JP2694604B2 - 新規なメタロプロテアーゼおよびそれをコードするdna - Google Patents

新規なメタロプロテアーゼおよびそれをコードするdna

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JP2694604B2
JP2694604B2 JP6331305A JP33130594A JP2694604B2 JP 2694604 B2 JP2694604 B2 JP 2694604B2 JP 6331305 A JP6331305 A JP 6331305A JP 33130594 A JP33130594 A JP 33130594A JP 2694604 B2 JP2694604 B2 JP 2694604B2
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元治 清木
博 佐藤
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富士薬品工業株式会社
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、癌細胞の存在の有無、癌の悪性
度の診断等に、あるいはその他の医学的、生理学的分野
の用途に有用な新規なメタロプロテアーゼに関する。
【0002】さらに詳しく言えば、本発明はヒト癌細胞
で特異的に発現しているメタロプロテアーゼの1種なら
びにそれをコードする遺伝子DNA配列、そのDNA配
列を含有する塩基配列を有するプラスミド、そのプラス
ミドを有する宿主細胞、該宿主細胞を用いる該タンパク
質の製造方法、前記DNA配列とハイブリダイズするプ
ローブ、該プローブを用いる前記DNA配列を有するD
NAまたはRNAの検出方法、前記のタンパク質に特異
的に結合するモノクローナル抗体に関するものである。
【0003】
【背景技術】コラーゲン、プロテオグリカン、エラスチ
ン、フィブロネクチン、ラミニン等の複雑な成分から構
成される細胞外マトリックスの分解には、基質特異性を
異にするマトリックスメタロプロテアーゼと総称される
一群の酵素(以下MMPsと略記する)が関与してい
る。
【0004】これまでMMPsとしては、間質型コラゲ
ナーゼ(MMP−1)、72kDaゼラチナーゼ(IV
型コラゲナーゼあるいはゼラチナーゼAともいう:MM
P−2)92kDaゼラチナーゼ(IV型コラゲナーゼ
あるいはゼラチナーゼBともいう:MMP−9)、スト
ロムライシン−1(MMP−3)、マトリライシン(M
MP−7)、好中球コラゲナーゼ(MMP−8)、スト
ロムライシン−2(MMP−10)、ストロムライシン
−3(MMP−11)等が報告されている。
【0005】これらのMMPsはファミリーを形成し、
遺伝子の一次構造は既に報告されている。決定されてい
るMMPsファミリー間の一次構造においては、MMP
−7を除き各MMPは基本的にN−末端プロペプチドド
メイン、Zn結合触媒ドメイン、C−末端ヘモペキシ
ン凝血酵素様ドメインの3つから構成されている。MM
P−7においてはヘモペキシン凝血酵素様ドメインはな
い。MMP−2とMMP−9では、この他にゼラチン結
合ドメインを含んでいる。さらに、MMP−9では、Z
結合触媒ドメインとC−末端ヘモペキシン凝血酵素
様ドメインの間にプロリンに富むV型コラーゲンα2鎖
と相同性の高いドメインが挿入されている。
【0006】転移性の高い癌細胞では、IV型コラーゲ
ンを主たる基質とするIV型コラゲナーゼ(MMP−
2、MMP−9)の顕著な発現が見られることが報告さ
れており(キャンサー リサーチ(Cancer Re
s.)、第46巻、1〜7頁(1986);バイオケミ
カル アンド バイオフィジカル リサーチ コミュニ
ケーションズ(Biochem.Biophys.Re
s.Commun.)、第154巻、832〜838頁
(1988);キャンサー(Cancer)、第71
巻、1368〜1383頁(1993))、また、MM
P−9の活性化がMMP−3の作用によって引き起こさ
れることが報告されている(ザ ジャーナルオブ バイ
オロジカル ケミストリー(J.Biol.Che
m.)第267巻、3581〜3584頁(199
2))。マトリックスメタロプロテアーゼの発現の程度
は、癌の悪性度を診断する指標となる。
【0007】
【発明の開示】本発明者らは新規なマトリックスメタロ
プロテアーゼ(以下本明細書においてはMT−MMPと
記述する)を見出し、その構造分析を行った。本発明に
より、下記に記載されるとおり、新規なメタロプロテア
ーゼタンパク質、そのタンパク質をコードする塩基配列
を有するDNA、このDNA塩基配列を有するプラスミ
ド、このプラスミドを有する宿主細胞ならびに上記メタ
ロプロテアーゼタンパク質を特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体が提供される。
【0008】1. C末端領域に膜結合型タンパク質に
特徴的な配列表配列番号1の533位から562位まで
の疎水性アミノ酸の連続配列を有することを特徴とする
天然型膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼ。 2. C末端領域に膜結合型タンパク質に特徴的な配列
表配列番号1の533位から562位までの疎水性アミ
ノ酸の連続配列を有し、かつ160位から173位、3
20位から333位及び498位から512位のアミノ
酸配列を有することを特徴とする天然型膜結合型マトリ
ックスメタロプロテアーゼ。 3. C末端領域に膜結合型タンパク質に特徴的な配列
表配列番号1の533位から582位までの疎水性アミ
ノ酸の連続配列を有し、かつ1位から173位、320
位から333位及び498位から512位のアミノ酸配
列を有することを特徴とする天然型膜結合型マトリック
スメタロプロテアーゼ。 4. 上記1ないし3のいずれかに記載された膜結合型
マトリックスメタロプロテアーゼのアミノ酸配列に対応
する配列表配列番号2に記載された塩基配列を有するD
NA。 5. 上記4に記載された塩基配列を有するDNA配列
を有し、上記1ないし3のいずれかに記載された膜結合
型マトリックスメタロプロテアーゼを発現するプラスミ
ド。 6. 上記4に記載された塩基配列を有するDNA配列
を有し、上記1ないし3のいずれかに記載された膜結合
型マトリックスメタロプロテアーゼを発現するプラスミ
ドを有する宿主細胞。 7. 上記1ないし3のいずれかに記載された膜結合型
マトリックスメタロプロテアーゼを特異的に認識するモ
ノクローナル抗体。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
者らは、公知のマトリックスメタロプロテアーゼ(MM
P)ファミリーのアミノ酸配列から選択した高度に保存
されている配列(配列表配列番号3および4)より、配
列表配列番号5および6に記載した配列を有するオリゴ
ヌクレオチドプライマーを設計、合成した。該オリゴヌ
クレオチドプライマーとヒト胎盤cDNAライブラリー
を用い、PCR反応を行い、得られたPCR産物の各D
NAの塩基配列を決定し、公知のMMPと相同でない配
列を有する390b.p.のDNA断片を得た。この3
90b.p.DNA断片をプローブとし、ヒト胎盤cD
NAライブラリーのスクリーニングを行い、得られた陽
性クローンのファージDNA中に組み込まれていたcD
NAの塩基配列を決定した。塩基配列は配列表配列番号
2に記載の塩基配列である。配列表配列番号2に記載の
塩基配列と同一の配列は、GENBANK/EMBL
DNA Data Base中には存在せず、この塩基
配列を有するDNAは全く新規なものであることが認め
られた。
【0010】配列表配列番号2に記載した上記のクロー
ンのcDNAの塩基配列は、3′非翻訳配列と共に推定
582アミノ酸残基のオープンリーディングフレームを
有していた。開始コドンは塩基番号112に位置し、停
止コドンは塩基番号1858に存在する。このオープン
リーディングフレームは、配列表配列番号1に記載した
582アミノ酸からなる配列をコードしており、開始コ
ドンのすぐ下流から推定されるシグナル配列が続き、C
末端のアミノ酸番号533から562に20個以上の疎
水性アミノ酸の連続した膜結合型タンパク質に特徴的な
疎水性領域(配列表配列番号7)が存在することが認め
られた。
【0011】図2に示すようにMT−MMPのアミノ酸
配列と公知のMMPファミリーのアミノ酸配列との相同
性を調査した結果、MT−MMPは公知のMMPファミ
リーと高い相同性を示した。MMPファミリーで保存さ
れている前駆体と成熟体のプロセッシング部位近傍の配
列、および活性部位の配列はMT−MMP中で最も良好
に保存されていた。またMT−MMPでは、他のMMP
ファミリーのアミノ酸配列上には認められない配列表配
列番号7に示した疎水性アミノ酸の連続した配列が存在
し、膜貫通型タンパク質の構造的特徴を有することか
ら、他のMMPファミリーとは異なる膜結合型のMMP
であることが強く示唆された。
【0012】MT−MMPのヒト組織中での発現を各種
の組織由来Poly(A)RNAに対するノーザンブロ
ット分析により検討した結果、胎盤、肺、腎臓で高い発
現をしていることが認められた(図3参照)。また、ヒ
ト肺偏平上皮癌の正常部分および癌部分から抽出したR
NAに対しノーザンブロット分析を行った結果、MT−
MMPは癌部位で特異的に発現していることが認められ
た(図4参照)。なお、本発明のMT−MMPは、抗M
T−MMPモノクローナル抗体を用いた免疫沈降や免疫
染色実験により遺伝子産物が分泌されることなく細胞膜
上に発現されていることが示され、また、MT−MMP
遣伝子をトランスフェクションした細胞では、MT−M
MPの発現に依存したMMP−2の活性化が観察された
(ネイチャー(Nature)、第370巻、61〜6
5頁(1994))。以上述べた本発明者らの研究成果
により、本発明により、配列表配列番号1に記載された
アミノ酸配列を有する新規なマトリックスメタロプロテ
アーゼタンパク質が提供される。
【0013】また、本発明により配列表配列番号1に記
載されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードして
いる配列表配列番号2に記載された塩基配列を有するD
NA、該DNAを有し発現し得るプラスミド、このプラ
スミドを有する宿主細胞が提供される。上記の宿主細胞
としては、大腸菌、枯草菌などの原核細胞宿主、酵母、
COS細胞、CHO細胞、3T3細胞などの真核細胞、
Sf21などの昆虫細胞等、通常遺伝子組換え技術で用
いられる全ての宿主細胞を用いることができる。上記の
プラスミドとしては、通常用いられる宿主細胞に応じた
発現ベクターを用いることができる。
【0014】さらに本発明により、配列表配列番号2に
記載された塩基配列を有するDNAから転写されるmR
NAが提供される。上記のDNAあるいはRNAとハイ
ブリダイズし、該DNAまたはRNAを特異的に検出す
るプローブも提供されるが、該プローブは、通常使用さ
れる放射性同位元素、酵素などにより標識され、通常の
ブロッティング分析、In situハイブリダイゼー
ションで該DNAあるいはRNAと特異的にハイブリダ
イズし、検出できるものであれば配列表配列番号2に記
載した塩基配列の一部を有するものであればよく、どの
ような塩基配列でもよい。
【0015】さらに、本発明は、本発明に係るMT−M
MPと特異的に結合するモノクローナル抗体を提供す
る。本発明に係るモノクローナル抗体は、ヒトMT−M
MPを免疫原として公知の方法、例えばミルシュタイン
らの方法(ネイチャー(Nature)、第256巻、
495〜497頁(1975))により製造することが
できる。この方法において、免疫原としては天然型ヒト
MT−MMP、組換えヒトMT−MMPおよびそれらの
一部のアミノ酸配列を有する合成ペプチド等の何れでも
よい。
【0016】本発明により、本発明に係る新規なMT−
MMPのアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする
塩基配列を有するDNAをクローン化し、そのDNAお
よびそのDNAにコードされているタンパク質を遺伝子
工学的方法により製造することができる。この新規なM
T−MMPのcDNAクローンを用いることにより、上
記の塩基配列を遺伝子工学的に常用される方法を用いて
他のベクターあるいは宿主へのクローン化を行うことが
できる。また、上記のcDNAの塩基配列に準拠して適
宜、プローブに適したDNAを設計し、調製することが
できる。さらに、本発明に係わるMT−MMPの遣伝子
塩基配列をもとに遺伝子工学的に常用される方法を用い
ることにより、MT−MMPのアミノ酸配列中に適宜、
1個ないしは複数個以上のアミノ酸の置換、欠失、挿
入、転移あるいは付加した如き変異を導入した相当する
タンパク質を製造することができる。メタロプロテアー
ゼの共通の特徴である前駆体と成熟体のプロッセシング
部位近傍の配列や活性部位の配列、ドメイン構造、MT
−MMPの特徴であるC末端近傍に存在する疎水性アミ
ノ酸の連続した疎水性領域が維持されていれば、上記の
如き誘導体は全て本発明に包含される。
【0017】本発明の前述した種々の態様を利用するこ
とにより、癌細胞の存在の有無、癌の悪性度などの診断
用の診断剤あるいは診断方法の用途に、あるいはまた、
その他の医学的生理学的分野の用途に適用される種々の
技術手段を提供することができる。以下、実施例により
本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例
により限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1 新規なメタロプロテアーゼ(MT−MMP)cDNAの
単離 (a)cDNAライブラリーの構築 ヒト胎盤組織から全RNAをグアニジン−塩化セシウム
法(バイオケミストリー(Biochemistr
y)、第18巻、5294〜5299頁(1979))
により抽出し、ポリ(A)RNAをオリゴ(dT)−
セルロースカラムを使用して精製した。精製したポリ
(A)RNAをテンプレート、オリゴ(dT)をプラ
イマーとしてガブラー・ホフマン(Gubler・Ho
ffman)法(ジーン(Gene)、第25巻、26
3〜269頁(1983))に従い、cDNAを合成し
た。TDNAポリメラーゼによりcDNAの末端を平
滑化した後、EcoR IメチラーゼによりcDNA中
に存在するEcoR Iサイトをメチル化した。さらに
EcoR Iリンカー〔d(pG−G−A−A−T−T
−C−C)〕とcDNAをTDNAリガーゼを用い連
結させた後、EcoR I消化することにより両末端に
EcoR Iサイトを有するcDNAを構築した。この
cDNAをλgtllのEcoR IサイトにTDN
Aリガーゼを用い連結させた。次にこのcDNAを例え
ばインビトロパッケージングキット(Amersha
m)を使用し、インビトロパッケージングを行い、cD
NAライブラリーを構築した。cDNAライブラリーと
して市販の例えばヒト胎盤cDNAライブラリー(CL
ONTECH)を使用することもできる。
【0019】(b)合成オリゴヌクレオチドプライマー
の作製 既知のMMPsファミリーのアミノ酸配列の中から、M
MPsファミリー中で高度に保存されているアミノ酸配
列として配列表配列番号3(P−1)および配列番号4
に記載した配列(P−2)を選択した。このオリゴペプ
チドP−1およびオリゴペプチドP−2のそれぞれに対
応するオリゴデオキシヌクレオチドプライマーを設計し
た。すなわち、オリゴペプチド中に2つ以上のコドンで
コードされるアミノ酸が存在する場合その混合物とし配
列表配列番号5(プライマー1)および配列番号6(プ
ライマー2)に記載した配列のごとく設計した。このプ
ライマー1およびプライマー2をDNAシンセサイザM
odel 392(Applied Biosyste
ms)を使用し、β−シアノエチルフォスフォアミダイ
ト(β−cyanoethyl Phosphoami
dite)法により合成した。得られたプライマー1お
よびプライマー2は10mMリン酸ナトリウム緩衝液p
H6.8で平衡化したニックカラム(Pharmaci
a)を用い精製した。
【0020】(c)PCRによる遺伝子増幅 ヒト胎盤由来のcDNAをテンプレート、前項(b)に
記載したプライマー1およびプライマー2をプライマー
としてPCR反応(PCRテクノロジー(PCR Te
chnology)63〜67頁、ストックトンプレス
(Stockton Press))を行った。その結
果、390b.p.のPCR産物を得た。得られたPC
R産物を適当なプラスミド、例えばpUC 119やp
Bluescriptにクローニングし、このPCR産
物の塩基配列を、蛍光DNAシーケンサModel 3
73A(Applied Biosystems)、T
aqダイプライマーサイクルシークエンシングキット
(Applied Biosystems)を使用し決
定した。塩基配列を決定した種々のPCR産物の中から
既知MMPの塩基配列と相同性のないPCR産物Aを得
た。このPCR産物Aを前述の(a)項に記載したヒト
胎盤組織cDNAライブラリーをスクリーニングするた
めのプローブとして用いた。プローブの32P標識は、
ランダムプライムドDNAラベリングキット(Boeh
ringer Mannhaim)を使用して行った。
【0021】(d)cDNAライブラリーからの新規M
MP遺伝子のスクリーニングと塩基配列の決定 前述の(a)に記載したλgtll中に構築したヒト胎
盤cDNAライブラリーを宿主菌大腸菌Y1090に感
染させ、プラークを形成させた。すなわち、Y1090
株を0.02%マルトースを含むL培地で1晩培養後、
集菌し、10mM MgSOに懸濁した。この細胞懸
濁液とファージ液を混合し37℃15分間インキュベー
トし、ファージを宿主菌に吸着させた。これに軟寒天を
加え、Lプレート上に広げた(上記の操作を以後プレー
ティングと称す)。プレートを42℃で1晩インキュベ
ートし、プラークを形成させた後、ナイロンフィルター
(例えば、ハイボンド−N(Amersham))ある
いはニトロセルロースフィルター(例えばHATF(M
illipore))をプレート上に置き、約30秒間
放置した。膜を穏やかに剥がしアルカリ変性液(0.1
M NaOH、1.5M NaCl)に30秒間浸した
後、中和液(1.5M NaCl含有0.5M Tri
s−HCl緩衝液、pH8)に5分間浸した。このフィ
ルターを2×SSPE(0.36M NaCl、20m
M NaHPO,2mM EDTA)で洗浄した
後、風乾した。上述のプラークのフィルターへの転写を
繰り返し、少なくとも2枚のフィルターを調製した。但
し、2枚目以降のフィルターとプレートの接触時間は2
分間程度に延長した。このフィルターを80℃で2時間
ベーキングし、DNAを固定した。1つのプレートから
調製した少なくとも2枚のフィルターをそれぞれ42
℃、1時間洗浄液(1M NaCl、1mM EDTA
および0.1%SDS含有50mM Tris−HCl
緩衝液、pH8.0)で洗浄後、ハイブリダイゼーショ
ンバッグ中にフィルターを入れ、プレハイブリダイゼー
ション溶液(50% formamide、5×Den
hardt’s溶液(0.2%ウシ血清アルブミン、
0.2%polyvinylpyrolidone)、
5×SSPE、0.1%SDS、100μg/ml熱変
性サケ精子DNA)に浸し、42℃で6〜8時間プレハ
イブリダイゼーションを行った。次に100℃、5分間
加熱変性させた(c)項で記載した32P標識プローブ
をプレハイブリダイゼーション溶液に添加し、42℃で
1晩ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼ
ーション完了後、フィルターを室温で多量の0.1%S
DS含有2×SSC溶液で洗浄した。次にフィルターを
0.1%SDS含有1×SSC溶液中に68℃、15分
間置いた。このフィルターを風乾した後、X線フィルム
(Kodak XR)と重ね−70℃で1週間オートラ
ジオグラフィーを行った。X線フィルムを現像し、1枚
のプレートからできた2枚のフィルムを重ね、重なるシ
グナルをマークした。マークしたシグナルに相当するプ
ラークをSM溶液(100mM NaClおよび10m
M MgSO含有50mM Tris−HCl緩衝
液、pH7.5)に懸濁した。このファージ懸濁液を適
度に希釈してプレーティングし、上記と同様のスクリー
ニング行い、組換え体ファージを得た。
【0022】(e)組換え体λgtll DNAの調製 クローン化したファージをそれぞれプレーティングし4
2℃、3時間インキュベートし、続いて37℃、1晩イ
ンキュベートした後SM溶液に数滴のクロロホルムを加
え室温で30分間放置した。SM溶液と共に上層の軟寒
天を掻き取り、遠心分離した。遠心後の上清に終濃度1
0%になるようにポリエチレングリコールを加え撹拌し
た後、4℃で1時間放置した。これを遠心分離し上清を
捨て、ファージ粒子を回収した。このファージ粒子をS
M溶液に懸濁し、グリセロールグラジエント超遠心分離
法(モレキュラークローニング、ア ラボラトリーマニ
ュアル(Molecular cloning,a l
aboratory manual)、T.マニアスチ
ス(T.Maniastis)他著、コールド スプリ
ング ハーバー ラボラトリー プレス(Cold S
pring Harbor Laboratory P
ress)発行、2.78頁(1989))により精製
した。得られたファージをTM溶液に懸濁し、DNas
e IおよびRNase Aで処理後、20mM ED
TA、50μg/ml Proteinase Kおよ
び0.5%SDSの混合液を加え65℃、1時間インキ
ュベートした。これをフェノール抽出、ジエチルエーテ
ル抽出後、エタノール沈殿によりDNAを沈殿させた。
得られたDNAを70%エタノールで洗浄後乾燥し、T
E溶液(10mM EDTA含有10mM Tris−
HCl緩衝液、pH8)に溶解した。
【0023】(f)挿入断片の塩基配列決定 前項(e)で調製したλgt11 DNAをEcoR
Iで分解し、挿入断片を分離精製後、ベクターpBlu
escript(Stratagene)のEcoR
I部位にクローニングした。この組換え体pBlues
criptで大腸菌NM522 XLI−Blueを形
質転換した。形質転換細胞をF′選択後、ヘルパーファ
ージVCSM13(Stratagene)を感染させ
終夜培養した。培養液を遠心分離し菌体を除き、これに
PEG/NaClを加えファージを沈殿させた。沈殿を
TE溶液に懸濁後、1本鎖DNAをフェノール抽出、エ
タノール沈殿により回収した。この1本鎖DNAの塩基
配列を蛍光DNAシーケンサModel 373A(A
pplied Biosystems)、Taqダイプ
ライマーサイクルシークエンシングキット(Appli
ed Biosystems)を使用し決定した。決定
した塩基配列の全長は3403塩基対であり、その配列
は配列表配列番号2に記載した。GENBANK/EM
BL DNAData Baseを使用し、配列表配列
番号2に記載した塩基配列を検索したが、同一の配列は
存在しなかった。
【0024】(g)遺伝子産物の解析 配列表配列番号2に記載した遺伝子塩基配列から予想さ
れる配列表配列番号1に記載したアミノ酸配列の親水、
疎水性値をカイト・ドーリトル(Kyte・Dooli
ttle)法(ジャーナル オブ モレキュラーバイオ
ロジー(J.Mol.Biol.)、 第157巻、1
05〜132頁(1982))により算出し、図1に示
す親水性、疎水性分布図を決定した。配列表配列番号1
のアミノ酸533位から562位のC末端領域に膜結合
型タンパク質に特徴的な20個以上の疎水性アミノ酸が
連続する配列からなる疎水性領域が存在し、その配列を
配列表配列番号7に示した。このような疎水性のアミノ
酸が連続している配列は、既知のMMPsには見られな
い配列である。配列表配列番号1に記載したアミノ酸配
列を公知のMMPsのアミノ酸配列とその相同性を比較
した結果、配列表配列番号1に示したアミノ酸配列は、
MMPsファミリーと相同性を示した。特に、MMPs
ファミリーで非常に高度に保存されている前駆体と活性
型の切断部位および活性部位はMT−MMPでもそれぞ
れ高い保存性を示した(配列表配列番号1、アミノ酸8
8位〜97位およびアミノ酸番号112位〜222
位)。
【0025】実施例2 遺伝子発現 (a)組織での発現 ヒト心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、
各組織由来のポリ(A)RNAをブロットしてあるメ
ンブレン ヒューマン マルチプル ティッシュ ノー
ザン ブロッツ(CLONTECH)に対し、32P標
識した実施例1(c)項に記載したPCR産物Aをプロ
ーブとして用いてハイブリダイゼーションを行った。3
×SSC(0.45M NaCl、0.045M tr
isodiumcitrate−2HO、pH7.
0)で湿らせたヒューマン マルチプル ティッシュ
ノーザン ブロッツのフィルターをプレハイブリダイゼ
ーション溶液(0.75M NaCl、2.5mM E
DTA、0.5×Denhardt’s溶液、50%F
ormamideおよび1%SDS含有20mM Tr
is−HCl緩衝液、pH7.5)中で穏やかに撹拌し
ながら2〜3時間プレハイブリダイズした。次にハイブ
リダイゼーション溶液(プレハイブリダイゼーション溶
液に10%Sodium Dextran、50μg/
ml変性サケ精子DNAを加えた溶液)に熱変性したプ
ローブを加えプレハイブリダイゼーション溶液と交換
し、43℃で1晩ハイブリダイゼーションを行った。ハ
イブリダイゼーション完了後、0.1%SDS含有2×
SSC溶液で洗浄した。次にフィルターを0.1%SD
S含有1×SSC溶液中に68℃、15分間置いた。こ
のフィルターを風乾した後、X線フィルム(Kodak
XR)と重ね−70℃で1週間オートラジオグラフィ
ーを行った。MT−MMP遺伝子の転写産物のサイズ
は、何れの組織でも4.8kb.であった。現像したX
線フィルムをデンシトメーターでトレースしシグナルの
強度を測定した結果、MT−MMP遺伝子は、調べた組
織中、肺、胎盤、腎臓で高い発現を認めた。
【0026】(b)癌組織での発現 ヒト肺偏平上皮癌2例それぞれから正常組織と癌組織を
採取し、全RNAをグアニジン−塩化セシウム法により
抽出した。10μgの該RNAそれぞれを1%アガロー
ス電気泳動後、ナイロンメンブレンにトランスファー
し、実施例1(c)項に記載した32P標識したプロー
ブを使用してハイブリダイゼーションを行った。ハイブ
リダイゼーションおよびオートラジオグラフィーのトレ
ースは前項(a)と同様に行った。いずれのヒト肺偏平
上皮癌においても癌組織(図4 T参照)での発現が正
常組織(図4 N参照)に比べ有意に高値を示した。
【0027】実施例3 モノクローナル抗体の調製 (a)抗原ポリペプチドの調製 配列表配列番号1に記載したMT−MMPのアミノ酸配
列中より他のMMPファミリーとの相同性が低い特異的
な配列として配列表配列番号8(配列表配列番号1アミ
ノ酸番号160位〜173位の配列)、同9(配列表配
列番号1アミノ酸番号320位〜333位の配列)およ
び同10(配列表配列番号1アミノ酸番号498位〜5
12位の配列)に記載した配列(以下それぞれポリペプ
チドA、ポリペプチドBおよびポリペプチドCと略記す
る)を選択した。これらのポリペプチドをペプチド合成
機(ペプチドシンセサイザー9600、MilliGe
n/Biosearch)を用いFmoc−BOP法に
より合成し、N末端にシステインを導入した。合成した
各ペプチドは高速液体クロマトグラフィーにより精製し
た。
【0028】(b)各ポリペプチドとキーホールリンベ
ットヘモシアニンの複合体の調製 2mgキーホールリンベットヘモシアニン(KLH)を
1mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解し
たものと1.85mgN−(ε−maleimidoc
aproyloxy)succinimideを200
μlのジメチルホルムアミドに溶解したものと混合し、
30℃、30分間反応させた。ついで、上記の混合液を
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したPD
−10(Pharmacia)でゲルろ過した。マレイ
ミドが結合したKLHを分取し、1.5ml以下に濃縮
した。マレイミドが結合したKLHに対し50倍モル量
の前記(a)で合成した各ポリペプチドを1mlの0.
1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したものとをそ
れぞれ混合し、4℃、20時間インキュベートし、KL
H−ポリペプチド複合体を調製した。
【0029】(c)抗体産生細胞の調製 前項(b)で調製した3種類のポリペプチドA、ポリペ
プチドBおよびポリペプチドCとKLHとの複合体それ
ぞれ250μgを完全フロインドアジュバントと共に8
週令Balb/c雌マウスに腹腔内投与し、初回免疫し
た。18日後に0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に
溶解した各複合体200μgをそれぞれの初回免疫した
マウスに腹腔内投与し、追加免疫した。さらに32日後
に追加免疫時と同様に各複合体100μgを静脈内投与
し、最終免疫とした。その3日後に牌臓を摘出し、脾細
胞懸濁液を調製した。
【0030】(d)細胞融合 8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞SP2(SP2/
O−Ag14)との融合は、オイ(Oi)らの方法(セ
レクテッド メソッド イン セルラー イムノロジー
(Selected Method in Cellu
lar Immunology)、B.B.ミッシェル
とS.M.シーギ編(ed.B.B.Mishell
and S.M.Shiigi)、W.H.フリーマン
アンドカンパニー(W.H.Freeman and
Company)発行、351〜372頁(198
0))を若干改変して行った。以下では、ポリペプチド
A−KLH複合体で免疫したマウス由来の有核脾細胞と
ミエローマ細胞SP2との融合に関して詳述する。
【0031】前項(c)で調製した有核脾細胞(生細胞
率100%)それぞれとミエローマ細胞(生細胞率10
0%)とを5:1の比率で以下の手順で融合した。ポリ
ペプチドA脾細胞懸濁液とミエローマ細胞をそれぞれR
PMI1640培地で洗浄した。次に同じ培地に懸濁
し、融合させるために有核脾細胞3×10個とミエロ
マ細胞6×10個を混合した。次に遠心分離により細
胞を沈殿させ、上清を完全に吸引除去した。沈殿した細
胞に37℃に加温したPEG4000溶液(50%(w
/v)ポリエチレングリコール4000含有RPMI1
640培地)2.0mlを1分間で滴下し、1分間撹拌
し、細胞を再懸濁、分散させた。次に37℃に加温した
RPMI1640培地2.0mlを1分間で滴下した。
この操作をさらに1回繰り返した後、同培地14mlを
2〜3分間で常に撹拌しながら滴下し、細胞を分散させ
た。これを遠心分離し、上清を完全に吸引除去した。次
にこの沈殿した細胞に37℃に加温したNS−1培地
(除菌ろ過した15%(w/v)仔牛胎児血清(JRH
Biosciences)含有RPMI1640培
地)30mlを速やかに加え、大きい細胞塊を注意深く
ピペッティングで分散した。さらに同培地30mlを加
えて希釈し、ポリスチレン製96穴マイクロウェルにウ
ェル当り6.0×10個/0.1mlの細胞を加え
た。細胞を加えた上記マイクロウェルを7%炭酸ガス/
93%空気中で温度37℃、湿度100%で培養した。
【0032】ポリペプチドB−KLH複合体で免疫した
マウス由来脾細胞の場合では、脾細胞6.4×10
とミエローマ細胞1.28×10個を混合し、上記で
使用したPEG4000溶液、RPMI1640培地、
NS−1培地をそれぞれ4.3ml、38.7ml、1
29ml用いた。ポリペプチドC−KLH複合体で免疫
したマウス由来の脾細胞の場合、脾細胞6.8×10
個とミエローマ細胞1.36×10個を混合し、PE
G4000溶液、RPMI1640培地、NS−1培地
をそれぞれ4.5ml、40.5ml、135ml使用
した。
【0033】(e)選択培地によるハイブリドーマの選
択的増殖 前項(d)の培養開始後翌日(1日目)、細胞にパスツ
ールピペットでHAT培地(NS−1培地にヒポキサン
チン(100μM)、アミノプテリン(0.4μM)お
よびチミジン(16μM)を加えた培地)2滴(約0.
1ml)を加えた。2、3、5、8日目に培地の半分
(約0.1ml)を新しいHAT培地で置き換え、11
日目に培地の半分を新しいHT培地(アミノプテリン不
含HAT培地)で置き換えた。14日目にハイブリドー
マの生育が肉眼にて認められた全ウェルについて固相−
抗体結合テスト法(ELISA)により陽性ウェルを調
べた。すなわち、ポリスチレン性96穴プレートを抗原
としたポリペプチドA、BおよびCそれぞれでコート
し、次に洗浄用PBS(0.05%Tween20含
有)を用いて洗浄して未吸着のペプチドを除いた。さら
に各ウェルの未コート部分を1%BSAでブロックし
た。この各ウェルにハイブリドーマの生育が確認された
ウェルの上清0.1mlを添加し、室温で約1時間静置
した。2次抗体として西洋わさびペルオキシダーゼ標識
ヤギ抗マウス免疫グロブリンを加え、さらに室温で約1
時間静置した。次に基質である過酸化水素とo−フェニ
レンジアミンを加え、発色の程度をマイクロプレート用
吸光度測定機(MRP−A4、東ソー)を用いて492
nmの吸光度で測定した。
【0034】(f)ハイブリドーマのクローニング 前項(e)で得られた各抗原ペプチドに対する陽性ウェ
ル中のハイブリドーマを、限界希釈法を用いてモノクロ
ーン化した。すなわち、96穴マイクロウェルにハイブ
リドーマをウェル当り5個、1個、0.5個になるよう
に希釈し、それぞれ36穴、36穴、24穴に加えた。
5日目、12日目に全ウェルに約0.1mlのNS−1
培地を追加した。クローニング開始後約2週間で、肉眼
的に十分なハイブリドーマの生育を認め、コロニー形成
陰性ウェルが50%以上である群について(e)に記載
したELISAを行った。調べた全ウェルが陽性でない
場合、抗体陽性ウェル中のコロニー数が1個のウェルを
4〜6個選択し、再クローニングを行った。最終的に表
1および表2にまとめて示したように各ポリペプチド
A、ポリペプチドBまたはポリペプチドCに対するモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマがそれぞれ1
2個、20個、9個得られた。
【0035】(g)ハイブリドーマの培養とモノクロー
ナル抗体の精製 得られた各ハイブリドーマ細胞をNS−1培地で培養
し、その上清から濃度10〜100μg/mlのモノク
ローナル抗体を得ることができた。また、得られたハイ
ブリドーマを10個を予め1週間前にプリスタンを腹
腔内投与したマウス(BALB/c系、雌、6週齢)に
同じく腹腔内投与し、1〜2週間後、腹水中からも4〜
7mg/mlのモノクローナル抗体を含む腹水を得るこ
とができた。得られた腹水を40%飽和硫酸アンモニウ
ムで塩析後、IgGクラスの抗体をプロテインAアフィ
ゲル(Bio−Rad)に吸着させ、0.1Mクエン酸
緩衝液(pH5)で溶出することにより精製した。
【0036】(h)モノクローナル抗体のクラス、サブ
クラスの決定 前述したELISAに従い、各ポリペプチドA、ポリペ
プチドBまたはポリペプチドCをコートしたマイクロタ
イトレーションプレートに、(f)で得られたモノクロ
ーンの上清を加えた。次にPBSで洗浄後、アイソタイ
プ特異的ウサギ抗マウスIgG抗体(Zymed La
b.)を加えた。PBSにより洗浄後、西洋わさびペル
オキシダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)を加
え、基質として過酸化水素および2,2′−アジノージ
(3−エチルベンゾチアゾリン酸)を用いてクラス、サ
ブクラスを決定した。
【0037】(i)抗MT−MMPモノクローナル抗体
の特異性 ヒト新生児線維芽細胞(NB1RGB)の培養上清中か
らそれぞれ精製した潜在型MMP−1(クリニカ キミ
カ アクタ(Clin.Chim.Acta)、第21
9巻、1〜14頁(1993))、潜在型MMP−2
(クリニカ キミカ アクタ(Clin.Chim.A
cta)、第221巻、91〜103頁(1993))
および潜在型MMP−3(クリニカ キミカ アクタ
(Clin.Chim.Acta)、第211巻、59
〜72頁(1992))、ヒト直腸癌細胞(Car−
1)の培養上清から精製した潜在型MMP−7(キャン
サー リサーチ (cancer Res.)、第50
巻、7758〜7764頁、(1990))、ヒト好中
球より精製した潜在型MMP−8(バイオロジカル ケ
ミストリー ホップ セイラー(Biol.Chem.
Hoppe−Seyler)、第371巻、サプルメン
ト、295〜304頁、(1990))並びにヒト線維
芽細胞腫株(HT1080)の培養上清から精製した潜
在型MMP−9(ザジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー(J.Biol.Chem)、第267
巻、21712〜21719頁、(1992))をそれ
ぞれ抗原として使用し、前述の(e)に記載したELI
SAによりヒトMT−MMPペプチドと陽性反応を示す
5種類の抗MT−MMPモノクローナル抗体(モノクロ
ーン番号113−5B7、113−15E7、114−
1F1、114−2F2および118−3B1)の交差
反応性を調べた。
【0038】すなわち、ポリスチレン製96穴プレート
を使用し、各ウエルに精製した各MMP−1、MMP−
2、MMP−3、MMP−7、MMP−8およびMMP
−9をそれぞれ50ng/Wellで加えコートした。
洗浄用PBSで洗浄し未吸着の抗原を除去した後、各ウ
エルの未コート部分を3%スキムミルク含有PBSでブ
ロックした。この各ウエルに各抗MT−MMPモノクロ
ーナル抗体それぞれを1μg/Wellで加え、室温で
約1時間静置した。プレートを洗浄後、2次抗体として
ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス免疫グロブリンを加
えさらに室温で約1時間反応させた。次に基質である過
酸化水素とo−フェニレンジアミンを加え、発色の程度
をマイクロプレート用吸光度測定機(MRP−A4、東
ソー)を用いて492nmの吸光度で測定した。その結
果、表3に示したように、抗MT−MMPモノクローナ
ル抗体は何れも、供試したMT−MMP以外の精製MM
Psと反応性を示さなかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例4 遺伝子産物の発現と同定 実施例1(f)で構築したMT−MMP遺伝子をクロー
ン化した組換えpBluescriptからEooR
I 切断により挿入断片を切出し、真核細胞用発現ベク
ターpSG5(stratagene)のEcoR I
サイトにクローニングした。該組換えpSG5をヒト線
維芽細胞腫株HT1080にリン酸カルシウム法により
トランスフェクションした。すなわち、蒸留水に20μ
gの組換えpSG5、62μlの2M CaClを加
え、次に2×HBSP溶液(1.5mM NaHPO
、10mM KCl、280mM NaClおよび1
2mM Glucose含有50mM HEPES緩衝
液、pH7.1)をチューブの底に加え全量が1mlに
なるようにした。これを混合後、室温で30分程度放置
し、沈殿形成を十分行った。沈殿をピペッティングによ
り分散し、HT1080細胞に滴下した後、COイン
キュベーター中で約4時間インキュベートした。次に培
地を除き、15%グリセリン溶液を加え1〜3時間処理
した後、グリセリンを吸引除去、PBSで洗浄後、35
S−メチオニンを含む新鮮な培地を加えた。培養を継続
し、細胞タンパク質を35Sで標識した。因みに、HT
1080細胞におけるMT−MMP遺伝子の発現はノー
ザンブロット分析では検出できない。
【0043】細胞を溶解緩衝液(1%Triton X
−100、1% bovine hemoglobi
n、1mM iodoacetamide、0.2U
trypsin inhibitor、1mM PMS
Fおよび0.14MNaCl含有0.01M Tris
−HCl緩衝液、pH8)中で4℃、1時間インキュベ
ートした。細胞溶解液を遠心分離し、上清を回収した。
上清に実施例3で得られたモノクローナル抗体をカップ
リングさせたセファロース−4B(Pharmaci
a)を加え、4℃で2時間撹拌しながらインキュベート
し、免疫沈降を行った。免疫沈降には実施例3で得られ
たポリペプチドAに対する12個のモノクローナル抗体
のうち非特異的反応性の低いモノクローン番号 114
−1F2および114−2F2(受託番号FERM B
P−4743)の2種類をそれぞれ使用した。次に、遠
心分離により免疫沈降させたモノクローナル抗体をカッ
プリングしたセファロース−4Bを沈殿させ、洗浄液
(1%TritonX−100、1%bovine h
emoglobinおよび0.14M NaCl含有
0.01M Tris−HCl、pH8)で3回洗浄
し、最後に0.05M Tris−HCl緩衝液、pH
6.8で洗浄した。この洗浄したモノクローナル抗体を
カップリングしたセファロース−4BにSDSポリアク
リルアミド電気泳動用サンプル緩衝液を加え、100℃
で5分間加熱した後、SDSポリアクリルアミド電気泳
動を行った。泳動後のゲルをX線フィルム(Kodak
XR)と重ね−70℃で1週間オートラジオグラフィ
ーを行った後、現像したX線フィルムをデンシトメータ
ーでトレースしシグナルの強度を測定した。使用した抗
MT−MMPモノクローナル抗体モノクローン番号11
4−1F2および114−2F2はいずれも、63kD
aのタンパク質を免疫沈降した。対照としたMT−MM
P遺伝子を含まないベクターpSG5のみをトランスフ
ェクションした細胞では、抗MT−MMPモノクローナ
ル抗体モノクローン番号114−1F2および114−
2F2で63kDaタンパク質は免疫沈降されなかっ
た。免疫沈降で検出されたタンパク質の分子量63kD
aは、配列表配列番号1に記載したアミノ酸配列から算
出される分子量65.78kDaとほぼ一致した。さら
に、配列表配列番号1に記載したアミノ酸配列のアミノ
酸13位から101位までを欠失した変異体MT−MM
P発現プラスミドを作成し、前述と同様HT1080細
胞にトランスフェクションし、免疫沈降を行った。変異
体MT−MMP遺伝子を導入したHT1080細胞で
は、63kDaタンパク質は検出されず、55kDaタ
ンパク質を検出した。この分子量は、導入した欠失から
予想される分子量と一致した。
【0044】
【実験例】(a)MT−MMPの発現による潜在型MM
P−2の活性化 実施例4で構築したMT−MMP遺伝子をクローン化し
た組換えpSG5あるいはコントロールとしてベクター
pSG5単独を同じく実施例4に記載したリン酸カルシ
ウム法によりHT1080細胞、あるいはマウス胎児由
来線維芽細胞NIH3T3にトランスフェクションし
た。ただし、35S−メチオニン含有新鮮培地の代わり
に、通常の新鮮培地を使用した。なお、HT1080細
胞およびNIH3T3細胞は、何れも潜在型MMP−2
および潜在型MMP−9を分泌しており(図6中の66
kDaおよび97.4kDaのバンドにそれぞれ相
当)、また、MT−MMP遺伝子をトランスフェクショ
ンした細胞では、MT−MMPが発現していることを免
疫沈降実験により確認した(実施例4参照)。
【0045】得られたトランスフェクタントを無血清培
地中で24時間培養し、回収した培養上清をザイモグラ
フィーに供試した。培養上清をSDSポリアクリルアミ
ド電気泳動用緩衝液(非還元)と混和後4℃で一晩放置
した後、1mg/mlのカゼイン含有10%ポリアクリ
ルアミドゲルを用い、電流20mA、4℃で電気泳動を
行った。泳動終了後、ゲルを2.5%Triton X
−100含有ゼラチナーゼ用緩衝液(5mM CaCl
、1μM ZnSO含有Tris−HCl、pH
7.6)で15分間ゆっくり振盪させながら洗浄し、こ
の操作を2回繰り返した。次にゲルを1%Triton
X−100含有ゼラチナーゼ用緩衝液中に浸し、37
℃で一晩放置した。緩衝液を廃棄し、ゲルを0.02%
クマシーブリリアントブルーR(50%メタノール−1
0%酢酸に溶解)で1時間染色後、脱色液(5%メタノ
ール−7.5%酢酸)に浸し脱色した。
【0046】図6に示すように、MT−MMP遺伝子を
トランスフェクションしたHT1080細胞では、新た
に64kDaと62kDaのバンドが生じ、潜在型MM
P−2の活性化が確認された。この活性型MMP−2
は、細胞を100μg/mlのコンカナバリンAで処理
して誘導される活性型MMP−2分子と同じ分子量を示
し、また抗MMP−2モノクローナル抗体と特異的に反
応した。この活性化は、ベクター単独をトランスフェク
ションしたコントロールでは観察されなかった。一方、
潜在型MMP−9は、コントロールの細胞と同様に分子
量の変化は認められず、活性化は認められなかった。こ
のMT−MMPの発現に伴う潜在型MMP−2の活性化
は、MT−MMP遺伝子をトランスフェクションしたN
IH3T3細胞でも観察された。
【0047】(b)MT−MMP発現細胞膜画分による
潜在型MMP−2の活性化 前項(a)の記載と同様にMT−MMP遺伝子をクロー
ン化した組換えpSG5あるいはコントロールとしてベ
クターpSG5単独をリン酸カルシウム法によりアフリ
カミドリザル腎由来細胞COS−1にトランスフェクシ
ョンした。得られたトランスフェクタントからストロン
ジン(Strongin)らの方法(ザジャーナル オ
ブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.C
hem.)、第268巻、14033〜14039頁
(1993))に従い、細胞膜画分を調製した。
【0048】トランスフェクタントをPBSで洗浄後、
遠心により細胞を集め8.5%Sucrose、50m
M NaCl、10mM N−ethylmaleim
ide、10μg/ml aprotinin、1μg
/ml pepstatinA、1μg/ml leu
peptin、1mM phenylmethylsu
lfonyl fluoride含有25mM Tri
s−HCl緩衝液(pH7.4)に懸濁した。細胞懸濁
液をDounce homogenizerで破砕し、
破砕液を遠心分離(3000×g、10分間、4℃)し
た。得られた上清をさらに超遠心分離(100,000
×g、2時間)し、沈殿を50mMNaCl、10mM
N−ethylmaleimide、10μg/ml
aprotinin 、1μg/ml pepsta
tin A、1μg/mlleupeptin、1mM
phenylmethylsulfonyl flu
oride含有25mM Tris−HCl緩衝液(p
H7.4)に懸濁した。この懸濁液を段階的ショ糖密度
勾配遠心(20、30、50、60% Sucrose
溶液、100,000×g、2時間、4℃)で分画し、
生じた細胞膜画分のバンドを回収した。この画分を再度
超遠心分離(100,000×g、2時間)により沈殿
させた後、0.1mM CaCl、0.25%Tri
tonX−100含有25mMHEPES/KOH(p
H7.5)に懸濁し、タンパク質終濃度1〜2mg/m
lとなるように調整した。この懸濁液を超遠心分離(1
00,000×g、1.5時間、4℃)し不溶残渣を除
き得られた上清を細胞膜画分とした。
【0049】ベクターpSG5単独またはMT−MMP
遺伝子をトランスフェクションしたCOS−1細胞およ
び無処理のCOS−1細胞からそれぞれ調製した細胞膜
画分(タンパク質含量20μg)をHT1080細胞の
培養上清と37℃で2時間インキュベートした。これら
試料を用いて前項(a)に記載したザイモグラフィーを
行った。その結果、MT−MMP遺伝子をトランスフェ
クションしたCOS−1細胞由来の細胞膜画分を用いた
場合のみ、新たな64kDaと62kDaのバンドが出
現し、HT1080細胞の培養上清中に存在する潜在型
MMP−2の活性化が観察された(図7参照)。この潜
在型MMP−2の活性化は、組換えTIMP−2の添加
により阻害された。この結果から、細胞膜上に発現した
MT−MMPによる潜在型MMP−2の活性化が示され
た。
【0050】(c)In vitroにおけるMT−M
MP発現による浸潤能の促進 細胞の浸潤能の測定は、ボイデン チャンバー(Boy
den Chamber)法(キャンサー リサーチ
(Cancer Res.)、第47巻、3239〜3
245頁(1987))を改変して行い、操作はバイオ
コート マトリゲル インベージョンチャンバー(Be
cton Dickinson)の操作方法に従った。
【0051】前述の(a)の記載と同様にMT−MMP
遺伝子をクローン化した組換えpSG5あるいはコント
ロールとしてベクターpSG5単独をリン酸カルシウム
法によりHT1080細胞、あるいはNIH3T3細胞
にトランスフェクションした。これらの宿主細胞はいず
れも潜在型MMP−2を分泌している。得られたトラン
スフェクタントを0.1%BSA含有DMEM培地に懸
濁し、2×10個の細胞をバイオコート マトリゲル
インベージョン チャンバー中の未コートフィルター
(ポアサイズ8μm)あるいは予め膨潤させたマトリゲ
ルコートフィルター上に接種した。24時間、37℃炭
酸ガスインキュベーター中で培養した後、フィルターを
10秒間メタノール中に浸し固定した。次にヘマトキシ
リンで3分間水洗後、エオジンで10秒間染色し、フィ
ルター下面に浸潤した細胞数を光学顕微鏡下(400
倍)で計測した。
【0052】MT−MMP遺伝子をトランスフェクショ
ンしたHT1080細胞およびNIH3T3細胞では、
いずれもコントロールのベクター単独をトランスフェク
ションした細胞に比べ、2倍以上の浸潤した細胞が観察
された(図8マトリゲル参照)。すなわち、MT−MM
Pの発現により細胞の浸潤能が上昇したことが示され
た。また、この測定系に10μg/mlの組換えTIM
P−2を添加すると明らかに細胞の浸潤能が抑制される
ことが認められた(図8マトリゲル+rTIMP−2参
照)。
【0053】
【配列表1】
【0054】
【配列表2】
【0055】
【配列表3】
【0056】
【配列表4】
【0057】
【配列表5】
【0058】
【配列表6】
【0059】
【配列表7】
【0060】
【配列表8】
【0061】
【配列表9】
【0062】
【配列表10】
【配列表11】
【配列表12】
【0063】
【配列表13】
【配列表14】
【配列表15】
【0064】
【配列表16】
【配列表17】
【図面の簡単な説明】
【図1】MT−MMPのアミノ酸配列のカイト・ドーリ
トル法による親水性、疎水性分布図である。
【図2A】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2B】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2C】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2D】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2E】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2F】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2G】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPro、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図2H】MT−MMPのアミノ酸配列と公知のMMP
ファミリー(MMP−1、MMP−2、MMP−3、M
MP−7、MMP−8、MMP−9、MMP−10、M
MP−11)のアミノ酸配列との配列上の相同性を比較
した図である。各図中の記号は、それぞれアミノ酸を表
し、AはAla、CはCys、DはAsp、EはGl
u、FはPhe、GはGly、HはHis、IはIl
e、KはLys、LはLeu、MはMet、NはAs
n、PはPrp、QはGln、RはArg、SはSe
r、TはThr、VはVal、WはTrp、YはTyr
に対応する。これらの2A〜2Hの図は一体となって1
つの図を構成する。
【図3】ノーザンブロット分析による各種のヒト組織中
でのMT−MMP mRNAの発現を相対的に示したも
のである。
【図4】ノーザンブロット分析によるヒト肺偏平上皮癌
2例の正常部および癌部におけるMT−MMP mRN
Aの発現を相対的に示したものである。
【図5】MT−MMP cDNA導入HT1080細胞
中で発現したMT−MMPタンパク質を免疫沈降法によ
り検出した結果を示したものである。図はデンシトメー
タによるスキャンを示したものであり、黒塗り部分が抗
MT−MMPモノクローナル抗体で免疫沈降したMT−
MMPの位置を示す。
【図6】MT−MMP cDNA導入HT1080細胞
およびMT−MMP cDNA導入NIH3T3細胞の
培養上清のザイモグラフィーにより、MT−MMPの発
現による潜在型MMP−2の活性化を示したものであ
る。
【図7】MT−MMP cDNA導入COS−1細胞の
細胞膜画分による潜在型MMP−2の活性化をザイモグ
ラフィーにより示したものである。
【図8】MT−MMPの発現による細胞の浸潤能の促進
を一部改変したボイデン チャンバー(Boyden
Chamber)法により示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/64 C12P 21/08 15/02 A61K 39/395 P C12P 21/08 G01N 33/53 D // A61K 39/395 33/573 A G01N 33/53 33/574 Z 33/573 33/577 B 33/574 C12N 5/00 B 33/577 9282−4B 15/00 C (C12N 9/64 C12R 1:19) (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 J.BIOL.CHEM.,268(05. 07.93),P.14033−14039 J.NATL.CANCER INS T.,85(03.11.93),P.1758− 1764 TRENDS.GENET.,6 (1990),P.121−125 CURR.OPIN.CELL BI OL.,5(5)(1993),P.891− 897

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C末端領域に膜結合型タンパク質に特徴
    的な配列表配列番号1の533位から562位までの疎
    水性アミノ酸の連続配列を有することを特徴とする天然
    型膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼ。
  2. 【請求項2】 C末端領域に膜結合型タンパク質に特徴
    的な配列表配列番号1の533位から562位までの疎
    水性アミノ酸の連続配列を有し、かつ160位から17
    3位、320位から333位及び498位から512位
    のアミノ酸配列を有することを特徴とする天然型膜結合
    型マトリックスメタロプロテアーゼ。
  3. 【請求項3】 C末端領域に膜結合型タンパク質に特徴
    的な配列表配列番号1の533位から582位までの疎
    水性アミノ酸の連続配列を有し、かつ1位から173
    位、320位から333位及び498位から512位の
    アミノ酸配列を有することを特徴とする天然型膜結合型
    マトリックスメタロプロテアーゼ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載された膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼのア
    ミノ酸配列に対応する配列表配列番号2に記載された塩
    基配列を有するDNA。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された塩基配列を有する
    DNA配列を有し、請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載された膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼ
    を発現するプラスミド。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載された塩基配列を有する
    DNA配列を有し、請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載された膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼ
    を発現するプラスミドを有する宿主細胞。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載された膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼを特
    異的に認識するモノクローナル抗体。
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