JP2690818B2 - 鋼管コンクリート柱の打設装置及び打設方法 - Google Patents

鋼管コンクリート柱の打設装置及び打設方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼管コンクリ−ト柱の
コンクリ−ト打設の省力化を図り、施工性を良くした打
設装置と打設方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼管コンクリ−ト柱を施工する場
合、図3に示すように2〜3層程度を一節とする鋼管柱
21を所定の位置に設置し、鋼管部を溶接した後、鋼管柱
21と梁22とを接続し、さらにスラブ配筋等の作業をし
て、鋼管柱21内にコンクリ−トを打設している。
【0003】このコンクリート打設をする場合は、図4
に示すようにフレキシブルチューブ23を介してトレミー
管24が連通されているバケット25を使用し、それを地上
に置いて生コン車からバケット25にコンクリートを流し
込む。そしてこのバケット25をクレーンフック26にて上
昇させてから下降させることによりトレミー管24の下端
を鋼管柱21内に挿入し、鋼管柱21内の下部より50〜1
00cm程度の間隔で順次トレミー管24を上昇させつつ
コンクリート打設を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の鋼管コンクリ−
ト柱の施工方法では、バケットとトレミ−管とを一体に
長く(例えば20〜25m)連結してあるため、コンク
リ−トの荷卸しのために大きなスペ−スを要した。また
トレミ−管を鋼管内に挿入する場合は、バケットをクレ
−ンにより相当高くまで上昇させなければならず、クレ
−ン操作が困難であった。さらに鋼管内にトレミ−管を
挿入する場合、鋼管内にはダイヤフラム等の突起がある
ので、トレミ−管の挿入に手間どり、相当の時間を要す
るものであった。
【0005】また鋼管内へのコンクリ−トの打設に際し
ては、トレミ−管下端を徐々に上昇させる必要があるた
めにバケットを徐々に上昇させることになり、バケット
内のコンクリ−トをトレミ−管へ供給するための開閉弁
の操作が困難になる。このようにバケット等を高く上昇
させる必要があるために風の影響でバケット等が揺れて
作業しにくく、コンクリ−ト打設に多くの時間を要した
りして施工性が悪いものであった。
【0006】そこで本発明は、バケットを鋼管の上部位
置にまで上昇させ、その位置から移動させなくてもコン
クリ−ト打設をできるようにして、バケットの移動操作
を容易にするとともに、風による悪影響を受けにくくし
て施工性を良くすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成できるようにした鋼管コンクリ−ト柱の打設装置と打
設方法とである。
【0008】打設装置の発明は、下部がロート状に形成
されたホッパーの下部通孔に、トレミー管を貫通させ、
トレミー管の長手方向に適宜間隔でコンクリート流入用
の開口を設け、それら各開口にホッパーからトレミー管
内へのコンクリートの流入のみを可能とする開閉蓋を設
けたものである。
【0009】打設方法の発明は、上記打設装置を使用
し、コンクリート柱を打設するために固定した鋼管の上
部にホッパーを配置して、その下部通孔にトレミー管を
貫通させる。そしてホッパー内にコンクリートを流入さ
せて、トレミー管のコンクリート流入用の開口からコン
クリートをトレミー管内に流入させ、さらにトレミー管
の下方から鋼管の下方に流出させる。さらにトレミー管
を所定間隔ごとに引き上げて、トレミー管の上方のコン
クリート流入用の開口から順次下方のコンクリート流入
用の開口に変更してコンクリトをトレミー管内へ流入さ
せることにより、次々にコンクリート打設するようにし
た。
【0010】
【作用】上記の鋼管コンクリ−ト柱の打設装置と打設方
法では、フレキシブルホ−スを連結したコンクリ−トバ
ケットを、所定位置に固定した鋼管の上部位置にクレ−
ンで吊り上げるだけで移動させることなく、バケットか
らホッパ−を介してトレミ−管内にコンクリ−トを流入
させてコンクリ−トを打設することができる。またトレ
ミ−管はそれ単独の状態でクレ−ンにより吊り上げて鋼
管内へ挿入させ、鋼管内へのコンクリ−ト打設に伴な
い、徐々にトレミ−管を上昇させるが、トレミ−管はバ
ケットに比較して外形が小さいため風の影響を受けにく
く、作業性が良い。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図1と図2により説明す
る。
【0012】鋼管コンクリ−ト柱を施工する場合、2〜
3層分の長さの柱状鋼管1 を所定位置に固定し、さらに
梁2 に接続するとともにスラブ筋の作業の後に、鋼管1
内にコンクリ−トを打設する。このコンクリ−ト打設に
は、ホッパ−3 と長いトレミ−管4 とを組合わせた打設
装置を使用する。
【0013】ホッパ−3 は下部がロ−ト状に形成され、
その下部中央に通孔5 を有している。またホッパ−3 の
外周に脚6 が取付けられ、所定位置に固定された鋼管1
の上部のスラブ上に保持できるようになっており、ホッ
パ−3 に後記するようにコンクリ−トが流入されるよう
になっている。
【0014】ホッパー3 の下部通孔5 にトレミー管4 が
摺動可能に貫通され、通孔5 の周縁にゴムパッキン7 が
取付けられて、トレミー管4 の周壁との間の気密性が保
たれるようになっている。トレミー管4 の長手方向に適
宜間隔で複数個のコンクリート流入用の開口8 が設けら
れ、前記開口8 の各々の内側にそれぞれ、開閉蓋9 の上
端が軸着されており、開閉蓋9 はコンクリートがホッパ
ー3 からトレミー管4内へのみ流入可能に開放できるよ
うになっている。またトレミー管4 の下部外周壁に棒状
バイブレータ10が取付けられ、そのケーブルはトレミー
管4 の周壁に沿って配置され、トレミー管4 を振動させ
てコンクリートを下方へ流れ易くできるようになってい
る。
【0015】上記の打設装置を使用して鋼管コンクリ−
ト柱を打設をする場合、初めに鋼管1 を所定位置に固定
し、さらにホッパ−3 を鋼管1 の上部のスラブ上に配置
する。そしてトレミ−管4 をクレ−ンフック13a により
吊り上げて、ホッパ−3 の下部通孔5 を貫通させてトレ
ミ−管4 の下部を鋼管1内に挿入させ、上部位置の開口
8 を通孔5 の上部位置に一致させる。この場合、ホッパ
−の通孔5 から下方に突出したトレミ−管4の下部周壁
に棒状バイブレ−タ10を取付け、そのケ−ブルはトレミ
−管4 に添って取付ける。なお、ホッパ−3 とトレミ−
管4 とを、組合せた状態で吊り上げて、トレミ−管4 と
ホッパ−3 とを所定位置に配置させることも可能であ
る。
【0016】次に地上でフレキシブルホ−ス11を連結し
たバケット12に生コン車からコンクリ−トを流入させ、
クレ−ンフック13b によりバケット12を吊り上げてホッ
パ−3 の上部位置に保持させ、フレキシブルホ−ス11を
ホッパ−3 内に入れる。そしてバケット11の開閉弁操作
によりコンクリ−トをホッパ−3 内へ流入させれば自重
でトレミ−管4 の開閉蓋9 が開放して、コンクリ−トが
トレミ−管4内に流入し、鋼管1の下部にコンクリ−ト
を打設できる。なお、バケット12を吊上げることなく、
コンクリ−トポンプによりホッパ−3 にコンクリ−トを
送ることが可能である。
【0017】所定高さのコンクリ−ト打設が終了する
と、トレミ−管4 をクレ−ンフック13a で吊り上げて、
前の開口8 より1つ下の開口8 がホッパ−の通孔5 の上
部位置となるようにして、前記と同様にコンクリ−ト打
設をする。このようにしてトレミ−管4を順次吊り上げ
てコンクリ−ト打設することにより、鋼管コンクリ−ト
柱の打設が終了すると、トレミ−管4 とホッパ−3 とを
鋼管1の上部から取外して作業を完了する。
【0018】
【発明の効果】本発明の鋼管コンクリート柱の打設装置
あるいは打設方法によれば、バケットとトレミー管とは
別体であるのでバケットの移動操作が容易であってコン
クリート荷卸し用のスペースが少なくてよく、トレミー
管を鋼管内に挿入する作業も時間を要すことなく簡単に
行なえる。また、トレミー管は鋼管上部に保持できるホ
ッパーの下部通孔に摺動可能に貫通させられているの
で、コンクリートの鋼管内への打設に際しては、バケッ
トはホッパーの上部位置に保持するままで移動させずに
トレミー管だけを引上げればよい。そのため、コンクリ
ートバケットの開閉弁操作が容易であるとともに、作業
中バケットを従来程相当高く引き上げる必要もなくなり
風の影響も受けにくくでき、コンクリート打設が容易で
施工性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の打設装置の要部断面図である。
【図2】打設装置を使用して鋼管コンクリ−ト柱を施工
する方法を示す説明図である。
【図3】従来の鋼管コンクリ−ト柱の施工方法を示す説
明図である。
【図4】従来の打設方法でバケットにコンクリ−トを流
入させる状態の説明図である。
【符号の説明】
1 鋼管 3 ホッパ− 4 トレミ−管 8 開口 9 開閉蓋 11 フレキシブルホ−ス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部がロート状に形成されたホッパーの
    外周に脚を取付けて、コンクリートを打設する鋼管の上
    部にホッパーを保持可能とし、ホッパー下部の通孔にト
    レミー管を気密性を保って摺動できるように貫通させ、
    トレミー管の周壁に、その長手方向に適宜間隔でコンク
    リート流入用の開口を設け、トレミー管のそれぞれの
    開口にホッパー内からトレミー管内へのコンクリート
    流入のみを可能とする開閉蓋を設けたことを特徴とす
    る鋼管コンクリート柱の打設装置。
  2. 【請求項2】 長手方向に適宜間隔でコンクリート流入
    の開口を有しそれら各開口に内方へのみ開放可能な開
    閉蓋を有するトレミー管と、下部に通孔を有するホッパ
    ーとを用意し、コンクリート柱を打設するために固定し
    た鋼管の上部にホッパーを配置し、ホッパーの下部通孔
    にトレミー管を気密性を有するように貫通させ、ホッパ
    ー内にコンクリートを流入させてトレミー管の前記開口
    からコンクリートをトレミー管内に流入させることによ
    り、コンクリートをトレミー管の下方から鋼管の下部へ
    流出させ、トレミー管を所定間隔ごとに引上げてトレミ
    ー管の上方の前記開口から順次下方の開口に変更してコ
    ンクリートをトレミー管内へ流入させることを特徴とす
    る鋼管コンクリート柱の打設方法。
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