JP2695910B2 - 冷蔵庫の消音装置 - Google Patents

冷蔵庫の消音装置

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JP2695910B2 JP1083578A JP8357889A JP2695910B2 JP 2695910 B2 JP2695910 B2 JP 2695910B2 JP 1083578 A JP1083578 A JP 1083578A JP 8357889 A JP8357889 A JP 8357889A JP 2695910 B2 JP2695910 B2 JP 2695910B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、冷蔵庫内に設置されたコンプレッサから発
生する騒音を消音する消音装置に関する。
(従来の技術) 冷蔵庫から発生する騒音の主なものはコンプレッサの
駆動音である。近年この様な騒音を消音する方法として
コンプレッサが設置されている機械室の構造をダクト構
造としてダクトの出入口で外部へ漏れる音を打ち消す方
法が考えられている。この方法は、逆相で、大きさの等
しい音波を人工的に発生させ、騒音と人工的に作った音
とを干渉させることによって消音している。第2図には
上記のように騒音を能動的に消音する手法は具体例が示
されている。この図の装置によると、コンプレッサのよ
うな音源1が発生した音がマイクロホン3などの受音器
によって電気信号に変換され、この信号がフィルタ等を
含む演算器4を介してスピーカ5等の制御用発音器に入
力信号として与えられる。即ち、音源1が発生している
音をS1,制御対象点2での音をR2とし、さらに各点間の
音響伝達関数をT11,T21,T12,T22とした時、2入力2出
力系として次の式が成り立つ。
上記手法では、制御対象点2での音響レベルを零にす
る事を目標としているので、R2=0とすることができ
る。従って、次式が得られる。
S2=(R1・T12)/(T12・T21−T11・T22) 上記式から判るように、R2=0にするには、マイクロ
ホン3で受けた音R1に次式で表わされるフィルタ係数F
が掛けらればよい。
F2=T12/(T12・T21−T11・T22)… (発明が解決しようとする課題) 上記のような構成の消音装置では次の様な問題があ
る。即ち、上記のような消音装置が搭載される冷蔵庫は
一度運転が開始されると故障や点検、移動等の理由が無
い限り停止しない、従って、5年ないし10年間連続して
運転されることがある、当然、消音装置も、その間連続
して運転されることになる、しかし消音装置を構成する
一部であるスピーカ5は、5年〜10年連続して使用する
と著しい劣化があり、なんらかの対策が必要となる。
又、上記のように構成される消音装置においては、消音
装置を構成するマイクロホン3や、フィルタを含む演算
器4に異常が発生すると、先に述べた消音を望む制御対
象点にダクトが持つ逆位相の伝達関数による音を発生す
ることができなくなる、最悪の場合、制御対象点にダク
トが持つ同相の伝達関数の音を発生することもあり、こ
のとき制御対象点でのコンプレッサ音の大きさは増加す
る。さらにダクトの共鳴周波数では共鳴音が発生するこ
ともある。
又、上述の消音装置の異常とは別にコンプレッサの異
常により消音装置の持つ消音能力を越えた騒音がコンプ
レッサから発生することもある。この様に従来の消音装
置で制御対象点2での消音を確実に行なうためには、な
んらかの対策が必要であった。
従って、この発明の目的は、冷蔵庫などの長期間連続
して使用する消音装置では、消音装置を構成する部品の
内、長時間運転により著しく劣化をきたすスピーカに対
するなんらかの対策をほどこし、さらに消音装置を構成
するマイクロホンや、フィルタを含む演算器の異常によ
り、消音対象である冷蔵庫のコンプレッサ音の騒音より
大きな騒音を冷蔵庫外に出してしまうことが無くかつ、
消音装置の異常とコンプレッサの異常を区別して適切な
対処ができる消音装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明に係る消音装置で
は、消音装置の長時間連続運転による消音用スピーカの
劣化を少なくするために冷蔵庫に使用されているコンプ
レッサからの騒音が、ある一定レベル、即ち人間が聞く
ことのできる暗騒音(定量的にはAウェイトを掛けた騒
音計で測定して30dB以下とされている)以上ならば、消
音を開始し、以下ならば、消音を行なわないようにする
ために、マイクロホンからの電気信号を検出し制御する
制御回路と、消音装置を構成するマイクロホンや、フィ
ルタを含む演算器の異常により、消音対象である冷蔵庫
のコンプレッサ音の騒音より大きな騒音を冷蔵庫外に出
してしまうことが無くかつ、消音装置の異常とコンプレ
ッサの異常を区別するための装置としてコンプレッサの
音を模擬した標準音発生器からの信号をスピーカから標
準音として冷蔵庫ダクト内に発生して制御点での消音が
適切に行なわれているかを知ることができる消音装置試
験回路を備えている。
(作 用) コンプレッサが配置されている冷蔵庫の機械室はコン
プレッサから発生する熱を冷蔵庫外に逃がすために熱の
出入口が設けられている。この熱の出入口を通して冷蔵
庫外にコンプレッサによる騒音がもれる。そのためにダ
クトの出入口冷蔵庫外に漏れる騒音を消すための消音装
置が必要となる。
ここで騒音の発生源であるコンプレッサの動作に注目
すると、コンプレッサは冷蔵庫内の温度が設定された温
度以下になると駆動を停止する。このとき、コンプレッ
サからの騒音は、当然発生していなく、従って消音装置
は動作する必要はなく停止してよい、またコンプレッサ
の騒音がある一定レベル、すなわち人間が聞くことので
きる暗騒音(定量的にはAウェイトを掛けた騒音計で測
定して30dB以下とされている)以上ならば消音を開始
し、以下ならば消音を行なわないようにするために、マ
イクロホンからの電気信号を検出し制御している。ま
た、フィルタを含む演算器では、消音対象であるコンプ
レッサの置かれている冷蔵庫の機械室の音響伝達関数を
演算して得られた次式のフィルタ係数が提供される。
F=T12/(T12・T21−T11・T22) …(1) この係数Fがマイクロホン3で受けたコンプレッサ音
に掛けられ、得られた音がスピーカ5から発生される。
本発明に組み込まれた、消音装置試験回路では、上述
の消音動作が正常に行なわれているかを試験するため
に、コンプレッサが停止しているとき、コンプレッサの
音を模擬した音が、標準音発生器から発生され、マイク
ロホンより受けた音の信号レベルをレベル比較器により
比較して消音装置の異常が検出される。このとき、異常
があれば、消音装置の動作が停止され、表示や音により
異常が知らされる。コンプレッサの異常の検出はコンプ
レッサ動作時の騒音をマイクロホンより受け暗騒音以上
のレベルで、かつ、予め設定した信号レベル以上である
かを、レベル比較器により検出して、ある一定レベル以
上になったときコンプレッサの異常と判断して表示や音
により異常が知らされる。
(実施例) 以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
第1図には一実施例に係る消音装置11の概略構成が示
されている。同図において、冷蔵庫の機械室2はダクト
構造となっている。コンプレッサ13が配置されている側
の壁aは閉塞されており、コンプレッサ13の配置されて
いる反対側はコンプレッサ13から発生する熱を逃すため
に、開口されている、従って、排熱と同時にコンプレッ
サからの、騒音も冷蔵庫外に漏れることとなる。開口部
bが消音をする制御対象点を示している。コンプレッサ
13で発生した音S1は、コンプレッサ13から所定の距離だ
け離れた位置に設けられた受音器、つまりマイクロホン
15によって電気的な信号、即ち騒音信号に変換される。
マイクロホン15の出力信号は、増幅器17によって増幅さ
れた後、A/D変換器18を介して演算器21に導入される。
メモリ20は、入力信号に前記(1)式で表わされる予め
定められたフィルタ係数が入力されており、この係数F
とA/D変換器から出力される騒音信号とが演算器21に入
力される。演算器21は係数Fと騒音信号とを演算し、消
音信号を出力する。この消音信号はコンプレッサ13から
発生する騒音の逆位相の音に対応する音響信号であり、
スイッチ30、D/A変換器22およびアンプ23を介してスピ
ーカ16に供給される。この消音信号は開口部bの消音制
御対象点より所定の距離に置かれているスピーカ16より
音として発生し、コンプレッサ13の騒音を打ち消す。
マイクロホン15から出力され、コンプレッサ13の騒音
に相当する騒音信号はレベル比較器27に入力され、比較
器内に予め設定された音騒音レベル(30dB)と比較さ
れ、騒音レベルが暗騒音レベル以下であると、比較器27
はA/D変換18、及び演算器21、及びD/A変換器22の動作を
停止する。又、入力騒音レベルが予め設定された暗騒音
レベル以上であると,まず、そのレベルが予め設定した
異常レベル以上であるか否かが判断される。異常レベル
であると判断された場合は、表示器28もしくはスピーカ
16により異常が知らされる。それ以外では、A/D変換器1
8及び、演算器21及び、D/A変換器22の動作は継続し、従
って、消音動作も継続する。
次に、消音装置の消音動作が正常に行なわれているか
を試験する動作を説明する。この場合、コンプレッサ13
が停止しているか否かがコンプレッサ13の駆動電源のO
N,OFFにより確認され、OFFのときは、スイッチ26がOFF
となり、リレー24が消勢される。このとき、コンプレッ
サ13の音を模擬した標準騒音に対応する標準音信号が標
準音発生器29から発生される。このとき、スイッチ30は
比較器27に切り換えられる。
標準騒音信号はD/A変換器22およびアンプ23を介して
スピーカ16に入力される。スピーカ16はコンプレッサ13
の騒音に対応する標準騒音を発生する。標準騒音はマイ
クロホン15により標準騒音信号に変換される。この標準
騒音信号は比較器27に入力され、またA/D変換器18を介
して演算器21に入力される。演算器21は標準騒音信号を
(1)式で示す係数で演算し、演算結果信号をスイッチ
30を介して比較器27に入力する。比較器27は標準騒音信
号と演算結果信号とを比較し、両者が不一致または所定
レベル差以上の差を有すると消音装置が異常であると判
断し、A/D変換18、及び演算器21、及びD/A変換器22の動
作を停止する。即ち、消音装置11の動作を停止する。こ
のとき、表示器28またはスピーカ16の音により異常が知
らされる。
[発明の効果] この発明によれば、所定騒音レベル以下の時には消音
装置を停止し手いるので、長時間運転に対しても消音用
スピーカの劣化を緩和する事ができ、かつ、消音装置の
機能を常に監視しているので、消音装置異常により、冷
蔵庫内のコンプレッサより発生する騒音以上の音を発生
させることない。またコンプレッサの異常が的確に判断
されるので、冷蔵庫の保守点検が容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例に係る冷蔵庫消音装置の概略構成図、
第2図は騒音を能動的に消音する手法の一例を示す図、
そして第3図は従来の実施例に係る、冷蔵庫消音装置の
概略構成図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷蔵庫のコンプレッサから発生する騒音を
    騒音信号に変換するマイクロホン手段および前記騒音信
    号に基づいて前記騒音を打ち消す音に対応する信号を発
    生する消音信号回路手段と、消音信号を発音させるスピ
    ーカ手段とを具備する消音装置において、コンプレッサ
    の標準騒音に対応する標準騒音信号を出力する標準騒音
    信号出力手段と、前記標準騒音信号に対応する標準騒音
    を前記スピーカ手段から発生させるための手段と、前記
    マイクロホン手段から出力される前記標準騒音に対応す
    る信号を前記消音信号発生手段から得られる信号と比較
    し、前記消音装置の動作状態を試験する試験手段とを有
    することを特徴とする消音装置。
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