JP6778855B2 - パルスアーク溶接制御方法およびパルスアーク溶接装置 - Google Patents

パルスアーク溶接制御方法およびパルスアーク溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤを送給しながらパルスアーク溶接を行うパルスアーク溶接制御方法およびパルスアーク溶接装置に関する。
従来のパルスアーク溶接機において、各溶接機メーカーが個々に推奨する溶接ワイヤにて、軟鋼やステンレスなどの各材質に適した溶接条件のデータベースを作り上げることが一般的である。例えば、パルス波形であれば、ピーク電流やベース電流、パルス周波数など各パラメータを各溶接機メーカーのオペレータなどが施工確認しながら調整し、個別にデータベースを作り上げている。
しかしながら、溶接機を使用するユーザーは溶接機メーカーが推奨した溶接ワイヤを使うとは限らない。溶接機メーカーが推奨する溶接ワイヤに対して、ユーザーが実際に使用する溶接ワイヤの粘性や表面張力などの材料特性が異なると、溶滴移行形態が大きく異なってくる場合がある。溶滴移行形態が大きく異なると、パルスアーク溶接の基本的な溶滴移行形態である1パルス当たり1ドロップ(1パルス当たり溶滴離脱が1回発生)といったベース電流期間による溶滴離脱移行ではなくなり、1パルスnドロップ(1パルス当たり溶滴離脱が複数回発生)やnパルス当たり1ドロップ(複数パルス当たり溶滴離脱が1回発生)といったように溶滴移行形態が不安定となる。
これにより溶滴移行の溶滴が離脱する時点に規則性がなくなるため、安定した溶接を行うには、溶接ワイヤ毎に最適なデータベースが必要となってくる。
そこで、溶滴移行の溶滴が離脱する時点までピーク電流期間を継続させ、溶滴離脱を確実にパルスの1周期に1回生じさせるようにしたことを特徴としたパルスアーク溶接法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−180669号公報
パルスアーク溶接制御方法は、パル溶接ワイヤと被溶接物との間でアークを発生させて被溶接物を溶接するパルスアーク溶接装置を用いる。このパルスアーク溶接制御方法では、溶接ワイヤと被溶接物との間に溶接電圧を印加して、かつ溶接電流がピーク電流であるピーク電流期間と溶接電流がピーク電流より小さいベース電流であるベース電流期間とをパルス周波数にて交互に繰り返すように溶接電流を溶接ワイヤに流すことにより溶接ワイヤを溶融させて発生した溶滴を溶接ワイヤから離脱させて被溶接物を溶接するようにパルスアーク溶接装置を制御する。溶滴が溶接ワイヤから離脱した離脱時点を判定する。離脱時点がベース電流期間内でない場合に、離脱時点がベース電流期間内となるように、ピーク電流とピーク電流期間とのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータを調整するとともに、パルス周波数とパルス波形パラメータとの予め求められた関係に基づきパルス周波数を調整する。
このパルスアーク溶接制御方法により、パルスアーク溶接装置は安定にパルス溶接を行うことができ、良好な形状を有するビードを得ることができる。
図1は実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成図である。 図2は実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。 図3は比較例のパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。 図4は比較例のパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。 図5は実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。 図6は実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置のパルス周波数とピーク電流との関係を示す図である。 図7は実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。 図8は実施の形態1におけるにおけるパルスアーク溶接装置のパルス周波数とピーク電流期間との関係を示す図である。 図9は比較例のパルスアーク溶接における溶接電流を示す図である。 図10は実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置の概略構成図である。 図11は実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。 図12は実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置の溶接電流と、溶接電圧と、溶滴移行の状態とを示す図である。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001の概略構成図である。パルスアーク溶接装置1001は溶接電源装置31とロボット22(マニュピレータ)とを備える。
溶接電源装置31は、入力電源1の出力を整流する1次整流部2と、1次整流部2の出力を制御することで溶接出力を制御するスイッチング素子3と、スイッチング素子3からの電力を絶縁して変換して2次側出力から出力するトランス4と、トランス4の2次側出力からの出力を整流する2次整流部5と、2次整流部5に直列に接続されたリアクタ6(DCL)とを備える。溶接電源装置31は、スイッチング素子3を駆動させるための出力制御部7と、溶接電圧検出部8と、溶接電流検出部9とをさらに備える。溶接電源装置31は、短絡/アーク検出部10と短絡制御部11とアーク制御部12とをさらに備える。溶接電圧検出部8は、被溶接物29と溶接ワイヤ24との間の溶接電圧Vを検出する。溶接電流検出部9は、溶接ワイヤ24に流れる溶接電流Iを検出する。短絡制御部11とアーク制御部12は出力制御部7を制御する。溶接電源装置31は、溶接ワイヤ24を送給する送給速度を溶接条件に応じて制御する送給速度制御部19と、出力端子30aおよび出力端子30bをさらに備える。
アーク制御部12は、パルス波形設定部14とパルス波形制御部15と溶滴離脱検出部13とを備える。パルス波形制御部15は、ピーク電流補正部16とピーク電流期間補正部17とパルス周波数補正部18を備える。
ロボット22の動作を制御するロボット制御部20は、溶接条件を設定するための溶接条件設定部21を備えている。そして、ロボット制御部20は、溶接電源装置31と通信可能に接続されている。なお、ロボット22には、トーチ26が取り付けられている。トーチ26は、溶接ワイヤ24を保持するチップ27を保持する。
溶接電源装置31の送給速度制御部19は、ロボット制御部20内に設けられた溶接条件設定部21に設定されている溶接電流Iの設定電流に対応した送給速度を決定し、この送給速度を示す信号を出力する。送給速度制御部19の信号を受けて、アーク制御部12内にあるパルス波形設定部14は、受信した信号が示すワイヤ送給速度に応じたピーク電流IPやベース電流IBなど各パルス波形パラメータを出力し、パルス波形制御部15では各パルス波形パラメータの値を反映させたパルス波形を制御する。また、送給速度制御部19の信号に基づいて、送給ローラを備えたワイヤ送給部25は、溶接ワイヤ24を送給する。
溶接電源装置31と接続されたロボット制御部20の内部にある溶接条件設定部21は、溶接電流や溶接電圧等を設定する。溶接電源装置31の出力端子30aは、溶接ワイヤ24を保持するチップ27に電気的に接続され、チップ27を介して溶接ワイヤ24に電力を供給する。出力端子30bは、被溶接物29に電気的に接続され、被溶接物29に電力を供給する。溶接ワイヤ24の先端部と被溶接物29との間でアーク28が発生する。なお、ワイヤ送給部25は、溶接ワイヤ24を保存する溶接ワイヤ保存部23からトーチ26のチップ27に溶接ワイヤ24を送給する。
図1に示すパルスアーク溶接装置1001の各構成部は、各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成してもよい。
図2から図7は、溶接電流Iと、溶接電圧Vと、溶接ワイヤ24と被溶接物29との近辺の溶滴移行の状態とを示す。パルスアーク溶接装置1001では、溶接電流Iがピーク電流IPであるピーク電流期間IPTと、溶接電流Iがピーク電流IPより小さいベース電流IBであるベース電流期間IBTとを交互に繰り返して溶接ワイヤ24と被溶接物29との間でアークを発生させてパルス溶接を行う。パルスアーク溶接装置1001は、溶滴24dが離脱する時点である離脱時点tdを監視しながら溶接電流Iの波形を決定するパルス波形パラメータを調整する。
溶接電流Iは、ピーク電流IPと、ピーク電流より小さいベース電流IBとを交互にパルス周期PTで周期的に繰り返すパルス波形を有する。図2に示すパルス波形は、定常的に溶接が行われる期間に繰り返される安定した溶滴移行(離脱)を実現する基本的なパルス波形である。パルス周期PTは、パルス立上り期間IPRTとピーク電流期間IPTとパルス立下り期間IPFTとベース電流期間IBTとからなる。パルス立上り期間IPRTでは溶接電流Iがベース電流IBからピーク電流IPへ遷移する。ピーク電流期間IPTでは溶接電流Iはピーク電流IPである。パルス立下り期間IPFTでは溶接電流Iはピーク電流IPからベース電流IBへ遷移する。ベース電流期間IBTでは溶接電流Iはベース電流IBである。パルス周期PTの逆数であるパルス周波数PHzによりアーク28のアーク長L28を安定させながら溶滴移行する。
なお、1つのパルス周期PTで1回だけ溶滴24dを被溶接物29に落下させる所謂1パルス当たり1ドロップを実現するように調整されたパルス波形パラメータは、被溶接物29や使用する溶接ワイヤ24等の溶接条件によって異なる。したがって、1パルス当たり1ドロップを実現するために、例えば、実験等の施工確認により推奨の溶接ワイヤやシールドガス等の溶接条件を求めておくことができる。
パルス立上り期間IPRTに溶接ワイヤ24が溶融して発生する溶滴24dが成長し始め(状態Sa)、ピーク電流期間IPT中に溶滴24dを最適な大きさまで成長させる(状態Sb)。次に、パルス立下り期間IPFT中に溶接ワイヤ24の先端に溶滴24dが離脱する直前の状態である局部的に小さい径を有するくびれ24pを発生させる(状態Sc)。その後、ベース電流期間IBT中の離脱時点tdに溶滴24dを溶接ワイヤ24から離脱させる(状態Sd)。その後、パルス立上り期間IPRTで溶接ワイヤ24が溶融して発生する溶滴24dが成長し始め、ピーク電流期間IPTで、溶接ワイヤ24から離脱する大きさを溶滴24dが有するまで溶滴24dを成長させる(状態Sf)。次に、パルス立下り期間IPFT中に溶接ワイヤ24の先端で溶滴24dが離脱する直前の状態である局部的に小さい径を有するくびれ24pを発生させる。その後、ベース電流期間IBT中の離脱時点tdに溶滴24dを溶接ワイヤ24から離脱させる(状態Sg)。図2に示す溶接電流Iのパルス波形は、パルス立上り期間IPRTから次のパルス立上り期間IPRTまでのパルス周期PTにおいて1つの溶滴24dが溶接ワイヤ24から1回だけ離脱する基本的な溶滴移行を行う最適なパルス波形である。
溶滴24dの移行(離脱)がパルス周期PTの逆数であるパルス周波数PHzにより繰り返し行われることにより、安定した溶接の状態を実現でき、スパッタの少ない好ましい外観を有するビードを得ることができる。
図3と図4は溶滴24dが安定に離脱しない比較例の状態での溶接電流Iと、溶接電圧Vと、溶接移行の状態とを示す。
図3に示す溶接電流Iのパルス波形では、ベース電流期間IBTで溶滴24dが離脱する基本的な溶滴離脱状態を実現する図2に示すパルス波形に比べて、溶接ワイヤ24が過度に溶けて溶滴24dが不安定に溶接ワイヤ24から離脱する。図3に示すパルス波形では、パルス立上り期間IPRTで溶滴24dが成長し始め(状態Sa)、ピーク電流期間IPTにて溶滴24dが最適な大きさを有するまで溶滴24dを成長させる(状態Sb、Sc1)。その後、パルス立下り期間IPFT中の離脱時点tdで溶接ワイヤの先端で溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱する(状態Sd1)。図3に示す溶接電流Iの波形は、パルス立下り期間IPFTの後のベース電流期間IBT中では溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱できない状態(状態Sd)である最適ではない不安定な溶滴移行(溶滴離脱)のパルス波形である。すなわち、図3に示す溶接電流Iでは、ピーク電流期間IPTからベース電流期間IBTに移行するパルス立下り期間IPFTで溶滴24dが離脱する離脱時点tdがベース電流期間IBTより前でありすなわちベース電流期間IBTより早い。
この溶滴移行(溶滴離脱)状態がパルス周波数PHzにより繰り返し行われることにより、溶滴24dが離脱する離脱時点tdが更にバラつき、不安定な溶接状態となってしまう可能性がある。
図3に示す不安定な溶滴移行(溶滴離脱)状態は、推奨の溶接ワイヤ24に対して、実際に使用される溶接ワイヤ24が溶融したときの粘性や表面張力が低い場合やシールドガスのArガスの比率が大きくなった場合に起こることが多い。
図4に示す溶接電流Iのパルス波形では、ベース電流期間IBTで溶滴24dが離脱する基本的な溶滴離脱状態を実現する図2に示すパルス波形に比べて溶滴移行が不安定であり、パルス周期PT1のうちのピーク電流期間IPT1からベース電流期間IBT1に移行しても溶滴24dが離脱しない。パルス周期PT1でのパルス立上り期間IPRT1で溶滴24dが成長し始め(状態Sa)、ピーク電流期間IPT1にて溶滴24dが最適な大きさを有するまで溶滴24dを成長させる(状態Sb)。続いて、パルス周期PT1でのパルス立下り期間IPFT1において溶接ワイヤ24の先端で溶滴24dが離脱する直前の状態であるくびれ24pが発生せず(状態Sc2)、ベース電流期間IBT1でも溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱できない(状態Sd2)。パルス周期PT1の次のパルス周期PT2での離脱時点tdにおいて、ピーク電流期間IPT2で溶滴24dが肥大化し(状態Se2)、重力によって離脱する(状態Sf2)。図4に示す溶滴移行の状態は最も不安定である。図4に示す溶接電流Iでは、或るパルス周期PT1のピーク電流期間IPT1からベース電流期間IBT1に移行しても溶滴24dが離脱せず、パルス周期PT1の次のパルス周期PT2のピーク電流期間IPT2中の離脱時点tdでようやく溶滴24dが離脱する、すなわち溶滴24dが離脱する時点が遅く、nパルス当たり1ドロップの状態を呈する。
この溶滴移行(溶滴離脱)状態をパルス周波数PHzにより繰り返すことにより、溶滴24dが離脱する離脱時点tdが大きくバラつき、不安定な溶接状態となる。
このような溶滴移行(溶滴離脱)状態になるのは、溶接ワイヤ24の推奨の材料特性および溶接条件に対して実際に使用される溶接ワイヤ24の粘性や表面張力が高い場合やシールドガスのArガス比率が低くなった場合にこのような不安定状態になることが多い。
以上のような溶接ワイヤ24やシールドガスの違いによる不安定な溶滴移行(溶滴離脱)状態を解消すべく、実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001では、溶滴24dが離脱する離脱時点tdが最適となるように、パルス波形パラメータの1つまたは複数のパラメータにより次の周期以降での溶滴移行(溶滴離脱)の離脱時点tdを調整する。具体的にはパルス周期PT中におけるベース電流期間IBTで溶滴24dが離脱する(状態Sd)最適な状態である1パルス当たり1ドロップの状態になるように溶滴移行の状態を監視する。溶滴移行の状態の溶滴24dが離脱する離脱時点tdに応じて、パルス波形パラメータの1つまたは複数のパラメータにより、次の周期以降での溶滴移行(溶滴24dの離脱)の離脱時点tdを調整する。
実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001でのパルス波形パラメータの調整の例を以下に説明する。
図5はパルスアーク溶接装置1001の溶接電流Iと、溶接電圧Vと、溶滴移行の状態とを示す。図5は、ピーク電流IPを調整することにより溶滴移行での溶滴24dが離脱する離脱時点tdを調整する。詳細には図5に示す溶接電流Iでは、ベース電流期間IBTより前にパルス立下り期間IPFTで溶接ワイヤ24の先端から溶滴24dが離脱した(状態Sc)図3に示す溶滴移行状態に対して、図3に示すピーク電流IPよりピーク電流IPを小さくして溶接電流Iのパルス波形の1つのパルス周期PTでの面積を小さくし、溶接ワイヤ24に印加される電気エネルギーを適正化する。
図5に示す溶接電流Iでは、パルス波形の面積を小さくしたことから、溶接ワイヤ24の適正な溶融速度を確保するためには、ピーク電流IPを小さくすると同時にパルス周期PTを短くしてパルス周波数PHzを大きくすることで、溶接電流Iが適正な平均値である設定電流になるようにパルス波形パラメータ(ピーク電流IP、パルス周波数PHz)を調整する。これにより、アーク長L28を安定させながらベース電流期間IBTで溶滴24dが離脱する最適な状態の溶滴離脱タイミングを得ることができる。
ピーク電流IPを調整することにより溶滴移行での溶滴24dが離脱する離脱時点tdを調整する上記の方法において、逆に、図4に示す溶滴移行(離脱)状態において、パルス周期PT1のベース電流期間IBT1中ではなく、パルス周期PT1の次のパルス周期PT2のピーク電流期間IPT2で溶滴24dが肥大化し重力によって離脱するといった最も不安定な溶滴移行(離脱)状態(状態Sf2)に対しては、図4に示すピーク電流IPよりピーク電流IPの値を大きくしてパルス波形の1つのパルス周期PTあたりの面積を大きくし、溶接ワイヤ24に印加される電気エネルギーを適正化する。
上記の溶接電流Iでは、パルス面積を大きくしたことから、溶接ワイヤ24の適正な溶融速度を確保するためには、ピーク電流IPを大きくすると同時にパルス周期PTを長くしてパルス周波数PHzを低くすることでパルス波形パラメータ(ピーク電流IP)を調整する。これにより、アーク長L28を安定させながらベース電流期間IBTで溶滴24dが離脱する最適な状態の溶滴離脱タイミングを得ることができる。
パルスアーク溶接装置1001でのピーク電流IPとパルス周波数PHzとの具体的な調整の例を説明する。図6は、アーク長L28を安定させながら溶滴移行(溶滴離脱)状態を最適に調整するパルス波形パラメータであるピーク電流IPとパルス周波数PHzとの予め求められた関係を示す。
図6は、溶接ワイヤ24が軟鋼であるパルスMAG溶接において、溶接ワイヤ24の径がφ1.2であり、溶接電流Iの設定電流200Aである場合でのピーク電流IPとパルス周波数PHzとの予め求められた関係を示し、ピーク電流IPの基準値は460Aであり、パルス周波数PHzの基準値は210Hzである。
推奨されている条件と異なる条件の溶接ワイヤ24やシールドガスを使用したときのパルスアーク溶接装置1001の図6に示す関係に基づくパルス波形パラメータの調整を説明する。
図3に示すように、ベース電流期間IBTより前に溶滴24dが離脱して溶滴離脱のタイミングが早過ぎる場合では、溶接ワイヤ24の溶融速度が大き過ぎると判断される。これに対し、溶接ワイヤ24の溶融速度としての最適なパルス波形の面積にするために、図6に示す、パルス周波数PHzとピーク電流IPの予め求められた関係に基づき、ピーク電流IPを440Aと上述の基準値460Aより小さくした場合は、パルス周波数PHzを基準値210Hzから215Hzと高くすることで安定したアーク長L28を確保することができる。
逆に、図4に示すように、パルス周期PT1におけるベース電流期間IBT1中に溶滴24dが離脱せず、ベース電流期間IBT1より後に溶滴24dが離脱する、すなわち溶滴24dが離脱する離脱時点tdパルス周期PT1の次のパルス周期PT2の、ピーク電流期間IPT2にまで遅れる場合では、溶接ワイヤ24の溶融速度が小さ過ぎると判断する。これに対し、適正な溶接ワイヤの溶融速度である最適なパルス波形の面積にするために、図6に示すパルス周波数PHzとピーク電流IPとの関係に基づき、ピーク電流IPを基準値460Aから500Aに大きくした場合は、パルス周波数PHzを基準値210Hzから195Hzと低くすることで安定したアーク長L28を確保することができる。
このように、パルス周波数PHzとピーク電流IPとの予め求められた関係に基づき、溶滴24dが離脱する離脱時点tdがベース電流期間IBT1内でなければ、ベース電流期間IBT1内となるようにパルス波形パラメータとしてのピーク電流IPを調整するとともにパルス周波数PHzを調整する。具体的には、溶接制御部31bは、離脱時点tdがベース電流期間IBT1より早いすなわちベース電流期間IBT1の前である場合は、ピーク電流IPを減少させると共にパルス周波数PHzを増加させるようにし、離脱時点tdがベース電流期間IBT1より遅いすなわちベース電流期間IBT1の後である場合は、ピーク電流IPを増加させると共にパルス周波数PHzを減少させるようにパルス波形パラメータであるピーク電流IPとパルス周波数PHzを調整する。
実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001では、ピーク電流IPの値では無く、ピーク電流期間IPTの長さを調整することで溶滴24dが離脱するタイミングを調整することができる。図7はピーク電流期間IPTを調整することにより溶滴移行(溶滴離脱)状態の溶滴24dが離脱するタイミングを調整する場合での溶接電圧Vと、溶接電流Iと、溶接移行の状態とを示す。図3に示す不安定な溶滴移行(溶滴離脱)状態において、ベース電流期間IBTより前のパルス立下り期間IPFTで溶接ワイヤ24の先端から溶滴24dが離脱した状態Sd1に対して、図7に示すように、ピーク電流期間IPTを短くしてパルス波形の面積を小さくし、溶接ワイヤ24に印加される電気エネルギーを小さくして適正化する。
図7に示す溶接電流Iでは、パルス面積を小さくしたことから、溶接ワイヤ24の適正な溶融速度を確保するためには、ピーク電流期間IPTを短くすると同時にパルス周期PTを短くしてパルス周波数PHzを高くすることで、溶接電流Iが適正な平均電流である設定電流になるようにパルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとを調整する。これにより、アーク長L28を安定させながらベース電流期間IBTに溶滴24dが離脱する最適な状態の溶滴移行タイミングを得ることができる。
ピーク電流期間IPTを調整することにより溶滴移行での離脱時点tdを調整する上記の方法において、逆に、図4に示す溶滴移行(溶滴離脱)状態において、状態Sf2では、パルス周期PT1でのベース電流期間IBT1中に溶滴24dが離脱せず、ベース電流期間IBT1より後、すなわちパルス周期PT1の次のパルス周期PT2でのピーク電流期間IPT2で溶滴24dが肥大化し、重力によって離脱する不安定な溶滴移行(溶滴離脱)の状態になっている。状態Sf2に対しては、ピーク電流期間IPTを長くしパルス波形の1つのパルス周期PTでの面積を大きくし、溶接ワイヤ24の適正な溶融速度を確保するために溶接ワイヤ24に印加される電気エネルギーを適正化する。
上記の溶接電流Iでは、パルス波形の面積を大きくしたことから、同じ溶融速度を確保するためには、ピーク電流期間IPTを長くすると同時にパルス周期PTを長くしてパルス周波数PHzを低くすることで、アーク長L28を安定させながら溶滴移行(離脱)状態を最適な状態に調整することができる。
パルスアーク溶接装置1001でのピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの具体的な調整の例を説明する。図8は、アーク長L28を安定させながら溶滴移行(離脱)状態を最適に調整するパルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの予め求められた関係を示す。
図8は、溶接ワイヤ24が軟鋼であるパルスMAG溶接において、溶接ワイヤ24の径がφ1.2であり、溶接電流Iの設定電流が200Aである場合でのパルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの予め求められた関係を示す。図8に示す関係では、ピーク電流期間IPTの基準値が620μsであり、パルス周波数PHzの基準値が210Hzである。
推奨されている条件と異なる溶接ワイヤ24やシールドガスを使用したときのパルスアーク溶接装置1001の図8に示す関係に基づくパルス波形パラメータの調整を説明する。
図3に示すように、ベース電流期間IBTより前に溶滴24dが離脱し、溶滴離脱のタイミングが早過ぎる場合では、溶接ワイヤ24の溶融速度が大き過ぎると判断する。これに対し、溶接ワイヤ24の溶融速度としての最適なパルス波形の面積にするために、図8に示すパルス周波数PHzとピーク電流期間IPTとの予め求められた関係に基づき、ピーク電流期間IPTを基準値620μsから580μsと短くした場合は、パルス周波数PHzを基準値210Hzから215Hzと高くすることで安定したアーク長L28を確保することができる。
逆に、図4に示すように、パルス周期PT1においてベース電流期間IBT1中に溶滴24dが離脱せず、ベース電流期間IBT1より後に溶滴24dが離脱する、すなわち溶滴24dが離脱する離脱時点tdがパルス周期PT1の次のパルス周期PT2でのピーク電流期間IPT2にまで遅れる場合では、溶融速度が小さ過ぎると判断する。これに対し、適正な溶接ワイヤ24の溶融速度である最適なパルス波形の面積にするために、図8に示すパルス周波数PHzとピーク電流期間IPTの予め求められた関係に基づき、ピーク電流期間IPTを基準値620μsから700μsに長くした場合は、パルス周波数PHzを基準値210Hzから195Hzと低くすることで安定したアーク長L28を確保することができる。
このように、溶滴24dが離脱する離脱時点tdがベース電流期間IBT1内でなければ、ベース電流期間IBT1内となるようにパルス波形パラメータとしてのピーク電流期間IPTを調整するとともに、パルス周波数PHzとピーク電流期間IPTとの予め求められた関係に基づきパルス周波数PHzを調整する。具体的には、溶滴24dが離脱する離脱時点tdが早過ぎる場合は、ピーク電流期間IPTを減少させると共にパルス周波数PHzを増加させるようにし、離脱時点tdが遅過ぎる場合は、ピーク電流期間IPTを増加させると共にパルス周波数PHzを減少させるように、パルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとを調整する。
ピーク電流IPやピーク電流期間IPTを最適な数値に基準値から変更するか否かは、溶滴移行(溶滴離脱)状態の監視において、溶接電圧Vをリアルタイムに監視し、ベース電流期間IBTにてくびれ24pが発生する状態を検出する、すなわち溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱する離脱時点tdを判定するために、溶接電圧Vを時間で微分して得られた時間微分値を所定の値と比較することで判断する。溶接制御部31bのアーク制御部12の溶滴離脱検出部13は、上記の時間微分値が所定の値より小さい値からその所定の値を超えた所定の変化を検出した時点を離脱時点tdと判定することができる。
溶接制御部31bは、ベース電流期間IBTより前のピーク電流期間IPTやパルス立下り期間IPFTで1回または毎回のパルス周期に溶接電圧Vの上記時間微分値が所定の値より小さい値から所定の値を超えることを検出した場合は、溶接ワイヤ24の溶融速度が速く、溶接ワイヤ24を溶かす電気エネルギーが相対的に大きいと判断し、パルス波形パラメータのピーク電流IPを小さくまたはピーク電流期間IPTを短くするようにパルス波形パラメータを調整する。
ピーク電流IPを減少させて調整する場合では、溶接制御部31bは、パルス周期PT毎にピーク電流IPを5A等の所定の変化分だけ減少させていきながら、ベース電流期間IBTで溶接電圧Vの時間微分値の上記の所定の変化を検出するまで、パルス周期PT毎に時間微分値を監視してピーク電流IPを調整する。1回または毎回のパルス周期PTにベース電流期間IBTで溶接電圧Vの時間微分値の上記所定の変化を検出すると、ピーク電流IPを減少させることを停止する。
ピーク電流期間IPTを減少させて調整する場合でも同様に、溶接制御部31bは、パルス周期PT毎にピーク電流期間IPTを10μs等の所定の変化分だけ減少させながら、1回または毎回のパルス周期PTにおいてベース電流期間IBTで溶接電圧Vの上記所定の変化を検出すると、ピーク電流期間IPTを減少させることを停止する。
溶接制御部31bは、逆に、パルス周期PT1のベース電流期間IBTより後に、詳細には、パルス周期PT1の次のパルス周期PT2以降の時点に溶接電圧Vの時間微分値の上記変化を検出した場合や、パルス周期PT毎に溶接電圧Vの上記所定の変化を検出せずに、複数回のパルス周期PTに1回の割合で時間微分値の所定の変化を検出する場合は、溶接ワイヤ24の溶融速度が遅く、溶接ワイヤ24を溶かす電気エネルギーが相対的に少ないものと判断する。これに対し、溶接制御部31bは、パルス波形パラメータとしてピーク電流IPを増加させるまたはピーク電流期間IPTを増加させるようにパルス波形パラメータを調整する。
ピーク電流IPを増加させて調整する場合では、溶接制御部31bは、パルス周期PT毎にピーク電流IPを5A等の所定の変化分だけ増加させていきながら、ベース電流期間IBTにて溶接電圧Vの時間微分値の上記所定の変化を検出するまで、パルス周期PT毎に溶接電圧Vの時間微分値を監視してピーク電流IPを調整する。1回または毎回のパルス周期でベース電流期間IBTに溶接電圧Vの時間微分値の上記所定の変化を検出すると、ピーク電流IPを増加させることを停止する。
また、ピーク電流期間IPTを増加させて調整する場合でも同様に、溶接制御部31bは、パルス周期PT毎にピーク電流期間IPTを10μs等の所定の変化分だけ増加させながら、1回または毎回のパルス周期PTで溶接電圧Vの時間微分値の上記所定の変化を検出すると、ピーク電流期間IPTを増加させることを停止する。
溶滴離脱検出部13は、溶接電圧Vの時間微分値ではなく、溶接電圧Vの値で溶滴24dの離脱の離脱時点tdを判定してもよい。
溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱する離脱時点tdは溶接電圧Vを溶接電流Iで割った抵抗値で判定してもよい。この場合には、例えば、溶滴離脱検出部13は、抵抗値を時間で微分した時間微分値が所定の値より小さい値からその所定の値を超えた所定の変化を検出した時点を離脱時点tdと判定することができる。溶滴離脱検出部13は、抵抗値の時間微分値ではなく、抵抗値自体で離脱時点tdを判定してもよい。溶滴24dの離脱に伴う溶接電圧Vの変動が小さい場合は、溶接電圧Vに基づくと離脱時点tdを誤って判定する場合があるので、離脱時点tdを判定することが好ましい。
上記のような溶滴移行(溶滴離脱)状態を監視し、溶滴移行(溶滴離脱)状態の溶滴移行タイミングをパルス波形パラメータの調整にて行う場合において、各パルス波形パラメータの複数のパラメータの調整を組み合わせて行うことも可能である。上記の動作では、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTをそれぞれ調整することで溶滴24dが離脱する離脱時点tdを調整する。パルスアーク溶接装置1001では、溶接制御部31bは、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTとを共に調整することで離脱時点tdを調整することができる。この場合、図6、図8に示すパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づきピーク電流IPとピーク電流期間IPTとを共に調整する場合、同時に相関関係にあるパルス周波数PHzも調整する。パルス波形パラメータのうち1つのパラメータではなく、複数のパラメータで行うことで1つのパラメータ当たりの変化量を少なくできるため、離脱時点tdの調整幅を広げることができる。
具体的には、実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001では以下のように溶接電流Iのピーク電流IPとピーク電流期間IPTの双方を調整してかつパルス周波数PHzを調整する。
例えば、溶滴24dの離脱時点tdが図4に示すように遅すぎる状態で離脱時点tdを早める場合に溶接制御部31bはピーク電流IPを増加させる。離脱時点tdが図2に示すようにベース電流期間IBT内にある状態にするために溶接電源部31aの出力できる最大値を超えるピーク電流IPを要する場合には、溶接制御部31bはピーク電流IPを最大値付近まで増加させた後、ピーク電流期間IPTを増加させる。溶接制御部31bは、ピーク電流IPを増加させると同時に図6に示すピーク電流IPとパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づいてパルス周波数PHzを調整し、ピーク電流期間IPTを増加させると同時に図8に示すピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づいてパルス周波数PHzを調整する。
もしくは、溶滴24dの離脱の離脱時点tdを早める場合に溶接制御部31bはピーク電流期間IPTを増加させる。また、離脱時点tdが図2に示すようにベース電流期間IBT内にある状態にするためにピーク電流期間IPTが増加すると、パルス周期PT1でのピーク電流期間IPT1が次のパルス周期PT2でのピーク電流期間IPT2が近づき過ぎてベース電流期間IBT1が短くなりパルス波形を形成できなくなる。この場合は、溶接制御部31bはピーク電流期間IPTをその最大許容値の近くまで増加させた後、ピーク電流IPを増加させる。溶接制御部31bは、ピーク電流期間IPTを増加させると同時に図8に示すピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づいてパルス周波数PHzを調整し、ピーク電流IPを増加させると同時に図6に示すピーク電流IPとパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づいてパルス周波数PHzを調整する。
溶接電圧Vによりくびれ24pが発生した状態を示す波形が現れやすい溶接ワイヤ24の材料は軟鋼ワイヤやアルミワイヤである。ステンレスワイヤは、溶接電圧Vにくびれ24pが発生した状態を示す波形が現れにくいため、くびれ24pの発生を検出し難い。
実施の形態1におけるパルスアーク溶接制御方法では、溶接ワイヤ24と被溶接物29との間でアークを発生させてピーク電流期間IPTとベース電流期間IBTとを繰り返すパルス溶接を行う。溶接中の溶接電圧Vの時間微分値を監視し、時間微分値が所定の値を超えた場合は、溶滴24dが離脱したと判断する。溶滴24dが離脱した離脱時点tdがベース電流期間IBT内でなければ、ベース電流期間IBT内となるように、パルス周波数PHzとピーク電流IPとの予め求められた関係に基づき、パルス波形パラメータとしてのピーク電流IPおよび/またはピーク電流期間IPTを調整するとともにパルス周波数PHzを調整する。
図1に示す溶接電源装置31において、短絡/アーク検出部10は、溶接電圧検出部8の出力および/または溶接電流検出部9の出力に基づいて溶接ワイヤ24と被溶接物29との間で短絡が発生しているかアークが発生しているのかを判定する。短絡制御部11は、短絡が発生している短絡期間中に出力制御部7を制御する。アーク制御部12はアークが発生しているアーク期間中に出力制御部7を制御する。
パルス波形設定部14は、アーク期間中にパルス波形を設定する。
溶接電源装置31において、短絡制御部11は、短絡/アーク検出部10から短絡が発生していることを示す信号を受けると、短絡を開放させることができるように、短絡期間に溶接ワイヤ24に流れる短絡電流ISを制御する。
アーク制御部12は、短絡/アーク検出部10からアークが発生していることを示す信号を受けると、アーク制御部12のパルス波形設定部14により、ピーク電流IPとベース電流IB、ピーク電流期間IPT、ベース電流期間IBTなどのパルス波形パラメータをパルス波形制御部15に送る。
アーク状態において、アーク制御部12の溶滴離脱検出部13は溶接電圧検出部8で検出した溶接電圧Vをリアルタイムに監視し、溶滴24dが離脱したことを示す所定の値を溶接電圧Vの時間微分値が超えた離脱時点tdを検出する。アーク制御部12は離脱時点tdがベース電流期間IBT内であるか否かを判断する。
溶滴24dが離脱した離脱時点tdがベース電流期間IBT内であれば、アーク制御部12はパルス波形設定部14から出力されたパルス波形パラメータをそのまま出力し続ける。離脱時点tdがベース電流期間IBT外であれば、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTとのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータを調整するとともに、これに対応して、パルス波形パラメータとパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づいてパルス周波数PHzを調整する。これにより、ベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱するように、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータを徐々に変更しながら離脱時点tdを前述のように調整する。調整の内容はパルス波形制御部15においてそれぞれに対応する、ピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、およびパルス周波数補正部18にて保存される。
図6と図8に示す関係は以下のように実験的に求めることができる。溶接ワイヤ24の様々な材質よりなり様々な径を有する複数の試料の溶接ワイヤのそれぞれに対して、例えば、ベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱して溶滴移行が行われるように、パルス波形パラメータであるピーク電流IPを調整するとともに、これに対応してパルス周波数PHzが調整される。この調整に基づいて、対応するパルス波形パラメータのピーク電流IPとパルス周波数PHzの値がピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、パルス周波数補正部18などの各補正部のデータベースにそれぞれ保存されて図6に示すピーク電流IPとパルス周波数PHzとの関係が求められる。同様に、溶接ワイヤ24の様々な材質よりなり様々な径を有する複数の試料の溶接ワイヤのそれぞれに対して、ベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱して溶滴移行が行われるように、パルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTを調整するとともに、これに対応してパルス周波数PHzが調整される。この調整に基づいて、対応するパルス波形パラメータのピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzの値がピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、パルス周波数補正部18などの各補正部のデータベースにそれぞれ保存されて図8に示すピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの関係が求められる。
例えば、移動平均としての設定電流の設定において、100Aから300Aまでの設定電流の範囲で20A毎の設定の設定電流の値に対してベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱して溶滴移行が行われるように、パルス波形パラメータであるピーク電流IPを調整するとともに、これに対応してパルス周波数PHzが調整される。この調整に基づいて、対応するパルス波形パラメータのピーク電流IPとパルス周波数PHzの値がピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、パルス周波数補正部18などの各補正部のデータベースにそれぞれ保存されて図6に示すピーク電流IPとパルス周波数PHzとの関係が求められる。同様に、100Aから300Aまでの範囲で20A毎の設定電流の値に対してベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱して溶滴移行が行われるように、パルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTを調整するとともに、これに対応してパルス周波数PHzが調整される。この調整に基づいて、対応するパルス波形パラメータのピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzの値がピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、パルス周波数補正部18などの各補正部のデータベースにそれぞれ保存されて図8に示すピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの関係が求められる。これらの動作により、溶接電流Iの値の広い範囲で安定した溶接を行うことができる。
また、例えば1m/分から10m/分までの範囲で1m/分毎の溶接ワイヤ24の送給速度の値において、ベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱して溶滴移行が行われるように、パルス波形パラメータであるピーク電流IPを調整するとともに、これに対応してパルス周波数PHzが調整される。この調整に基づいて、対応するパルス波形パラメータのピーク電流IPとパルス周波数PHzの値をピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、パルス周波数補正部18などの各補正部のデータベースにそれぞれ保存されて図6に示すピーク電流IPとパルス周波数PHzとの関係が求められる。同様に、1m/分から10m/分までの範囲で1m/分毎の溶接ワイヤ24の送給速度の値に対して、ベース電流期間IBT内で溶滴24dが離脱して溶滴移行が行われるように、パルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTを調整するとともに、これに対応してパルス周波数PHzが調整される。この調整に基づいて、対応するパルス波形パラメータのピーク電流IPとパルス周波数PHzの値をピーク電流補正部16、ピーク電流期間補正部17、パルス周波数補正部18などの各補正部のデータベースにそれぞれ保存されて図8に示すピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzとの関係が求められる。この動作により溶接ワイヤ24の溶接速度の広い範囲で安定した溶接を行うことができる。
なお、図6や図8に示す関係を示すピーク電流IPとピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzの値はデータベースとして持つことに加え、それらの値を補間して近似する1次関数や2次関数などの関数として保存しても良い。
なお、溶接の条件を出す前段階で、テストピースを溶接してパルス波形パラメータの値を導き出しておくことでと溶滴移行(溶滴離脱)のタイミングを調整するためのパルス波形パラメータの値での溶接の条をスムーズに設定することができる。
溶接機メーカーが推奨する溶接ワイヤに比べ、ユーザーが使用する溶接ワイヤが粘性や表面張力などが異なると、溶滴移行の状態が大きく異なり、溶滴移行(溶滴離脱)タイミングにも規則性がなく、安定した溶接ができない可能性がある。
なお、溶接制御部31bは、溶滴24dが離脱した離脱時点tdがベース電流期間IBT内である場合に、離脱時点tdが所定のベース電流期間IBT内であるように、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTとの少なくとも1つであるパルス波形パラメータとパルス周波数PHzとを設定する。溶接制御部31bは、溶滴24dが離脱した離脱時点tdがベース電流期間IBT内である場合に、離脱時点tdがベース電流期間IBT内であるように上記パルス波形パラメータとパルス周波数PHzとを維持する。
通常、パルスアーク溶接機は、溶接機メーカーが推奨する溶接ワイヤでの個別に設定された適正な溶接条件を選定することによって、ピーク電流に同期して1ピーク電流当たりに1個の溶滴移行(溶滴離脱)をさせることが可能である。
しかし、溶接ワイヤや溶接条件を変更するなどして、ピーク電流期間に溶滴移行(溶滴離脱)を適正に行うことが難しい場合には、数回のピーク電流に1個の割合で溶滴が離脱する現象が時々発生し、このため溶滴移行(溶滴離脱)が不安定になる。また、溶接ワイヤ先端に大きな溶融金属が累積付着し、母材と短絡し、スパッタを発生させる原因となる。
図9は上記の問題を解決する比較例のパルスアーク溶接における溶接電流を示す。このパルスアーク溶接の方法では、溶滴移行(溶滴離脱)の安定性を高めて溶接作業性の向上を図るため、図9のように、溶滴移行(離脱)が生じるまでピーク電流期間TPを継続させ、溶滴移行(離脱)をパルスの1周期に1回確実に生じさせる。
しかしながら、1パルス当たり1ドロップを確実に行われるものの溶滴移行(溶滴離脱)する時点tdは必ずピーク電流期間TP内であることからピーク電流期間TPの長さが毎回変動する。したがって、パルス周期性にバラツキが生じるため、アーク長の変動が大きく、溶接安定性に欠けることになり、場合によっては、溶接の不安定がビードの外観に現れることもある。
また、万が一、溶滴移行(溶滴離脱)前に母材と短絡した場合は、高いピーク電流値での短絡につき、多量のスパッタが発生することも十分考えられる。したがって、このパルスアーク溶接においては、溶接安定性を確保できないおそれがある。
実施の形態1におけるパルスアーク溶接制御方法およびパルスアーク溶接装置1001によれば、溶滴移行(溶滴離脱)状態を検出し、パルス波形を溶滴移行(溶滴離脱)の離脱時点tdがベース電流期間IBT内でなければ、ベース電流期間IBT内となるように、パルス波形パラメータとしてのピーク電流IPおよび/またはピーク電流期間IPTを調整するとともにパルス周波数PHzを調整することで1つのパルス周期PTの1パルス当たり1ドロップの安定した溶接を行うことができ、均質なビードが得られる等、高い溶接品質を実現することができる。
(実施の形態2)
図10は実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置1002の概略構成図である。図10において、図1に示す実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001と同じ部分には同じ参照番号を付す。実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置1002は、実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001の溶接制御部31bの溶滴離脱検出部13を備えていない。
パルスアーク溶接装置1002では、短絡/アーク検出部10は溶接電圧Vに基づいて溶接ワイヤ24と被溶接物29との短絡を検出することにより、溶滴が溶接ワイヤ24から離脱したことを検出する。使用する溶接ワイヤ24やシールドガスなどの溶接条件の違いによる不安定な溶滴移行状態を解消すべく、パルスアーク溶接装置1002は溶滴移行状態が最適な状態になるよう、溶滴移行(溶滴の離脱)の離脱時点tdがベース電流期間IBT内でなければ、ベース電流期間IBT内となるように1つ以上のパルス波形パラメータを調整、上記時点がベース電流期間IBT内となるように上記1つ以上のパルス波形パラメータを調整する。
図11は実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置1002において、溶接制御部31bがピーク電流IPで溶滴移行の溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱する離脱時点を調整する際の溶接電流Iと溶接電圧Vと溶滴移行の状態とを示す。図11において、図1に示す実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001での溶接電流Iと溶接電流Iと溶滴移行の状態と同じ部分には同じ参照番号を付す。詳細には、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTの少なくとも1つであるパルス波形パラメータの調整前において、短絡/アーク検出部10は溶接中の溶接ワイヤ24と被溶接物29との間の短絡をリアルタイムに検出する。溶接制御部31bは、ベース電流期間IBTより早くベース電流期間IBTより前のパルス立下り期間IPFTで溶接ワイヤ24の先端で溶滴24dが被溶接物29と短絡した状態(溶接電圧Vの破線での状態Sc11)では、溶接ワイヤ24を溶かす電気エネルギーが過度に多いと判断する。この場合には、溶接制御部31bは、図11に示す実線で示す溶接電流Iと溶接電圧Vが得られるように、パルス波形パラメータであるピーク電流IPを減少させてパルス波形の面積を小さくし、電気エネルギーを適正化する。なお、溶接ワイヤ24が溶滴24dを介して被溶接物29と短絡しているときには、溶接電源部31aは溶接ワイヤ24に短絡電流ISを流す。
図11に示す波形パラメータではパルス波形の面積を小さくしたことから、適正なワイヤ溶融速度を確保するためにパルス周期PTを短くしてパルス周波数PHzを高く調整する。これにより、溶接電流Iの平均値が適正な設定電流になるようにパルス波形パラメータであるピーク電流IPとパルス周波数PHzを調整し、アーク長L28を安定させながら溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱する離脱時点tdをベース電流期間IBT内となる最適な状態のタイミングに調整することができる。
また、パルス波形パラメータの調整前において、溶接中の短絡をリアルタイムに検出し、ベース電流期間IBT中に溶滴24d離脱せず、ベース電流期間IBTより遅くベース電流期間IBTの後のピーク電流期間IPTで溶滴24dが肥大化し、溶接ワイヤ24の先端で被溶接物29と接触した溶滴24dを介して溶接ワイヤ24と被溶接物29が短絡した場合には、溶接制御部31bは溶接ワイヤ24の溶融速度が過度に遅く、溶接ワイヤ24を溶かす電気エネルギーが過度に少ないと判断する。これに対し、溶接制御部31bは、パルス波形パラメータであるピーク電流IPを増加させてパルス波形の面積を大きくし、電気エネルギーを適正化する。
上記の制御では、パルス波形の面積を大きくしたことから、適正な溶接ワイヤ24の溶融速度を確保するために、溶接制御部31bは、同時に、パルス周期PTを長くしてパルス周波数PHzを低く調整する。このように、溶接制御部31bは、溶接電流Iの平均値が適正に設定電流になるようにパルス波形パラメータであるピーク電流IPとパルス周波数PHzを調整し、アーク長L28を安定させながら溶滴24dが離脱する離脱時点tdをベース電流期間IBT内となる最適な状態に調整する。
図12は溶接中の短絡をリアルタイムに検出してピーク電流期間IPTで溶滴24dが被溶接物29と短絡する短絡移行タイミングを調整する際の溶接電流Iと溶接電圧Vと短絡移行の状態とを示す。詳細には、短絡/アーク検出部10が溶滴移行(短絡)を検出して、ベース電流期間IBTより前に溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱し、パルス立下り期間IPFTで溶接ワイヤ24の先端で溶滴24dが被溶接物29と短絡した状態(破線で示す溶接電流Iと溶接電圧Vでの状態Sf12)に対して、溶接制御部31bは、実線で示す溶接電流Iと溶接電圧Vが得られるように、パルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTを短くしてパルス波形の面積を小さくし、電気エネルギーを適正化する。
また、図12に示す制御ではパルス波形の面積を小さくしたことから、溶接ワイヤ24の適正な溶融速度を確保するためには、溶接制御部31bは同時にパルス周期PTを短くしてパルス周波数PHzを高くすることで、アーク長L28を安定させながら溶滴移行(短絡)の離脱時点tdをベース電流期間IBT内にする最適な状態のタイミングに調整することができる。
また、溶接中の短絡をリアルタイムに検出すし、パルス周期PT1のベース電流期間IBT1中に短絡が生じず、ベース電流期間IBT1より後の次のパルス周期PT2のピーク電流期間IPT2で溶滴24dが肥大化し、溶接ワイヤ24の先端で溶滴24dが被溶接物29と短絡した場合には、不安定な溶滴移行(短絡)状態となる。この場合は、パルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTを長くしパルス波形の面積を大きくし、適正な溶接ワイヤ24の溶融速度を確保するために電気エネルギーを適正化する。
パルス波形パラメータの上記の調整ではパルス波形の面積を大きくしたことから、面積を大きくする前と同じ溶接ワイヤ24の溶融速度を確保するために、溶接制御部31bは同時にパルス周期PTを長くしてパルス周波数PHzを低くするようにして、溶接電流Iの平均値が設定電流になるようにパルス波形パラメータであるピーク電流期間IPTとパルス周波数PHzを調整する。これにより、アーク長L28を安定させながら短絡が発生し溶滴24dが離脱する離脱時点tdをベース電流期間IBTとなる最適な状態のタイミングに調整して、ベース電流期間IBT1中に短絡が生じるようにする。
パルスアーク溶接装置1002は、実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001と同様に、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTの双方を調整して、かつパルス周波数PHzを調整することで、溶滴24dが被溶接物29を短絡する時点すなわち離脱時点tdを調整してもよい。
実施の形態2におけるパルスアーク溶接装置1002では、溶接ワイヤ24と被溶接物29との間でアークを発生させてピーク電流期間IPTとベース電流期間IBTとを繰り返すパルス溶接を行う。溶接制御部31bの短絡/アーク検出部10は溶接中の短絡を検出し、短絡を検出した時点を、言い替えると短絡に基づいて検出した時点を溶滴24dが離脱した離脱時点tdと判断する。溶接制御部31bは、短絡を検出した時点がベース電流期間IBT内となるように、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTのうちの少なくとも1つを調整するとともに、実施の形態1におけるパルスアーク溶接装置1001の図6に示すパルス周波数PHzとピーク電流IPとの予め求められた関係と図8に示すパルス周波数PHzとピーク電流期間IPTとの予め求められた関係との少なくとも1つに基づきパルス周波数PHzを調整する。
溶接機メーカーが推奨する溶接ワイヤやシールドガスなどの推奨の溶接条件に比べ、ユーザーが使用する溶接ワイヤが粘性や表面張力またはシールドガスなどの溶接条件などが異なると、溶滴移行形態が大きく異なることになり、溶滴移行タイミングにも規則性がなく、安定した溶接ができない可能性がある。
実施の形態2におけるパルスアーク溶接方法とパルスアーク溶接装置1002では、溶滴24dの短絡を検出し、溶滴24dが離脱する離脱時点tdがベース電流期間IBT内でなければ、離脱時点tdがベース電流期間IBT内となるように、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTの少なくとも1つであるパルス波形パラメータを調整するとともにパルス周波数PHzを調整する。これにより安定した溶滴移行(溶滴離脱)を行い安定したパルス溶接を行うことができ、均質な溶接品質が得られる。
上述のように、パルスアーク溶接制御方法は、溶接ワイヤ24と被溶接物29との間でアークを発生させて被溶接物29を溶接するパルスアーク溶接装置1001(1002)を用いる。溶接ワイヤ24と被溶接物29との間に溶接電圧Vを印加して、かつ溶接電流Iがピーク電流IPであるピーク電流期間IPTと溶接電流Iがピーク電流IPより小さいベース電流IBであるベース電流期間IBTとをパルス周波数PHzにて交互に繰り返すように溶接電流Iを溶接ワイヤ24に流すことにより溶接ワイヤ24を溶融させて発生した溶滴24dを溶接ワイヤ24から離脱させて被溶接物29を溶接するようにパルスアーク溶接装置1001(1002)を制御する。溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱した離脱時点tdを判定する。離脱時点tdがベース電流期間IBT内でない場合に、離脱時点tdがベース電流期間IBT内となるように、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTとのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータを調整するとともに、パルス周波数PHzとパルス波形パラメータとの予め求められた関係に基づきパルス周波数PHzを調整する。
離脱時点tdがベース電流期間IBTの前である場合は、ピーク電流IPを減少させると共にパルス周波数PHzを増加させてもよい。離脱時点tdがベース電流期間IBTの後である場合は、ピーク電流IPを増加させると共にパルス周波数PHzを減少させてもよい。
離脱時点tdがベース電流期間IBTの前である場合は、ピーク電流期間IPTを減少させると共にパルス周波数PHzを増加させてもよい。離脱時点tdがピーク電流期間IPTの後である場合は、ピーク電流期間IPTを増加させると共にパルス周波数PHzを減少させてもよい。
溶接電流Iがピーク電流期間IPTとベース電流期間IBTとをパルス周波数PHzにて交互に複数のパルス周期PTで繰り返すようにパルスアーク溶接装置1001(1002)を制御してもよい。この場合には、複数のパルス周期PTに亘ってパルス波形パラメータを徐々に調整するとともにパルス周波数PHzを徐々に調整する。離脱時点tdがベース電流期間IBTに入った時にパルス波形パラメータを調整し終えかつパルス周波数PHzを調整し終える。
パルス波形パラメータはピーク電流IPであってもよい。パルス波形パラメータはピーク電流期間IPTであってもよい。パルス波形パラメータはピーク電流IPとピーク電流期間IPTであってもよい。
溶接電圧Vを時間で微分して得られる時間微分値が所定の値より小さい値から所定の値を超えた時点を離脱時点tdとして判定してもよい。
溶接電圧Vを溶接電流Iで除して得られた抵抗値を時間で微分して得られる時間微分値が所定の値より小さい値から所定の値を超えた時点を離脱時点tdとして判定してもよい。
溶接ワイヤ24と被溶接物29との間の短絡を検出した時点に基づいて溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱した離脱時点tdを判定してもよい。
離脱時点tdがベース電流期間IBT内である場合に、離脱時点tdがベース電流期間IBT内であるようにパルス波形パラメータとパルス周波数PHzとを設定してもよい。この場合にパルス波形パラメータとパルス周波数PHzとを維持してもよい。
パルスアーク溶接装置1001(1002)は、溶接ワイヤ24と被溶接物29との間でアークを発生させて被溶接物29を溶接する。パルスアーク溶接装置1001(1002)は、溶接ワイヤ24を送給するワイヤ送給部25と、溶接電圧Vと溶接電流Iとを出力する溶接電源部31aと、溶接電源部31aを制御する溶接制御部31bとを備える。溶接制御部31bは、溶接ワイヤ24と被溶接物29との間に溶接電圧Vを印加して、かつ溶接電流Iがピーク電流IPであるピーク電流期間IPTと溶接電流Iがピーク電流IPより小さいベース電流IBであるベース電流期間IBTとをパルス周波数PHzにて交互に繰り返すように溶接電流Iを溶接ワイヤ24に流すことにより溶接ワイヤ24を溶融させて発生した溶滴24dを溶接ワイヤ24から離脱させて被溶接物29を溶接するように溶接電源部31aを制御するように構成されている。溶接制御部31bは、溶滴24dが溶接ワイヤ24から離脱した離脱時点tdを判定するように構成されている。溶接制御部31bは、離脱時点tdがベース電流期間IBT内でない場合に、離脱時点tdがベース電流期間IBT内となるように、ピーク電流IPとピーク電流期間IPTとのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータとパルス周波数PHzとの予め求められた関係に基づきパルス波形パラメータを調整するとともにパルス周波数PHzを調整するように構成されている。
溶接制御部31bは、溶接電流Iの値である設定電流を設定するための溶接条件設定部21と、設定電流に基づいてワイヤ送給部25がワイヤを送給する送給速度を制御する送給速度制御部19と、設定電流またはワイヤ送給速度に基づいて溶接電流Iの波形に対応した信号を出力するためのパルス波形設定部14とを有していてもよい。
実施の形態1、2におけるアーク溶接制御方法では、ユーザーが溶接機メーカーの推奨する溶接ワイヤやシールドガス等の溶接条件を使用しなかった場合でも安定したパルス溶接を提供することが可能となる。これらのアーク溶接制御方法は、消耗電極である溶接ワイヤを連続的に送給しながらアーク溶接を行う溶接装置に有用である。
IP ピーク電流
IPT,IPT1,IPT2,TP ピーク電流期間
IB ベース電流
IBT,IBT1,IBT2 ベース電流期間
IPRT,IPRT1,IPRT2 パルス立上り期間
IPFT,IPFT1,IPFT2 パルス立下り期間
PHz パルス周波数
PT,PT1,PT2 パルス周期
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング素子
4 トランス
5 2次整流部
6 リアクタ
7 出力制御部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 短絡制御部
12 アーク制御部
13 溶滴離脱検出部
14 パルス波形設定部
15 パルス波形制御部
16 ピーク電流補正部
17 ピーク電流期間補正部
18 パルス周波数補正部
19 送給速度制御部
20 ロボット制御部
21 溶接条件設定部
22 ロボット
23 溶接ワイヤ保存部
24 溶接ワイヤ
25 ワイヤ送給部
26 トーチ
27 チップ
28 アーク
29 被溶接物
30a 出力端子
30b 出力端子
31 溶接電源装置
31a 溶接電源部
31b 溶接制御部
1001 パルスアーク溶接装置
1002 パルスアーク溶接装置

Claims (22)

  1. 溶接ワイヤと被溶接物との間でアークを発生させて前記被溶接物を溶接するパルスアーク溶接装置を用いたパルスアーク溶接制御方法であって、
    前記溶接ワイヤと前記被溶接物との間に溶接電圧を印加して、かつ溶接電流がピーク電流であるピーク電流期間と前記溶接電流が前記ピーク電流より小さいベース電流であるベース電流期間とをパルス周波数にて交互に繰り返すように前記溶接電流を前記溶接ワイヤに流すことにより前記溶接ワイヤを溶融させて発生した溶滴を前記溶接ワイヤから離脱させて前記被溶接物を溶接するように前記パルスアーク溶接装置を制御するステップと、
    前記溶滴が前記溶接ワイヤから離脱した離脱時点を判定するステップと、
    前記離脱時点が前記ベース電流期間内でない場合に、前記離脱時点が前記ベース電流期間内となるように、前記ピーク電流と前記ピーク電流期間とのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータを調整するとともに、前記パルス周波数と前記パルス波形パラメータとの予め求められた関係に基づき前記パルス周波数を調整するステップと、
    を含むパルスアーク溶接制御方法。
  2. 前記パルス波形パラメータを調整するとともに、前記パルス周波数を調整する前記ステップは、
    前記離脱時点が前記ベース電流期間の前である場合は、前記ピーク電流を減少させると共に前記パルス周波数を増加させるステップと、
    前記離脱時点が前記ベース電流期間の後である場合は、前記ピーク電流を増加させると共に前記パルス周波数を減少させるステップと、
    を含む、請求項1に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  3. 前記パルス波形パラメータを調整するとともに、前記パルス周波数を調整する前記ステップは、
    前記離脱時点が前記ベース電流期間の前である場合は、前記ピーク電流期間を減少させると共に前記パルス周波数を増加させるステップと、
    前記離脱時点が前記ピーク電流期間の後である場合は、前記ピーク電流期間を増加させると共に前記パルス周波数を減少させるステップと、
    を含む、請求項1に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  4. 前記パルスアーク溶接装置を制御する前記ステップは、前記溶接電流が前記ピーク電流期間と前記ベース電流期間とを前記パルス周波数にて交互に複数のパルス周期で繰り返すように前記パルスアーク溶接装置を制御するステップを含み、
    前記パルス波形パラメータを調整するとともに、前記パルス周波数を調整する前記ステップは、
    前記複数のパルス周期に亘って前記パルス波形パラメータを徐々に調整するとともに前記パルス周波数を徐々に調整するステップと、
    前記離脱時点が前記ベース電流期間に入った時に前記パルス波形パラメータを調整し終えかつ前記パルス周波数を調整し終えるステップと、
    を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  5. 前記パルス波形パラメータは前記ピーク電流である、請求項1から4のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  6. 前記パルス波形パラメータは前記ピーク電流期間である、請求項1から5のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  7. 前記パルス波形パラメータは前記ピーク電流と前記ピーク電流期間である、請求項1から5のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  8. 前記離脱時点を判定するステップは、前記溶接電圧を時間で微分して得られる時間微分値が所定の値より小さい値から前記所定の値を超えた時点を前記離脱時点として判定するステップを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  9. 前記離脱時点を判定するステップは、前記溶接電圧を前記溶接電流で除して得られた抵抗値を時間で微分して得られる時間微分値が所定の値より小さい値から前記所定の値を超えた時点を前記離脱時点として判定するステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  10. 前記離脱時点を判定するステップは、前記溶接ワイヤと前記被溶接物との間の短絡を検出した時点に基づいて前記離脱時点を判定するステップを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  11. 前記離脱時点が前記ベース電流期間内である場合に、前記離脱時点が前記ベース電流期間内であるように前記パルス波形パラメータと前記パルス周波数とを設定するステップをさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  12. 前記離脱時点が前記ベース電流期間内である場合に、前記離脱時点が前記ベース電流期間内であるように前記パルス波形パラメータと前記パルス周波数とを設定するステップは、前記離脱時点が前記ベース電流期間内である場合に前記パルス波形パラメータと前記パルス周波数とを維持するステップを含む、請求項11に記載のパルスアーク溶接制御方法。
  13. 溶接ワイヤと被溶接物との間でアークを発生させて前記被溶接物を溶接するパルスアーク溶接装置であって、
    前記溶接ワイヤを送給するワイヤ送給部と、
    溶接電圧と溶接電流とを出力する溶接電源部と、
    前記溶接電源部を制御する溶接制御部と、
    を備え、
    前記溶接制御部は、
    前記溶接ワイヤと前記被溶接物との間に前記溶接電圧を印加して、かつ前記溶接電流がピーク電流であるピーク電流期間と前記溶接電流が前記ピーク電流より小さいベース電流であるベース電流期間とをパルス周波数にて交互に繰り返すように前記溶接電流を前記溶接ワイヤに流すことにより前記溶接ワイヤを溶融させて発生した溶滴を前記溶接ワイヤから離脱させて前記被溶接物を溶接するように前記溶接電源部を制御し、
    前記溶滴が前記溶接ワイヤから離脱した離脱時点を判定し、
    前記離脱時点が前記ベース電流期間内でない場合に、前記離脱時点が前記ベース電流期間内となるように、前記ピーク電流と前記ピーク電流期間とのうちの少なくとも1つであるパルス波形パラメータと前記パルス周波数との予め求められた関係に基づき前記パルス波形パラメータを調整するとともに前記パルス周波数を調整する、
    ように構成されている、パルスアーク溶接装置。
  14. 前記溶接制御部は、
    前記溶接電流の値である設定電流を設定するための溶接条件設定部と、
    前記設定電流に基づいて前記ワイヤ送給部が前記ワイヤを送給する送給速度を制御する送給速度制御部と、
    前記設定電流または前記ワイヤ送給速度に基づいて前記溶接電流の波形に対応した信号を出力するためのパルス波形設定部と、
    を有する、請求項13に記載のパルスアーク溶接装置。
  15. 前記パルス波形パラメータは前記ピーク電流である、請求項13または14に記載のパルスアーク溶接装置。
  16. 前記パルス波形パラメータは前記ピーク電流期間である、請求項13または14に記載のパルスアーク溶接装置。
  17. 前記パルス波形パラメータは前記ピーク電流と前記ピーク電流期間である、請求項13または14に記載のパルスアーク溶接装置。
  18. 前記溶接制御部は、前記溶接電圧を時間で微分して得られる時間微分値が所定の値より小さい値から前記所定の値を超えた時点を前記離脱時点として判定するように構成されている、請求項13から17のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接装置。
  19. 前記溶接制御部は、前記溶接電圧を前記溶接電流で除して得られた抵抗値を時間で微分して得られる時間微分値が所定の値より小さい値から前記所定の値を超えた時点を前記溶滴が前記離脱時点として判定するように構成されている、請求項13から17のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接装置。
  20. 前記溶接制御部は、前記溶接ワイヤと前記被溶接物との間の短絡を検出した時点に基づいて前記離脱時点を判定するように構成されている、請求項13から17のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接装置。
  21. 前記溶接制御部は、前記離脱時点が前記ベース電流期間内である場合に、前記離脱時点が前記ベース電流期間内であるように前記パルス波形パラメータと前記パルス周波数とを設定するように構成されている、請求項13から20のいずれか1項に記載のパルスアーク溶接装置。
  22. 前記溶接制御部は、前記離脱時点が前記ベース電流期間内である場合に前記パルス波形パラメータと前記パルス周波数とを維持するように構成されている、請求項21に記載のパルスアーク溶接装置。
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