JP2692127B2 - ストライプ状貼付剤の製造方法 - Google Patents

ストライプ状貼付剤の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は貼付剤の製造方法に関し、更に詳しくは水性
と油性の帯状粘着剤層が交互に並んで連接したストライ
プ状貼付剤の製造方法に関する。
[従来の技術] 油性粘着剤と水性粘着剤をそれぞれ支持シートと剥離
シートとに別々に並列帯状に塗着し、生成した帯状粘着
剤層が相手方の帯状粘着剤層間の空隙部に嵌合するよう
に支持シートと剥離シートとを合わせロールの間を通す
ことにより油性と水性の帯状粘着剤層が交互に並んで連
接したストライプ粘貼付剤を製造する方法が知られてい
る(特開昭63−9443号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この方法では水性粘着剤をシートに塗
着する際に水性粘着剤層に小気泡が混入しやすく、水性
粘着剤層に混入した小気泡が多数存在すると貼付剤の商
品価値を著しく低下させる。
本発明の目的は、水性粘着剤層に小気泡が混入しにく
く、水性と油性の帯状粘着剤層が交互に並んで連接した
スライブ状貼付剤を大量に生産することができる工業的
な製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、水性と油性の帯状粘着剤層が交互に並
んで連接したストライプ状貼付剤を製造する際に水性粘
着剤に小気泡を混入させない方法を開発すべく鋭意研究
した結果、支持シート上に帯状の油性粘着剤層を並列し
て多数設けた後、このシートを水性粘着剤を供給した圧
着ロールにかけることによりこの課題を解決し得ること
を見い出し、本発明を完成した。
本発明は、油性と水性の帯状粘着剤層が交互に並んで
連接した貼付剤を製造するにあたり、複数の空隙部を有
する並列帯状油性粘着剤層を設けた支持シートの空隙部
に水性粘着剤を圧入充填すると同時に剥離シートを圧着
することを特徴とする油性と水性の帯状粘着剤層が交互
に並んで連接した貼付剤の製造方法である。
本発明において、油性粘着剤とは常用の親油性粘着物
質に薬効成分及び/又はその他の必要な成分を混練した
ものをいう。水性粘着剤とは常用の親水性粘着物質に薬
効成分及び/又はその他の必要な成分を混練したものを
いう。
ここにおいて、薬効成分とは経皮吸収させることがで
きるか、又は貼付剤に常用されている薬物であり、例え
ば、コルチコステロイド類(例えば、ブレドニゾロン、
酢酸ブレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコ
ルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、ベタメ
タゾン、吉草酸ベタメタゾン、フルオシノロンアセトニ
ド、デキサメタゾンなど)、麻酔剤(例えば、ベンゾカ
イン、リドカイン、アミノ安息香酸エチルなど)、抗ヒ
スタミン剤(例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イ
ソサイペンジル、ジフェニールイミダゾールなど)、抗
菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、ニトロフランな
ど)、抗真菌剤(例えば、ナイスタチン、ウンデシレン
酸、トルナフテートなど)、鎮痛消炎剤(例えば、イン
ドメタシン、ジクロフェナックナトリウム、フルフェナ
ム酸、サリチル酸ナトリウム、オウバク末、水溶性アズ
レンなど)、抗生物質(例えば、エリスロマイシン、ク
ロラムフェニコール、セファレキシン、テトラサイクリ
ン、ネオマイシン、ペニシリン、ペニシリンGナトリウ
ムなど)、貼付剤常用薬(カンフル、メントール、炮附
子、紫根、ハッカ油、チモール、アクリノール、ロート
エキス、トウガラシエキスなど)などである。
油性粘着物質としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム
(イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共
重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ス
チレン−ブタジエンゴムなど)、ポリアクリル酸エステ
ルなどを用いることができる。
水性粘着物質としては、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リメタアクリル酸及びその架橋ゲル、液状イソプレンゴ
ムの一部架橋体及び架橋体のエマルジョン、前記合成ゴ
ムのエマルジョンなどを用いることができる。
その他の必要な成分としては賦形剤(例えば、カオリ
ン、ベントナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシ
ウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)、粘着
性付与成分(例えば、ロジン、変性ロジン、水添ロジ
ン、石油系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリテルペン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ヒドロアビエチルアルコー
ル、ポリブテン、液状イソプレンなど)、酸化防止剤、
香料、着色剤などを用いることができる。
剥離シートはポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステルなどの合成樹脂フィルム,紙,アルミニウム箔又
はこれらのラミネートシートなどにシリコンなどで剥離
処理したものを用いる。
支持シートは不織布、綿布、和紙などの繊維布、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピ
レンどの合成樹脂フィルム、アルミニウム箔又はこれら
のラミネートシートなどを用いる。
本発明の方法で製造される貼付剤は、剥離シートと支
持シートからなる2枚のシートの間に、水性と油性の帯
状粘着剤層が交互に連接している。
油性粘着剤は、例えば、次の方法により調製すること
ができる。
前記油性粘着性物質に流動パラフィンなどを含浸さ
せ、これに粘着性付与成分、賦形剤などを混練し、必要
があれば、更に油性薬効成分を混練して油性粘着剤を得
る。
また水性粘着剤は、例えば、次の方法により調製する
ことができる。
前記水性粘着性物質(架橋ゲルとする必要がある場合
には未架橋のもの)をアルコール類と混合し、これに賦
形剤などを加えて混練する。
これに精製水を加え、架橋ゲルとする必要がある場合
には架橋剤も加えてこれを混練し、必要があれば更に水
性薬効成分を混練して水性粘着剤を得る。
このようにして調製した前記粘着剤を用いて水性と油
性の帯状粘着剤層を交互に連接したストライプ状貼付剤
を製造するには、一実施態様として第1図に示す如き装
置を用いて行なう。
第1図に示す装置は、主として横型圧着2本ロール1,
2、そのはるか下方に配置した巻取ロール3、前記ロー
ル1,2のやや上方に配置した水性粘着剤フィダー4から
なる。
カレンダーロールによる圧着又はホットメルト・コー
ティングによる塗着により、予め支持シート5に複数の
並列帯状油性粘着剤層7,7,…を設けておく。
この支持シート5を一方から繰出し、他方から剥離シ
ート6を繰出してロール1,2の間にひきいれて支持シー
ト5の油性粘着剤層に剥離シート6を貼合わせると共
に、ロール1,2の接合部に水性粘着剤8をフィーダー4
から供給し、ロール1,2をその接合部において共に下向
きに回転する。支持シート5の並列帯状油性粘着剤間の
空隙部に水性粘着剤を圧入充填すると共に、支持シート
5の連接した並列帯状粘着剤面に剥離シート6を圧着し
て貼付剤シートとなしつつこれを下方にのばして巻取り
ロール3に巻き取らせる。
このようにして製造した貼付剤シートの一定量を巻取
ロール3に巻き取らせた後、貼付剤シートを引出しなが
ら一定のサイズに切断し、気密包装して製品とする。
[実施例] 以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を具体的に説
明する。
(実施例1) (1)素練り済みの天然ゴム30部に水添ロジン10部及び
精製ラノリン5部を加えて100〜120℃で練合し、更にカ
オリン20部及び酸化チタン3部を加えて練合した。次に
練合槽内を40〜70℃に冷却し、サリチル酸メチル1部,d
l−カンフル0.5部,l−メントール2部及びチモール0.3
部を予め混合して溶液としたものをこの練合物に加えて
練合し、油性粘着剤を得た。
(2)ゼラチン4部,ポリアクリル酸ナトリウム1部及
びカルボキシメチルセルロース2部にグリセリン10部及
びプロピレングリコール10部を加えて充分に練合した
後、カオリン15部を加えて更に充分に練合した。次に精
製水50部に酒石酸1部及びケイ酸アルミニウム0.1部を
加えたものをこの練合物に加えて練合後、予めサリチル
酸メチル1部、dl−カンフル0.5部及びl−メントール
1部を混合して溶液としたものを更に練合物に加えて練
合し、水性粘着剤を得た。
(3)特開昭63−9443号公報に記載のカレンダー・ロー
ル法に従い、フレームに5mm間隔で巾5mmのテフロン・バ
ンドを平行に多数取り付け、縦型3本ロールと組合わせ
て、不織布シートを進行させながら、巾5mmの帯状油性
粘着剤層多数を5mm間隔で支持シート上に圧着した後、
横型圧着2本ロールの間を通した。
一方、ポリエステルフィルムの片面にシリコン処理を
施した剥離シートを反対方向から進行させて前記横型圧
着2本ロールの間を通すと共に水性粘着剤フィーダーか
らそのロールの接合面に水性粘着剤を供給した。
このようにして、前記横型圧着2本ロールをその接合
面において互いに下向き方向に回転させ、前記不織布シ
ートの並列帯状油性粘着剤層の空隙部に水性粘着剤を圧
入充填すると共にこれにより形成された不織布シートの
粘着面に剥離シートを圧着して一体の貼付剤シートとな
し、その一定量を巻取りロールに巻き取った。
この巻き取られた貼付剤シートをひきもどしながら14
cm×10cmのサイズに切断し、巾5mmの帯状油性粘着剤層
と帯状水性粘着剤層が交互に並んで連接したストライプ
状貼付剤10枚を一組にして気密包装した。
(実施例2) (1)スチレン−イソプレン−スチレン共重合体10部に
流動パラフィン10部を浸み込ませた後、約100℃で練合
し、これに水添ロジン20部、酸化亜鉛5部及びクエン酸
1部を加えて練合した。
予めサリチル酸メチル1部,dl−カンフル1部,l−メ
ントール0.5部,チモール0.1部及びハッカ油0.5部を混
合して溶液としたものをこの練合物に加えて約50℃で練
合し、生性粘着剤を得た。
(2)ポリアクリル酸ナトリウム2.5部,メチルセルロ
ース3部にグリセリン10部を加えて充分に練合し、予め
精製水に酒石酸0.5部及び酸化アルミニウム0.1部を混合
したものをこれに加えて充分に練合した。
別にサリチル酸メチル1部、l−メントール0.5部、
チモール0.1部、dl−カンフル1部及びハッカ油0.5部を
混合した溶液を調製しておき、これをその練合物に加え
て充分に練合して水性粘着剤を得た。
(3)特開昭63−9443号公報に記載のホットメルト・コ
ーティング法に従い、油性粘着剤をポンプでホットメル
ト・コーティング・アプリケーターに送り、ネルシート
を進行させながら巾10mmの帯状油性粘着剤層多数を10mm
間隔でネルシート上に塗着した。
一方、塩化ビニルシートの片面にシリコン処理した剥
離シートを用意し、実施例1(3)に準じて、巾10mmの
帯状油性粘着剤層と帯状水性粘着剤が交互に並んで連接
したストライプ状貼付剤を製造した。
(実施例3) (1)スチレン−イソプレン−スチレン共重合体10部及
び軽質流動パラフィン10部を30−AK型混合機(商品名,
住友重機械工業(株)製)により100〜120℃で均一に溶
解し、これに水添ロジン30部,酸化チタン3部及び酸化
亜鉛20部を加えて練合した。
この混合槽中の温度を40〜70℃に下げ、l−メントー
ル:サリチル酸グリコールエステル:サリチル酸メチ
ル:dl−カンフル=1:2:1:0.5の割合で含む共溶融液10部
を加えて充分に練合し、油性粘着剤を得た。
(2)グリセリン10部にカオリン10部をKDHU−2型ニー
ダー(商品名,不二電気工業(株)製)で均一に分散し
た。これにポリアクリル酸ナトリウム3部,酸化アルミ
ニウム0.1部及びプロピレングリコール10部を加えて練
合した。
この混合物にl−メントール:サリチル酸メチル:dl
−カンフル:ハッカ油:ニッコールPBC34(商品名,日
光ケミカルズ(株)製)=1:2:0.5:0.5:0.5の混合物1
部を更に加えて充分に練合し、水性粘着剤を得た。
(3)前項(1),(2)で得た油性粘着剤と水性粘着
剤を用い、カレンダーロールに8mm間隔の巾8mmのテフロ
ンバンド処理をし、実施例1(3)に準じて巾8mmの帯
状油性粘着剤層と帯状水性粘着剤層とが交互に並んで連
接したストライプ状貼付剤を製造した。
(試験例) 前記実施例1で製造したストライプ状貼付剤を試料1
とし、特開昭63−9443号公報実施例1の方法で製造した
ストライプ状貼付剤を試料2とした。
試料1と試料2の各100検体の水性粘着剤層について
倍率約20倍の実体顕微鏡(ニコン製 SMZ−1型)で目
視検査し、1cm2中の径1mm以上の気泡の数を計測し、そ
の平均値を求めた。
その結果を次表に示す。
[発明の効果] 本発明により、水性粘着剤層中への気泡の混入を防止
して、外観が美しくて商品価値の高いストライプ状貼付
剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法において用いる装置の一実施態
様を示す。 図において、1,2は横型圧着2本ロール、3は巻取りロ
ール、4は水性粘着剤フィダー、5は支持シート、6は
剥離シート、7は油性粘着剤、8は水性粘着剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤崎 恭久 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正 製薬株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−141923(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油性と水性の帯状粘着剤層が交互に並んで
    連接した貼付剤を製造するにあたり、複数の空隙部を有
    する並列帯状油性粘着剤層を設けた支持シートの空隙部
    に水性粘着剤を圧入充填すると同時に剥離シートを圧着
    することを特徴とする油性と水性の帯状粘着剤層が交互
    に並んで連接した貼付剤の製造方法。
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