JP2692177B2 - シアノ酢酸アミド誘導体を有効成分とする植物病害防除剤 - Google Patents

シアノ酢酸アミド誘導体を有効成分とする植物病害防除剤

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JP2692177B2 JP25971688A JP25971688A JP2692177B2 JP 2692177 B2 JP2692177 B2 JP 2692177B2 JP 25971688 A JP25971688 A JP 25971688A JP 25971688 A JP25971688 A JP 25971688A JP 2692177 B2 JP2692177 B2 JP 2692177B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、シアノ酢酸アミド誘導体を有効成分とする
植物病害防除剤に関する。
<従来の技術> これまで、種々の植物病害防除剤が開発されている
が、効力等の点で必ずしも充分に満足すべきものとは言
い難い。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、植物病害に対して優れた防除効力を有する
防除剤の開発を目的とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討
を重ねた結果、一般式 〔式中、Rは炭素数2〜6個の1級もしくは2級のア
ルキル基、炭素数4〜6個のシクロアルキル基、2,2−
ジメチルプロピル基または炭素数3〜6個のアルケニル
基もしくはアルキニル基を表わし、XおよびYは、同一
または相異なり、水素原子、フッ素原子またはクロル原
子を表わし、Zは水素原子、ハロゲン原子、トリフルオ
ロメチル基、低級フルオロアルコキシ基、シアノ基、ニ
トロ基、メチル基、メトキシ基またはメチルチオ基を表
わす。〕 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体(以下、本発明化合
物と称す。)が優れた茎葉予防病害防除効力および浸透
移行的病害防除効力を有することを見出し、本発明に至
った。
本発明化合物は、特にイネのいもち病(Pyricularia
oryzae)、に対し、すぐれた防除効力を有するが、その
他に防除できる植物病害としてイネのごま葉枯病(Coch
liobolus miyabeanus)、リンゴの黒星病(Venturia in
aequalis)、ナシの黒星病(Venturia nashicola)、カ
キの炭素病(Gloeosporium kaki)、ウリ類の炭そ病(C
olletotrichum lagenarium)、インゲンの炭そ病(Coll
etotrichum lindemuthianum)、ラッカセイの黒渋病(M
ycosphaerella personatum)、褐斑病(Cercospora ara
chidicola)、タバコの炭そ病(Colletotrichum tabacu
m)、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)等が挙
げられる。
本発明化合物中、その植物病害防除効力の点でより好
ましいものは、一般式 〔式中、XおよびYは前記と同じ意味を表わし、R′
は炭素数3〜5個の2級のアルキル基または炭素数4〜
5個の2級もしくは3級のアルケニル基もしくはアルキ
ニル基を表わし、Z′はクロル原子、ブロム原子、ヨー
ド原子、トリフルオロメチル基または低級フルオロアル
コキシ基を表わす。〕 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体である。
次に本発明化合物の製造法について詳しく説明する。
本発明化合物は、一般式 〔式中、X、YおよびZは前記と同じ意味を表わ
す。〕 で示されるα−メチルベンジルアミン誘導体と一般式 〔式中、Rは前記と同じ意味を表わす。〕 で示されるα−置換シアノ酢酸あるいはその反応性誘導
体とを、必要に応じ反応助剤の存在下に反応させること
により得ることができる。
上記反応において、一般式〔III〕で示されるα−置
換シアノ酢酸あるいはその反応性誘導体としては、対応
するカルボン酸、酸無水物、酸塩化物、酸臭化物、カル
ボン酸メチルエステルやカルボン酸エチルエステルのよ
うなカルボン酸エステル類等があげられ、反応助剤とし
ては、一般式〔III〕で示されるα−置換シアノ酢酸ま
たはその反応性誘導体に応じて、たとえばジシクロヘキ
シルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,1′−カル
ボニルジイミダゾール、五塩化リン、三塩化リン、オキ
シ塩化リン、塩化チオニル、ホスゲン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウ
ムエチラート、トリエチルアミン、ピリジン、キノリ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、
N−メチルモルホリン等が挙げられる。
上記反応において、標準的には反応温度は0〜200
℃、反応時間は0.1〜24時間であり、反応に供せられる
試剤の量は、一般式〔III〕で示されるα−置換シアノ
酢酸またはその反応性誘導体1モルに対して、一般式
〔II〕で示されるα−メチルベンジルアミン誘導体は、
1〜1.2モルであり、反応助剤は1ミリモル〜5モルで
ある。
上記反応において、反応溶媒は必ずしも必要ではない
が、一般的には溶媒の存在下に行なわれる。
使用しうる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、リグ
ロイン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン原子
含有溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリル、水などの溶媒およびそれを混合し
たものがあげられる。
反応終了後、抽出、濃縮、ろ過等の通常の後処理を行
ない、必要に応じ、カラムクロマトグラフィー、再結晶
等の操作に付することにより、目的の本発明化合物を得
ることができる。なお、本発明化合物を製造する場合の
一方の原料化合物である一般式〔II〕で示されるα−メ
チルペンジルアミン誘導体は、例えば、Organic Reacti
ons,Vol.5,301〜330(1949)に記載されているLeuckart
反応等により、一般式 〔式中、X、YおよびZは前記と同じ意味を表わ
す。〕 で示される化合物等から合成することができる。
また他方の原料化合物である一般式〔III〕で示され
るα−置換シアノ酢酸またはその反応性誘導体は、例え
ばJ.Am.Chem.Soc.,66,886(1944),J,Organomet.Chem.,
285,395(1985)またはJ.Am.Chem.Soc.,108,1039(198
6)等に記載されている方法および通常の誘導体化法、
即ち、カルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸を
得、得られたカルボン酸を酸ハライド化してカルボン酸
ハライドを得る方法等により合成することができる。
また、本発明化合物のうち、一般式〔I〕に於いてR
が、1級もしくは2級のアルキル基または1級もしくは
2級のアルケニル基または1級もしくは2級のアルキニ
ル基またはシクロアルキル基を表わす化合物は、一般式 〔式中、X、YおよびZは前記と同じ意味を表わす。〕 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体と一般式 R″−L 〔V〕 〔式中、R″は炭素数2〜6個の1級もしくは2級の
アルキル基、炭素数4〜6個のシクロアルキル基、炭素
数3〜6個の1級もしくは2級のアルケニル基、炭素数
3〜6個の1級もしくは2級のアルキニル基を表わし、
Lはクロル原子、ブロモ原子、ヨード原子またはメタン
スルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基
等の脱離基を表わす。〕 で示される化合物とを、塩基存在下に反応させることに
より得ることもできる。
上記反応において用いられる塩基としては、例えば、
水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属等があげられ
る。
上記反応において、標準的には反応温度は−10〜100
℃、反応時間は0.1〜24時間であり、反応に供せられる
試剤の量は、一般式〔IV〕で示されるシアノ酢酸アミド
誘導体1モルに対して、一般式〔V〕で示される化合物
は1〜1.5モルであり、塩基は1〜1.2モルである。
上記反応において使用しうる溶媒としては、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ジメチル
ホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等があげられ
る。
反応終了後、抽出、濃縮、ろ過等の通常の後処理を行
ない、必要に応じ、カラムクロマトグラフィー、再結晶
等の操作に付することにより、目的の本発明化合物を得
ることができる。
なお、本発明化合物を製造する場合の一方の原料化合
物である一般式〔IV〕で示されるシアノ酢酸アミド誘導
体は、一般式〔II〕で示されるα−メチルベンジルアミ
ン誘導体と、シアノ酢酸もしくはその反応性誘導体と
を、必要に応じ反応助剤の存在下に反応させることによ
り得ることができる。
また、もう一方の原料化合物である一般式〔V〕で示
される化合物は、市販されているものを用いるか、また
は市販されている原料から通常の誘導体化法により合成
することにより得ることができる。
尚、本発明化合物には、その不斉炭素原子に由来する
少なくとも4個の立体異性体(光学異性体)が存在し、
本発明は、これらの異性体及びそれらの混合物をも含む
ものである。
本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分として用い
る場合は、他の何らの成分も加えずそのまま使用しても
よいが、通常は、固体担体、液体担体、界面活性剤その
他の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、
粒剤、粉剤等に製剤して使用する。
これらの製剤には有効成分として本発明化合物を、重
量比で0.1〜99%、好ましくは0.2〜95%含有する。
固体担体としては、カオリンクレー、アッタパルジャ
イトクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライ
ト、タルク、珪藻土、方解石、トウモロコシ穂軸粉、ク
ルミ殻粉、尿素、硫酸アンモニウム、合成含水酸化珪素
等の微粉末あるいは粒状物があげられ、液体担体には、
キシレン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、イ
ソプロパノール、エチレングリコール、セロソルブ等の
アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン等のケトン類、大豆油、綿実油等の植物油、ジメチル
スルホキシド、アセトニトリル、水等があげられる。
乳化、分散、湿展等のために用いられる界面活性剤と
しては、アルキル硫酸エステル塩、アルキル(アリー
ル)スルホン酸塩、ジアルキルスルホこはく酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテルりん酸エステ
ル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
コポリマー、ソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤
等があげられる。
製剤用補助剤としては、リグニンスルホン酸塩、アル
ギン酸塩、ポリビニルアルコール、アラビアガム、CMC
(カルボキシメチルセルロース)、PAP(酸性りん酸イ
ソプロピル)等があげられる。
これらの製剤は、そのままで使用するか、あるいは水
で希釈して、茎葉散布するか、土壌に散粉、散粒して混
和するかまたは土壌施用等する。また、他の植物病害防
除剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長
調節剤、肥料、土壌改良剤等と混合して用いることもで
きる。
本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分として用い
る場合、その処理量は、気象条件、製剤形態、処理時
期、方法、場所、対象病害、対象作物等によっても異な
るが、通常1アールあたり0.05〜200g、好ましくは0.1
〜100gであり、乳剤、水和剤、懸濁剤等を水で希釈して
施用する場合、その施用濃度は0.00005〜0.5%好ましく
は0.0001〜0.2%であり、粒剤、粉剤等は、なんら希釈
することなくそのまま施用する。
<発明の効果> 本発明化合物は、種々の植物病害菌による植物病害に
対して優れた効果を有することから、植物病害防除剤の
有効成分として種々の用途に供しうる。
<実施例> 以下に、本発明を製造例、製剤例および試験例により
さらに詳しく説明する。尚、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
まず製造例を示す。
製造例1(化合物(7)) 2−シアノ−3,3−ジメチル−4−ペンテン酸0.76g
(5mmol)を無水テトラヒドロフラン5mlに溶かした溶液
に、1,1′−カルボニルジイミダゾール0.97g(6mmol)
を少しずつ加え、室温で1時間攪拌した。この溶液に1
−(4−クロロフエニル)エチルアミン0.78g(5mmol)
をゆっくり滴下し、室温で2時間攪拌した。反応後、エ
ーテルを加えて、5%塩酸水、飽和重そう水、飽和食塩
水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥したのち、溶媒を留去して1.14gの粘稠な液体を得
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し、0.7
2gのN−〔1−(4−クロロフェニル)エチル〕−2−
シアノ−3,3−ジメチル−4−ペンテンアミドを得た。
mp 102〜105℃1 H−NMR(CDCl3/TMS、δ(ppm)) 1.0〜1.6(m,9H)、3.28(s,1H)、4.6〜5.3(m,3H)、
5.5〜6.1(m,1H)、6.5〜6.9(br d,1H)、6.95〜7.5
(m,4H) 製造例2(化合物(3)) N−〔1−(4−クロロフェニル)エチル〕−2−シ
アノ酢酸アミド0.89g(4mmol)を無水ジメチルホルムア
ミド5mlに溶かし、氷冷した。窒素雰囲気下、水素化ナ
トリウム(60%in oil)0.17g(4.2mmol)を加え、氷冷
下30分間攪拌した。続いて、3−ブロモ−1−ブチン0.
56g(4.2mmol)を加え、氷冷下30分間攪拌したのち、氷
冷バスを取り除き、さらに4時間攪拌した。反応後、反
応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、塩水で2回洗
浄した。有機層を乾燥後、濃縮し、残渣をヘキサンおよ
びアセトニトリル溶液を加えて分液した。アセトニトリ
ル層を濃縮して、樹脂状化合物1.25gを得た。これをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサ
ン:酢酸エチル=5:1)により精製して、0.50gのN−
〔1−(4−クロロフェニル)エチル〕−2−シアノ−
3−メチル−4−ペンチンアミドを得た。
mp 75〜77℃1 H−NMR(CDCl3/TMS、δ(ppm)) 1.15〜1.65(m,6H)、2.15〜2.35(m,1H)、2.95〜3.7
(m,2H)、4.75〜5.35(m,1H)、6.65〜7.0(br,1H)、
7.1〜7.4(m,4H) 製造例3(化合物(95)) 2−シアノ−3,3−ジメチル−4−ペンテン酸0.45g
(3mmol)を無水THFに溶かし、これに1,1′−カルボニ
ルジイミダゾール0.58g(3.6mmol)を徐々に加えた。室
温で1時間攪拌したのち、1−(4−トリフルオロメト
キシフエニル)エチルアミン0.62g(3mmol)を加えた。
室温で4時間攪拌したのち、溶媒を留去し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=5:1)により精製し、0.92gのN−〔1−(4−
トリフルオロメトキシフェニル)エチル〕−2−シアノ
−3,3−ジメチル−4−ペンチンアミドを得た。
mp 71〜75℃1 H−NMR(CDCl3/TMS,δ(ppm) 1.2〜1.7(m,9H)、2.38(s,1H)、3.31(s,1H)、4.8
〜5.4(m,1H)、6.35〜6.9(br,1H)、6.95〜7.5(m,4
H) 製造例4(化合物(47)) 1−(4−ブロモフェニル)エチルアミン0.60g(3mm
ol)及びトリエチルアミン0.34g(3.3mmol)をアセトニ
トリル10mlに溶かし氷冷した。この溶液にα−シアノ−
sec−ブチルアセチルクロリド0.48g(3mmol)を滴下
し、室温で2時間攪拌した。反応後、酢酸エチルを加え
て水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち溶媒を
留去して粘稠な液体1.07gを得た。これをシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;ヘキサン:アセト
ン=5:1)により精製して0.90gのN−〔1−(4−ブロ
モフェニル)エチル〕−2−シアノ−3−メチルペンタ
ンアミドを得た。1 H−NMR(CDCl3/TMS、δ(ppm)) 0.65〜1.8(m、11H)、1.8〜2.4(m,1H)、3〜3.5
(m,1H)、4.7〜5.3(m,1H)、6.2〜6.7(m,1H)、6.9
〜7.6(m,4H) マススペクトル(m/e,70ev) 322(M+)、307、265、198、183、104 製造例5(化合物(43)) N−〔1−(4−クロロフェニル)エチル〕−2−シ
アノ酢酸アミド0.89g(4mmol)をジメチルホルムアミド
5mlに溶かし、氷冷した。窒素雰囲気下、水素化ナトリ
ウム(60% in oil)0.17g(4.2mmol)を加え、氷冷下
30分間攪拌した。続いてシクロペンチルブロミド0.73g
(4.8mmol)を加え、氷冷下30分間攪拌したのち、氷冷
バスを取り除き、さらに4時間攪拌した。反応後反応液
に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、塩水で2回洗浄し
た。有機層を乾燥後、濃縮し、残渣をヘキサン及びアセ
トニトリル溶液を加えて攪拌し、次いで分液した。アセ
トニトリル層を濃縮して、結晶性化合物1.08gを得た。
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製して、0.5
8gのN−〔1−(4−クロロフェニル)エチル〕−2−
シアノ−2−シクロペンチルエタンアミドを得た。
mp 106〜108℃1 H−NMR(DMSO−d6/TMS、δ(ppm)) 0.8〜2.0(m,11H)、2.1〜2.6(m,1H)、3.60(d,J=9H
z,1H)、4.6〜5.2(m,1H)、7.33(br s,4H)、8.7(br
d,1H) このような製造法によって製造できる本発明化合物のい
くつかを第1表に示す。
次に一般式〔II〕で示されるα−メチルベンジルアミ
ン誘導体の製造例を示す。
参考製造例 p−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)アセトフ
ェノン9.44g(40mmol)、ホルムアミド7.43g(160mmo
l)、及び90%ギ酸1mlの混合物を180〜190℃で5時間加
熱し、冷却した。生じた結晶を集し、冷水、冷ヘキサ
ンで順次洗浄した。得られた結晶(10.7g)をエタノー
ル20mlに懸濁し、6N−塩酸水20mlを加え、50〜60℃で1
時間加熱した。氷冷して水を加え、塩化メチレンで2回
抽出した。水層を氷冷しながら40%カセイソーダ水溶液
15mlでアルカリ性にした後、エーテルで2回抽出した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することにより、
1H−NMR上ほぼ純粋な1−〔4−(1,1,2,2−テトラフル
オロエトキシ)フェニル〕エチルアミン5.97g(63%)
を得た。
このようにして製造できる一般式〔II〕で示されるα
−メチルベンジルアミン誘導体のいくつかを次に示す。
で示される化合物 次に一般式〔IV〕で示されるシアノ酢酸アミド誘導体
の製造例を示す。
参考製造例 エチルシアノアセテート3.65g(30mmol)および1−
(4−ブロモフェニル)エチルアミン6.0g(30mmol)を
混合し生じたエタノールを除きながらバス温180℃で2
時間加熱攪拌したのち、冷却した。生じた結晶をエタノ
ールより再結晶して、N−〔1−(4−ブロモフェニ
ル)エチル〕−2−シアノアセトアミド5.11g(収率64
%)を得た。
mp 136〜139℃1 H−NMR(CDCl3/DMSO−d6,δ(ppm)) 1.31(d,J=7Hz,3H)、3.31(s,3H)、3.59(s,2H)、
4.5〜5.1(m,1H)、6.95〜7.6(m,4H)、8.3〜8.8(br
d,1H) このような製造法により得ることができる一般式〔I
V〕で示されるシアノ酢酸アミド誘導体のいくつかを以
下に示す。
で示される化合物 次に製剤例を示す。なお本発明化合物は、第1表の化
合物番号で示す。部は重量部を表わす。
製剤例1 本発明化合物(1)〜(99)各々50部、リグニンスル
ホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部お
よび合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合して本発明化
合物各々の水和剤を得る。
製剤例2 本発明化合物(1)〜(99)各々25部、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノオレエート3部、CMC3部および水
69部を混合し、有効成分の粒度が5ミクロン以下になる
まで湿式粉砕して本発明化合物各々の懸濁剤を得る。
製剤例3 本発明化合物(1)〜(99)各々2部、カオリンクレ
ー88部およびタルク10部をよく粉砕混合して本発明化合
物各々の粉剤を得る。
製剤例4 本発明化合物(1)〜(99)各々20部、ポリオキシエ
チレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸カルシウム6部、およびキシレン60部をよ
く混合して本発明化合物各々の乳剤を得る。
製剤例5 本発明化合物(1)〜(99)各々2部、合成含水酸化
珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベント
ナイト30部およびカオリンクレー65部をよく粉砕混合
し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して本発明
化合物各々の粒剤を得る。
次に、本発明化合物が植物病害防除剤として有用であ
ることを試験例で示す。なお、本発明化合物は第1表の
化合物番号で示し、比較対照に用いた化合物は第2表の
化合物記号で示す。
また防除効力は、調査時の供試植物の発病状態すなわ
ち葉、茎等の菌叢、病斑の程度を肉眼観察し、菌叢、病
斑が全く認められなければ「5」、10%程度認められれ
ば「4」、30%程度認められれば「3」、50%程度認め
られれば「2」、70%程度認められれば「1」、それ以
上で化合物を供試していない場合の発病状態と差が認め
られなければ「0」として、6段階に評価し、それぞれ
5、4、3、2、1、0で示す。
試験例1 イネいもち病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。イネの幼苗
に、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈
して所定濃度にし、それを葉面に充分付着するように茎
葉散布した。散布後、植物を風乾しいもち病菌の胞子懸
濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、暗黒、多湿下で
4日間生育し、防除効力を調査した。その結果を第3表
に示す。
試験例2 イネいもち病防除試験(浸透移行効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で14日間育成した。イネの幼苗
に、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈し
て、その所定量を土壌に灌注した。灌注後、7日間温室
内で育成し、いもち病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種し
た。接種後、28℃、暗黒、多湿下で4日間置いた後、防
除効力を調査した。その結果を第4表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 高野 仁孝 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 桐野 修 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−72663(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Rは炭素数2〜6個の1級もしくは2級のアル
    キル基、炭素数4〜6個のシクロアルキル基、2,2−ジ
    メチルプロピル基または炭素数3〜6個のアルケニル基
    もしくはアルキニル基を表わし、XおよびYは、同一ま
    たは相異なり、水素原子、フッ素原子またはクロル原子
    を表わし、Zは水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロ
    メチル基、低級フルオロアルコキシ基、シアノ基、ニト
    ロ基、メチル基、メトキシ基またはメチルチオ基を表わ
    す。〕 で示されるシアノ酢酸アミド誘導体を有効成分として含
    有することを特徴とする植物病害防除剤。
  2. 【請求項2】第1項記載のシアノ酢酸アミド誘導体を有
    効成分として含有することを特徴とするイネいもち病防
    除剤。
JP25971688A 1987-11-05 1988-10-14 シアノ酢酸アミド誘導体を有効成分とする植物病害防除剤 Expired - Fee Related JP2692177B2 (ja)

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