が設定される電荷量設定器、
    上記積分器による積分値と電荷量設定器による設定電荷
    量とを比較し、積分値が設定電荷量に達した時に、積分
    器及びパルス群期問設定器にリセット信号を送出する比
    較器を有するパルス群電荷量設定器を備えたことを特徴
    とするパルス溶接装置。
  12. 【請求項12】請求の範囲第1項ないし第11項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、上記パルス電流群
    は、ワイヤ送給速度に応じてそのパルス幅を異ならせて
    所定のパルス間隔で分散配列してなることを特徴とする
    パルス溶接装置。
  13. 【請求項13】請求の範囲第12項記載のパルス溶接装置
    において、パルス群周期信号の入力に基づいて動作し、
    設定時間後ハイレベル出力を送出してリセットされ、出
    力がローレベルとなるタイマ回路、上記パルス群周期設
    定器のハイレベル出力に基づいてリセットされる第1の
    フリップフロップ回路、上記タイマ回路のハイレベル出
    力に基づいてセットされパルス群期問X信号に基づいて
    リセットされる第2のフリップフロップ回路、第1と第
    2のパルス幅を設定するための第1及び第2の設定値を
    それぞれ出力する第1と第2のパルス幅設定器、上記第
    1と第2のフリップフロップ回路の出力に基づいてそれ
    ぞれスイッチング制御される第1と第2のアナログスイ
    ッチ、上記第1または第2の幅設定器の第1、第2の設
    定値とパルス周期信号を積分する積分器の積分出力とを
    比較して積分出力が上記第1または第2の設定値に達し
    た時にハイレベル出力を送出して上記積分器をリセット
    制御すると共にそのハイレベル出力をパルス幅信号7と
    して出力する比較器を有するパルス幅設定器を備えたこ
    とを特徴とするパルス溶接装置。
  14. 【請求項14】請求の範囲第13項記載のパルス溶接装置
    において、第1のパルス幅設定器は上記ワイヤ送給速度
    を設定する設定器と、ワイヤ送給速度の設定値とワイヤ
    送給速度との差動出力を得る差動器を備えたことを特徴
    とするパルス溶接装置。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項ないし第14項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、上記パルス電流群
    は、ワイイヤ送給速度または平均電圧の設定値に応じて
    ピークを形成する平均電流値の勾配が可変制御されるこ
    とを特徴とするパルス溶接装置。
  16. 【請求項16】請求の範囲第15項記載のパルス溶接装置
    において、パルス群波形設定器は山形形状の基準パルス
    群波形Pを得る基準パルス群波形設定器と、基準パルス
    群波形に対してその山形形状の勾配をワイヤ送給速度と
    アーク平均電圧に応じて変えるパルス群波形勾配可変器
    及び加算器を有することを特徴とするパルス溶接装置。
  17. 【請求項17】請求の範囲第16項記載のパルス溶接装置
    において、上記基準パルス群波形設定器は、パルス群送
    出開始からパルスピーク値に到達するまでの時刻である
    溶融塊の離脱時刻を設定する時刻設定手段による設定値
    に基づいて動作するタイマ、パルス群期間信号を増幅す
    るアンプ、このアンプの出力上昇時の充電回路を構成す
    る抵抗とコンデンサ、コンデンサと共に出力下降時の放
    電回路を構成する抵抗器、上記充電回路を構成する抵抗
    器をコンデンサに並列接続制御する充電回路用トランジ
    スタ、上記放電回路を構成する抵抗器を短絡制御し上記
    アンプ出力を零にする放電回路用トランジスタ、上記ア
    ンプ入力をタイマ出力に基づいて制御するトランジス
    タ、上記放電回路用トランジスタにON信号を入力する反
    転バッファ、出力立ち上がり時加算出力を得る可変抵抗
    器、加算器、及び加算器の出力制御を行なうトランジス
    タを有すること を特徴とするパルス溶接装置。
  18. 【請求項18】請求の範囲第16項または第17項記載のパ
    ルス溶接装置たおいて、パルス群波形勾配可変器は、パ
    ルス群期間信号を積分して積分信号を送出する積分器、
    ワイヤ送給速度と平均電圧の電圧値を加算して増幅し、
    加算増幅信号を送出するアンプ、上記積分信号が加算増
    幅信号と等しい値になった時一致信号を送出する比較
    器、上記パルス群期間信号に基づいてセットされセット
    信号を送出すると共に上記比較器の一致信号に基づいて
    リセットされるフリップフロップ回路、抵抗とコンデン
    サとでなり、上記セット信号を入力して充電する第1の
    充電回路、抵抗とコンデンサとでなり出力を放電する放
    電回路、及び抵抗器とコンデンサとでなり放電後信号T
    を入力して再び充電する第2の充電回路、パルス群波形
    の勾配を変える勾配可変信号を送出するアンプを有した
    ことを特徴とするパルス溶接装置。
  19. 【請求項19】請求の範囲第1項ないし第18項いずれか
    に記載のパルス溶接装置において、上記パルス電流群の
    パルス間隔を、パルス群周期に応じて分散配列してなる
    ことを特徴とするパルス溶接装置。
  20. 【請求項20】請求の範囲第19項記載のパルス溶接装置
    において、パルス群周期信号の入力に基づいて動作し、
    設定時間後ハイレベル出力を送出してリセットされと出
    力がローレベルとなるタイマ回路、上記パルス群周期信
    号に基づいてセットされ上記タイマ回路のハイレベル出
    力に基づいてリセットされる第1のフリップフロップ回
    路、上記タイマ回路のハイレベル出力に基づいてセット
    されパルス群周期信号に基づいてリセットされる第2の
    フリップフロップ回路、上記パルス群周期信号に基づい
    て第1と第2のパルス周期を設定するための第1と第2
    の設定値をそれぞれ出力する第1と第2のパルス周期設
    定器、上記第1と第2のフリップフロップ回路の出力に
    基づいてそれぞれスイッチング制御される第1と第2の
    アナログスイッチ、上記第1または第2のパルス周期設
    定器の第1、第2のとパルス周期信号を積分する積分器
    の積分出力を比較して積分出力が上記第1または第2の
    設定値に達した時にハイレベル出力を送出して上記積分
    器をリセット制御すると共にそのハイレベル出力をパル
    ス周期信号として出力する比較器を有したパルス周期設
    定器を備えたことを特徴とするパルス溶接装置。
  21. 【請求項21】請求の範囲第20項記載のパルス溶接装置
    において、上記第2のパルス周期設定器は、パルス群周
    期基準信号を電圧設定して送出する設定器と、パルス群
    周期信号を周波数電圧変換して変換電圧値を送出するF/
    V変換器と、上記電圧設定値と上記変換電圧値との差動
    出力を得る差動器を備えたことを特徴とするパルス溶接
    装置。
  22. 【請求項22】請求の範囲第20項または第21項記載のパ
    ルス溶接装置において、上記第1のパルス周期設定器
    は、パルス群周期基準信号を可変抵抗器にて電圧設定す
    ることを特徴とするパルス溶接装置。
  23. 【請求項23】請求の範囲第20項ないし第22項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、第1のパルス周期
    設定器は第2のパルス周期設定器の出力に所定の増幅率
    Aを掛けた値にする増幅器としたことを特徴とするパル
    ス溶接装置。
  24. 【請求項24】請求の範囲第19項ないし第23項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、パルス電流群周期
    期問中の上記パルス電流群によるエネルギ又はパルス電
    流群の電荷量を所定値に略一定化を図る手段とを備えた
    ことを特徴とするパルス溶接装置。
  25. 【請求項25】請求の範囲第24項記載のパルス溶接装置
    において、パルス波形整形器から出力されるパルス電流
    群を積分する積分器、平均電圧V設定器から送出される
    平均電圧Vに応じた電荷量が設定される電荷量設定器、
    上記積分器による積分値と電荷量設定器による設定電荷
    量とを比較し、積分値が設定電荷量に達した時に、積分
    器及びパルス群期問設定器にリセット信号を送出する比
    較器を有したパルス群電荷量設定器を備えたことを特徴
    とするパルス溶接装置。
  26. 【請求項26】請求の範囲第1項記載のパルス溶接装置
    において、上記パルス電流群の少なくともパルス間隔又
    はパルス幅又はパルス周期のいずれかを、ワイヤ電極先
    端の溶融塊の離脱に同期して異ならせることで分散配列
    してなることを特徴とするパルス溶接装置。
  27. 【請求項27】請求の範囲第26項に記載のパルス溶接装
    置において、上記パルス電流波形制御回路は、アーク電
    流値Iとアーク検出電圧値Vに基づいてワイヤ電極先端
    と被溶接物問のアーク長Lを検出するアーク長検出器、
    該アーク長検出器によるアーク長検出値Lに基づいて溶
    融塊の離脱信号を得て、離脱検出信号をパルス周期設定
    器へ出力しパルス群期間のパルス周期を可変制御する離
    脱検出器を備えたことを特徴とするパルス溶接装置。
  28. 【請求項28】請求の範囲第26項または第27項に記載の
    パルス溶接装置において、上記アーク長検出器はアーク
    検出電流を入力する第1の絶縁アンプとアーク検出電圧
    を入力する第2の絶縁アンプ、第1の絶縁アンプを介し
    てアーク検出電流iを取り込み、これにK1(i)倍した
    K1(i)・iを求める乗算器、オフセット電圧定数K2を
    設定する直流電圧定数設定器、上記乗算器と直流電圧定
    数設定器の各出力を加算する加算器、及びその加算出力
    Vx=K1(i)・i+K2とアーク検出電圧Vとを比較する
    ことによりアーク長に応じた比較出力L(l)=V−Vx
    を送出する比較器とを備えたことを特徴とするパルス溶
    接装置。
  29. 【請求項29】請求の範囲第26項ないし第28項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、パルス周期設定器
    はパルス群周期信号に基づいてセットされ上記離脱検出
    器の検出信号に基づいてリセットされる第1のフリップ
    フロップ回路、上記離脱検出器の検出信号dfに基づいて
    リセットされる第2のフリップフロップ回路、第1と第
    2のパルス周期CA1、CA2を設定するための第1と第2の
    設定値をそれぞれ出力する第1と第2のパルス周期設定
    器、上記第1と第2のフリップフロップ回路の出力に基
    づいてそれぞれスイッチング制御される第1と第2のア
    ナログスイッチ、上記第1または第2のパルス周期設定
    器の第1、第2設定値とパルス周期信号を積分する積分
    器の積分出力を比較して積分出力VQが上記第1または第
    2の設定値VAに達した時にハイレベル出力を送出して上
    記積分器をリセット制御すると共にそのハイレベル出力
    をパルス周期信号CAとして出力する比較器を有したこと
    を特徴とするパルス溶接装置。
  30. 【請求項30】請求の範囲第1項記載のパルス溶接装置
    において、上記パルス電流群の少なくともパルス間隔又
    はパルス幅又はパルス周期のいずれかを、パルス群のパ
    ルス送出開始から予め設定した時間後に異ならせること
    で分散配列してなることを特徴とするパルス溶接装置。
  31. 【請求項31】請求の範囲第30項記載のパルス溶接装置
    において、設定時間後ハイレベル出力を送出してリセッ
    トされると出力がローレベルとなるタイマ、上記パルス
    群周期信号に基づいてセットされ上記タイマのハイレベ
    ル出力に基づいてリセットされる第1のフリップフロッ
    プ回路、上記タイマのハイレベル出力に基づいてセット
    されパルス群期間信号に基づいてリセットされる第2の
    フリップフロップ回路、第1と第2のバルス周期CA1、C
    A2を設定する第1と第2の設定値をそれぞれ出力する第
    1と第2のパルス周期設定器、上記第1と第2のフリッ
    プフロッ回路プの出力に基づいてそれぞれスイッチング
    制御される第1と第2のアナロ.グスイッチ、上記第1
    または第2のパルス周期設定器の第1、第2設定値とパ
    ルス周期信号を積分する積分器の積分出力を比較して積
    分出力VQが上記第1または第2の設定値VAに達した時に
    ハイレベル出力を送出して上記積分器をリセット制御す
    ると共にそのハイレベル出力をパルス周期信号として出
    力する比較器を有したパルス周期設定器を備えたことを
    特徴とするパルス溶接装置。
  32. 【請求項32】設定時問後にその電流値がピーク値とな
    るパルス電流と、このパルス電流を周期的に繰り返し、
    このパルス電流に連続したベース電流を重畳した放電電
    流波形を形成すると共に、上記パルス電流の送出開始か
    ら前記放電電流波形の立ち上がりのレベル変化に勾配を
    設けるとともに、上記離脱信号入力時におけるワイヤ電
    極先端の溶融塊の離脱に同期して前記放電電流波形の立
    ち下がりのレベル変化に勾配を設けるようにしたパルス
    電流波形制御回路とを備えたことを特徴とするパルス溶
    接装置。
  33. 【請求項33】請求の範囲第32項に記載のパルス溶接装
    置において、上記パルス電流波形制御回路は、パルス群
    周期信号CB及びパルス群期間信号の出力制御を行なう第
    1のフリップフロップ回路、該第1のフリップフロップ
    回路の出力を積分する抵抗器とコンデンサC、及び演算
    増幅器から構成される積分回路、該積分回路を構成する
    コンデンサに蓄えられた電荷を通して放電する第1のト
    ランジスタと抵抗器から構成される放電回路、上記演算
    増幅器に入出力端を短絡制御する第2のトランジスタ、
    上記第1のトランジスタをON動作制御する第2のフリッ
    プフロップ回路、上記第2のトランジスタをON動作制御
    するインバータ、パルス群期間信号X入力以外は第1の
    フリップフロップ回路の出力レベルをアース電位に下げ
    る第3のトランジスタ、上記第1.第2のフリップフロッ
    プ回路のリセット信号入力用の第1、第2のバッファ、
    上記演算増幅器の出力を反転してパルス波形整形器へ出
    力する反転回路を有するパルス群波形勾配設定器を備え
    たことを特徴とするパルス溶接装置。
  34. 【請求項34】請求の範囲第32項または第33項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、パルス電流波形制
    御回路は単一パルスの周期を設定するパルス周期設定
    器、とパルス幅すなわちパルス出力期間を設定するパル
    ス期間設定器を備えたことを特徴とするパルス溶接装
    置。
  35. 【請求項35】請求の範囲第32項ないし第34項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、溶融塊の離脱検出
    後に給電されるアーク電流の積分電荷量を求める手段、
    積分電荷量と所定電荷量との比較に基づいてパルス電流
    群またはパルス電流を停止させ、上記積分電荷量を求め
    る手段をリセット制御するアーク電流給電制御部とを備
    えたことを特徴とするパルス溶接装置。
  36. 【請求項36】パルス電流群またはパルス電流を生成出
    力するパルス電流波形制御回路は、時々刻々のアーク長
    を検出し、アーク長信号を出力するアーク長検出器、ア
    ーク長信号より溶融塊の離脱を検出し検出信号を出力す
    る離脱検出器、時々刻々変化する目標アーク長を設定し
    た目標アーク長設定器、時々刻々のアーク長信号と目標
    アーク長を比較し差信号を出力する比較器、基準パルス
    電流波形を設定したパルス群電流発生器、ワイヤ送給速
    度に従ってパルス電流群出力周期を設定する電流波形周
    期設定器、一周期CB毎にセット状態となりアナログスイ
    ッチにON信号を出力する電流波形期間設定器、離脱検出
    信号入力とともにセット状態となりアナログスイッチに
    ON信号を出力するフリップフロップ回路、パルス電流群
    に重畳するベース電流を出力するベース電流出力器、生
    成されたパルス電流群にベース電流を重畳する加算器、
    この加算器より出力されるパルス電流とアーク電流検出
    値を比較し、その比較結果によってインバータ駆動回路
    をON、OFF制御する比較器A、パルス電流の電荷量を設
    定する電荷量設定器より構成したことを特徴とするパル
    ス溶接装置。
  37. 【請求項37】請求の範囲第36項記載の電荷量設定器は
    離脱検出後のパルス電流群を積分し電荷量を求める積分
    器、離脱検出後に出力するパルス電流群の電荷量を予め
    設定する所定電荷量設定器、出力されるパルス電流群の
    電荷量が所定電荷量に至った時電流波形期間x設定器へ
    リセット信号を出力する比較器Bとを備えたことを特徴
    とするパルス溶接装置。
  38. 【請求項38】請求の範囲第35項ないし第37項のいずれ
    かに記載のパルス溶接装置において、前記ワイヤ電極先
    端と被溶接物間のアーク長を検出するアーク長検出器
    と、少なくともアーク長信号に基づいて溶融塊の短絡と
    アーク期間を判定する短絡・アーク判定器と、短絡時は
    短絡供給電流を遮断する短絡電流波形設定器とを備えた
    ことを特徴とするパルス溶接装置。
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