JP2688843B2 - 新規なジビニル化合物 - Google Patents

新規なジビニル化合物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なジビニル化合物に関するものである。
更に詳しく言えば、水溶性架橋剤として、ポリマーの改
良に好適な新規なジビニル化合物である。
(従来の技術) 水溶性高分子の合成において、特に高分子凝集剤の様
に超高分子量を要求されるような場合に、架橋剤とし
て、N,N−メチレンビスアクリルアミドが多用されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、N,N−メチレンビスアクリルアミドは
結晶性の固体である為、水への溶解において時間を要し
ていた。
本発明はこのような事情のもとで、N,N−メチレンビ
スアクリルアミドに代る、水溶性に極めて優れ、水溶液
中でも安定な新規な架橋剤を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは水溶性が良好で、且つ、水溶液中で安定
な架橋剤を開発するために鋭意検討を重ねた結果、式
(I)で表わされるジビニル化合物 が水溶性及び水中での安定に優れた架橋剤であることを
見い出し本発明に至ったものである。
本発明のジビニル化合物はN−メチル−N−ビニルア
クリルアミドであり、文献未載の新規化合物である。こ
の新規化合物は例えば以下のようにして合成することが
できる。
(A) モノメチルエタノールアミンとビシクロ〔2,2,
1〕ヘプテン−5−カルボン酸メチル−2とをアルコラ
ート系触媒存在下、好ましくは70〜100℃の温度で反応
させ、得られた反応物をクラッキングすることにより脱
水させる方法。
(B) モノメチルエタノールアミンとアクリル酸クロ
ライドを溶媒中において、好ましくは−50〜0℃の温度
で反応させ、反応物を脱水することにより合成させる方
法。
(C) N−メチルアクリルアミドに水素化ナトリウム
を反応させたものに臭化ビニルを溶媒存在下で反応させ
る方法。
上記の(A)法の場合は、アシル化反応とエステル交
換反応の競合反応となるが、大半の生成物はアシル化反
応物となる。反応触媒は金属アルコラートが好適に用い
られる。反応は副生するメタノールを系外に除去しなが
ら行なう方が反応平衡上望ましい為、減圧下で反応を行
なう方がより好ましい。この場合原料のモノメチルエタ
ノールアミンが系外に留去してしまわないようにコンデ
ンサーを反応容器に付設するか、もしくは反応温度をモ
ノメチルエタノールアミンの蒸気圧以下に設定すること
が望ましい。
得られた中間体生成物は電気炉で加熱した鋼管を通す
ことによりクラッキングされ、N−メチル−N−ビニル
アクリルアミド混合物が得られる。通常クラッキング温
度は400℃前後が好適である。また、脱水触媒として、
副水塩を鉄皿で強熱脱水し粒状にした硫酸アルミニウム
を鋼管内につめてクラッキングを行なうと、より脱水率
を向上できる。クラッキングの際には減圧をかけ生成物
をガス状として、出てくるガスを凝集させる方が効率が
良く望ましい。このようにして得られた反応混合物から
目的物を単離するには減圧蒸留して精製する方法が好適
に用いられる。
また、(B)法の場合、用いる溶媒については、アク
リル酸クロライドに対して不活性であれば特に制限はな
く、一般にはベンゼン、アセトン、トルエン、クロロホ
ルム等が用いられる。この反応はアクリル酸クロライド
とモノメチルエタノールアミンを混合すると、塩酸煙を
発生し、激しく反応する為に、反応温度は0℃以下が望
ましい。また、反応中、重合の危険性がある為、重合禁
止剤として、例えば、フェノチアジン、p−メトキシフ
ェノール、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、t−ブチ
ルカテコール、ニトロソベンゼン、イオウ等をモノマー
に対して1000〜5000ppm添加し、遮光下反応を行なう事
が望ましい。発生する塩酸煙により系内の確認が困難な
場合はアスピレーター等により若干減圧をかけることに
より塩酸煙を除去することもできる。モノメチルエタノ
ールアミンは−15℃位以下で凝固する為、アクリル酸ク
ロライドを最初反応容器に入れた中に、モノメチルエタ
ノールアミンを滴下する方法の方が望ましい。
このようにして得られたN−メチルエタノールアクリ
ルアミドを、(A)法と同様にしてクラッキング、精留
することによりN−メチル−N−ビニルアクリルアミド
を得ることができる。この場合は、N−メチルエタノー
ルアクリルアミドからの脱水により、N−メチル−N−
ビニルアクリルアミドが得られる為、例えば硫酸、芳香
族スルホン酸、五酸化リン、リン酸、メタリン酸、シュ
ウ酸、ギ酸、有機酸無水物、無機及び有機酸塩化物、オ
キシ塩化リン、無水無機塩類などの脱水触媒を用いて脱
水を行なうこともできる。
(C)法の場合、用いる臭化ビニルは共鳴構造により
著しく反応性が低い為、モノメチルアクリルアミドの水
素を、前もって、水素化ナトリウムにより置換を行なわ
せた後に反応させる事が望ましい。モノメチルアクリル
アミドと水素化ナトリウムを反応させると激しく水素を
発生し、発熱する為、重合の危険性があるので、重合禁
止剤として、例えば、フェノチアジン、p−メトキシフ
ェノール、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、t−ブチ
ルカテコール、ニトロソベンゼン、イオウ等をモノマー
に対して1000〜5000ppm添加し、遮光、水冷下、少しず
つ水素化ナトリウムを添加することが望ましい。又、多
量の水素ガスが発生する為、爆発防止という意味でドラ
フト内での反応が望ましい。
臭化ビニルとナトリウム置換モノメチルアクリルアミ
ドとを反応させる際に用いる溶媒は、両原料を溶解し、
比較的沸点が低く、生成する臭化ナトリウムを溶解させ
る溶媒が好ましい。このようにして得られた反応混合物
から目的物を単離するには減圧蒸留して精製する方法が
好適に用いられる。
本発明のジビニル化合物、N−メチル−N−ビニルア
クリルアミド(沸点45℃/2.5mmHg)は極微黄透明液体で
あり、水、メチルアルコール、エチルアルコール、アセ
トン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、n−ヘキサ
ン等と幅広い極性範囲の溶媒に可溶である特性を有して
いる。水には水に対して数重量パーセントの溶解が可能
であり、若干の撹拌によりスムーズに溶解することがで
きる。
本発明のジビニル化合物、N−メチル−N−ビニルア
クリルアミドを架橋剤として、ポリマーを製造する具体
的方法としては、例えば溶液重合法及び懸濁重合法等が
採用できる。
重合を開始する方法としては、(1)重合開始剤を使
用する方法、(2)紫外線,可視光線等の光照射、
(3)熱による方法、(4)放射線,電子線,プラズマ
等の電離エネルギー線を照射する方法等など通常知られ
ている任意のラジカル重合法を用いることができる。重
合開始剤としてはラジカル重合を開始する能力を有する
ものであれば良く、例えば、レドックス系、有機過酸化
物、アゾ化合物、アミン化合物等がある。具体的には過
硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、過酸化ベン
ゾイル、過酸化アセタルアゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、
2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリル−2−イ
ル)プロパン〕二塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シア
ノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2(5−メチル−2−
イミダゾリル−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2′
−アゾビス(イソブチルアミド)、トリエタノールアミ
ン等を使用することができる。又、上記の重合開始剤の
2種以上を併用することも可能である。この場合の重合
開始剤の添加量は、目的とするポリマー分子量によって
決定されるが、通常ビニル化合物当り0.001〜2重量%
の範囲が好ましい。一般的に水溶性モノマーを水に溶解
した中に、本発明のN−メチル−N−ビニルアクリルア
ミドを架橋剤として添加し、通常知られているラジカル
重合法を用いる。
ここで用いられる水溶性モノマーとしては、一般に
(メタ)アクリル基、ビニル基、無水マレイン酸を基本
主鎖として、水溶性置換基を側鎖にもつものであり、具
体的には例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸ソー
ダ、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、ボリオキシエチ
レンアクリルスルホン酸ソーダ(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、ポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート、β−ヒドロキシエチレンビニルエー
テル、β−ヒドロキシエチレン(メタ)アクリルレー
ド、トリメチルロールプロパンモノ(メタアクリレー
ト、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、
モノメチロール(メタ)アクリルアミド、β−ユリア−
N−エチレンアクリレート、β−ユリア−N−エチルビ
ニルエーテル、メタクロイルジシアンジアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、及びこれらの3級塩、4級塩等が
あげられる。これらは単独でも2種以上の組み合せを用
いてもよい。
水溶性モノマーに対し、本発明の架橋剤であるところ
のN−メチル−N−ビニルアクリルアミドの添加量は、
吸水性ポリマーや高分子凝集剤にする場合によって異な
ってくるが、通常、水溶性ポリマーに対し、0.0001〜0.
1モル%の範囲が好ましい。添加量を調整することによ
り、吸水性ポリマー或は高分子凝集剤とすることができ
る。添加量を少なくすると、高分子量且つ水溶性が良好
なポリマーが得られ、高分子凝集剤とすることができ
る。一方、添加量を多めにすると、水不溶性のポリマー
が得られ、吸水性ポリマーとすることができる。また、
有機溶媒を用いた逆相懸濁重合にも適用できる。
(発明の効果) 本発明のジビニル化合物は文献未載の新規ジビニル化
合物であって、水溶性モノマーの架橋剤として利用で
き、添加量を調整することにより、得られた高分子化合
物は高吸収性ポリマー或は高分子凝集剤等に利用するこ
とができる。
本発明のジビニル化合物と水溶性モノマーのラジカル
重合によって得られる高分子化合物は、高吸水性ポリマ
ーとして数千倍の保水能力を有するもの、また、凝集剤
としては超高分子で且つ水溶性も良好な特性を示すもの
を得ることができる。
(実施例) 次に、実施例および参考例によって本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
実施例1 精留塔、分配器、真空計、温度計を取り付けた500ml3
つ口フラスコにモノメチルエタノールアミン206gとビシ
クロ〔2,2,1〕ヘプテン−5−カルボン酸ケチル−2 2
01g、触媒としてソジウムメチラート28%メタノール溶
液3.8gを加え、撹拌下95℃,200mmHg、還流比1対1の条
件下で3時間反応を行なった。この時、アシル化反応に
よって副生するメタノールは常時系外に留去される。反
応終了後、系内の減圧度を1 Torrとし、残原料及び低
沸物を除去することにより、粘稠なビシクロ〔2,2,1〕
ヘプテン−5−モノメチルアミノエチルカルボン酸258g
を得た。この化合物のガスクロマトグラフによる純度は
99.2%であった。
次に、長さ1mのサス製の管を電気炉で450℃に加熱
し、管の出口には、下向きにコンデンサーと受器及び真
空ポンプを設置し、系内を40mmHgとした。この中に、ビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプテン−5−モノメチルアミノエチ
ルカルボン酸を、毎分3mlの速度で供給し、クラッキン
グを行ない、かっ色の液体130gを得た。
次に、精留塔、分配器、温度計を付けた200ml容の3
つ口フラスコにて精留を行なった。
精留時の釜温は110〜124℃で塔頂温度45℃、減圧度2.
5mmHg、還流比6/1にて行ない、ガスクロマトグラフ純度
99.8%の極微黄透明の留分を得た。
実施例2 撹拌機と温度計、滴下漏斗を取り付けた1リットル容
の3つ口フラスコにアクリル酸クロライド180gと溶媒と
してクロロホルム500g及び重合禁止剤としてフェノチア
ジン0.9gを添加し、ドライアイス−メタノール系にて−
30℃位に冷却し、内溶液を撹拌しながら、滴下漏斗より
モノメチルエタノールアミン150gを逐次添加し、反応さ
せた。モノメチルエタノールアミン滴下と同時に、激し
く塩酸煙が容器内に立ち込める為、アスピレーターによ
り系内の塩酸煙を系外に除去した。モノメチルエタノー
ルアミン滴下終了後、更に1時間撹拌し、溶媒であるク
ロロホルムをエバポレートアップにより除去した。次
に、塩酸を水和する為めに、炭酸ナトリウム105gを反応
液に添加し、撹拌後、塩を濾別し、N−メチルエタノー
ルアクリルアミド240gを得た。含水塩を鉄皿で強熱脱水
し、粒状にした硫酸アルミニウムを長さ1mのサス製の管
につめ、電気炉で400℃に加熱し、管の出口には下向き
にコンデンサーと受器及び真空ポンプを設置し、系を40
mmHgとした。この中に、N−メチルエタノールアクリル
アミドを毎分3mlの速度で供給し、脱水を行ない、かつ
色の液体200gを得た。実施例1と同様な精留を行ない。
ガスクロマトグラフ純度99.9%の極微黄透明の留分150g
を得た。
実施例3 モノメチルアクリルアミド170gにフェノチアジン0.2g
を添加し、撹拌、氷冷下、水素化ナトリウム48gを少し
ずつ添加し、モノメチルアクリルアミドをナトリウム置
換体とした。この際、激しく水素ガスが発生する為、ド
ラフト内にて反応を行なった。
2リットル容3つ口フラスコに、臭化ビニル214g、エ
タノール1リットル及びフェノチアジン0.2gを添加し、
撹拌下、滴下漏斗よりモノメチルアクリルアミドナトリ
ウム置換体を滴下し40℃にて反応を行なった。反応終了
後、実施例1と同様に精留を行ない、ガスクロマトグラ
フ純度97.0%の極微黄透明留分を得た。
実施例1で得られた化合物の赤外吸収スペクトル(FT
−IRスペクトル)を第1図に、質量スペクトルを第2図
に、紫外・可視吸収スペクトルを第3図に、NMRスペク
トル(FT−NMRスペクトル)を第4図に示す。これらの
スペクトル分析の結果は次の通りである。
赤外線吸収スペクトル ピークNO 波数(cm-1) 帰属 00 2954 −CH3 01 1697 >C=O 02 1628 CH2=CH− 03 1419 −CH3 04 1327 C−N 05 1281 C−N 06 1119 NR3 07 976 CH2=CH− 08 841 −CH2 紫外可視吸収スペクトル 200nm CH2=CH− ε≒3.4×104 248nm >C=0 ε≒6.8×103 プロトン calc.(ppm) obs.(ppm) Ha 4.47 4.47 Hb 4.55 4.55 Hc 7.58 7.05 Hd 6.65 6.65 He 6.21 6.30 Hf 5.63 5.75 注;−CH33.15ppm,クロロホルム(溶媒)7.25ppm 以上の分析結果から、この極微黄透明の物質はN−メ
チル−N−ビニルアクリルアミドであることが確認され
た。尚、実施例2及び3の化合物も同様であった。
このN−メチル−N−ビニルアクリルアミドの水溶液
中での保存安定性を以下の通り評価した。
保存安定性 重合禁止剤としてp−メトキシフェノール500ppm添加
したN−メチル−N−ビニルアクリルアミド1%水溶液
100mlをかっ色ビンに入れ室温に放置し、水溶液中での
保存安定性を検討した。保存安定性は、高速液体クロマ
トグラフィー分析法及びヨードメイトリー法による二重
結合測定法を用いた。高速液体クロマトグラフィー分析
法として、カラムには逆相系ODS:C18カラム、250×4nm
のステンレスカラム、検出器には紫外線検出器を用い、
254nmにて測定を行なった。移動相は水/メタノール=8
/2 v/v%で流速1.0μl/minとし、保存サンプルを1/100
に溶離液で希釈し、この内の20μlを分析した。得られ
たN−メチル−N−ビニルアクリルアミドの面積を用い
て変化率を検討した。同時に、既知手法であるヨードメ
トリー法を用いて保存溶液の二重結合を測定した結果、
室温で2週間の間、ほとんど重合及び分解が認められな
かった。
参考例1 N−メチル−N−ビニルアクリルアミドの架橋剤とし
ての効果を水溶性モノマーを使ったラジカル重合により
検討した。
ガラス製二重槽の減圧式セパラブルフラスコに窒素等
入管、温度センサー、排気管を取り付け、容器を減圧下
トリメチルアミノエチルアクリレート塩化物240gに純水
225gとN−メチル−N−ビニルアクリルアミド0.002gを
添加し、スターラーで撹拌しながら反応液中の溶存酸素
を0.5ppm以下になるように窒素置換を行なった。
重合開始剤として、過硫酸アンモニウム及び亜流酸水
素ナトリウム5×10-3wt%水溶液を各々1.0ml及び2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩5×10-3
wt%水溶液2.0mlを添加し、撹拌、窒素バブリング下で
重合を行ない、温度モニターにより重合終点をチェック
した。約1時間で重合が終了した。次に60℃の水浴に2
時間浸漬した後、得られた物を80℃のキャオーブン内で
乾燥し、ポリマーを得た。ポリマーの吸収性試験とし
て、乾燥ポリマー0.1gを500mlの純水中に投じ、約10分
撹拌した後、残渣を100メッシュの金網で餞別し、重量
を測定すると約300gの残渣が得られた。これは該ポリマ
ーが自重の約3千倍の水を吸収した事になる。吸水後の
ゲルの形状は角ばった弾性を有するゲルであった。
参考例2 参考例1と同様な重合容器にアクリルアミド150g及び
純水350g並びにN−メチル−N−ビニルアクリルアミド
7.5×10-4gを加え、同様な操作により重合を行なった。
得られた重合体を乾燥後、1N硝酸ソーダ溶液に希釈溶解
し、ウベローデ粘度計を用いて30℃にて粘度を測定し
た。重合体の極限粘度は〔η〕=17.46で水への溶解性
も良好であった。
参考例3 500mlの3つ口フラスコに、窒素導入管、排気管及び
撹拌装置を取り付け、シクロヘキサン300ml、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩60g、分散剤
としてエチルセルロース1g、及びN−メチル−N−ビニ
ルアクリルアミド3.0×10-4gを添加し、窒素置換により
溶液の溶存酸素を0.5ppm以下とした。撹拌下、温度を55
℃とし、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩6×10-3g
を加え、窒素雰囲気下6時間の逆相懸濁重合を行なっ
た。重合終了後得られた重合体を濾過乾燥して粒径約0.
5mmのビーズ状ポリマーを得た。得られたポリマーをウ
ベローデ粘度計を用いて粘度を測定したところ〔η〕=
12で水溶性も良好であった。
参考例4 N−メチル−N−ビニルアクリルアミドを添加しなか
った以外、参考例1と同様にして重合を行なった。得ら
れたポリマーの極限粘度は〔η〕=10で、溶解性は良好
であった。
参考例5 N−メチル−N−ビニルアクリルアミドを添加しなか
った以外、参考例2と同様にして重合を行なった。得ら
れたポリマーの水溶性は良好であったが、極限粘度で
〔η〕=7.3と分子量が伸びていなかった。
参考例6 N−メチル−N−ビニルアクリルアミドを添加しなか
った以外、参考例3と同様にして重合を行なった。得ら
れたポリマーの水溶性は良好であるが、極限粘度で
〔η〕=4と分子量が伸びず、ポリマーの吸湿性も高く
なり、凝集剤としての使用が困難であった。
以上、参考例で示したように、N−メチル−N−ビニ
ルアクリルアミドを水溶性モノマーの架橋剤に用いると
ポリマーの性質を大きく改良できることが明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1にて得られた化合物の赤外線吸収スペ
クトル、第2図は同じく質量スペクトル、第3図は同じ
く紫外可視吸収スペクトル、第4図は同じくNMRスペク
トルを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で表わされるジビニル化合物
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