JP2690839B2 - スルーホールの孔詰まり検査装置 - Google Patents

スルーホールの孔詰まり検査装置

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JP2690839B2 JP4148448A JP14844892A JP2690839B2 JP 2690839 B2 JP2690839 B2 JP 2690839B2 JP 4148448 A JP4148448 A JP 4148448A JP 14844892 A JP14844892 A JP 14844892A JP 2690839 B2 JP2690839 B2 JP 2690839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はプリント基板のスルー
ホール(ミニバイアホールを含む)の孔詰まりを検査す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板のスルーホールには、回路
部品実装用の比較的大きな径を持ったスルーホール(こ
こでは「通常スルーホール」と記載する)の他に、プリ
ント基板の表面の配線パターンと裏面の配線パターンと
を電気的に接続するための比較的小さな径を有したスル
ーホール(ミニバイアホール)などがある。これらのス
ルーホール内に不用な出張り部分(いわゆる「バリ」)
が存在する等により、スルーホールが十分に明いていな
い、いわゆる孔詰まりがある場合には、通常スルーホー
ルにおいては回路部品の実装が困難になり、ミニバイア
ホールにおいては、ミニバイアホール内に施される銅鍍
金の良否にかかわるなどの不都合を生じる。このため、
プリント基板の製造の過程では、これらスルーホールの
孔詰まりを検査し、良品と不良品の選別を行う必要があ
る。
【0003】プリント基板のスルーホールの孔詰まりを
検査する従来の技術の1つとして、透過、又は反射光源
を用いてスルーホールの画像を得て、あらかじめ知られ
た座標近傍での当該スルーホールの画像の有無を判定す
る方法が知られており、他の1つとして、例えば特開昭
62−276443号公報に開示される、スルーホール
の画像の面積を計測する方法が知られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記第1
の技術は、孔が一応は明いているものの、スルーホール
内のバリなどにより、部品の挿入が可能なほどには十分
に孔が明いていないことを判定するなどの、高度な検査
が行えないという欠点を有している。また上記第2の技
術は、孔径別のスルーホールの個数を検査することが可
能となるが、前記バリの影響によって別の径のスルーホ
ールとして計数されるなどの問題点を有している。
【0005】この発明は、従来の技術が有する上記のよ
うな欠点を解消することを目指したもので、例えば部品
の挿入に支障のない程度に十分にスルーホールが明いて
いるか否かなど、孔詰まりの度合で規定されるスルーホ
ールの良否を判定し得る、スルーホールの孔詰まり検査
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるスルー
ホールの孔詰まり検査装置は、配線パターンとスルーホ
ールを有するプリント基板の前記スルーホールの孔詰ま
りを検査する装置であって、(a)前記プリント基板の
画像を読み取ることにより、前記配線パターンの画像に
相当し2値情報を有するパターン画像信号と、前記スル
ーホールの画像に相当し2値情報を有するホール画像信
号とを得る読取手段と、(b)前記パターン画像信号と
前記ホール画像信号との論理和を演算して、当該論理和
に相当する第1の画像信号を得る第1の演算手段と、
(c)前記ホール画像信号を所定の画素数拡大した拡大
ホール画像信号を得る拡大手段と、(d)前記第1の画
像信号の反転信号と前記拡大ホール画像信号との論理積
を演算して、当該論理積に相当する第2の画像信号を得
る第2の演算手段と、(e)前記第2の画像信号を、所
定の画素数の画素を含むオペレータと比較して、当該第
2の画像信号が表現する画像エリアが当該オペレータを
包含するときに、孔詰まりを示す判定信号を出力する判
定手段と、を備えるスルーホールの孔詰まり検査装置。
【0007】
【作用】この発明では、手段(a)〜(d)の働きによ
り、スルーホールに存在するバリ等の孔詰まりに相当す
る画像ないしその一部分に相当する画像(画像エリア)
を表現する画像信号が得られる。手段(e)は、この画
像信号に所定の大きさのオペレータを作用させて、前記
画像エリアが当該オペレータを包含する場合には、孔詰
まりに関して不良であることに対応した所定の信号を出
力する。すなわち、オペレータの所定の大きさを基準と
して、それ以上の大きさの孔詰まりがあるとスルーホー
ルは不良であると判定される。
【0008】
【実施例】
[1.画像読取装置]図1はこの発明の検査装置100
の全体構成を図示する概略ブロック図である。同図にお
ける画像読取装置200(読取手段)によってプリント
基板のスルーホール、及び配線パターンの画像を得る。
図2は画像読取装置200の模式図である。プリント基
板10は絶縁性基板11の表面又は表裏両面に導電性の
配線パターン12を有している。図3(a)に平面図と
して示すように、配線パターン12はライン部分13と
ランド14とを含んでいる。また、ランド14と絶縁性
基板11とを貫いてスルーホール15が形成されてい
る。プリント基板の製造工程において、スルーホール1
5には、その周辺から内部に向かってバリDFが形成さ
れることがある。
【0009】図2に戻って、プリント基板10の上方に
設けられた光学ヘッド210は、プリント基板10の下
方に位置する透過光源211からの光を通して、スルー
ホール15の形状を読取り、当該形状を表現するホール
画像信号HS0 を発生する。光学ヘッド210は同時
に、プリント基板10の上方に位置する反射光源212
からの光のプリント基板10の表面における反射光によ
り配線パターン12の形状を読取り、当該形状を表現す
るパターン画像信号PS0 を発生する。
【0010】これらの工程は、プリント基板10を水平
の一方向である副走査方向SSに移動しつつ行われる。
また、光学ヘッド210は副走査方向SSに垂直で同じ
く水平の一方向である主走査方向MSに沿って、スルー
ホール15及び配線パターン12の形状を読み取る。画
像信号HS0 、PS0 は、これらの2方向に沿って配列
する小区画(画素)の各1に対応して逐一出力される。
【0011】これらの画像信号HS0 、PS0 は、それ
ぞれ2値化回路213、214において、所定の閾値と
の比較が行われ、その結果に基づいて値”1”及び”
0”の2つの値を有するデジタル的なホール画像信号H
S、及びパターン画像信号PSに変換される。
【0012】図3(a)に示す配線パターン12に対応
するパターン画像信号PSが表現する画像PI、及び同
じく図3(a)に示すバリDFを有するスルーホール1
5に対応するホール画像信号HSが表現する画像HI
は、図3(b)に示す通りである。図において斜線部
は、これらの画像信号が値”1”を有する画素が配列す
る領域を表現し、斜線が存在しない部分は画像信号が
値”0”を有する画素が配列する領域を表現する。以下
の図においても同様である。画像HIは、バリDFに対
応した欠損部DIを有する。
【0013】[2.拡大回路とその周辺回路]図1に戻
って、ホール画像信号HSとパターン画像信号PSとの
論理和がOR回路101(第1の演算手段)により演算
され、画像信号ORSとして出力される。画像信号OR
Sが表現する画像ORIは、欠損部DIに対応した値”
0”の領域を有する。ホール画像信号HSは同時に拡大
回路300(拡大手段)により、所定の画素数分の拡大
処理を施され、その結果は拡大ホール画像信号EHSと
して出力される。
【0014】拡大回路300の内部構成は図4に示す通
りである。拡大回路300には、画素信号を1画素ずつ
順次拡大する1画素拡大回路301a 〜301n が設け
られている。1画素拡大回路301a 〜301n の個数
は、例えば20個である。最終段の1画素拡大回路30
1n 以外には、タイミング調整のための遅延回路302
a 〜302(n-1) が付随する。1画素拡大回路301a
〜301n は縦列接続されるとともにそれらの出力は並
列的にセレクタ303へ入力される。したがって、セレ
クタ303にはホール画像信号HSを基準としてそれぞ
れi画素(i=1〜n)分の拡大を受けたn個の拡大ホ
ール画像信号が入力される。なお、1画素拡大回路30
1a 〜301n のそれぞれは、例えば8連結拡大の原理
に従って1画素分の拡大処理を行うように構成される。
【0015】検査装置100(図1)には操作パネル1
02が設けられている。操作パネル102の操作にもと
づいて選択信号SEL1がセレクタ303へ送出され
る。セレクタ303は選択信号SEL1に応答してn個
の拡大ホール画像信号の中の1を選択し、拡大ホール画
像信号EHSとして出力する。
【0016】図1に戻って、拡大ホール画像信号EHS
が表現する拡大ホール画像EHIは、同図中の挿入図の
通りとなる。論理回路103(第2の演算手段)は、画
像信号ORSの反転信号と拡大ホール画像信号EHSと
の論理積を演算し、差分画像信号DIFSとして出力す
る。図5は、差分画像信号DIFSが表現する差分画像
DIFIを示す。選択信号SEL1を適宜選択すること
により、拡大ホール画像EHIの拡大量は、拡大ホール
画像EHIが画像PIから外にはみ出さないように設定
される。その結果、差分画像DIFIは欠損部DIと拡
大ホール画像EHIの差分に相当する画像となり、差分
画像信号DIFSが値”1”を有する領域(画像エリア
EI)は、バリDFないしその一部分に相当する。差分
画像信号DIFSは2次元レジスタ400(図1)に入
力される。
【0017】[3.2次元シフトレジスタ]2次元シフ
トレジスタ400は直列的(シリアル)に入力される信
号である差分画像信号DIFSを2次元的に展開する回
路である。図6にその内部構成を図示する。2次元シフ
トレジスタ400には、4個の1ライン遅延回路401
〜404と、5×5のマトリクス状に配列された25個
の単位レジスタR11〜R55とが設けられている。1ライ
ン遅延回路401〜404の各1は、入力信号を主走査
方向の1ライン分遅延させて出力する。単位レジスタR
11〜R55の各1は入力信号を一時保持し出力する。この
ため、単位レジスタR11〜R55の出力信号S11〜S55
は、5×5の画素配列上に2次元的に展開された差分画
像信号DIFSに相当する。これらの信号S11〜S55
は、図1のオペレータ回路500(判定手段)へ並列的
(パラレル)に伝送される。
【0018】[4.オペレータ回路]オペレータ回路5
00は、2次元的に展開された差分画像信号DIFSに
所定の大きさの画素の集まりであるオペレータを作用さ
せることにより欠陥の有無を判定する回路である。図7
にその内部構成を示す。オペレータ回路500は、AN
D回路501〜505とセレクタ506とを備えてい
る。AND回路501には、2×2画素マトリクスであ
るオペレータOP4 を構成する信号S22、S23、S32、
S33が与えられ、その論理積PD4 がセレクタ506に
出力される。このため、画素マトリクスOP4 が画像エ
リアEI(図5)に包含されるときにのみ、論理積PD
4 は値”1”となる。他のAND回路502〜505も
同様に、オペレータOP12〜OP25を差分画像DIFI
に作用させた結果を論理積PD9 〜PD25としてセレク
タ506に入力する。セレクタ506には信号S33も信
号PD1 として入力される。この信号PD1 は、1画素
のみを有するオペレータOP1 の作用結果に相当する。
【0019】操作パネル102(図1)はその操作に基
づいて選択信号SEL2を発生し、セレクタ506へ送
信する。セレクタ506は選択信号SEL2による指定
に応じて論理積PD1 〜PD25の中の1を選択し、検査
結果信号INSとして出力する。検査結果信号INSは
孔詰まりに関する判定結果の良、又は否に応じて、それ
ぞれ値”0”又は”1”を有する。なお、以下ではオペ
レータOP1 〜OP25を代表的に記号「OP」で表現す
る。
【0020】[5.孔詰まり判定の原理]図8はオペレ
ータ回路500によって実行される、孔詰まりに関する
判定の原理を説明する模式図である。オペレータOPは
画素のクラスターであるため、近似的に円形の小領域で
描かれる。拡大回路300による拡大の幅Lrは、前述
の通り拡大ホール画像EHIが画像PIの外にはみ出さ
ないように設定されると同時に、オペレータOPの径O
Pdより小さくならないように設定される。
【0021】上述の検査装置100(図1)の構成によ
り、画像読取装置200によるプリント基板10の面上
の走査に同期して、オペレータOPも同様に差分画像D
IFI上を走査する。バリDFの幅Lがオペレータ径O
Pd以上であるならば、走査の過程でオペレータOPが
画像エリアEIに包含されることがある。このとき検査
結果信号INSは値”1”を出力し、孔詰まりに関して
当該スルーホール15が不良であることを教示する。逆
に、バリDFの幅Lがオペレータ径OPdより小さいな
らば、走査の過程でオペレータOPが画像エリアEIに
包含されることはない。従って検査結果信号INSは常
に値”0”を出力し、孔詰まりに関して当該スルーホー
ル15が良好であることを教示する。オペレータ径OP
dは、孔詰まりに関するスルーホール15の良否判定の
基準とすべきバリDF等の孔詰まりの大きさに相応して
設定される。
【0022】[6.変形例] (1)スルーホール15の中で、通常スルーホールとミ
ニバイアホールとでは良否の判定の基準とすべき孔詰ま
りの大きさが一般には異なる。このため、双方のスルー
ホールを備えるプリント基板10の検査においては、検
査装置100を用いた検査を2度行って、それぞれにお
いて適宜異なるオペレータ径OPdを設定するとよい。
この操作を効率的に行うために、画像読取装置200が
同一のプリント基板10に対して2度の走査を行い、各
走査において一般に異なるオペレータ径OPd、拡大幅
Lrを設定するために操作パネル102があらかじめこ
れらの設定値を記憶するように検査装置100を構成す
ることができる。 (2)検査装置100の主要部を並列に2系統備える装
置を構成することにより、1度の走査で上記(1)と同
様の効果を達成することができる。この構成では、上記
(1)の構成におけるよりも更に効率的に検査を実行す
ることができる。
【0023】
【発明の効果】この発明の装置は、スルーホールに存在
するバリ等の孔詰まりに相当する画像ないしその一部分
に相当する画像(画像エリア)を表現する画像信号に所
定の大きさのオペレータを作用させて、前記画像エリア
が当該オペレータを包含する場合には孔詰まりに関して
不良であると判定する。すなわち、オペレータの大きさ
を基準として、それ以上の大きさの孔詰まりを有するス
ルーホールを不良と判定する。このため、この発明によ
れば、例えば部品の挿入に支障しない程度に十分にスル
ーホールが明いているか否か等の、孔詰まりに関する微
妙な判定を行い得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る検査装置の全体構成の
概略ブロック図である。
【図2】この発明の実施例に係る画像読取装置の模式図
である。
【図3】配線パターンとスルーホール、及びそれらの画
像の模式図である。
【図4】この発明の実施例に係る拡大回路の内部構成の
ブロック図である。
【図5】この発明の実施例に係る差分画像DIFIの例
を示す図である。
【図6】この発明の実施例に係る2次元シフトレジスタ
の内部構成のブロック図である。
【図7】この発明の実施例に係るオペレータ回路の内部
構成のブロック図である。
【図8】この発明の実施例に係る判定の原理を説明する
模式図である。
【符号の説明】
10 プリント基板 12 配線パターン 15 スルーホール 100 検査装置 101 OR回路(第1の演算手段) 103 論理回路(第2の演算手段) 200 画像読取装置(読取手段) 213、214 2値化回路 300 拡大回路(拡大手段) 400 2次元シフトレジスタ 500 オペレータ回路(判定手段) DF バリ HS ホール画像信号 PS パターン画像信号 DI 欠損部 ORS 画像信号 EHS 拡大ホール画像信号 DIFS 差分画像信号 OP オペレータ OPd オペレータ径 EI 画像エリア INS 検査結果信号 Lr 拡大幅
フロントページの続き (72)発明者 大前 貴雄 京都市伏見区羽束師古川町322番地 大 日本スクリーン製造株式会社 洛西工場 内 (56)参考文献 特開 昭62−138987(JP,A) 特開 平4−2952(JP,A) 特開 平5−60537(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線パターンとスルーホールを有するプ
    リント基板の前記スルーホールの孔詰まりを検査する装
    置であって、(a)前記プリント基板の画像を読み取る
    ことにより、前記配線パターンの画像に相当し2値情報
    を有するパターン画像信号と、前記スルーホールの画像
    に相当し2値情報を有するホール画像信号とを得る読取
    手段と、(b)前記パターン画像信号と前記ホール画像
    信号との論理和を演算して、当該論理和に相当する第1
    の画像信号を得る第1の演算手段と、(c)前記ホール
    画像信号を所定の画素数拡大した拡大ホール画像信号を
    得る拡大手段と、(d)前記第1の画像信号の反転信号
    と前記拡大ホール画像信号との論理積を演算して、当該
    論理積に相当する第2の画像信号を得る第2の演算手段
    と、(e)前記第2の画像信号を、所定の画素数の画素
    を含むオペレータと比較して、当該第2の画像信号が表
    現する画像エリアが当該オペレータを包含するときに、
    孔詰まりを示す判定信号を出力する判定手段と、を備え
    るスルーホールの孔詰まり検査装置。
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