JP2692388B2 - 板材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

板材の製造装置及び製造方法

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JP2692388B2 JP3003679A JP367991A JP2692388B2 JP 2692388 B2 JP2692388 B2 JP 2692388B2 JP 3003679 A JP3003679 A JP 3003679A JP 367991 A JP367991 A JP 367991A JP 2692388 B2 JP2692388 B2 JP 2692388B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、先行板材と後行板材
とを接合し、熱間仕上圧延する板材の製造装置及び製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、圧延業界に於いて、金属板の熱間
圧延に関して板材を接合して連続した一枚の板として圧
延する連続熱間圧延法が導入されつつあり、この連続熱
間圧延法を現実化するために、熱間圧延板の接合技術に
ついて、種々の方法が提案されている。図6は例えば特
開昭60−213381号公報に示された従来の熱間圧延板の接
合方法の基本的な工程を示した断面図である。図におい
て、1は後行板材、2は先行板材、1a, 2aは各板材1,
2の板端部、3はフラックス、4は溶接部である。
【0003】次に板材の接合方法について説明する。先
行板材2および後行機材1は予めその対向する端部2a,
1aに傾斜をもたせ、両者を互いに接合させた際、2a,1a
の間に溶接用開先形状空間が形成されるように成形され
ている。この開先形状空間の底部を仮溶接して溶接部4
で両板材1,2を接合する。次いで、溶接されていない
端部1a,2aの残余の部分に酸化スケールを除去し表面を
活性化して圧接され易くするためにフラックス3を散布
する。次いで、両板材1,2を熱間圧延すると、充分な
圧下力が加えられることによって図7に見られる様に両
板材1,2が重なり合った流線状接合面が形成され、板
材1,2がそれぞれ圧延され、完全に接合されて一体化
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の板材の製造方法
は以上のように行われるので、被溶接材の先行板材及び
後行板材が約90m/min で高速搬送され、しかも、900 ℃
〜1100℃の高温のため、仮溶接の方法をどうするかとい
う問題点があった。
【0005】この発明は、高速で、しかも高温で搬送さ
れる板材の先行板材の尾端と後行板材の先端部との接
合を確実に行うことができ信頼性の高い板材の製造装置
及び製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る板材の製
造装置は、熱間粗圧延機から送出される先行板材の尾端
部とこれに続く後行板材の先端部とが所定の位置関係に
なるようにして各板材の搬送速度と同期して移動しなが
らそれぞれを個別に締付保持するとともに後行板材の先
端部を先行板材の尾端部に押圧しうるようにされた保持
装置及び尾端部と先端部とをその各板材の幅方向にわた
って同時に加熱して所定温度まで上昇させる加熱装置を
有するものであって加熱装置により所定温度まで加熱さ
れた各板材の各端部を保持装置により互いに圧接する接
続装置を備えたものである。 また、この発明に係る板材
の製造方法は、熱間粗圧延された先行板材の尾端部とこ
れに続く後行板材の先端部とが所定の位置関係になるよ
うにして各板材の搬送速度と同期して移動しながらそれ
ぞれを個別に締付保持し、尾端部と先端部とをその各板
材の幅方向にわたって同時に加熱して所定温度まで上昇
させた後、両板材を個別に保持した状態で両板材の各端
部を互いに押圧して圧接し、圧接された両板材を熱間仕
上圧延するものである。
【0007】
【作用】この発明における製造装置においては、保持装
置は先行板材の尾端部と後行板材の先端部とを所定の位
置関係になるようにしてそれぞれを個別に締付保持し、
互いの位置関係を固定する。加熱装置は、互いの位置関
係を固定された先行板材の尾端部と後行板材の先端部と
をその各板材の幅方向にわたって同時に加熱して所定温
度まで上昇させる。所定温度まで上昇後、保持装置が両
板材をそれぞれ個別に固定保持した状態で後行板材の先
端部を先行板材の尾端部に押圧して接続する。従って、
先行板材の尾端部と後行板材の先端部とをともに接合に
適した温度においてかつ保持装置によりそれぞれを締付
保持した状態で充分な押圧力で圧接できる。よって、尾
端部と先端部とは互いにその位置がずれることなく確実
かつ均一に接合される。 また、この発明における製造方
法においては、先行板材の尾端部と後行板材の先端部と
は所定の位置関係になるようにしてそれぞれを個別に締
付保持され、すなわち尾端部と先端部との互いの位置関
係が固定される。この状態で、各板材の各端部は各板材
の幅方向にわたって同時に加熱して所定温度まで上昇さ
せて接合に適した温度にされ、両板材はそれぞれ個別に
固定保持されて充分な押圧力で圧接可能となり、両板材
の尾端部と先端部とは互いにその位置がずれることなく
確実かつ均一に接合される。
【0008】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1
〜図5において、11は熱間粗圧延機械、12は板材の端面
切断機、13は熱間仕上圧延機、14は板材1,2を搬送す
る搬送テーブル、15は板材1,2の搬送速度と同期しレ
ール16上を移動可能な台車、17は台車15に搭載されてい
る加熱装置で、誘導加熱装置などが使用される。18a,18
b は台車15に搭載されいる接合装置である。
【0009】19は、先行板材2の尾端用接合装置18a を
ラインと直角方向にシリンダ20によりレール21上を移動
させるための台車、22は加熱装置17をラインと直角方向
にレール23上を移動させるシリンダ、24は加熱装置17に
電力を供給する電力ケーブル、25は整合盤、26はクラン
パー27を開閉するシリンダ、28は後行板材1をアプセッ
トするためのシリンダで、接合装置18b を整合装置18a
の方向にレール29上を移動させる。30は接合装置18b を
ラインと直角方向へレール31上を移動させるための台
車、32は台車30を移動させるシリンダである。
【0010】次に動作について説明する。図に於いて、
熱間粗圧延機11により粗圧延された後行板材1は、搬送
テーブル14上を搬送され、後行板材1の先端と先行板材
2の尾端との間隔を0〜数10mm程度になる様に搬送制御
する。また、先行板材2と搬送速度を同期させ、加熱装
置17及び接合装置18a,18b を搭載している台車15のゾー
ンに進入する。この時、先行板材2の尾端及び後行板材
1の先端は、熱間粗圧延機11と、台車15との間に設置さ
れた端面切断機12により接合可能な形状に切断されてい
る。
【0011】台車15ゾーンに先行板材2の尾端と後行板
材1の先端とが進入してきた時、先行板材2の尾端と後
行板材1の先端との間隔の中心が、加熱装置17の中心に
くる様に台車15が例えばサーボモータ駆動装置等により
(図示しない)移動する。その後、先行板材2の尾端と
後行板材1の先端とが接合完了するまで先行板材2及び
後行板材1の搬送速度と同期して移動する。
【0012】台車15に搭載された加熱装置17の中心に先
行板材2の尾端と後行板材1の先端が、所定の位置にセ
ットされるまでに、加熱装置17及び接合装置18a,18b が
オフライン位置より先行板材2及び後行板材1を加熱あ
るいは接合するための位置までシリンダ20,22,32によ
り移動を完了している。次に、台車15と先行板材2の尾
端及び後行板材1の先端とが所定の位置にセットされた
時、接合装置18a,18bの上下クランパ27をシリンダ26に
より閉じて先行板材2及び後行板材1をクランプする。
【0013】次に、加熱装置17により先行板材2の尾端
及び後行板材1の先端を誘導加熱し、接合加熱温度(板
材の温度約1000℃を約1400℃まで昇温する。)に昇温す
る。本実施例の誘導加熱装置の場合、加熱電源(図示し
ない)から台車15上に搭載している力率改善用整合盤2
5、電力ケーブル24を介し所定の電力を加熱装置17に供
給している。加熱完了後加熱装置17はシリンダ22により
オフラインへ後退する。
【0014】次に、後行板材1側をクランプしている接
合装置18b をシリンダ28により先行板材2側へ移動さ
せ、先行板材2の尾端と後行板材1の先端とをアプセッ
トして両板材1,2を接合した後、クランパ27を解放す
る。そして、接合された両板材1,2をそのまま熱間仕
上圧延機13に通して、熱間仕上げ圧延を行なう。
【0015】実施例2. 上記実施例では台車15を板材1,2の両端面(搬送ライ
ンのドライブサイド及びオペレータサイド)の両側に各
1台づつ配置しているが、1台車上に上記機能を満足出
来る加熱装置17及び接合装置18a,18b が1組で満足出来
れば片側のみに台車15を配置してもよい。
【0016】実施例3. 加熱装置17は上記実施例では誘導加熱装置としたが、例
えば、通電加熱,ガス加熱等、他の加熱手段を用いても
同様の効果を得る事が出来る。
【0017】また、上記実施例に於いては、加熱装置17
は、先行板材2と後行板材1とを同時に加熱出来る様に
1組としているが、先行板材2と後行板材1とを別々に
加熱する2組の加熱装置を台車15に搭載してもよい。
【0018】実施例4. 上記実施例では、加熱後に先行板材2の尾端と後行板材
1の先端とをアプセットして接合する方法を説明した
が、加熱手段に応じて加熱前に先行板材2の尾端と後行
板材1の先端とをアプセットした後に加熱し、接合する
方法をとってもよい。
【0019】実施例5. 上記実施例の接合装置18aは、ラインと直角方向の移動
のみとしたが、先行板材2もアプセット時に後行板材1
側へ引張るため接合装置18bと同様の機能を備えてもよ
い。
【0020】また、クランプ及びアプセット時の動力と
して、上記実施例ではアクチュエータにシリンダを用い
たが、他の公知のアクチュエータ(例えばモータ等)を
用いてもよく、機構も公知の機能(例えばリンク等)を
用いても同様の機能を有する事はいうまでもない。
【0021】実施例6. 上記実施例において、台車15の駆動装置はサーボモータ
駆動装置としたが、他の公知の位置制御、板材の搬送速
度と同期出来るアクチュエータ(例えばDCモータ,ベク
トル制御モータ、及び油圧サーポシステム等)であれば
同様の機能を有する事はいうまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明の板材の製造装
置によれば、先行板材の尾端部と後行板材の先端部とが
所定の位置関係になるようにしてそれぞれを個別に締付
保持するとともに後行板材の先端部を先行板材の尾端部
に押圧しうるようにされた保持装置及び尾端部と先端部
とをその各板材の幅方向にわたって同時に加熱して所定
温度まで上昇させる加熱装置を有するものであって加熱
装置により所定温度まで加熱された各板材の各端部を保
持装置により互いに圧接する接続装置を備えたので、先
行板材の尾端部と後行板材の先端部とをともに接合に適
した温度状態においてかつ保持装置によりそれぞれを締
付保持した状態で充分な押圧力で圧接可能であり、尾端
部と先端部とを互いにその位置がずれることなく確実か
つ均一に接合でき、仕上げ圧延中に破断するおそれがな
く装置の信頼性が向上する。 また、この発明の板材の製
造方法によれば、先行板材の尾端部と後行板材の先端部
とが所定の位置関係になるようにして各板材の搬送速度
と同期して移動しながらそれぞれを個別に締付保持し、
尾端部と先端部とをその各板材の幅方向にわたって同時
に加熱して所定温度まで上昇させた後、両板材を個別に
保持した状態で両板材の各端部を互いに押圧して圧接
し、圧接された両板材を熱間仕上圧延するので、先行板
材の尾端部と後行板材の先端部とをともに接合に適した
温度状態においてかつ両板材を個別に保持した状態で充
分な押圧力で圧接可能であり、両板材の尾端部と先端部
とを互いにその位置がずれることなく確実かつ均一に接
合でき、仕上げ圧延中に破断するおそれがなく信頼性の
高い板材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】この発明の一実施例を示す加熱・接合時の状態
を示す説明図である。
【図3】この発明の一実施例の要部を示す側面図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線の断面図である。
【図5】図3のV−V線の断面図である。
【図6】従来の熱間圧延板の接合法の仮溶接の状態を示
す断面図である。
【図7】図6の熱間圧延板を熱間圧延した後の状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 後行熱延材 2 先行熱延材 11 熱間粗圧延機 13 熱間仕上圧延機 15 台車 17 加熱装置 18a 接合装置 18b 接合装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材を粗圧延して所定の速度で板材とし
    て送出する熱間粗圧延機、上記熱間粗圧延機から先に送
    出される先行板材と続いて送出される後行板材とを上記
    両板材の送出速度と同期して移動しながら上記先行板材
    の尾端部と上記後行板材の先端部とが所定の位置関係に
    なるようにしてそれぞれを個別に締付保持するとともに
    上記先端部を上記尾端部に押圧しうるようにされた保持
    装置及び上記尾端部と上記先端部とをその各板材の幅方
    向にわたって同時に加熱して所定温度まで上昇させる加
    熱装置を有するものであって上記加熱装置により所定温
    度まで加熱された上記各板材の各端部を上記保持装置に
    より互いに圧接する接続装置、及び圧接された上記両板
    材を仕上げ圧延する熱間仕上圧延機を備えた板材の製造
    装置。
  2. 【請求項2】 粗圧延されて送出される先行板材の尾端
    部とこの先行板材に続いて同じく粗圧延されて送出され
    る後行板材の先端部とが所定の位置関係になるようにし
    て上記各板材の搬送速度と同期して移動しながらそれぞ
    れを個別に締付保持し、上記尾端部と上記先端部とをそ
    の各板材の幅方向にわたって同時に加熱して所定温度ま
    で上昇させた後、上記両板材を個別に保持した状態で上
    記各板材の各端部を互いに押圧して圧接し、圧接された
    上記両板材を熱間仕上圧延する板材の製造方法。
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