JPH0728476A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JPH0728476A
JPH0728476A JP5153813A JP15381393A JPH0728476A JP H0728476 A JPH0728476 A JP H0728476A JP 5153813 A JP5153813 A JP 5153813A JP 15381393 A JP15381393 A JP 15381393A JP H0728476 A JPH0728476 A JP H0728476A
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JP
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noise
additional sound
signal
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residual
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Application number
JP5153813A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Okashita
和彦 岡下
Masakatsu Arihara
正勝 有原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価かつ簡単な構成で、ダクト内を双方向か
ら伝搬する外来騒音及び室内騒音を消音する。 【構成】 マイク27は、屋外側開口部23aから換気
ダクト23内に侵入する外来騒音を検出して外来騒音信
号に変換すると共に、付加音源スピーカ28から放射さ
れる付加音によって減衰させられて残留する残留室内騒
音を検出して残留室内騒音信号に変換する。信号処理部
31は、外来騒音信号及び残留外来騒音信号に基づい
て、屋内側開口部23bの近傍に到来した外来騒音と逆
位相の付加音を放射させる付加音信号を生成して付加音
源スピーカ33に供給する。マイク32は、屋内側開口
部23bから換気ダクト23内に侵入する室内騒音を検
出して室内騒音信号に変換すると共に、付加音源スピー
カ33から放射される付加音によって減衰させられて残
留する残留外来騒音を検出して残留外来騒音信号に変換
する。信号処理部36は、室内騒音信号及び残留室内騒
音信号に基づいて、屋外側開口部23aの近傍に到来し
た室内騒音と逆位相の付加音を放射させる付加音信号を
生成して付加音源スピーカ28に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は消音装置に係り、特
に、住宅等に設けられ、換気等のために空気を導くダク
ト内を伝搬する双方向の騒音(外来騒音及び室内騒音)
を消音するために適用して好適な消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の消音装置の構成を示すブ
ロック図である(例えば、特開昭61−234216号
公報参照)。この図において、排気管1は、騒音源であ
るエンジン2からの排気音の流出管であって、一端部が
エンジン2に接続され、他端部が車外に開口されてい
る。センサマイク3は、排気管1内部の一端部近傍に取
り付けられており、排気管1内を伝搬する排気音のレベ
ルを検出して排気音信号に変換する。増幅器(以下、A
MPという)4は、排気音信号を増幅し、ローパスフィ
ルタ(以下、LPFという)5は、AMP4の出力信号
の低周波成分を通過させた後、信号処理部6に供給す
る。
【0003】一方、排気管1内部の他端部近傍には、こ
の消音装置によって減衰させられて残留する残留騒音の
レベルを検出して残留騒音信号に変換するエラーマイク
7が設けられている。AMP8は、残留騒音信号を増幅
し、LPF9は、AMP8の出力信号の低周波成分を通
過させ後、信号処理部6に供給する。また、付加音源ス
ピーカ10は、エラーマイク7の上流側の排気管1の内
表面に埋設され、排気管1の他端部において、排気音を
打ち消すべき付加音を放射する。
【0004】信号処理部6は、適応フィルタ(以下、A
DFという)11、補正用フィルタ12、コントロール
ドフィルタ(以下、CNFという)13等から概略構成
され、初期動作として、付加音源スピーカ10とエラー
マイク7との間の伝達関数G 1の同定、及び適応制御動
作として、センサマイク3とエラーマイク7との間の伝
達関数G2の逆特性Fの逐次同定等を行い、排気音を打
ち消すべきデジタルの付加音データを生成して出力す
る。
【0005】信号処理部6において、アナログ/デジタ
ル変換器(以下、ADコンバータという)14は、LP
F5から出力された排気音信号の低周波成分をデジタル
の排気音データに変換した後、差動増幅器15の非反転
入力端子に供給する。差動増幅器15の出力データは、
補正用フィルタ12及びCNF13に入力される。一
方、ADコンバータ16は、LPF9から出力された残
留騒音信号の低周波成分をデジタルの残留騒音データに
変換した後、ADF11に供給する。
【0006】ADF11は、所定の入力データに基づい
て、最小2乗平均(Least Mean Squre; 以下、LMSと
いう)アルゴリズムを駆使して必要な伝達関数(フィル
タ係数)の適応化処理(適応動作)を行う。図示せぬ白
色雑音発生部は、打ち消すべき排気音の帯域に制限され
た白色雑音データを生成する。補正用フィルタ12に
は、付加音源スピーカ10とエラーマイク7との間の伝
達関数G1に対応するフィルタ係数hが設定される。C
NF13には、センサマイク3とエラーマイク7との間
の伝達関数G2の逆特性Fに対応するフィルタ係数jが
設定される。このフィルタ係数jは、ADF11によっ
て、所定のサンプリング周期毎に更新される。
【0007】フィードバック補正用フィルタ17は、付
加音源スピーカ10とセンサマイク3との間のフィード
バック補正に関するフィルタ係数が設定され、その出力
データは、差動増幅器15の反転入力端子に供給され
る。デジタル/アナログ変換器(以下、DAコンバー
タ)18は、図示せぬ白色雑音発生部から出力された白
色雑音データ、CNF13の出力データ等をアナログ信
号に変換する。また、LPF19は、アンチエリアシン
グフィルタによって構成されており、DAコンバータ1
8の出力信号の低周波成分を通過させる。AMP20
は、LPF19の出力信号を増幅した後、付加音源スピ
ーカ10に供給する。上記構成によれば、排気管1の開
口部から外部へ放出される排気音を能動的に消音するこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
消音装置は、1つの開口部を有する排気管から放出され
る片方向の騒音を対象にして消音するものであるが、住
宅等において、ダクトを用いた換気を行う場合、経済性
等の面から少ない風量で換気効率を上げるために、図7
に示すような簡単な構成とする必要があり、従来から、
このような構成によって換気が行われていた。図7にお
いて、室内21の天井22の下部には換気ダクト23が
設けられており、換気ダクト23の屋外側開口部23a
にはファン24と、ファン24の非動作時に開口部23
aを塞ぐ扉25が取り付けられている。一方、換気ダク
ト23の屋内側開口部23bは、室内21に開口してい
る。上記構成の換気ダクト23は、略両端部開口となる
ので、換気ダクト23の中を2種類の騒音が双方向に伝
搬する畏れがある。すなわち、屋外の音源から発せられ
る騒音(屋外騒音)が換気ダクト23を経由して室内2
1に到来するばかりか、室内21の音源から発せられる
騒音(室内騒音)が換気ダクト23を経由して屋外に漏
洩する畏れがある。
【0009】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、複数の開口部から管路ないしはダクト内に侵入
する(互いに伝搬方向の異なる)複数の騒音を消音する
ことができる消音装置を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、複数の開口部を有する管路
に設けられ、当該複数の開口部から管路内に侵入する複
数の騒音を消音する消音装置であって、複数の上記開口
部に対応して設けられ、対応する開口部から上記管路内
に侵入する騒音を検出して騒音信号を出力する複数の騒
音検出手段と、複数の上記開口部に対応して設けられ、
それぞれに入力される付加音信号に基づいて上記管路内
に付加音を放射する複数の付加音放射手段と、複数の上
記開口部に対応して設けられ、対応する上記開口部以外
の上記開口部から管路内に侵入した騒音が、対応する上
記付加音放射手段から放射される上記付加音によって打
ち消されて残留する残留騒音を検出して残留騒音信号を
出力する複数の残留騒音検出手段と、上記騒音信号及び
対応する上記残留騒音信号に基づいて、複数の上記騒音
検出手段のそれぞれの検出位置において対応する騒音の
波形成分と逆位相となる付加音を放射させる付加音信号
を生成してそれぞれの上記付加音放射手段に供給する制
御手段とを備えてなることを特徴としている。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の消音装置であって、上記騒音検出手段が、上記残留
騒音検出手段を兼ねていることを特徴としている。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項13
記載の消音装置であって、上記複数の付加音放射手段の
うちの少なくとも1つに、オーディオ信号を供給するオ
ーディオ信号供給手段が付加されていることを特徴とし
ている。
【0013】さらにまた、請求項4記載の発明は、請求
項1,2又は3記載の消音装置であって、住宅の換気ダ
クトに取り付けられ、屋外側開口部から換気ダクト内に
侵入する外来騒音を屋内側において消音すると共に、屋
内側開口部から換気ダクト内に侵入する室内騒音を屋外
側において消音することを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1記載の構成において、各騒音検出手段
は、対応する開口部から騒音が管路内に侵入する際に、
その騒音を検出して騒音信号を出力する。また、各残留
騒音検出手段は、管路内に侵入した騒音と、対応する上
記付加音放射手段から放射される付加音との干渉による
干渉騒音を検出して残留騒音信号を出力する。これによ
り、制御手段が各騒音信号及び対応する残留騒音信号に
基づいて、各騒音の波形成分と逆位相の付加音を放射さ
せる付加音信号を生成して各付加音放射手段に供給す
る。各付加音放射手段は、入力される付加音信号に基づ
いて、管路内に付加音を放射する。したがって、請求項
1記載の構成によれば、管路内に侵入した各騒音は、対
応する付加音によって干渉され打ち消されて消音され
る。
【0015】請求項2記載の構成においては、上記各騒
音検出手段が、上記残留騒音検出手段をも兼ねている。
すなわち、各騒音検出手段は、対応する開口部から騒音
が管路内に侵入する際に、その騒音を検出して騒音信号
を出力すると共に、管路内に侵入した騒音と、対応する
上記付加音放射手段から放射される付加音との干渉によ
る干渉騒音を検出して残留騒音信号を出力する。それ
故、請求項2記載の構成によれば、独立の残留騒音検出
手段及びこれに付随する電気的構成各部が不要となるの
で、安価かつ簡単な構成の請求項1記載の消音装置を得
ることができる。
【0016】請求項3記載の構成において、例えば、各
開口部から管路内に侵入した外来騒音等の騒音は、対応
する付加音と干渉して消音され、オーディオ信号に対応
する音響を含めた室内騒音は、管路の外界に面した開口
部近傍に設けられた付加音放射手段から放射される付加
音によって消音され、屋外には流出されない。それ故、
請求項3記載の構成によれば、オーディオ装置と消音装
置とを兼用することができ、両装置の構成を簡略化する
ことができる。
【0017】この発明は、具体的には、住宅等に設けら
れ、換気等のために空気を導くダクト内を伝搬する双方
向の騒音(外来騒音及び室内騒音)を消音するために適
用して好適である。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。 ◇第1実施例 図1はこの発明の第1実施例である(住宅用の換気ダク
ト23に適用された)消音装置26Aの電気的構成を示
すブロック図である。ここで、同消音装置26Aは、住
宅用の換気ダクト23に取り付けられている。この例の
消音装置26Aが、上記従来の構成の消音装置(図6参
照)と大きく異なるところは、従来の消音装置が、片方
向から到来する騒音のみを対象とするものであるため、
基本的に1組のセンサマイク3、信号処理部6、エラー
マイク7及び付加音源スピーカ10等から構成されてい
るのに対して、この例の消音装置26Aは、図1に示す
ように、基本的に2組のセンサマイク3a,3b、信号
処理部6a,6b、エラーマイク7a,7b及び付加音
源スピーカ10a,10b等から構成されている点であ
る。なお、図1において、図6及び図7の各部に対応す
る部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
ただし、同一の符号に付せられた添字は、a同士及びb
同士がそれぞれ同じ組の各構成要素であることを示す。
上記構成によれば、構成要素3a〜20aによって、換
気ダクト23の屋外側開口部23aから換気ダクト23
内に侵入する外来騒音が消音される。一方、構成要素3
b〜20bによって、換気ダクトの屋内側開口部23b
から換気ダクト23内に侵入する室内騒音が消音され
る。
【0019】◇第2実施例 図2はこの発明の第2実施例である(住宅用の換気ダク
ト23に適用された)消音装置26Bの電気的構成を示
すブロック図、図3は同消音装置26Bが住宅に取り付
けられた状態を模式的に示す概念図である。これらの図
において、マイク27は、換気ダクト23内部の屋外側
開口部23aの近傍に取り付けられており、換気ダクト
23の屋外側開口部23aから換気ダクト23内に侵入
する外来騒音(屋外騒音)のレベルを検出して外来騒音
信号に変換すると共に、換気ダクト23内部のマイク2
7より下流側(室内側)に埋設された付加音源スピーカ
28から放射される付加音によって減衰させられて残留
する残留室内騒音のレベルを検出して残留室内騒音信号
に変換する。AMP29は、外来騒音信号及び残留室内
騒音信号を増幅し、LPF30は、AMP29の出力信
号の低周波成分を通過させた後、第1信号処理部31に
供給する。
【0020】一方、換気ダクト23内部の屋内側開口部
23bの近傍には、マイク32が設けられている。マイ
ク32は、換気ダクト23の屋内側開口部23bから換
気ダクト23内に侵入する室内騒音のレベルを検出して
室内騒音信号に変換すると共に、換気ダクト23内部の
マイク32より上流側(屋外側)に埋設された付加音源
スピーカ33から放射される付加音によって減衰させら
れて残留する残留外来騒音のレベルを検出して残留外来
騒音信号に変換する。AMP34は、室内騒音信号及び
残留外来騒音信号を増幅し、LPF35は、AMP34
の出力信号の低周波成分を通過させた後、第2信号処理
部36に供給する。
【0021】第1信号処理部31及び第2信号処理部3
6は同一構成要素から構成されており、対応する構成要
素には同一の符号を付ける。ただし、同一の符号に付せ
られた添字は、aが第1信号処理部31の各構成要素で
あることを示し、bが第2信号処理部36の各構成要素
であることを示す。したがって、ここでは、第1信号処
理部31の構成についてのみ説明する。第1信号処理部
31は、ADF37a、補正用フィルタ38a、CNF
39a等から概略構成され、初期動作として、付加音源
スピーカ33とマイク32との間の伝達関数G11の同
定、及び適応制御動作として、マイク27とマイク32
との間の伝達関数G21の逆特性F11の逐次同定等を行
い、外来騒音を打ち消すべき付加音信号を生成して出力
する。
【0022】第1信号処理部31において、上記ADコ
ンバータ40aは、LPF30から出力された外来騒音
信号の低周波成分をデジタルの外来騒音データに変換し
た後、補正用フィルタ38a及びCNF39aに供給す
ると共に、LPF30から出力された残留室内騒音信号
の低周波成分をデジタルの残留室内騒音データに変換し
た後、第2信号処理部36のADF37bに供給する。
【0023】上記ADF37aは、所定の入力データに
基づいて、LMSアルゴリズムを駆使して後述する伝達
関数(フィルタ係数)の適応化処理(適応動作)を行
う。図示せぬ白色雑音発生部は、打ち消すべき外来騒音
の帯域に制限された白色雑音データを生成する。上記補
正用フィルタ38aには、付加音源スピーカ33とマイ
ク32との間の伝達関数G11に対応するフィルタ係数h
11が設定される。上記CNF39aには、マイク27と
マイク32との間の伝達関数G21の逆特性F11に対応す
るフィルタ係数j11が設定される。このフィルタ係数j
11は、ADF37aによって、所定のサンプリング周期
毎に適応化処理されて更新される。DAコンバータ41
aは、図示せぬ白色雑音発生部から出力された白色雑音
データ、CNF39aから出力された付加音データ等を
アナログ信号に変換する。
【0024】また、LPF42は、アンチエリアシング
フィルタによって構成されており、DAコンバータ41
aの出力信号の低周波成分を通過させる。AMP43
は、LPF42の出力信号を増幅した後、付加音源スピ
ーカ33に供給する。同様に、LPF44は、アンチエ
リアシングフィルタによって構成されており、DAコン
バータ41bの出力信号の低周波成分を通過させる。A
MP45は、LPF44の出力信号を増幅した後、付加
音源スピーカ28に供給する。
【0025】次に、この例の動作について説明する。上
記構成において、まず、消音動作を行う前に、初期設定
として、補正用フィルタ38a,38bのフィルタ係数
11,h12を求めておく必要がある。図4を参照して、
この初期設定動作について説明する。図4には、図2及
び図3には図示しない白色雑音発生部46が示されてい
る。この白色雑音発生部46は、補正用フィルタ38a
のフィルタ係数h11を求める場合には、打ち消すべき外
来騒音の帯域に制限された白色雑音データを出力し、補
正用フィルタ38bのフィルタ係数h12を求める場合に
は、打ち消すべき室内騒音の帯域に制限された白色雑音
データを出力する。
【0026】また、図4においては、初期設定時、白色
雑音発生部46から出力された白色雑音データを、AD
F37a及びDAコンバータ41a、あるいはADF3
7b及びDAコンバータ41bに選択的に供給するため
の切換スイッチ47も示されている。
【0027】まず、補正用フィルタ38aのフィルタ係
数h11を求めるために、白色雑音発生部46は、打ち消
すべき外来騒音の帯域に制限された白色雑音データを出
力し、また、切換スイッチ47は、図中右に切り換えら
れる。これにより、白色雑音発生部46から出力され
た、打ち消すべき外来騒音の帯域に制限された白色雑音
データは、DAコンバータ41aにおいてアナログ信号
に変換された後、LPF42を経てAMP43に供給さ
れて増幅され、付加音源スピーカ33に供給される。し
たがって、付加音源スピーカ33から白色雑音データに
対応する白色雑音(音波)が放射され、付加音源スピー
カ33の近傍に設けられたマイク32によって検出され
るので、マイク32において、検出された白色雑音のレ
ベルが騒音信号に変換されて出力される。次に、マイク
32から出力された白色雑音データに対応する騒音信号
は、AMP34において増幅された後、LPF35を経
てADコンバータ40bにおいてデジタルの騒音データ
に変換され、図2及び図3には図示しない減算器48a
の非反転入力端子に供給される。なお、初期設定時にお
いては、マイク32からの出力値は、残留雑音ではない
ので、単に騒音データという。以下において、同様であ
る。
【0028】一方、白色雑音発生部46から出力され
た、打ち消すべき外来騒音の帯域に制限された白色雑音
データは、ADF37aにも入力されて、ADF37a
で求められた、補正用のフィルタ係数h11(初期値は
0)で畳み込み演算が行われた後、得られた演算の結果
がADF37aから出力されて、減算器48aの反転入
力端子に供給される。減算器48aにおいては、ADコ
ンバータ40bから出力された騒音データからADF3
7aで処理された畳み込み演算の結果が減算され、得ら
れた減算結果が誤差データとして出力され、ADF37
aに供給される。
【0029】これにより、ADF37aにおいて、誤差
データと白色雑音データとに基づいて、5秒程度のLM
Sアルゴリズム処理が実行され、付加音源スピーカ33
とマイク32との間の伝達関数G11が求められる。そし
て、得られた伝達関数G11に対応するフィルタ係数h11
が、実際の消音動作時の補正用のフィルタ係数として補
正用フィルタ38aに供給される。
【0030】一方、補正用フィルタ38bのフィルタ係
数h12を求めるためには、白色雑音発生部46は、打ち
消すべき室内騒音の帯域に制限された白色雑音データを
出力し、また、切換スイッチ47は、図中左に切り換え
られる。なお、その後の動作については、上記した補正
用フィルタ38aのフィルタ係数h11を求める場合と略
同様であるので、その説明を省略する。
【0031】以上説明した初期設定が完了すると、消音
動作が実行される。まず、換気ダクト23の屋外側開口
部23aから換気ダクト23内に侵入する外来騒音は、
マイク27によってそのレベルが検出され、外来騒音信
号に変換された後、AMP29において増幅され、LP
F30を経てADコンバータ40aにおいてデジタルの
外来騒音データに変換される。
【0032】この外来騒音データに対して、CNF39
aにおいて、フィルタ係数j11で畳み込み演算が行われ
て付加音データが生成された後、DAコンバータ41a
においてアナログ信号に変換され、LPF42を経てA
MP43に供給されて増幅され、付加音源スピーカ33
に供給される。ただし、フィルタ係数j11の初期値は0
であるので、消音動作開始直後は、付加音源スピーカ3
3からどのような音も放射されない。また、補正用フィ
ルタ38aにおいて、外来騒音データに対して、初期設
定時に設定されたフィルタ係数h11で畳み込み演算が行
われ、その演算結果がADF37aに供給される。
【0033】一方、マイク32において、残留外来騒音
のレベルが検出され、残留外来騒音信号に変換された
後、AMP34において増幅され、LPF35を経てD
Aコンバータ40bにおいてデジタルの残留外来騒音デ
ータに変換される。これにより、ADF37aにおい
て、残留外来騒音データと補正用フィルタ38aの出力
データとに基づいて、LMSアルゴリズムによる適応化
処理(適応動作)が行われ、マイク27とマイク32と
の間の伝達関数G21の逆特性F11が求められる。そし
て、得られた伝達関数G21の逆特性F11に対応する最適
なフィルタ係数j11が、新たなフィルタ係数としてCN
F39aに供給される。
【0034】したがって、CNF39aにおいて、新た
に入力された外来騒音データに対して、新たに供給され
たフィルタ係数j11で畳み込み演算が行われて新たな付
加音データが生成された後、DAコンバータ41aにお
いてアナログ信号に変換され、LPF42を経てAMP
43に供給されて増幅され、付加音源スピーカ33に供
給される。これにより、付加音源スピーカ33から新た
な付加音データに対応する新たな付加音(消音音波)が
放射され、マイク32の検出ポイントにおいて逆位相の
外来騒音と干渉して外来騒音を弱める。干渉後の残留外
来騒音の音圧は、マイク32によってそのレベルが検出
され、残留外来騒音信号に変換された後、AMP34に
おいて増幅され、LPF35を経てADコンバータ40
bにおいてデジタルの残留外来騒音データに変換され
て、再び第1信号処理部31のADF37aに供給され
る。上記適応能動制御は、ADF37aにおいて一定の
サンプリング周期毎に繰り返され、最終的にマイク32
の検出ポイントにおいて外来騒音と付加音とが同振幅で
逆位相の関係となって、互いに充分打ち消し合って、外
来騒音の消音が達成される。
【0035】一方、上記外来騒音の消音動作と並行し
て、換気ダクト23の屋内側開口部23bから換気ダク
ト23内に侵入する室内騒音は、マイク32によってそ
のレベルが検出され、室内騒音信号に変換された後、A
MP34において増幅され、LPF35を経てADコン
バータ40bにおいてデジタルの室内騒音データに変換
される。
【0036】この室内騒音データに対して、CNF39
bにおいて、フィルタ係数j12で畳み込み演算が行われ
て付加音データが生成された後、DAコンバータ41b
においてアナログ信号に変換され、LPF44を経てA
MP45に供給されて増幅され、付加音源スピーカ28
に供給される。ただし、フィルタ係数j12の初期値は0
であるので、消音動作開始直後は、付加音源スピーカ2
8からどのような音も放射されない。また、補正用フィ
ルタ38bにおいて、室内騒音データに対して、初期設
定時に設定されたフィルタ係数h12で畳み込み演算が行
われ、その演算結果がADF37bに供給される。
【0037】一方、マイク27において、残留室内騒音
のレベルが検出され、残留室内騒音信号に変換された
後、AMP29において増幅され、LPF30を経てA
Dコンバータ40aにおいてデジタルの残留室内騒音デ
ータに変換される。これにより、ADF37bにおい
て、残留室内騒音データと補正用フィルタ38bの出力
データとに基づいて、LMSアルゴリズムを駆使する適
応化処理(適応動作)が実行され、マイク32とマイク
27との間の伝達関数G22の逆特性F 12が求められる。
そして、得られた伝達関数G22の逆特性F12に対応する
最適なフィルタ係数j12が、新たなフィルタ係数として
CNF39bに供給される。
【0038】したがって、CNF39bにおいて、新た
に入力された室内騒音データに対して、新たに供給され
たフィルタ係数j12で畳み込み演算が行われて新たな付
加音データが生成された後、DAコンバータ41bにお
いてアナログ信号に変換され、LPF44を経てAMP
45に供給されて増幅され、付加音源スピーカ28に供
給される。これにより、付加音源スピーカ28から新た
な付加音データに対応する新たな付加音(消音音波)が
放射され、マイク27の検出ポイントにおいて逆位相の
室内騒音と干渉して室内騒音を弱める。干渉後の残留室
内騒音の音圧は、マイク27によってそのレベルが検出
され、残留室内騒音信号に変換された後、AMP29に
おいて増幅され、LPF30を経てADコンバータ40
aにおいてデジタルの残留室内騒音データに変換され
て、再び第2信号処理部36のADF37bに供給され
る。
【0039】上記適応能動制御は、ADF37bにおい
て、一定のサンプリング周期毎に繰り返され、最終的に
マイク27の検出ポイントにおいて室内騒音と付加音と
が同振幅で逆位相の関係となって、互いに充分打ち消し
合って、室内騒音の消音が達成される。
【0040】上記構成によれば、マイク27,32及び
付加音源スピーカ28,33等の温度変化・湿度変化等
に伴い、伝達関数に変動が生じても、ADF37bによ
って、CNF39a,39bのフィルタ係数j11,j12
が迅速に更新されるので、常時、確実な消音を達成する
ことができる。また、第1実施例の消音装置(図1)に
比べて、マイクの数が半分になり、また、AMPやLP
F及びADコンバータの数も減り、構成が簡単になる。
また、第1実施例及び従来の構成(図1及び図6)に示
す消音装置においては、付加音源スピーカ10から放射
される付加音が、騒音を収拾するためのセンサマイク3
によって収拾されて装置内に帰還されることにより、セ
ンサマイク3と付加音源スピーカ10との間で発振する
畏れがある。このため、フィードバック補正用フィルタ
17及び差動増幅器15が必要であった。しかしなが
ら、この例の消音装置によれば、一方の信号処理部の実
際の系を通ってフィードバックされる信号が他方の信号
処理部にも入力されるため、例えば、付加音源スピーカ
33から放射された発振に関与する音は、マイク27の
下流側に埋設された付加音源スピーカ28から放射され
る付加音によって消音される。それ故、フィードバック
補正用フィルタ17及び差動増幅器15が不要となるた
め、回路構成がさらに簡単になると共に、畳み込み演算
時間も削減される。
【0041】◇第3実施例 次に、図5はこの発明の第3実施例である消音装置26
Cを住宅に取り付けた状態を示す概念図である。この例
の消音装置26Cにおいては、コンパクトディスクプレ
ーヤやカセットテープレコーダ等のオーディオ再生装置
48から出力されたオーディオ信号が、LPF42の出
力信号と混合されてAMP43に供給されるように構成
した点が、上記第2実施例の消音装置26Bと異なると
ころである。
【0042】このような構成によれば、オーディオ装置
と消音装置とを兼用することができ、両装置の構成を簡
略化することができる。すなわち、外来騒音は、上記第
2実施例と同様、付加音源スピーカ33から放射される
付加音によって消音されると共に、付加音源スピーカ3
3からは、オーディオ装置49において再生された音楽
ソース等に対応する音響が室内21に放射される。ま
た、オーディオ装置49において再生された音楽ソース
等に対応する音響を含めた室内騒音は、上記第2実施例
と同様、付加音源スピーカ28から放射される付加音に
よって消音され、屋外には流出されない。
【0043】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述
の実施例においては、この発明である消音装置を、開口
部が2つある換気ダクト23に適用した例を示したが、
これに限定されず、開口部が複数ある換気ダクトに適用
しても勿論良い。また、第1実施例において、適宜、フ
ィードバック補正用フィルタを省略しても良い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の消
音装置によれば、複数の開口部から管路内に侵入する
(互いに伝搬方向の異なる)複数の騒音を確実に消音す
ることができる。また、請求項2記載の消音装置によれ
ば、安価かつ簡単な構成で、請求項1記載の消音装置を
得ることができる。また、請求項3記載の消音装置によ
れば、オーディオ装置と消音装置とを兼用することがで
き、両装置の構成を簡略化することができる。さらにま
た、請求項4記載の消音装置によれば、住宅等におい
て、換気等のために空気を導くダクト内を伝搬する双方
向の騒音(外来騒音及び室内騒音)を消音することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である(住宅用の換気ダ
クトに適用された)消音装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】この発明の第2実施例である(住宅用の換気ダ
クトに適用された)消音装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】同消音装置が住宅に取り付けられた状態を模式
的に示す概念図である。
【図4】同実施例の動作のうち、初期設定動作を説明す
るためのブロック図である。
【図5】この発明の第3実施例である消音装置を住宅に
取り付けた状態を示す概念図である。
【図6】従来の消音装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図7】従来の簡単な構成の換気ダクトを適用した住宅
の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
3a,3b センサマイク(騒音検出手段) 6a 第1の信号処理部 6b 第2の信号処理部 7a,7b エラーマイク(残留騒音検出手段) 10a,10b 付加音源スピーカ(付加音放射手
段) 23 換気ダクト(管路) 23a 屋外側開口部(開口部) 23b 屋内側開口部(開口部) 26A,26B,26C 消音装置 27 マイク(騒音検出手段、残留騒音検出手段) 28 付加音源スピーカ(付加音放射手段) 31 第1信号処理部(制御手段) 32 マイク(騒音検出手段、残留騒音検出手段) 33 付加音源スピーカ(付加音放射手段) 36 第2信号処理部(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 17/04 A 8842−5J 17/06 A 8842−5J 21/00 8842−5J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の開口部を有する管路に設けられ、
    当該複数の開口部から管路内に侵入する複数の騒音を消
    音する消音装置であって、 複数の前記開口部に対応して設けられ、対応する開口部
    から前記管路内に侵入する騒音を検出して騒音信号を出
    力する複数の騒音検出手段と、 複数の前記開口部に対応して設けられ、それぞれに入力
    される付加音信号に基づいて前記管路内に付加音を放射
    する複数の付加音放射手段と、 複数の前記開口部に対応して設けられ、対応する前記開
    口部以外の前記開口部から管路内に侵入した騒音が、対
    応する前記付加音放射手段から放射される前記付加音に
    よって打ち消されて残留する残留騒音を検出して残留騒
    音信号を出力する複数の残留騒音検出手段と、 前記騒音信号及び対応する前記残留騒音信号に基づい
    て、複数の前記騒音検出手段のそれぞれの検出位置にお
    いて対応する騒音の波形成分と逆位相となる付加音を放
    射させる付加音信号を生成してそれぞれの前記付加音放
    射手段に供給する制御手段とを備えてなることを特徴と
    する消音装置。
  2. 【請求項2】 前記騒音検出手段が、前記残留騒音検出
    手段を兼ねていることを特徴とする請求項1記載の消音
    装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の付加音放射手段のうちの少な
    くとも1つに、オーディオ信号を供給するオーディオ信
    号供給手段が付加されていることを特徴とする請求項1
    記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 住宅の換気ダクトに取り付けられ、屋外
    側開口部から前記換気ダクト内に侵入する外来騒音を屋
    内側において消音すると共に、屋内側開口部から前記換
    気ダクト内に侵入する室内騒音を屋外側において消音す
    ることを特徴とする請求項1,2又は3記載の消音装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001523136A (ja) * 1997-05-07 2001-11-20 コンピュメディックス・スリープ・プロプライエタリー・リミテッド 患者への気体または薬物供給の制御
US7708111B2 (en) 2005-07-21 2010-05-04 Sony Corporation Acoustic diaphragm and method for manufacturing an acoustic diaphragm

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001523136A (ja) * 1997-05-07 2001-11-20 コンピュメディックス・スリープ・プロプライエタリー・リミテッド 患者への気体または薬物供給の制御
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