JPH08125860A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JPH08125860A
JPH08125860A JP7204714A JP20471495A JPH08125860A JP H08125860 A JPH08125860 A JP H08125860A JP 7204714 A JP7204714 A JP 7204714A JP 20471495 A JP20471495 A JP 20471495A JP H08125860 A JPH08125860 A JP H08125860A
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Tadashi Yamamoto
直史 山本
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秀和 関沢
Hidekazu Sakagami
英一 坂上
Haruko Kawakami
晴子 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多値記録に適していない記録系を用いつつ、
高精細かつ低ノイズであって、また低濃度領域での濃度
変化やざらつきなどのない良好な階調画像を記録できる
画像記録装置を提供すること。 【解決手段】 注目画素に対する画素濃度値を記録手段
を制御する記録量を規定する第1の記録制御信号に変換
する第1の信号変換手段3と、注目画素に連結する少な
くとも1つの隣接画素における記録量を規定する記録制
御信号を参照して、第1の記録制御信号に基づく画素形
成が安定化し第1の記録制御信号に最も近い記録量を規
定する第2の記録制御信号に変換する第2の信号変換手
段4と、第2の記録制御信号に基づいて画像を記録する
記録手段5と、注目画素の入力濃度値と第2の記録制御
信号における記録濃度値との誤差を算出して、注目画素
の周辺に位置する未処理画素に拡散伝搬させる誤差拡散
手段8とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真記録録方
式などにより階調画像を記録する画像記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】階調画像(中間調画像)をハードコピー
として記録する画像記録装置の代表的なものとして、電
子写真式プリンタが広く実用化されている。この方式の
プリンタでは、固体発光素子アレイやレーザなどの光源
により感光体表面を走査して感光体上に静電潜像を形成
し、これを帯電したトナーにより現像することにより画
像を形成する。
【0003】このような電子写真式プリンタにおいて
は、記録紙上にドットを形成するか否かを制御すること
による2値記録が用いられている。一般に感光体上の露
光強度と記録濃度の関係は非線形でガンマ値が高く、照
射光のわずかな強度変化で大きく記録濃度が変化するた
めに、制御信号の強度で画像の濃淡を制御するのは難し
いからである。このような2値記録のプリンタで濃淡の
ある画像つまり階調画像を記録する場合は、ディザ法や
誤差拡散法などの処理を用いることが知られている。こ
れらの手法は高い空間周波数に対して感度が低いという
人間の視覚特性を利用したもので、複数の画素群の中の
記録画素の比率を制御することにより、その比率に応じ
た中間濃度を表現させる方法である。
【0004】ディザ法は画像マトリクスを用いて階調を
表現する方法であり、比較的簡単な構成により実現でき
る利点を有する。誤差拡散法は、1画素の入力レベルを
2値化して、記録レベルを決定すると共に、入力レベル
と記録レベルとの誤差を周辺のみ処理画像に配分するこ
とにより、記録画像の濃度を保存し、連続的な階調を有
した画像が得られる。
【0005】更に、この誤差拡散法を多値記録に拡張し
た多値の誤差拡散法の提案されている。しかし、ディザ
法は安定した階調表現ができる反面、基本的に階調数と
同数の画素群を一単位として記録を行うため、記録画像
上に現れる周期の長い繰り返しパターンが目立つ。一
方、誤差拡散法は原理的に記録画像上に現れるパターン
の周期が小さいが、特殊な縞模様のパターンとなり、画
質の阻害感が大きい。誤差拡散法の問題点を解決するた
め、画像信号に周期的な信号を加算して特殊パターンを
目立たなくする技術が知られている。
【0006】また、周期的な信号であるディザ信号を画
像信号に加算して特殊パターンの発生を軽減すると共
に、画像信号の種類を識別し、鮮鋭感のある画像が必要
な画像ではディザ信号の加算を減じる処理を行う手法も
知られている。
【0007】しかし、上記の二つのいずれの方法でも、
特に中間調画像を表現する場合は周期的な信号を加算す
ることに起因する解像度の劣化を引き起こす。誤差拡散
記録において2値記録ではなく、多値記録を行うことで
特殊パターンの発生によるテクスチャノイズを削減する
方法も知られている。具体的には、誤差拡散と類似のア
ルゴリズムの階調処理により多値プリンタでの記録でテ
クスチャノイズを低減する方法が知られている。しか
し、この方法は電子写真方式のように多値記録が適して
いない記録方式には適用できない。すなわち電子写真記
録では濃度の薄いレベルの記録では温湿度の影響を受け
易く、環境や経時変化などの変動に対して、安定した濃
度レベルを維持することが出来ず、濃度変動の大きい画
像となってしまうなどの問題があった。
【0008】低濃度での画質を向上させる目的で入力画
像の上位1ビットの値によって下位ビットの2値化処理
を乱数による閾値での2値化とディザマトリクスによる
2値化と切り替える技術が知られているが、低濃度領域
では乱数による2値化のためランダムなザラツキ、中濃
度以上ではディザ模様がそれぞれ目立ち、また低濃度と
中濃度の境目の不自然さが目立つという欠点があった。
【0009】1ドット毎に多値制御を行って市松模様を
発生させることにより、中間調の再現性を向上する技術
も知られているが、十分な階調性を得るには極めて微妙
なパルス幅制御が必要となり、また環境などの変化があ
ると安定な階調を再現することが困難となる。
【0010】画像ブロック内の複数各画素に対して優先
度を付与して画素を形成させ、ある優先度の画素がまだ
連続して成長中でも、次の優先度の画素が成長を開始す
るように階調処理を行うことで潰れに強くする技術が知
られているが、この方法はブロック毎の処理となるため
解像度劣化が生じ易くなり、またブロック単位で十分な
階調(例えば64階調)以上得るには記録系の安定度が
十分必要となるなど記録系にとって困難な性能が要求さ
れるという問題点があった。
【0011】更に、最近では記録部に供給する記録制御
信号のパルス幅を変調して階調を表現するパルス幅変調
法と呼ばれる手法が提案されている。この方法では1画
素を複数の領域に分け、記録に使用する領域の数、つま
り1画素内の記録領域の比率により階調を表現する。こ
の方法ではパターンの空間周波数は十分高くなり、濃淡
のパターンはほとんど目立たない。
【0012】しかしこの反面、低濃度部分での濃度変動
やざらつきが大きいという問題がある。すなわち、一般
に感光体に照射される光のスポットは光源自体の大きさ
や光学系のぼけなどにより、ある大きさを持ったスポッ
トとなっている。そのため、記録制御信号のパルス幅を
狭くするほど感光体上での静電潜像の電位分布はなまっ
た形状となり、より2値記録から外れてくる。そのた
め、環境の少しの変動で現像濃度が変化し、ざらつきや
濃度変動が大きくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の技
術では、解決できないような次の問題点がある。1画素
を多値で表現できる理想的な画像記録装置の実現は困難
であり、実際には、画素内の記録を多値化することによ
り不安定な像形成を生じやすい。このため、多値の誤差
拡散法は2値の誤差拡散法より階調のなめらかさでは有
利であるが、画像の形成が不安定になりやすい。
【0014】例えば、記録系が、微少量だけの像の形成
に不都合がある場合には、ハイライト領域での像形成が
不安定になり、ノイズの多い画像になりやすい。記録系
として半導体レーザによる光書き込みを行う電子写真記
録を例にとれば、環境温度の変動にともない、半導体レ
ーザの光出力が変動することが知られている。このた
め、特に濃度の薄い領域では、像の形成が不安定になり
やすく、濃度変動の大きい画質となってしまう。図43
において、(a)は感光体上での表面電位の関係を示す
概念図、(b)はレーザ光の駆動パルス幅である。図4
3のように、所定のパルス幅よりも小さいパルス幅を用
いた場合には、感光体上の表面電位はしきい値付近のレ
ベルになるため像の形成が不安定になる。すなわち、パ
ルス幅変調においては、意図した濃度が得られなかった
り、画素の形成が不安定でノイズの多い画質になってし
まう。
【0015】また、感光体は、その感度において、製造
上及び経時変化によるばらつきがあり、2値の記録より
も中間レベルの光量で記録することの多い多値の記録の
場合に、画素の形成が不安定になる。
【0016】更に、感光体の駆動や、現像ローラの駆
動、更に、記録紙の搬送駆動による機械的振動などの要
因により、画素形成が乱れる問題があり、この点に関し
ても2値記録に比べて多値での不安定性の大きい。
【0017】上記の問題は、電子写真記録に限るもので
はなく、他の記録方式においても同様な問題が生じてい
た。また、従来の電子写真方式などの多値記録に適して
いない記録系で階調画像を表現するディザ法や誤差拡散
法といった技術では、解像度が劣化したり特殊パターン
によるテクスチャノイズが発生するという問題があり、
またパルス幅変調法では画素サイズがより小さな単位で
階調が変化するため解像度の低下やノイズの問題は解決
されるが、特に低濃度領域での濃度変化やざらつきが目
立つという問題があった。
【0018】本発明は、上記の問題を考慮してなされた
ものであり、多値で画像を記録する一般的な画像記録装
置に対しても安定して良好な階調画像を記録できる画像
記録装置の提供を目的とする。
【0019】本発明は、多値記録に適していない記録系
を用いつつ、高精細かつ低ノイズであって、また低濃度
領域での濃度変化やざらつきなどのない良好な階調画像
を記録できる画像記録装置を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。注目画素に対
する画素濃度値を、記録手段を制御するための記録幅や
記録位置などの記録量を規定する第1の記録制御信号に
変換する信号変換手段と、注目画素に連結する少なくと
も1つの隣接画素における記録量を規定する隣接画素の
記録制御信号を参照して、第1の記録制御信号に基づく
画素形成が安定化して、かつ、第1の記録制御信号に最
も近い記録幅と記録位置とからなる記録量を規定する第
2の記録制御信号に変換する第2の信号変換手段と、第
2の記録制御信号に基づいて画像を記録する記録手段
と、注目画素の入力濃度値と、第2の記録制御信号にお
ける記録濃度値との誤差を算出し、注目画素の周辺に位
置する未処理の画素に拡散させるように伝搬させる誤差
拡散手段とを具備している。
【0021】なお、ここで、記録位置とは、処理単位に
1つである画素に対応させて、その画素の内部の特定の
場所にトナーなどの色材を配置させる位置であり、例え
ば、レーザプリンタであれば、感光体上へのレーザ光の
照射位置を画素よりも小さい領域に対して制御するもの
である。
【0022】本発明による画像記録装置は、注目画素に
対して像を形成する場合に、注目画素に対する周辺画素
の像形成状態を参照し、連続した像形成において、記録
系が安定に画像を記録できる記録幅と記録位置とを選択
するので、不安定な像形成動作を起こさず、なめらかで
ノイズの少ない画像が記録できる。また実際の記録量と
の誤差を周辺の画素に伝搬するので、マクロな濃度を維
持でき、安定で良好な階調画像が得られる。
【0023】本発明に係る他の画像記録装置は、入力さ
れる画像信号の各注目画素の画素濃度値を該注目画素の
記録幅と記録位置を規定する記録制御信号に変換する信
号変換手段と、前記記録制御信号に基づいて画像を記録
する記録手段と、前記記録制御信号から前記記録手段に
おける記録濃度を推定し記録濃度推定値を出力する記録
濃度推定手段と、前記画素濃度値と前記記録濃度推定値
との誤差を前記画像信号に拡散させる誤差拡散手段とを
具備することを基本的な特徴とする。
【0024】本発明に係る更に他の画像記録装置は、こ
のような基本構成に加えて、入力される画像信号もしく
は該画像信号を量子化した信号から該画像信号の種類を
判別する判別手段と、この判別手段の判別結果に基づい
て記録制御信号により規定される記録位置を変更する変
更手段を更に有することを特徴とする。
【0025】また、前記信号変換手段は、注目画素の周
辺画素の画素濃度値を変換した記録制御信号を参照して
該注目画素の画素濃度値を前記記録制御信号に変換する
ことを特徴とする。
【0026】更に、記録濃度推定手段は、注目画素の周
辺画素の画素濃度値を変換した記録制御信号を参照して
該注目画素の記録濃度を推定することを特徴とする。こ
のように本発明では、入力画像信号の注目画素の画素濃
度値を該注目画素の記録幅と記録位置を規定する記録制
御信号に変換し、この記録制御信号を記録部に与えるこ
とにより階調画像を記録する。従って、1画素よりも小
さな単位で画点の大きさを制御するため、記録画像上の
パターンを大きくすることなく多階調を表現できる。ま
た、低濃度領域では画点が集中して形成されるように記
録位置を制御することにより、濃度変動やざらつきのな
い階調画像を記録することができる。すなわち、入力さ
れる画像信号の画素濃度値と記録濃度値が一致するよう
に1画素内の記録幅を決定すると同時に、解像度及び記
録メカニズムに起因するノイズを低減するように1画素
内の記録位置を制御する。
【0027】一方、記録制御信号から実際に記録された
と考えられる画点の記録濃度を推定し、この記録濃度推
定値と画像信号の画素濃度値との誤差を計算して入力の
画像信号の周辺画素に拡散させる。これにより、画像の
低域成分の濃度は複数画素により表現されるが、高域成
分は1画素単位で表現され、更にエッジ部分では記録位
置制御により高精細な記録がなされる。
【0028】また、入力画像信号の種類に応じて、例え
ば画像の種類が線画像の一部又は鮮鋭感を向上できるよ
うなパターンについては、記録制御信号により規定され
る記録位置を変更することにより、鮮鋭感が向上する。
【0029】更に、注目画素の画素濃度値を記録制御信
号に変換する際、注目画素の周辺画素の記録制御信号を
も参照することにより、記録画像の画点が適性な大きさ
となるような制御ができるため、濃度安定性を高めた状
態で粒状性の低い画像を記録することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態に係わ
る画像記録装置のブロック図である。図1において、画
像入力部1(例えば、スキャナや画像メモリ)は、中間
調画像の画像信号、すなわち、各画素が多値の画素濃度
値を有する画像信号、を出力する。この画像信号は、加
算器2に入力される。加算器2は、入力された画像濃度
値に補正濃度値を加えることにより補正された画素濃度
値を出力する。
【0031】第1の信号変換部3は、加算器2から出力
された画素濃度値を後述する記録部5において、画素形
成が可能な第1の記録制御信号、具体的には、記録画素
の記録幅や記録位置などの記録量を規定する第1の記録
制御信号に変換する。この第1の記録制御信号の詳細な
決め方は後述するが、第1の記録制御信号は、おおむ
ね、入力した画素濃度値に応じて画像を記録するための
仮の信号であり、第2の信号変換部4に入力される。
【0032】第2の信号変換部4は、記録量を規定する
第1の記録制御信号から、注目画素に隣接する周辺画素
の記録制御信号を参照し、記録部5において安定した画
素の形成が可能なように、補正された記録制御信号(第
2の記録制御信号)を出力する。この第2の記録制御信
号の決定方法は後述する。この第2の記録制御信号は記
録部5に入力されると共に、制御信号バッファ6と、減
算器7に入力される。
【0033】記録部5は、例えば、レーザ光を感光体上
に露光走査して、静電潜像を形成し、これをトナーで現
像して記録画像を得る電子写真方式の記録手段が使用さ
れる。また、他の記録方式による例えば、サーマルヘッ
ドを用いたサーマル記録や液体インクを飛翔させるイン
クジェット記録にも適用できるが、本実施形態では、以
下、電子写真方式の記録手段により説明する。
【0034】制御信号バッファ6は、第2の記録制御信
号を一時的に保持するためのバッファであり、シフトレ
ジスタやラインメモリなどにより構成され、注目画素に
対して隣接する画素に対する第2の記録制御信号を保持
し、図示しないタイミング制御信号により、適時注目画
素に対応する隣接画素の記録制御信号を第2の信号変換
部4に出力する。
【0035】減算器7には、第2の記録制御信号のう
ち、記録量を代表して、記録幅に相当する信号が入力さ
れ、加算器2から出力される補正濃度値から減算される
ことにより、誤差信号が形成される。この際、減算器7
に入力される値は、図示しない規格化回路により、第1
の信号変換部3へ入力される画素濃度値と同等のデータ
幅に規格化されている。この誤差信号は誤差拡散部8に
入力される。
【0036】誤差拡散部8は、誤差信号を一時保存する
誤差バッファ8aと、この誤差バッファ8aから読みだ
される誤差信号を所定の重み付け係数を乗じて積算する
重み付け部8bにより構成され、重み積算した結果を加
算器2に供給することにより、画像入力部1からの画像
信号に対して誤差拡散を行う。
【0037】以下、図1の上記の各部のうち、特に、画
像入力部1と記録部5の機能を詳細に説明する。画像入
力部1は、例えば、画像メモリに格納された中間調の画
像のビットマップの画素濃度値をラスタスキャンの画像
信号として出力する。ここで、ビットマップとは画像を
画素に相当する矩形の升目に細かく分割したものであ
り、各升目には画素濃度値が格納されている。画素濃度
値は、例えば、1画素当たり8ビット(すなわち、25
6階調)のデジタル値として表される。このビットマッ
プの画素濃度値は、例えば、ホスト計算機からシェーク
ハンド方式で画像メモリに書き込まれる。また、記録装
置内にCPUを持ち、ホスト計算機から、書き込まれる
ページ記述言語で表された情報をビットマップに展開し
ても良い。
【0038】図2は、記録部5の概略構成を示す図であ
る。本実施形態の記録部5は、電子写真方式を採用した
記録部を例にとる。記録部5では、感光体ドラム24の
周囲に沿って、帯電器41、露光部22、現像器42、
転写ローラ43、除電ランプ46、クリーナ47が配設
される。感光体ドラム24は図示しないモータなどから
伝達される駆動力に基づいて、図中矢印の方向(時計ま
わり)に一定の速度で回転する。各所の構成及び動作は
従来の電子写真プリンタを参照できるので、ここでは、
簡単に動作を説明する。
【0039】記録紙45への画像形成に先立ち、感光体
ドラム24の回転が開始する。まず、帯電器41により
感光体ドラム24の表面は一様に帯電される。次に、露
光部22により画像信号に基づいて生成された記録制御
信号によってレーザダイオードの発光が制御され、光学
結像系を介して、帯電された感光体ドラム24上をレー
ザダイオードが露光走査する。
【0040】この露光により、光の照射された部位で
は、感光体ドラム24の表面電位が変化し、光の照射さ
れなかった部位に対して、或いは、光の照射量の強弱に
応じて、表面電位に差を生じさせ、画像信号に応じた静
電潜像が形成される。
【0041】図3に、感光体ドラム24の露光量と表面
電位の関係の一例を示す。図3より、感光体ドラム24
上には、記録制御信号に応じた分布の電位パターン(つ
まり静電潜像)が形成される。
【0042】現像器42では、現像ローラ42aの回転
に伴い、静電潜像に対応して、現像器42の内部に収納
されたトナーが感光体ドラム24上に付着されて、可視
像が得られる。
【0043】感光体ドラム24の表面電位とトナー付着
量の関係の一例を図4に示す。更に、記録紙45は、図
示しない搬送機構によりタイミングを制御されて転写ロ
ーラ43と感光体ドラム24の間に搬送され、現像器4
2によって現像されたトナーが記録紙45上に転写され
る。更に、記録紙45はヒートローラなどで構成される
定着器44に搬送され、加熱及び加圧されて記録紙45
上にトナーが定着され、露光部22に供給した画像信号
に応じた画像パターンが記録紙45上に得られる。
【0044】一方、感光体ドラム24は、除電ランプ4
6によって除電され、記録紙45側に転写されずに残っ
た残留トナーはクリーナ47によって除去される。図5
に、感光体ドラム24上の露光量とトナー付着量の関係
を示す。両者の関係は帯電量や温度などの要因により変
動し、例えば図の実線から破線のような特性に変化す
る。露光量が小さい領域(<T1)や大きい領域(>T
2)では、これらの変動によるトナー量の変動は0か又
は小さいが、中間領域(T1〜T2)では、これらの変
動によりトナー付着量が影響を受けやすい。従って、中
程度の露光量の領域(T1〜T2)が広いと、記録濃度
の再現性が不安定になる。具体的には、このような変動
がページ間で生ずると濃度変動となり、ページ内で生ず
るとざらつき、濃度むらなどの原因となる。前者のざら
つきは濃度再現性(カラーの場合は色再現性)を損な
い、後者の濃度むらは画質低下をもたらすので、これら
の変動は小さく抑えることが望ましい。
【0045】図6は、露光部22の概略構成を示す図で
ある。各要素の構成は従来のレーザ露光系が参照でき
る。信号変換部の出力である記録制御信号に応じて、パ
ルス幅変換部51において、レーザダイオードの駆動時
間が変調される。パルス幅変調により階調画像が記録で
きる。この変調信号に応じて駆動されるレーザダイオー
ド52からの光ビームはコリメートレンズ、スリット、
シリンダレンズからなる集光レンズ53を介して、ポリ
ゴンミラー54によって偏向され、光学結像系55とし
てのf−θレンズを介して感光体24上に露光走査され
る。
【0046】次に、処理の手順に従い、各部の動作を説
明する。第1の信号変換部3に入力された注目画素に対
する画素濃度値は、その濃度値の大きさに応じて、記録
部5での記録に適した第1の記録制御信号に変換され
る。例えば、記録部5が図7のように0から4までの5
値で記録する場合について説明すると、256階調の入
力画素濃度値を5段階のレベルのうちのいずれかに変換
された第1の記録制御信号を出力する。この変換は、等
間隔な量子化動作で実現でき、図8に示すような第1の
信号変換部3をROMなどを用いたルックアップテーブ
ルとすることができる。図8は、その一例を示すブロッ
ク図、図9は処理テーブルの一例である。
【0047】第2の信号変換部4は、注目画素に隣接す
る周辺画素の少なくとも1つの画素の記録制御信号であ
る隣接画素制御信号を参照して、入力された第1の記録
制御信号を注目画素に対して安定な記録が可能な第2の
記録制御信号に変換する。図10は、第2の信号変換部
4と制御信号バッファ6の一例を示すブロック図であ
る。第2の信号変換部4は、第1の信号変換部3と同様
にROMなどを用いたルックアップテーブルで実現でき
る。
【0048】例えば、参照する隣接画素として、注目画
素の左隣すなわち前画素を用いる場合には、図11に示
すテーブルが参照されて出力される第2の記録制御信号
が決定される。すなわち、図11において、注目画素に
対する第1の記録制御信号(現画素)が「1」又は
「2」であり、前画素に対応する第2の記録制御信号
(前画素)が「0」〜「3」の場合(図中、囲みの中)
では、補正処理が行われる。これは、図7に示す「1」
又は「2」のような記録パターンが選択される場合であ
り、この例では、記録制御信号として「1」や「2」程
度の微少な値が単独で選択された場合の記録安定性が不
十分であるため、この値を用いた記録を避けるように補
正処理を行っている。しかし、現画素が「1」や「2」
の記録制御信号であっても、前画素の記録制御信号が
「4」の場合には、図12に示すよう隣接画素の記録パ
ターンは連続的に画素形成が行われるため、安定に記録
できる。そこで、この場合には、補正処理を行わず、現
画素に対する第1の記録制御信号をそのまま第2の記録
制御信号としている。
【0049】第1の記録制御信号から第2の記録制御信
号への変換は、第1の記録制御信号の値に最も近く、か
つ安定して記録が可能な記録制御信号の値が選択され
る。第1の記録制御信号の値に最も近い値を選択する理
由は、注目画素に対する記録濃度との誤差を最小に抑え
て忠実な階調再現を実現するためである。不安定性に変
動がある場合には、変動の許容幅を考慮して、いつでも
安定した画素形成が得られる記録制御信号が選択され
る。
【0050】この変換の仕方は、予め実験によって不安
定な記録が行われる微小画素の大きさを求めておけば良
い。安定な記録が行われる最小の記録制御量をDstable
とし、注目画素に対する第1の記録制御信号に対応する
画素濃度値をD1 とすれば、 D1 <Dstable の条件がみたされる場合に、隣接画素との画素形成状況
を参照して補正処理を行う。この補正処理は例えば、D
stable/2のしきい値で第1の記録制御信号を2値化し
て第2の記録制御信号が得られる。
【0051】この際、当初の第1の記録制御信号と異な
る値が選択された場合においても、誤差拡散部8を介し
て、最終的な出力である第2の記録制御信号を入力画素
濃度値との差を誤差として、他の画素に拡散させるの
で、入力画素のマクロな濃度が保存される。
【0052】また、記録安定性を求める実験から、図1
3や図14のようなテーブルを見いだして適用しても良
い。図13のテーブルは、前画素の記録制御信号が
「3」の場合には、注目画素に対する「2」程度の記録
制御信号で微小画素の記録が安定に行われる場合の例で
ある。この場合には、前画素と現画素とが完全に連続し
たパターンを与えないが、記録系での画素形成動作にお
いて、例えば、レーザ光による露光パターンがある程度
ぼけることを考慮するなど、画素形成動作を総合的に勘
案したときに記録パターンの連続性が得られる場合の例
である。図14のテーブルは、比較的不安定性の大きい
記録系に適用する場合の例である。すなわち、現画素の
記録制御信号として、図7に示す「3」程度の記録パタ
ーンまで単独で選択した場合に不安定な画素形成を生じ
ることを想定した例である。
【0053】上記のように、第1の記録制御信号から第
2の記録制御信号への変換の仕方は種々選択されるが、
本発明の主旨は不安定な微小画素のみを形成するような
記録制御信号(この場合は、第2の記録制御信号)を除
去することにある。
【0054】このように、不安定な微小画素を全く選択
しないのではなく、周辺画素との画素形成状態を参照す
ることにより、画素形成状態に応じて微小画素の形成を
選択するので、特に中高濃度領域においてはなめらかな
階調特性が維持できる。また、ハイライト領域において
は、表現できない制御レベルがあるため、階調性に乏し
くなるが、安定でノイズの少ない画像が得られるため、
全体として画質が向上するメリットがある。
【0055】また、図11や図14に示す参照テーブル
を適用する場合には、前画素の記録制御信号の情報とし
て、前画素が「4」であるか、又はそれ以外であるかを
示す2値の信号、すなわち、データ量として1ビットの
情報を用いれば良いので、制御信号バッファ6は、簡単
な構成が実現できる。すなわち、隣接する画素として、
注目画素の前画素に対する第2の記録制御信号を一時的
に保持する場合には、1ビットのラッチ(図10参照)
などの簡易な構成で実現できる。
【0056】次に、誤差拡散部8の機能を詳細に説明す
る。減算器7からの誤差信号はラインメモリからなる誤
差バッファ8aに記憶される。誤差バッファ8aに記憶
された誤差信号は順次読みだされて、重み付け部8bに
入力され、図15に示す注目画素Xの周辺画素(すなわ
ち、1ライン前の3画素A、B、Cと左隣の前画素D)
の誤差信号にそれぞれ重み付け係数(Wa、Wb、W
c、Wd)を掛けて積算した値が得られる。重み付け係
数は、例えば、Wa=1/16、Wb=5/16、Wc
=3/16、Wd=7/16が選ばれる。簡単な例とし
てWa=2/16、Wb=4/16、Wc=2/16、
Wd=8/16のように分子を2のべき乗に設定しても
よい。この場合には、重み付け部8bはビットシフトと
加算のみで構成可能となるため、回路が簡略される。こ
うして、重み付け積算された信号は加算器2により入力
された画像信号に加算されることにより、記録時の量子
化誤差が拡散される。
【0057】上記説明では、参照する周辺画素として注
目画素に対する前画素を用いたが、参照する周辺画素と
して、前画素に加えて、前ラインの画素(注目画素に対
する前ラインに位置する画素)を含めるとより細かな制
御が可能になる。
【0058】図16は、第2の信号変換部4と制御信号
バッファ6の具体例を示すブロック図である。第2の信
号変換部4は、ROM4によって構成され、制御信号バ
ッファ6は1ライン分の画素数に対応したラインメモリ
6aと1画素分のラッチ6bによって構成される。すな
わち、第2の記録制御信号のうち、記録量の代表とし
て、記録幅を示す値がラッチ6bに入力される。i番目
の画素を注目画素とすれば、(i−1)番目の画素に対
する第2の記録制御信号がラッチ6bに格納されてい
る。このラッチ6bの出力値とラインメモリ6aのi番
目に該当するアドレスに格納されている前ラインの画素
に対する記録制御信号とが、同時に読みだされて、第1
の信号変換部の出力である第1の記録制御信号と同時に
第2の信号変換部4であるROM4に入力される。これ
らのデータは、ROM4のアドレスを選択し、このアド
レスに対応した第2の記録制御信号が出力される。ま
た、ラッチ6bの出力は、ラインメモリ6aの(i−
1)番目のアドレスに格納され、同様の動作を繰り返し
て処理が進む。ここで、上記ラインメモリ6aに替えて
FIFOを用いた構成とすることもできる。この場合に
は、ラインメモリのアドレス選択の制御回路が不要にな
る利点がある。
【0059】図17は、第1の記録制御信号に対する第
2の記録制御信号の決定の仕方の一例を示す参照テーブ
ルである。図17に示す例では、前画素が「0」から
「3」であり、前ラインが「0」の場合には、不安定な
画素形成となるため、補正処理をしている。前画素が
「4」か又は前ラインが「1」から「4」の場合には、
安定な画素形成がなされるとして、第1の記録制御信号
を第2の記録制御信号としてそのまま出力している。こ
れらの参照テーブルは、前画素と前ラインの画素と注目
画素との連続性又は連結の度合いを考慮して決定される
ものであり、予め行う実験により正確に決定することが
できる。
【0060】以上の説明では、第1の信号変換手段によ
り、第1の記録制御信号を出力し、これに基づいて、第
2の信号変換手段によって第2の記録制御信号を得る例
を述べたが、これらは、一連の動作として、一つの処理
でまとめて行うこともできる。すなわち、隣接画素制御
信号を参照し、画素入力信号に応じた第2の記録制御信
号を出力するように設定したROMなどの回路構成とす
れば良い。この場合でも、ROMのテーブルの決定は、
上記の説明に準じて行うことができる。
【0061】また、上記説明では、「0」から「4」の
5値の記録について説明したが、本発明は、記録の多値
化数に制限されるものではなく、特に多値化数が多いほ
どなめらかな階調性を実現できる。従来、不安定な画素
形成を避けるため、多値化数を大きく設定できなかった
記録装置においても、本発明を適用することによって、
より大きい多値化数を用いた階調性豊かな安定な画像を
記録できるメリットがある。
【0062】(第2実施形態)図18は、第2実施形態
に係る画像記録装置のブロック図である。第1実施形態
と同じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明は省略す
る。第2実施形態では、第1実施形態の制御信号バッフ
ァ6がなく、記録濃度推定部9を備えた構成となってい
る。なお、信号変換部は、第1実施形態の第1の信号変
換部3に相当する信号変換部3のみを有する。
【0063】画像入力部1及び加算器2は、第1実施形
態と同様の機能を有する。信号変換部3は、第1実施形
態の第1の信号変換部3に対応する部分であって、加算
器2から出力された画素濃度値を量子化し、当該画素の
記録幅や記録位置などの記録量を規定する記録制御信号
に変換する。この記録制御信号の詳細な決め方は後述す
るが、概ね、入力した画素濃度値を記録するための信号
であって、記録部5と記録濃度推定部9に入力される。
【0064】記録部5の機能は、第1実施形態と同じで
あるので、説明を省略する。本第2実施形態の特徴であ
る記録濃度推定部9は、信号変換部3から出力される記
録制御信号に基づいて記録部5での実際の記録濃度を推
定し、その推定結果である記録濃度推定値を出力する。
この記録濃度推定値は減算器7に入力し、減算記7にお
いて、加算器2から出力される補正濃度値から記録濃度
推定値が減算されて、誤差信号が生成される。この誤差
信号は誤差拡散部8に入力される。
【0065】誤差拡散部8は、第1実施形態と同様であ
る。以下、図18の各部の機能の詳細を説明する。図1
9に、記録部5の構成を示す。第1実施形態では記録部
5としてスキャン型の記録部を示したが、本実施形態の
記録部5は、アレイ型の記録部である。記録部5は、駆
動回路部21によって駆動される主走査方向に配列され
た固体発光素子アレイ22からの光をファイバ型レンズ
アレイ23により、副走査方向(記録紙の送り方向)に
機械的に回転される感光体ドラム24上に結像する構成
となっている。駆動回路部21は、信号変換部3から入
力される時系列の記録制御信号を固体発光素子アレイ2
2の各発光素子を同時に駆動するための信号に変換する
ものである。固体発光素子アレイ22は、感光体ドラム
24の回転軸と平行に、かつドラム24の表面に近接し
て配置される。ファイバ型レンズアレイ23は、固体発
光素子アレイ22と感光体ドラム24の間に、発光素子
の発光面を感光体ドラム24上に結像させるように配置
されている。これにより、固体発光素子アレイ22から
の光が感光体ドラム24上に露光光として照射され、感
光体ドラム24の表面が露光される。固体発光素子アレ
イ22としては、LEDを列状に配設したLEDプリン
トヘッドや蛍光体の発光を利用したものなどが利用でき
る。
【0066】図20に、固体発光素子アレイ22の駆動
回路部21の構成を示す。信号変換部3からの記録制御
信号は、まず1ライン分ずつシフトレジスタ31に順次
書込まれる。シフトレジスタ31は、5ビットパラレル
のシフトレジスタ素子を複数個縦続接続して構成され
る。シフトレジスタ31の内容は、ラッチ32に並列に
出力される。なお、本実施形態ではシフトレジスタ31
及びラッチ32はそれぞれ複数個のICチップからな
り、それら複数個のICチップを縦続接続している。
【0067】ラッチ32にラッチされた記録制御信号の
データのうち、記録幅(露光パルス幅)を表わす4ビッ
トのデータは2つの比較器33、34において極性の異
なる2つの鋸歯状波信号S3、S4と比較される。これ
らの比較器33、34の出力信号のいずれかがセレクタ
37で選択され、セレクタ37で選択された信号が固体
発光素子アレイ22の対応する素子への駆動信号とな
る。なお、セレクタ37はラッチ32にラッチされた記
録制御信号のデータのうち、記録位置(露光パルス開始
タイミング)を表わす1ビットのデータにより比較器3
3、34の出力のうちのいずれの出力を選択するかが制
御される。
【0068】このようにして発光素子アレイ22は、各
発光素子毎に記録制御信号の記録位置データにより規定
される露光パルス開始タイミングで、かつ記録制御信号
の記録幅データにより規定される露光パルス幅の時間だ
け発光するように制御される。
【0069】信号変換部3を詳細に説明する。記録部5
においては、副走査(感光体ドラム24の回転)に合わ
せて固体発光素子アレイ22の発光時間(露光パルス
幅)が制御されることにより、1画素内の副走査方向の
記録幅を可変して記録濃度を変え、また固体発光素子ア
レイ22の発光開始タイミング(露光パルス開始タイミ
ング)が制御されて記録位置が変えられることにより、
濃度の安定した階調画像の記録を可能とする。信号変換
部3は、加算器2から入力される画像信号の画素濃度値
を記録部5での記録幅及び記録位置を規定する記録制御
信号、つまり固体発光素子アレイ22での各画素の露光
パルス幅及び露光パルス開始タイミングの情報に変換す
る。
【0070】この信号変換部3の働きについて、更に詳
細に説明する。信号変換部3は、大きく分けて次の2つ
の機能を有する。第1の機能は、画素単位では数レベル
程度にレベル数が限られた記録制御信号により、例えば
256階調といったレベル数の記録濃度を表現する機能
である。第2の機能は、感光体ドラム24上に形成され
るトナー像における連結した画点の大きさがあまり小さ
くならないようにする機能である。
【0071】まず、256階調の記録濃度を表現するメ
カニズムについて説明する。本第2実施形態において
は、記録濃度を感光体ドラム24上の潜像分布の大き
さ、つまり感光体ドラム24上に照射する露光光のパル
ス幅(露光パルス幅)により制御する。しかし、一般に
1画素を記録するための露光パルス幅は通常、数μ秒又
はそれ以下のオーダーであり、これより細かく分割した
単位で露光パルス幅を制御すると、その分割数だけ高速
な制御が必要となり、回路コストが高くなったり動作が
不安定になるため、通常は分割数をあまり大きくとるこ
とができない。例えば露光パルス幅を15分割すると、
1画素当たり16通りにしか露光パルス幅の制御を行う
ことができず、256階調の記録濃度を表現することは
できない。また、実際には露光パルス幅と記録濃度の関
係は非線形であることから、仮に露光パルス幅を256
分割したとしても、記録濃度を均等に1/256レベル
のステップで制御することはできない。
【0072】このように制御レベル数(この場合は、露
光パルス幅の分割数)が限られている場合に十分な階調
を表現する方法として、本実施形態では誤差拡散法が用
いられる。誤差拡散法は、よく知られているように高解
像度では階調分解能が低いという人間の視覚特性を利用
した方法で、注目画素における量子化誤差を隣接画素に
分配することにより、複数画素の組の単位で所望の記録
濃度を再現するものである。この誤差拡散は、加算器2
において誤差拡散部8の出力に基づいて行われる。
【0073】図21は、記録部5により記録紙45上に
記録される画像の画素配列を示している。図21におい
て、横方向が主走査方向(固体発光素子アレイ22の配
列方向)、縦方向が副走査方向(感光体ドラム24の回
転方向=記録紙45の送り方向)を表わす。主走査方向
及び副走査方向にそれぞれ並んだ数字は、主走査方向及
び副走査方向における画素位置(X)、(Y)を表わ
し、また各画素を副走査方向に複数(図の例では4個)
に分割した領域内に示した数字は領域の位置を表わして
いる。
【0074】この場合、信号変換部3から出力される記
録制御信号により、奇数番目(1、3、…)の主走査ラ
インと偶数番目(2、4、…)の主走査ラインとで、そ
れぞれ発光開始タイミングを異ならせ、奇数番目の主走
査ラインでは画素の図中上端を基準(以下、「前基準」
という)として記録幅を増加させ、偶数番目の主走査ラ
インでは画素の図中下端を基準(以下、「後基準」とい
う)として記録幅を増加させることにより、階調画像を
記録するようにする。
【0075】このように1画素内の記録幅の制御により
多階調の表現を可能とし、かつ記録位置の制御によって
低濃度領域では画点を集中的に配置することにより、濃
度の安定化とばらつきノイズの低減を図ることができ
る。
【0076】図22に、図18の信号変換部3と記録濃
度推定部9の詳細な構成を示す。信号変換部3は、図2
2中に示されるようにROMによって実現することがで
きる。この信号変換部3に用いるROMには、例えば図
23に示すようなテーブルが格納されている。図23に
おいて、「画素濃度値」は信号変換部3に画像入力部1
から加算器2を介して入力される画像信号の各画素の画
素濃度値であり、256レベルの値を持つ。「画素位
置」は図21のX、Yを表わし、この場合は副走査方向
の画素位置Yのみが用いられる。「出力」は信号変換部
3から出力される記録制御信号であり、図23に示す例
では図21に示した画素配列に対応して、例えば0〜4
の記録幅を表わす3ビットの記録幅情報(図23におい
て「幅」で示す)と、1〜4の記録位置を表わす2ビッ
トの記録位置情報(図23において「位置」で示す)と
からなっている。すなわち、記録幅情報は図21におい
て1画素内の4つの領域のいくつを記録に用いるかを表
わす情報であり、記録位置情報はこれら4つの領域のど
の位置から記録を開始するかを表わす情報である。
【0077】記録濃度推定部9について説明する。記録
濃度推定部9は、前述したように信号変換部3から出力
される記録制御信号に基づいて記録部5での記録濃度を
推定し、記録濃度推定値を出力する。一般に、電子写真
方式のように記録画像に多少滲みが生じる記録系では、
各画素の記録濃度が隣接画素の影響を受ける。そこで、
記録濃度推定部9では例えば図22中に示されるよう
に、信号変換部3のROMから出力される記録制御信号
の隣接する4画素のデータから、推定した記録濃度を決
定する。
【0078】すなわち、記録制御信号をラインメモリ5
6と1画素遅延用のラッチ57に入力し、ラインメモリ
56から取り出した、現画素(注目画素)が属する主走
査ラインの1ライン前のラインの2画素のデータD1、
D2と、ラッチ57から取り出した1画素前のデータD
3と、現画素のデータD4の計4画素のデータから、記
録濃度決定部58により現画素の記録濃度を計算により
求めて決定する。
【0079】この記録濃度の決定において最も正確な方
法は、4画素のデータD1〜D4の全ての組み合わせで
実際に記録実験を行い、その実験結果に基づいて記録濃
度を測定し、この記録濃度測定結果をROMに格納する
方法である。しかし、この例では記録制御信号を1画素
当たり5ビットのデータで表現しているため、記録濃度
の決定に4画素のデータを用いると、ROMに格納する
記録濃度データは20ビットの組み合わせになり、RO
Mの規模がかなり大きくなる。本実施形態では図21に
示したように1画素を4つの領域に分割しているため、
工夫次第で16ビットの組み合わせも可能となるが、そ
れでもROMの規模は依然として大きなものとなる。
【0080】実際に記録実験を行った結果によると、記
録画像において各画素の記録位置(画点位置)が微妙に
変化しても記録濃度はあまり大きな変化を示さない。そ
こで、記録制御信号を記録幅情報と記録位置情報とに分
離し、記録幅情報については各々4画素のデータD1〜
D4の記録幅情報の和(4画素の濃度和に相当する)を
求め、記録位置情報については各画素当たり1ビット、
つまり前基準と後基準とを区別する情報のみを抽出し、
4画素で4ビットの情報として4画素の記録幅情報の和
を補正することでも、かなり正確な記録濃度の推定が可
能となる。
【0081】図24は、このような方法により簡略化し
た記録濃度推定部9の構成を示す図である。記録制御信
号の4画素のデータD1〜D4(図22参照)を5ビッ
ト入力のROM(論理回路でもよい)61〜64に入力
し、3ビットの記録幅情報と、記録位置情報のうちの前
基準と後基準とを区別する1ビットデータとを分離して
取り出す。なお、ROM61〜64から出力されるべき
記録位置情報の1ビットデータは、図23の「幅」と
「位置」の情報から求められる。すなわち、記録位置情
報の1ビットデータは、「位置」が1であれば「幅」に
関係なく1、「位置」が2で「幅」が1又は2であれば
1、「位置」が3で「幅」が1であれば0、「位置」と
「幅」との和が5であれば0、「位置」が1でかつ「位
置」と「幅」との和が5であれば“0”又は1のように
設定される。
【0082】そして、記録幅情報の3ビットデータを加
算器65で加算した4ビットデータと、4画素の記録位
置情報の1ビットデータを8ビット入力のROM66に
入力し、前者のデータを後者のデータで補正した8ビッ
トの記録濃度データを得る。ROM66は、4画素での
前基準、後基準の16通りの組み合わせに対してそれぞ
れ16レベルの組み合わせ、すなわち256回の記録実
験を行って記録濃度を測定したものを格納することで作
成することができる。なお、実際には対称形の組み合わ
せは記録濃度が同じとなるため、全ての組み合わせで記
録実験を行う必要はなく、1/4の64回の記録実験を
行えばよい。
【0083】この方法は1画素の分割数を4より増やし
た場合でも同様に適用することが可能であり、例えば8
分割した場合では記録位置の基準は同じで、記録幅情報
が1ビット増えるのみであるため、記録濃度決定のため
のROMは9ビット入力のものでよく、また1画素を9
分割した場合でも10ビット入力のROMでよいことに
なり、記録濃度の推定精度を上げた場合でもハードウェ
ア規模の増大はほとんどない。
【0084】上記のようにして記録濃度推定部9で得ら
れた濃度推定値は、減算器7により加算器2から出力さ
れる補正後の画素濃度値との誤差が求められ、この誤差
信号が注目画素の近傍画素に拡散され、その総和が次の
画素の画素濃度値に加算器2で加算される。このような
誤差拡散処理により、ある画素で画素濃度値と記録濃度
値との間に誤差が生じても、その誤差は隣接する画素に
繰り込まれるので、マクロな領域での濃度は再現され
る。
【0085】一般的に、記録濃度推定値と実際の記録濃
度との間には誤差が生ずる。この原因は、一つには記録
制御信号により規定される記録幅(露光パルス幅)の制
御レベル数が必要階調数に比べ少ないことによるが、も
う一つの原因として記録制御信号を記録濃度が画像濃度
値に近くなるような値を選ばないことによるものであ
る。これは後述するように、信号変換部3では画点の大
きさがある程度の大きさになるような記録制御信号を出
力するため、ミクロ的に最も近い記録濃度を再現するよ
うな記録幅を必ずしも選ばないためである。しかし、こ
のような記録濃度推定値と実際の記録濃度との間の誤差
は、誤差拡散により次の画素に繰り込まれるため、マク
ロな領域での記録濃度は正しく再現できる。
【0086】このように本実施形態では、各画素毎に入
力画像信号の画素濃値に応じて微細パターン情報、すな
わち記録幅と記録位置を決めているため、画像信号の急
峻な変化に対しても十分な応答が可能となり、高精細な
画像の表現が可能となる。
【0087】一方、記録濃度については隣接画素の影響
及び1画点内での位置に依存する濃度変化も加味して推
定しているため、高精度に記録濃度情報をフィードバッ
クして誤差拡散を行うことが可能となり、極めて正確な
濃度を表現可能となる。
【0088】図25は、信号変換部3を構成するROM
に格納するテーブルの他の例を示す図である。図25
は、副走査方向の画素位置Yのみでなく、主走査方向の
画素位置Xによっても記録幅情報及び記録位置情報を変
えている点が図23と異なる。信号変換部3を図23に
示したテーブルを格納したROMにより実現した場合、
Xが奇数である奇数列、Xが偶数である偶数列とも記録
幅情報及び記録位置情報は同じであり、記録画像の微細
パターンは同じ配列となるから、記録画像は均一濃度の
中間調を表現するときは主走査方向に連なった線条のパ
ターン、すなわち横線基調のパターンとなる。
【0089】これに対し、信号変換部3を構成するRO
Mに図25に示すように奇数列と偶数列とで記録幅情報
及び記録位置情報が異なり、記録画像の微細パターンの
配列が異なるようなテーブルを格納すると、記録画像は
低濃度では副走査方向に延びた線条のパターンとなり、
高濃度になると十字パターンが連なったパターンとな
る。すなわち、図26(a)に示されるように低濃度で
は副走査方向に少し延びた線条パターンであり、中濃度
では図26(b)に示されるように副走査方向に連続し
た線条パターン、つまり縦線基調のパターンとなる。
【0090】図2中に示したような感光体ドラム24と
現像器42の現像ローラ42aとが接触する、いわゆる
接触現像系では、感光体ドラム24と現像ローラ42a
とに周速差があるため、現像ローラ42aから感光体ド
ラム24に供給されたトナーが現像ローラ42aからの
影響を受け易く、微細パターンが変形・欠落することが
ある。しかし、図26(b)に示されるように副走査方
向、つまり現像ローラと感光体ドラム24とがすれる方
向に連なったパターンでは、微細パターンの変形や欠落
が少なく、ザラツキノイズの小さい記録が可能となる。
中濃度以上では図26(c)に示されるように十字状の
パターンとなり、この場合も安定にトナーが付着され
る。
【0091】このような微細パターンによると、一成分
非磁性トナーによる接触現像のように感光体ドラム24
と現像ローラ42aが接触するような現像系でも、比較
的安定した階調表現が可能となる。また、感光体ドラム
24の偏心による記録画点のむらなどに対しても強いと
いう特性があり、ザラツキノイズも小さくなるなどの特
徴がある。なお、図26(b)のパターンから図26
(c)のパターンに移行するときに記録濃度が急に上昇
する傾向があるが、完全に副走査方向に連結する少し手
前で主走査方向に画点を増加することで、このような記
録濃度の急上昇を緩和することが可能となる。
【0092】図27は、図25のテーブルを用いた場合
の記録画像の微細パターンの種々の組み合わせの例であ
り、偶数列と奇数列の画点幅の関係をそれぞれ縦軸、横
軸に表わしている。図27のP2に示す経線図による
と、まず始めに奇数列で副走査方向に4分割された領域
のうち3領域にわたる記録幅分を記録し、次に偶数列で
残りの1領域の記録幅分を記録する。次に再び奇数列で
1領域の記録幅分記録し、更に偶数列で1領域の記録幅
分記録する。このようにすることで、階調の急激な変化
を軽減することが可能となる。
【0093】また、図26(b)〜図26(d)に示さ
れるように副走査方向が完全に連なった場合は、図27
のP1の経線図となる。すなわち奇数列で4領域の記録
幅分線条に記録し、その後偶数列で4領域の記録幅分ベ
タ濃度まで記録する。また、図27のP3は図23のテ
ーブルで記録した例である。
【0094】このように奇数列と偶数列での記録レベル
を組み合わせることで、種々の微細パターンの組み合わ
せが可能となり、画素形成の記録特性に合わせてザラツ
キノイズの低減や階調特性の安定化を図ることが可能と
なる。
【0095】なお、本実施形態ではモノクロ画像の画像
記録装置について説明したが、カラー画像記録装置も適
用することができ、その場合より顕著な効果が得られ
る。その場合、記録部は例えばイエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のインクを用
いてカラー画像を記録するが、記録制御信号はこれらの
各色についてそれぞれ独立に生成される。また、カラー
プリンタの位置ずれが1画点前後もしくは1画点以下程
度と小さい場合には、Y、M、C、Kの色毎に図23や
図25のテーブルにおける「位置」の情報を変化させる
ことで、安定な色再現が可能となる。しかし、実際のカ
ラープリンタの記録系では、1.5画素程度の位置ずれ
が生じることが多く、各色同一の記録位置の制御であっ
ても実際に記録された色再現は平均的な記録画点位置で
決定されるため、特に大きく色再現色の変動することは
少ない。
【0096】(第3実施形態)本実施形態では、中間調
画像と文字及び線画像が全て中間調データとして処理さ
れ入力されるケースについて、中間調画像は中間調の再
現を忠実に、文字及び線画像は鮮鋭感を優先して再現す
る例について説明する。
【0097】画像信号源(つまり画像入力部1の出力)
としては、スキャナの出力信号や、中間調の多値画素デ
ータはそのまま出力し文字や線画のコード信号に対して
ビットマップの画素データを発生するプリンタコントロ
ーラ出力を仮定している。例えば、図28のように線が
斜めに記録される場合には、それぞれの画点での面積率
の中間調データを発生するものを画像信号源とする。す
なわち、図28で△、○、□をそれぞれ小さな印字率、
中間印字率、ベタ印字率とする。
【0098】この場合、画像はもともとは線図形である
ので、第2実施形態のように単純に奇数ラインと偶数ラ
インにおいてそれぞれ前基準、後基準で記録幅を増加す
ることは、線分をシャープに表現する上では好ましくな
い。そこで、本実施形態では入力画像信号のパターン
(種類)を調査することで、線画像の一部もしくは鮮鋭
感を向上出来るパターンであるかどうかを判別し、線画
像の一部もしくは鮮鋭感の向上が可能なパターンであれ
ば線画像の再現がより忠実になるように、具体的にはよ
りシャープに再現されるように前基準、後基準を決定す
る。また、線画像の一部でないか、もしくは鮮鋭感を向
上出来ないパターンであれば、第2実施形態と同様に奇
数ライン及び偶数ラインにより、前基準、後基準を決定
する。すなわち、第2実施形態で決定した記録位置の変
更は行わないものとする。
【0099】図29は、このような機能を有する本実施
形態に係る画像記録装置の構成を示すブロック図であ
り、図18と相対応する部分に同一符号を付してある。
図29においては、画像入力部1からの画像信号の種類
を判別する画像判別部11と、この画像判別部11の判
別結果に従って、信号変換部3から出力される記録制御
信号の記録位置情報を変えることによって記録位置を変
更する記録位置変更部12が設けられている。
【0100】画像判別部11では、画像入力部1からの
画像信号の種類を画像のパターンから判別し、その判別
結果に基づいて前基準とするか後基準とするかの判定を
行う。すなわち、画像判別部11により画像信号が線画
像の一部かもしくは鮮鋭感を向上できるパターンである
と判定された場合には、信号変換部3から出力される量
子化された記録制御信号の記録位置情報の内容が記録位
置変更部12で書き換えられる。線画像の一部もしくは
鮮鋭感を向上出来るパターンであると判定されなかった
場合には、このような記録位置情報の書き換えは行われ
ない。
【0101】また、記録位置変更部12で記録位置情報
が書き換えられた場合には、記録濃度推定部9から出力
される記録濃度推定値が修正される。すなわち、記録画
像の鮮鋭さが強調されて濃度が変化した場合には、信号
変換部3から記録位置変更部12を経て記録濃度推定部
9に入力される記録制御信号の記録位置情報が変化する
ので、その分だけ図22のROMに入力されるアドレス
値が変わり、記録濃度推定値が修正されることにより、
誤差拡散のループによって全体的な記録濃度は保たれる
こととなる。
【0102】図30に、画像判別部11の詳細な構成を
示す。画像入力部1から入力される画像信号をラインメ
モリ71、72、73、74により遅延させ、1ライン
目から5ライン目までの同列の画像データを並列に取り
出す。3ライン目の遅延された画像データは、図29の
加算器2にも入力される。1ライン目〜5ライン目の画
像データは、ROM又は論理回路により構成される多値
/2値判定回路75、76、77、78、79により濃
度0(x=0)、中間調(0<x<1)及びベタ濃度
(x=1)の識別が行われ、2ビットのデータに変換さ
れる。鮮鋭感強調判定ROM80では、多値/2値判定
回路75、76、77、78、79からの各ラインの2
ビットデータにより鮮鋭感が強調可能かどうかの判定を
行い、強調が可能であったなら前基準、後基準のデータ
を出力する。
【0103】図31は、鮮鋭感強調判定ROM80に格
納されるテーブルの例であり、入力値p(p1〜p5)
と出力値dとの関係を示している。また、図32に上下
3画素内又は5画素内で記録位置の変更を行う様子を示
す。図32において、破線は記録しない領域、実線は記
録する領域を示す。
【0104】図31の例では画像信号が中間調であると
きのみ(p3=1)、記録位置が変更される。画像信号
が白もしくはベタでは、記録位置は必ず画素の端部であ
り、その変更は不可能であるためである。また、2値デ
ータの近傍の中間調で反対側が白の場合は、線分のエッ
ジであるため、その中間調はベタ側に寄せる。すなわ
ち、隣接する2つの画点の一方がベタで、他方が白の場
合(図31でa及びbの場合、つまりp2=2でp4=
0か、又はp4=2でp2=0の場合)は、図32にお
いて(a1)を(a2)のように、また(b1)を(b
2)のように、記録位置をベタ画点側に変更する。こう
すると線がぼけることなく、エッジがシャープになり、
主走査方向に平行に近い斜め線ではザラツキノイズが小
さくなる。
【0105】また、隣接する画点の一方が中間調で他方
が白、その更に両側に隣接する画点が白の場合、つまり
細い線分が2画点にまたがって走査されるか、もしくは
ラスタライズされた画像の場合(図31でc及びdの場
合)は、線分が細くなるように記録位置を変更する。す
なわち、図32において(c1)を(c2)に、また
(d1)を(d2)に記録位置を変更する。これら以外
では、記録位置の変更は行わない。このようにすること
で斜め線のザラツキノイズを低減し、更にシャープな画
像を再現することが可能となる。
【0106】なお、記録位置の変更は再現画像がよりシ
ャープに更にザラツキノイズを低減するように選択すれ
ば良く、図31のテーブルに従って記録位置の変更を行
うことには限定されない。また、鮮鋭感強調判定部は必
ずしもROMで構成する必要はなく、論理回路で構成し
てもよい。
【0107】また、本実施形態では入力画像信号の画像
の種別を入力画像信号から直接判定して記録位置の変更
の有効性を判定したが、信号変換部3から出力される記
録制御信号、すなわち量子化された画像信号から入力画
像信号の画像の種別を判定し、それに基づいて記録位置
の変更を行ってもよい。この場合にも、記録位置の変更
処理は図30と同様の構成で実現することが可能とな
る。但し、この場合には画像入力部1からの入力画像信
号に代えて、量子化された記録制御信号中の記録幅情報
のみを用いればよいため、ラインメモリ71〜74の記
憶容量は小さくてよい。
【0108】更に、本実施形態では入力画像信号の種類
(画像パターンの配列)により記録位置の変更を行うこ
とで鮮鋭感を得る処理を説明したが、入力画像信号に対
して良く知られた高域成分の強調を行ってから本実施形
態の処理を行うと、更に効果的となる。すなわち、第2
実施形態及び第3実施形態では多値の誤差拡散が基本と
なっており、このような処理を行うと一般に画像データ
はぼけ画像に変換される。しかし、このぼけを補う意味
で高域強調を行うと、よりシャープな画像を得ることが
できる。更に、その場合には高域強調を行って記録位置
の変更が必要かどうかの識別が行われることとなるの
で、エッジの検出がより容易となり、鮮鋭感を有効に強
調することが可能となる。
【0109】(第4実施形態)図33は、本実施形態に
係る画像記録装置の構成を示す図であり、図18に示し
た第3実施形態において記憶部13が追加されている。
記憶部13はラインメモリによって構成され、信号変換
部3から出力される記録制御信号を1ライン分記憶す
る。記憶部13の出力は信号変換部3と記録濃度推定部
9に入力される。
【0110】この場合、信号変換部3は記憶部13から
出力される注目画素以前に既に変換された画素の記録制
御信号を参照して、注目画素の記録制御信号を決定す
る。具体的な決定方法は後述する。こうして決定された
記録制御信号は、制御信号変換部3の出力信号となると
ともに、記憶部13に記憶される。
【0111】一方、記録濃度推定部9では注目画素の近
傍の記録制御信号の組より、注目画素での記録濃度を推
定し、記録濃度推定値を出力する。記録濃度推定部9か
ら出力される記録濃度推定値は、第2実施形態と同様に
減算器7により加算器2から出力される補正後の画素濃
度値から減算され、これにより誤差信号が生成される。
そして、この誤差信号が誤差拡散部8に入力されること
により、画像入力部1からの画像信号に対して誤差拡散
が行われる。
【0112】本実施形態における記録濃度推定部9は、
ラインメモリからなる記憶部13に記憶された、注目画
素とその近傍画素の記録制御信号の組より注目画素近傍
の記録濃度を推定する。これは必ずしも記録制御信号に
より規定される記録幅(露光パルス幅)が記録濃度に比
例せず、露光パルスの位置関係によっても記録濃度が異
なるからである。例えば、注目画素の周辺の画素の記録
制御信号(露光パルス)が図34に示すような分布であ
るとすると、感光体ドラム24上の光の分布は図35の
ようになる。これより電位分布及びトナー量分布を計算
することによって、記録濃度を推定することができる。
露光量と現像されるトナー量の関係は前記の図5にした
ような非線形な特性を持つので、図34(a)(b)の
ように同じデューティ50%の露光パルス幅でも、露光
パルス開始時間が異なると、記録濃度も異なることがあ
る。
【0113】本実施形態は、記録画像の画点がある程度
の大きさになるように制御を行うことが特徴である。画
点とは、感光体ドラム24上でトナーが付着される連結
した領域のことである。前述したように、露光パルス幅
が短いと感光体ドラム24上の電位は中程度の電位の領
域が多くなり、濃度安定性が悪くなったり、ざらつきノ
イズが増えたりする。従って、これらを防ぐには、露光
制御信号のオン・オフの境界がなるべく少なくなるよう
にすればよい。しかし、この境界を大きくし過ぎると粒
状性が強くなり、かえって画質が低下するので、適当な
値に制御する必要がある。
【0114】特に、低濃度領域では全体の面積に対する
画点面積の比率を小さくする必要があるが、1つの画点
を小さくすると露光量が低くなり、濃度安定性が著しく
悪化する。このため、低濃度領域ではある程度粒状性が
目立っても、画点間を大きくし、画点の大きさが小さく
なり過ぎないように制御する必要がある。
【0115】このように記録幅つまり画点の大きさが小
さくなり過ぎないようにするため、本実施形態では信号
変換部3において注目画素と既に決定したその周辺画素
での記録制御信号を参照して、注目画素の記録制御信号
を決定する。図36に、信号変換部3で注目画素の記録
制御信号を決定する際の参照範囲を示す。図中でX印は
注目画素である。斜線部分は既に記録制御信号が決定さ
れた画素であり、これらの画素の記録制御信号は記憶部
13に記憶されている。本実施形態では注目画素Xの上
及び左の隣接画素の記録制御信号と、注目画素Xの記録
濃度値から注目画素Xの記録制御信号を決定する。この
決定手順について説明する。
【0116】まず、注目画素Xの記録濃度値より記録制
御信号の暫定的な記録幅情報、つまり露光パルス幅Tを
決定する。これは単に比例計算により決めてもよいが、
本実施形態では記録系の特性を考慮して、図37に示す
感光体ドラム上の記録濃度と露光パルス幅との非線形の
関係を用いている。
【0117】次に、表1に示すように、注目画素Xの隣
接画素A、Bの記録制御信号によって、注目画素Xの記
録制御信号を決定する。表1は、隣接画素A、Bの記録
制御信号(記録幅情報=パルス幅、記録位置情報=パル
ス位置)の16通りの組み合わせに対する注目画素Xの
記録制御信号を示している。表1に対応する16通りの
記録パターンを図38に示す。図38は、図36と同様
に横方向が主走査方向、縦方向が副走査方向をそれぞれ
表わし、右下の画素が記録制御信号を決定すべき注目画
素X、注目画素Xの上方及び左方の画素が参照される隣
接画素A、Bを表わす。隣接画素A、B内の斜線部分が
その画素の記録制御信号の記録幅情報と記録位置情報を
表わす。
【0118】
【表1】
【0119】表1に示す記録制御信号の決定規則の考え
方について説明する。ここでは、次の3つの考え方に基
づいている。第1に、注目画素Xの隣接画素に画点がな
い場合、又は左方の隣接画素に画点がなく、上方の隣接
画素の上方に画点がある場合には、注目画素Xは孤立点
となり易いので、これを防ぐために露光パルス幅を本来
の露光パルス幅よりも小さくし、なおかつ露光パルス位
置を後方にする。この場合、注目画素Xの記録濃度は本
来の計算値より小さくなるため、誤差拡散処理の効果に
より隣接画素には大きな画点が記録され易くなる。これ
により、小さい画点が形成されにくくなる。
【0120】第2に、注目画素Xの左方の隣接画素に画
点がある場合は、その画点に連結するようにパルス位置
を決定する。すなわち、注目画素Xの露光パルス位置を
左方の隣接画素の露光パルス位置に合わせる。但し、こ
の露光パルス幅が狭いと孤立的になるので、ある程度以
上の露光パルス幅が得られない場合は、露光パルス幅を
広くするか、あるいは0にする。
【0121】第3に、注目画素Xの上方の隣接画素の下
方に画点がある場合、その画点に連結するように注目画
素Xの画点を前方に配置する。この場合、画点が大きい
方が安定となるので、露光パルス幅は本来の値より大き
くする。
【0122】実際には、これらの3つの条件は排他的で
はないので、これらの組合わせの条件も生ずるが、この
場合はそのパターンの形状から適当なものを選んでい
る。図39に、信号変換部3での処理の具体例を示す。
図39における画素の配置及び斜線部分の意味は図38
と同様であり、注目画素X内の斜線部分が決定された記
録制御信号の記録幅と記録位置を表わす。
【0123】図39(a)は、注目画素Xの上方向及び
左方向の2つの隣接画素A、Bの画点がない場合、すな
わち注目画素Xの記録制御信号が共に0で、注目画素X
の露光パルス幅の暫定値がT=0.7の場合である。こ
の場合は、条件1に従い注目画素Xの記録制御信号は露
光パルス位置が下方で露光パルス幅が0.2の信号とな
る。このように注目画素Xの上方及び下方の隣接画素
A、Bに画点が形成されない場合は、注目画素X内の下
部に画点が形成されるので、画点間の距離が広がるとと
もに、誤差拡散処理による濃度保存のメカニズムにより
画点が大きくなり、孤立点となりにくくなる。
【0124】図39(b)は、注目画素Xの左方の隣接
画素Bに画点があり、上方の隣接画素Aに画点がない場
合で、注目画素Xのパルス幅暫定値が0.5の場合であ
る。この場合は、条件5に従い注目画素Xの記録制御信
号は露光パルス位置が上方で露光パルス幅が0.5の信
号となる。これにより注目画素Xの画点は、左方の隣接
画素の画点と連結し、画点の孤立化が防止される。
【0125】図39(c)は、注目画素Xの上方の参照
画素Aに画点があり、左方の隣接画素Bに画点がない場
合で、注目画素Xの露光パルス幅の暫定値が0.3の場
合である。この場合は、条件3に従い注目画素Xの記録
制御信号は露光パルス位置が上方で露光パルス幅が0.
5の信号となる。これにより、注目画素Xの画点は上方
の隣接画素Aの画点と連結し、画点の孤立化が防止され
る。
【0126】上記のように本実施形態では、注目画素X
の隣接画素A、Bの画点とその位置から注目画素Xの記
録制御信号を決定することにより、画点のつながりを制
御でき、従って現像時に記録濃度が不安定になりやすい
感光体ドラム上の中間電位の領域を小さくすることがで
きる。
【0127】なお、本実施形態では注目画素Xの記録制
御信号の決定に用いる参照画素として注目画素Xに隣接
する2つの隣接画素を用いたが、参照画素を更に多くと
ることによって、注目画素Xの画点の大きさをより精度
よく制御することが可能となる。
【0128】このように本実施形態によれば、記録制御
信号を決定する際に、注目画素の周囲の画素の記録制御
信号をも参照することにより、注目画素の画点を適正な
大きさとなるように制御することができる。これによ
り、濃度安定性を高めたまま粒状性の低い画像を記録す
ることができる。
【0129】(第5実施形態)本実施形態では、感光体
ドラムの露光に第2実施形態〜第4実施形態の固体発光
素子アレイによる走査に代えて、第1実施形態と同様
に、レーザによる走査光学系を用いた例について説明す
る。
【0130】図6と重複するが、図40に、本実施形態
に係る画像記録装置における記録部の構成を示す。図4
0において、パルス幅変換部51には信号変換部3から
出力される記録制御信号S1が入力される。パルス幅変
換部51は、ディジタル信号で表現された記録幅情報と
記録位置情報からなる記録制御信号S1を該信号S1の
値に応じたパルス幅の露光制御信号S2に変換する。こ
の露光制御信号S2は、感光体ドラムに照射される露光
光の発光開始時間と発光時間を制御する信号である。本
実施形態では記録制御信号S1を5ビットとし、これら
のうちの4ビットを発光時間制御ビットとし、1ビット
を発光開始時間制御ビットとしている。4ビットの発光
時間制御ビットは16値の数を表わし、この値がxの場
合、発光時間はa・x/15で与えられる。ここで、a
は1画素の時間幅である。また、1ビットの発光開始時
間制御ビットの“0”は、1画素の最初に発光を開始
し、“1”は1画素の最後に発光を終了することを意味
する。
【0131】図41は、パルス幅変換部51での実際の
信号変換の例であり、(a)が発光開始時間制御ビッ
ト、(b)が発光時間制御ビット、そして(c)が露光
制御信号S2である。1画素目では発光時間制御ビット
(b)の値が“15”なので、その間、露光記録制御信
号(c)は1となる。また、2画素目では発光時間制御
ビット(b)の値が“7”、発光開始時間制御ビット
(a)が“1”なので、1画素の最後の7/15の期間
だけ露光記録制御信号(c)は“1”となる。
【0132】このようにしてパルス幅変換部51から出
力される露光記録制御信号S2はレーザダイオード52
に入力され、レーザダイオード52から出射される光を
オン・オフ制御する。そして、レーザダイオード52か
ら出射された光は、集光レンズ53を介してポリゴンミ
ラー54で反射された後、レンズによる結像光学系55
により感光体ドラム24に集束されることにより、感光
体ドラム24の表面に静電潜像を形成する。ポリゴンミ
ラー54は回転しているので、その集束点は感光体ドラ
ム24の軸に平行に移動する。この際、感光体ドラム2
4の軸上のどの位置でも光が集束するように、結像光学
系55にはf−θレンズ系を用いている。
【0133】感光体ドラム24の表面は感光体材料より
なっており、露光前に図示しない帯電器により一様に帯
電されている。感光体ドラム24の表面は、光が照射さ
れるとその点に逆極性の電荷が発生し、帯電電位が打消
されることにより露光量に応じた電位分布が静電潜像と
して形成される。感光体ドラム24の露光量と表面電位
の関係は、例えば図3に示した通りである。
【0134】レーザダイオード52の発光は、露光制御
信号S2により制御される。この場合、露光制御信号S
2の1ラスタの長さとポリゴンミラー54の回転を同期
させ、露光制御信号S2のラスタ間隔に感光体ドラム2
4の回転速度を合わせることにより、入力画像信号に対
応した静電潜像が形成されることになる。
【0135】次に、図示しない現像ローラにより感光体
ドラム24上の静電電位に応じたトナーが感光体ドラム
24に付着され、これが記録紙に転写・定着されること
により、画像が記録紙上に形成される。現像系の構成は
図2と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0136】ここで、図42(a)に示す露光制御信号
S2が与えられた場合の感光体ドラム24上の露光光量
分布を図42(b)に示す。図42(b)において、斜
線で示した領域が露光部分であり、これは図42(a)
の露光制御信号に光のスポット形状を畳み込んだ形とな
る。
【0137】レーザダイオード52が点光源でないこと
や、結像光学系のボケなどにより、露光部分と非露光部
分の境では、露光量がなだらかに変化するので、図42
(b)の線A−A′上の露光光量分布は図42(c)の
ようになる。境界付近には中間の露光量の領域があり、
特に露光光のオン・オフの変化の多い部分では、この中
間露光量の領域の面積は多くなる。
【0138】ここで、第2実施形態〜第4実施形態にお
いては記録幅の変調方向が主走査方向(感光体ドラムの
回転軸に平行な方向)であったのに対し、本実施形態は
副走査方向(感光体ドラム24の回転方向)と平行であ
る点が異なる。そのため、信号変換部3ではそれに適し
たような記録制御信号を出力する。すなわち、本実施形
態の信号変換部3は基本的には第2実施形態〜第4実施
形態とほぼ同じであるが、制御信号の決定方法が第2実
施形態〜第4実施形態と異なっている。
【0139】表2は信号変換部3での記録制御信号決定
方法を示したものであり、表1に示した第4実施形態に
おける記録制御信号決定方法における隣接画素AとBの
位置を交換したものとなっている。
【0140】
【表2】
【0141】このように、本実施形態では露光系にレー
ザによる走査光学系を用いた場合において、第4実施形
態と同様に画点が適正な大きさになるような制御を行う
ことができるので、濃度安定性を高めたまま粒状性の低
い画像を記録することができるという第4実施形態と同
様の効果を得ることができる。
【0142】なお、第3実施形態〜第5実施形態につい
ても第2実施形態と同様にカラー画像記録装置への応用
が可能であることはいうまでもない。加えて、第1実施
形態に、第2実施形態〜第4実施形態の記録濃度推定部
9等を適用することも可能である。本発明は、上記の発
明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要
旨を変更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論
である。
【0143】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。以上のように、本発明によれば、安定な画素形成が
行われ、ノイズの少ない画像が得られる。また、多値の
記録制御が効果的に実施できるため、階調性が向上した
画像が得られる。また、従来よりも安定な記録が行われ
るため、温度や湿度などの環境条件の変動による画質の
変動や、感光体の感度むらなどによる画質変動、更に、
記録部に用いられる感光体や現像器などに接続される動
力駆動系からの機械的要因による画質変動も軽減するこ
とができる。
【0144】更に、本発明によれば入力される画像信号
の注目画素の画素濃度値をその注目画素の記録幅と記録
位置を規定する記録制御信号に変換してから記録部に供
給して画像を記録するとともに、この記録制御信号から
実際の記録濃度を推定して、その記録濃度推定値と画素
濃度値との誤差を入力画像信号に拡散させることによ
り、多値記録に適していない記録系を用いつつ、高精細
かつ低ノイズであって、また低濃度領域での濃度変化や
ざらつきなどのない良好な階調画像を記録することが可
能となる。
【0145】また、入力画像信号の種類に応じて、例え
ば画像の種類が線画像の一部又は鮮鋭感を向上できるよ
うなパターンについては、記録制御信号により規定され
る記録位置を変更することにより、鮮鋭感を向上させる
ことができる。
【0146】更に、注目画素の画素濃度値を記録制御信
号に変換する際、注目画素の周辺画素の記録制御信号を
も参照することにより、記録画像の画点が適性な大きさ
となるように制御できるため、濃度安定性を高めた状態
で粒状性の低い画像を記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係わる画像記録装置の構
成を示すブロック図。
【図2】 記録部の概略構成を示すブロック図。
【図3】 感光体ドラムの露光量と表面電位の関係を示
す図。
【図4】 感光体ドラムの表面電位とトナー付着量の関
係を示す図。
【図5】 感光体ドラムの露光量とトナー付着量の関係
を示す図。
【図6】 露光部の概略構成を示すブロック図。
【図7】 記録制御パターンの例。
【図8】 第1の信号変換部の構成の一例を示すブロッ
ク図。
【図9】 第1の信号変換部のROMに格納されるテー
ブルの一例を示す図。
【図10】 第2の信号変換部と制御信号バッファの構
成の一例を示すブロック図。
【図11】 第2の信号変換部のROMに格納されるテ
ーブルの一例を示す図。
【図12】 記録制御パターンの隣接画素との関係を示
す図。
【図13】 第2の信号変換部のROMに格納されるテ
ーブルの他の例を示す図。
【図14】 第2の信号変換部のROMに格納されるテ
ーブルの他の例を示す図。
【図15】 誤差拡散の動作を説明するための図。
【図16】 第2の信号変換部と隣接画素制御バッファ
の構成の他の例を示すブロック図。
【図17】 第2の信号変換部のROMに格納されるテ
ーブルの他の例を示す図。
【図18】 本発明の第2実施形態に係る画像記録装置
の構成を示すブロック図。
【図19】 図18における記録部の概略構成を示すブ
ロック図。
【図20】 図19における駆動回路部の構成を示すブ
ロック図。
【図21】 第2実施形態における記録紙上の画像の画
素配列を示す図。
【図22】 図18における信号変換部及び記録濃度推
定部の構成を示すブロック図。
【図23】 図18における信号変換部のROMに格納
されるテーブルの一例を示す図。
【図24】 図22における記録濃度決定部の構成を示
すブロック図。
【図25】 図18における信号変換部のROMに格納
されるテーブルの他の例を示す図。
【図26】 図25に示すテーブルを用いた場合の記録
画像上の縦線基調の微細パターンを示す図。
【図27】 微細パターンの種々の組み合わせを説明す
るための図。
【図28】 多値化された斜め線の画点データを示す
図。
【図29】 本発明の第3実施形態に係る画像記録装置
の構成を示すブロック図。
【図30】 図29における画像判別部の構成を示すブ
ロック図。
【図31】 図30におけるROMにおいてエッジ部の
条件から記録位置の変更を行うための処理アルゴリズム
を示す図。
【図32】 第3実施形態における記録位置の変更動作
を説明するための図。
【図33】 本発明の第4実施形態に係る画像記録装置
の構成を示すブロック図。
【図34】 第4実施形態における注目画素の周辺の画
素の記録制御信号の分布を示す図。
【図35】 図34における記録制御信号の分布に対応
した感光体ドラム上の露光光の分布を示す図。
【図36】 図33における信号変換部での注目画素の
記録制御信号決定方法を説明するための図。
【図37】 感光体ドラム上の記録濃度と露光パルス幅
との関係を示す図。
【図38】 第4実施形態における種々の記録パターン
を示す図。
【図39】 実施形態における具体的な記録パターンの
例を示す図。
【図40】 本発明の第5実施形態に係る画像記録装置
の構成を示す図。
【図41】 図40における信号変換部及びパルス幅変
換部の動作を説明するためのタイムチャート。
【図42】 図40における露光制御信号と感光体ドラ
ム上の露光光量分布との関係を示す図。
【図43】 記録量と現像量の関係を説明するための
図。
【符号の説明】
1…画像入力部 2…加算器 3…(第1の)信号変換部 4…第2の信号変換部(ROM) 5…記録部 6…制御信号バッファ 6a…ラインメモリ 6b…ラッチ 7…減算器 8…誤差拡散部 8a…誤差バッファ 8b…重み付け部 9…記録濃度推定部 11…画像判別部 12…記録位置変更部 13…記憶部 21…駆動回路部 22…露光部(固体発光素子アレイ) 23…ファイバレンズアレイ 24…感光体ドラム 31…シフトレジスタ 32…ラッチ 33、34…比較器 S3、S4…鋸歯状波信号 37…セレクタ 41…帯電器 42…現像器 42a…現像ローラ 43…転写ローラ 44…定着器 45…記録紙 46…除電ランプ 47…クリーナ 51…パルス幅変換部 52…レーザダイオード 53…集光レンズ 54…ポリゴンミラー 55…結像光学系 S1…記録制御信号 S2…露光制御信号 56…ラインメモリ 57…ラッチ D1、D2…1ライン前のラインの2画素のデータ D3…1画素前のデータ D4…現画素のデータ 58…記録濃度決定部 61〜64…ROM 65…加算器 66…ROM 71〜74…ラインメモリ 75〜79…多値/2値判定回路 80…鮮鋭感強調判定ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 5/00 H04N 1/405 G06F 15/68 320 A H04N 1/40 B (72)発明者 坂上 英一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 川上 晴子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力画像信号の注目画素の画素濃度値を、
    記録量を規定する第1の記録制御信号に変換する第1の
    信号変換手段と、 この注目画素に連結する少なくとも1つの隣接画素にお
    ける記録量を規定する隣接画素記録制御信号を参照し
    て、前記第1の記録制御信号を、この第1の記録制御信
    号に最も近く、かつ注目画素に対する画素形成が安定化
    する記録量を規定する第2の記録制御信号に変換する第
    2の信号変換手段と、 前記第2の記録制御信号に基づいて画像を記録する記録
    手段と、 前記画素濃度値と前記第2の記録制御信号における記録
    濃度値との誤差を、注目画素の周辺に位置する未処理画
    素の画素濃度値に拡散させる誤差拡散手段と、を具備す
    ることを特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】入力画像信号の注目画素の画素濃度値を、
    少なくとも記録幅からなる記録量を規定する第1の記録
    制御信号に変換する第1の信号変換手段と、 この注目画素に連結し、既に処理された少なくとも1つ
    の隣接画素における記録量を規定する隣接画素記録制御
    信号を参照して、前記第1の記録制御信号を、この第1
    の記録制御信号に最も近く、かつ注目画素に対する画素
    形成が安定化する記録幅と記録位置とからなる記録量を
    規定する第2の記録制御信号に変換する第2の信号変換
    手段と、 前記第2の記録制御信号に基づいて画像を記録する記録
    手段と、 前記画素濃度値と、前記第2の記録制御信号における記
    録量から算出される記録濃度値との誤差を、注目画素の
    周辺に位置する未処理画素の画素濃度値に拡散させる誤
    差拡散手段と、を具備することを特徴とする画像記録装
    置。
  3. 【請求項3】前記第2の信号変換手段は、注目画素に対
    する1つ前の画素における前記隣接画素記録制御信号を
    参照することを特徴とする請求項2記載の画像記録装
    置。
  4. 【請求項4】入力画像信号の注目画素の画素濃度値を記
    録制御信号に変換する信号変換手段と、 前記記録制御信号に基づいて画像を記録する記録手段
    と、 前記記録制御信号に基づく記録濃度値と画素濃度値との
    誤差を、注目画素の周辺に位置する未処理画素の画素濃
    度値に拡散させる誤差拡散手段と、と具備する画像記録
    装置において、 前記信号変換手段が、注目画素と、この注目画素に連結
    する周辺画素とに対応する記録パターン又は非記録パタ
    ーンが所定の連続量に達するように、注目画素の画素濃
    度値を、記録幅と記録位置とを規定する記録制御信号に
    変換することを特徴とする画像記録装置。
  5. 【請求項5】前記記録手段による記録に使用される記録
    制御信号から前記記録手段における記録濃度を推定して
    記録濃度推定値を出力する記録濃度推定手段を更に具備
    することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項4
    のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】入力される画像信号の注目画素の画素濃度
    値を、注目画素の記録幅と記録位置を規定する記録制御
    信号に変換する信号変換手段と、 前記記録制御信号に基づいて画像を記録する記録手段
    と、 前記記録制御信号から前記記録手段における記録濃度を
    推定し記録濃度推定値を出力する記録濃度推定手段と、 前記画素濃度値と前記記録濃度推定値との誤差を前記画
    像信号に拡散させる誤差拡散手段と、を具備することを
    特徴とする画像記録装置。
  7. 【請求項7】前記画像信号もしくは前記画像信号を量子
    化した信号から前記画像信号の種類を判別する判別手段
    と、 この判別手段の判別結果に基づいて前記記録制御信号に
    より規定される記録位置を変更する変更手段と、を更に
    具備することを特徴とする請求項6記載の画像記録装
    置。
  8. 【請求項8】前記信号変換手段は、前記注目画素の周辺
    画素の画素濃度値を変換した記録制御信号を参照して、
    当該画素の画素濃度値を前記記録制御信号に変換するこ
    とを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像記録
    装置。
  9. 【請求項9】前記記録濃度推定手段は、前記注目画素の
    周辺画素の画素濃度値を変換した記録制御信号を参照し
    て、当該画素の記録濃度を推定することを特徴とする請
    求項6、請求項7又は請求項8のいずれかに記載の画像
    記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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