JP2690341B2 - 圧力制御式の燃料噴射機構において大気圧を測定するための方法 - Google Patents

圧力制御式の燃料噴射機構において大気圧を測定するための方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、圧力制御式の燃料噴射機構において大気圧
を測定するための方法に関する。
従来技術 圧力制御式の燃料噴射機構、すなわち該機構の測定さ
れる基本的な変数が吸気マニホルド圧である機構、を備
えた車両エンジンでは排気背圧(その都度の大気圧に依
存する)が排気サイクル中エンジンシリンダ内に残るガ
スの残量に、したがって次の吸い込み行程時にシリンダ
へ入ることができる新鮮なガスの容量に影響を与える。
そのため大気圧が低下すると、エンジンのシリンダ内の
混合気はより乏しく(希薄に)なる。例えばエンジンの
アイドリング中は混合気は普通硬度1000mにつき約4.5%
乏しく(希薄に)なる。このエラーを補正するために
は、大気圧を測定する何らかの手段を設けることが必要
である。
その都度の大気圧の基準はエンジンスピードが尚零で
あるかまたはきわめて低いとき、例えばクランク速度で
あるときには通常の吸気マニホルド圧力センサによって
測定された圧力値を用いて得ることができる。しかし大
気圧は車両運転地点の高度とともに変化するので、当初
にエンジン始動時に吸気マニホルド圧の測定によって得
られた大気圧の基準は車両運転時の高度の変化を配慮し
た補正を必要とする。
本発明の目的は、測定された吸気マニホルド圧、ただ
し走行中非アイドリング条件下で測定されたものに基づ
いて大気圧に関する数値を得るための方法を提供するこ
とである。
本発明によれば圧力制御式の噴射機構においてその都
度の大気圧を測定する方法が得られ、この方法はエンジ
ンが所定の負荷状態で、またはこれを上回る状態で作動
しているときを検出し、このときの吸気マニホルド圧
(Ps)を測定し、かつ大気圧を表わす圧力値(Po)を出
すためのに測定された吸気マニホルド圧(Ps)に所定の
係数(k)を乗することより成る。
測定マニホルド圧が実際の大気圧の所定のパーセンテ
ージである、予め設定された条件に相当すべき所定の負
荷状態を設定することにより、この予め定められた負荷
状態に達している場合には任意の所与の測定吸気マニホ
ルド圧に関して実際の大気圧に相当する数値を得ること
ができる。
上記の所定の負荷状態に達したかどうか、かつ(また
は)これを越えたかどうかを確認するためには、測定さ
れたスロットルバルブ開度対エンジンスピードの比をモ
ニタし、かつメモリされた値と比較することができる。
有利には、測定されたマニホルド圧が実際の大気圧の
所定の固定のパーセンテージ(Q)である条件を複数の
所与のエンジンスピード(n)において達成するのに必
要な各スロットルバルブ開度(α)に関するエンジン固
有の特性曲線が予め定められており、上記の所定の負荷
状態の存在は、車両運転中にこの曲線を越えたときに確
認され、そのときの吸気マニホルド圧に上記の係数 を乗してそのときの大気圧を表わす圧力値(Po)を得
る。
より洗練された方法では、複数のエンジン固有の特性
曲線が予め定められ、これらの曲線はそれぞれ、測定さ
れたマニホルド圧が実際の大気圧の各固定パーセンテー
ジ(Q)である条件を複数の所与のエンジンスピード
(n)において達成するのに必要な各スロットルバルブ
開度(α)に相当し、各曲線は異なるパーセンテージ
(Q)を基礎としており、かつこれらの曲線において車
両運転中、測定吸引マニホルド圧に係数 (これはエンジンスピードとスロットルバルブ開度のそ
の都度の値によって決められる運転ポイントの一番近く
に位置する曲線による)を乗することによって大気圧が
求められる。
上記の所定のパーセンテージが95〜99%であり、した
がって係数Kが1.053〜1.010である場合には、この方法
を使用して許容し得る精度で大気圧を算出し得る範囲で
エンジンの作動する時間の総量は適切な高さにある。
図面 更に以下において添付図面を参照しながら本発明を実
施例に基づいて説明する。
第1図、第2図、第3図はそれぞれスロットルバルブ
開度αに対するエンジンスピード(n)の曲線を示し、
これらの曲線は本発明の説明で使用する。
実施例の説明 当業界でよく知られているように、吸気マニホルド圧
が大気圧と同じか、またはほぼ同じという条件では大気
圧は吸気マニホルド圧力センサによって測定することが
でき、このセンサは通常その時々のエンジン負荷を検出
するために存在する。上記の条件は普通始動時にエンジ
ンスピードが依然として零であるかまたはきわめて低
い、すなわちクランク速度であるときに生じる。
上述の如く燃料噴射機構を車両運転高度の変化を配慮
し得るようにするためには大気圧の最新測定値が適宜得
られるようにすることが必要である。
先ず第1図について説明すると、第1図には複数の特
性曲線が示されており、これらはそれぞれエンジン回転
速度nに対してプロットされたスロットルバルブの開度
αの測定値に相当する。種々の曲線は、 が、95%〜99%の種々のそれぞれ全負荷に近い負荷値L
に等しいときのαおよびnの測定値に相当する。したが
って曲線Aの各点ではαとnの数値は、 であるものである。同様にして曲線B,C,D,E,F,G上の各
点においてαとnの数値は、 の測定値によって与えられる“負荷値”がそれぞれ90
%、95%、96%、97%、98%、99%であるようなもので
ある。
これらの曲線の規定のためにはスロットルバルブ開度
αは大ていの場合通常のスロットルバルブ電位計(これ
は普通配置されている)を用いて測定することができ
る。エンジンスピードは常法で測定される。マニホルド
圧は通常のマニホルド圧センサによって測定される。大
気圧は適切な、一般的な絶対圧力計によって測定するこ
とができる。
したがって第1図の負荷曲線は以下のようにして解釈
することができる。例えば第1図の点xを取ってみる
と、この点xは曲線C上にあることが判る。これは、回
転数3500r.p.mおよびスロットルバルブ開度55゜におい
てその時のマニホルド圧の測定が実際のその都度の大気
圧Poの95%に相当する負荷値Lを与えることを意味す
る。したがって測定されたマニホルド圧を係数1.05 で乗することにより、これらの条件下におけるその都度
の大気圧の実際値が得られよう。
次いでスロットルバルブ開度は一定に保持されるがエ
ンジンスピードを落とすと、大気圧の96〜99%に相当す
る負荷値Lの曲線と交差する。すなわちこれらの曲線そ
れぞれについて各係数K(L)が得られる。各係数は以
下の通りである。
したがって実地では回転数nとスロットルバルブ開度
αの任意の所与の組合せはこれらの曲線中の1曲線上の
点を与え、次に単に測定されたマニホルド圧Psにその曲
線による当該係数Kだけ乗することによって当該大気圧
Poを得ることができる。
上記の関係を用いた簡略化した第1の方法では、第3
図に示されているように第1図の諸曲線のうちの1曲線
だけが選択される。この選択された曲線(この場合負荷
値97%、K=1.03に相当するライン)がプログラム内の
特性ラインとしてコンピュータメモリに貯蔵される。こ
の曲線はこれによって制限される範囲を2つの別個の領
域、すなわち曲線よりも上方のハッチングされた領域と
曲線よりも下方のハッチングされていない領域へ分割す
る。これらの2つの領域は以下のようにして使用され
る。
任意の所与の回転速度は特性ラインを用いた固有の、
限界スロットルバルブ開度(αcrit)を決定する。
所与のエンジンスピードにおいて実際のその時のスロ
ットルバルブ開度αがこのエンジンスピードにおける限
界開度αcritよりも小さい場合には大気圧の計算は行な
われない。他方実際のスロットルバルブ開度αがこのエ
ンジンスピードにおいて限界開度よりも大きい場合に
は、吸気マニホルド圧が測定され、かつ所定の単独の係
数K(=1.03)を乗して、そのときの大気圧の適当な近
似値を得る。
負荷係数の選択は以下のようにして行なわれる。例え
ば97%(K=1.03)の負荷値に相当する特性曲線を選ぶ
と、吸気マニホルド圧は97%(実際のスロットルバルブ
開度が限界開度に等しい)から全負荷状態における100
%に近い値までの間で変動し得る。(完全な100%はエ
ンジンが作動しているときにスロットルバルブにおける
差圧により実地では実際に達成されない)。したがって
この例では平均負荷値98%に相当する平均係数K=1.02
はよりよい妥協点であろう。
したがって選択すべき適当な特性曲線を選択する際の
原則は以下の要因に基づいていよう:低目の負荷値に相
当する特性曲線を選ぶと、大気圧を計算し得る領域内で
エンジンが作動する時間の総量は増加するが、算出され
る大気圧の精度は低下する。
より洗練された第2の方法では、第1の実施例の精度
を、エンジン回転速度依存性を導入することによって改
善する。再度第1図の点xを考えてみる。水平の直線を
左側へ引くと、この線は高い負荷値に相当する曲線と交
差する。これは次の近似値を導く。
この方法でもまた先ず実際のスロットルバルブ開度が
選択された特性曲線よりも上方の範囲(ここでは大気圧
を計算することができる)にあるかどうかを確認するた
めにチェックする。この条件が満たされていたら、次に
実際のスロットルバルブ開度αが限界開度に等しくなる
点の速度ncritを探す、すなわち点xを含む水平線をこ
れが選択された曲線に当たるまで右へ延ばす(例えばこ
の水平線が第2図に示されたように負荷値95%およびK
=1.053に相当する曲線に当たるまで)。次いで速度依
存係数Ksを次式: によって計算するためにnacrt対実際の速度nacrtの比を
出す。式中Kは出発値であり、かつ選択された特性曲線
の負荷値に等しく、かつCは定数である。測定された吸
気マニホルド圧にこの修正係数Ksを乗して大気圧に関す
るより精確な値を得る。
もう1つの実施例では実際に測定された、回転速度と
スロットルバルブ開度との間の従属関係(α/n)を用い
る。すべての負荷値Lについて特性曲線がコンピュータ
のメモリに貯蔵される。エンジンの任意の所与の運転状
態(その都度のエンジンスピードとスロットルバルブ開
度によって測定される)についてプログラムがエンジン
の運転状態に最も近い特性曲線を選択し、かつ測定マニ
ホルド圧に乗するために適切な補正係数Kを取出して大
気圧を求める。
上述したようにスロットルバルブ開度は大ていの場合
通常のスロットルバルブ電位計(これは普通配備されて
いる)を用いて測定することができる。しかしスロット
ルバルブ電位計を備えていないエンジンでは、通常の全
負荷スイッチを“全負荷”状態が越えられたことを検出
するために用いることができる。この場合には全負荷ス
イッチがエンジンの運転において閉成となったときに、
測定された吸気マニホルド圧(Ps)に選択された“全負
荷”特性曲線による係数Kを乗して大気圧が求められ
る。
すべての例において算出された大気圧は新たな計算に
よって最新の数値に代えられるまで用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユンギンガー,エーリツヒ ドイツ連邦共和国 D‐7000 シユツツ トガルト 1 フリードリツヒ‐エーベ ルト‐シユトラーセ 50 (72)発明者 ヒルシユマン,クラウス ドイツ連邦共和国 D‐7250 レオンベ ルク パラツエルズスシユトラーセ 44 (56)参考文献 特開 昭59−188530(JP,A) 特開 昭60−104736(JP,A) 特開 昭58−65950(JP,A) 特開 昭60−1532(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力制御式の噴射機構でその都度の大気圧
    を測定する方法であって、エンジンが所定の負荷状態
    で、またはこれを上回る状態で作動しているときに検出
    を行ない、この状態におけるその都度の吸気マニホルド
    圧力(Ps)を測定し、かつこの測定された吸気マニホル
    ド圧(Ps)に所定の数値係数(K)を乗することにより
    大気圧を表わす圧力値(Po)を与える工程から成る方法
    において、測定されたマニホルド圧が実際の大気圧の所
    定の固定のパーセンテージ(Q)である負荷状態に関す
    る複数の所与のエンジンスピード(n)を達成するのに
    必要な各スロットルバルブ開度(α)に関してエンジン
    固有の特性曲線を予め設定し、車両運転中スロットルバ
    ルブ開度(α)がこの曲線を越えたときに所定の負荷状
    態の存在が確認され、かつそのときの吸気マニホルド圧
    (Ps)に係数 を乗することによりその都度の大気圧を表わす圧力値
    (Po)を与えることを特徴とする、圧力制御式の噴射機
    構でその都度の大気圧を測定する方法。
  2. 【請求項2】圧力制御式の噴射機構でその都度の大気圧
    を測定する方法であって、エンジンが所定の負荷状態
    で、またはこれを上回る状態で作動しているときに検出
    を行ない、この状態におけるその都度の吸気マニホルド
    圧力(Ps)を測定し、かつこの測定された吸気マニホル
    ド圧(Ps)に所定の数値係数(K)を乗することにより
    大気圧を表わす圧力値(Po)を与える工程から成る方法
    において、複数のエンジン固有の特性曲線を予め設定
    し、これららの曲線がそれぞれ、測定されたマニホルド
    圧が実際の大気圧の固定の各パーセンテージ(Q)であ
    る負荷状態に関する複数の所与のエンジンスピード
    (n)を達成するのに必要な各スロットルバルブ開度
    (α)に相当しており、各曲線が異なるパーセンテージ
    (Q)を基礎としており、かつ各曲線において車両運転
    中測定された吸気マニホルド圧に、エンジンスピードと
    スロットルバルブ開度のそのときの値によって決められ
    る運転ポイントの最も近くに位置する曲線に相当する係
    を乗することによって大気圧を求めることを特徴とす
    る、圧力制御式の噴射機構でその都度の大気圧を測定す
    る方法。
  3. 【請求項3】所定の負荷状態に達したかどうかかつ(ま
    たは)これを越えたかどうかを確認するために、測定さ
    れたスロットルバルブ開度対エンジンスピードの比をモ
    ニタし、かつメモリされた値と比較する、請求項1また
    は2記載の方法。
  4. 【請求項4】所与のエンジンスピード(nact)において
    上記の負荷状態が越えられた場合に、そのときのスロッ
    トルバルブ開度が特性曲線と交差する所で限界スピード
    (ncrit)を設定し、かつ係数Kを式: [式中Cは定数である]によって修正して修正係数Ksを
    得、測定された吸気マニホルド圧にこの係数Ksを乗する
    ことにより大気圧を求める、請求項1から3までのいず
    れか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】所定のパーセンテージが95〜99%であり、
    そのために係数Kが1.053〜1.010である、請求項1から
    4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】所定の負荷状態の検出を、“全負荷”状態
    に達したときに作動される一般的な全負荷スイッチを用
    いて行なう、請求項1から5までのいずれか1項記載の
    方法。
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