JP2688284B2 - 保護継電器 - Google Patents
保護継電器Info
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Description
この発明は電力系統を保護する保護継電器に関する。
第3図は、例えば『電気協同研究,第41巻,第4号,
ディジタルリレー』P45の第4−1−3表の方式,積形
Cに示された従来のディジタル演算形電力方向継電器の
アルゴリズムを説明するための波形図である。 電力方向を得る演算原理式として上掲の表には(1)
式が示されている。 ||・||cosθ=vmim+vm-3im-3 ……(1) 但し、||,||;電圧,電流の振幅値 θ;電圧と電流の位相差 im,vm;時刻mの時の電流,電圧のディジタル データ im-3,vm-3;時刻mより3サンプル前の電流,電圧 のディジタルデータ 更に、ここではサンプリング時間巾βを電気角で30°
の場合について示しており、時刻mの電流,電圧の内積
値と、これより電気角90°隔った時点の電流,電圧の内
積の和を得るものである。 今、継電器への入力電気量を第3図に示す用に、 i(t)=Ipsin(ω0t) ……(2) v(t)=Vpsin(ω0t+θ) ……(3) とし、時刻m時点における角周波数ω0tの値をαとすれ
ば、各サンプル値は次式で与えられる。 im=Ipsinα ……(4) vm=Vpsin(α+θ) ……(5) さらに、m−k時点におけるサンプル値は、次式で与え
られることになる。 im-k=Ipsin(α−kβ) ……(6) vm-k=Vpsin(α−kβ+θ) ……(7) 但し、IpVp ;電流,電圧の振巾値。 β;サンプリング時間巾 θ;電圧と電流の位相差 k;k=1,2,3… である。ここで(1)式の右辺に着目すると(8)式が
判明する。 imvm+im-3vm-3 =Ipsinα・Vpsin(α+θ) +Ipsin(α−3β)Vpsin(α−3β+θ) =IpVp{sinαsin(α+θ) +sin(α−3β)sin(α−3β+θ)} =IpVp{sinαsin(α+θ) +cosαcos(α+θ)} =IpVpcosθ ……(8) 即ち、データの3サンプル分の隔たりは電気角90°の
隔たりということになる。
ディジタルリレー』P45の第4−1−3表の方式,積形
Cに示された従来のディジタル演算形電力方向継電器の
アルゴリズムを説明するための波形図である。 電力方向を得る演算原理式として上掲の表には(1)
式が示されている。 ||・||cosθ=vmim+vm-3im-3 ……(1) 但し、||,||;電圧,電流の振幅値 θ;電圧と電流の位相差 im,vm;時刻mの時の電流,電圧のディジタル データ im-3,vm-3;時刻mより3サンプル前の電流,電圧 のディジタルデータ 更に、ここではサンプリング時間巾βを電気角で30°
の場合について示しており、時刻mの電流,電圧の内積
値と、これより電気角90°隔った時点の電流,電圧の内
積の和を得るものである。 今、継電器への入力電気量を第3図に示す用に、 i(t)=Ipsin(ω0t) ……(2) v(t)=Vpsin(ω0t+θ) ……(3) とし、時刻m時点における角周波数ω0tの値をαとすれ
ば、各サンプル値は次式で与えられる。 im=Ipsinα ……(4) vm=Vpsin(α+θ) ……(5) さらに、m−k時点におけるサンプル値は、次式で与え
られることになる。 im-k=Ipsin(α−kβ) ……(6) vm-k=Vpsin(α−kβ+θ) ……(7) 但し、IpVp ;電流,電圧の振巾値。 β;サンプリング時間巾 θ;電圧と電流の位相差 k;k=1,2,3… である。ここで(1)式の右辺に着目すると(8)式が
判明する。 imvm+im-3vm-3 =Ipsinα・Vpsin(α+θ) +Ipsin(α−3β)Vpsin(α−3β+θ) =IpVp{sinαsin(α+θ) +sin(α−3β)sin(α−3β+θ)} =IpVp{sinαsin(α+θ) +cosαcos(α+θ)} =IpVpcosθ ……(8) 即ち、データの3サンプル分の隔たりは電気角90°の
隔たりということになる。
従来の保護継電器は、以上のように構成されているの
で、『系統周波数は常に一定として扱うものであり、デ
ィジタル・リレーとして成立させるためには50Hz,60Hz
等の周波数に対応してサンプリング時間巾βを正確に定
める必要がある』の前提のもとに演算原理式が構成され
ている。 このため、系統の周波数変動に対しては(8)式の中
の sin(α−3β)sin(α−3β+θ)=cosαcos(α+ θ) の前提が崩れてしまい等号が成立しなくなって演算原理
上、保護能力的に無視し得ない影響を受ける他、周波数
によってサンプリング時間巾βを変えないと誤差が大と
なって実用的でなくなるという課題があった。 さらには、系統周波数に従属してサンプリング時間巾
βを30°の倍数に設定する必要があり、(8)式の場
合、電力方向リレーとして有効な演算結果を得るために
は、電気角で90°(60Hzの場合には4.167ms、50Hzの場
合には5ms)相当の時間が必要(処理装置の処理に要す
る時間はこれを無視してある。)であり、従来の演算原
理では、これ以上に検出時間を短縮するのは困難で、高
速度動作に対して限界がある等の課題があった。 この発明は、上記の様な課題を解消するためになされ
たもので、周波数変動による特性変化を改善すると共
に、扱う周波数によってサンプリング時間巾βを変える
ことなく、すなわち50Hz,60Hz共用形の演算処理回路で
対応が可能な保護継電器を得ることを目的とする。ま
た、水力発電機の起動時のように周波数が緩やかに変化
する系への対応、あるいは系統周波数に従属しないでサ
ンプリング時間巾を設定し得る(例えば、高速動作が可
能なディジタル演算形電力方向継電器のアルゴリズム)
保護継電器を得ることを目的とする。
で、『系統周波数は常に一定として扱うものであり、デ
ィジタル・リレーとして成立させるためには50Hz,60Hz
等の周波数に対応してサンプリング時間巾βを正確に定
める必要がある』の前提のもとに演算原理式が構成され
ている。 このため、系統の周波数変動に対しては(8)式の中
の sin(α−3β)sin(α−3β+θ)=cosαcos(α+ θ) の前提が崩れてしまい等号が成立しなくなって演算原理
上、保護能力的に無視し得ない影響を受ける他、周波数
によってサンプリング時間巾βを変えないと誤差が大と
なって実用的でなくなるという課題があった。 さらには、系統周波数に従属してサンプリング時間巾
βを30°の倍数に設定する必要があり、(8)式の場
合、電力方向リレーとして有効な演算結果を得るために
は、電気角で90°(60Hzの場合には4.167ms、50Hzの場
合には5ms)相当の時間が必要(処理装置の処理に要す
る時間はこれを無視してある。)であり、従来の演算原
理では、これ以上に検出時間を短縮するのは困難で、高
速度動作に対して限界がある等の課題があった。 この発明は、上記の様な課題を解消するためになされ
たもので、周波数変動による特性変化を改善すると共
に、扱う周波数によってサンプリング時間巾βを変える
ことなく、すなわち50Hz,60Hz共用形の演算処理回路で
対応が可能な保護継電器を得ることを目的とする。ま
た、水力発電機の起動時のように周波数が緩やかに変化
する系への対応、あるいは系統周波数に従属しないでサ
ンプリング時間巾を設定し得る(例えば、高速動作が可
能なディジタル演算形電力方向継電器のアルゴリズム)
保護継電器を得ることを目的とする。
請求項(1)記載の発明に係る保護継電器は、電力系
統の電圧及び電流データをサンプリングして電気量デー
タの一時的保管手段に格納する。その格納したデータサ
ンプリング値を用いて演算するための系統保護の加算演
算式を求め、その加算演算式は第1の加数と第2の加数
とで構成する。具体的には電圧の振巾値の2乗を被乗数
としたサンプリングタイム条件式からなる第1の電気量
を電圧の振巾値の2乗の2倍を被乗数とするサンプリン
グタイム条件式からなる第2の電気量で除算する。その
除算した値に電圧,電流の振巾値の位相差を掛算した第
1の加数と、その電圧,電流の振巾値の位相差の2分の
1を第2の加数を加算して電力方向成分を求める。この
時、サンプリングタイム条件式が零以外の時に四則演算
手段で演算して判定量導出部より判定結果を出力するよ
うにしたものである。 また、請求項(2)記載の発明に係る保護継電器は、
請求項(1)と同様の電流,電気量データの一時的保管
手段を有し、系統保護の演算式を求めて四則演算手段に
かける。具体的な演算は、電気量データの一時的保管手
段へのサンプリングデータ取り込み順序及び演算処理を
第1の電圧データサンプリング式と第2の電圧データサ
ンプリング式及び第1の電流,電圧サンプリング式を乗
じて行われる。その乗じた値に第2の電流,電圧サンプ
リング式を加算する如く規定し、前記第1及び第2の電
圧データサンプリング式が零でないことを条件に演算し
て判定量導出部より判定結果を出力するようにしたもの
である。
統の電圧及び電流データをサンプリングして電気量デー
タの一時的保管手段に格納する。その格納したデータサ
ンプリング値を用いて演算するための系統保護の加算演
算式を求め、その加算演算式は第1の加数と第2の加数
とで構成する。具体的には電圧の振巾値の2乗を被乗数
としたサンプリングタイム条件式からなる第1の電気量
を電圧の振巾値の2乗の2倍を被乗数とするサンプリン
グタイム条件式からなる第2の電気量で除算する。その
除算した値に電圧,電流の振巾値の位相差を掛算した第
1の加数と、その電圧,電流の振巾値の位相差の2分の
1を第2の加数を加算して電力方向成分を求める。この
時、サンプリングタイム条件式が零以外の時に四則演算
手段で演算して判定量導出部より判定結果を出力するよ
うにしたものである。 また、請求項(2)記載の発明に係る保護継電器は、
請求項(1)と同様の電流,電気量データの一時的保管
手段を有し、系統保護の演算式を求めて四則演算手段に
かける。具体的な演算は、電気量データの一時的保管手
段へのサンプリングデータ取り込み順序及び演算処理を
第1の電圧データサンプリング式と第2の電圧データサ
ンプリング式及び第1の電流,電圧サンプリング式を乗
じて行われる。その乗じた値に第2の電流,電圧サンプ
リング式を加算する如く規定し、前記第1及び第2の電
圧データサンプリング式が零でないことを条件に演算し
て判定量導出部より判定結果を出力するようにしたもの
である。
請求項(1)記載の発明における処理は、電流,電圧
サンプリングデータの積量を導出し、これを電流,電圧
の位相差に関連する成分、第2調波に関連する成分、サ
ンプリング時間巾に関連する成分とし、そのうち第2調
波とサンプリング時間巾に関連する成分を除去する如く
サンプリングデータの入力順序を制御し四則演算手段で
処理して判定量導出部より結果を出力する。かくして、
サンプリング時間巾は、系統周波数に対応する従属性か
ら解放される。また、請求項(2)記載の発明における
演算処理は、請求項(1)記載の判定量導出を行うため
のデータ取り込み順序と四則演算手段の他の実施例と異
なるアルゴリズムを提示したもので、検出時間が短縮さ
れる。
サンプリングデータの積量を導出し、これを電流,電圧
の位相差に関連する成分、第2調波に関連する成分、サ
ンプリング時間巾に関連する成分とし、そのうち第2調
波とサンプリング時間巾に関連する成分を除去する如く
サンプリングデータの入力順序を制御し四則演算手段で
処理して判定量導出部より結果を出力する。かくして、
サンプリング時間巾は、系統周波数に対応する従属性か
ら解放される。また、請求項(2)記載の発明における
演算処理は、請求項(1)記載の判定量導出を行うため
のデータ取り込み順序と四則演算手段の他の実施例と異
なるアルゴリズムを提示したもので、検出時間が短縮さ
れる。
以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図において、1はディジタル量化された電流データの
配分路、2は電圧データの配分路、3〜5は電流データ
の一時的保管室、6〜8は電圧データの一時的保管室
(3〜8を電気量データの一時的保管手段と呼称す
る。)、9,11,16は減算回路、10,13,15,22は加算回路、
12,13,14,17,20は乗算回路、18,19,21は除算回路(9〜
22は四則演算(手段)回路と呼ぶ。)、23は判定量導出
部である。 次に動作について説明する。まず電流,電圧データの
配分路1,2に夫々ディジタルデータ列…im+1,im,im-1,
……、vm+1,vm,vm-1…がサンプリング時間々隔βおき
に流れており、電流,電圧データの一時的保管室3〜8
には、夫々im+1,im,im-1,vm+1,vm,vm-1が保管されてい
るものとする。 この保管室のデータの出し入れは、別の制御系(図示
せず)により制御されている。例えば最新データとし
て、電流データim+2が電流データ配分路1に現われる
と(勿論、これと同期して、電圧データ配分路2にも電
圧データvm+2が現われていることはいうまでもな
い)。保管室3では、データim+1がクリアされ、デー
タim+2を収納する。同時に保管室4ではデータimがク
リアされ、データim+1を収納する。保管室5では、i
m-1がクリアされデータimを収納する。 この時、保管室3〜5のデータのクリア,収納は同期
して別の制御系で制御されている。 電圧データの一時的保管室6〜8についても完全に電
流データの一時的保管室と同様の動作を行なう。 即ち、vm+2が電圧データの一時的保管室6に収納さ
れた時、電圧データの一時的保管室7,8には夫々vm+1,v
mが収納されることになる。 減算回路9は、電流データの一時的保管室3,5からの
出力を夫々入力してim-1−im+1を出力している。 加算回路10は、電圧データの一時的保管室6,8からの
出力を夫々入力して、vm+1+vm-1を出力している。 減算回路11は電圧データの一時的保管室6,8からの出
力を夫々入力して、vm+1−vm-1を出力している。 乗算回路12は電圧データの一時的保管室7からの出力
を入力して、2vmを出力している。 乗算回路13は、電流データの一時的保管室4及び電圧
データの一時的保管室7の出力を夫々入力してimvmを
出力している。 乗算回路14は、減算回路9,11の出力を夫々入力して、
(im-1−im+1)(vm+1−vm-1)を出力している。 加算回路15は、加算回路10及び乗算回路12の出力を夫
々入力してvm+1+2vm+vm-1を出力している。 減算回路16は、加算回路10及び乗算回路12の出力を夫
々入力してvm+1−2vm−vm-1を出力している。 乗算回路18は、加算回路15及び乗算回路12の出力を夫
々入力して を出力している(但し、電圧データサンプリング条件式
vm+1+2vm+vm-1≠0とする。) 除算回路19は、減算回路16及び乗算回路12の出力を夫
々入力して を出力している。(但し、電圧データサンプリング条件
式vm+1−2vm+vm-1≠0とする。) 乗算回路17は、乗算回路14及び除算回路18からの出力
を夫々入力して を出力している。 乗算回路20は、乗算回路17及び除算回路19からの出力
を夫々入力として を出力している。 除算回路21は、乗算回路20の出力を入力して を出力している。 加算回路22は除算回路21、乗算回路13の出力を夫々入
力して、下記を出力している。 判定量導出部23は、加算回路22の処理結果IpVpcos
θを導出している。 これの判定規準は図示していないが、 IpVpcosθ≧0 ……(10) を満足した時、方向リレーとして接点を閉じる如く構成
されている。 この考え方は、理論的には、第2図に示す通り説明さ
れる。 この時、分母を構成するcos2β−1≠0が肝要であ
り、常にvm+1±2vm+vm-1≠0となる様に予測制御す
る等の方策が必要である事は言を待たない。 ここで、実施例に適用した電流,電圧のデータサンプ
リング式及び関連式を次の様に定義する。 (vm+1±2vm+vm-1≠0;電圧データサンプリング条件
式、 (im-1−im+1)(vm+1−vm-1);第1の電流,電圧
サンプリング式、 imv ;第2の電流,電圧サンプリング
式、 cos2β−1≠0 ;サンプリングタイム条件式、 Vp 2(cos2β−1) ;第1の電気量、 2Vp 2(cos2β−1) ;第2の電気量、 IpVpcosθ ;電流,電圧振巾の位相差、 第1図で述べた通り、この発明では、従来リレーのよ
うに『不変周波数の正弦波であれば、サンプリング時間
巾を電気角30°にとり、3サンプル前(又は、後)のデ
ータを使えば、そのデータは、現在のデータよりも90°
前(又は後)のデータであり、前者をsin成分とすれ
ば、後者はcos成分となる。』の前提によらない演算原
理とするため、具体的な実施例として入力データの取り
込み順序を規定する四則演算回路を示した。 従って、この発明によれば、サンプリング時間巾を、
系統周波数に無関係に設定することが可能となるため、
50Hz,60Hzで、サンプリング時間巾を共用化することが
可能となる他、処理装置の処理能力が向上すれば、する
程、サンプリング時間巾を短く設定し得ることになる。 具体的にはm−1〜m+1までの3サンプル・データ
(従来リレーはm〜m+3までの4サンプル・データ)
であり、1サンプル・データの少ない分、事故検出に要
する時間は少ない。 サンプリング時間巾を縮めて行けば更に高速度動作が
可能となる。 また、この3サンプル・データの間系統の周波数がほ
ゞ一定と見倣し得る程度の周波数変動率であれば、即
ち、水力発電機が起動して、定格周波数になる迄の間の
保護にも適用できる。 また、この発明は、時限協調が従来リレーに比べて容
易になる。即ち、従来リレーは、タップ値,抑制スプリ
ング,接点間隔等で電源端から負荷端までの間に設置さ
れたリレーの時限協調をとっているが、この発明では、
負荷側程、サンプリング時間巾を短く、電源端側程サン
プリング時間巾を長く設定することにより、事故時に
は、各端をほゞ同一の電流が貫通して事故点に向って流
れるため、同一原理のリレーで確実に時限協調がはかれ
ることになる。 この時、併せて、演算結果の照合回数を電源端側程多
くする等の配慮をすれば信頼度向上にも資する。 更に、この発明はインピーダンスリレーへの応用も可
能である。
1図において、1はディジタル量化された電流データの
配分路、2は電圧データの配分路、3〜5は電流データ
の一時的保管室、6〜8は電圧データの一時的保管室
(3〜8を電気量データの一時的保管手段と呼称す
る。)、9,11,16は減算回路、10,13,15,22は加算回路、
12,13,14,17,20は乗算回路、18,19,21は除算回路(9〜
22は四則演算(手段)回路と呼ぶ。)、23は判定量導出
部である。 次に動作について説明する。まず電流,電圧データの
配分路1,2に夫々ディジタルデータ列…im+1,im,im-1,
……、vm+1,vm,vm-1…がサンプリング時間々隔βおき
に流れており、電流,電圧データの一時的保管室3〜8
には、夫々im+1,im,im-1,vm+1,vm,vm-1が保管されてい
るものとする。 この保管室のデータの出し入れは、別の制御系(図示
せず)により制御されている。例えば最新データとし
て、電流データim+2が電流データ配分路1に現われる
と(勿論、これと同期して、電圧データ配分路2にも電
圧データvm+2が現われていることはいうまでもな
い)。保管室3では、データim+1がクリアされ、デー
タim+2を収納する。同時に保管室4ではデータimがク
リアされ、データim+1を収納する。保管室5では、i
m-1がクリアされデータimを収納する。 この時、保管室3〜5のデータのクリア,収納は同期
して別の制御系で制御されている。 電圧データの一時的保管室6〜8についても完全に電
流データの一時的保管室と同様の動作を行なう。 即ち、vm+2が電圧データの一時的保管室6に収納さ
れた時、電圧データの一時的保管室7,8には夫々vm+1,v
mが収納されることになる。 減算回路9は、電流データの一時的保管室3,5からの
出力を夫々入力してim-1−im+1を出力している。 加算回路10は、電圧データの一時的保管室6,8からの
出力を夫々入力して、vm+1+vm-1を出力している。 減算回路11は電圧データの一時的保管室6,8からの出
力を夫々入力して、vm+1−vm-1を出力している。 乗算回路12は電圧データの一時的保管室7からの出力
を入力して、2vmを出力している。 乗算回路13は、電流データの一時的保管室4及び電圧
データの一時的保管室7の出力を夫々入力してimvmを
出力している。 乗算回路14は、減算回路9,11の出力を夫々入力して、
(im-1−im+1)(vm+1−vm-1)を出力している。 加算回路15は、加算回路10及び乗算回路12の出力を夫
々入力してvm+1+2vm+vm-1を出力している。 減算回路16は、加算回路10及び乗算回路12の出力を夫
々入力してvm+1−2vm−vm-1を出力している。 乗算回路18は、加算回路15及び乗算回路12の出力を夫
々入力して を出力している(但し、電圧データサンプリング条件式
vm+1+2vm+vm-1≠0とする。) 除算回路19は、減算回路16及び乗算回路12の出力を夫
々入力して を出力している。(但し、電圧データサンプリング条件
式vm+1−2vm+vm-1≠0とする。) 乗算回路17は、乗算回路14及び除算回路18からの出力
を夫々入力して を出力している。 乗算回路20は、乗算回路17及び除算回路19からの出力
を夫々入力として を出力している。 除算回路21は、乗算回路20の出力を入力して を出力している。 加算回路22は除算回路21、乗算回路13の出力を夫々入
力して、下記を出力している。 判定量導出部23は、加算回路22の処理結果IpVpcos
θを導出している。 これの判定規準は図示していないが、 IpVpcosθ≧0 ……(10) を満足した時、方向リレーとして接点を閉じる如く構成
されている。 この考え方は、理論的には、第2図に示す通り説明さ
れる。 この時、分母を構成するcos2β−1≠0が肝要であ
り、常にvm+1±2vm+vm-1≠0となる様に予測制御す
る等の方策が必要である事は言を待たない。 ここで、実施例に適用した電流,電圧のデータサンプ
リング式及び関連式を次の様に定義する。 (vm+1±2vm+vm-1≠0;電圧データサンプリング条件
式、 (im-1−im+1)(vm+1−vm-1);第1の電流,電圧
サンプリング式、 imv ;第2の電流,電圧サンプリング
式、 cos2β−1≠0 ;サンプリングタイム条件式、 Vp 2(cos2β−1) ;第1の電気量、 2Vp 2(cos2β−1) ;第2の電気量、 IpVpcosθ ;電流,電圧振巾の位相差、 第1図で述べた通り、この発明では、従来リレーのよ
うに『不変周波数の正弦波であれば、サンプリング時間
巾を電気角30°にとり、3サンプル前(又は、後)のデ
ータを使えば、そのデータは、現在のデータよりも90°
前(又は後)のデータであり、前者をsin成分とすれ
ば、後者はcos成分となる。』の前提によらない演算原
理とするため、具体的な実施例として入力データの取り
込み順序を規定する四則演算回路を示した。 従って、この発明によれば、サンプリング時間巾を、
系統周波数に無関係に設定することが可能となるため、
50Hz,60Hzで、サンプリング時間巾を共用化することが
可能となる他、処理装置の処理能力が向上すれば、する
程、サンプリング時間巾を短く設定し得ることになる。 具体的にはm−1〜m+1までの3サンプル・データ
(従来リレーはm〜m+3までの4サンプル・データ)
であり、1サンプル・データの少ない分、事故検出に要
する時間は少ない。 サンプリング時間巾を縮めて行けば更に高速度動作が
可能となる。 また、この3サンプル・データの間系統の周波数がほ
ゞ一定と見倣し得る程度の周波数変動率であれば、即
ち、水力発電機が起動して、定格周波数になる迄の間の
保護にも適用できる。 また、この発明は、時限協調が従来リレーに比べて容
易になる。即ち、従来リレーは、タップ値,抑制スプリ
ング,接点間隔等で電源端から負荷端までの間に設置さ
れたリレーの時限協調をとっているが、この発明では、
負荷側程、サンプリング時間巾を短く、電源端側程サン
プリング時間巾を長く設定することにより、事故時に
は、各端をほゞ同一の電流が貫通して事故点に向って流
れるため、同一原理のリレーで確実に時限協調がはかれ
ることになる。 この時、併せて、演算結果の照合回数を電源端側程多
くする等の配慮をすれば信頼度向上にも資する。 更に、この発明はインピーダンスリレーへの応用も可
能である。
以上のようにこの発明によれば、請求項(1)では電
流,電圧のデータサンプリング値を用いて判定量を導出
する系統保護の演算式を求め、その演算式の構成に当っ
ては第2調波に関連した成分とサンプリング時間巾に関
連した成分を除去し、その演算式が第1の加数と第2の
加数の加算式で示される如くサンプリングデータの入力
を制御し四則演算手段で処理して判定量を出力するの
で、周波数変動による特性への影響が改善され、50Hz,6
0Hzのいずれに対してもサンプリング時間巾を共用する
ことが可能になると共に、検出時間の高速化を図ること
ができる。また、時限協調の取り易いリレーが得られる
効果がある。また、請求項(2)記載の発明によれば、
請求項(1)記載の判定量導出のためのデータ取り込み
順序、及び演算処理に基づくアルゴリズムに代って別の
アルゴリズムによる四則演算手段を示したもので、請求
項(1)の効果と併せて巾広い用途に適用することがで
きる効果がある。
流,電圧のデータサンプリング値を用いて判定量を導出
する系統保護の演算式を求め、その演算式の構成に当っ
ては第2調波に関連した成分とサンプリング時間巾に関
連した成分を除去し、その演算式が第1の加数と第2の
加数の加算式で示される如くサンプリングデータの入力
を制御し四則演算手段で処理して判定量を出力するの
で、周波数変動による特性への影響が改善され、50Hz,6
0Hzのいずれに対してもサンプリング時間巾を共用する
ことが可能になると共に、検出時間の高速化を図ること
ができる。また、時限協調の取り易いリレーが得られる
効果がある。また、請求項(2)記載の発明によれば、
請求項(1)記載の判定量導出のためのデータ取り込み
順序、及び演算処理に基づくアルゴリズムに代って別の
アルゴリズムによる四則演算手段を示したもので、請求
項(1)の効果と併せて巾広い用途に適用することがで
きる効果がある。
第1図はこの発明の一実施例による保護継電器のブロッ
ク図、第2図はこの発明の原理式展開図、第3図は従来
のディジタルリレーのアルゴリズムを説明するための波
形図である。 図において、1は電流データの配分路、2は電圧データ
の配分路、3〜5は電流データの一時的保管室、6〜8
は電圧データの一時的保管室、3〜8は電気量データの
一時的保管手段、9〜22は四則演算(手段)回路、23は
判定量導出部である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
ク図、第2図はこの発明の原理式展開図、第3図は従来
のディジタルリレーのアルゴリズムを説明するための波
形図である。 図において、1は電流データの配分路、2は電圧データ
の配分路、3〜5は電流データの一時的保管室、6〜8
は電圧データの一時的保管室、3〜8は電気量データの
一時的保管手段、9〜22は四則演算(手段)回路、23は
判定量導出部である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】電力系統の電圧、電流を検出した電圧デー
タ及び電流データを所定のサンプリング時間巾でサンプ
リングして一時保管する電流データの一時的保管手段及
び電圧データの一時的保管手段と、前記両一時的保管手
段に格納された電流データ及び電圧データのサンプリン
グ値を用いて下記第1の電気量及び第2の電気量を演算
処理して出力する演算手段と、その第1の電気量を第2
の電気量で除して得た値に電圧、電流振巾の位相差を掛
算した下記第1の加数と、その電圧、電流の位相差の2
分の1を下記第2の加数として電力方向成分を求め、下
記サンプリング条件式が零以外の条件で判定結果を出力
する判定量導出部とを備えた保護継電器。 - 【請求項2】電力系統の電圧、電流を検出した電圧デー
タ及び電流データを所定のサンプリング時間巾でサンプ
リングして一時保管する電流データの一時的保管手段及
び電圧データの一時的保管手段と、前記一時的保管手段
に格納された電流データ及び電圧データのサンプリング
値を用いて演算処理する演算手段と、前記電流データの
一時的保管手段及び電圧データの一時的保管手段へのサ
ンプリングデータ取り込み順序及び演算処理として、下
記第1電圧データサンプリング式と下記第2の電圧デー
タサンプリング式及び下記第1の電流、電圧データサン
プリング式を乗じて得た値に下記第2の電流、電圧デー
タサンプリング式を加算する如く規定し、下記電圧デー
タサンプリング条件式が零でないことを条件に演算して
判定結果を出力する判定量導出部とを備えた保護継電
器。 第1の電気量: VP 2(cos2β−1) 第2の電気量: 2VP 2(cos2β−1) 第1の電圧データサンプリング式: 第2の電圧データサンプリング式: 電圧データサンプリング条件式: vm+1±2vm+vm-1≠0 第1の電流、電圧データサンプリング式: (im-1−im+1)(vm+1−vm-1) 第2の電流、電圧データサンプリング式: imvm サンプリングタイム条件式: cos2β−1≠0 電力方向成分: IPVPcosθ ここで、IP:電流の振巾値 VP:電圧の振巾値 β:サンプリング時間(間隔)巾 θ:電圧、電流の位相差 im:電流データ vm:電圧データ
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2321893A JP2688284B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 保護継電器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2321893A JP2688284B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 保護継電器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04193021A JPH04193021A (ja) | 1992-07-13 |
JP2688284B2 true JP2688284B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=18137580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2321893A Expired - Fee Related JP2688284B2 (ja) | 1990-11-26 | 1990-11-26 | 保護継電器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2688284B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63188775A (ja) * | 1987-02-02 | 1988-08-04 | Hitachi Ltd | 実効値及び電力検出方式 |
-
1990
- 1990-11-26 JP JP2321893A patent/JP2688284B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「電気共同研究」第41巻第4号、昭和61年1月社団法人電気協同研究会p45 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04193021A (ja) | 1992-07-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |