JP2691714B2 - 多層配線板の製造方法 - Google Patents
多層配線板の製造方法Info
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- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は多層配線板の製造方法に係り、特に複数枚の
内層板が積層された多層配線板を製造する方法に関す
る。 (従来の技術) 近年、産業用電子機器等の高速化や高密度化の進行に
伴い、電子部品を搭載する配線板の高多層化が進められ
ており、6層以上の導体層を有する多層板の使用が増大
しつつある。 このような多層配線板は、従来から第3図に示すよう
に、絶縁板1の表裏両面に信号用と電源用の2つの配線
パターン2、3がそれぞれ形成された内層板4の複数枚
を、間に適当な枚数のプリプレグ5を挟んで重ね合わ
せ、その両面にそれぞれプリプレグ5と銅箔6とからな
る外層銅箔部7を重ね合せた後、全体を熱盤プレス装置
等により加熱加圧し、一体に成形することにより製造さ
れている。 そしてこのような製造方法において、内層相互の配線
パターンの位置合わせは、従来から以下に示す各種の方
式で行なわれている。 a)ピンラミネーション方式 外層銅箔部7、内層板4、プリプレグ5等の積層すべ
き全ての部材の所定の位置に、同じピッチでガイド孔を
あけるとともに、専用の金型の型面に所定のピッチで金
属製のガイドピンを立て、これらのピンを前述のガイド
孔に押嵌させて位置合わせを行なう。 b)多層成形方式(シーケンシャル方式) 初めに、4層板を作り回路を完成した後、これに内層
板を1枚ずつ重ねて成形を行ない、これを必要なだけ繰
り返す。 c)接着剤方式 複数枚の内層板4とプリプレグ5にそれぞれ位置合わ
せ用の孔をあけ、これを重ねて位置合わせ用治具にセッ
トした後、シアノアクリレート系等の接着剤を用いて板
間を相互に接着固定する。 d)はとめ方式 接着剤の代わりにはとめを用い、位置合わせされた状
態で固定する。すなわち、第4図に示すように、内層板
4とプリプレグ5とを位置合わせしつつ順に重ねたもの
に、はとめ8を打ち込んだ後、はとめ8の先端部をかし
めて機械的に締結する。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながらこれらの位置合わせおよび固定方式にお
いては、それぞれ以下に示すような問題があった。 a)ピンラミネーション方式 高精度の位置合わせが可能である反面、小型のプレス
しか使用することができず、生産性が低い。また、加
熱、加圧成形後のピン抜き作業およびピン周りに付着し
た樹脂の除去作業に時間がかかる。 b)多層成形方式 最終的な多層配線板の製造までに時間がかかり、短納
期という市場の要求に応じきれない。 c)接着剤方式 固定強度が充分でないばかりでなく、加熱、加圧時に
接着剤が劣化して固定部に割れやはがれが生じるため、
位置合わせ精度の低下が生じやすい。 d)はとめ方式 外層銅箔部7を重ねた後、通常40kg/cm2の圧力で加
熱、加圧成形を行なっているため、加熱、加圧成形時
に、第5図に示すように、はとめ8本体に曲がりやゆが
みが生じ、その結果内層導体層間に位置ずれが生じる。
また、このような位置ずれを起こさないように、40kg/c
m2以下の低圧で成形を行なうことも一応考えられるが、
その場合は内層導体層上にボイドが生じるおそれがあっ
た。 本発明はこれらの問題を解決するためになされたもの
で、複数枚の内層板を精度よく位置合わせし、特に6層
以上の導体層を有する多層配線板を高い生産性で安価に
製造する方法を提供することを目的とする。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の多層配線板の製造方法は、表裏両面にそれぞ
れ配線パターンが形成された複数枚の内層板を、板間に
プリプレグを介して重ね合わせ、さらにその両面にそれ
ぞれプリプレグを介して銅箔を重ねた後、全体を加熱、
加圧して一体に形成する多層配線板の製造方法におい
て、前記内層板とプリプレグの所定の位置に位置合わせ
用の基準孔をそれぞれ穿設した後、これらの基準孔に、
丸棒状充実部の先端に軸方向にかしめ用の中空部を形成
してなる金属製リベット、或いは銅製または黄銅製のは
とめを差し込み、その中空部或いは先端部をかしめて位
置合わせ締結し、次いでその両面にそれぞれプリプレグ
を介して前記銅箔を重ね、60トール以下の真空度に減圧
しながら、熱盤プレス装置により5〜35kg/cm2の圧力を
かけて、加熱、加圧成形することを特徴としている。 本発明において、内層導体層の位置合わせに用いる金
属製リベットとしては、銅、黄銅、アルミニウム、鉛、
錫、ハンダのように、成形時の加熱温度以上の融点を有
するものであれば、どのような金属からなるものでも使
用することができる。そして、金属製リベットを構成す
る頭部、丸棒状充実部、かしめ用中空部の3つの部分の
うち、内層板とプリプレグとの位置合わせ用基準孔内に
直立し位置ずれを防ぐ本体となる丸棒状充実部の長さ
を、所定の枚数の内層板とプリプレグとを積層した全体
の厚さに等しくしたものを用いることが望ましい。さら
に頭部の形状は、加熱、加圧成形時に局部的に大きな圧
力がかかることがないように、平板状とすることが望ま
しい。 また、はとめについては、銅製または黄銅製のものを
使用し、さらに成形時の歪みの発生をよりいっそう防止
し、前記した金属製リベットと同様の効果を持たせるた
めに、肉厚を0.4mm以上とすることが望ましい。 本発明において、成形の条件は、真空度が60トール以
下より好ましくは30トール以下の減圧条件とし、かつ5
〜35kg/cm2、より好ましくは15〜25kg/cm2の圧力(二次
成形圧)で加熱、加圧成形するものとする。 成形条件をこのような範囲に限定したのは、35kg/cm2
を越える加圧条件では、金属製リベットや銅製または黄
銅製のはとめに曲りやゆがみが生じ、正確な位置合わせ
が難しくなり、また5〜35kg/cm2の低圧での成形では、
圧力が60トールを越えて真空度が不足すると、内部にボ
イドが生じやすくなるためである。 本発明において、このような減圧下での低圧成形に
は、真空減圧機構を備えた熱盤プレス装置(真空プレス
装置)が使用され、特に真空多段プレス装置を用いるこ
とが望ましい。 (作 用) 本発明においては、複数の内層導体層相互の位置合わ
せを、内層板およびプリプレグの所定の位置にそれぞれ
穿設された位置合わせ用基準孔に、金属製リベット或い
は銅製または黄銅製のはとめを挿嵌することによって行
ない、次いでこれに外層銅箔部を重ね、減圧しながら低
圧で加熱、加圧しているので、成形中の板厚変化が少な
いばかりでなく、成形時にはとめ等に曲りやゆがみが生
じることがなく、内層導体層間の位置ずれがなく精度の
高い多層配線板を製造することができる。 (実施例) 以下、本発明の実施例について記載する。 実施例1、2 表裏両面に厚さ35μmの信号用配線パターンと電源用
配線パターンとがそれぞれ形成された、厚さ0.3mm、大
きさ500×330mmの内層板(以下、内層板のサイズは全て
この大きさとする。)2枚を、間にMIL規格216タイプの
プリプレグ(厚さ100μm)3枚を挟んで重ねた後、こ
れらを以下に示す形状および大きさの銅製はとめと銅製
リベットとをそれぞれ用いて位置合わせし、次いでこれ
らの先端部をそれぞれかしめた。 すなわち実施例1では、第1図に示すように、直径5m
m、肉厚0.4mmの銅製はとめ9を用い、実施例2では、第
2図に示すように、直径5.0mm、厚さ1.0mmの円盤状の頭
部10と、直径2.5mm、長さ1.4mmの丸棒状充実部11と、肉
厚0.5mm、長さ1.6mmの先端中空部12とから成る銅製リベ
ット13を用い、これらを、内層板とプリプレグとの周辺
部および辺中央部にそれぞれ等間隔であけられた基準孔
に一本ずつ挿し込み、位置合わせしながら内層板とプリ
プレグとを順に重ねた後、内層板の上面から突き出した
はとめ9の先端部、およびリベット13の先端中空部をそ
れぞれかしめた。 次いで、この積重物の両面に、216タイプのプリプレ
グ2枚と18μm厚の銅箔とをそれぞれ順に重ねた後、全
体を、真空プレス装置により、45トール以下の真空度で
減圧しながら、175℃、二次圧(最終成形圧)20kg/cm2
の条件で90分間加熱、加圧して一体に成形し、6層板を
製造した。 比較例1 実施例1、2と同じ内層板とプリプレグとを重ねたも
のを、直径5mmの金属ピンを用いて通常のピンマルチ方
式により位置合わせした後、雰囲気を真空にすることな
しに、170℃、40kg/cm2の条件で90分間加熱、加圧し、
6層の多層配線板を製造した。 比較例2 金属ピンの代わりに、実施例1で使用した肉厚0.4mm
の黄銅製のはとめを用いて位置合わせを行なった以外
は、比較例1と同様に加熱、加圧成形を行ない、多層配
線板を製造した。 比較例3 実施例1、2と同じ内層板とプリプレグとを重ねたも
のを、実施例2で用いた銅製リベットを用いて位置合わ
せした後、比較例1と同様に加熱、加圧成形を行ない、
多層配線板を製造した。 比較例4 実施例1、2と同じ内層板とプリプレグとを重ねたも
のを、黄銅製はとめを用いて位置合わせした後、雰囲気
を真空にすることなしに、175℃、20kg/cm2の条件で90
分間加熱、加圧成形して、多層配線板を製造した。 次に、こうして実施例と比較例でそれぞれ得られた多
層板において、内層各導体層の位置ずれ、耐熱性、寸法
安定性、およびボイドの有無を、それぞれ次の方法で測
定した。 内層各層の位置ずれ:内層各配線パターン間の基準孔間
寸法のずれを、縦横両方向についてそれぞれ座標測定機
で測定。 耐熱性:配線板をD−4/100処理後260℃のハンダ中に30
秒間浸漬させた後、板の状態(そり等)を目視で観察。 寸法安定性:MIL法による。 層間ボイド:目視で観察。 これらの測定結果を、位置合わせの作業性の良否およ
び各層の取扱い容易性とともに次表に示す。 なお、内層の位置ずれの項目中、L1とL2は1枚目の内
層板の信号用配線パターンと電源用配線パターンをそれ
ぞれ表わし、L3とL4はもう1枚の内層板の信号用配線パ
ターーンと電源用配線パターンをそれぞれ表わす。 また、表中の○は良好、△は良好ではないが実用上さ
しつかえない、×は不良をそれぞれ表わす。 [発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明の方法におい
ては、内層各導体層間の位置合わせを金属製リベット或
いは銅製または黄銅製のはとめを用いて行なった後、減
圧しながら低圧で加熱、加圧成形を行なっているので、
板厚変化が小さく位置精度の高い多層配線板を製造する
ことができる。
内層板が積層された多層配線板を製造する方法に関す
る。 (従来の技術) 近年、産業用電子機器等の高速化や高密度化の進行に
伴い、電子部品を搭載する配線板の高多層化が進められ
ており、6層以上の導体層を有する多層板の使用が増大
しつつある。 このような多層配線板は、従来から第3図に示すよう
に、絶縁板1の表裏両面に信号用と電源用の2つの配線
パターン2、3がそれぞれ形成された内層板4の複数枚
を、間に適当な枚数のプリプレグ5を挟んで重ね合わ
せ、その両面にそれぞれプリプレグ5と銅箔6とからな
る外層銅箔部7を重ね合せた後、全体を熱盤プレス装置
等により加熱加圧し、一体に成形することにより製造さ
れている。 そしてこのような製造方法において、内層相互の配線
パターンの位置合わせは、従来から以下に示す各種の方
式で行なわれている。 a)ピンラミネーション方式 外層銅箔部7、内層板4、プリプレグ5等の積層すべ
き全ての部材の所定の位置に、同じピッチでガイド孔を
あけるとともに、専用の金型の型面に所定のピッチで金
属製のガイドピンを立て、これらのピンを前述のガイド
孔に押嵌させて位置合わせを行なう。 b)多層成形方式(シーケンシャル方式) 初めに、4層板を作り回路を完成した後、これに内層
板を1枚ずつ重ねて成形を行ない、これを必要なだけ繰
り返す。 c)接着剤方式 複数枚の内層板4とプリプレグ5にそれぞれ位置合わ
せ用の孔をあけ、これを重ねて位置合わせ用治具にセッ
トした後、シアノアクリレート系等の接着剤を用いて板
間を相互に接着固定する。 d)はとめ方式 接着剤の代わりにはとめを用い、位置合わせされた状
態で固定する。すなわち、第4図に示すように、内層板
4とプリプレグ5とを位置合わせしつつ順に重ねたもの
に、はとめ8を打ち込んだ後、はとめ8の先端部をかし
めて機械的に締結する。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながらこれらの位置合わせおよび固定方式にお
いては、それぞれ以下に示すような問題があった。 a)ピンラミネーション方式 高精度の位置合わせが可能である反面、小型のプレス
しか使用することができず、生産性が低い。また、加
熱、加圧成形後のピン抜き作業およびピン周りに付着し
た樹脂の除去作業に時間がかかる。 b)多層成形方式 最終的な多層配線板の製造までに時間がかかり、短納
期という市場の要求に応じきれない。 c)接着剤方式 固定強度が充分でないばかりでなく、加熱、加圧時に
接着剤が劣化して固定部に割れやはがれが生じるため、
位置合わせ精度の低下が生じやすい。 d)はとめ方式 外層銅箔部7を重ねた後、通常40kg/cm2の圧力で加
熱、加圧成形を行なっているため、加熱、加圧成形時
に、第5図に示すように、はとめ8本体に曲がりやゆが
みが生じ、その結果内層導体層間に位置ずれが生じる。
また、このような位置ずれを起こさないように、40kg/c
m2以下の低圧で成形を行なうことも一応考えられるが、
その場合は内層導体層上にボイドが生じるおそれがあっ
た。 本発明はこれらの問題を解決するためになされたもの
で、複数枚の内層板を精度よく位置合わせし、特に6層
以上の導体層を有する多層配線板を高い生産性で安価に
製造する方法を提供することを目的とする。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明の多層配線板の製造方法は、表裏両面にそれぞ
れ配線パターンが形成された複数枚の内層板を、板間に
プリプレグを介して重ね合わせ、さらにその両面にそれ
ぞれプリプレグを介して銅箔を重ねた後、全体を加熱、
加圧して一体に形成する多層配線板の製造方法におい
て、前記内層板とプリプレグの所定の位置に位置合わせ
用の基準孔をそれぞれ穿設した後、これらの基準孔に、
丸棒状充実部の先端に軸方向にかしめ用の中空部を形成
してなる金属製リベット、或いは銅製または黄銅製のは
とめを差し込み、その中空部或いは先端部をかしめて位
置合わせ締結し、次いでその両面にそれぞれプリプレグ
を介して前記銅箔を重ね、60トール以下の真空度に減圧
しながら、熱盤プレス装置により5〜35kg/cm2の圧力を
かけて、加熱、加圧成形することを特徴としている。 本発明において、内層導体層の位置合わせに用いる金
属製リベットとしては、銅、黄銅、アルミニウム、鉛、
錫、ハンダのように、成形時の加熱温度以上の融点を有
するものであれば、どのような金属からなるものでも使
用することができる。そして、金属製リベットを構成す
る頭部、丸棒状充実部、かしめ用中空部の3つの部分の
うち、内層板とプリプレグとの位置合わせ用基準孔内に
直立し位置ずれを防ぐ本体となる丸棒状充実部の長さ
を、所定の枚数の内層板とプリプレグとを積層した全体
の厚さに等しくしたものを用いることが望ましい。さら
に頭部の形状は、加熱、加圧成形時に局部的に大きな圧
力がかかることがないように、平板状とすることが望ま
しい。 また、はとめについては、銅製または黄銅製のものを
使用し、さらに成形時の歪みの発生をよりいっそう防止
し、前記した金属製リベットと同様の効果を持たせるた
めに、肉厚を0.4mm以上とすることが望ましい。 本発明において、成形の条件は、真空度が60トール以
下より好ましくは30トール以下の減圧条件とし、かつ5
〜35kg/cm2、より好ましくは15〜25kg/cm2の圧力(二次
成形圧)で加熱、加圧成形するものとする。 成形条件をこのような範囲に限定したのは、35kg/cm2
を越える加圧条件では、金属製リベットや銅製または黄
銅製のはとめに曲りやゆがみが生じ、正確な位置合わせ
が難しくなり、また5〜35kg/cm2の低圧での成形では、
圧力が60トールを越えて真空度が不足すると、内部にボ
イドが生じやすくなるためである。 本発明において、このような減圧下での低圧成形に
は、真空減圧機構を備えた熱盤プレス装置(真空プレス
装置)が使用され、特に真空多段プレス装置を用いるこ
とが望ましい。 (作 用) 本発明においては、複数の内層導体層相互の位置合わ
せを、内層板およびプリプレグの所定の位置にそれぞれ
穿設された位置合わせ用基準孔に、金属製リベット或い
は銅製または黄銅製のはとめを挿嵌することによって行
ない、次いでこれに外層銅箔部を重ね、減圧しながら低
圧で加熱、加圧しているので、成形中の板厚変化が少な
いばかりでなく、成形時にはとめ等に曲りやゆがみが生
じることがなく、内層導体層間の位置ずれがなく精度の
高い多層配線板を製造することができる。 (実施例) 以下、本発明の実施例について記載する。 実施例1、2 表裏両面に厚さ35μmの信号用配線パターンと電源用
配線パターンとがそれぞれ形成された、厚さ0.3mm、大
きさ500×330mmの内層板(以下、内層板のサイズは全て
この大きさとする。)2枚を、間にMIL規格216タイプの
プリプレグ(厚さ100μm)3枚を挟んで重ねた後、こ
れらを以下に示す形状および大きさの銅製はとめと銅製
リベットとをそれぞれ用いて位置合わせし、次いでこれ
らの先端部をそれぞれかしめた。 すなわち実施例1では、第1図に示すように、直径5m
m、肉厚0.4mmの銅製はとめ9を用い、実施例2では、第
2図に示すように、直径5.0mm、厚さ1.0mmの円盤状の頭
部10と、直径2.5mm、長さ1.4mmの丸棒状充実部11と、肉
厚0.5mm、長さ1.6mmの先端中空部12とから成る銅製リベ
ット13を用い、これらを、内層板とプリプレグとの周辺
部および辺中央部にそれぞれ等間隔であけられた基準孔
に一本ずつ挿し込み、位置合わせしながら内層板とプリ
プレグとを順に重ねた後、内層板の上面から突き出した
はとめ9の先端部、およびリベット13の先端中空部をそ
れぞれかしめた。 次いで、この積重物の両面に、216タイプのプリプレ
グ2枚と18μm厚の銅箔とをそれぞれ順に重ねた後、全
体を、真空プレス装置により、45トール以下の真空度で
減圧しながら、175℃、二次圧(最終成形圧)20kg/cm2
の条件で90分間加熱、加圧して一体に成形し、6層板を
製造した。 比較例1 実施例1、2と同じ内層板とプリプレグとを重ねたも
のを、直径5mmの金属ピンを用いて通常のピンマルチ方
式により位置合わせした後、雰囲気を真空にすることな
しに、170℃、40kg/cm2の条件で90分間加熱、加圧し、
6層の多層配線板を製造した。 比較例2 金属ピンの代わりに、実施例1で使用した肉厚0.4mm
の黄銅製のはとめを用いて位置合わせを行なった以外
は、比較例1と同様に加熱、加圧成形を行ない、多層配
線板を製造した。 比較例3 実施例1、2と同じ内層板とプリプレグとを重ねたも
のを、実施例2で用いた銅製リベットを用いて位置合わ
せした後、比較例1と同様に加熱、加圧成形を行ない、
多層配線板を製造した。 比較例4 実施例1、2と同じ内層板とプリプレグとを重ねたも
のを、黄銅製はとめを用いて位置合わせした後、雰囲気
を真空にすることなしに、175℃、20kg/cm2の条件で90
分間加熱、加圧成形して、多層配線板を製造した。 次に、こうして実施例と比較例でそれぞれ得られた多
層板において、内層各導体層の位置ずれ、耐熱性、寸法
安定性、およびボイドの有無を、それぞれ次の方法で測
定した。 内層各層の位置ずれ:内層各配線パターン間の基準孔間
寸法のずれを、縦横両方向についてそれぞれ座標測定機
で測定。 耐熱性:配線板をD−4/100処理後260℃のハンダ中に30
秒間浸漬させた後、板の状態(そり等)を目視で観察。 寸法安定性:MIL法による。 層間ボイド:目視で観察。 これらの測定結果を、位置合わせの作業性の良否およ
び各層の取扱い容易性とともに次表に示す。 なお、内層の位置ずれの項目中、L1とL2は1枚目の内
層板の信号用配線パターンと電源用配線パターンをそれ
ぞれ表わし、L3とL4はもう1枚の内層板の信号用配線パ
ターーンと電源用配線パターンをそれぞれ表わす。 また、表中の○は良好、△は良好ではないが実用上さ
しつかえない、×は不良をそれぞれ表わす。 [発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明の方法におい
ては、内層各導体層間の位置合わせを金属製リベット或
いは銅製または黄銅製のはとめを用いて行なった後、減
圧しながら低圧で加熱、加圧成形を行なっているので、
板厚変化が小さく位置精度の高い多層配線板を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の実施例1および実施例
2において、それぞれ内層導体層の位置合わせに用いる
はとめおよび金属製リベットの断面図、第3図は多層配
線板の積層方法を示す断面図、第4図ははとめによる内
層板の位置合わせ固定方式を示す断面図、第5図ははと
めによる位置合わせ固定方式の問題点を説明するための
断面図である。 1……絶縁板 2、3……配線パターン 4……内層板 5……プリプレグ 6……銅箔 8、9……はとめ 13……金属製リベット
2において、それぞれ内層導体層の位置合わせに用いる
はとめおよび金属製リベットの断面図、第3図は多層配
線板の積層方法を示す断面図、第4図ははとめによる内
層板の位置合わせ固定方式を示す断面図、第5図ははと
めによる位置合わせ固定方式の問題点を説明するための
断面図である。 1……絶縁板 2、3……配線パターン 4……内層板 5……プリプレグ 6……銅箔 8、9……はとめ 13……金属製リベット
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
// B29K 105:06
B29L 31:54
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.表裏両面にそれぞれ配線パターンが形成された複数
枚の内層板を、板間にプリプレグを介して重ね合わせ、
さらにその両面にそれぞれプリプレグを介して銅箔を重
ねた後、全体を加熱、加圧して一体に形成する多層配線
板の製造方法において、 前記内層板とプリプレグの所定の位置に位置合わせ用の
基準孔をそれぞれ穿設した後、これらの基準孔に、丸棒
状充実部の先端に軸方向にかしめ用の中空部を形成して
なる金属製リベットを差し込み、その中空部をかしめて
位置合わせ締結し、次いでその両面にそれぞれプリプレ
グを介して前記銅箔を重ね、60トール以下の真空度に減
圧しながら、熱盤プレス装置により5〜35kg/cm2の圧力
をかけて、加熱、加圧成形することを特徴とする多層配
線板の製造方法。 2.前記金属製リベットの丸棒状充実部の長さが、前記
内層板とプリプレグとを積層した積層体の厚さにほぼ等
しいことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の多層
配線板の製造方法。 3.前記金属製リベットの頭部が、平板状であることを
特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の多
層配線板の製造方法。 4.表裏両面にそれぞれ配線パターンが形成された複数
枚の内層板を、板間にプリプレグを介して重ね合わせ、
さらにその両面にそれぞれプリプレグを介して銅箔を重
ねた後、全体を加熱、加圧して一体に形成する多層配線
板の製造方法において、 前記内層板とプリプレグの所定の位置に位置合わせ用の
基準孔をそれぞれ穿設した後、これらの基準孔に、銅製
または黄銅製のはとめを差し込み、その先端部をかしめ
て位置合わせ締結し、次いでその両面にそれぞれプリプ
レグを介して前記銅箔を重ね、60トール以下の真空度に
減圧しながら、熱盤プレス装置により5〜35kg/cm2の圧
力をかけて、加熱、加圧成形することを特徴とする多層
配線板の製造方法。 5.前記はとめの中空部の肉厚が、0.4mm以上であるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の多層配線板
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62212572A JP2691714B2 (ja) | 1987-08-26 | 1987-08-26 | 多層配線板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62212572A JP2691714B2 (ja) | 1987-08-26 | 1987-08-26 | 多層配線板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6455215A JPS6455215A (en) | 1989-03-02 |
JP2691714B2 true JP2691714B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=16624922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62212572A Expired - Fee Related JP2691714B2 (ja) | 1987-08-26 | 1987-08-26 | 多層配線板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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