JP2689296B2 - 内燃機関の可変圧縮比装置 - Google Patents

内燃機関の可変圧縮比装置

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JP2689296B2
JP2689296B2 JP33886191A JP33886191A JP2689296B2 JP 2689296 B2 JP2689296 B2 JP 2689296B2 JP 33886191 A JP33886191 A JP 33886191A JP 33886191 A JP33886191 A JP 33886191A JP 2689296 B2 JP2689296 B2 JP 2689296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関における可変
圧縮比装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関の一つである自動車用
エンジンにおいては、中負荷域以上の高い負荷域あるい
はエンジンの高速回転域での運転時にノッキングを発生
させないようにするとともに中負荷よりも低い負荷域で
の運転時には熱効率を上げて燃料の消費率を改善するこ
とを目的として、圧縮比を変化させることのできる構造
が提案されている。
【0003】この可変圧縮比装置の構造としては、本願
出願人による先願である特願平2ー125166号の明
細書に記載されたものがある。いま、上記明細書に記載
された構造を説明すると、次のとおりである。すなわ
ち、図2において、クランクシャフト1のクランクピン
2により大端部を枢支されているコネクティングロッド
3は、その枢支部において、大端部の軸受孔とクランク
ピン2との間に回転可能な偏心スリーブ4を介在されて
いる。この偏心スリーブ4は、クランクピン2の中心に
対して偏心した中心を設定されているものであり、クラ
ンクピン2の回転による遠心力によってクランクピン2
上で回転する際に、コネクティングロッド3側での軸受
面の中心に対してピストン5側のピストンピン6の中心
位置を上昇させる最大偏心位置と下降させる最小偏心位
置とに切り換えることができるようになっている。
【0004】そして、偏心スリーブ4には、クランクピ
ン2の軸方向に沿った両端部にフランジ4Aおよび4B
を設けてあり、これらフランジの外周には、例えば、1
60度の位相を以って交互位置に切欠きからなる係合部
4A1および4B1が形成され、さらに、これら係合部
の間の外周面は、後述する緩衝装置のピンに係合するた
めに段違い状に形成されたガイド用切欠き4Cが設けて
ある。このガイド用切欠き4Cは、クランクシャフト1
の回転方向に対し、フランジ4Aとフランジ4Bとを表
・裏方向からみた場合に回転方向が互いに逆方向となる
ので、この回転方向の上流側に位置する関係を設定され
ている上記緩衝装置のピンに衝合できるように段違い部
の向きを設定されている。
【0005】一方、この偏心スリーブ4のフランジには
さまれているコネクティングロッド3の内部には、偏心
スリーブ4との連結切り換えを行うための偏心スリーブ
ロック機構7が設けてある。偏心スリーブロック機構7
は、偏心スリーブ4のフランジに形成してある係合部に
対向した状態でクランクシャフト1の軸方向に沿って摺
動可能なピストン7Aを備えている。このピストン7A
は、コネクティングロッド3の内部に設けてある油圧室
内に挿嵌されていて、摺動方向の一部に形成されている
鍔と油圧室の一方側に固定されているキャップ7Bとの
間に配置されているリターンスプリング7Cにより、通
常、図2に示すように、一方のフランジの係合部に向け
係合する向きに付勢されている。そして、油圧室には、
鍔を境にした摺動方向両側の位置に油路8、9が接続し
てあり、この油路8、9からのオイルの供給制御により
ピストン7Aの摺動方向を設定できるようになってい
る。図2においては、油路8、9内のオイルの圧力を標
準圧力とすることでピストン7Aがリターンスプリング
7Cの付勢により左側に向け摺動し、フランジ4Aに形
成してある係合部4A1に係合して偏心スリーブ4とコ
ネクティングロッド3とを一体化する態位を設定される
ようになっている。また、図4においては、油路8のオ
イルの供給圧力を標準圧力にリターンスプリング7Cの
付勢圧を加えた値以上の圧力とすることでピストン7A
がリターンスプリング7Cの付勢に抗して右側に向け摺
動し、フランジ4Bに形成してある係合部4B1に係合
して偏心スリーブ4とコネクティングロッド3とを一体
化する態位を設定されるようになっている。上述したピ
ストン7Aの係合態位は、例えば、図2に示した態位の
場合、図3に示すように、ピストンピン6の位置がコネ
クティングロッド3の軸受面の中心に対して最小偏心位
置を設定できる態位とされ(図3中、符号L1で示す偏
心量)、そして、図4に示した態位の場合、図5に示す
ように、ピストンピン6の位置がコネクティングロッド
3の軸受面の中心に対して最大偏心位置を設定できる態
位とされる(図5中、符号L2で示す偏心量、但し、L
2>L1)。前者の態位においては、見かけ上、最も縮
んだ状態で低圧縮比状態を実現でき、そして、後者の態
位においては、見かけ上、最も伸長した状態で高圧縮比
状態を実現できるようになっている。低圧縮状態では、
エンジンにノックングが生じない程度の圧縮比が得ら
れ、通常、エンジンに設定される圧縮比と同等とされ、
これに対して、高圧縮比状態では、通常、エンジンに設
定されている圧縮比よりも高い圧縮比が設定できるよう
になっている。また、これら態位は、図示しないエンジ
ンのコントローラにおいて、エンジンの負荷およびエン
ジン回転数に関する情報が入力されるのを受けて偏心ス
リーブロック機構のピストンの摺動方向が決められるこ
とにより設定されるようになっており、エンジンの中負
荷域以下の場合には、図2に示したようなピストン7A
の摺動方向が、そして、エンジンの中負荷域以上の高負
荷域あるいは高回転域の場合には、図4に示したような
ピストン7Aの摺動方向がそれぞれ設定されるようにな
っている。
【0006】一方、コネクティングロッド3の大端部に
おける底部位置には、緩衝装置10が設けてある。この
緩衝装置10は、回転している偏心スリーブ4に対して
偏心スリーブロック機構7のピストン7Aを係合させる
場合に、偏心スリーブ4の回転力を緩衝して回転を減衰
させ、移動方向が異なる関係にあるピストン7Aの係合
を行いやすくするためのものである。そして、緩衝装置
10は、図3および図5に示すように、コネクティング
ロッド3の底部に位置するケーシング10A内に油圧室
を設けられており、油圧室内には偏心スリーブ4の接線
方向を摺動方向とするピストン11が挿嵌され、このピ
ストン11は、摺動方向両側の端面と油圧室内壁との間
に配置されたリターンスプリング12の付勢によって摺
動方向での中央位置、所謂、中立位置に保持されるよう
になっている。また、ピストン11には、摺動方向と直
角な方向に延長されたピン11Aが放射状に対向した位
置で固定されており、このピン11Aは、ケーシング1
0Aに形成された長孔状のガイド孔10Bから外側に向
け突出している。この緩衝装置10は、偏心スリーブ4
側に有するガイド用切欠き4Cの端縁部とピン11Aと
が衝合することによってリターンスプリング12を縮め
る向きにピストン11が移動した場合、そのリターンス
プリング12に対する収縮作用力に加えて、縮められる
側のリターンスプリング12を配置している油圧室内の
オイルがオリフィス10Cから流れ出す際の排出抵抗と
によってピストン11の移動を減衰させて偏心スリーブ
4の回転速度を減速させるようになっている。そして、
ピストン11が油圧室内で充分に減速されて摺動力より
もリタ−ンスプリング12の付勢力が勝ると、リターン
スプリング12の付勢によって中立位置に復帰するよう
になり、このときに偏心スリーブ4のフランジに設けて
ある係合部と偏心スリーブロック機構7におけるピスト
ン7Aとの係合ができる状態を得られるようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した緩
衝装置の構造にあっては、リターンスプリング12によ
りピストン11を油圧室内で中立位置に保持するように
なっており、所謂、ピストン11を、その摺動方向に相
当する往復方向において浮動状態を維持するようになっ
ていることから、次のような問題を生じる虞れがあっ
た。すなわち、偏心スリーブ4に対する緩衝作用を大き
くすることにより偏心スリーブ4を充分に減速し、これ
によって、偏心スリーブ4側の係合部と偏心スリーブロ
ック機構側のピストンとの係合を容易に行わせるように
したい場合には、緩衝のために必要なピストン11の移
動ストロークを大きくすることが考えられる。しかし、
このような要求を満足させるためにガイド孔10Bを長
くすると、緩衝させるための方向、所謂、往復動のうち
の往動方向に摺動しているピストン11の後端部の位置
が、この方向と反対側の復動方向に延長されているガイ
ド孔10Bの端縁部を通り過ぎてしまうことがあり、こ
の場合には、ピストン11の摺動方向後端とガイド孔1
0Bの一部との間が開き、油圧室内が外部と連通して油
圧室内のオイルが外部に漏れ出してしまうことがある。
従って、ガイド孔10Bを長くした場合には、油圧室内
からのオイル漏れによりオイルが不足してしまい、緩衝
に必要なピストンの移動ストロ−クを設定できなくなる
ので、その長さの設定には自ずと限界があり、これによ
り、緩衝効果もある程度で妥協しなければならないこと
になる。
【0008】また、ピストン11を中立位置に保持し
て、所謂、往復方向のいずれに対しても動き得る浮動状
態を維持する構造であるので、リタ−ンスプリング12
は、いずれの方向へもピストンが移動できるように、か
なり弱い弾性力とされる必要がある。このようなリタ−
ンスプリング12を用いた場合には、図6に示すよう
に、偏心スリーブ4が回転している際の慣性力により、
リターンスプリング12の一方が縮められ易くなり、ピ
ストン11の中立位置にピストン11を保持させておく
ことが困難となり、摺動方向でピストン11が振動して
しまうことになる。従って、このような場合には、減速
された偏心スリーブ4側の係合部と偏心スリーブロック
機構7側のピストンとの係合位置が定まらなくなり、係
合部とピストンとが適正な係合関係を設定されなくなる
ばかりでなく、緩衝に必要なピストンの移動ストロ−ク
を得るための摺動開始位置がずれてしまうことになり、
緩衝に必要なピストンの移動ストロ−クが一定しなくな
る。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述した緩衝装
置を備えた可変圧縮比装置における問題に鑑み、緩衝装
置での適正な緩衝特性を維持でき、しかも、偏心スリー
ブとコネクティングロッドとの係合に必要な位置関係な
らびに緩衝に必要なピストンの移動ストロークを常に一
定させることのできる構造の緩衝装置を備えた可変圧縮
比装置を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、内燃機関の気筒内を摺動するピストン
と、このピストンに一端が枢支され他端がクランク軸に
枢支されているコネクティングロッドを備え、上記ピス
トンの往復運動を上記クランク軸の回転運動に変換する
構造の内燃機関において、上記コネクティングロッドの
他端と上記クランク軸との間に配置され、上記コネクテ
ィングロッドの軸方向に沿った両端部に同コネクティン
グロッドをはさむようにして位置する一対のフランジを
備え、外周面と内周面との中心位置を偏心させてある偏
心スリーブと、上記偏心スリーブの外周で位相を異なら
せて交互に形成されている第1および第2の係合部およ
びこれら係合部の間の所定区間だけ切り欠かれたガイド
用切欠きと、上記コネクティングロッド内から上記フラ
ンジ部に向け交互に突没可能に設けてあるロック部材
と、上記偏心スリーブのガイド用切欠きと係合して偏心
スリーブの回転を減速する緩衝装置とを備え、上記緩衝
装置は、上記偏心スリーブの接線方向に摺動可能なピス
トンと、このピストンを挿嵌されるとともにピストンの
ガイド孔を壁部に形成されたケーシングとで構成され、
上記ピストンは、上記偏心スリーブおよび上記コネクテ
ィングロッドの共通中心線を境に相対位置に配置されて
一対に設けられるとともに対向する面側にリターンスプ
リングを配置することにより外側に向け付勢された構造
とされ、そして、上記ケーシングは、上記ピストンの対
向する面側の位置にオリフィスを接続したオイルチャン
バを設けた構造とされていることを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明によれば、緩衝装置のピストンは、偏心
スリーブ側のガイド用切欠きの移動方向に対して、所
謂、往動方向への移動のみに作用して摺動し、復動方向
への移動については作用させないようになっているの
で、一方の方向での移動量だけを設定できる分、ガイド
孔の長さを短くできる。
【0012】また、本発明によれば、ピストンの移動量
が一方向のみを対象としている分、少なくされるので、
これにより、リタ−ンスプリングの長さを短くして、撓
み量が小さくなる強い弾性力のリタ−ンスプリングを用
いることができる。
【0013】
【実施例】以下、図1において、本発明実施例の詳細を
説明する。
【0014】図1は、図2乃至図4に示した構造を用い
た本実施例による可変圧縮比装置の要部である緩衝装置
を示す断面図であり、図1に示された実施例の特徴は、
緩衝装置に設けてあるピストンを対構造としたことにあ
る。なお、図2乃至図4に示したものと同じ構成部品に
ついては同符号により示してあることを前置きしてお
く。すなわち、緩衝装置20は、図2乃至図4に示した
場合と同様に、コネクティングロッド3の底部に位置し
ているケーシング20Aを備えており、このケーシング
20A内には、コネクティングロッド3および偏心スリ
ーブ4の共通中心線Cを境にして対向する位置に偏心ス
リーブ3の接線方向に摺動できる一対のピストン21が
それぞれ挿嵌されている。そして、ピストン21は、対
面する側の面にリターンスプリング22を配置されるこ
とにより、通常、ケーシング20Aの内壁面に向け付勢
されており、この付勢による移動は、ケーシング20A
の内壁面にピストン21の背面が衝合することで阻止さ
れている。従って、通常態位にあるピストン21は、リ
ターンスプリング22の付勢に抗した力が加わることに
より、対向するピストン21側、換言すれば、上記共通
中心線C側に向けて移動できるようになっており、この
力は、摺動方向と直角な方向に向け延長されているピン
21Aと偏心スリーブ4側のガイド用切欠き4Cにおけ
る端縁部との衝合時に発生する力である。
【0015】一方、ケーシング20Aの壁部において、
ピストン21のピン21Aが延長されている側に位置す
る壁部には、ピストン21に固定されているピン21A
を挿通して摺動方向の案内を行うためのガイド孔20A
1(図1中、二点鎖線で示してある孔)が形成されてお
り、このガイド孔20A1は、長手方向の長さを、ピス
トン21が一方向への移動のみを行う場合に必要な長さ
とされている。従って、このガイド孔20A1の長さ
は、往復移動する長さを設定されているガイド孔を用い
た図2乃至図4に示した場合に比べ、ピストン21が往
復方向の中心ではなく、いずれか一方に初期位置を設定
されていることにより、往復方向の一方のみの長さで済
む分、短くされている。なお、このガイド孔20A1の
長さは、ピストン21が摺動した場合にその後端が孔縁
からはみ出さない程度とされることにより、ピストンの
後端位置がガイド孔20A1の孔縁を通り過ぎるような
ことがないようにしてあること勿論である。
【0016】また、ケーシング20Aの内部には、ピス
トン21の対面する側の端部間にオイルチャンバ20B
が設けてあり、このオイルチャンバ20Bは、油圧室に
おけるピストンの摺動方向中央部に設けてあるオリフィ
ス23に接続され、オリフィス23を介して内部に貯溜
しているオイルを、例えば、コネクティングロッド3の
軸受面に向け排出することができるようになっている。
【0017】本実施例は以上のような構造であるから、
通常時、ピストン21は、リターンスプリング22の付
勢によりケーシング20Aの壁部に押し付けられて移動
を阻止されている。そして、この通常時の態位から、偏
心スリーブ4のガイド用切欠き4Cにおける端縁部がピ
ストン21に衝合すると、ピストン21は、偏心スリー
ブ4の回転方向に合わせて、対向するピストン21側に
向け押し動かされる。従って、リターンスプリング22
が縮められ、この時のリターンスプリング22への収縮
作用力に対する反発力が緩衝力の一つとしてピストン2
1を介し偏心スリーブ4に伝達されるとともに、オイル
チャンバ20B内からオリフィス23に流れ込むオイル
の排出抵抗とによって偏心スリーブ4が減速されること
になる。
【0018】本実施例によれば、ピストン21の摺動に
対して共通する位置にオリフィスを設けてあるので、油
路構成を簡単なものとすることができる。
【0019】また、本実施例によれば、ピストン21の
リターンスプリング22は、ピストンの一方向への移動
のみを許容する機能を持たせるだけでよいので、従来の
構造である、ピストンの往復方向への移動を可能にした
構造に比べ、リターンスプリング22の長さを短くする
ことができる。従って、撓み量を小さくできる弾性力の
大きなスプリングを選択することが可能になり、偏心ス
リーブの減速に必要な緩衝能力を向上させることができ
る。さらに、本実施例によれば、上述したスプリングの
弾性力を大きくできることにより、ピストン21を付勢
する力を強くできるので、偏心スリーブ4の回転時に発
生する慣性力に対してピストン21の無為な変位を抑え
て振動の発生を抑制することができる。
【0020】そして、本実施例によれば、ケーシング2
0Aに形成されているガイド孔20Bは、ピストン21
の一方向のみの移動に対して機能すればよいので、従来
構造のように、往復移動の全ストロークにわたってピス
トンの案内を行う場合に比べ、長手方向の長さを短くす
ることができ、単純にいえば、長さを半分にすることが
できる。従って、ピストン21の摺動開始位置を一方向
のみの移動を考慮したガイド孔20Bの長手方向一端に
設定するだけで、反対方向への移動を可能にする長手方
向の長さが存在していない分、この一端よりも後方に位
置するピストン21の後端部がガイド孔20Bの一部を
通り過ぎてしまうような事態を未然に防止することがで
き、これによって、オイルチャンバ内からのオイル漏れ
を防止できる。また、本実施例におけるケーシング20
Aのガイド孔20Bは、従来の構造に比べ、ピストンの
一方向のみの摺動を対象としていることで短くできるの
で、仮りに、緩衝のためのピストンの移動ストロークを
拡張したい場合には、上述した従来のものに比べて半分
の長さを基準にして容易に長さの拡張が行えることにな
る。さらに、本実施例によれば、ピストン21における
摺動方向の大きさも、一方向のみの移動に対応して小さ
くできるので、ピストン単体の重量も軽減できることに
より、慣性発生時での振動軽減に寄与することができ
る。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、緩衝装置
に設けてあるピストンを対向させた状態で設け、その対
向面間にリターンスプリングを配置すると共に、オイル
チャンバを設けたので、各ピストンは一方向への摺動の
みを対象として機能すれば良く、これによって、ピスト
ンの案内を行うために設けてあるケーシング側のガイド
孔の長さが、往復方向全域を案内するための長さに比べ
短くすることができる。従って、従来の往復動するピス
トンに対するガイド孔に比べ、一方の移動に見合う長さ
を省くことにより、ピストンの摺動時にピストンの後端
がガイド孔を通り越してしまうようなことが防止され、
これによって、ガイド孔を通してオイルチャンバ内のオ
イルが外に漏れ出すような事態を防止されることにな
り、緩衝の際のオイル不足による緩衝特性の変化を回避
することができる。
【0022】また、本発明によれば、上述したピストン
の移動ストロークを小さくできるので、その分、リター
ンスプリングの全長を短くして弾性力を大きくしたもの
を用いることができる。従って、偏心スリーブの回転時
に発生する慣性力に対して、ピストンが不用意に動いて
しまうのを抑えることができ、これによって、緩衝のた
めのピストンの摺動開始位置を所定位置で維持させるこ
とができ、この位置を基準として設定される緩衝に必要
なピストンの移動ストロ−クおよびコネクティングロッ
ド側との係合関係を常に一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による可変圧縮比装置の要部を示
す断面図である。
【図2】可変圧縮比装置の従来構造の一態様を説明する
ための一部断面図である。
【図3】図2中、矢印で示す方向の矢視図である。
【図4】可変圧縮比装置の従来構造の他の態様を説明す
るための一部断面図である。
【図5】図4中、矢印で示す方向の矢視図である。
【図6】図2乃至図4に示した従来構造における問題点
を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 2 クランクピン 3 コネクティングロッド 4 偏心スリ−ブ 4A,4B フランジ 4A1、4B1 係合部 4C ガイド用切欠き 7 偏心スリ−ブロック機構 7A 偏心スリ−ブロック機構のピストン 20 緩衝装置 20A ケ−シング 20A1 ガイド孔 20B オイルチャンバ 21 ピストン 22 リタ−ンスプリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の気筒内を摺動するピストンと、
    このピストンに一端が枢支され他端がクランク軸に枢支
    されているコネクティングロッドとを備え、上記ピスト
    ンの往復運動を上記クランク軸の回転運動に変換する構
    造の内燃機関において、 上記コネクティングロッドの他端と上記クランク軸との
    間に配置され、上記コネクティングロッドの軸方向に沿
    った両端部に同コネクティングロッドをはさむようにし
    て位置する一対のフランジを備え、外周面と内周面との
    中心位置を偏心させてある偏心スリーブと、 上記フランジの外周で位相を異ならせて交互に形成され
    ている第1および第2の係合部およびこれら係合部の間
    の所定区間だけ切り欠かれたガイド用切欠きと、 上記コネクティングロッド内から上記フランジ部に向け
    交互に突没可能に設けてあるロック部材と、 上記偏心スリーブのガイド用切欠きと係合して偏心スリ
    ーブの回転を減速する緩衝装置とを備え、 上記緩衝装置は、上記偏心スリーブの接線方向に摺動可
    能なピストンと、このピストンを挿嵌されるとともにピ
    ストンのガイド孔を壁部に形成されたケーシングとで構
    成され、上記ピストンは、上記接線方向に対する上記偏
    心スリーブおよび上記コネクティングロッドの共通中心
    線を境に相対位置に配置されて一対に設けられるととも
    に対向する面側にリターンスプリングを配置することに
    より外側に向け付勢された構造とされ、そして、上記ケ
    ーシングは、上記ピストン同士が対向する面側の位置で
    オリフィスを接続したオイルチャンバを設けた構造とさ
    れていることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比装置。
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