JP2697064B2 - 電子部品の取付け方法 - Google Patents

電子部品の取付け方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、電子部品プリント基板への取付け方法に
関する。
従来の技術 特開昭58−180090号公報等で知られているように、チ
ップ抵抗やチップコンデンサ等の電子部品をプリント基
板に半田付けする際、光硬化性接着剤を用いて電子部品
をプリント基板に仮固定する方法が行われている。この
方法では、プリント基板の電子部品搭載位置に光硬化性
接着剤を塗布し、この光硬化性接着剤を光照射により増
粘させておいて電子部品を前記接着剤に押しつけて仮止
めするようにしている。すなわち、光硬化性接着剤の塗
布時には、ディスペンサー等による塗布作業を容易にさ
せるため、接着剤の粘度を低いままにしておき、電子部
品の搭載時には、接着剤の流動性を減少させ感圧接着性
を発揮させることによって電子部品の位置ずれを防ぐよ
うにするため、光硬化性接着剤の粘度を高くするように
しているのである。前記光硬化接着剤は、好ましくは、
これに熱硬化性をも付与して、前記光照射後に、これを
加熱処理で完全硬化させて耐熱性を付与するとともにゴ
ミ等の付着するのを防止するようにしている。
発明が解決しょうとする課題 上記方法は、電子部品の取付けを容易とさせる上で所
定の効果を充分にもたらしたが、電子部品の実装不良が
殆どないようにする上で、さらに改善が望まれていた。
課題を解決するための手段 上記問題を解決するため、この発明にかかる電子部品
の取付け方法は、光硬化性を有し、長鎖の飽和脂肪酸ア
ミドを含む接着剤をプリント基板の配線パターン間に塗
布したのち、前記接着剤に光照射をすることにより、そ
の表面層を内部よりも硬いが粘着性は有している状態に
させて、その上に電子部品を押しつけて貼着し、そのの
ち、前記電子部品の前記配線パターンへの半田付けを行
うようにしている。
この発明に用いる接着剤は、光硬化性を有することが
必要である。しかし、完全硬化させて耐熱性を付与する
とともにゴミ等の付着するのを防止するようにするため
には、熱硬化性をも有するものであることが好ましい。
すなわち、この発明に用いる接着剤は、光硬化性と熱硬
化性を有すること、つまり、その主材たる樹脂が、光硬
化性官能基と熱硬化性官能基を有するものであることが
好ましいのである。光硬化性官能基と熱硬化性官能基と
は、同じであっても良いが、異なる種類であることが好
ましい。このようなことから、光硬化性官能基を有する
樹脂と、熱硬化性官能基を有する樹脂とを併用する態様
が好ましいが、これに限定されない。
光硬化性官能基を有する樹脂(光硬化性樹脂)として
は、たとえば、紫外線硬化型単官能・多官能(メタ)ア
クリレートのモノマー,オリゴマー,プレポリマーが挙
げられるが、これらに限るものではない。光硬化性樹脂
としては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルモノ
マー,オリゴマー,プレポリマーが用いられても良い。
光硬化性樹脂には、必要に応じ、光増感剤が添加され
る。
熱硬化性官能基を有する樹脂(熱硬化性樹脂)として
は、たとえば、グリシジル基やイソシアネート基を有す
る樹脂が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のほか、イミド樹脂,フ
ェノール樹脂,メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂である。
エポキシ樹脂が用いられる場合、アミン類,酸無水物類
やポリオール類などが硬化剤として添加される。エポキ
シ樹脂以外の熱硬化性樹脂を用いる場合の硬化剤として
は、各熱硬化性樹脂に通常用いられる硬化剤が挙げられ
る。
この発明に用いる接着剤は、このような主材に対し、
ステアリン酸アミドのような長鎖の飽和脂肪酸アミドが
添加されている。
ここに、長鎖の飽和脂肪酸アミドとは、たとえば、下
記1.および/または2.のものが挙げられるが、これらに
限定されない。
1. CnH2n+1COOHで表される飽和脂肪酸をアミド化した
酸アミド。
2. CnH2n+1COOHで表される飽和脂肪酸をアミド化した
酸アミドを脂肪族アルコール、芳香族溶剤、あるいは、
それらの混合溶剤により膨潤させたもの。
酸アミドは、上記1.のごとく単独で添加されても良い
が、上記2.のごとく予え膨潤させてから添加する方が混
合しやすい。
上記において、好ましくは、n=9〜21であり、具体
的に酸名を挙げれば、カプリン酸,ウラリン酸,ミリス
チン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,アラキン酸,ベ
ヘン酸等である。アミド化に用いられるアミンは、いず
れのアミンでもよいが、好ましくは、第三級アミンであ
る。また、脂肪酸アルコールは、メチルアルコール,エ
チルアルコール,プロピルアルコール,イソプロピルア
ルコール,ブチルアルコール等である。芳香族溶剤は、
ベンゼン,トルエン,キシレン等である。
この発明に用いる接着剤は、必要に応じ、その性能を
変えない範囲内で、上記以外に、光重合開始剤,重合禁
止例,充填剤,顔料,チキソ性付与剤,分散剤,老化防
止剤,界面活性剤等を加えることができる。ここに、充
填剤は、炭酸カルシウム,タルク等である。界面改正剤
としては、いずれの界面活性剤でもよいが、好ましくは
ポリエーテル系である。顔料は、いずれでもよいが、好
ましくは赤色系顔料である。
この発明に用いる接着剤の組成は、特に限定されない
が、たとえば、下記のごとくである。
1. 単官能性アクリル系モノマー,オリゴマー,プレポ
リマーと、単官能性メタクリル系モノマー,オリゴマ
ー,プレポリマーとの合計;10〜60重量部 2. 多官能性アクリル系モノマー,オリゴマー,プレポ
リマーと、多官能性メタクリル系モオマー,オリゴマ
ー,プレポリマーとの合計;0.01〜10重量部 3. エポキシ樹脂;30〜80重量部 4. エポキシ樹脂の硬化剤;0.1〜20重量部 5. 長鎖の飽和脂肪酸アミド;1〜20重量部 6. 光重合開始剤,光増感剤,重合禁止剤,有機過酸化
物,充填剤,顔料,チキソ性付与剤,分散剤,老化防止
剤,界面活性剤等;適量 作用 前記従来の方法では、第1図(b)にみるように、プ
リント基板1表面に塗布された接着剤3にUV照射(紫外
線照射)を行うと、紫外線エネルギーが接着剤内部にま
で充分に届いて接着剤全体がゲル化するため、接着剤
は、その山状に盛り上がった形状を維持して固まる。そ
のため、これに電子部品4(6)を押しつけても、ゲル
化した接着剤は、その形状を崩さない。その結果、電子
部品が浮き上がって、半田接合しょうとする配線パター
ンから離れることが起きるほか、接着剤の電子部品への
接触面積が少なくて充分な仮固定力が得られない恐れも
あった。
これに対し、この発明のごとく、接着剤3中にステア
リン酸アミドのような長鎖の飽和脂肪酸アミドを含有さ
せておくと、第1図(a)にみるように、紫外線が接着
剤内部3bにまで到達せず、接着剤表面層3aのみがゲル化
する。つまり、接着剤3の表面層3aは、内部3bよりも硬
いが粘着性は有している状態になっている。そのため、
これに電子部品4(6)を押しつけると、山状になって
いた接着剤が凹み、電子部品の配線パターンからの浮き
上がりが生じないほか、接着剤と電子部品の接触面積が
増して、電子部品の仮固定力が強まる。
実 施 例 つぎに、この発明にかかる電子部品の取付け方法の工
程を詳しく説明する。
第2図(a),(b)に示すように、プリント基板1
表面に形成された配線パターンの半田付けランド2,2間
にディスペンサーを用いて接着剤3…を点状に塗布し
た。接着剤3としては、下記1.〜9.の組成の接着剤を用
いた。接着剤塗布はスクリーン印刷法等の他の方法を用
いて行ってもよい。
1. フェノキシエチルアクリレート;24重量部 2. 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;1重量部 3. ベンジルメチルケタール;3重量部 4. ビスフェノールA型エポキシ樹脂;70重量部 5. ジシアンジアミド;5重量部 6. ステアリン酸アミド;10重量部 7. ポリエーテル;1重量部 8. タルク;20重量部 9. ヒドロキノン;0.1重量部 つぎに、プリント基板1の接着剤塗布面に対してブラ
ックライトで紫外線照射した。そうすると、接着剤3…
の表面層が、内部より硬いが粘着性は有する状態になっ
た。紫外線照射は、ケミカルランプ,サンランプ,照明
水銀灯などによって行うこともできる、高圧水銀灯やメ
タルハライドランプ等の照射力の強いもので短時間照射
することによっても良い。そして、第2図(c),
(d)にみるように、積層セラミックコンデンサ4やミ
ニモールドトランジスタ6のような電子部品を接着剤3
…の上に搭載し、マウントヘッドで充分に加圧して貼着
した。このとき、チップ部品たる積層セラミックコンデ
ンサ4の露出電極5やディスクリート部品たるミニモー
ルドトランジスタ6のリード端子7が半田付けランド2
に接するように搭載されることは言うまでもない。電子
部品はチップ抵抗等であっても良い。電子部品の搭載は
自動搭載機を用いて行う。接着剤3は、前記紫外線照射
による増粘で感圧性を有しているので、積層セラミック
コンデンサ4やミニモールドトランジスタ6のような電
子部品を位置ずれなく仮固定することができる。しか
も、接着剤3は、硬化遅延性を有するため、粘着強度の
調節が容易・確実である。つぎに、遠赤外ヒータ等によ
り接着剤3…を加熱して完全硬化させた後、積層セラミ
ックコンデンサ4の露出電極5やミニモールドトランジ
スタ6のリード端子7を半田付けランド2に半田付けす
るのである。
実装後の電子打品の位置精度を測定したところ、搭載
電子部品1000個につき、所定の位置から0.3mm以上ずれ
た電子部品の数は0個であった。これに対し、第1図
(b)に示される従来の接着剤である光硬化性・熱硬化
性接着剤を用いた場合は、搭載電子部品数1000個につ
き、所定の位置から0.3mm以上ずれた電子部品の数は5
個であった。
電子部品実装は、第3図のごとき工程で行っても良
い。すなわち、電子部品として積層セラミックコンデン
サ4を用いた場合を例に挙げて説明すると、まず、第4
図(a)のごとく、プリント基板1の半田付けランド2,
2間に接着剤3を塗布したのち、接着剤3を紫外線照射
により増粘させて、接着剤3…の表面層が、内部より硬
いが粘着性は有する状態にした。第4図(b)のごと
く、積層セラミックコンデンサ4をその上から貼着して
仮固定する。つぎに、加熱により接着剤3を完全硬化さ
せてから、第4図(c)のごとく、プリント基板1の部
品搭載面を下にして憤流半田槽の半田流8に当て、第4
図(d)のごとく、プリント基板1の半田付けランド2
と積層セラミックコンデンサ4の霧出電極5とを半田付
け9するのである。
電子部品実装は、第5図のごときリフロー方式で行っ
ても良い。すなわち、この場合も電子部品として積層セ
ラミックコンデンサ4を用いた場合を例に挙げて説明す
ると、まず、第6図(a)のごとく、半田ペースト10を
スクリーン印刷法によりプリント基板1の半田付けラン
ド2に塗布し、つぎに、第6図(b)のごとく、半田付
けランド2,2間に接着剤3を塗布し、紫外線照射によっ
て増粘させて、接着剤3…の表面層が、内部より硬いが
粘着性は有する状態にした。そののち、第6図(c)の
ごとく、その上から積層セラミックコンデンサ4を押し
つけて貼着し、搭載を行う。その後、パネルヒータ等の
輻射熱か熱風でプリント基板1を加熱して半田ペースト
10を溶融して、第6図(d)のごとく、プリント基板1
の半田付けランド2と積層セラミックコンデンサ4の露
出電極5とを半田付け9する。このとき、この半田リフ
ロー工程での加熱で接着剤3が完全硬化される。
この発明にかかる電子部品の実装方法の具体的工程
は、上記のごときものに限定されない。
光硬化性官能基を有する樹脂としては、上記実施例に
用いたフェノキシエチルアクリレートや1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレートのほかに、たとえば、下記のご
とき、紫外線硬化型単官能・多官能(メタ)アクリレー
トのモノマー,オリゴマー,プレポリマーもあるが、こ
れらを用いても、同様の結果が得られる。
(1) 単官能性(メタ)アクリレート 1. メトキシエチル(メタ)アクリレート 2. メトキシプロピリ(メタ)アクリレート 3. エトキシエチル(メタ)アクリレート 4. エトキシプロピル(メタ)アクリレート 5. ブトキシエチル(メタ)アクリレート 6. ブトキシプロピル(メタ)アクリレート 7. フェノキシエチルメタアクリレート 8. フェノキシプロピル(メタ)アクリレート 9. ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート 10. ノニルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート 11. ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート 12. フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリ
レート 13. 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート 14. テトラヒドロフルフリルアルコールとε−カプロ
ラクトン付加物(メタ)アクリレート 15. ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリ
レート (2) 二官能性以上(多官能性)の(メタ)アクリレ
ート 1. ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート 2. ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート 3. ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート 4. 1,6−ヘキサジオールジメタアクリレート 5. トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート 6. ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート 7. ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト 8. 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート 9. アリル(メタ)アクリレート 10. ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート 11. アセタールグリコールジ(メタ)アクリレート 12. トリメチロールプロパンとプロピレンオキシド付
加物トリ(メタ)アクリレート 13. ビスフェノールAとエチレンオキシド付加物ジ
(メタ)アクリレート 必要に応じて光硬化性樹脂に添加する光増感剤には、
下記のようなものもあるが、前記実施例で用いたベンジ
ルジメチルケタールに代えてこれらを用いても、同様の
結果が得られる。
(1) 分子開裂型の光増感剤 1. ベンゾインアルキルエーテル 2. 1−ハイドロオキシシクロヘキシルフェニルケトン 3. 2−ハイドロオキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン 4. ジエトキシアセトフェノン 5. トリクロロアセトフェノン (2) 水素引き抜き型の光増感剤 1. ベンゾフェノン+ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン 2. 2,4−ジエチルチオキサントン+パラジメチルアミ
ノ安息香酸エステル 3. ベンジル 4. 2−アルキルアントラキノン 5. 2−クロロアントラキノン これらの光増感剤の中でも、上記(1)の1.〜4と
(2)の1.〜3.が好ましい。
エポキシ樹脂に添加する硬化剤には、下記のようなも
のがあるが、前記実施例で用いたジシアンジアミドに代
えてこれらを用いても、同様の結果が得られる。
1. アミンイミド 2. ジアリルメラミン 3. ジアミノマレオニトリル 4. ポリアミン塩 5. 3級アミン塩 6. 脂環式アミン 7. 酸無水物 8. BF3−アミン塩 9. イミダゾール化合物 10. 有機酸ヒドラジド 11. ポリフェノール これらの硬化剤の中でも、上記1.〜4.および8.〜10.
が好ましい。
前記の実施例では、飽和脂肪酸アミドとしてステアリ
ン酸のアミドを用いたが、これに代えて、カプリン酸,
ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステラリン
酸,アラキン酸,ベヘン酸の各アミドを用いても、同様
の効果が得られる。
発明の効果 この発明にかかる電子部品の取付け方法は、以上のよ
うに構成されているため、電子部品の仮固定が充分にな
されるとともに、電子部品の配線パターンへの接合が充
分となり、電子部品の実装不良が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は、この発明の方法と従来の方法
とにおける接着剤の光硬化状態の相違を説明する説明
図、第2図はこの発明の第1実施例の工程を示す説明図
であって、同図(a)は接着剤を塗布したプリント基板
を示す平面図、同図(b)はその断面図、同図(c)は
電子部品を搭載した後のプリント基板を示す断面図、同
図(d)は同図(c)の平面図、第3図はこの発明の第
2実施例を示すフローチャート、第4図(a)〜(d)
はその各工程を示す側面図、第5図はこの発明の第3実
施例を示すフローチャート、第6図(a)〜(d)はそ
の各工程を示す側面図である。 1……プリント基板、2……半田付けランド、3……接
着剤、4,6……電子部品、9……半田付け、10……半田
ペースト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光硬化性を有し長鎖の飽和脂肪酸アミドを
    含む接着剤をプリント基板の配線パターン間に塗布した
    のち、前記接着剤に光照射をすることにより、その表面
    層を内部よりも硬いが粘着性は有している状態にさせ
    て、その上に電子部品を押しつけて貼着し、そののち、
    前記電子部品の前記配線パターンへの半田付けを行う電
    子部品の取付け方法。
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