JP2694077B2 - セキュリティ設備の鍵管理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、オフィスビル等で部屋
の出入に使用する鍵を玄関等で集中的に保管管理すると
共に鍵の出し入れに連動して防犯監視装置の警戒セット
と解除を行うセキュリティ設備の鍵管理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の鍵管理装置としては例え
ば図５に示すものが知られている。図５において、１は
鍵管理装置であり、部屋毎に扉付きの鍵収納部２が設け
られている。鍵管理装置１の利用は、予めテナント毎に
専用の磁気カード３が発行されており、鍵管理装置１の
カードリーダ部４に磁気カード３を通すと、磁気カード
３の内容とカードリーダ部４の内容が一致した時に表示
灯が点灯してチャイムが鳴り、対応する鍵収納部２のロ
ックが解除されて扉５が自動的に開く。

【０００３】入出時にはＡ部に拡大して示すように、鍵
セット部６に鍵７が装着されていることから、矢印のよ
うに鍵７を解除位置に回し、部屋に設置している防犯監
視装置の警戒セット状態が解除状態となり、鍵７を外せ
ばよい。鍵７を取り出したら扉５を閉めると自動的に施
錠される。退出時には同様に磁気カード３を使用して扉
５を開いた状態で、Ｂ部に拡大して示すように、鍵セッ
ト部６に鍵７をセットして矢印で示す警戒位置に回す
と、部屋設けた防犯監視装置が警戒セット状態となり、
扉５を閉じれば自動的に施錠される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の鍵管理装置にあっては、鍵の収納部毎に扉を
設けて管理する構造であったために構造が複雑化し、ま
た扉を多数設けることによって装置が大型化し、設置ス
ペースが大きくなる問題があった。更に部屋の出入りは
決った鍵で行うため、鍵収納部には決められた所定の鍵
しか収納できない構造となっていたため、決められた鍵
以外の鍵を保管することができず、鍵を交換したい場合
は鍵管理装置の鍵収納部も交換後の鍵に適合した鍵穴を
もつものに交換しなければならないという不便さがあっ
た。

【０００５】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、装置を小形化すると共に収納サイズ
を満足するものであれば多種多用な鍵を管理できるセキ
ュリティ設備の鍵管理装置を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。尚、実施例図面中の符号
を併せて示す。まず本発明は、複数の鍵収納部を備え、
入出時にカードリーダ等による入力操作に基づいて対応
する特定の鍵収納部のロックを解除して鍵の出し入れを
自在とし、鍵収納部から鍵を取り出した際に防犯監視装
置に対し警戒解除信号を出力すると共に鍵を戻した際に
防犯監視装置に警戒セット信号を出力するセキュリティ
設備の鍵管理装置を対象とする。

【０００７】このような鍵管理装置として本発明にあっ
ては、複数の鍵収納部の各々に設けられ鍵収納溝１２を
備えた外部に引き出し自在な鍵収納部材１１と、鍵収納
部材１１の鍵収納溝１２に収納する適宜の鍵７を装着自
在なキーホルダー１３と、鍵収納部１１を押し込んだ収
納状態でロックして引き出しを阻止すると共にカードリ
ーダ等による入力操作に基づいてロックを解除するソレ
ノイド機構２３と、鍵収納部材１１を収納位置に押し込
んだ際の鍵収納溝１２の中のキーホルダー１２の有無を
検出し、キーホルダー１３の有りを検出した時には防犯
監視装置に警戒セット信号を出力し、キーホルダー１３
の無しを検出した時には防犯装置に警戒解除信号を出力
する検出スイッチ２６とを設けたことを特徴とする。

【０００８】更にソレノイド機構２３によりロックが解
除された状態で外部に露出している鍵収納部材１１の先
端を押し込むとバネ力を後端に加えて飛び出させるプッ
シュ機構２８を設ける。このプッシュ機構２８の代わり
に、ソレノイド機構２３によりロックが解除された際に
鍵収納部材１１を飛び出させるバネ部材を設けてもよ
い。

【０００９】

【作用】このような構成を備えた本発明のセキュリティ
設備の鍵管理装置によれば、鍵収納部は鍵を収納可能な
溝を備えた例えばシリンダ部材で済み、このシリンダ部
材を複数配列するだけでよいことから、従来の扉を備え
た装置に比べ大幅に小形化でき設置スペースも少なくで
きる。

【００１０】またキーホルダーにセットした鍵を管理す
ることから、キーホルダーに収まる鍵であれば形状、大
きさの異なる多種多様な鍵を管理することができ、鍵の
交換等も容易にできる。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の鍵管理装置の全体構成を示し
た実施例構成図である。図１において、１０は装置本体
であり、台座９の上に設置されている。装置本体１０の
前面には、この実施例にあっては、横３列、縦５列の合
計１５個の鍵収納部材１１が先端を外部に露出して組み
込まれている。

【００１２】鍵収納部材１１は左上隅に示すように装置
本体１０から引き出すことができ、引き出した状態で上
部に開口して鍵収納溝１２が形成されており、この鍵収
納溝１２の中に適宜の鍵７を備えたキーホルダー１３を
収めることができる。装置本体１０の上部には磁気カー
ド挿入口１４が設けられ、内蔵したカードリーダ部に利
用者が挿入した磁気カードを送り込んで読み取らせる。
また、磁気カード挿入口１４の右側には取扱説明記載部
１７が設けられている。

【００１３】更に、鍵収納部材１１の組込み部分の上部
にはポディションランプ１５と防犯セット／リセット用
ランプ１６がそれぞれ設けられている。ポディションラ
ンプ１５は磁気カード挿入口１４により磁気カードを挿
入した際に、ＣＰＵでカード内容との一致が検出されて
有効なカード入力であることが判定されるとランプを点
灯し、鍵収納部材１１のロックが解除されて外部に引出
し可能な状態になったことを知らせる。

【００１４】また、防犯セット／リセット用ランプ１６
は対応するテナントの使用している区画や部屋の防犯監
視装置の状態を表示する。具体的には、対応する部屋の
扉が施錠されていない警戒解除時には赤色のランプが点
灯し、警戒セット状態になると赤色のランプが消灯す
る。図２は図１の装置本体１０に組み込まれた横３列の
鍵収納部材１１の組込み構造を示した説明図である。

【００１５】図２において、右端の引出し状態で示す鍵
収納部材１１から明らかなように、鍵収納部材１１は先
端側を円筒状のシリンダ部２１としており、シリンダ部
２１に続く後端を矩形部２２とし、シリンダ部２１は装
置パネルの円形穴を通過して出没自在であるが、後端の
矩形部２２の位置でパネル穴に当たって抜け出しを抑え
ている。

【００１６】シリンダ部２１の上部には長手方向に鍵収
納溝１２が形成されており、鍵収納溝１２は中間部に凹
部３１を形成し、鍵収納溝１２に収納したキーホルダー
１３の取出しが容易にできるようにしている。鍵収納部
材１１は矩形穴を開口した収納ケース１８に摺動自在に
組み込まれている。収納ケース１８の各鍵収納部材１１
に対応した上部の位置にはスイッチ穴１９が開口されて
いる。また、スイッチ穴１９の背後には、後の説明で明
らかにする電磁ソレノイドの支持片３２が起立されてい
る。

【００１７】収納ケース１８の上部には、破線で示すよ
うに回路基板２０が配置され、回路基板２０は収納ケー
ス１８の上部に固着したＬ字型金具３３で支持される。
図３は図２の側面断面図であり、収納ケース１８内に鍵
収納部材１１を押込み保持した状態で示している。図３
において、収納ケース１８の上部に起立された支持片３
２には電磁ソレノイド２３が取り付けられている。電磁
ソレノイド２３はプランジャ２４を下向きにして配置さ
れており、プランジャ２４は電磁ソレノイド２３のオフ
状態で鍵収納部材１１の後端の矩形部２２の上部に設け
たピン穴２５に入って抜け出しを阻止している。電磁ソ
レノイド２３に通電するとプランジャ２４がピン穴２５
から引き出され、鍵収納部材１１のロックを解除する。
この電磁ソレノイド２３のオン，オフ制御は磁気カード
を投入した際のカードリーダ部からの制御信号により行
われる。

【００１８】ケース１８の上部に配置した回路基板２０
の下側には検出スイッチ２６が取り付けられている。検
出スイッチ２６は下部にスイッチレバー２７を備え、ス
イッチレバー２７は図２に示したスイッチ穴１９を介し
て収納状態にある鍵収納部材１１に収めたキーホルダー
１３の有無を検出するようにしている。例えば、図示の
ようにキーホルダー１３が収められていれば、スイッチ
レバー２７の押し上げにより検出スイッチ２６はオンと
なり、一方、キーホルダー１３が収められていなければ
スイッチレバー２７は更に下側に下がることで検出スイ
ッチ２６がオフとなる。

【００１９】検出スイッチ２６によるキーホルダー１３
の有無を検出したスイッチ信号は本発明の鍵管理装置か
ら各テナント毎の部屋に設けている防犯監視装置に対す
る警戒セット信号及び警戒解除信号の出力に使用され
る。即ち、鍵収納部材１１の収納状態で検出スイッチ２
６がキーホルダー１３を検出すれば防犯監視装置に対し
警戒セット信号を出力し、一方、キーホルダー１３が検
出されなければテナントが鍵を使用していることから警
戒解除信号を出力させる。

【００２０】更に、収納ケース１８に収められた鍵収納
部１１の後部にはプッシュ機構２８が設けられる。プッ
シュ機構２８は押圧部２９を備え、電磁ソレノイド２３
の通電によりロック解除が行われると、内蔵したスプリ
ングにより押圧部２９を介して鍵収納部材１１を外部に
押し出すことができる。このようなプッシュ機構２８と
しては、単純にバネにより押圧部材２９を押圧し、電磁
ソレノイド２３によるロック解除を行ったときにこの収
納部材１１の先端を飛び出させるようにしてもよい。

【００２１】一方、プッシュ機構２８として、電磁ソレ
ノイド２３でロックを解除しても、この状態では鍵収納
部材１１を押し出さず、利用者が鍵収納部材１１の外部
に露出している先端を押し込んで押圧部２９がプッシュ
機構２８に押し込まれると、この後にバネのラッチが解
除されて鍵収納部材１１を外部に押し出す機構構造のま
ま使用してもよい。このように、鍵収納部材１１を一度
押し込むと外部に押し出すようなプッシュ機構２８とし
ては、例えばスガツネ社製のマグネットラッチＭＬ８０
型等を使用することができる。

【００２２】図４は本発明の鍵管理装置に使用するキー
ホルダー１３の説明図である。図４において、キーホル
ダー１３は２枚のプレート３４を間を空けて配置し、こ
のプレート３４を固定ビス３５により固定しており、固
定ビス３５を外すことで中に鍵７を入れることができ
る。鍵７は固定ビス３５に対し回動自在に取り付けられ
ており、使用する際には外部に取り出し、鍵管理装置に
収める際には破線の７´に示すようにキーホルダー１３
の中に収めればよい。また、プレート３４にはチェック
穴３６が設けられており、鍵７が収納状態にあることを
確認できると同時に収納状態にある鍵７´を外部に容易
に取り出せるようにしている。

【００２３】本発明の鍵管理装置の使い方は、基本的に
は図５に示した従来装置と同じである。即ち、テナント
毎に予め磁気カードが発行されており、建物に入る際に
玄関等に設置されている図１の鍵管理装置のカード挿入
口１４に磁気カードを挿入すると、内部のカードリーダ
部でカード内容とカードリーダ内容の照合が行われ、内
容一致が得られると対応する鍵収納部１１の位置に設け
ているポディションランプ１５を点灯し、必要ならばチ
ャイム等を鳴らす。

【００２４】同時に図３に示した電磁ソレノイド２３に
対する通電が行われ、プランジャ２４がピン穴２５から
引き上げられて鍵収納部材１１のロックが解除される。
ここで、図３のプッシュ機構２８として、鍵収納部材１
１を一度押し込まなければ押し出されない構造のものを
使用していたとすると、利用者はポディションランプ１
５が点灯した位置の鍵収納部材１１を指先で押すと、バ
ネの力により取出し可能位置に押し出され、図１の左上
隅に示すように鍵収納部材１１を引き出して、鍵収納溝
１２に収めていたキーホルダー１３を取り出す。

【００２５】キーホルダー１３を取り出したならば、鍵
収納部材１１を装置本体１０に押し込めばよい。キーホ
ルダー１３が取り出された鍵収納部材１１が装置本体１
０に押し込まれると、図３に示した検出スイッチ２６は
キーホルダー１３が無いことを検出し、このため対応す
るテナントの部屋に設置されている防犯監視装置に対し
警戒解除信号が発せられ、キーホルダー１３を取り出し
た利用者が部屋の扉を開く前に、それまで警戒セット状
態にあった防犯監視装置が解除状態となり、鍵を空けて
中に入っても盗難警報が出されることを未然に防止す
る。

【００２６】一方、退出時にあっては、入る場合と同様
に磁気カードを磁気カード挿入口１４に入れることで鍵
収納部材１１を引き出すことができ、鍵を収めたキーホ
ルダー１３を鍵収納溝１２に入れて再び鍵収納部材１１
を装置本体１０に押し込めばよい。この場合には、図３
の検出スイッチ２６はキーホルダー１３があることを検
出するため、対応する部屋の防犯監視装置に対し警戒セ
ット信号を送出して警戒状態とする。

【００２７】尚、図３のロック解除を行う電磁ソレノイ
ド２３は磁気カードの読取りで内容一致判定が得られて
から一定時間だけソレノイド２３の通電を行ってロック
解除を行い、一定時間を経過すると通電オフとなって再
びロック状態となる。勿論、電磁ソレノイド２３の通電
オフによるロック解除はタイマ制御によらず、一旦引き
出された鍵収納部材１１が再び元に戻されたことをリミ
ットスイッチ等で検出してオフするようにしてもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、シリンダ状等の棒形状の鍵収納部材に鍵収納溝を設
け、キーホルダーに収めた鍵を収納しているため、従来
の扉を設けた場合に比べ鍵収納部を大幅に小型化でき、
鍵の収納数が増加しても装置全体として大型化せず、設
置スペースを大幅に節減できる。

【００２９】また、キーホルダーに収めた鍵を収納して
管理することから、キーホルダーに収まるサイズの鍵で
あれば任意の鍵を管理することができ、鍵を交換しても
鍵収納装置側の変更は一切必要なく、実際に部屋に入る
鍵以外の重要な用途の鍵であっても管理することがで
き、より広範な鍵の管理を可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示した実施例構成図

【図２】図１で横３列に並んだ収納機構を取出して示し
た説明図

【図３】図２の収納機構の側面図

【図４】本発明で用いるキーホルダーの説明図

【図５】従来の鍵管理装置の説明図

【符号の説明】

７：鍵 ３：磁気カード １０：鍵管理装置 １１：鍵収納部材 １２：鍵収納溝 １３：キーホルダー １４：磁気カード挿入口 １５：ポディションランプ １６：防犯セット／リセット用ランプ １７：取扱説明記載部 １８：収納ケース １９：スイッチ穴 ２０：回路基板 ２１：シリンダ部 ２２：矩形部 ２３：電磁ソレノイド ２４：ロックピン ２５：ピン穴 ２６：検出スイッチ ２７：スイッチレバー ２８：プッシュ機構 ２９：押圧部 ３０：パネル ３１：窪み ３２：支持片 ３３：Ｌ字型金具 ３４：プレート ３５：固定ビス ３６：チェック穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 宏幸 東京都品川区上大崎２丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (72)発明者 高田 光一 東京都品川区上大崎２丁目10番43号 ホ ーチキ株式会社内 (72)発明者 奥平 義夫 東京都渋谷区桜丘町２番９号 田島メタ ルワーク株式会社内 (72)発明者 仁井田 道弘 東京都渋谷区桜丘町２番９号 田島メタ ルワーク株式会社内 (72)発明者 伊藤 寿紀 東京都渋谷区桜丘町２番９号 田島メタ ルワーク株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−103579（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−247178（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−99160（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−59259（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の鍵収納部を備え、入出時にカードリ
   ーダ等による入力操作に基づいて対応する特定の鍵収納
   部のロックを解除して鍵の出し入れを自在とし、該鍵収
   納部から鍵を取り出した際に防犯監視装置に対し警戒解
   除信号を出力すると共に鍵を戻した際に防犯監視装置に
   警戒セット信号を出力するセキュリティ設備の鍵管理装
   置に於いて、 前記複数の鍵収納部の各々に設けられ鍵収納溝を備えた
   外部に引き出し自在な鍵収納部材と、 該鍵収納部材の鍵収納溝に収納する適宜の鍵を装着自在
   なキーホルダーと、 前記鍵収納部を押し込んだ収納状態でロックして引き出
   しを阻止すると共に、カードリーダ等による入力操作に
   基づいてロックを解除するソレノイド機構と、 前記鍵収納部材を収納位置に押し込んだ際の前記鍵収納
   溝の中のキーホルダーの有無を検出し、キーホルダーの
   有りを検出した時には防犯監視装置に警戒セット信号を
   出力し、キーホルダーの無しを検出した時には防犯装置
   に警戒解除信号を出力する検出スイッチと、を設けたこ
   とを特徴とするセキュリティ設備の鍵管理装置。
2. 【請求項２】請求項１記載のセキュリティ設備の鍵管理
   装置に於いて、 前記ソレノイド機構によりロックが解除された状態で外
   部に露出している前記鍵収納部材の先端を押し込むとバ
   ネ力を後端に加えて飛び出させる機構を備えたことを特
   徴とするセキュリティ設備の鍵管理装置。
3. 【請求項３】請求項１記載のセキュリティ設備の鍵管理
   装置に於いて、 前記ソレノイド機構によりロックが解除された際に前記
   鍵収納部材を飛び出させるバネ部材を備えたことを特徴
   とするセキュリティ設備の鍵管理装置。