JP2692446B2 - N型シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
N型シリコン単結晶の製造方法Info
- Publication number
- JP2692446B2 JP2692446B2 JP3245151A JP24515191A JP2692446B2 JP 2692446 B2 JP2692446 B2 JP 2692446B2 JP 3245151 A JP3245151 A JP 3245151A JP 24515191 A JP24515191 A JP 24515191A JP 2692446 B2 JP2692446 B2 JP 2692446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- single crystal
- silicon single
- quartz glass
- type silicon
- crucible
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B19/00—Other methods of shaping glass
- C03B19/09—Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould
- C03B19/095—Other methods of shaping glass by fusing powdered glass in a shaping mould by centrifuging, e.g. arc discharge in rotating mould
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はN型シリコン単結晶の製
造方法、特にはN型シリコン単結晶を歩留よく引上げる
ことができ、微少欠陥が3個/cm2 以下であるシリコン
ウエハ−を与えるN型シリコン単結晶の製造方法に関す
るものである。
造方法、特にはN型シリコン単結晶を歩留よく引上げる
ことができ、微少欠陥が3個/cm2 以下であるシリコン
ウエハ−を与えるN型シリコン単結晶の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶の製造は引上げ用原料で
ある高純度の多結晶シリコンをルツボ中に装入し、これ
をアルゴンガス雰囲気の常圧下で融解し、この融液にシ
リコン種結晶を浸漬し、これを引上げるという方法で行
なわれているが、このルツボについてはシリコンの融点
である1,414 ℃の高温に耐えるということから通常は天
然石英ガラスで作られたものが使用されている。
ある高純度の多結晶シリコンをルツボ中に装入し、これ
をアルゴンガス雰囲気の常圧下で融解し、この融液にシ
リコン種結晶を浸漬し、これを引上げるという方法で行
なわれているが、このルツボについてはシリコンの融点
である1,414 ℃の高温に耐えるということから通常は天
然石英ガラスで作られたものが使用されている。
【0003】しかし、この天然石英ガラスは不純物とし
ての各種金属を可成り多量に含有しており、したがって
得られるシリコン単結晶が不純物を含んだものとなるこ
とから、このルツボについてはこの不純物を取り除いた
ものが種々提案されている。すなわち、これについては
表1に示したように遷移金属とBとを低いレベルとした
もの[ルツボAと略記する](特公昭58-49519号公報参
照)、Na、 K、 Li を0.2ppm以下、Cuを0.02ppm 以下とし
てウエハ−の品質、微小欠陥の発生を抑制する方法[ル
ツボBと略記する](特平昭1-6158 号公報参照)、B
だけでなく、P、 As も低レベルとしたもの[ルツボCと
略記する](特開昭62-96388号公報参照)、Al、 Fe、 N
a、 K、 Ca を0.1ppm以下としたもの[ルツボDと略記す
る](米国特許第4,979,973 号明細書参照)などが提案
されている。
ての各種金属を可成り多量に含有しており、したがって
得られるシリコン単結晶が不純物を含んだものとなるこ
とから、このルツボについてはこの不純物を取り除いた
ものが種々提案されている。すなわち、これについては
表1に示したように遷移金属とBとを低いレベルとした
もの[ルツボAと略記する](特公昭58-49519号公報参
照)、Na、 K、 Li を0.2ppm以下、Cuを0.02ppm 以下とし
てウエハ−の品質、微小欠陥の発生を抑制する方法[ル
ツボBと略記する](特平昭1-6158 号公報参照)、B
だけでなく、P、 As も低レベルとしたもの[ルツボCと
略記する](特開昭62-96388号公報参照)、Al、 Fe、 N
a、 K、 Ca を0.1ppm以下としたもの[ルツボDと略記す
る](米国特許第4,979,973 号明細書参照)などが提案
されている。
【0004】
【表1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シリコン半導
体素子はその高集積度化の傾向が次第に加速され、64M、
256Mから1G にまで進んでおり、これらについてはその
最小線幅が0.2 μm といわれており、64M でも欠陥密度
が3個/cm2以下では歩留りが向上せず、ビットコストが
16M を上回ってしまうことが予想され、特にMPUの高集
積度化、高速化、メモリの高速化などの傾向はエピタキ
シャルウエハ−、N型ウエハ−のCMOS、 Bi-CMOS タイプ
への要求が出てくると思われるが、N型単結晶について
はP 型に比較して歩留りが悪いために、その歩留り向
上、欠陥の減少が強く望まれている。
体素子はその高集積度化の傾向が次第に加速され、64M、
256Mから1G にまで進んでおり、これらについてはその
最小線幅が0.2 μm といわれており、64M でも欠陥密度
が3個/cm2以下では歩留りが向上せず、ビットコストが
16M を上回ってしまうことが予想され、特にMPUの高集
積度化、高速化、メモリの高速化などの傾向はエピタキ
シャルウエハ−、N型ウエハ−のCMOS、 Bi-CMOS タイプ
への要求が出てくると思われるが、N型単結晶について
はP 型に比較して歩留りが悪いために、その歩留り向
上、欠陥の減少が強く望まれている。
【0006】N型シリコン単結晶は5価の元素をド−プ
することによって製造される。この5価の元素は3価の
元素と簡単に結合し化合物となる。表2からわかるよう
にルツボからはAlやB等の3価の元素が溶解するが、こ
れがPやSbのような5価のド−プ元素と縮合して抵抗値
を狂わせ歩留が極端に悪くなるのである。また、この化
合物は微小欠陥の発生の原因となり時間を置くことによ
って、あるいは熱処理によって微小欠陥が多くなること
になる。また、Fe、Ni、Crなどの遷移金属も微小欠陥を
融因する元素として働くが、これもまた、推定ではある
が同様の原理によるものと思われる。
することによって製造される。この5価の元素は3価の
元素と簡単に結合し化合物となる。表2からわかるよう
にルツボからはAlやB等の3価の元素が溶解するが、こ
れがPやSbのような5価のド−プ元素と縮合して抵抗値
を狂わせ歩留が極端に悪くなるのである。また、この化
合物は微小欠陥の発生の原因となり時間を置くことによ
って、あるいは熱処理によって微小欠陥が多くなること
になる。また、Fe、Ni、Crなどの遷移金属も微小欠陥を
融因する元素として働くが、これもまた、推定ではある
が同様の原理によるものと思われる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決したN型シリコン単結晶の製造方法に関するもの
であり、これはシリコン単結晶を合成石英ガラス製ルツ
ボから引上げることを特徴とするものである。
を解決したN型シリコン単結晶の製造方法に関するもの
であり、これはシリコン単結晶を合成石英ガラス製ルツ
ボから引上げることを特徴とするものである。
【0008】すなわち、本発明者らはN型シリコン単結
晶を歩留りよく製造する方法については種々検討した結
果、これについてはこのシリコン単結晶を引上げるため
のルツボを合成石英ガラス製のものとしたところ、従来
歩留の悪かったN型シリコンを歩留よく引上げることが
できるし、またこのようにして得られたN型シリコン単
結晶から得られるシリコンウエハ−は結晶欠陥が極めて
少なく、これが3個/cm2 以下のものとなることを見出
し、ここに使用する合成石英ガラス製ルツボについての
研究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに
詳述する。
晶を歩留りよく製造する方法については種々検討した結
果、これについてはこのシリコン単結晶を引上げるため
のルツボを合成石英ガラス製のものとしたところ、従来
歩留の悪かったN型シリコンを歩留よく引上げることが
できるし、またこのようにして得られたN型シリコン単
結晶から得られるシリコンウエハ−は結晶欠陥が極めて
少なく、これが3個/cm2 以下のものとなることを見出
し、ここに使用する合成石英ガラス製ルツボについての
研究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに
詳述する。
【0009】
【作用】本発明はN型シリコン単結晶の製造方法に関す
るものであり、これはN型シリコン単結晶の引上げを合
成石英ガラス製ルツボで行なうものである。
るものであり、これはN型シリコン単結晶の引上げを合
成石英ガラス製ルツボで行なうものである。
【0010】本発明によるN型シリコン単結晶の製造は
シリコン単結晶を合成石英ガラス製のルツボから引上げ
るものであるが、この合成石英ガラス製ルツボは例えば
メチルシリケ−トのようなアルコキシシランをアンモニ
アを用いて加水分解重縮合し、乾燥後閉孔化し、ガラス
化するという、いわゆるゾル−ゲルによって得られた合
成石英ガラスで作られたものとされるが、この合成石英
ガラスはコロイダルシリカの焼結体からなる非晶質のも
のである。
シリコン単結晶を合成石英ガラス製のルツボから引上げ
るものであるが、この合成石英ガラス製ルツボは例えば
メチルシリケ−トのようなアルコキシシランをアンモニ
アを用いて加水分解重縮合し、乾燥後閉孔化し、ガラス
化するという、いわゆるゾル−ゲルによって得られた合
成石英ガラスで作られたものとされるが、この合成石英
ガラスはコロイダルシリカの焼結体からなる非晶質のも
のである。
【0011】本発明によるN型シリコン単結晶の製造は
合成石英ルツボを四塩化けい素を酸水素火炎中での火炎
加水分解でシリカ微粒子とし、これを溶融して石英ガラ
スから作ると、得られる石英ガラスはOH基量が1、000ppm
以上のものとなるために高温粘性が低く、真空中の高温
で変形、発泡するという不利があり、本発明には使用す
ることができないし、上記したゾル−ゲルによる場合で
もこのシリカがゲルであると細孔が小さくて低い温度で
閉孔化するためにこれがガスや水を含んだものとなるの
で、結晶化により脱ガス、脱水を行なうのであるが、こ
れには結晶化の工程で不純物が混入されるのでよくな
い。しかし、このシリカをコロイダルシリカとすると細
孔が大きく、加熱により容易に脱ガス、脱水することが
できるのでこれは結晶化は不要であり、不純物も入らな
いものとなるし、この金属不純物量は原料としてのアル
コキシシランを充分精製すれば合成石英ガラス製ルツボ
に含まれる不純物量をAl、 Feが100ppb以下、Ni、 Crが50
ppb 以下、B,P を10ppb 以下のものとすることができ、
さらには1,400 ℃における粘性値が1010ポイズ以上のも
のとすることができるという有利性が与えられる。
合成石英ルツボを四塩化けい素を酸水素火炎中での火炎
加水分解でシリカ微粒子とし、これを溶融して石英ガラ
スから作ると、得られる石英ガラスはOH基量が1、000ppm
以上のものとなるために高温粘性が低く、真空中の高温
で変形、発泡するという不利があり、本発明には使用す
ることができないし、上記したゾル−ゲルによる場合で
もこのシリカがゲルであると細孔が小さくて低い温度で
閉孔化するためにこれがガスや水を含んだものとなるの
で、結晶化により脱ガス、脱水を行なうのであるが、こ
れには結晶化の工程で不純物が混入されるのでよくな
い。しかし、このシリカをコロイダルシリカとすると細
孔が大きく、加熱により容易に脱ガス、脱水することが
できるのでこれは結晶化は不要であり、不純物も入らな
いものとなるし、この金属不純物量は原料としてのアル
コキシシランを充分精製すれば合成石英ガラス製ルツボ
に含まれる不純物量をAl、 Feが100ppb以下、Ni、 Crが50
ppb 以下、B,P を10ppb 以下のものとすることができ、
さらには1,400 ℃における粘性値が1010ポイズ以上のも
のとすることができるという有利性が与えられる。
【0012】本発明で使用される合成石英ガラス製ルツ
ボは上記したゾル−ゲル法で得られたコロイダルシリカ
の非結質の焼結体からなる合成石英ガラス粉末を成形用
型内に供給して型内に粉体層を形成させ、これをア−ク
放電で溶融させて型内に合成石英ガラスからなる透明層
を形成させることによって製造すればよい。
ボは上記したゾル−ゲル法で得られたコロイダルシリカ
の非結質の焼結体からなる合成石英ガラス粉末を成形用
型内に供給して型内に粉体層を形成させ、これをア−ク
放電で溶融させて型内に合成石英ガラスからなる透明層
を形成させることによって製造すればよい。
【0013】本発明によるN型シリコン単結晶の製造は
このようにして製造した合成石英ガラス製ルツボの中に
高純度の多結晶シリコンを装入し、これを外部からの加
熱によって融解したのち、この融液中にN型のシリコン
種結晶を浸漬し、これを引上げるという従来公知の方法
で行なえばよいが、これによればこの合成石英ガラス製
ルツボを形成している合成石英ガラスが1,400℃で
の粘性値が1010ポイズ以上のものであるので、この
工程中にそれが変形することがなく、シリコン単結晶の
引上げを容易に行なうことができるし、この場合には溶
損が少ないということからN型シリコン単結晶を歩留よ
く製造することができ、さらにはこの合成石英ガラスに
含まれている金属不純物量が前記したように非常に少な
いものであることからこのようにして得たN型シリコン
単結晶をスライスし、さらに熱処理工程を経て得たウエ
ハーの微小欠陥が3個/cm2以下になるという有利性
が与えられる。
このようにして製造した合成石英ガラス製ルツボの中に
高純度の多結晶シリコンを装入し、これを外部からの加
熱によって融解したのち、この融液中にN型のシリコン
種結晶を浸漬し、これを引上げるという従来公知の方法
で行なえばよいが、これによればこの合成石英ガラス製
ルツボを形成している合成石英ガラスが1,400℃で
の粘性値が1010ポイズ以上のものであるので、この
工程中にそれが変形することがなく、シリコン単結晶の
引上げを容易に行なうことができるし、この場合には溶
損が少ないということからN型シリコン単結晶を歩留よ
く製造することができ、さらにはこの合成石英ガラスに
含まれている金属不純物量が前記したように非常に少な
いものであることからこのようにして得たN型シリコン
単結晶をスライスし、さらに熱処理工程を経て得たウエ
ハーの微小欠陥が3個/cm2以下になるという有利性
が与えられる。
【0014】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例 1)合成石英ガラス製ルツボの製造 5リットルのSUS 製丸型連続フラスコの内面をテトラフ
ルオロエチレン樹脂でコ−ティングした反応器に、アン
モニア水27リットル/時とメチルシリケ−ト24.5リット
ル/時とを滴下してコロイダルシリカを生成させ、この
シリカを遠心脱水器で脱水してから超純水で4回洗浄し
た。
ルオロエチレン樹脂でコ−ティングした反応器に、アン
モニア水27リットル/時とメチルシリケ−ト24.5リット
ル/時とを滴下してコロイダルシリカを生成させ、この
シリカを遠心脱水器で脱水してから超純水で4回洗浄し
た。
【0015】ついでこのシリカを石英ルツボに入れ、電
気炉中で室温より昇温して300℃3時間、800℃3
時間、1,000℃3時間、各温度への昇温時間をそれ
ぞれ0.5、4、2時間として空気中で昇温加熱処理し
たのち、これをカーボン型に入れ、減圧下に室温より昇
温して1,200℃2時間、1,500℃3時間、1,
750℃1時間、各温度への昇温時間をそれぞれ2,
2,2時間として昇温加熱して合成石英ガラスとし、得
られたインゴットを20重量%のHFで1時間洗浄し、
乾燥後ジョークラッシャーとデスクミルで粉砕し、篩別
して45〜60メッシュに調製したのち、20重量%の
HClで酸洗浄し、パイン油で浮遊選鉱してから5重量
%のHFで15分間洗浄し、1,050℃で加熱処理
し、磁力選鉱機にかけて合成石英ガラス粉とした。
気炉中で室温より昇温して300℃3時間、800℃3
時間、1,000℃3時間、各温度への昇温時間をそれ
ぞれ0.5、4、2時間として空気中で昇温加熱処理し
たのち、これをカーボン型に入れ、減圧下に室温より昇
温して1,200℃2時間、1,500℃3時間、1,
750℃1時間、各温度への昇温時間をそれぞれ2,
2,2時間として昇温加熱して合成石英ガラスとし、得
られたインゴットを20重量%のHFで1時間洗浄し、
乾燥後ジョークラッシャーとデスクミルで粉砕し、篩別
して45〜60メッシュに調製したのち、20重量%の
HClで酸洗浄し、パイン油で浮遊選鉱してから5重量
%のHFで15分間洗浄し、1,050℃で加熱処理
し、磁力選鉱機にかけて合成石英ガラス粉とした。
【0016】つぎにこの合成石英ガラス粉を回転する成
形用型内に供給して厚さ14mmの粉体層を形成させ、ア−
ク放電によって内部から溶融させ、15分後にさらにこの
型内に合成石英ガラスを供給して内面に厚さ1mmの透明
層を形成させてルツボを作り、この外壁未溶融部を除去
し、カッティングにより高さを揃えて合成石英ガラス製
ルツボを作ったが、このルツボにおける各金属の分析結
果は表2に示したとおりであった。
形用型内に供給して厚さ14mmの粉体層を形成させ、ア−
ク放電によって内部から溶融させ、15分後にさらにこの
型内に合成石英ガラスを供給して内面に厚さ1mmの透明
層を形成させてルツボを作り、この外壁未溶融部を除去
し、カッティングにより高さを揃えて合成石英ガラス製
ルツボを作ったが、このルツボにおける各金属の分析結
果は表2に示したとおりであった。
【0017】2)シリコン単結晶の製造 上記のようにして得た18インチの合成石英ガラス製ル
ツボの中にシリコン単結晶引上げ用原料としての高純度
多結晶シリコン20kgを装入し、アルゴンガス雰囲気
の常圧下にこの多結晶シリコンを融解したのち、細粒状
のアンチモンを20mg添加し30分間放置した。その
後、ルツボと種結晶とを互いに反対方向に回転させなが
ら種結晶を多結晶シリコンの融液に接触させてシリコン
単結晶の引上げを開始させた。
ツボの中にシリコン単結晶引上げ用原料としての高純度
多結晶シリコン20kgを装入し、アルゴンガス雰囲気
の常圧下にこの多結晶シリコンを融解したのち、細粒状
のアンチモンを20mg添加し30分間放置した。その
後、ルツボと種結晶とを互いに反対方向に回転させなが
ら種結晶を多結晶シリコンの融液に接触させてシリコン
単結晶の引上げを開始させた。
【0018】ついでシリコン単結晶が目的の直径に達し
たところで引上げ速度を2.0mm/分、アルゴンガス
流量を50l/分、アルゴンガス圧を20mmHgに設
定し、このようにして成長させたシリコン単結晶棒を取
り外し、これを0.5mm厚さにスライスし、鏡面に仕
上げて直径6インチのシリコンウエハーを作成し、この
ウエハーの金属成分をしらべたところ、表2に示したと
おりの結果が得られた。
たところで引上げ速度を2.0mm/分、アルゴンガス
流量を50l/分、アルゴンガス圧を20mmHgに設
定し、このようにして成長させたシリコン単結晶棒を取
り外し、これを0.5mm厚さにスライスし、鏡面に仕
上げて直径6インチのシリコンウエハーを作成し、この
ウエハーの金属成分をしらべたところ、表2に示したと
おりの結果が得られた。
【0019】また、このウエハ−についてはこれを窒素
ガス雰囲気中に650℃で30分間、1,350 ℃で15時間保持
したのち室温まで冷却し、ウエハ−表面の酸化膜をフッ
酸で除去し、セコエッチング液(HF-CrO3-H2O溶液)中で
撹拌しながら15分間エッチングし、光学顕微鏡で微小欠
陥を観察したところ、これは最良で0.03個/cm2 、最悪
で2.5 個/cm2 、平均1.2 個/cm2 であった。
ガス雰囲気中に650℃で30分間、1,350 ℃で15時間保持
したのち室温まで冷却し、ウエハ−表面の酸化膜をフッ
酸で除去し、セコエッチング液(HF-CrO3-H2O溶液)中で
撹拌しながら15分間エッチングし、光学顕微鏡で微小欠
陥を観察したところ、これは最良で0.03個/cm2 、最悪
で2.5 個/cm2 、平均1.2 個/cm2 であった。
【0020】比較例 実施例で使用した合成石英ガラス製ルツボをその金属含
有量が表2に示したとおりである天然石英ガラス製のル
ツボとしたほかは実施例と同じ方法でN型シリコン単結
晶の引上げを行ない、これから直径6インチのシリコン
ウエハーをスライスしてこのウエハーの金属成分をしら
べたところ、これは表2に示したとおりであり、このウ
エハーについての微小欠陥を実施例と同じ方法でしらべ
たところ、これは最良で4.8個/cm2、最悪で8.
5個/cm2、平均で5.2個/cm2であった。
有量が表2に示したとおりである天然石英ガラス製のル
ツボとしたほかは実施例と同じ方法でN型シリコン単結
晶の引上げを行ない、これから直径6インチのシリコン
ウエハーをスライスしてこのウエハーの金属成分をしら
べたところ、これは表2に示したとおりであり、このウ
エハーについての微小欠陥を実施例と同じ方法でしらべ
たところ、これは最良で4.8個/cm2、最悪で8.
5個/cm2、平均で5.2個/cm2であった。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】本発明はN型シリコン単結晶の製造方法
に関するものであり、これは前記したようにシリコン単
結晶を合成石英ガラス製ルツボから引上げることを特徴
とするものであり、この合成石英ガラス製ルツボはアル
コキシシランの加水分解重縮合によって得た非晶質のコ
ロイダルシリカの焼結物で、その表面および合成層にお
ける不純物含有量がAl、Feが100ppb以下、N
i、Crが50ppb以下、B,Pが10ppb以下の
ものとされるのであるが、これによればN型シリコン単
結晶の引上げを歩留よく行なうことができるし、この単
結晶から得られるウエハーの微小欠陥を3個/cm2以
下とすることができるという有利性が与えられる。
に関するものであり、これは前記したようにシリコン単
結晶を合成石英ガラス製ルツボから引上げることを特徴
とするものであり、この合成石英ガラス製ルツボはアル
コキシシランの加水分解重縮合によって得た非晶質のコ
ロイダルシリカの焼結物で、その表面および合成層にお
ける不純物含有量がAl、Feが100ppb以下、N
i、Crが50ppb以下、B,Pが10ppb以下の
ものとされるのであるが、これによればN型シリコン単
結晶の引上げを歩留よく行なうことができるし、この単
結晶から得られるウエハーの微小欠陥を3個/cm2以
下とすることができるという有利性が与えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝田 政俊 新潟県中頚城郡頚城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社 合成技術 研究所内 (72)発明者 松村 光男 福井県武生市北府2丁目13番60号 信越 石英株式会社 武生工場内 (72)発明者 松井 宏 福井県武生市北府2丁目13番60号 信越 石英株式会社 武生工場内 (72)発明者 古瀬 信一 福島県西白河郡西郷村小田倉字大平150 番地 信越半導体株式会社 白河工場内 (56)参考文献 特開 平3−252387(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】シリコン単結晶を合成石英ガラス製ルツボ
から引上げることを特徴とするN型シリコン単結晶の製
造方法。 - 【請求項2】シリコンウエハ−の欠陥密度が3個/cm2
以下である請求項1に記載したN型シリコン単結晶の製
造方法。 - 【請求項3】合成石英ガラス製ルツボがアルコキシシラ
ンの加水分解重縮合によって得た非晶質のコロイダルシ
リカの焼結物であり、その表面および合成層における不
純物含有量がAl、 Feが100ppb以下、Ni、 Crが50ppb 以
下、B、P が10ppb 以下のものである請求項1に記載した
N型シリコン単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3245151A JP2692446B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | N型シリコン単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3245151A JP2692446B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | N型シリコン単結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558770A JPH0558770A (ja) | 1993-03-09 |
JP2692446B2 true JP2692446B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=17129383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3245151A Expired - Fee Related JP2692446B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | N型シリコン単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2692446B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5782996B2 (ja) | 2011-11-01 | 2015-09-24 | 信越半導体株式会社 | 単結晶の製造方法 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP3245151A patent/JP2692446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0558770A (ja) | 1993-03-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5302556A (en) | Synthetic silica glass articles and a method for manufacturing them | |
US4979973A (en) | Preparation of fused silica glass by hydrolysis of methyl silicate | |
JP4166241B2 (ja) | シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボ及びその製造方法 | |
JP4951040B2 (ja) | シリカ容器及びその製造方法 | |
WO2014167788A1 (ja) | 単結晶シリコン引き上げ用シリカ容器及びその製造方法 | |
KR20130135969A (ko) | 단결정 실리콘 인상용 실리카 용기 및 그 제조방법 | |
US4515755A (en) | Apparatus for producing a silicon single crystal from a silicon melt | |
JP5497247B1 (ja) | 単結晶シリコン引き上げ用シリカ容器及びその製造方法 | |
JP2732967B2 (ja) | 高抵抗シリコンウエハ−の製造方法 | |
JP4931106B2 (ja) | シリカガラスルツボ | |
JP2692446B2 (ja) | N型シリコン単結晶の製造方法 | |
JPH11310423A (ja) | 合成石英ガラスおよびその製造方法 | |
WO2013171955A1 (ja) | 単結晶シリコン引き上げ用シリカ容器及びその製造方法 | |
JPH07196397A (ja) | シリコン単結晶引上げ用石英ガラス製ルツボの製造方法 | |
JP2010280567A (ja) | シリカガラスルツボの製造方法 | |
JP3187510B2 (ja) | 半導体ウエハ熱処理用部材の製造方法 | |
JP2692446C (ja) | ||
JP3449654B2 (ja) | 不透明石英ガラスの製造方法 | |
JP3123696B2 (ja) | 石英ガラス坩堝の製造方法 | |
JPH0562869A (ja) | 高集積度メモリ基板の製造方法 | |
JP2019172514A (ja) | 合成シリカガラス粉 | |
JP2777858B2 (ja) | 半導体熱処理用シリカガラス管およびその製造方法 | |
JP2019172515A (ja) | 合成シリカガラス粉 | |
JP2723643B2 (ja) | 合成石英ガラスルツボの製造方法 | |
JP3526591B2 (ja) | 合成石英ガラスの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |