JP2695955B2 - 光記録装置 - Google Patents

光記録装置

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JP2695955B2
JP2695955B2 JP2045417A JP4541790A JP2695955B2 JP 2695955 B2 JP2695955 B2 JP 2695955B2 JP 2045417 A JP2045417 A JP 2045417A JP 4541790 A JP4541790 A JP 4541790A JP 2695955 B2 JP2695955 B2 JP 2695955B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光を媒介にして画像を記録する光記録装置に
係り、光の光量制御装置並びに光量制御方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
文字や図表、写真のような自然画までを含む画像をデ
イジタル記録装置で記録する場合、まず画像の標本化お
よび量子化を行う。イメージスキヤナ等の画像入力装置
では、例えば、x,y方向にそれぞれ1mm当り16点というよ
うに、画像上にメツシユを形成する。このメツシユの1
点1点を画素と呼び空間的な最小単位とする。ここで、
空間的とはx,yの2次元の広がりを言う。画像入力装置
は、この画素内の画像濃度を代表した一つの画素データ
を生成する(標本化)。この画素データは通常アナログ
値なので、AD変換器によつて、例えば8ビツトのバイナ
リデータのような、デイジタル値に変換される(量子
化)。このような、画像データで構成された画像を記録
する光記録装置は、例えば第25図,第26図に示すような
構成になつている。
第25図は一般に用いられる光記録装置の機械装置(en
gine:エンジン)の構成を示したものである。記録に要
する主な工程は、およそ次のようになつている。
(1)帯電…感光体に均一に帯電させる。
(2)露光…光を当てて静電潜像をつくる。
(3)現像…潜像に現像剤を吸着させて顕像にする。
(4)転写…吸着された現像剤を記録用紙に移す。
(5)定着…記録用紙上(すなわち、記録媒体)の現像
液を溶融して固着させる。
(6)イレーズ…感光体上に残った静電気を除去する。
(7)クリーニング…感光体上に残つた現像剤を清掃除
去する。
第26図は、第25図における露光工程だけを取り出して
示したもので、概略次のように動作する。
画像データ(印刷情報)に基づいて電気信号に変換す
る変調回路55で変調された電気信号により、レーザー発
光装置が駆動され、レーザー光51が得られる。このレー
ザー光51は、モータ53により回転するミラー52を介し
て、感光体ドラム50を走査しながら照射される。この光
記録装置では、記録しようとする画素データだけに注目
していた。すなわち、そのデータを適宜に補正して、感
光体上での露光量を補正した画素データに基づいて変調
することにより記録していた。しかし、同じ画素データ
を記録する時でも、それが全体の中でどのような画像の
一画素であるかによつて、それを高画質に記録するため
の補正、あるいは変調方法は異なることが知られてい
る。例えば、反転現像すなわち、感光体上の露光部に対
応する部分が黒に、非露光部が白に記録されるレーザプ
リンタを用いて白黒二値を記録する場合、同じ黒の画素
を記録する時でも、高画質に記録するためには、大面積
黒記録(以後黒べたと呼ぶ)での黒画素と、それ以外の
線や文字の中の黒画素とでは、別個の処理をしなければ
ならない。これを特公昭62−26621号公報に示される例
で反転現像のレーザープリンタにあてはめて考えると、
つぎのようになる。記録しようとする黒画素(以後記録
黒画素と呼ぶ)の上下の画素が共に黒画素の時は、記録
黒画素を黒べた内の黒画素であると認識し、記録黒画素
に相当する感光体上を強く露光することになる。こうす
ると記録する筆の太さに相当する記録ドツト径を規定の
大きさにより大きくでき、ビーム走査間隔のむらによる
黒べた内の白筋をなくすことができるので、高画質の黒
べたを記録できる。記録されるべき黒画素の上下いずれ
かが白画素であるときは、記録する黒画素は線や文字の
中の黒画素である、と認識し、記録ドツト径が規定の大
きさになるように弱く露光する。このように、一画素ご
とにレーザーの発光光量を制御することによつて、線や
文字の画質を損ねることなく黒べたの画質を良くするこ
とができるので、全体として高い画質で記録されるよう
になつていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
ワークステーシヨンやワードプロセツサといつたホス
ト装置からは、通常、標準的な方法で標本化され、量子
化された画素データが、記録装置に向かつて出力され
る。この量子化された画素データの形式としては、たと
えば、ポストスクリプトのような言語、JIS等で規格化
されたコマンド、またはMH法等による圧縮されたデータ
等で送られる場合もあるが、記録装置で記録される時点
では、結局、通常の画素データ(生データ)に戻され
る。ところが記録装置の記録特性はさまざまであり、そ
の画像データを生データのままで利用しようとすると、
その記録装置の性能を十分に出すことができず、その機
能を活かしきれないか、または記録できない場合があ
る。ここで、レーザープリンタやLEDプリンタのような
光記録装置の記録特性とは、例えば次のようなものであ
る。
主走査方向、副走査方向のいずれか一方向には連続
的に光量を制御する記録が可能であるが、他の方向には
決められた密度で離散的に記録される。
レーザービーム光による記録ドツトの径は発光装置
から感光体への露光量(以後では、露光パターンとか、
電気信号で表わされていれば露光パターン信号と呼ぶこ
とがある。)によつて変化する。
したがつて、ホスト装置からの標準的な画像データに
対し、これらの特性を活かした補正,変調を行つた後に
記録しなければ、光記録装置の性能を最大限に発揮する
ことができない。上記技術では、その特性を利用し
て、画像内の黒べた部を安定に記録しようとしている
が、他の画像、例えば任意の傾きを持つ直線及びその交
点,細かな縞線や市松模様,中間調画像等に見られる網
点などに対する配慮がされていない。
また、もう一つの特性を利用しておらず、光記録装
置の性能が十分に発揮されていない。
本発明は上述の従来技術の問題点を考慮し、これを解
決するためになされたもので、光記録装置の特性を活か
すことにより、画質への要求の多様化,レーザプリ
ンタの特性を補償する技術の高度化に対応した柔軟性の
ある光記録装置を実現すべく、その光量制御装置を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、入力された画
素データに応じて光量を制御し、記録媒体上にその画素
データを記録する光記録装置において、 入力された画素データを記憶するメモリ部と、その記
憶した画素データを用いて、所定画素とその周囲の画素
との関係を認識する認識部と、その認識に応じて、所定
画素の記録媒体上への露光パターンを決定する露光パタ
ーン決定部と、その露光パターンに応じて光量を制御
し、所定画素に対応した記録媒体上の領域内において、
露光形状を連続的に変化させる露光量制御部とを有する
ようにしたものである。
〔作用〕
ホスト装置103からの入力画素データ101は、プリンタ
エンジン108の記録する順に従つて、順次、本発明にな
る光量制御装置109内のバツフアメモリ104に送られる。
バツフアメモリ104では、記録しようとする画素(以後
記録画素と呼ぶ)に対応する画素データおよびその周囲
の所定の範囲内の画素データ101が格納され、前記格納
データを一括してパターン認識装置105に供給する。パ
ターン認識装置105は、バツフアメモリ104から供給され
る画素データ101から、記録画素に対応する画素データ1
01がどのような種類の画像内の一画素であるかを認識す
る。認識結果は認識データ110となつてデータベース106
に送られる。データベース106には、事前に計算や実験
によつて求められた、認識されるすべての画素(すなわ
ち、すべての認識データ110)に対する、記録画素が最
も理想的に記録できるような感光体上の露光パターン信
号111が格納されている。そして、認識データ110によつ
て、パターン信号111が選択される。発生したパターン
信号111は、次の電流変換器107によつてレーザーダイオ
ードやLEDの駆動電流102に変換され、プリンタエンジン
108内の発光駆動回路に出力される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を使つて説明する。
実施例1 第1図に本発明の一実施例を示す。プリンタエンジン
108での記録工程は前述の一般の光記録装置と同様であ
る。標準的な方法で標本化され、量子化された画素デー
タ101を、光記録装置の特徴を活かすような形に変換
し、最終的にプリンタエンジン107内の発光駆動回路に
対する駆動電流102を得るためには、まず、記録画素が
どのような画像の一部であるかを認識しなければならな
い。認識装置105は、メモリ104から与えられる、記録画
素に対応する画素データ101、およびその周りの所定の
範囲内の画像データ101から、記録画素がどのような画
像の一部であるかを認識し、認識データ110を生成す
る。参照する画素データ101の数は多いほど正確かつ多
種の認識が可能になるが、例えば、白黒二値記録する場
合で、25個の画素データ101を参照しただけでも、3×1
07通りの認識が可能になる。認識データ110は、画像の
濃度を表すもとの画素データ101とはまつたく異なり、
単なる検索のための識別子(例えば、検索アドレスのも
とになる番号)として次のデータベース106に送られ
る。データベース106には、すべての認識データ110に対
する、記録画素が最も理想的に記録できるような感光体
上の露光パターン信号111(後で詳説する)が格納され
ており、認識データ110が入力されると、それに対応す
るパターン信号111が出力される。パターン信号111は、
連続走査方向(レーザプリンタでは主走査方向、LEDプ
リンタでは副走査方向)には記録画素内の連続的に変化
するアナログ値であり、離散走査方向(レーザプリンタ
では副走査方向、LEDプリンタでは主走査方向)には決
められた密度で離散的に変化するアナログ値である。但
し、厳密な連続変化が困難な場合は、画素データ101の
標本化密度より十分細かく標本化された離散値でもよい
し、また、厳密なアナログ値が困難な場合は、十分な量
子化数を持つデイジタル値でもよい。以後の説明では、
このようなアナログ量を連続アナログ値とか、連続アナ
ログ量とか、連続的であるとかの表現をする場合があ
る。
パターン信号111は、電流変換器107によつてプリンタ
エンジン108内の発光駆動回路における駆動電流102に変
換され、感光体上の露光量(単位面積当りの照射される
光のエネルギ)のパターンとなる。プリンタエンジン10
8は、この露光量に基づいて記録する。光記録装置は、
前述したような特性を持つため、このパターン信号111
を用いることで、次のような特徴を持たせている。
露光量を主走査方向に連続的に変化することによ
り、記録ドツトをその方向の任意の位置に記録できる。
アナログデータを発生することにより、記録ドツト
の大きさをある範囲内で任意の大きさに記録できる。
以下では、プリンタエンジン108がレーザープリンタ
の場合でこの現象を詳説する。まず第14図(a)に、感
光体上に照射されるレーザービームの光強度分布を示
す。この光強度分布は光学系の特性によつて決まるが、
一般に次式(1)で表されるガウス分布に近似される。
I=k・P・exp(−2・((x/Rx)+(y/Ry))) ……(1) ここで、Pはレーザーの発光出力、kは比例定数。第
14図(b)に、中心強度のe-2の強度軌跡を点線で示
す。この点線で囲まれた形状をレーザービームスポツト
と呼び、この場合x方向半径Rx,y方向半径Ryの楕円とな
る。第15図(a)に、このビームで感光体上を一定時間
照射した時の露光量分布を示す。レーザー発光出力Pを
P1,P2,P3と変化させた。反転現像のレーザープリンタ
は、固有のしきい値露光量Etを持ち、これ以上に露光さ
れた所に現像剤(トナー)がつく。従つて各出力に対し
て記録される黒ドツトの形状は、第15図(b)に示すよ
うに記録ドツトの大きさが変化する。
次に、これを走査露光した場合について考える。本光
量制御装置によつて、主走査方向に対しては、連続アナ
ログ的にレーザー発光出力Pを変化できる。そこで、第
16図(a)に示すように変化させたとすると、記録画像
は第16図(b)に示すようにくさび状になる。この形状
は記録ドツトの大きさが連続的に変化した結果得られる
ものである。また、主走査方向の位置に関しても、画素
の境目に拘束されることなく任意の位置に記録できる。
これらは、従来のレーザープリンタでは積極的に利用さ
れることがなかつた新たな利点である。このように光記
録の特徴を活かすことによつて、レーザープリンタはそ
の性能を最大限に発揮できるようになる。
また、レーザープリンタの場合、その記録特性は作像
プロセスの違い、例えば、正規現像、反転現像によつて
も大きく違つてくる。さらに、同じ作像プロセスでも、
レーザビームのスポツト太さWと、走査線のピツチ間隔
Lとの非W/Lによつても異なつてくる。このことを第16
図に例示する。第1図は感光体ドラム上を走査する、間
隔Lのレーザビームの走査線と、その露光分布を示すも
ので、第16図(c)は走査線のピツチ間隔が広い場合、
第16図(d)は走査線のピツチ間隔が狭い場合を示す。
通常用いられるレーザビームプリンタでは副走査のピツ
チ間隔は比較的容易に変えることができるが、ビームス
ポツトの太さは容易に変えることができない。このた
め、WやLが外乱により変動しても記録特性を補償する
ことができない。このような場合でも、本発明を適用す
れば記録特性の変動を補償することができる。
次に、データベース106内部の情報、つまり認識デー
タ110からどのようにしてパターン信号111を作り出すか
について述べる。データベース106内には前もつてすべ
ての認識データ110に対する露光パターン信号111を入力
しておくものとする。パターン信号111は、一時的に認
識データ110を介しているので、原画素データ101からの
拘束を受けることはない。量子化条件や標本化条件はも
ちろん、濃度情報についても認識データ110を基にして
新たに、パターン信号111を生成できる。例えば、光記
録装置側がフルカラーを記録できる場合で、原画データ
111がフルカラーの情報を持たない場合であつても、最
適なフルカラー記録ができるようなパターン信号111を
発生することができる。すなわち、ユーザが求める、画
像への高度な要求に応じることや光記録装置の複雑な記
録特性を補償することができるようになる。具体的に
は、それぞれの記録装置毎に事前に、いろいろな画像に
対して計算及び記録実験を行い、すべての認識データ11
0に対するパターン信号111を定義し、これをデータベー
ス106内に格納しておくことである。このようにするこ
とにより、データベース106内に多種多様な光記録の手
法を記憶することができるのでどのような記録特性の光
記録装置であつてもどのような希望の画質要求に対して
も、記録画質の向上が図れる。
実施例2 以下、本発明の第2の実施例を第2図〜第8図、第17
図〜第23図により説明する。
第2図は入力する画像9のうち、バツフアメモリ104
からパターン認識装置105に出される画素データ101の領
域11を示す。矢印10は画素データ101のバツフアメモリ1
04に対する入力順序を示す。本実施例では、簡単のた
め、領域11は縦5画素×横5画素の大きさとし、画素デ
ータ101は白黒2値データ(1bit)の場合で説明する。
これから記録しようとする現在の記録画素(I,J)に対
応する画素データ101の位置を(I,J)とすると、第2図
に示すように、その周囲を含めて25画素分の画素データ
101{(I+i,J+j)|i=±2,±1,0,j=±2,±1,0}が
出力される。記録画素に対する記録が終了すると、次の
記録画素に対応する画素データ101の位置(I,J+1)が
新たに(I,J)となる。第3図にバツフアメモリ104の回
路図を示す。まず走査線方向の記録の始点を表わすライ
ン同期信号LINE13によつて、4ライン分のデータを画素
データ101ごとに順次、書き込み読み出しを同時に行う
ラインメモリ14のアドレスカウンタをクリアし、さらに
5つのデータラツチ15〜19の内容を0(白)にクリアす
る。次に、画素同期信号CLK12に同期して画素データ101
が順次メモリ14とラツチ15に入力される。メモリ14は、
画素データ101を1ラインずつ遅延させてそれぞれラツ
チ16,17,18,19に出力する。ラツチ15〜19は、それぞれ
ライン方向に過去4画素分の画素データ101を保持し出
力する。よつて、第2図に示した25画素分の画素データ
101が一括して求められる。第4図に、パターン認識装
置105、およびデータベース106,電流変換器107を示す。
メモリ104からの25画素分の画素データ101は、32Mワー
ドのメモリ20のアドレスとして入力される。認識能力を
少し落しても、メモリ容量を減らしたい場合は、たとえ
ば、メモリ20のアドレス中、第4図に点線で示したアド
レスラインを省略し、全体で13本のアドレスラインとす
ればよい。この場合のメモリ20の容量は8kワードで済
む。このメモリ20は、認識装置105とデータベース106の
両方の機能を兼ねるが、内容の詳しい説明は後述する。
メモリ20のワード構成は、露光パターン信号111の連続
性アナログ性に係るもので、本実施例では一記録画素に
対し走査方向に4つ(連続性)、2bit(アナログ性)の
パターン信号111を発生するものとする。そこで一記録
画素に対し8bit(4×2)のデータがメモリ20内に格納
されている。この構成の、連続性とアナログ性との割り
振りは、プリンタエンジン108の記録特性によつて任意
に決定できる。メモリ20の記録画素当たりのデータの上
位4bitはシフトレジスタ21に、上位4bitはシフトレジス
タ22に出力される。シフトレジスタ21,22は、信号CLK12
によつてデータをロードし、信号CLK12の4倍の周波数
を持つ信号4CLK29によつて、シフトアウトする。従つて
2bitのパターン信号111が、信号CLK12の4倍の周波数で
順次、電流変換器107に転送される。
電流変換器107はパターン信号111に従つてレーザーダ
イオード25を駆動する。上位bitは、電流値23によつて
決まる定電流回路のトランジスタをオンオフする(ON時
の電流I1)。下位bitは、電流源24によつて決まる定電
流回路のトランジスタをオンオフする(ON時の電流
I0)。ダイオード25にはこれら両回路の電流と、バイア
ス回路からの電流Ibが加算されて流れる。第5図に、ダ
イオード25の出力P−電流I特性を示す。パターン信号
111が0の時、I=IbでP=P0(≒0)となり、1の
時、I=Ib+I0でP=P1となり、2の時、I=Ib+I1
P=P2となり、3の時、I=Ib+I0+I1でP=P3とな
る。第6図に記録画素に対するパターン信号111から記
録後の画像までを模式的に示す。第6図(a)に記録画
素領域を示す。中心の点線は、レーザービームの走査線
軌跡30および方向を示す。本実施例では、記録画素領域
内の走査線方向に4つのパターン信号111が与えられる
ため、図のように領域をその方向に4等分した。そして
各部分領域に対し順に0,2,3,1のパターン信号111が与え
られるとすると、ダイオード25の出力は第6図(b)の
ようになる。これに対する感光体上の露光量分布は、第
14図,第15図で示したようなレーザビームスポツトの形
状によつて異なる。本実施例では、簡単のため、記録画
素領域の大きさをPwとすると、主走査方向半径Rx=Pw/
4、副走査方向半径Ry=Pw/2の縦長楕円ビームを用いた
とする。この時、感光体上の露光量分布は第6図(c)
のようになり、これを記録すると、現像のしきい値露光
量Etによつて2値化され、第6図(d)のような記録画
像になる。記録画素領域に対するパターン信号111は、2
56通り考えられる。第7図に、主な例を示す。第7図
(a)は、記録画素内を一様に露光した場合で露光量を
変化させた時の露光パターン信号111、記録画素への記
録結果701である。露光量が少ないと、副走査方向に細
り、横長の記録ドツトになる。露光量が多いと、記録画
素領域を超えて、隣接記録画素領域内まで記録してしま
う。第7図(b)は、記録画素内の一点をスポツト的に
露光した場合で、第7図(a)と同様に露光量を変化さ
せた記録結果である。この場合は、第14図,第15図で示
したようなレーザービームスポツトの形状のまま、大き
さだけが変化するので、縦長の記録ドツトになる。露光
量が多いと、記録画素領域から上下方向に、はみ出る。
第7図(c)は、やはりスポツト的に露光した場合であ
るが、その主走査線方向の位置は記録画素の境界とは無
関係であることを示す。但し、記録ドツトが近接する
と、両者は相互に影響し癒着してしまう。第7図(d)
は、本実施例においても、第16図に示したようなくさび
状の記録ドツトが記録できることを示す。本実施例で
は、このような光記録装置の特徴に注目し、記録画像の
画質を向上させている。
次に、メモリ20について説明する。メモリ20には、記
録画素に対応する画素、およびその周りの画素、合計25
個の画素データ101が入力されており、225通りの認識が
可能である。ここでは、そのうち、特に補正効果の大き
い6通りの画素パターンの認識方法について説明する。
すなわち、黒べた,直線,組線(並べて配列されて組と
なつと直線で、しま模様に見えるもの)、交点,孤立
点,網点の6種類である。説明に入る前に、中立画像
(特徴のない画像)およびその処理方法を定義する。中
立画像とは、認識すべき特徴のない画像である。具体的
には、上記で述べた6通りの画像パターン(黒べた、直
線、組線、交点、孤立点、網点、)を除く画像を指す。
換言すれば、中立画像とは、画像細部の複雑な形状部分
であり、本発明によつても記録再現できない部分であ
る。このため、中立画像に相当する部分は、このような
ことがないように、記録再現できる画像パターンとする
必要がある。第8図に認識パターンマトリクス801、お
よびそれに対する露光パターン信号111,記録画素への記
録結果701を示す。認識パターンマトリクス801内には25
個の係数が入る欄があり、係数の「1」は画素データ10
1の「1」、つまり「黒ドツト」を示し、「0」は画素
データ101の「0」、つまり「白ドツト」を示し、空欄
は「1」でも「0」でも良いことを示す。各係数は、第
2図に示した25個の入力画素データ101に対応し、すべ
ての係数が一致した時、その認識パターンを認識したこ
とになる。例えば第8図では、(I,J)の画素データ101
が「1」ならば(a)のパターン、「0」ならば(b)
のパターンとなる。パターンに対する記録画素への露光
パターン信号111は、プリンタエンジン108の記録特性に
よつて決定するが、ここでは一般的な特性として、
(a)に対しては「1221」、(b)に対しては「0000」
とし、図のような記録結果701が得られたとする。従来
の光記録装置は、記録画素への露光パターンは一様であ
つたのに対し、(a)「1221」と変化をつけると、記録
ドツトの切れが良くなる。つぎに、黒べた画像に対する
処理の定義を第17図に示す。第17図(a)に示す認識パ
ターンマトリクス801によつて、(I,J)の画素データ10
1を中心とする9個の画素データ101全てが「1」の時、
黒べた画像の内部であると認識する。この時は、記録画
素の周囲が全て黒ドツトであるから、第17図(b)に示
す露光パターン信号111は最も強い「3333」とする。こ
の露光パターン信号の各桁の総和を括弧内の数字で示す
ことにする。記録画像701は、第17図(b)に示すよう
に記録画素領域から大きくはみ出るが、中立画素として
記録するのと比べて、用紙送りおよび走査線の送りむら
による白筋、感光体や現像むら等による濃度むらがなく
なり、高画質の黒べた画像が得られる。また、この補正
により、黒べた以外の画像に影響はでない。(完全非干
渉)つぎに、直線画像に対する処理の定義を、第18図に
示す。縦直線は第18図(a)、横直線は第18図(b)に
示す認識パターンマトリクス801によつて、それぞれ認
識される。縦直線については縦方向に記録ドツトが連続
するので、第18図(c)に示す縦長の記録ドツトを形成
すれば、用紙送りおよび走査線送りむらによる線幅の不
安定さがなくなる。横直線についても同様に第18図
(d)に示すように形成すればよい。次に第23図によつ
て、その不安定さがなくなる現象を説明する。第23図
(a)は、従来の円形記録ドツトで、第23図(b)は、
縦長の楕円形記録ドツトで記録したものである。第23図
(a),(b)の2番目と3番目の走査線の間が、用紙
送りおよび走査線送りむらによつて広がつてしまつたギ
ヤツプgを示す。第23図(a)ではギヤツプgにおいて
直線の幅が細くはなるが、線としては切れてしまう。こ
れに対し、第23図(b)では副走査線方向のムラの影響
がほとんどなく、均一の太さで記録される。横直線につ
いては横長の記録ドツトを形成すればよい。そこで露光
パターン信号111は、それぞれ「1332」,「2232」とす
る。中立画素として記録するのと比べて、強めに露光す
る理由は、孤立した直線は細りやすいという光記録装置
の記録特性を補正するためである。同様にして、斜線の
認識もできる。第27図は、傾き45度の細い斜面を認識す
るためのマトリクス801を表わす。斜線画像に対応する
露光パターン信号111は、一般に、縦線や横線よりも細
く記録される傾向がある。そこで、この例では、パター
ン信号111を「2332」とする。ホスト装置によつては、
第28図に示す認識パターンマトリクスで認識されるよう
な、太らせた斜線になる場合がある。この例では、さら
に太らせる必要がないので、パターン信号111を「133
1」とする。このように、斜線に対する補正も独立に処
理することができる。
一方、孤立していない直線(近くに他の黒ドツトが存
在する場合で例えば組線)に対する処理の定義を第19図
に示す。縦直線は第19図(a)、横直線は第19図(b)
に各々示す認識パターンマトリクス801によつて認識さ
れる。これらのパターン第19図(a),(b)は記録す
る直線に対して2ライン分だけ離れた位置に他の黒ドツ
トが存在することを意味しており、記録画像は第19図
(c),(d)に示すようにその黒ドツトの影響で、直
線の太さがやや太く記録される。これを防ぐためには第
18図の場合に比べて少し弱く露光すればよい。次に、交
点画像に対する処理の定義を、第20図に示す。第20図
(a)は縦線と横線との交点、第20図(b)は斜線同志
の交点に対する認識パターンマトリクス801を示す。交
点は記録ドツトご大きくにじむ傾向にあるので、中立画
素として記録するのと比べて、第20図(c),(d)に
示すように弱く露光する。次に孤立した点画像に対する
処理の定義を第21図(a)に示す。孤立した点は細りや
すいという光記録装置の記録特性を補正するため、中立
画素として記録するのと比べて、第21図(b)に示すよ
うに強めに露光する必要がある。次に網点画像に対する
処理の定義を第22図(a),(b)に示す。1ドツト網
点画像における面積階調ではその黒部分と白部分との面
積を等しくする必要があるため、露光量を微妙に調節し
なければならない。露光量が多すぎると、黒部分が多く
なり、少なすぎると白部分が多くなる。このような場
合、白部分に対する露光量も変調すると効果がある。こ
こでは第22図(c),(d)に示すように網点画像の黒
ドツトに対しては、中立画素と同様に記録し、白部分に
対しては、露光パターン信号111を「1001」とし、中立
画素の場合と異なり、周辺部を少し露光する。このよう
に、露光パターンを微調整することにより白と黒との部
分の面積が等しくなるように記録することができるよう
になる。
本実施例によれば、黒べた,直線,組線,交点,孤立
点,網点等の各種画像に対して、それぞれ独立に、プリ
ンタエンジン108が最も高い画質になるように記録され
る露光パターンが与えられるので、露光パターンの補正
による影響が干渉することなく、画像全体としての画質
が向上する。
なお、以上で述べた画像の特徴を認識するための認識
パターンマトリクス801は、唯一のものではなく、マト
リクス801と類似であればよい。
また、マトリクス801を、これら以外のパターンに代
えれば、画像の他の特徴も認識できることは言うまでも
ない。
実施例3 次に、本発明の他の実施例を第9図,第10図によつて
説明する。前実施例では、データベース106内に格納さ
れる露光パターン信号111は、各種画像毎に記録実験し
て決定されたものである。この露光パターン信号を求め
る方法は、あらゆる種類の個々の画像に対して、細かな
点まで配慮がゆきとどいたパターン設定を可能にする
が、認識できる画像の種類には限りがある。そこで、計
算によつて、この露光パターン信号111を定める方法に
ついて、以下で説明する。
標本化された画素データ101を、原画のような2次元
の連続信号に戻すには、ローパス空間フィルタ(低域通
過型空間フィルタ)を用いれば良い。すなわち、標本化
定理に従つて、画素データ101を標本化周波数の1/2以下
の周波数成分のみを通すような信号処理手段を用いれば
良い。第9図は、この方法を説明する図である。まず、
認識装置104には、メツシユの縦横が5×5(25個)の
画素データ101を入力する場合で考えると、そのパター
ンの種類の数は225通りある。この225通りのすべての場
合について、計算機を使つて補間フイルタリングするも
のである。第9図(a)は、画素のうちの3つ、すなわ
ち、(I,J−1),(I+1,J−1),(I+1,J)が
「1」で、他が「0」の場合を示している。この画像デ
ータを、第9図(b)に示すように、メツシュ;1024×1
024に細分化した座標上に割り当てる。つまり(I,J−
1)を(512,307)に,(I+1,J−1)を(717,307)
に,(I+1,J)を(717,512)にそれぞれ対応させ、こ
の3点は「1」、他の点は「0」であるとする。次に、
計算機を用いて2次元フーリエ変換を施し、周波数の低
周波成分のうち、0次ないし3次の周波数成分について
重ね合せした後、再生する。この結果、(1024×1024)
の全ての点に対して実数値が割り当てられる。第9図
(c)は、割り当てられた実数値について、同じ値の点
を結んで、山の高さにたとえた等高線で示したものであ
る。以上の処理により、画素データ101は空間的に連続
なアナログ値とみなせるようになる。しかし、こうして
作られた画素データをそのまま、露光パターン信号111
として利用することはできない。なぜなら、光記録装置
自身では、直接には中間レベルの連続的な濃度を表現で
きず、主走査か、副走査かのどちらか1つの方向につい
ては、離散的にしか記録できないからである。この不都
合に対処するには、次の手順で処理すると良い。まず、
第9図(c)に示した空間的に連続なアナログ値を2値
化するために、あるしきい値を設定し、画素「0」の部
分である黒部分と、画素「1」の部分である白部分とに
分けることにする。第9図(c)に太線で書いた等高線
をしきい値と仮定すれば、その内部が黒部分である、と
判定される。次に、このような黒部分に最も近い黒部分
が得られるような露光パターン信号111は、あらかじめ
実験によつて求めることができる。この露光パターン信
号111は、プリンタエンジンの性能や記録特性に依存す
るので、一意的、絶対的に定まるものではないが、本実
施例では、あるパターンに決定されたものと仮定する。
たとえば、記録画素(I,J)のパターン信号111は「210
0」であるとする。第9図(d)は、記録画素内の目標
とする黒部分であり、第9図(e)は、パターン信号11
1が、実際に「2100」というパターンのときにプリンタ
エンジンが記録した結果を示す。以上のようにして、2
25通りの全ての画素データ101の組合せに対するパター
ン信号111を決定し、これをデータベース106内に格納す
る。こうして作られたデータベース106を用いて記録し
た作画例と、従来装置で記録した作画例とを比較したも
のを第10図に示す。原画が第10図(a)のようであつた
場合、仕切られたメツシユ(升目)で画素を標本化した
後、従来の記録装置で記録すると、第10図(b)に示す
ように、メツシユで標本化した場合の斜線部の段差形状
(ギザギザ)や細線部の間隔ムラが、現われる。本実施
例の装置で記録すると、第10図(c)のように段差やム
ラが無くなる。
実施例4 実施例3では、入力画素データ101を一旦、連続アナ
ログ値に変換しているが、このアナログ値変換処理の過
程を利用すると、線密度変換、特に拡大縮少処理に応用
できる。線密度変換とは、記録する記録装置に合つた線
密度になるように記録データを変換することである。た
とえば、解像度(ここでは、線密度と同義語)16画素/m
mの記録装置を対象として記録しようとするホスト装置1
03に対して、解像度24画素/mmの記録装置を接続して記
録させようとすると、この記録装置が描く画像は、16/2
4に縮少された画像になつてしまう。これを防ぐには、1
6画素/mmの画像を24画素/mmの画像に変換する、いわゆ
る画像データの同期化をしなければならない。
この変換操作を同じ解像度の記録装置に対して行なえ
ば、拡大処理にも縮少処理にもなる。すなわち、線密度
変換前に対する、変換後の記録装置の解像度の比が、1
より大きければ、拡大処理、1より小さければ、縮小処
理となる。以下では、この拡大縮小処理について、その
一例を第29図、第30図を使つて説明する。
(1)高解像度化する線密度変換 第29図に本実施例の回路構成を示す。まず、主走査方
向(紙面横方向)が連続的な走査で、副走査方向(紙面
縦方向)が離散的な走査である記録装置の場合について
考える。この実施例では、たとえば、走査線密度が24画
素/mmの記録装置(記録速度を9メガ画素/秒とする)
で、16画素/mmの画素を24画素/mmの画像に変換すること
を想定する。画像データを同期化するには、記録装置内
部での記録速度So(画素/秒)と、記録装置側へ画素デ
ータ101を入力する入力速度Si(画素/秒)との関係が
次のようになつていなければならない。すなわち、記録
速度Soを基準にして、線分比ではSoの16/24倍(つま
り、2/3倍)、面積比ではSoの(2/3)の2乗倍となるよ
うに、記録装置への画素データ入力速度を決める。たと
えば、入力速度が4メガ(画素/秒)に決まつたとする
と、記録装置の性能上は9メガ(画素/秒)の記録速度
で記録できるところを6メガ(画素/秒)の記録速度に
落としてして記録する。第29図に示す回路でいえば、入
力画素のクロック303の周波数を4MHzに、出力画素のク
ロック304の周波数を6MHzに設定すれば良い。このよう
に、主走査方向については、主走査方向にデータが連続
的であるため、単に、記録速度を変えるだけで良かつた
が、副走査方向については、離散的であるので、新しく
走査線を作り出さなければならない。
このため、データベース106には、認識データ110のほ
かに、入力ライン情報305を格納するようにする。この
入力ライン情報305は、入力ラインが奇数番目か、偶数
番目かを示すものとする。第29図に示す回路において、
データベース106からのデータは、入力ライン情報に応
じて次の手順で流れていく。
まず、入力ライン情報305が「奇数」であれば、第30
図(a)に示すように、第9図での記録画素(I,J)に
対して、副走査方向に2/3に縮少した画素311内の黒部分
を、さらに副走査方向に3/2に拡大したものを露光パタ
ーン信号111としてラインメモリA;301またはラインメモ
リB;302へ出力する。
入力ライン情報305が「偶数」であれば、副走査方向
に2/3に縮少した画素312および313内の黒部分を、以下
同様にして処理する。この場合、2つのライン分の露光
パターン信号が1回の処理で生成されるので、ラインメ
モリA;301またはラインメモリB;302へ格納する。記録装
置に出力する場合のデータの転送速度は、入力されるラ
インデータの転送速度の3/2倍であるので、この両者間
では信号伝送の同期が取れない。ラインメモリの目的
は、データベース106から非同期に生成される露光パタ
ーン信号111の生成タイミングをラインメモリ301及び30
2で同期化することにある。
以上の処理を走査線密度が16画素/mmの記録装置(記
録速度を4メガ画素/秒とする)で行なえば、3/2倍の
拡大処理に相当することになる。
(2)低解像度化する線密度変換 処理の概要を第32図で説明するが、前述の処理とは類
似しているため、以下では拡大処理と異なる処理部分に
ついてのみの説明にとどめる。回路構成は、前述処理の
説明で用いた第29図と同じである。この実施例では、簡
単のため走査線密度が16画素/mmの記録装置(記録速度
を4メガ画素/秒とする)で、ホスト装置103からの24
画素/mmの画像を16画素/mmの画像に変換して記録するこ
とを想定する。
まず、記録装置の出力画素クロツク304の周波数を4MH
zとすれば、入力画素クロツク303の周波数は(3/2)の
2乗倍、つまり9MHzとなる。この条件で記録すると、主
走査方向の線密度は16画素/mmになる。(出力画素クロ
ツク304の周波数を6MHzに上げれば、24画素/mmの線密度
で記録できることは言うまでもない。) 次に、第29図により本実施例でのデータの流れを説明
する。
データベース106に入力されている入力ライン情報30
5;Rとは、ここではライン数を3で割った剰余であるも
のとする。この入力ライン情報の内容に応じて次の手順
でデータベース106からのデータの流れが変わる。
まず、R=0の場合には、第31図(a)に示すよう
に、第9図での記録画素(I,J)に対して、副走査方向
に3/2倍の距離の画素321内の黒部分を、さらに副走査方
向に2/3に縮少したものを露光パターン信号111としてラ
インメモリA;301またはラインメモリB;302へ出力する。
R=1の場合には、第31図(b)に示すように、画素
322を考え、以下、R=0の場合と同様の処理を行な
う。
R=2の場合には、上記のような処理をせず、ライン
メモリへの出力もしない。
ここで、ラインメモリと記録装置とのデータ転送の同
期化については、拡大処理の場合と同様にラインメモリ
が担っていることは言うまでもない。
以上の処理を走査線密度が24画素/mmの記録装置(記
録速度を9メガ画素/秒とする)で行なえば、2/3倍の
縮少処理に相当することになる。
以上で述べた線密度変換において、入力画素クロツク
303と出力画素クロツク304との比、画素311,312,313の
サイズ、発生するライン数およびライン数に基づいて有
するラインメモリの数のうち、これら単独に、またはこ
れらのあらゆる組合せの、いずれを変更ないし変形して
も、どのような線密度倍率の変換処理にも適用できるも
のであり、上記の実施例に限定されることはない。
実施例5 以下、本発明のその他の実施例を第11図〜第12図によ
つて説明する。近年、ワードプロセツサ等に使われる字
体には、明朝体,ゴシツク体等に加え、手書き文字風の
筆記体,書道文字のような毛筆体,個人差(くせ)のあ
る丸文字体等のように多くの種類がある。これらのフオ
ント(字体)は、単に文字の表わす意味を伝えるだけで
なく、文字の形から感じられるイメージをも伝える必要
があるため、その文字のデサインの特徴的な部分をはつ
きりと描かなければならない。例えば、筆記体の「は
ね」の部分(とがつた部分)は、先端の1ドツトまでシ
ヤープに記録しなければならない。前記実施例では、ホ
スト装置3からの入力データ1を忠実に再現するもの
の、入力データ1にない情報までは再現しない。もしも
何らかのくせをつけて再現すれば、特定の画像は良くな
るかもしれないが、他の多くの画像では逆に画質が劣化
することになり兼ねない。そこで、第4図のROM20にユ
ーザのためのデータUD27を設けて、あらかじめ、ユーザ
の希望する字体、例えば「筆記体が美しく見える字体」
のように指示すれば、記録装置は、ほかの部分の画像に
ついて、画質の影響を考慮せずにその特徴を強調するよ
うに記録させることができる。「筆記体」の文字数は数
限りないが、そのすべてを考慮するための考え方、たと
えば、どのようなとがらせ方をすれば効果的であるか、
について説明する。一例として筆記体の「し」の先端の
「はね」の部分を考える。
第11図(a)に示す画像パターンは、記録装置がホス
ト103から受け取った入力データ101であり、「し」の先
端を標本化した画像パターンである。第11図(b)は、
前実施例による記録結果を示す。この結果では、先端ド
ツト領域121内に照射するレーザ露光量が少なくなり、
「し」の先端部が少し短く丸くなつていることが分か
る。この丸みを先端まで延ばすには、ドツト121に対す
る露光パターンを変更すれば良い。第12図(b),
(c),(d)の画像は、前述までの実施例で説明した
記録特性で記録したものである。ここで、補間フイルタ
を通して2値化した第12図(b)で示す画像の形状を第
12図(e)のように理想的なとがらせ方になるように変
更する場合を考える。このためには、この鋭い形状に最
も近い記録画像が得られるように露光パターン信号111
を変更する。本実施例では、前実施例で変更したよう
に、1000から3210に変更する。本光記録装置が従来装置
と特に異なる点は、「し」の先端のはね部分である、と
その特徴を認識することであり、上記のような例外処理
をすることである。この処理の結果、第12図(e)で示
した画像に近い記録画像が得られ、先端まで美しく記録
されるようになる。この例の変形として、上記の処理に
よつて画質が向上する、文字の形状の部分を何点か検出
し、個々に対応した露光パターンの変更を行なえば、全
体としてさらに美しい筆記体文字が記録できる。露光パ
ターンの変更をしなかつた部分については通常の露光パ
ターンとなるので、全体の画質劣化はない。
なお、本実施例では筆記体文字について説明したが、
これに限定されるものではない。他の書体の場合はもち
ろん、形状に特徴を持たせて記録すれば画質が向上する
あらゆる画像に適用できる。例えば、記号文字や紋様な
どの場合がある。さらに一般的に、ある特定の角度を持
つ直線についてだけ線幅(太さ)を変えたり、直線の交
点を鋭く描いたりする等、記録した画像を利用するユー
ザの好みに応じて強調することもできる。
実施例6 次に、本発明の他の実施例を第13図により説明する。
一般に光記録装置では、用紙全体の記録画像の濃度調
節器がついており、画像の平均濃度が手動で、あるいは
自動的に変化する。
例えば、反転現像のレーザープリンタの場合は、感光
体上に露光するレーザー露光量を一様に減じることによ
つて、記録画像の平均的濃度は減少する。しかし、記録
すべき画像中には黒べたや直線などのような種々の画像
が存在しており、露光量の減少によつて平均濃度が減る
と同時に、画質も損なう。例えば、黒べた部を記録する
場合、走査ビーム光が重なつて露光部されない部分が生
じるのをなくすため、オーバラツプして露光することが
あるが、これを防ぐために露光量を少なくしても、記録
の時間的な初期の段階では、すぐには記録濃度の変化が
記録画像に現れない。さらに、画像細部では、オーバラ
ツプがないために、線幅が細くなりやすい。しかし、実
際に記録したい画像では、初めに黒べた部の濃度のみを
下げ、細部の画像については、そのままにしておきたい
ことがある。また、ある程度、露光量を下げると、黒べ
た部に、ノイズ(ジツタ等)の影響が現われる等の問題
が生じる。さらに、細部の画像でも、画質を損なう。例
えば、縦線と横線の線幅の減少する割合が異なるため
に、線幅が不ぞろいになる。そこで、記録画像の画質を
損ねることなく、画像の平均濃度を下げるためには、個
々の画像に対する露光パターン信号111を画像ごとに、
個別に制御できるようにしなければならない。以下で
は、その手法について説明する。
まず、第4図に示すユーザデータUD27に、ユーザある
いはホスト103からの全体の画像濃度データを入力し、
各画像に対する露光パターン信号111を決定する。
ベタ黒部の濃度を下げるには、露光パターン信号111
のパルス幅を狭くすれば良い。これにより画質も安定す
る。第13図(a),(b),(c),(d),(e)
は、こうして記録した結果を示す。第13図(b),
(c)は、比較のために従来の濃度制御により記録した
場合を示したもので、露光量を下げると横細線となつて
しまうことが分る。レーザープリンタでは、主走査方向
に直角な副走査方向に対して走査線送りのジツタノイズ
が多い特性があるため、従来装置のままでは濃度ムラが
生じる。
第13図(d),(e)は本発明の実施例を示すもの
で、主として露光パターン信号111のパルス幅の大きさ
によつて濃度を制御するものである。縦長形状のビーム
スポツトを用いて濃度を下げると縦細線となるが、副走
査方向のジツタノイズの影響が少ないので、安定に濃度
を制御することができる。なお、各濃度ごとの厳密な露
光パターンデータについては、他の画像とのバランスを
考慮して実験的に定めたのち、データベース106に格納
するものとする。次に、直線を記録する場合について考
えてみる。横線については露光パターン信号111を一様
に小さくすることによつて線幅を細くすることができ
る。こうすれば、記録したときの線幅の均一性が保たれ
るので、高画質の画像が得られる。縦線については、露
光パターン信号111のパルス幅を狭くして線幅を細くす
る。これにより黒ベタの場合と同様に、濃度ムラが少な
くなつて、高画質の画像が得られる。細線が組になつて
いる部分では、細線どうしの相互干渉により白と黒との
露光量の振幅の差が小さくなるので、その振幅の中心に
露光量のしきい値レベルを合致させて露光パターン信号
111を設定する。このように設定した画像の例として
は、孤立した1ドツトの黒点や直線の交叉点がある。こ
れらの画像についても、上記の処理と同様に、それぞれ
に指定された画像濃度を再現するための最適な露光パタ
ーンを設定してデータベース6に格納する。
以上のように記録画像の濃度が設定されると、画像に
対する露光パターン信号111を画像ごとに個別に制御し
て記録することができる。
具体的には、第32図と第33図に示すように、8種類の
特徴について、バツファメモリ104中の画像データ101か
らパターン認識装置105が抽出し、抽出した特徴ごとに
識別子1ないし10を付与する。(第33図参照)。
一方、ユーザ側から画像の濃度段階を指定するため
に、ユーザデータUD27として、4段階、たとえば、0
(淡)ないし3(濃)を設定するとすれば、この濃度段
階のすべての組合せに対して、個別に露光パターン信号
111を準備する。(第33図(a)参照)この実施例で
は、画像濃度が「2」の場合を標準とする。したがっ
て、前述の各特徴に対する最適の露光パターン信号は、
通常はユーザデータUD27での「2」における値になつて
いる。
以上で述べたように、ユーザから指定されるすべての
画像濃度に対して、最も美しく描かれるように、画像の
特徴部分ごとに、個別の露光パターンで露光されるた
め、最適な記録画像が得られる。
なお、上記実施例での主走査方向と副走査方向とを入
れ替えると、本発明はLEDプリンタにも容易に適用でき
るものである。
実施例7 本発明のその他の実施例を第24図に示す。第24図は、
ホスト装置からの入力画像データの処理方法について示
すものである。ホスト装置103からの入力画素データ101
をバツフアメモリ104に送り、以後パターン認識装置105
が認識データ110を出力するまでの処理の流れは、第1
図に示した通りである。整理すると、次の3つのステツ
プになる。
(1)ホスト装置103からの入力画素データ101を光量制
御装置109内のバツフアメモリ104に送る。
(2)バツフアメモリ104では記録画素に対応する画素
データおよび本画素データの周囲の所定範囲内の画素デ
ータが格納され、本格納データを一括してパターン認識
装置105に送る。
(3)パターン認識装置105はバツフアメモリ104から送
られてきた画素データを調べるが、記録画素に対応する
画素データを認識して得た認識データ110を知識データ
ベース106に送る。
本実施例では認識データ110に対応して記録データ111
を出力するが、このプリンタエンジン108による記録画
像を制御関数S0に置き換え、制御関数S0の制御変数はプ
リンタエンジン108の記録特性に応じたレーザー光量値x
ijであると考える。xijは前記(2)で述べた格納デー
タに対応するものである。
このようにあるデータに対して制御関数とその制御変
数とを対応させると、前記ホスト装置からの入力画像デ
ータ101は制御関数Sとその制御変数xdのように1次元
の制御関数で定義することができる。xdはその画素の記
録濃度値である。
上記で述べたように制御関数S0を決定する索引アドレ
スとして認識データ110を用いることにより本発明のデ
ータ処理はコンピユータによるデータ処理に適したもの
となる。
上記の認識データに対応した制御関数S0としては例え
ば、本発明の前記の実施例で示されるような形態が考え
られる。
(1)黒ベタ:S1 (2)孤立した直線:S2 (3)孤立していない直線:S3 (4)交点:S4 (5)孤立した点:S5 (6)網点:S6 (7)縦長の記録ドツト:S7 (8)上記いずれにも該当しないもの:S8 上記ではホスト装置からの入力データxdに対して認識
データを索引アドレス(識別子に対応する)として制御
関数を決定するデータ処理を施しているが、ホスト装置
101からの入力画素データと組をなした対応制御関数の
指定(例えば索引アドレス,索引番号など)であつても
よいし、ホスト装置からの入力画素データと組をなした
制御コマンド(コマンドを解読して最終的な索引アドレ
スの部分と他の制御指令とに分解する)という型式で与
えてもよい。本意とするところは、入力画素データに対
応して制御関数を決定できるデータが存在すればよい、
という点にある。
また、前記した制御関数の制御変数xijはレーザー光
量値であるが、これは恒久的に一定値ではなく前記した
記録に要する工程におけるその構成部材の経年変化の影
響を受けるものである。このため記録画の濃度や画質を
一定に保持するには、適度の頻度で光量値を補正するこ
とも考えられる。
上記光量値の補正をするには、例えば感光体の表面の
光導電性(光を当てると表面の抵抗値が変化する性質)
の劣化や現像剤の帯電再現性及び劣化,露光装置のレー
ザー発光特性の劣化,さらには記録工程での機械的なガ
タ等を検知して光量値を書き換えることが考えられる。
さらには、上記の光量値の補正は経年変化に対応する
ことのみならず、本発明の光記録装置を使用する人の希
望に応じて人為的に設定したり、変更,修正を加えるこ
ともでき、ユーザの使い勝手を考慮した光記録装置を提
供することもできる。
実施例8 以下、本発明のその他の実施例を第34図,第35図によ
って説明する。光記録装置の各プロセス部品は経時変化
(または経年変化とも呼ぶ)するものが多い。また光記
録装置は無人で大量あるいは長期に使用されるため、保
守の頻度や、経時変化した部品の交換は少ない方が良
い。つまり、保守に対しては、故障の発生が少ない高い
信頼性が欲しいし、部品に対しては、少しでも長く使用
したいという欲求があるものである。例えば、感光体
は、使用するに伴つて感光感度や解像度が劣化し、記録
画像の濃度が落ちたり、画像がボヤケたりする。この劣
化の影響は記録する画像の種類によつて異なる。そこ
で、画像の種類に応じて、個別に経時変化を補償すれ
ば、劣化の影響を少なくできる。第34図に、その補償す
るための回路の構成を示す。経時変化とは、実使用期間
のみならず、日数と実際に記録した枚数との両方の影響
を受けるものである。部品を交換してからの日数カウン
タ1001と枚数カウント1002とからの情報及び帯電電位等
を制御するための制御系1003(経時変化により帯電電位
が変化しても、自動的に帯電器の電位を調節して帯電電
位を一定にする系)からの情報,ユーザやサービスマン
からの情報1004等を統合して判断する必要がある。これ
らのデータは、ユーザデータUD27としてデータベース10
6に入力すると良い。そして経時変化が検出された場合
の処理として認識データ110によって認識される特徴を
持つ画像毎に、経時変化に対応した露光パターン信号11
1を出力し、画質の劣化を補償する。
本実施例によれば、経時変化に伴う画質の劣化をふせ
ぎ、部品の長期使用、ひいては長寿命化が図れることに
なる。
また、第35図に示すように、ユーザデータUD27として
温度1005,湿度1006,時刻または日時1007等の環境情報を
採用することもできる。光記録装置の記録特性は、これ
らの環境条件の変化によっても変化する。例えば、高温
多湿時では一般に画像がボケる。このボケ方も記録画像
の種類によって異なるため、認識データ110によって認
識される画像毎に補償する必要がある。したがって、環
境による画質の劣化を減らすか、あるいはなくすことが
できる。
光記録装置の記録特性は用紙種類(厚さ,粗さ,材質
等)によっても大きく変わり、記録画像の種類に応じ
て、個別に露光パターン111を定めるようにすると、用
紙の使用に依らず高画質画像が得られる。
たとえば、用紙の種類に関する情報1008を、用紙カセ
ット等に設けた用紙の仕様を検出するセンサから入力す
るようにすれば、さらに応用が広がる。
実施例9 以下、本発明の他の実施例を第36図によって説明す
る。以上の実施例では、ホスト装置103からの出力は、
画素データ101であるとしていたが、これを円や直線,
文字等を描く指示(コマンド)データ1010であるとすれ
ば、本発明による光記録装置での処理を規格化できるの
で、処理手順をあらかじめ決めておける。例えば、記録
したい画像が直線コマンドの場合は、直線を示すコード
と、その始点および終点の座標を定義すれば完全に直線
を表現できる。このようなコマンド型式のデータ1010を
用いれば、これからのコマンドデータは、画素データ10
1に分解ないし展開され、その後、光記録装置に転送さ
れて、記録が行われる。本実施例ではコマンドデータ10
10が直後に記録装置に伝送される場合である。本発明で
は、このデータ1010をコマンド認識装置1009に入力し、
画素ごとの認識データ110に変換する。コマンド認識装
置に有する認識データ110としては、例えば第33図に示
すように10個程度の識別子があればよい。認識データ11
0を格納する認識データメモリ1011としては、1画素当
り4ビットのメモリが必要となる。認識装置1009におけ
る認識順序と、記録装置の記録順所とが異なる場合に
は、認識データメモリ1011の容量として、1画像分に対
応するだけの容量が必要となる。認識装置1009における
認識手順においては、以上の実施例で述べたような、画
素データ101から認識する場合より容易である。その理
由は、直線とか塗りつぶし部であるという属性がコマン
ドデータという形で、すでにコード化入力されているか
らである。つまり、テーブル情報等を用いてあらかじめ
決められた通りに解読すればよいからである。コマンド
コードの種類は無限に準備することはできないが、必要
なコマンドすべてに対応する識別子を割り当てておけ
ば、認識は完全に、かつ正確に行われる。例えば、直線
を示すコマンドでは、その始点および終点から傾きを算
出し、この傾きから縦線,横線,その他に分ければよ
い。認識データメモリ1011に処理すべきすべての画像分
の識別子が格納されているとすると、記録装置による記
録は完全に行われる。認識データメモリ1011以後の処理
部分については、既に説明した実施例と同じであるので
省略する。本実施例により、あらゆる画像データが正確
に認識できるため、さらに補正効果の高い高画質な記録
画像が得られる。また、コマンドから認識するメリット
は、より高度な認識ができることである。例えば、画素
データの認識項目としての主なものは、第33図に既に示
した10個程度あれば十分であるが、前記白黒画像の着色
の項で述べた、アンダライン,網かけ,書体,倍角,斜
体,白抜き等の修飾文字を容易に認識できるようにな
る。さらに、それぞれ別個に色情報を与えて着色記録で
きることはもちろん、着色だけ行うことも容易となる。
また、画像の描画領域を配置するレイアウト情報であつ
ても認識できる。例えば、文字領域,図表領域,中間調
画像領域等の切り分けが可能となるため、領域処理とし
ては、文字領域では文字を太めに、図表領域では線幅を
正確に、中間調領域では階調を正確に、というように露
光パターン信号をそれぞれ別個に設定することができ
る。なお、本実施例における認識装置1009と認識データ
メモリ1011は、必ずしも、光記録装置に内蔵されている
必要はなく、独立装置としてでも、ホスト装置103に内
蔵されていてもよい。
実施例10 本発明の他の実施例を第37図,第38図によって説明す
る。文章や図表の中には、強調したい文字や数字があ
り、これらを他の色と異なった色で記録したいという要
求がある。これに伴ない、従来のモノカラーにおける
「黒」の他に「赤」や「緑」等のマルチカラーないしフ
ルカラーでも記録できる記録装置が開発されている。こ
れらの記録装置は「黒」の情報と「他の色」の情報とを
別々に受け取って処理するようになっているため、あら
かじめ2色の情報を持つ文書や図表を用意しておかなけ
ればならない。ところが、文書自身やワープロ,ファク
ス等の処理装置,記録装置は、ほとんどが単色を扱うこ
とが多く、2色専用の文書をつくると極めて不便であ
る。そこで、記録装置において単色の文書を2色化する
技術が要求される。この場合、通常の単色記録装置との
互換性を確保しなければならないことは言うまでもない
が、この使い方が一般化すれば、独自に設計されていて
もよい。通常、単色の文書では、強調したい部分に対し
て、アンダライン,網かけ,書体(ゴチック体など),
倍角,斜体,白抜き等の強調修飾を施す場合がある。
したがつて、2色記録装置で黒一色というような単色
の文書を記録する場合には、このような強調する部分を
黒以外の色で記録すれば、カラー記録装置の機能が有効
に利用されると同時に、無駄のない合理的な2色の文書
が得られる。これとは逆に、2色文書を作る際、着色部
分の指定を上記の強調修飾で行なえば、単色の記録装置
で記録しても意味のある表現で単色文書が得られる。
第37図は、日本語の漢字「日」(日の丸のひ)に網か
けを施した例である。第38図には、その認識パターンマ
トリクス801の一例を示す。この実施例でのパターンマ
トリクスのサイズは、縦5×横7であるものとする。黒
画素である「1」のパターンが第38図の(1)〜(8)
のいずれかであり、かつ各マトリクスの空間の画素の中
に白画素である「0」が少なくともn個以上あることを
条件とし、この条件を満たすように記録画素(I,J)を
着色して記録する。条件nは、黒べたのような画像を選
択しないようにするためのパラメータで、本実施例では
n=1の場合について示す。この結果、第37図の網かけ
パターンが認識され、○印の黒画素「」が着色され
る。
他の強調修飾についても、上記のあるいは上記以外の
画像処理技術によっても着色することが可能である。ま
た、以上のような画素データ101としてではなく、強調
修飾ごとのコマンドデータ型式のデータを本記録装置に
与える場合は、パターン認識しなくても、そのコマンド
データ自身を、着色する指示である、と解釈すれば処理
を簡素化できる。また、第37図の網かけパターンは
「赤」で、その他の網かけパターンは「緑」で、という
ように、2色以上の多色記録も可能である。
また、強調修飾以外の画像の特徴、例えば長い縦線ま
たは横線を認識して着色すれば、けい線だけ着色するな
ど、特徴ごとに色分けすることもできる。
以上で述べたように、本実施例によつて、単色画像を
多色記録することができるようになり、多色記録装置の
利用および応用の範囲が飛躍的に向上する。さらに、単
色用の強調修飾を用いて多色文書を作成すれば、単色記
録装置で出力しても、意味のある表面を持つ文書が記録
できる、という効果もある。
本発明は、以上で述べた各実施例に限定されるもので
はなく、いかなる変形例、改良例をも含むものである。
これらの実施例によれば、記録装置の特性を完全に発揮
した、理想的な画像記録を実現する、という本発明の真
意を発揮できることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、露光量を主走査方向に連続的に変化
でき、且つ記録ドットの大きさをある範囲内で任意の大
きさに記録できるため、斜線部の段差形状や細線部の間
隔ムラが無くなり、補正効果の高い高画質な記録画像が
得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示す図、 第2図は本発明の一実施例の入力画像データの入力領域
を示す図、第3図は本発明の一実施例のバツフアメモリ
の回路図、第4図は本発明の一実施例のパターン認識装
置の回路図、第5図は本発明の一実施例でパターン認識
装置内のダイオードの入出力特性図、第6図は本発明に
おける一実施例で画像データが記録されるまでの工程
図、第7図は本発明における一実施例でパターン信号の
主要例を示す図、第8図は本発明の一実施例で認識パタ
ーン信号と露光パターンを示す図、第9図は本発明の他
の実施例で低域通過空間フイルタによる露光パターン信
号の決定方法を示す図、第10図は本発明の他の実施例で
決定した露光パターンによる記録例を示す図、第11図は
本発明の他の実施例で筆記体の画像パターンの露光方法
を示す図、第12図は本発明の他の実施例で露光パターン
変更による露光方法を示す図、第13図は本発明の他の実
施例で、記録結果を示す図、第14図はレーザービームの
感光強度の特性を示す図、第15図はレーザービームによ
る露光分布特性を示す図、第16図は本発明の光量制御装
置のレーザー発光出力特性と記録画像との対応を示す
図、第17図は本発明の黒べた画像に対する処理を示す
図、第18図は本発明の直線画像に対する処理を示す図、
第19図は本発明の孤立していない直線に対する処理を示
す図、第20図は本発明の交点画像に対する処理を示す
図、第21図は孤立した点画像に対する処理を示す図、第
22図は本発明の網点画像に対する処理を示す図、第23図
は本発明の縦長の記録ドツトの線幅の安定化を説明する
図、第24図は本発明のその他の実施例の構成図、 第25図は従来の光記録装置のエンジン部の構成図、第26
図は従来の光記録装置の露光工程部分の構成図である。
第27図は本発明のその他の実施例の斜線部の認識パター
ンのマトリクス図、第28図は本発明のその他の実施例の
斜線部の認識パターンのほかのマトリクス図、第29図は
本発明のその他の実施例の線密度変換装置の構成図、第
30図は本発明のその他の実施例の拡大の線密度変換処理
を説明する図、第31図は本発明のその他の実施例の縮少
の線密度変換処理を説明する図、第32図は本発明のその
他の実施例のデータベースのデータの流れを説明する
図、第33図は本発明のその他の実施例のデータベースの
構成を説明する図、第34図は本発明のその他の実施例の
データベースの構成を説明する図、第35図は本発明のそ
の他の実施例のデータベースのユーザデータの構成を説
明する図、第36図は本発明のその他の実施例のコマンド
形式によるデータベースの構成を説明する図、第37図は
本発明のその他の実施例のカラー記録への適用例、第38
図は本発明のその他の実施例のカラー記録での認識パタ
ーンマトリクス図である。 101……入力画素データ、104……バツフアメモリ、105
……パターン認識装置、106……データベース、107……
電流変換器、109……光量制御装置、110……認識デー
タ、111……露光パターン信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 暁 茨城県日立市東多賀町1丁目1番1号 株式会社日立製作所多賀工場内 (56)参考文献 特開 昭63−124667(JP,A) 特開 昭63−265642(JP,A) 特開 昭58−150978(JP,A) 特開 昭58−187073(JP,A) 特開 昭59−163948(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された画素データに応じて光量を制御
    し、記録媒体上に前記画素データを記録する光記録装置
    において、 前記入力された画素データを記憶するメモリ部と、 前記記憶した画素データを用いて、所定画素とその周囲
    の画素との関係を認識する認識部と、 前記認識に応じて、前記所定画素の記録媒体上への露光
    パターンを決定する露光パターン決定部と、 前記露光パターンに応じて光量を制御し、前記所定画素
    に対応した前記記録媒体上の領域内において、露光形状
    を連続的に変化させる露光量制御部とを有することを特
    徴とする光記録装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光記録装置において、 前記認識部は、前記入力画素内での前記所定画素の特徴
    を認識する認識情報を予め定めていることを特徴とする
    光記録装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光記録装置において、 前記認識情報は、前記所定画素が、黒べた、直線、組
    線、交点、孤立点、網点の少なくとも1つの特徴を有し
    た画素なのか、あるいは特徴がない画素なのかを認識す
    る情報であることを特徴とする光記録装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の光記録装置において、 前記露光量制御部は、予め、前記認識に対応する複数の
    前記所定画素の露光パターンを格納していることを特徴
    とする光記録装置。
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