JP2690408B2 - 不飽和エステルの製造方法 - Google Patents

不飽和エステルの製造方法

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JP2690408B2
JP2690408B2 JP3099591A JP9959191A JP2690408B2 JP 2690408 B2 JP2690408 B2 JP 2690408B2 JP 3099591 A JP3099591 A JP 3099591A JP 9959191 A JP9959191 A JP 9959191A JP 2690408 B2 JP2690408 B2 JP 2690408B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気相反応による不飽和エ
ステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和エステルの製造方法として
は、パラジウムおよび/またはパラジウム化合物を必須
成分として含有し、その他の成分として金および/また
は金化合物を含有し、さらに活性剤成分としてアルカリ
化合物を担体に吸着(以下担持という)させた触媒を使
用し、オレフィン、有機カルボン酸および酸素からなる
気相中で反応させる方法が知られている。また上記の貴
金属またはその化合物を担体の特定部分に集中的に担持
させることによって、より高い活性を得ることが知られ
ており、特に不飽和エステルの製造においては担体の表
層付近に集中的に担持(以下表面担持という)させるこ
とによって、より高い活性を得ることが知られている
(特公昭48−10135号、特公昭54−12434
号)。該触媒用の担体の形状としては一般的に球形のも
のが使用されている。最近、より高い活性を得るために
は、長方形の正面を有する正円柱形、あるいは半球状の
両端部を有する円柱形の担体を用いる方法も提案されて
いる(特開平1−228940号)。
【0003】一方、不飽和エステルを工業的に有利に製
造するためには、該触媒の活性(以下、触媒の活性は目
的生成物の空時収率の大小で評価する)が高くなればな
るほど、触媒に対するオレフィン、有機カルボン酸およ
び酸素からなる原料ガスの量を多くする必要がある。こ
の第1の理由は、不飽和エステルの生成反応が発熱反応
であるために触媒の活性が高くなるにつれて触媒上で発
生し易くなるホットスポットを防止するためであり、第
2の理由は、原料ガスの組成を爆発範囲外に保つために
原料ガス中の酸素の組成を一定値以下に保ちながら酸素
の反応率を適正範囲に維持するためである。原料ガスの
量を増加した場合には、当然ながら触媒層での圧力損失
が増大するが、この圧力損失の増大という現象が工業的
に有利に不飽和エステルを製造する上での障害となり、
特に既存の設備に高活性の触媒を採用しようとする場
合、大きな問題となる。従来の技術では、表面担持法の
採用や担体形状の変更により、触媒そのものの活性は向
上してきたが、触媒の高い活性を引き出すために原料ガ
スの量を多くしようとしても、触媒層での圧力損失の増
大を低く抑えることが出来ず、このことが経済的に有利
に不飽和エステルを製造する上での大きな障害となって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を改良した気相反応による不飽和エステルの製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、気相反応
における不飽和エステルの製造方法について、前述の触
媒層での圧力損失の増大を防ぎ、かつ、より高活性の触
媒について鋭意検討した結果、触媒活性物質としてパラ
ジウムまたはパラジウム化合物をパラジウム(Pd)換
算で1〜20g/l含有し、触媒活性助剤として金また
は金化合物を金(Au)換算で0.1〜10g/l含有
し、中空円筒形の形状を有する担体の表面から0.5m
m以内にそれらの金属または金属塩の95%以上が付着
した触媒を用いて、気相において、オレフィン、有機カ
ルボン酸および酸素を反応させることを特徴とする不飽
和エステルの製造方法を見出し、本発明を完成させるに
至った。さらに本発明の製造方法によると、高沸点の副
生物の生成も減少させることが出来るということも判明
した。以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明に用いる担体の形状としては、中空
円筒形である。その1例を図1〜3に示す。Dは外径
を、dは内径すなわち中空部の直径を、hは肉厚すなわ
ち断面における粒子部分の幅を、lは高さをそれぞれ示
す。肉厚(h)は高さ(l)の全体にわたって均一であ
る必要はなく、ふくらみのあるもの、およびへこみのあ
るものも本発明の範囲に含まれることは当然である。中
空円筒形のサイズとしては、円の外径(D)3〜10m
m、内径(d)1mm以上、肉厚(h)3mm以下、お
よび高さ(l)2〜10mmの範囲内であることが好ま
しい。またこれらの範囲内のものを主体とするものも好
適に用いられる。円の外径(D)と高さ(l)がこれよ
りも大のものは、工業的に用いられる固定層反応器の反
応管に適正に充填出来ず、逆に、円の外径(D)と高さ
(l)がこれよりも小さい場合には、圧力損失が大きく
なり本発明の目的に合致しなくなる。また、肉厚(h)
は担体の強度を工業的使用に耐えうる数値に保った範囲
内で出来る限り薄くすることが望ましい。内径(d)が
1mmよりも小さい場合には圧力損失が大きくなり本発
明の効果が低下する。
【0007】担体の材質としては特に制限はないが、シ
リカおよび/または酸化アルミニウムからなるものが好
ましい。不飽和エステルの製造用の触媒に適した担体の
物性としては、比表面積、細孔容積および細孔径があ
り、比表面積(BET法による測定値)50〜200m
2/g、細孔容積(水銀ポロシテイーによる測定値)
0.3〜1.0ml/gおよび全細孔容積の少なくとも
50%が直径40〜400オングストロームの細孔によ
り形成されている担体が好ましい。担体の製造方法とし
ては特に制限はなく、その1例として鋳型成形、プレス
成形などが挙げられる。
【0008】次に本発明に用いる触媒について説明す
る。本発明の触媒は、中空円筒形の担体に、触媒活性物
質としてパラジウムまたはパラジウム化合物をパラジウ
ム(Pd)換算で1〜20g/l含有し、さらに触媒活
性助剤として金または金化合物を金(Au)換算で0.
1〜10g/l含有させたものである。本発明の触媒
は、触媒活性物質および触媒活性助剤のほかに、さらに
活性剤成分として周期律表の1族a元素からなるアルカ
リ化合物を含有することが好ましい。
【0009】上記の金属または金属化合物の組合わせの
中でも、パラジウムおよび金の組合わせが好ましい。パ
ラジウムおよび金の化合物としては、すべての塩および
錯体が使用可能であり、水または担体に悪影響を及ぼさ
ない溶剤に可溶であり、かつ触媒上で金属状態として使
用する場合には、容易に金属状態に還元可能な化合物か
ら選択されることが好ましい。そのなかでもカルボン酸
塩が好ましく、酢酸塩、プロピオン酸塩または酪酸塩な
どの炭素原子数2〜5の脂肪族モノカルボン酸の塩とか
塩化物のナトリウム塩が特に好ましい。パラジウム化合
物のなかでも、その溶解性および入手可能性から酢酸パ
ラジウムまたは塩化パラジウム・ナトリウムが特に好ま
しい。金の化合物としては、パラジウム化合物の場合と
同様の理由で塩化金酸(テトラクロル金酸)が特に好ま
しい。
【0010】触媒中のパラジウムの含有量はパラジウム
として1〜20g/l、好ましくは2〜10g/lであ
り、金の含有量は金として0.1〜10g/l、好まし
くは0.2〜5g/lである。
【0011】本発明の触媒は、活性剤成分としてアルカ
リ化合物を含有することが好ましい。アルカリ化合物と
しては、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウ
ム、プロピオン酸ナトリウムなどのアルカリカルボキシ
ラートが好ましい。その他のアルカリ化合物としては反
応条件下にカルボン酸塩に移行するアルカリの水酸化
物、酸化物および炭酸塩も使用することができる。活性
剤成分は一般に5〜80g/l、好ましくは10〜50
g/lの割合で添加する。上記の触媒活性物質、触媒活
性助剤および活性剤成分の組合せのなかでも、パラジウ
ム、金およびアルカリ化合物からなるものが特に好まし
く、この場合、パラジウムおよび金は、金属または化合
物として触媒中に存在させ、アルカリ化合物はアルカリ
元素、特にカリウムをカルボン酸の形で存在させるのが
好ましい。
【0012】本発明に使用する触媒は、触媒活性物質
(パラジウムまたはパラジウム化合物)および触媒活性
助剤(金または金化合物)(以下、両者を合せて担持物
という。)を担体の表面から0.5mm以内にそれらの
金属または金属塩の95%以上を担持させたものである
(以下、表面担持という。)。表面担持する方法として
は、あらかじめ担持物を少量含有する溶液に含浸させ、
次いで必要に応じ還元した後、残りの担持物を含む溶液
に再含浸させる方法や担持物を含有する溶液を担体表面
にスプレーした後、還元する方法などを用いることがで
きる。それに対して、本発明の範疇ではないが、担持物
を担体に均一に担持する方法(以下、均一担持という)
としては、担体を担持物を含む溶液に含浸し、次いで必
要に応じ還元する方法がある。
【0013】担持物を担体に含浸させる方法としては、
担体の積算細孔容積に相当する溶液を使用して、担体を
担持物を含有する溶液に含浸し、溶液を十分に混合する
方法が有利である。混合を十分にするためには撹拌する
方法が有利である。含浸と混合を同時に、たとえば回転
ドラムまたはドラムドライヤー中で実施することもでき
る。パラジウム化合物または金化合物の還元を実施する
場合、一般的には還元剤を含む溶液中に担持物の含浸が
完了した触媒を浸漬して一定時間静置する方法が用いら
れる。還元剤としては、入手の容易性からヒドラジン・
ヒドラートが適当である。その他、水素、メタノール、
ホルムアルデヒド、エチレン、プロピレンなどのガスを
窒素、炭酸ガスなどの不活性ガスで稀釈した状態にし、
高められた温度50〜100℃で還元する方法も用いる
ことができる。
【0014】活性剤成分を触媒に担持させる方法として
は、上記の担持物を含浸させる方法と同様の方法が用い
られる。
【0015】触媒の活性を評価する手段の一つとして文
献(触媒講座別巻「触媒実験ハンドブック」、触媒学会
編、1986年、P.183〜185)に記載のあるC
O吸着能を測定して、担持金属の表面積(以下MSAと
いう)を求めて、その優劣を判定することができる。本
発明の少なくとも1個の貫通孔を有する担体からなる触
媒の場合、MSAはそれに対応する球形および中空部の
ない円柱形のものに比し、明らかに高い数値のものが得
られる。また、本発明の触媒は担持物を表面担持させた
場合、特に担体の外表面の表層付近および貫通孔の内壁
表面の表層付近、要するに担体の全表面にわたり表層付
近に表面担持させた場合には、特に著しい触媒活性が得
られる。
【0016】本発明の不飽和エステルの製造方法は、中
空円筒形の担体に担持物を担持させた触媒、好ましくは
さらに活性剤成分を担持させた触媒を用いて、気相にお
いて、オレフィン、有機カルボン酸および酸素を反応さ
せる。温度としては、100〜220℃、好ましくは1
20〜200℃であり、圧力としては1〜25気圧、好
ましくは1〜15気圧であり、固定床触媒を介して行な
われる。この際、未反応成分をリサイクルすることも可
能である。空間速度については、2000〜5000h
-1が好適に用いられ、本発明の製造方法によると、空
間速度3000hr-1以上の場合においても、安定な製
造が可能である。オレフィンとしてはエチレン、プロピ
レン、ブテン、ペンテン、ヘキセンなどが挙げられる
が、特にエチレンおよびプロピレンが好ましい。
【0017】有機カルボン酸としてはギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸などが挙げられるが、特に酢酸が好ましい。酸
素濃度はオレフィン、有機カルボン酸および酸素からな
る気相における該使用条件下で爆発限界外に保たれた濃
度にする。一定の条件下で不活性ガス、たとえば窒素ま
たは二酸化炭素で希釈するのが有利である。このなかで
も、特に二酸化炭素が循環工程での希釈に適する。この
理由は、二酸化炭素は反応の間に少量生成する化合物で
あるからである。オレフィンの一部は燃焼反応すなわち
酸素との反応に消費される。この燃焼反応は温度が高く
なるにつれて、促進されるために触媒上でのガス温度の
上昇は出来る限り低く抑えることが好ましい。炭酸ガス
以外の副生物は、いくつか見出されているが、目的生成
物以外の低沸点または高沸点の副生物はその分離の難し
さのため出来る限り抑制する必要がある。特に高沸点の
副生物のなかには目的生成物に酢酸が付加した構造のも
のが多く、反応の進行と共に2次的に付加反応が進むも
のと考えられる。この2次的付加反応を抑制するために
は触媒との接触時間を必要以上に長くすることを避ける
ことが好ましい。
【0018】本発明の不飽和エステルの製造方法は、ギ
酸ビニル、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルなどの
ビニルエステルならびにギ酸アリル、酢酸アリルおよび
プロピオン酸アリルなどのアリルエステルの製造に好適
に用いられる。そのなかでも、特に酢酸ビニルまたは酢
酸アリルの製造に適している。本発明に用いる少なくと
も1個の貫通孔を有する担体、とりわけ中空円筒形を有
する担体からなる触媒はこれまでに述べてきた種々の観
点から、従来技術では不充分であった点をすべて克服で
きることが判明した。すなわち、球形や中空部のない円
柱形のものと比較しての利点は以下のとおりである。 (1)空時収率を高めることができる。 (2)触媒層での圧力損失が小さいので、原料ガスの空
間速度を大きくすることができる。 (3)空間速度を大きくすることにより、触媒層での温
度上昇が抑えられるため、高空時収率下においても目的
生成物の選択率を高く保つことができる。 (4)空時収率の高い状態でも、空間速度を大きくする
ことにより触媒との接触時間を必要最小限に抑えること
が出来るため、2次的付加副生物の生成を抑制すること
ができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお実施例中のパーセント(%)は特にことわりの
ない限り重量パーセント(%)である。 実施例1 シリカを主成分とする中空円筒形を有する担体として、
下記のサイズのものを用いた。 上記の担体を用い、次のようにして触媒を調製した。 均一担持の触媒:パラジウム塩として塩化パラジウム・
ナトリウム(PdCl2 ・2NaCl)を、金塩として
テトラクロル金酸(HAu Cl4 ・4H2 O)を用い、
これらの水溶液を該担体に含浸させ、次いでパラジウム
並びに金塩を還元して金属状態にすることのできる還元
剤としてヒドラジン・ヒドラートを用いて還元した後、
水洗し、最後にアルカリ酢酸塩として酢酸カリウム(K
OAc)を含浸させ、乾燥した。貴金属の量はPdとし
て5.0g/l、Auとして0.5g/lになるように
調節すると共にKOAcとして20g/lが担持される
ようにした。 表面担持の触媒:均一担持の触媒調製と同様の方法で、
まずPdとして0.2g/l、Auとして0.09/l
の貴金属を担持させ、次いで再度同様の方法を繰り返し
て最終的にPdとして5.0g/l、Auとして0.5
g/lの貴金属が担持されるようにして調製した。さら
に、KOAcとして20g/lが担持されるようにし
た。この触媒はX線マイクロアナライザーで分析したと
ころ、表面から0.5mm以内に95%以上のPdおよ
びAuが付着していた。MSAは表面担持のもので90
2 /gであった。
【0020】前記の方法で製造した均一担持の触媒およ
び表面担持の触媒をそれぞれジャケット付の内径25m
m、長さ6mの反応管中に充填し、冷却ジャケット側の
オイルの温度を160℃、圧力10atmで、エチレン
72容量%、酸素8容量%、酢酸20容量%のガスを空
間速度(以下、SVと略記する)2000hr-1で触媒
層を通過させて反応を行った。酢酸ビニルの空時収率、
エチレンに対する酢酸ビニルの選択率および高沸点副生
物の生成割合を表1に示す。高沸点の副生物の生成量に
ついては、表面担持の場合の単位空時収率あたりの副生
物の生成量を100とした指数で示す(以下の実施例、
比較例について同じ)。圧力損失はどちらも0.2kg
/cm2 であった。
【0021】なお、高沸点の副生物の量はそれぞれの物
質を特定できない成分も多いので下記のガスクロマトグ
ラフィを使用し、沸点130℃以上と考えられるガスク
ロピークの面積比を用いて比較した。 測定機:島津GC−6A(1) カラム:内径3mm、長さ3m、ガラス製 充填剤:FAL−M 25%/担体クロモソルブW−A
W、DMCS、H3 PO4 80〜100メッシュ 測定条件:カラム温度95℃ 検出器:FID210℃ キャリアーガス:N2 30ml/min
【0022】比較例1 実施例1と同様の組成を有する径5.0mmの球形の担
体を用いて、実施例1と同様にして触媒を調製し、反応
を行わせた。その結果を表1に示す。実施例1に比し空
時収率が低く圧力損失が大きかった。MSAは表面担持
のもので70m2 /gであった。
【0023】比較例2 比較例1と同様にして中空部のない外径(D)5.1m
m、高さ(l)4.1mmの円柱形について反応を行わ
せた。その結果を表1に示す。MSAは表面担持のもの
で81m2 /gであった。
【0024】比較例3 比較例1と同様にして半球状の両端部を有する円柱形に
ついて反応を行わせた。その結果を表1に示す。
【表1】
【0025】実施例2 原料ガスの空間速度を実施例1の1.5倍の3000h
-1にした以外は、実施例1で用いたものと同じ触媒お
よび装置を用いて反応させた。その結果を表2に示す。
空時収率および選択率ともに高く、かつ圧力損失の増大
も少なく、高沸点の副生物の生成も少なかった。
【0026】比較例4〜6 原料ガスの空間速度を比較例1〜3の1.5倍の300
0hr-1にした以外は、比較例4は比較例1と、比較例
5は比較例2と、比較例6は比較例3とそれぞれ同様の
触媒および装置を用いて反応させた。その結果を表2に
示す。比較例4〜6において、空間速度を3000hr
-1にした場合には、実施例2と比較して圧力損失が大き
く、酢酸ビニルの工業生産の観点からは好ましくないこ
とが示された。
【表2】
【0027】実施例3 オレフィンとしてエチレンの代りにプロピレンを用い、
原料ガス組成を次のように変更するとともに、原料ガス
の空間速度を2000hr-1、圧力を5ata、ジャケ
ット側温度を140℃とし、実施例1の均一担持触媒に
おいて金を添加しない触媒を用い、実施例1と同じ装置
を用いて反応させた。 プロピレン12容量%、窒素72容量%、酸素7容量
%、酢酸9容量% このときの酢酸アリルの空時収率は190g/l・h
r、選択率は97%であった。
【0028】
【発明の効果】上記の実施例で明らかなとおり、中空円
筒形を有する担体に担持物を表面担持させた触媒を用い
ることにより、不飽和エステルの空時収率を著しく高め
ることができる。さらに触媒層での圧力損失が小さいた
め、原料ガスの空間速度を高めた反応条件を採用するこ
とが出来、目的生成物の選択率を悪化させることなく、
空時収率を著しく高くすることができる。さらに反応副
生物の生成も抑制することができる。本発明による方法
の利点は、この触媒を使用することによって、新しく不
飽和エステルの製造装置を建設する場合には、反応器の
容積を小さくすることができ、装置費用の著しい減少を
もたらすことができること、あるいは既存の設備に採用
する場合には、既存の反応器の容積を変えることなく、
実質上生産量を増加することができ、装置を拡大するた
めの投資費用を節約することができることにある。ま
た、同一の空時収率で生産する場合、従来使用の触媒に
比し、著しく高い目的生成物の選択率が得られるため、
これによってオレフィンの大巾な節約が達成されること
も大きな利点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空円筒形を有する担体の正面図を示す。
【図2】図1で表される担体の平面図を示す。
【図3】図1および図2で表される担体の見取図を示
す。
【符号の説明】
1 外径(D) 2 内径(d) 3 肉厚(h) 4 高さ(l)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒活性物質としてパラジウムまたはパ
    ラジウム化合物をパラジウム(Pd)換算で1〜20g
    /l含有し、触媒活性助剤として金または金化合物を金
    (Au)換算で0.1〜10g/l含有し、中空円筒形
    の形状を有する担体の表面から0.5mm以内にそれら
    の金属または金属塩の95%以上が付着した触媒を用い
    て、気相において、オレフィン、有機カルボン酸および
    酸素を反応させることを特徴とする不飽和エステルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 気相における空間速度が2000〜50
    00hr-1である請求項1記載の不飽和エステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 オレフィンがエチレンであり、有機カル
    ボン酸が酢酸であり、かつ不飽和エステルが酢酸ビニル
    である請求項1または2記載の不飽和エステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 オレフィンがプロピレンであり、有機カ
    ルボン酸が酢酸であり、かつ不飽和エステルが酢酸アリ
    ルである請求項1または2記載の不飽和エステルの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 触媒の活性剤成分として、さらに酢酸カ
    リウムまたは酢酸ナトリウムを含有する請求項1〜4の
    いずれか1つの項に記載の不飽和エステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 担体の材質がシリカおよび/または酸化
    アルミニウムからなる請求項1〜5のいずれか1つの項
    に記載の不飽和エステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 担体の形状が外径3〜10mm、内径1
    mm以上、肉厚3mm以下および高さ2〜10mmであ
    る請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の不飽和エス
    テルの製造方法。
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