JP2005164706A - ダクト内騒音低減装置 - Google Patents

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JP2005164706A JP2003400373A JP2003400373A JP2005164706A JP 2005164706 A JP2005164706 A JP 2005164706A JP 2003400373 A JP2003400373 A JP 2003400373A JP 2003400373 A JP2003400373 A JP 2003400373A JP 2005164706 A JP2005164706 A JP 2005164706A
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Abstract

【課題】 レファレンスマイクと付加音源スピーカとのハウリングを防止する。
【解決手段】 騒音源からの騒音を伝搬するダクトと、前記ダクト外であって、前記騒音の前記ダクトよりも上流側に設けられたレファレンスマイクと、前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内に前記騒音を低減するための付加音を放射する音響出力装置と、前記ダクト内に設けられ、前記騒音と前記付加音との合成音を検出するエラーマイクと、前記レファレンスマイクの出力と前記エラーマイクの出力に基づいて、前記エラーマイクの出力が最小になるように前記音響出力装置を制御する制御装置と、を備え、前記レファレンスマイクと前記音響出力装置との設置位置を、前記ダクトにより隔てられて直接対向しない位置とした、ものとして構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダクト内の騒音を低減する装置に関し、例えば、換気システムにおけるダクト内の騒音を低減するのに用いて好適な騒音低減装置に関する。
従来、換気システムとして、空調装置をダクトを介して外部と連通させたものがある。このようなものにおいては、空調装置の騒音がそのまま外部に洩れるのを防止するため、ダクト内を伝搬する騒音を何らかの手段で低減することが行われている。例えばダクト内の騒音の伝搬の上流側にレファレンスマイクを、下流側に付加音源スピーカを設けたものがある。このレファレンスマイクで騒音を検出し、これと逆位相の付加音を付加音源スピーカから放射させる。これにより、騒音は付加音と合成されて、低減される。
上記のようなシステムにおいて、レファレンスマイクと付加音源スピーカとの間にハウリングが生じることがある。このハウリングを回避するために2本のマイクを用いた2本マイク法が知られている(特許文献1参照)。即ち、レファレンスマイクを2本設け、2本のマイクの検出信号を用いて演算装置により制御することによりハウリングを低減するようにしたシステムが知られている。しかしながら、このシステムには、上記演算装置に大きな負荷がかかるという問題がある。例えば、ランダム音に対する騒音制御を行う際には、演算に時間がかかり、演算遅延に起因して因果律を満たす条件が厳しくなり、基本性能に皺寄せがくるという結果をもたらしていた。
これとは別に、物理的にハウリングを防止する手段を講じることも知られている。例えば、ダクト内において、レファレンスマイクと付加音源スピーカとの間に仕切りを設ける各種の手段が知られている(特許文献2,3,4参照)。このような手段には、ダクト内部への部材要素取り付けにより、通風路に対して障害物が設置されることになる。このため、ダクト内の空気抵抗が増加するのが避けられず、空調効率が悪化するのが避けられない。
特開平5−204386号公報 特開平8−231599号公報 特開平8−177455号公報 特開平8−232677号公報
前述のように、従来は、ダクト内を伝搬してくる騒音を低減するために、ダクト内で処理すべく、ダクト内に騒音を検出するレファレンスマイクと、騒音を低減するための付加音を発するための付加音源スピーカと、を設けていた。しかしながら、レファレンスマイクと付加音源スピーカとの間にハウリングが生じることも少なくなく、そのハウリングの対策が十分なものとはいえなかった。即ち、2本マイク法によると、ダクト中にダクトの基本性能を劣化させることなくハウリングが防止出来るものの、演算処理系に大きな負荷を掛ける問題が有った。一方、制御によらない手法としては、レファレンスマイクと付加音源スピーカの間に隔壁を設けることでハウリング防止は可能であるが、ダクト内の通風路を塞ぐ為、空気抵抗が増加し、ダクトの基本性能劣化を招いていた。
本発明は、演算に負荷を掛けず、且つダクトの空気抵抗を増加させること無くハウリングを防止することを目的とする。
本発明は、騒音源からの騒音を伝搬するダクトと、前記ダクト外であって、前記騒音の前記ダクトよりも上流側に設けられたレファレンスマイクと、前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内に前記騒音を低減するための付加音を放射する音響出力装置と、前記ダクト内に設けられ、前記騒音と前記付加音との合成音を検出するエラーマイクと、前記レファレンスマイクの出力と前記エラーマイクの出力に基づいて、前記エラーマイクの出力が最小になるように前記音響出力装置を制御する制御装置と、を備え、前記レファレンスマイクと前記音響出力装置との設置位置を、前記ダクトにより隔てられて直接対向しない位置とした、ものとして構成される。
さらに本発明は、騒音源からの騒音を伝搬するダクトと、前記ダクト外であって、前記騒音の前記ダクトよりも上流側に設けられたレファレンスマイクと、前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内に前記騒音を低減するための付加音を放射する音響出力装置と、前記騒音と前記付加音との合成音と、前記レファレンスマイクの出力とから、前記合成音が最小となるように演算して得た内部係数を固定し、その内部係数をに基づいて前記音響出力装置を制御する制御装置と、を備え、前記レファレンスマイクと前記音響出力装置との設置位置を、前記ダクトにより隔てられて直接対向しない位置とした、ものとして構成される。
本発明によれば、騒音をダクトに導いて、その騒音を付加音で低減するものにおいて、その騒音を検出するレファレンスマイクをダクト外に設置したので、付加音源としての音響出力装置とのハウリングを確実に抑制することができる。
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明の基本的な概念について説明する。本発明は、ダクト内の騒音の低減をするには、ダクト内のレファレンスマイクで騒音をひろい、ひろった騒音をもとに付加音を付加音源スピーカで加えなければならないという一般的な考えの範疇にとらわれることなく、独自の発想と実験結果に基づいてなされたものである。即ち、本発明者は、レファレンスマイクと付加音源スピーカとが、共にダクト内にあるが故に、これらの間にハウリングが生じることに気づいた。つまり、レファレンスマイクと付加音源スピーカの一方がダクト内になければ当然ハウリングは生じない。また、両者間を物理的に遮断する必要もない。しかしながら、上述のように、レファレンスマイクはダクト内になければならないと一般的に考えられていた。而して、本発明者が各種の実験を行った結果、レファレンスマイクがダクト外にあっても騒音の低減が可能であることがわかった。本発明は、本発明者が実験を通じて得た上記独自の知得に基づいてなされたものである。
以下に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における主要構成部材を説明する断面図である。Aは騒音源Bを有する騒音源室であり、この通風口Cの部分に通風路としてのダクト1が取り付けられている。騒音源室A内に、騒音源Bからの騒音を検出するレファレンスマイク3,3,…が配置されている。この配置については後述する。ダクト1内には、ダクト1内を伝搬する騒音を低減するための付加音を発生する付加音源スピーカ(音響出力装置)5,5,…が設けられている。このダクト1内のさらに騒音の下流側、つまり、ダクト1の先端側に、エラーマイク7,7,…が設けられている。このエラーマイク7によって、騒音源Bからの騒音と、付加音源スピーカ5からの付加音との合成音が検出される。
上記のような装置において、電気信号の流れ、つまり実際の消音動作は、図3に示される。即ち、騒音源Bからの騒音は、レファレンスマイク3で集音され、このマイク3による音圧信号は制御装置10に送られる。制御装置10による制御によって付加音源スピーカ5から、騒音源Bからの騒音がダクト1を介して外部に出る騒音をキャンセルするためのキャンセル音が出力される。騒音と付加音源スピーカ5からのキャンセル音との合成音がエラーマイク7によって集音される。エラーマイク7からの音圧信号は制御装置10にフィードバックされる。制御装置10は騒音低減がより効果的に行われるように、つまりエラーマイク7の音圧が最小になるように、付加音源スピーカ5を制御する。
なお、図3に示すようにして、制御装置10による付加音源スピーカ5の制御が決定された後は、つまり、内部係数が決定された後は、この内部係数を固定することもできる。この内部係数に基づいて制御装置10で制御するようにすれば、この後はエラーマイクを省略することもできる。よって、一旦上記内部係数が決まった後は、新たな装置を構成する際に、エラーマイクは必ずしも必要なく、予め決めた内部係数を元にすれば、制御装置で適正な制御が可能である。
図1に示される各種構成部材は、上述のように電気的に動作するものであり、それらの各部材の物理的な配置は以下のように設定される。即ち、図2にレファレンスマイク3と付加音源スピーカ5との位置関係を明示している。各付加音源スピーカ5から見てレファレンスマイク3が通風口Cの縁よりも隠れた位置となるように、レファレンスマイク3を設けている。即ち、レファレンスマイク3と付加音源スピーカ5は、ダクト1により隔てられて直接対向しない位置に配置されている。これにより、レファレンスマイク3は、直接的に、付加音源スピーカ5の付加音を拾うのが防止される。これにより、レファレンスマイク3と付加音源スピーカ5との間のハウリングを効果的に抑制できる。
前述の制御装置10においては、エラーマイク7による検出音が最小となるようにするため、各種の演算を行っており、その演算について、図4−図7を参照して説明する。
図4は、エラーマイク音圧信号最小を制御装置の目標値とし、評価関数として用いる信号源のエラーマイク、及び、音源スピーカの出力信号を生成する制御装置に入力する信号源のレファレンスマイクの組合せを決める過程を示している。即ち、レファレンスマイク3からのレファレンスマイク信号21と、エラーマイク7からのエラーマイク信号22とが、制御装置10におけるコヒーレンス演算装置23に加えられる。コヒーレンス演算装置23は、これらの2つの信号21,22に基づいて演算を行ってコヒーレンスの値を算出する。このコヒーレンスの値に基づき、コヒーレンス最大値の組み合わせを、レファレンスマイク群3A(3(1),…,3(n))及びエラーマイク群7A(7(1),…,7(n))から各々1個ずつ選択することにより、コヒーレンスは大きな低減効果が得られる。
図6は、この際におけるコヒーレンス最大の組み合わせを選択するための演算を示す。即ち、レファレンスマイク信号21とエラーマイク信号22より全組み合わせのコヒーレンスをコヒーレンス演算装置23により演算する。この後、コヒーレンス周波数平均演算装置26により次式により周波数軸方向の平均化を図る。
Figure 2005164706
この後、コヒーレンス最大組み合わせマイク選択装置27によって、コヒーレンス最大の組み合わせとなる、1つのレファレンスマイク3と1つのエラーマイク7を次式のものとして選択する。
Figure 2005164706
図5は、コヒーレンス最小となるレファレンスマイク3と付加音源スピーカ5との組み合わせを選択する過程を示している。即ち、レファレンスマイク信号21と付加音源スピーカ信号31の全ての組み合わせでコヒーレンス演算装置32にてコヒーレンスを演算する。その結果に基づいて、コヒーレンス最小となる1つのレファレンスマイク3と1つの付加音源スピーカ5の組み合わせを選択する。
図7は、この際におけるコヒーレンス最小の組み合わせを選択する演算を示す。即ち、レファレンスマイク信号21と付加音源スピーカ信号31より全組み合わせのコヒーレンスをコヒーレンス演算装置32により演算する。この後、コヒーレンス周波数平均演算装置33により次式により周波数軸方向の平均化を図る。
Figure 2005164706
この後、コヒーレンス最小組み合わせマイク選択装置34によって、コヒーレンス最小の組み合わせとなる、1つのレファレンスマイク3と1つの付加音源スピーカ5を次式のものとして選択する。
Figure 2005164706
なお、上述のコヒーレンス周波数平均演算装置26,33は、特定の周波数、あるいは周波数帯域に対する平均処理をするものとして構成することもできる。
以上説明したように本発明の実施形態によれば、レファレンスマイク3を騒音源B側上流としてダクト1の外部に設置することで、付加音源スピーカ5からの入力によるハウリング問題を、物理的な構成のみで、容易で効果的にハウリングを抑制することが可能となる。更に、制御に先立ち、少なくとも一つずつ、複数のレファレンスマイク3、エラーマイク7、付加音源スピーカ5を、レファレンスマイク3とエラーマイク7のコヒーレンス最大となる組み合わせを自動選択し、レファレンスマイク3と付加音源スピーカ5のコヒーレンス最小の組み合わせを自動選択することで、チューニングの手間を省くことが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態の効果を確認するために示した実験結果を示すグラフである。中央周波数が250Hz、500Hz及び全周波数OA(オーバー オール)についてのデータである。さらに、付加音源スピーカを動作させた能動消音オン(ANCオン)とオフ(ANCオフ)の場合について示している。なお、縦軸は音圧レベルSPL(サウンドプレッシャレベル)を聴感dBで示したものである。
本発明の実施態様の断面説明図。 そのレファレンスマイクと付加音源スピーカとの位置関係を示す図。 本発明の実施の形態の機能を示すブロック図。 そのコヒーレンス最大となるレファレンスマイクとエラーマイクの選択についてのブロック図。 そのコヒーレンス最小となる、レファレンスマイクと付加音源スピーカの選択についてのブロック図。 図4についての実際の演算例を示すブロック図。 図5についての実際の演算例を示すブロック図。 本発明の実施の形態の効果を示す図。
符号の説明
B 騒音源
1 ダクト
3 レファレンスマイク
5 付加音源スピーカ
7 エラーマイク
10 制御装置
21 レファレンスマイク信号
22 エラーマイク信号
23 コヒーレンス演算装置
26 コヒーレンス周波数平均演算装置
27 コヒーレンス最大値組み合わせマイク選択装置
31 付加音源スピーカ信号
32 コヒーレンス演算装置
33 コヒーレンス周波数平均演算装置
34 コヒーレンス最小値組み合わせマイク選択装置

Claims (6)

  1. 騒音源からの騒音を伝搬するダクトと、
    前記ダクト外であって、前記騒音の前記ダクトよりも上流側に設けられたレファレンスマイクと、
    前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内に前記騒音を低減するための付加音を放射する音響出力装置と、
    前記ダクト内に設けられ、前記騒音と前記付加音との合成音を検出するエラーマイクと、
    前記レファレンスマイクの出力と前記エラーマイクの出力に基づいて、前記エラーマイクの出力が最小になるように前記音響出力装置を制御する制御装置と、
    を備え、前記レファレンスマイクと前記音響出力装置との設置位置を、前記ダクトにより隔てられて直接対向しない位置とした、ことを特徴とするダクト内騒音低減装置。
  2. 前記レファレンスマイクは、前記音響出力装置から見て前記ダクトの通風口の縁よりも隠れた位置に設置されることを特徴とするダクト内騒音低減装置。
  3. 前記レファレンスマイク、前記エラーマイク、前記音響出力装置は少なくとも1つずつ設けたことを特徴とする請求項1のダクト内騒音低減装置。
  4. 前記制御装置は、前記レファレンスマイクからのレファレンスマイク信号と前記エラーマイクからのエラーマイク信号のコヒーレンスが最大となるように、前記レファレンスマイクと前記エラーマイクの組み合わせを選択する、請求項1のダクト内騒音低減装置。
  5. 前記制御装置は、前記レファレンスマイクからのレファレンスマイク信号と前記音響出力装置からへの付加音信号間のコヒーレンスが最小となるように、前記レファレンスマイクと前記音響出力装置の組み合わせを選択する、請求項1のダクト内騒音低減装置。
  6. 騒音源からの騒音を伝搬するダクトと、
    前記ダクト外であって、前記騒音の前記ダクトよりも上流側に設けられたレファレンスマイクと、
    前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内に前記騒音を低減するための付加音を放射する音響出力装置と、
    前記騒音と前記付加音との合成音と、前記レファレンスマイクの出力とから、前記合成音が最小となるように演算して得た内部係数を固定し、その内部係数をに基づいて前記音響出力装置を制御する制御装置と、
    を備え、前記レファレンスマイクと前記音響出力装置との設置位置を、前記ダクトにより隔てられて直接対向しない位置とした、ことを特徴とするダクト内騒音低減装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016541222A (ja) * 2013-12-16 2016-12-28 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated フィードバック検出のためのシステムおよび方法
CN111536681A (zh) * 2020-04-24 2020-08-14 青岛海信日立空调系统有限公司 空调器及主动降噪调试方法
CN113658576A (zh) * 2021-08-12 2021-11-16 西安艾科特声学科技有限公司 一种用于管道有源噪声控制的系统及方法

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