JPH07253791A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JPH07253791A
JPH07253791A JP6046046A JP4604694A JPH07253791A JP H07253791 A JPH07253791 A JP H07253791A JP 6046046 A JP6046046 A JP 6046046A JP 4604694 A JP4604694 A JP 4604694A JP H07253791 A JPH07253791 A JP H07253791A
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JP
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noise
signal
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additional sound
frequency band
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JP6046046A
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Kazuhiko Okashita
和彦 岡下
Masakatsu Arihara
正勝 有原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • G10K2210/512Wide band, e.g. non-recurring signals

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短い信号処理時間で、1つの開口部から換気
ダクト1内に侵入する騒音を高周波帯域から低周波帯域
に亙って消音する。 【構成】 開示される消音装置は、騒音信号を出力する
センサマイク2と、付加音を放射する付加音源スピーカ
12と、残留騒音信号を出力するエラーマイク8と、騒
音信号をオーバーサンプリングしてデジタルの騒音デー
タに変換するA/Dコンバータ5と、残留騒音信号をオ
ーバーサンプリングしてデジタルの残留騒音データに変
換するA/Dコンバータ11と、1サンプリング周期毎
に切り替えられて、高周波数帯域及び低周波帯域の騒音
データ,残留騒音データに基づいて適応制御を行い、高
周波数帯域及び低周波帯域の付加音データを出力する第
1,第2信号処理部6,7と、付加音データをオーバー
サンプリングしてアナログの付加音信号に変換するD/
Aコンバータ19とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は消音装置に係り、特
に、換気用あるいは排気用のダクト内を伝搬する騒音を
消音するために用いて好適な消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の消音装置としては、特開
平5−11783号公報等に記載されているように、エ
ンジンの排気マフラ等のダクト内を伝搬する振動及びこ
の振動に起因して生ずる騒音(以下、振動と騒音とを併
せて単に騒音という)を能動的に低減する装置が知られ
ている。この消音装置は、車両の走行ノイズやエンジン
始動等の騒音レベルを検出するセンサマイクと、騒音発
生源の音(源音)と逆位相で同振幅の付加音を発生する
1つ又は複数の付加音源スピーカと、源音と付加音源ス
ピーカによって作られた付加音との音響的和を検出する
エラーマイクと、センサマイクの出力信号に基づいて、
付加音を発生するために付加音源スピーカを駆動する付
加音信号を生成すると共に、エラーマイクから出力され
る残留騒音信号に基づいて、適応制御により付加音信号
を調整する信号処理回路とから構成されている。
【0003】この消音装置の特徴は、全周波数帯域に亘
って所望の騒音低減効果を得るために、騒音を複数の周
波数帯域に分割し、高周波帯域の騒音は高速でサンプリ
ングし、低周波帯域の騒音は低速でサンプリングした
後、各周波数帯域毎に設けられた信号処理回路におい
て、その帯域の騒音と逆位相で同振幅の付加音信号を生
成し、それぞれ対応する付加音源スピーカから付加音を
放射したり、あるいは上記各付加音信号を合成して1つ
の付加音源スピーカから合成付加音を放射することによ
り、各周波数帯域毎に適した消音をすることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
構成の消音装置においては、騒音を複数の周波数帯域に
分割する周波数分割手段として、ローパスフィルタ(以
下、LPFという)、バンドパスフィルタ(以下、BP
Fという)及びハイパスフィルタ(以下、HPFとい
う)を用いており、これらをそれぞれ各周波数帯域の信
号を処理する信号処理回路の前段と後段とに設けてい
る。
【0005】したがって、上記LPF、BPF及びHP
Fによって信号が遅延されるため、装置全体における信
号処理時間が、これらの周波数分割手段を有しない同一
原理の消音装置に比べて長くなってしまう。すなわち、
センサマイクで騒音の騒音レベルを検出してから、騒音
の消音位置に付加音源スピーカから付加音を放射するま
でに時間がかかるので、センサマイクと付加音源スピー
カとの距離を他の消音装置よりも長くしなければなら
ず、装置が大型化してしまう。
【0006】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、短い信号処理時間で、1つの開口部からダクト
内に侵入する騒音を高周波帯域から低周波帯域に亙って
消音することができる消音装置を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る消音装置は、到来する騒
音を検出して騒音信号を出力する騒音検出手段と、入力
される付加音信号に基づいて、上記騒音の所定の聴取位
置又はその近傍にて上記騒音を打ち消すべき付加音を放
射する付加音放射手段と、上記聴取位置又はその近傍に
設けられ、残留騒音を検出して残留騒音信号を出力する
残留騒音検出手段と、上記騒音信号をデジタルの騒音デ
ータに変換する第1のアナログ/デジタル変換手段と、
上記残留騒音信号をデジタルの残留騒音データに変換す
る第2のアナログ/デジタル変換手段と、上記騒音デー
タ及び上記残留騒音データに基づいて、上記聴取位置又
はその近傍にて上記残留騒音を常時最小とすべく適応制
御を行い、付加音データを出力する信号処理手段と、上
記付加音データをアナログの付加音信号に変換するデジ
タル/アナログ変換手段とを備えた消音装置において、
上記騒音信号を複数の周波数帯域に分割し、分割された
周波数帯域毎に上記信号処理手段を設けると共に、上記
第1及び第2のアナログ/デジタル変換手段並びにデジ
タル/アナログ変換手段は、上記騒音信号、上記残留騒
音信号及び上記付加音データをそれぞれ所定のオーバー
サンプリング周波数でオーバーサンプリングし、上記分
割された周波数帯域毎に設けられた信号処理手段は、上
記騒音信号の分割数を上記所定のオーバーサンプリング
周波数で除算して得られる周期毎に、切り替えられて上
記適応制御を行うことを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の消音装置に係り、上記分割された周波数帯域毎に設
けられた信号処理手段は、それぞれ上記適応制御を安定
化させるための補正用フィルタを有し、消音動作開始前
に対応する周波数帯域毎に帯域制限された白色雑音デー
タを用いて上記補正用フィルタのフィルタ係数の同定処
理を行うことを特徴としている。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の消音装置に係り、上記第1及び第2のアナログ/デ
ジタル変換手段並びにデジタル/アナログ変換手段は、
上記白色雑音データに基づく、騒音信号、残留騒音信号
及び付加音データをそれぞれ所定のオーバーサンプリン
グ周波数でオーバーサンプリングし、上記分割された周
波数帯域毎に設けられた信号処理手段は、上記騒音信号
の分割数を上記所定のオーバーサンプリング周波数で除
算して得られる周期毎に、切り替えられて対応する補正
用フィルタのフィルタ係数の同定処理を行うことを特徴
としている。
【0010】さらにまた、請求項4記載の発明は、請求
項1,2又は3記載の消音装置に係り、上記付加音放射
手段は、上記分割された周波数帯域毎に設けられている
ことを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の構成において、各信号処理手段
は、騒音信号の分割数を所定のオーバーサンプリング周
波数で除算して得られる周期毎に切り替えられて、対応
する周波数帯域の騒音の消音動作を行う。したがって、
請求項1記載の構成によれば、各信号処理手段の演算の
負担が軽減され、所望の周波数帯域の騒音の低減が効率
良く行える。また、請求項2記載の構成においては、消
音動作時に、騒音信号を複数の周波数帯域に分割するフ
ィルタが不要となるため、信号処理時間が長くなること
がなく、騒音検出手段と付加音放射手段との距離を短く
でき、装置を小型に構成できる。また、請求項3記載の
構成においては、ローパスフィルタに遅延の少ないタイ
プのローパスフィルタを用いることができ、請求項2記
載の消音装置よりもより一層信号処理時間を短縮できて
装置を小型に構成できると共に、消音性能が向上する。
さらにまた、請求項4記載の構成においては、騒音の各
周波数帯域毎に、対応する付加音放射手段を設置できる
ので、効率良く消音することができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。図1は、この発明の一実施例である
(住宅の換気ダクト1に適用された)消音装置の電気的
構成を示すブロック図である。なお、この実施例におい
ては、消音すべき騒音の周波数を1kHz以下とし、ま
た、騒音の周波数帯域を低周波帯域(0〜500Hz)
と高周波帯域(500〜1kHz)に分割して信号処理
するものとする。図1において、センサマイク2は、換
気ダクト1内部の開口部1a近傍に取り付けられてお
り、換気ダクト1内を伝搬する騒音のレベルを検出して
騒音信号に変換する。この騒音信号は、増幅器(以下、
AMPという)3に入力される。AMP3は、騒音信号
を増幅する。LPF4は、カットオフ周波数が1kHz
であり、AMP3の出力信号の低周波成分を通過させ
る。アナログ/デジタル変換器(以下、A/Dコンバー
タという)5は、サンプリング周波数(オーバーサンプ
リング周波数)6kHzでLPF4から出力された騒音
信号の低周波成分をデジタルの騒音データに変換した
後、第1及び第2信号処理部6,7に入力する。
【0013】一方、換気ダクト1内部の開口部1b近傍
には、この消音装置によって減衰させられて残留する残
留騒音のレベルを検出して残留騒音信号に変換するエラ
ーマイク8が設けられている。残留騒音信号は、AMP
9に入力される。AMP9は、残留騒音信号を増幅す
る。LPF10は、カットオフ周波数が1kHzであ
り、AMP9の出力信号の低周波成分を通過させる。A
/Dコンバータ11は、サンプリング周波数6kHzで
LPF10から出力された残留騒音信号の低周波成分を
デジタルの残留騒音データε(i)に変換した後、第1
及び第2信号処理部6,7に入力する。また、付加音源
スピーカ12は、エラーマイク8の上流側の換気ダクト
1の内表面に埋設され、換気ダクト1の開口部1bにお
いて、騒音を打ち消すべき付加音を放射する。
【0014】第1信号処理部6は、高周波帯域(500
〜1kHz)の信号を処理するものであり、高周波帯域
用の適応フィルタ(以下、ADFという)13aと、高
周波帯域用のコントロールド・フィルタ(以下、CNF
という)14aと、高周波帯域用の補正用フィルタ15
a等とから概略構成され、初期動作として、付加音源ス
ピーカ12からエラーマイク8までの間の高周波帯域の
伝達関数G11aの同定、及び適応制御動作として、セン
サマイク2からエラーマイク8までの間の高周波帯域の
伝達関数G21の逆特性F1(正確には、予め、伝達関数
G11aの効果を除去された逆特性F1)の逐次同定等を行
い、高周波帯域の騒音を打ち消すべきデジタルの高周波
帯域の付加音データを生成して出力する。この効果は、
付加音源スピーカ12から高周波帯域の付加音が放射さ
れることにより加えられる(元に戻る)。
【0015】A/Dコンバータ6から出力された騒音デ
ータは、第1信号処理部6のスイッチ16の共通端子T
cに供給される。このスイッチ16は、1サンプリング
周期毎に、共通端子Tcが端子Taと端子Tbとに交互
に接続され、その出力データを第1信号処理部6の差動
増幅器17aの非反転入力端子又は第2信号処理部7の
差動増幅器17bの非反転入力端子に入力する。この実
施例においては、A/Dコンバータ5,11及び後述す
るデジタル/アナログ変換器(以下、D/Aコンバータ
という)19のサンプリング周波数を6kHzとしてい
るので、スイッチ16は、上記サンプリング周波数6k
Hzに同期した3kHzの信号で切り替えられる。
【0016】第1信号処理部6において、差動増幅器1
7aの出力データは、CNF14a及び補正用フィルタ
15aに入力される。一方、A/Dコンバータ11から
出力された残留騒音データε(i)は、第1信号処理部
6のADF13a及び第2信号処理部7の低周波帯域用
のADF13bに入力される。ADF13aは、補正用
フィルタ15aから出力される、高周波帯域用のフィー
ドバック補正用フィルタ18a及び補正用フィルタ15
aによって補正された高周波帯域の騒音データXCH
(i)の値に基づいて、残留騒音データε(i)を用い
て、最小2乗平均(Least Mean Squre; 以下、LMSと
いう)等の適応制御アルゴリズムを駆使して、常にエラ
ーマイク8の位置での高周波帯域の残留騒音が最小とな
るように、必要な伝達関数(フィルタ係数)の適応化処
理(適応動作)を行う。図示せぬ白色雑音発生部は、打
ち消すべき騒音の帯域に制限された白色雑音データを生
成する。CNF14aには、センサマイク2からエラー
マイク8までの間の高周波帯域の伝達関数G21の逆特性
F1に対応するフィルタ係数j1が設定される。このフィ
ルタ係数j1は、ADF13aによって、上記サンプリ
ング周期毎に更新される。
【0017】一方、第2信号処理部7は、低周波帯域
(0〜500Hz)の信号を処理するものであり、低周
波帯域用のADF13bと、低周波帯域用のCNF14
bと、低周波帯域用の補正用フィルタ15bと、差動増
幅器17bと、低周波帯域用のフィードバック補正用フ
ィルタ18aとから構成されている。なお、第2信号処
理部7の動作については、低周波帯域のデータ、例え
ば、騒音データXCL(i)を扱う以外は、第1信号処理
部6の動作と同様であるので、その説明を省略する。D
/Aコンバータ19は、サンプリング周波数6kHzで
図示せぬ白色雑音発生部から出力された白色雑音デー
タ、CNF14a,14bの出力データ等をアナログ信
号に変換する。また、LPF20は、カットオフ周波数
が1kHzであって、アンチエリアシングフィルタによ
って構成されており、D/Aコンバータ19の出力信号
の低周波成分を通過させる。AMP21は、LPF20
の出力信号を増幅した後、付加音源スピーカ12に入力
する。
【0018】補正用フィルタ15a,15bは、それぞ
れFIR(Finite Impulse Response)デジタルフィル
タから構成されており、上記適応制御アルゴリズムの安
定化に寄与するものであり、付加音源スピーカ12から
エラーマイク8までの間、正確には、図1に示す経路
(ポイントJ→D/Aコンバータ19→LPF20→A
MP21→付加音源スピーカ12→エラーマイク8→A
MP9→LPF10→A/Dコンバータ11→ポイント
K)の高周波帯域及び低周波帯域の伝達関数G11a及び
G11bに対応するフィルタ係数h11及びh12が設定され
る。この補正用フィルタ15a,15bを含む適応制御
アルゴリズムは、Filtered-XLMSアルゴリズムと呼ば
れ、1985年にWidrow等によって提唱されたものであ
る。
【0019】フィードバック補正用フィルタ18a,1
8bは、FIRデジタルフィルタから構成されており、
付加音源スピーカ12から放射された付加音がセンサマ
イク2によって電気信号に変換されて音響帰還を起こす
ことを防止するためのものであり、付加音源スピーカ1
2からセンサマイク2までの間、正確には、図1に示す
経路(ポイントJ→D/Aコンバータ19→LPF20
→AMP21→付加音源スピーカ12→センサマイク2
→AMP3→LPF4→A/Dコンバータ5→ポイント
L1又はL2)の高周波帯域及び低周波帯域の伝達関数G
12a及びG12bに対応するフィルタ係数h21及びh22が設
定される。CNF14a及び14bから出力された高周
波帯域及び低周波帯域の付加音データは、それぞれフィ
ードバック補正用フィルタ18a及び18bを経て、差
動増幅器17a及び17bの反転入力端子に入力されて
差動増幅器17a及び17bにおいて高周波帯域及び低
周波帯域の騒音データからそれぞれ減算され、これによ
り、フィードバック補正が行われる。このフィードバッ
ク補正を含むアルゴリズムは、1984年にWarnaka等
によって提唱されたものである。
【0020】上記構成において、まず、消音動作を行う
前に、初期設定として、補正用フィルタ15a,15b
及びフィードバック補正用フィルタ18a,18bのフ
ィルタ係数h11,,h12,h21,h22を求めておく必要
がある。図2を参照して、この初期設定動作について説
明する。図2において、図1の各部に対応した部分には
同一の符号を付して、その説明を省略する。図2には、
図1には図示しない白色雑音発生部22と、スイッチ2
3a,23bと、バンドパスフィルタ(以下、BPFと
いう)24と、LPF25と、減算器26a1,26a
2,26b1,26b2とが示されている。なお、図2に
おいて、ADF13a,13b及びCNF14a,14
bにはそれぞれ添字1,2が付されて2つずつ図示され
ているが、これらは初期設定動作を説明するために便宜
的に図示したに過ぎない。
【0021】スイッチ23a,23bは、それぞれ連動
して、上記1サンプリング周期毎に、共通端子Tcが端
子Taと端子Tbとに交互に接続されるものである。ス
イッチ23aは、白色雑音発生部22の出力データを第
1信号処理部6のBPF24又は第2信号処理部7のL
PF25に入力する。一方、スイッチ23bは、D/A
コンバータ19の出力データを第1信号処理部6のAD
F13a1及びCNF14a1又は第2信号処理部7のA
DF13a2及びCNF14a2に入力する。BPF24
は、デジタルフィルタから構成されており、白色雑音発
生部22の出力データを周波数範囲500Hz〜1kH
zに帯域制限して出力する。LPF25は、デジタルフ
ィルタから構成されており、白色雑音発生部22の出力
データを500Hz以下に帯域制限して出力する。
【0022】なお、初期状態においては、スイッチ23
a,23bのそれぞれの共通端子Tcは、ともに端子T
aに接続されている。まず、白色雑音発生部22は、打
ち消すべき騒音の帯域に制限された白色雑音データ(M
系列データX(i),iは時間)を作製する。次に、作
製されたM系列データX(i)は、スイッチ23aを介
して第1信号処理部6のBPF24に入力され、BPF
24において、周波数範囲500Hz〜1kHzに帯域
制限されて白色雑音データXh(i)となり、ADF1
3a1,13a2及びCNF14a1,14a2に入力され
ると共に、スイッチ23bを介してD/Aコンバータ1
9に入力される。
【0023】これにより、D/Aコンバータ19に入力
された白色雑音データXh(i)は、D/Aコンバータ
19においてアナログ信号に変換された後、LPF20
を経てAMP21に入力されて増幅され、付加音源スピ
ーカ12に入力される。したがって、付加音源スピーカ
12から白色雑音データXh(i)に対応する、周波数
範囲500Hz〜1kHzに帯域制限された白色雑音
(音波)が放射され、エラーマイク8によって検出され
るので、エラーマイク8において、検出された白色雑音
のレベルが騒音信号に変換されて出力される。次に、エ
ラーマイク8から出力された白色雑音データXh(i)
に対応する騒音信号は、AMP9において増幅された
後、LPF10を経てA/Dコンバータ11においてデ
ジタルの騒音データに変換され、図1には図示しない減
算器26a1の非反転入力端子に入力される。なお、初
期設定時においては、エラーマイク8からの出力値は、
残留雑音ではないので、単に騒音データという。以下に
おいて、同様である。
【0024】一方、ADF13a1及びCNF14a1に
入力された白色雑音データXh(i)は、ADF13a1
で求められた、高周波帯域の補正用のフィルタ係数h11
(初期値はランダム)で畳み込み演算が行われた後、得
られた演算結果Ych(i)がCNF14a1から出力さ
れて、減算器26a1の反転入力端子に入力される。減
算器26a1においては、A/Dコンバータ11から出
力された騒音データからCNF14a1で処理された畳
み込み演算の結果Ych(i)が減算され、得られた減算
結果が誤差データεch(i)として出力され、ADF1
3a1に入力される。これにより、ADF13a1におい
て、誤差データεch(i)と白色雑音データXh(i)
とに基づいて、(1)式に示す5秒程度のLMSアルゴ
リズム処理が実行され、付加音源スピーカ12からエラ
ーマイク8までの間の高周波帯域の伝達関数G11aが求
められ、ADF13a1の係数が、得られた高周波帯域
の伝達関数G11aに対応するフィルタ係数h11に全て更
新される。そして、このフィルタ係数h11が、補正用フ
ィルタ15aに実際の消音動作時のフィルタ係数h11と
して設定される。 h11(i+1)(n)=h11(i)(n)−2μXh(i−n)εch(i)… …(1) (1)式において、iは時間、nはADF13a1のタ
ップ番号、μは収束係数である。
【0025】一方、付加音源スピーカ12から放射され
た、白色雑音データXh(i)に対応する白色雑音(音
波)は、センサマイク2によっても検出されるので、セ
ンサマイク2において、検出された白色雑音のレベルが
騒音信号に変換されて出力される。次に、センサマイク
2から出力された白色雑音データXh(i)に対応する
騒音信号は、AMP3において増幅された後、LPF4
を経てA/Dコンバータ5においてデジタルの騒音デー
タに変換され、図1には図示しない減算器26a2の非
反転入力端子に入力される。
【0026】一方、ADF13a2及びCNF14a2に
入力された白色雑音データXh(i)は、ADF13a2
で求められた、高周波帯域のフィードバック補正用のフ
ィルタ係数h21(初期値はランダム)で畳み込み演算が
行われた後、得られた演算結果Yhh(i)がCNF14
a2から出力されて、減算器26a2の反転入力端子に入
力される。減算器26a2においては、A/Dコンバー
タ5から出力された騒音データからCNF14a2で処
理された畳み込み演算の結果Yhh(i)が減算され、得
られた減算結果が誤差データεhh(i)として出力さ
れ、ADF13a2に入力される。
【0027】これにより、ADF13a2において、誤
差データεhh(i)と白色雑音データXh(i)とに基
づいて、(2)式に示す5秒程度のLMSアルゴリズム
処理が実行され、付加音源スピーカ12からセンサマイ
ク2までの間の高周波帯域の伝達関数G12aが求めら
れ、ADF13a2の係数が、得られた伝達関数G12aに
対応するフィルタ係数h21に全て更新される。そして、
このフィルタ係数h21が、フィードバック補正用フィル
タ18aに実際の消音動作時のフィードバック補正用の
フィルタ係数h21として設定される。 h21(i+1)(n)=h21(i)(n)−2μXh(i−n)εhh(i)… …(2) (2)式において、iは時間、nはADF13a2のタ
ップ番号、μは収束係数である。そして、スイッチ23
a,23bのそれぞれの共通端子Tcを、ともに端子T
bに接続する。以上説明した処理を1サンプリング周期
の間に行う。
【0028】次のサンプリング周期では、以下に示す処
理を行う。まず、白色雑音発生部22は、打ち消すべき
騒音の帯域に制限されたM系列データX(i)を作製す
る。次に、作製されたM系列データX(i)は、スイッ
チ23aを介して第2信号処理部7のLPF25に入力
され、LPF25において、500Hz以下に帯域制限
されて白色雑音データXl(i)となり、ADF13b
1,13b2及びCNF14b1,14b2に入力されると
共に、スイッチ23bを介してD/Aコンバータ19に
入力される。これにより、D/Aコンバータ19に入力
された白色雑音データXl(i)は、D/Aコンバータ
19においてアナログ信号に変換された後、LPF20
を経てAMP21に入力されて増幅され、付加音源スピ
ーカ12に入力される。したがって、付加音源スピーカ
12から白色雑音データXl(i)に対応する、500
Hz以下に帯域制限された白色雑音(音波)が放射さ
れ、エラーマイク8によって検出されるので、エラーマ
イク8において、検出された白色雑音のレベルが騒音信
号に変換されて出力される。次に、エラーマイク8から
出力された白色雑音データXl(i)に対応する騒音信
号は、AMP9において増幅された後、LPF10を経
てA/Dコンバータ11においてデジタルの騒音データ
に変換され、図1には図示しない減算器26b1の非反
転入力端子に入力される。
【0029】一方、ADF13b1及びCNF14b1に
入力された白色雑音データXl(i)は、ADF13b1
で求められた、低周波帯域の補正用のフィルタ係数h12
(初期値はランダム)で畳み込み演算が行われた後、得
られた演算結果Ycl(i)がCNF14b1から出力さ
れて、減算器26b1の反転入力端子に入力される。減
算器26b1においては、A/Dコンバータ11から出
力された騒音データからCNF14b1で処理された畳
み込み演算の結果Ycl(i)が減算され、得られた減算
結果が誤差データεcl(i)として出力され、ADF1
3b1に入力される。
【0030】これにより、ADF13b1において、誤
差データεcl(i)と白色雑音データXl(i)とに基
づいて、(3)式に示す5秒程度のLMSアルゴリズム
処理が実行され、付加音源スピーカ12からエラーマイ
ク8までの間の低周波帯域の伝達関数G11bが求めら
れ、ADF13b1の係数が、得られた低周波帯域の伝
達関数G11bに対応するフィルタ係数h12に全て更新さ
れる。そして、このフィルタ係数h12が、補正用フィル
タ15bに実際の消音動作時のフィルタ係数h12として
設定される。 h12(i+1)(n)=h12(i)(n)−2μXl(i−n)εcl(i)… …(3) (3)式において、iは時間、nはADF13b1のタ
ップ番号、μは収束係数である。
【0031】一方、付加音源スピーカ12から放射され
た、白色雑音データXl(i)に対応する白色雑音(音
波)は、センサマイク2によっても検出されるので、セ
ンサマイク2において、検出された白色雑音のレベルが
騒音信号に変換されて出力される。次に、センサマイク
2から出力された白色雑音データXl(i)に対応する
騒音信号は、AMP3において増幅された後、LPF4
を経てA/Dコンバータ5においてデジタルの騒音デー
タに変換され、図1には図示しない減算器26b2の非
反転入力端子に入力される。
【0032】一方、ADF13b2及びCNF14b2に
入力された白色雑音データXl(i)は、ADF13b2
で求められた、低周波帯域のフィードバック補正用のフ
ィルタ係数h22(初期値はランダム)で畳み込み演算が
行われた後、得られた演算結果Yhl(i)がCNF14
b2から出力されて、減算器26b2の反転入力端子に入
力される。減算器26b2においては、A/Dコンバー
タ5から出力された騒音データからCNF14b2で処
理された畳み込み演算の結果Yhl(i)が減算され、得
られた減算結果が誤差データεhl(i)として出力さ
れ、ADF13b2に入力される。
【0033】これにより、ADF13b2において、誤
差データεhl(i)と白色雑音データXl(i)とに基
づいて、(4)式に示す5秒程度のLMSアルゴリズム
処理が実行され、付加音源スピーカ12からセンサマイ
ク2までの間の低周波帯域の伝達関数G12bが求めら
れ、ADF13b2の係数が、得られた伝達関数G12bに
対応するフィルタ係数h22に全て更新される。そして、
このフィルタ係数h22が、フィードバック補正用フィル
タ18bに実際の消音動作時のフィードバック補正用の
フィルタ係数h22として設定される。 h22(i+1)(n)=h22(i)(n)−2μXl(i−n)εhl(i)… …(4) (4)式において、iは時間、nはADF13b2のタ
ップ番号、μは収束係数である。そして、スイッチ23
a,23bのそれぞれの共通端子Tcを、ともに端子T
aに接続する。以上説明した処理を1サンプリング周期
の間に行う。
【0034】次のサンプリング周期では、上記した、補
正用フィルタ15aのフィルタ係数h11及びフィードバ
ック補正用フィルタ18aのフィードバック補正用のフ
ィルタ係数h21を求める処理を行う。すなわち、各サン
プリング周期毎に、スイッチ23a,23bを切り替え
て、補正用フィルタ15aのフィルタ係数h11及びフィ
ードバック補正用フィルタ18aのフィードバック補正
用のフィルタ係数h21を求める処理と、補正用フィルタ
15bのフィルタ係数h12及びフィードバック補正用フ
ィルタ18bのフィードバック補正用のフィルタ係数h
22を求める処理とを交互に行う。以上説明した処理を、
10〜20秒間繰り返すことにより、補正用フィルタ1
5a,15bのフィルタ係数h11,h12及びフィードバ
ック補正用フィルタ18a,18bのフィードバック補
正用のフィルタ係数h21,h22を求める。
【0035】以上説明した初期設定が完了すると、消音
動作が実行される。なお、初期状態においては、スイッ
チ16の共通端子Tcは、端子Taに接続されている。
換気ダクト1の開口部1aから換気ダクト1内に侵入し
た騒音は、センサマイク2によってそのレベルが検出さ
れ、騒音信号に変換された後、AMP4において増幅さ
れ、LPF5を経てA/Dコンバータ6においてデジタ
ルの騒音データに変換される。そして、A/Dコンバー
タ6から出力された騒音データは、スイッチ16を介し
て第2信号処理部7の差動増幅器17bの非反転入力端
子に入力される。一方、CNF14bにおいて、フィル
タ係数j2(初期値はランダム)で畳み込み演算が行わ
れた付加音データは、フィードバック補正用フィルタ1
8bにおいて、フィルタ係数h22で畳み込み演算が行わ
れた後、差動増幅器17bの反転入力端子に入力され
る。これにより、差動増幅器17bにおいて、騒音デー
タからフィードバック補正用フィルタ18bの出力デー
タが減算されてフィードバック補正が行われる。
【0036】次に、差動増幅器17bの出力データは、
CNF14b及び補正用フィルタ15bに入力される。
これにより、CNF14bにおいて、フィルタ係数j2
で畳み込み演算が行われて付加音データが生成された
後、D/Aコンバータ19においてアナログ信号に変換
され、LPF20を経てAMP21に入力されて増幅さ
れ、付加音源スピーカ12に入力される。また、補正用
フィルタ15bにおいて、差動増幅器17bの出力デー
タに対して、初期設定時に設定されたフィルタ係数h12
で畳み込み演算が行われ、その演算結果XCL(i)がA
DF13bに入力される。
【0037】一方、エラーマイク8において、残留騒音
のレベルが検出され、残留騒音信号に変換された後、A
MP9において増幅され、LPF10を経てD/Aコン
バータ11においてデジタルの残留騒音データε(i)
に変換される。これにより、ADF13bにおいて、補
正用フィルタ15bから出力された、フィードバック補
正用フィルタ18b及び補正用フィルタ15bによって
補正された騒音データXCL(i)の値に基づいて、残留
騒音データε(i)を用いて、(5)式に示すLMSア
ルゴリズムによる適応化処理(適応動作)が行われ、常
にエラーマイク8の位置での残留騒音が最小となるよう
に、センサマイク2からエラーマイク8までの間の伝達
関数G22の逆特性F2が求められる。そして、ADF1
3bの係数が、得られた伝達関数G22の逆特性F2に対
応するフィルタ係数j2に全て更新される。これによ
り、CNF14bのフィルタ係数が、このフィルタ係数
j2に全て置き換えられる。 j2(i+1)(n)=j2(i)(n)−2μXCL(i−n)ε(i)… …(5) (5)式において、iは時間、nはADF13bのタッ
プ番号、μは収束係数である。
【0038】したがって、CNF14bにおいて、新た
に入力された騒音データに対して、新たに設定されたフ
ィルタ係数j2で畳み込み演算が行われて新たな付加音
データが生成された後、D/Aコンバータ19において
アナログ信号に変換され、LPF20を経てAMP21
に入力されて増幅され、付加音源スピーカ12に入力さ
れる。これにより、付加音源スピーカ12から新たな付
加音データに対応する新たな付加音(消音音波)が放射
され、エラーマイク8の検出ポイントにおいて逆位相の
騒音と干渉して騒音を弱める。
【0039】干渉後の残留騒音の音圧は、エラーマイク
8によってそのレベルが検出され、残留騒音信号に変換
された後、AMP9において増幅され、LPF10を経
てA/Dコンバータ11においてデジタルの残留騒音デ
ータε(i)に変換されて、再び第2信号処理部7のA
DF13bに入力される。そして、スイッチ16の共通
端子Tcを、端子Tbに接続する。上記適応能動制御
は、ADF13bにおいて1サンプリング周期(A/D
コンバータ5から出力される1つの騒音データ)おきに
繰り返され、最終的にエラーマイク8の検出ポイントに
おいて低周波帯域の騒音と低周波帯域の付加音とが同振
幅で逆位相の関係となって、互いに充分打ち消し合っ
て、換気ダクト1の開口部1bから外部へ放出される低
周波帯域の騒音が能動的に消音される。
【0040】次のサンプリング周期では、以下に示す処
理を行う。換気ダクト1の開口部1aから換気ダクト1
内に侵入した騒音は、センサマイク2によってそのレベ
ルが検出され、騒音信号に変換された後、AMP4にお
いて増幅され、LPF5を経てA/Dコンバータ6にお
いてデジタルの騒音データに変換される。そして、A/
Dコンバータ6から出力された騒音データは、スイッチ
16を介して第1信号処理部6の差動増幅器17aの非
反転入力端子に入力される。一方、CNF14aにおい
て、フィルタ係数j1(初期値はランダム)で畳み込み
演算が行われた付加音データは、フィードバック補正用
フィルタ18aにおいて、フィルタ係数h21で畳み込み
演算が行われた後、差動増幅器17aの反転入力端子に
入力される。これにより、差動増幅器17aにおいて、
騒音データからフィードバック補正用フィルタ18aの
出力データが減算されてフィードバック補正が行われ
る。
【0041】次に、差動増幅器17aの出力データは、
CNF14a及び補正用フィルタ15aに入力される。
これにより、CNF14aにおいて、フィルタ係数j1
で畳み込み演算が行われて付加音データが生成された
後、D/Aコンバータ19においてアナログ信号に変換
され、LPF20を経てAMP21に入力されて増幅さ
れ、付加音源スピーカ12に入力される。また、補正用
フィルタ15aにおいて、差動増幅器17aの出力デー
タに対して、初期設定時に設定されたフィルタ係数h11
で畳み込み演算が行われ、その演算結果XCH(i)がA
DF13aに入力される。
【0042】一方、エラーマイク8において、残留騒音
のレベルが検出され、残留騒音信号に変換された後、A
MP9において増幅され、LPF10を経てD/Aコン
バータ11においてデジタルの残留騒音データε(i)
に変換される。これにより、ADF13aにおいて、補
正用フィルタ15aから出力された、フィードバック補
正用フィルタ18a及び補正用フィルタ15aによって
補正された騒音データXCH(i)の値に基づいて、残留
騒音データε(i)を用いて、(6)式に示すLMSア
ルゴリズムによる適応化処理(適応動作)が行われ、常
にエラーマイク8の位置での残留騒音が最小となるよう
に、センサマイク2からエラーマイク8までの間の伝達
関数G21の逆特性F1が求められる。そして、ADF1
3aの係数が、得られた伝達関数G21の逆特性F1に対
応するフィルタ係数j1に全て更新される。これによ
り、CNF14aのフィルタ係数が、このフィルタ係数
j1に全て置き換えられる。 j1(i+1)(n)=j1(i)(n)−2μXCH(i−n)ε(i)… …(6) (6)式において、iは時間、nはADF13aのタッ
プ番号、μは収束係数である。
【0043】したがって、CNF14aにおいて、新た
に入力された騒音データに対して、新たに設定されたフ
ィルタ係数j1で畳み込み演算が行われて新たな付加音
データが生成された後、D/Aコンバータ19において
アナログ信号に変換され、LPF20を経てAMP21
に入力されて増幅され、付加音源スピーカ12に入力さ
れる。これにより、付加音源スピーカ12から新たな付
加音データに対応する新たな付加音(消音音波)が放射
され、エラーマイク8の検出ポイントにおいて逆位相の
騒音と干渉して騒音を弱める。
【0044】干渉後の残留騒音の音圧は、エラーマイク
8によってそのレベルが検出され、残留騒音信号に変換
された後、AMP9において増幅され、LPF10を経
てA/Dコンバータ11においてデジタルの残留騒音デ
ータε(i)に変換されて、再び第1信号処理部6のA
DF13aに入力される。そして、スイッチ16の共通
端子Tcを、端子Taに接続する。上記適応能動制御
は、ADF13aにおいて1サンプリング周期おきに繰
り返され、最終的にエラーマイク8の検出ポイントにお
いて高周波帯域の騒音と高周波帯域の付加音とが同振幅
で逆位相の関係となって、互いに充分打ち消し合って、
換気ダクト1の開口部1bから外部へ放出される高周波
帯域の騒音が能動的に消音される。
【0045】次のサンプリング周期では、上記した、セ
ンサマイク2からエラーマイク8までの間の低周波帯域
の伝達関数G22の逆特性F2(正確には、予め、伝達関
数G11aの効果を除去された逆特性F2)の逐次同定を行
い、低周波帯域の騒音を打ち消すべきデジタルの低周波
帯域の付加音データを生成して出力する。すなわち、各
サンプリング周期毎に、スイッチ16を切り替えて、セ
ンサマイク2からエラーマイク8までの間の低周波帯域
及び高周波帯域の伝達関数G22及びG21の逆特性F2及
びF1(正確には、予め、伝達関数G11b及びG11aの効
果を除去された逆特性F2及びF1)の逐次同定を行い、
低周波帯域及び高周波帯域の騒音を打ち消すべきデジタ
ルの低周波帯域及び高周波帯域の付加音データを個別に
生成して出力し、時間的にも完全に独立して消音する。
【0046】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述
の実施例においては、付加音源スピーカ12を1つだけ
設けるようにした場合について述べたが、これに限定さ
れず、図3に示すように、低周波帯域用の付加音源スピ
ーカ12aと、高周波帯域用の付加音源スピーカ12b
とを設けても良い。この場合には、効率の良い付加音の
再生が可能であり、また、付加音源スピーカ12aと高
周波帯域用の付加音源スピーカ12bとを異なる位置に
設けて付加音を放射するように制御できるため、消音効
率が良い。なお、図3において、図1の各部に対応する
部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】また、上述の実施例においては、この発明
の構成の消音装置を、開口部が2つある換気ダクト1に
適用した場合について述べたが、これに限らず、開口部
が複数ある換気ダクトに適用しても勿論良い。さらに、
上述の実施例においては、一旦補正用フィルタ15a,
15b及びフィードバック補正用フィルタ18a,18
bに設定されたフィルタ係数h11,h12,h21,h22
は、この消音装置の動作停止時もその値を保持し、以後
の動作でも用いるようにした場合について述べたが、こ
れに限定されず、換気ダクト1内の空気流の変動等、伝
達系に著しい変化がある場合には、例えば、一定期間毎
に上記した初期動作と同様の動作によりフィルタ係数h
11,h12,h21,h22を求めて補正用フィルタ15a,
15b及びフィードバック補正用フィルタ18a,18
bに設定しても良い。加えて、上述の実施例において
は、1つのセンサマイク2及び1つのエラーマイク8を
用いる場合について述べたが、これに限らず、複数のセ
ンサマイク及び複数のエラーマイクを用いるようにして
も良い。
【0048】また、上述の実施例においては、騒音の周
波数帯域を低周波帯域と高周波帯域とに分割した例を示
したが、これに限定されず、騒音の周波数帯域をより多
くの周波数帯域に分割し、各周波数帯域毎に信号処理部
を設けても良い。また、上述の実施例においては、消音
すべき騒音の周波数が1kHz以下であるとし、A/D
コンバータ5及びD/Aコンバータ11のサンプリング
周波数を6kHzとし、さらに、スイッチ16,23
a,23bを3kHzの信号によって切り替える例を示
したが、これに限定されない。要するに、消音すべき騒
音をオーバーサンプリングすると共に、そのサンプリン
グ周期の整数倍の周期毎にスイッチ16,23a,23
bを切り替えるようにすれば良い。ただし、サンプリン
グ定理を満たすために、各スイッチを切り替える周期の
逆数は、消音すべき騒音の周波数の2倍以上に設定する
必要がある。
【0049】さらにまた、上述の実施例においては、第
1及び第2信号処理部6,7をハードウェアで構成する
ようにしたが、これらに代えて、第1及び第2信号処理
部6,7をデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)
で構成し、上記適応制御等の信号処理をマイクロプログ
ラム、すなわち、ソフトウェアで実行するようにしても
良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成の
消音装置によれば、消音すべき騒音を複数の周波数帯域
に分割しているが、補正フィルタの係数が帯域制限され
た白色雑音を用いて同定されるため、従来の装置のよう
に、信号処理手段の前段と後段とに周波数分割手段とし
てのローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパス
フィルタ等を設ける必要がなく、信号処理時間が長くな
らない。したがって、短い信号処理時間で、1つの開口
部からダクト内に侵入する騒音を高周波帯域から低周波
帯域に亙って効率良く消音することができる。これによ
り、装置を小型化することができる。また、請求項2及
び3記載の構成の消音装置によれば、アナログ/デジタ
ル変換器及びデジタル/アナログ変換器において、消音
すべき騒音をオーバーサンプリングしているので、アナ
ログ/デジタル変換器の前段及びデジタル/アナログ変
換器の後段にそれぞれ設けるローパスフィルタのカット
オフ周波数を従来の装置に比べて高く設定できると共
に、これらのローパスフィルタとして減衰特性が穏やか
で群遅延のばらつきが少なく、しかも信号遅延が少ない
バタワース型等のローパスフィルタを用いることができ
る。したがって、これらのローパスフィルタにおける信
号遅延が周波数分割型の従来の装置に比べて少なくな
り、騒音検出手段と付加音放射手段との距離を短くで
き、この場合も装置を小型化できると共に、消音性能の
向上を図ることができる。さらに、請求項4記載の構成
の消音装置によれば、各周波数帯域毎に付加音放射手段
を設けているので、各周波数帯域毎に制御する付加音の
波面の向きや付加音の放射位置を変更することができ、
効率の良い消音が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である(住宅の空調ダクト
に適用された)消音装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図2】同消音装置における同定処理を説明するための
ブロック図である。
【図3】同実施例の変形例である消音装置の電気的構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 センサマイク(騒音検出手段) 6 第1信号処理部(第1の信号処理手段) 7 第2信号処理部(第2の信号処理手段) 8 エラーマイク(残留騒音検出手段) 12 付加音源スピーカ(付加音放射手段) 13a,13b ADF(適応フィルタ) 14a,14b CNF(コントロールド・フィル
タ) 15a,15b 補正用フィルタ 16,23a,23b スイッチ(切替手段) 18a,18b フィードバック補正用フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到来する騒音を検出して騒音信号を出力
    する騒音検出手段と、入力される付加音信号に基づい
    て、前記騒音の所定の聴取位置又はその近傍にて前記騒
    音を打ち消すべき付加音を放射する付加音放射手段と、
    前記聴取位置又はその近傍に設けられ、残留騒音を検出
    して残留騒音信号を出力する残留騒音検出手段と、前記
    騒音信号をデジタルの騒音データに変換する第1のアナ
    ログ/デジタル変換手段と、前記残留騒音信号をデジタ
    ルの残留騒音データに変換する第2のアナログ/デジタ
    ル変換手段と、前記騒音データ及び前記残留騒音データ
    に基づいて、前記聴取位置又はその近傍にて前記残留騒
    音を常時最小とすべく適応制御を行い、付加音データを
    出力する信号処理手段と、前記付加音データをアナログ
    の付加音信号に変換するデジタル/アナログ変換手段と
    を備えた消音装置において、 前記騒音信号を複数の周波数帯域に分割し、分割された
    周波数帯域毎に前記信号処理手段を設けると共に、 前記第1及び第2のアナログ/デジタル変換手段並びに
    デジタル/アナログ変換手段は、前記騒音信号、前記残
    留騒音信号及び前記付加音データをそれぞれ所定のオー
    バーサンプリング周波数でオーバーサンプリングし、 前記分割された周波数帯域毎に設けられた信号処理手段
    は、前記騒音信号の分割数を前記所定のオーバーサンプ
    リング周波数で除算して得られる周期毎に、切り替えら
    れて前記適応制御を行うことを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 前記分割された周波数帯域毎に設けられ
    た信号処理手段は、それぞれ前記適応制御を安定化させ
    るための補正用フィルタを有し、消音動作開始前に対応
    する周波数帯域毎に帯域制限された白色雑音データを用
    いて前記補正用フィルタのフィルタ係数の同定処理を行
    うことを特徴とする請求項1記載の消音装置。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2のアナログ/デジタル
    変換手段並びにデジタル/アナログ変換手段は、前記白
    色雑音データに基づく、騒音信号、残留騒音信号及び付
    加音データをそれぞれ所定のオーバーサンプリング周波
    数でオーバーサンプリングし、前記分割された周波数帯
    域毎に設けられた信号処理手段は、前記騒音信号の分割
    数を前記所定のオーバーサンプリング周波数で除算して
    得られる周期毎に、切り替えられて対応する補正用フィ
    ルタのフィルタ係数の同定処理を行うことを特徴とする
    請求項2記載の消音装置。
  4. 【請求項4】 前記付加音放射手段は、前記分割された
    周波数帯域毎に設けられていることを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の消音装置。
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